JP4337533B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる現像装置に係り、特に、トナーと磁性キャリアとを具備した二成分現像剤を用い、像担持体上の静電潜像をトナー現像するように構成した現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置で使用される現像装置としては、所謂ハイブリッド現像方式を採用したものが知られている。
これは、感光体等の像担持体に対向し且つトナーを担持するドナーロールと、このドナーロールに対向し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を担持するトナー搬送ロールとを備え、磁気ブラシによりトナー搬送ロールから大量の現像剤を供給し、ドナーロール上にトナー層を形成するようにしたものである(例えば特許文献1参照)。
このハイブリッド現像方式では、通常、二成分現像剤の撹拌によってトナーの帯電が行われるため十分な帯電量を確保しやすく、また、トナー搬送ロールからドナーロールへのトナーの供給が静電気力によって行われるため、ドナーロールに逆極性に帯電したトナーが供給されることもない。従って、像担持体の非画像領域へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。更に、ドナーロールにはトナーのみしか供給されないため、磁性キャリアの像担持体への付着も防止される等の利点がある。
特開平9−211970号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平9−251237号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平10−319708号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平10−340003号公報(発明の実施の形態の欄、図1) 特開平10−319710号公報(発明の実施の形態の欄、図1)
しかしながら、この種のハイブリッド現像方式では、ドナーロール上でトナーが消費された部分に対してトナー供給領域でトナーを補充する方式が採られているが、トナーが消費された部分だけでなく、トナーが残存する非消費部分にもトナーが供給され、そのため前回のトナー消費パターンが現像された画像上に現れるという現像履歴の問題がある。
また、ドナーロール上にてトナーの供給、掻き取りを繰り返すと、大きい粒径のトナーと小さい粒径のトナーとの物理的付着力の差(大きい粒径のトナーはドナーロールへの物理的付着力が小さいため、ニップ領域で受ける掻き取り力に対し容易に掻き取られるが、小さい粒径のトナーは逆に掻き取られにくい)により、ドナーロール上のトナーの粒径が徐々に小粒径化してくる。このドナーロール上での粒径の変化は、現像特性や転写特性に変化をもたらし、現像されないでドナーロール上にトナーが残留した上に新しいトナーが供給された領域と、現像されて新しいトナーが供給された領域との間で、トナーの濃度差が生じ、これが画像欠陥(現像履歴)をもたらす可能性がある。
そのため、現像領域を通過したドナーロールから一旦全てのトナーを除去し、その後ドナーロールとトナー供給用ロールとの対向部(トナー供給領域)でドナーロールにトナーを再び担持させる方式が知られている。例えば、トナー除去手段としてスクレーパを使用する方式があるが、この場合、スクレーパとドナーロールとの接触部でトナーが互いに融着するという問題がある。
そこで、トナー供給用ロールとは別に、新たにトナー回収用ロールを加え、ドナーロール上のトナーをトナー回収用ロールで掻き取る方式も開示されている(例えば特許文献2参照)。
しかし、この新たにトナー回収用ロールを追加する方式にあっては、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールへの現像剤供給量が不安定であると、ドナーロール上のトナー量が不安定となり、画像への濃度むらが発生する。
特に、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールとの間で、現像剤がストレスを受け易く、現像剤の流動性が低下してくると一層顕著となる。
そのため、トナー供給用ロールとトナー回収用ロールを同一方向に回転させ、更に、互いに近接配置させることで、現像剤搬送量を安定させる方式の提案がなされている(例えば特許文献3,4参照)。
しかしながら、この場合、二本のロール間のバイアスリークの問題が発生しやすく、特にトナー濃度が低下し且つ動作環境が高湿状況にあるときに顕著となる。更に、二本のロール間に入り込んだ現像剤がストレスを受け、現像剤の劣化が生じ易く、画像かぶりが発生する問題もあり、長期間に亘って安定した現像特性が得られない課題がある。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、現像剤の供給量が安定し、濃度むらを長期に亘って抑止できると共に、長期に亘って現像特性の安定した現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明の基本的構成は、図1に示すように、静電潜像を担持する像担持体1に対向して開口し且つ内部に二成分現像剤が収容される現像ハウジング6と、現像ハウジング6の開口部に面して配設されて像担持体1に回転可能に圧接配置され且つ表面にトナーを担持するトナー担持体2と、現像ハウジング6内のトナー担持体2の背面側に設けられトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体2へトナーを供給する供給用現像剤担持体3と、現像ハウジング6内のトナー担持体2の背面側に設けられ二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体2からトナーを回収する回収用現像剤担持体4と、現像ハウジング6内に設けられ二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2とに対向して配設されて、回転軸を中心に回転することで回転軸の周方向に現像剤を搬送し且つ前記供給用現像剤担持体3に現像剤を搬送する搬送部材5と、前記供給用現像剤担持体3と前記搬送部材5とが対向する位置に対して前記搬送部材5の回転方向で上流側に前記搬送部材5の周方向に沿って配置され、前記搬送部材5による現像剤搬送のガイドを行うガイド部材(図示せず)とを備えたものである。
特に、本発明は、前記トナー担持体2と供給用現像剤担持体3と搬送部材5とを一つのユニットホルダ7にて回転可能に保持し、このユニットホルダ7にて保持されたサブユニット8を現像ハウジング6内で前記像担持体1に接離可能に可動支持し、前記現像ハウジング6に前記回収用現像剤担持体4を支持したことに特徴点を有する。
このような技術的手段において、本願に係る現像装置は、二成分現像剤を用いるタイプのものであるため、トナーとしては種々の色成分を有するものが使用可能であり、単色の現像装置を備えた画像形成装置に適用可能であることは勿論のこと、複数の現像装置を備えた例えばフルカラーの画像形成装置に対しても適用可能である。
また、トナー担持体2の表面は弾性部材で構成され、像担持体1と接触して使用される。
そして、二つの現像剤担持体3,4は、内部に磁界発生手段を具備し、二成分現像剤を担持搬送するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば、回転可能な非磁性スリーブと、この非磁性スリーブ内に固定的に配設され且つ磁界発生手段が設けられた磁石部材とを具備した態様がある。
更に、磁界発生手段は、複数の磁極を有しているものであればよく、例えば、磁極の構成例としては、現像に寄与するための現像磁極や、現像剤を捕獲できる機能を備えたピックアップ磁極や、現像剤を搬送する搬送磁極等を備えたものが挙げられるが、これに限られるものではなく、適宜選定してよい。
更にまた、トナーを二つの現像剤担持体3,4とトナー担持体2との間で有効に受け渡す観点からは、供給用現像剤担持体3とトナー担持体2との間、及び、回収用現像剤担持体4とトナー担持体2との間には、トナー担持体2に対しトナーを供給若しくは回収するための所定の電界が形成されていることが好ましく、このとき、現像剤担持体3,4へ印加するバイアスは、直流電圧でもよいし、交流重畳直流電圧であっても差し支えない。
一方、搬送部材5は、二つの現像剤担持体3,4と同様、内部に磁界発生手段を具備していることが、二成分現像剤を有効に搬送する観点から好ましい。また、搬送部材5の位置は、供給用現像剤担持体3及び回収用現像剤担持体4から所定の間隔をおいて離れている態様であれば、トナー担持体2と接触した態様も可能である
また、搬送部材5は、二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、同一方向に回転することが好ましく、このことにより、搬送部材5と二つの現像剤担持体3,4との対向部位において、現像剤のストレスが軽減されることとなる。尚、搬送部材5と現像剤担持体3,4とが異なる方向に回転する態様であっても、現像剤の流れにストレスを与えないような態様であれば差し支えない。
本発明で使用されるトナーは、磁性キャリアに付着するものであれば、磁性でも非磁性でもよい。
このような態様においては、像担持体1とトナー担持体2とが接触して接触現像を行っても、像担持体1とトナー担持体2とのギャップ変動がなく、電界変動が起き難く安定した現像が可能となる。
しかしながら、この接触現像にあっては、像担持体1やトナー担持体2の外径の振れ、軸芯の振れ、軸間のずれ等があると像担持体1とトナー担持体2との接触状態(接触圧力等)が変化し、これが駆動負荷になって振動や速度変動等を生じる。そのため、濃度むら(ピッチむら)等の画像ディフェクトを発生するようになる。
これらの問題を解決するために、トナー担持体2として低硬度の弾性層(例えばスポンジ層等)を使用し、更に像担持体1への食い込み量(像担持体1とトナー担持体2とが接触したときのトナー担持体2の変形量)を規制する部材(具体的にはトナー担持体2の軸の両端に設けた規制コロ)によって接触状態の変動を吸収させるようにした提案がなされている(例えば特許文献5参照)。
しかしながら、上述のようにトナー担持体2として低硬度の弾性層を用いた方式では、次のような問題が挙げられる。第一に、低硬度のトナー担持体2は製造上均一な外径(外径公差が小さい)を造るのが大変難しく、この外径振れによりトナー担持体2と供給用現像剤担持体3とのギャップが変動し、結果的に供給用現像剤担持体3からトナー担持体2へトナーを供給する電界が変動するようになり、トナー担持体2へのトナー供給量にむらが生じてしまう。また、第二には、現像装置の高速化にとっては、低硬度の弾性層の信頼性(耐摩耗性、耐擦傷性等)が不足する。
そのため、これらの問題に対し、トナー担持体2としてある程度高い硬度(製造時に外径振れが起きにくい硬度)を持たせ、ばねや弾性体等の加圧部材を用いて像担持体1に低圧力で当接させる方法が考えられる。
しかしながら、本件発明のような構成による現像装置では、構成要素が多く、現像装置自体の重量が重いため、各種のロール振れに対する稼働レスポンスが悪く(摺動負荷大)接触時のむらが起こる懸念がある。また、重量バランスも悪いため、各種支持部材や摺動部材へ掛かる荷重バランスも悪くなり、機械的かじりや現像ハウジングの捩れ等が起こる可能性がある。そのため、トナー担持体2が像担持体1に対する接触状態を、低圧力、定荷重で制御することが困難となる。
この点において、本件発明者らは、トナー担持体2と供給用現像剤担持体3と搬送部材5とを一つのユニットホルダ7にて回転可能に保持されたサブユニット8を、現像ハウジング6内で像担持体1に接離可能に可動支持し、前記現像ハウジング6に前記回収用現像剤担持体4を支持したことで、像担持体1とトナー担持体2との接触を安定させることが可能になることに加えて、供給用現像剤担持体3と搬送部材5とのギャップの安定化や夫々の磁気作用の安定化を一層図ることが可能になる。
ここで、「一つのユニットホルダ7にて回転可能に保持された」とは、サブユニット化された構成要素を回転可能に保持するために、ユニットホルダ7としては、一個の部材を備える態様であってもよいし、例えば、回転軸の両端に二個の部材を備える態様であっても差し支えない。また、ユニットホルダ7の可動方向は、像担持体1の接平面に直交する方向とすることがトナー担持体2と像担持体1との接触を一層安定に保つ観点から好ましいが、それ以外の方向であっても差し支えない。尚、接平面に直交する方向とは、例えば像担持体1がドラム状であれば径方向をいい、例えば像担持体1がベルト状であればそのベルト面に垂直な方向をいう。そして、サブユニット8のユニットホルダ7を可動支持する態様としては、例えば、レール、スライダ、転がり軸受等が挙げられる。
更に、ユニットホルダ7を、押圧部材9によって像担持体1方向に押圧することで、像担持体1とトナー担持体2との接触が安定し、安定した現像が可能になる。このとき、ユニットホルダ7を押圧する押圧部材9としては、各種ばね(圧縮、引っ張り、板等)やゴム状弾性体等が挙げられる。そして、押圧部材9の押圧方向は、像担持体1の接平面に直交する方向にユニットホルダ7を押圧することが好ましいが、例えば、他の方向であってもユニットホルダ7によりその可動方向は決まっているため差し支えない。
また、本発明におけるトナー担持体2としては、加工性及び供給用現像剤担持体3とのギャップ維持等の観点からは、表面にゴム硬度60度(アスカーC)以上の弾性層を備えていることが好ましく、これにより像担持体1とトナー担持体2との接触圧が安定し易く、また、トナー担持体2の機械的強度の向上や高速現像に対する安定性確保が可能となる。
更に、本発明は、上述された現像装置を用いた画像形成装置をも対象とするものである。
本発明によれば、トナー担持体と、このトナー担持体にトナーを供給及び回収する二つの現像剤担持体とを備え、更に、これらと対向する位置に、回転軸を中心に回転することで回転軸の周方向に現像剤を搬送し且つ供給用現像剤担持体に現像剤を搬送する搬送部材を配設すると共に、この搬送部材の周囲には搬送する現像剤をガイドするガイド部材を配設したので、現像剤の流れが円滑になり、また、現像剤の受けるストレスも低減することができ、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置を提供できる。
そして、特に、本発明では、トナー担持体と供給用現像剤担持体と搬送部材とがユニットホルダで保持されたサブユニットを現像ハウジング内で像担持体に接離可能に可動支持し、現像ハウジングに回収用現像剤担持体を支持するようにしたので、像担持体とトナー担持体との接触状態が安定し、更に、供給用現像剤担持体と搬送部材とのギャップの安定化や夫々の磁気作用の安定化を一層図ることができる。このため、トナー担持体へのトナー供給も安定するようになり、濃度むらやピッチむらのない画像形成が可能になる。また、機械的かじりや現像ハウジングの振れも抑止することができ、安定した現像特性が得られるようになる。
また、この現像装置を用いることで、長期に亘って現像特性が安定した画像形成装置が提供できる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明の基本的構成が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。尚、本実施の形態は、実施の形態3とは異なるサブユニット構成の参考の形態を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。
この静電潜像は、光の当たった部分の感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置30は、現像ハウジング31内にトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を収容し、トナーを担持するドナーロール32と、トナー供給用のトナー供給ロール33と、トナー回収用のトナー回収ロール34と、現像剤を搬送する搬送ロール35とを備えている。
本実施の形態では、感光体21上のトナー画像は、現像装置30によって可視像化された後、転写ロール26によって、記録材28上に転写され、この転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50により記録材28上のトナー画像が定着されるように構成されている。尚、定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることで、トナー画像を記録材28に定着するように構成されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
ここで、本件発明の特徴点である現像装置30について、図3に基づいて詳細に説明する。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、ドナーロール32を回動自在に収容している。このドナーロール32には図示外のバイアス電源が接続され、所定の現像バイアスが印加されるようになっている。
本実施の形態では、このドナーロール32は、その外周部に、例えばカーボンブラック等の導電性フィラーを練り込んだウレタンゴム層が形成され、所定の体積抵抗率で硬度70度(アスカーC)を備えている。このため、外径φ25mmで外径公差は20μm以内の仕上がりとなっている。
そして、ドナーロール32とドナーロール32の後部(感光体21と反対側)にあるトナー供給ロール33とは、所定のギャップを置いて配設され、更に、ドナーロール32の下方には、トナー回収ロール34がドナーロール32と所定のギャップを置いて配設されており、これらのトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34には、夫々図示外のバイアス電源が接続され、トナー供給ロール33からドナーロール32へ現像剤中のトナーを供給するための供給バイアス、ドナーロール32からトナー回収ロール34へトナーを回収するための回収バイアスが印加されるようになっている。
更にまた、これらトナー供給ロール33及びトナー回収ロール34の後部には、トナー回収ロール34の外周部の現像剤をトナー供給ロール33へ受け渡すように現像剤を担持搬送する搬送ロール35が配設されている。
本実施の形態においては、トナー供給ロール33、トナー回収ロール34及び搬送ロール35は、回転可能な回転スリーブ33a〜35aと、この回転スリーブ33a〜35aの内部に固定的に配設され、複数の磁極を有する磁石体33b〜35bとを備えている。
トナー供給ロール33の磁石体33bは、その外周部に複数の磁極(N2,S1,N1,S2,S3)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S1を設け、磁極N2の近傍で搬送ロール35と対向するように配置され、同極のS2,S3が反発磁極として作用するようになっている。
また、トナー回収ロール34の磁石体34bは、その外周部に複数の磁極(N5,S5,N3,S4,N4)を備えており、ドナーロール32と対向する位置に磁極S4を設け、磁極N4の近傍で搬送ロール35と対向する位置になるように配置されている。そして、同極のN4,N5が反発磁極として作用するようになっている。
更に、搬送ロール35の磁石体35bは、複数の磁極(S7,N6,S6)の内、磁極S7がトナー回収ロール34と対向する位置になるように配置されている。
尚、本実施の形態において、夫々の磁極の配置や数はこれに限定されるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、搬送ロール35の後部には、搬送ロール35と略同心円状の半円形状で、現像剤搬送のガイドを行う第一のガイド片43を設け、現像剤が搬送ロール35の外周上を効率よく搬送されるようにしている。そして、トナー供給ロール33と対向する位置には、トナー供給ロール33から剥離された現像剤を導く第二のガイド片44が設けられ、また、トナー回収ロール34と所定の間隔をもって対向する位置には、トナー回収ロール34上の現像剤の層厚を規制するためのトリマ42が設けられている。
更に、搬送ロール35の下方には、トナー供給ロール33から剥離され第二のガイド片44によって導かれた現像剤を再帯電し、トナー回収ロール34へ供給するための二つの撹拌部材としてのオーガ41(具体的には41a,41b)が配設されている。尚、符号45は、二つのオーガ41a,41bと搬送ロール35との間を仕切る仕切部材であり、符号46は、オーガ41aとオーガ41bとの間を仕切る仕切壁である。
尚、本実施の形態では、撹拌部材としてオーガ41を使用したが、これに限定されず、現像剤を撹拌搬送できるものであれば、適宜選定して差し支えない。また、オーガ41の数は二個に限らず、複数個あっても差し支えない。
そして、特に、本実施の形態においては、図4に示すように、ドナーロール32とトナー供給ロール33とは、ユニットホルダ61(破線部で表示している)にある軸受部62,63に回動自在に保持されており、ドナーロール32とトナー供給ロール33とは所定のギャップを置いて配設され、サブユニット60を構成している。
また、サブユニット60の支持構造は次のようになっている。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、サブユニット60はドナーロール32とトナー供給ロール33とが一対のユニットホルダ61(図では一対のうち片方のみを示している)に設けられた軸受部62,63にて回動自在に保持されて構成されており、更に、本実施の形態では第二のガイド片44もユニットホルダ61に取り付けられている。更に、ユニットホルダ61の後部(ドナーロール32と反対側)には、略扇形の突起部612が設けられ、この突起部612にて後述するコイルばね75を受けるようになっている。また、ユニットホルダ61の上下面611(図5では一部のみ記している)には、後述する回転板73をガイドするガイド溝613が設けられている。
一方、サブユニット60以外の構成要素、トナー回収ロール34、搬送ロール35、オーガ41等を一つの本体ユニット70にまとめている。
本体ユニット70は、ユニットケース71に、トナー回収ロール34と搬送ロール35を回転可能に支持すると共に、オーガ41が収納されたオーガケース72を分離可能に収容している。
そして、ユニットケース71の一部には、サブユニット60のユニットホルダ61のガイド溝613に沿って回転する回転板73が四箇所、夫々の固定軸74によって支持され、この回転板73と固定軸74とで転がり軸受になっている。また、このユニットケース71の後方(感光体21とは反対方向)には、ストッパ711を設け、このストッパ711の一部には、サブユニット60に向かってボス711aが形成されている。
サブユニット60を本体ユニット70に装着するには、上述のボス711aにこのボス711aより長尺のコイルばね75を装着した後、サブユニット60にあるユニットホルダ61のガイド溝613に回転板73を摺動させながら装着する。そして、本体ユニット70にサブユニット60が装着された場合、サブユニット60のユニットホルダ61の略扇形の突起部612を、コイルばね75が押圧するようになっている。そのため、このコイルばね75によってサブユニット60が感光体21側に押圧されている。
次に、本実施の形態に係る現像装置30の作動について図3〜5を基に説明する。
本実施の形態においては、二成分現像剤(現像剤)は、オーガ41により撹拌されて、トナーがマイナス極性に、磁性キャリアがプラス極性に帯電された後、トナー回収ロール34の磁石体34bにある磁極S5の上流側の現像剤供給領域で、トナー回収ロール34に供給される。そして、現像剤は、トリマ42の近傍に達すると、磁極N3により穂立ちを形成する。
更に、この現像剤の穂立ちはトリマ42で層厚規制されることにより、現像剤層としてトナー回収ロール34の外周上に保持され、回転スリーブ34aの回転と共に搬送ロール35方向へ搬送される。このとき、現像剤は磁石体34bにより形成されている磁力線に沿って磁気ブラシを構成している。
次に、現像剤は、トナー回収ロール34とドナーロール32とが対向する領域のトナー回収領域に進入すると、磁極S4の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、ドナーロール32上のトナーを掻き取る。またこのとき、ドナーロール32とトナー回収ロール34間の電界によってドナーロール32からトナー回収ロール34へトナーを吸引する静電気力が働き、ドナーロール32からトナー回収ロール34へのトナー回収を確実にしている。
トナーを回収した現像剤は、トナー回収ロール34の磁石体34bと搬送ロール35の磁石体35bの吸引磁界によって、トナー回収ロール34と搬送ロール35とが対向する領域近傍で、搬送ロール35に受け渡される。
搬送ロール35に受け渡された現像剤は、磁石体35bの吸引磁界により搬送ロール35に保持されてその外周上を搬送される。
その後、搬送ロール35の磁石体35bとトナー供給ロール33の磁石体33bとの吸引磁界によって、搬送ロール35とトナー供給ロール33とが対向する領域で、搬送ロール35からトナー供給ロール33に現像剤が受け渡される。
トナー供給ロール33の外周上を搬送された現像剤は、磁極S1近傍のトナー供給領域で磁極S1の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成した現像剤におけるトナーのみが、トナー供給ロール33とドナーロール32との間に形成された電界の影響で、トナー供給ロール33からドナーロール32に静電吸引され、ドナーロール32に付着する。
そして、トナー供給を終えた現像剤は、磁極S2と磁極S3との反発磁界により、トナー供給ロール33から離れ、第二のガイド片44に沿って、オーガ41に供給される。
特に、本実施の形態においては、サブユニット60のユニットホルダ61を、コイルばね75によって感光体21側に押圧付勢しているため、次のような特徴点を有している。
感光体21とドナーロール32及びトナー供給ロール33とは、図6に示すように、コイルばね(図示せず)の押圧力Fによって夫々の中心が感光体21の中心に向かうように配設されており、そのため、軸振れ等のない安定な回転を可能している。更に、感光体21とドナーロール32との接触状態(A部)は、ドナーロール32に高硬度の弾性層を備えているためその食い込み量も小さく安定し、また、外径公差も小さいためドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップ(B部)も安定している。
尚、本実施の形態では、感光体21、ドナーロール32及びトナー供給ロール33とが一直線上に配設される態様としたが、例えば、サブユニット60のユニットホルダ61の押圧方向(図6では押圧力Fに相当する)が感光体21の中心と異なる方向であっても、差し支えない。これは、感光体21とドナーロール32との接触状態(A部)が、接触部位の前後(現像部位の上下流)で若干異なるものの形成される画像に対する影響は殆どなく、また、ドナーロール32とトナー供給ロール33とのギャップ(B部)は安定することによる。
以上のように、本実施の形態においては、トナー供給領域でのトナー供給性能や、トナー回収領域でのトナー回収性能が安定し、更に、現像剤のストレスも軽減され、また、バイアスリークのない現像装置30が可能となる。したがって、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置30が可能となる。更に、現像装置30の重量バランスもよくなり、濃度むらやピッチむら等の発生が抑止された現像装置30が可能となる。また、コイルばね75による押圧力を小さくできるため、例えば高トルクの駆動モータ等を必要としないことから安価な現像装置30が可能になり、更にドナーロール32の破損(摩耗や傷等)も低減できるため現像装置30の信頼性向上や長寿命化が可能になる。
◎実施の形態2
図7は、本発明の基本的構成が適用された画像形成装置に使用される現像装置30の実施の形態2を示す。同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、サブユニット60のユニットホルダ61を本体ユニット70に支持する方式が実施の形態1と異なる。尚、本実施の形態は、実施の形態3とは異なるサブユニット構成の参考の形態を示すもので、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるサブユニット60の支持構造は次のようになっている。
本実施の形態では、図7に示すように、サブユニット60のユニットホルダ61の一部(本実施の形態では上下方向)に表面側にレール状突起(図示せず)を備えたレール部材65が形成されている。
一方、本体ユニット70のユニットケース71には、前記サブユニット60のレール部材65のレール状突起に係合するような直線上の溝76a,77aを備えたレール受部76,77が固着されている。
したがって、サブユニット60は、ユニットケース71に固着されたレール部材65に沿って、スムーズに移動できるようになっている。
尚、本実施の形態におけるレール部材65とレール受部76,77としては、例えば、金属とPOM樹脂との組み合わせのように、摺動抵抗が小さな材料の組み合わせで行ってもよく、また、例えば、レール受部76,77に、更に、コロ等を備える方式等であってもよい。
よって、本実施の形態においても実施の形態1と同様の効果を奏する。
◎実施の形態3
図8は、本発明が適用された画像形成装置に使用される現像装置30の実施の形態3を示す。同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、サブユニット60としてドナーロール32とトナー供給ロール33の他に搬送ロール35もユニット化した点が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、サブユニット60のユニットホルダ61には、三箇所の軸受部62,63,66を備えており、夫々、ドナーロール32、トナー供給ロール33、搬送ロール35が回動自在に保持されている。
そして、本実施の形態におけるサブユニット60の支持構造は、実施の形態1と略同様になっており、サブユニット60のユニットホルダ61は、本体ユニット70(図5参照)の回転板73によって、移動可能に支持されるようになっている。
また、本実施の形態では、実施の形態1と異なり、トナー回収ロール34はユニットケース71ではなく、オーガケース72(図5参照)側に回動自在に保持されるように構成されているため、ユニットケース71にはサブユニット60を感光体21側方向から装着した後、オーガケース72を同じく感光体21側方向から装着している。
本実施の形態においては、実施の形態1と異なり、搬送ロール35もサブユニット化したことから、搬送ロール35からトナー供給ロール33への現像剤の受け渡しが一層安定し、現像特性が一層安定する。
したがって、本実施の形態においても、現像履歴、濃度むらやかぶりがなく、また、軸振れや重量バランスの違いによる濃度むらやピッチむらがない現像装置30が可能になる。
図9は、本発明の基本的構成が適用された画像形成装置に使用される現像装置30の実施の形態4を示す。同図において、本実施の形態は実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、現像剤の流れが、トナー供給ロール33から搬送ロール35を介してトナー回収ロール34へと流れるように磁極配置等が構成されており、現像剤の撹拌部材としてのオーガ41の配置が略垂直方向に配設されている点が実施の形態1と異なる。尚、本実施の形態は、実施の形態3とは異なるサブユニット構成の参考の形態を示すもので、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるサブユニット60の支持構造は、実施の形態1と同様に、本体ユニット70側に支持された回転板73に沿って、サブユニット60のユニットホルダ61が移動するようになっている。
したがって、本実施の形態においても、トナー供給領域でのトナー供給性能や、トナー回収領域でのトナー回収性能が安定し、更に、現像剤のストレスも軽減され、また、バイアスリークのない現像装置30が可能となる。したがって、現像履歴、濃度むらやかぶりのない現像装置30が可能となる。また、現像装置30の重量バランスもよくなり、濃度むらやピッチむら等の発生が抑止された現像装置30が可能となる。
尚、本実施の形態においては、サブユニット60としてドナーロール32とトナー供給ロール33とをユニットホルダ61にて保持する構成としたが、実施の形態3に示すように、例えば、搬送ロール35をサブユニット60に追加しても差し支えない。
本実施例は、実施の形態1と同様の構成で、ドナーロールの硬度を変えて実験を行い、濃度むらやピッチむらの発生について確認したものである。
本実施例では、ドナーロールの硬度を、アスカーC硬度で50度、60度、70度として行った。
結果は、図10に示すように、硬度が50度(アスカーC)では濃度むらが確認され、硬度60度では濃度むらが若干見受けられるが、実質的な問題はないレベルであることが確認された。更に、硬度70度では、濃度むらの発生は確認されなかった。
また、本実施例以外に、硬度60度近傍をより詳細に実験したところ、硬度60度以上であれば、濃度むらの発生が実用的に問題ないレベルであることが確認された。
本発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。 本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置の要部を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置を示す斜視図である。 実施の形態1の作用を示す説明図である。 実施の形態2に係る現像装置の斜視図である。 実施の形態3に係る現像装置を示す説明図である。 実施の形態4に係る現像装置を示す説明図である。 実施例の結果を示す説明図である。
符号の説明
1…像担持体,2…トナー担持体,3…供給用現像剤担持体,4…回収用現像剤担持体,5…搬送部材,6…現像ハウジング,7…ユニットホルダ,8…サブユニット,9…押圧部材

Claims (5)

  1. 静電潜像を担持する像担持体に対向して開口し且つ内部に二成分現像剤が収容される現像ハウジングと、
    現像ハウジングの開口部に面して配設されて像担持体に回転可能に圧接配置され且つ表面にトナーを担持するトナー担持体と、
    現像ハウジング内のトナー担持体の背面側に設けられトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体へトナーを供給する供給用現像剤担持体と、
    現像ハウジング内のトナー担持体の背面側に設けられ二成分現像剤を担持搬送し且つトナー担持体からトナーを回収する回収用現像剤担持体と、
    現像ハウジング内に設けられ二つの現像剤担持体とトナー担持体とに対向して配設されて、回転軸を中心に回転することで回転軸の周方向に現像剤を搬送し且つ前記供給用現像剤担持体に現像剤を搬送する搬送部材と
    前記供給用現像剤担持体と前記搬送部材とが対向する位置に対して前記搬送部材の回転方向で上流側に前記搬送部材の周方向に沿って配置され、前記搬送部材による現像剤搬送のガイドを行うガイド部材とを備え、
    前記トナー担持体と供給用現像剤担持体と搬送部材とを一つのユニットホルダにて回転可能に保持し、このユニットホルダにて保持されたサブユニットを現像ハウジング内で前記像担持体に接離可能に可動支持し、前記現像ハウジングに前記回収用現像剤担持体を支持したことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    ユニットホルダは、前記像担持体の接平面に直交する方向に可動支持せしめられることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1記載の現像装置において、
    ユニットホルダは、押圧部材によって像担持体方向に押圧せしめられることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1記載の現像装置において、
    トナー担持体は、表面にゴム硬度60度(アスカーC)以上の弾性層を備えていることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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