JP4337418B2 - チップ型電子部品の取扱い装置およびチップ型電子部品の取扱い方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型電子部品の取扱い装置およびチップ型電子部品の取扱い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、チップ型コンデンサなどのチップ型電子部品の電気測定や外観検査を行い、その結果に基づいて良品、不良品を選別する装置として、特許文献1および特許文献2に記載された装置が知られている。
【0003】
特許文献1および特許文献2の装置は、フィーダから搬送されてきたチップ型電子部品を整列させて1個ずつ分離しつつ気流搬送し、その気流搬送途中にカメラでチップ型電子部品を撮像する。そして、この撮像データからチップ型電子部品の外観上の傷や寸法などを検査した後、検査の結果に基づいて良品と不良品を選別するように構成されている。
【0004】
図8は特許文献1の検査装置を示す概略構成図である。検査装置100は、フィーダ101と、回転テーブル102と、固定テーブル103と、回転テーブル102を回転駆動させるためのモータ104と、カメラ105と、ガイドノズル108と、吸引装置109とを備えている。
【0005】
フィーダ101は、チップ型電子部品70に振動を与えて整列させる振動部101aと、振動を静止させてチップ型電子部品70の姿勢を安定させる無振動部101bからなる。
【0006】
回転テーブル102は、その主面が垂直面に平行であり、フィーダ101の先端に、固定テーブル103に設けたガイドノズル108を介して接触している。回転テーブル102には、その外周面から中心部に向けてV字状のポケット(図示せず)が回転方向に所定の間隔を有して複数形成されている。
【0007】
固定テーブル103は、回転テーブル102の裏面側に固定配置されている。リング照明106付きカメラ105は、チップ型電子部品70の上面を撮像するために、フィーダ101の無振動部101b上方に設けられている。
【0008】
フィーダ101によって搬送されてきたチップ型電子部品70は、撮像タイミング用センサー107によって検知され、カメラ105によって上面が撮像される。この後、フィーダ101の無振動部101bの最前部にチップ型電子部品70が送られ、吸引装置109によって吸気状態となっているガイドノズル108を通って回転テーブル102のポケット内に吸引保持される。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−326059号公報
【特許文献2】
特開2002−243654号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の検査装置100は、フィーダ101によって搬送されてきたチップ型電子部品70の上面をカメラ105で撮像して上面の外観検査を行っている。従って、フィーダ101の無振動部101b上方にカメラ105を配設する必要がある。しかし、カメラ105のサイズは比較的大きく、回転テーブル102とぶつからないように(干渉しないように)するには、カメラ105による撮像位置(図8において一点鎖線Aにて表示している)から回転テーブル102までの距離を長くする必要がある。そのため、チップ型電子部品70を急激に加速させて回転テーブル102に移送させるためのガイドノズル108が必要であった。
【0011】
ところが、ガイドノズル108内のチップ型電子部品70の姿勢が安定せず、回転テーブル102の保持ミスが起き易いという心配がある。なお、特許文献2の装置は、ガイドノズルを備えていない。しかし、供給フィーダから回転体へのチップ型電子部品の移送の際における姿勢は、前記検査装置100と同様に安定せず、回転体の保持ミスが起き易いという心配がある。
【0012】
さらに、検査装置100のガイドノズル108でチップ型電子部品70を急激に加速させているため、回転テーブル102のポケットがチップ型電子部品70を受け止める際に、強い衝撃力がチップ型電子部品70に加わり、チップ型電子部品70に割れや欠けが生じる心配がある。
【0013】
また、ガイドノズル108は、その吸引によってチップ型電子部品70の1個分離機能をも有している。分離されたチップ型電子部品70は、ガイドノズル108の入口手前でカメラ105によって撮像され、その後、回転テーブル102のポケットに吸引される。チップ型電子部品70がポケットに吸引保持されたのを確認して、回転テーブル102が1ピッチ分移動する。この後、次のチップ型電子部品70がガイドノズル108によって吸引され、1個分離される。
【0014】
しかし、この吸引分離方式は、チップ型電子部品70の高速処理の大きな障害となっている。すなわち、吸引分離方式の一連のタイミングがずれると(例えば先のチップ型電子部品70がポケットに吸引保持されて回転テーブル102が1ピッチ分移動しないうちに、次のチップ型電子部品70がガイドノズル108の入口手前に移送されてくると)、検査装置100は停止してしまう。このため、チップ型電子部品70の移送間隔を大きくする必要があり、処理速度の上限は約1000個/分であった。
【0015】
また、カメラ105で外観検査をする場合、リング照明106でチップ型電子部品70の全周を照らす必要がある。しかし、フィーダ101の無振動部101b上方の空スペースが狭いため、リング照明106を最適な位置に配設することが難しいという問題があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、供給フィーダの先端部の上方に広い空スペースが得られ、高速かつ効率良くチップ型電子部品を処理することができるチップ型電子部品の取扱い装置およびチップ型電子部品の取扱い方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するため、本発明に係るチップ型電子部品の取扱い装置は、
(a)チップ型電子部品を外周面に保持して搬送する搬送用ドラムと、
(b)チップ型電子部品を搬送する搬送面を有し、該搬送面はチップ型電子部品に振動を与えて一列に整列させる振動部と、振動を静止させてチップ型電子部品の姿勢を安定化させる無振動部とを有し、チップ型電子部品を無振動部から前記搬送用ドラムに供給する供給フィーダと、
(c)前記供給フィーダの搬送面の上方に設けた、リング照明を有する第1の撮像手段と、を備え、
(d)前記搬送用ドラムの主面は前記搬送面に対して相対的に傾斜しており、かつ、搬送用ドラムの厚みはチップ型電子部品の長さ寸法よりも小さく、
(e)前記第1撮像手段は前記供給フィーダの前記無振動部に位置するチップ型電子部品の上面を撮像して該上面の外観検査を行うこと、
を特徴とする。
【0018】
あるいは、本発明に係るチップ型電子部品の取扱い装置は、
(f)チップ型電子部品を外周面に保持して搬送する搬送用ドラムと、
(g)チップ型電子部品を搬送する搬送面を有し、該搬送面はチップ型電子部品に振動を与えて一列に整列させる振動部と、振動を静止させてチップ型電子部品の姿勢を安定化させる無振動部とを有し、チップ型電子部品を無振動部から前記搬送用ドラムに供給する供給フィーダと、
(h)前記供給フィーダの搬送面の上方に設けた、リング照明を有する第1の撮像手段と、を備え、
(i)前記供給フィーダの前記無振動部の搬送面は、前記搬送用ドラムの近傍で相対的に傾斜した傾斜面を有し、前記搬送用ドラムの主面は前記傾斜面に対して略直交しており、かつ、搬送用ドラムの厚みはチップ型電子部品の長さ寸法よりも小さく、
(j)前記第1撮像手段は前記供給フィーダの前記無振動部に位置するチップ型電子部品の上面を撮像して該上面の外観検査を行うこと、
を特徴とする。
【0019】
以上の構成により、搬送用ドラムの主面を搬送面に対して相対的に傾斜させているため、供給フィーダの先端部の上方に広い空スペースができる。従って、供給フィーダの先端部の上方に、例えば供給フィーダによって移動してきたチップ型電子部品の上面を撮像して上面の外観検査を行うための第1撮像手段(具体的にはCCDカメラなど)を配置しても、第1撮像手段と搬送用ドラムとは干渉せず、供給フィーダの先端部から搬送用ドラムを遠くへ離す必要がない。この結果、第1撮像手段による撮像位置から搬送用ドラムまでのチップ型電子部品の移送距離が最短となる。このとき、搬送用ドラムの外周面を主面に対して傾斜させることにより、供給フィーダから移動してきたチップ型電子部品の上面をスムーズに搬送用ドラムの外周面に吸引保持できる。
【0020】
さらに、供給フィーダによって移動してきたチップ型電子部品の上面を搬送用ドラムの外周面に保持し、搬送用ドラムによるチップ型電子部品の搬送経路の近傍に第2撮像手段を設け、供給フィーダによる移動の際に供給フィーダに接していたチップ型電子部品の底面を第2撮像手段で撮像して該底面の外観検査を行うことを特徴とする。これにより、供給フィーダや搬送用ドラムによる移動の際に隠れているチップ型電子部品の底面を外観検査することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るチップ型電子部品の取扱い装置およびチップ型電子部品の取扱い方法の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。各実施形態は、チップ型電子部品の取扱い装置としては、製品検査装置を例にして説明するが、搬送装置などであってもよい。
【0022】
図1に示すように、製品検査装置1は、概略、円板状の搬送用ドラム10と、パーツフィーダ60と、CCDカメラ65と、吸引装置68とを備えている。
【0023】
パーツフィーダ60は、チップ型電子部品70に振動を与えて一列に整列させる振動部60aと、振動を静止させてチップ型電子部品70の姿勢を安定させる無振動部60bからなる。無振動部60bの上方には、リング照明66付きCCDカメラ65が配置されている。
【0024】
搬送用ドラム10は、その主面10bがパーツフィーダ60の搬送面62(図1の場合は水平面)に対して相対的にθ=5度〜85度傾斜している。搬送用ドラム10は、外周面10aとパーツフィーダ60の先端部(無振動部60b)との間に所定の間隔を設けて配置されている。従って、無振動部60bの上方に広い空スペースができるので、CCDカメラ65による撮像位置(図1において一点鎖線Aにて表示している)を、搬送用ドラム10に近づけても、CCDカメラ65(リング照明66を含む)と搬送用ドラム10が干渉しない。この結果、CCDカメラ65による撮像位置Aから搬送用ドラム10までのチップ型電子部品70の移送距離を最短にすることができる。
【0025】
図2および図3に示すように、搬送用ドラム10の後面側には、円板状の固定ベース30と、搬送用ドラム10を回転駆動させる駆動用モータ40と、ハウジング50とが配設されている。
【0026】
筒状のハウジング50の右側端面50aには、駆動用モータ40がボルト51で固定されている。駆動用モータ40の回転軸41は、中継部材42を介してシャフト43に連結されている。中継部材42と回転軸41、並びに、中継部材42とシャフト43は、それぞれボルト45で固定されている。シャフト43は二つのボールベアリング46によって、回転自在の状態でハウジング50内に支持されている。シャフト43の先端部43aは、固定ベース30の中央部に設けられた穴30aを挿通して、搬送用ドラム10の中央部に接合している。
【0027】
搬送用ドラム10の外周面10aには、チップ型電子部品70を吸引保持するための吸引保持孔11が所望の間隔、例えば等間隔に形成されている。搬送用ドラム10の後面側には減圧源側孔13が形成されている。さらに、搬送用ドラム10内には、減圧源側孔13と吸引保持孔11を連通して繋ぐ空洞バッファ部12が、搬送用ドラム10の径方向に延在して形成されている。
【0028】
また、搬送用ドラム10の外周面10aは主面10bに対して傾斜している。これにより、パーツフィーダ60から移送されてきたチップ型電子部品70の上面と外周面10aとが略平行となり、吸引保持孔11にてチップ型電子部品70の上面をスムーズに吸引保持することができる。
【0029】
一方、固定ベース30は、ハウジング50の左側端面50bにボルト52で固定されている。固定ベース30には、円弧形状の減圧溝31が円環状に形成されている。この減圧溝31は、搬送用ドラム10の回転に伴って減圧源側孔13が移動する軌道に合わせた位置に配置されている。減圧溝31には、アダプタ39を介してその内部の空気を吸引する減圧装置(真空ポンプなど)が繋がっている。
【0030】
図4に示すように、固定ベース30の前面と搬送用ドラム10の後面の間には僅かな隙間Tが確保され、減圧溝31の前面は搬送用ドラム10の後面で略気密状に封止されている。このため、減圧溝31の形成範囲において、減圧源側孔13、空洞バッファ部12および吸引保持孔11のそれぞれの内部の空気が吸引され、吸引保持孔11の開口にチップ型電子部品70が吸引保持される。
【0031】
ここに、空洞バッファ部12の容積は、減圧源側孔13の容積や吸引保持孔11の容積より大きく設定されている。従って、搬送用ドラム10の回転の際、搬送用ドラム10の加工精度や回転時の振動によって隙間Tの寸法が変わって減圧源側孔13の減圧状態が変動したり、あるいは、減圧溝31の継ぎ目部分Pを減圧源側孔13が通過することによって減圧源側孔13の減圧状態が変動したりしても、その変動は、空洞バッファ12によって緩和される。従って、吸引保持孔11の吸引保持力は、減圧源側孔13の減圧状態の変動を受けにくくなる。この結果、チップ型電子部品70を吸引保持孔11によって安定してかつ確実に吸引保持することができる。
【0032】
また、図3に示すように、固定ベース30には、減圧溝31に隣接させて、減圧エアの供給を遮断することができるエア供給溝32,33が形成されている。エア供給溝32,33には、それぞれアダプタや電磁弁などを介して、減圧装置(真空ポンプ)が繋がっている。
【0033】
そして、例えば、検査で良品となったチップ型電子部品70がエア供給溝32に対応する位置に搬送されてきたとき、電磁弁を駆動してエア供給溝32へ減圧エアを供給するのを遮断し、搬送用ドラム10の吸着保持力を低下させる。これにより、良品のチップ型電子部品70は、自重で取り出し機構部の良品トレイに排出される。一方、検査で不良品となったチップ型電子部品70が搬送されてきたときは、電磁弁を駆動してエア供給溝32に減圧エアを供給して、さらに、エア供給溝33に対応する位置まで移送させる。エア供給溝33では電磁弁の駆動によって減圧エアの供給が遮断されており、不良品のチップ型電子部品70は取り出し機構部の不良品トレイに排出される。
【0034】
なお、これらチップ型電子部品70を搬送用ドラム10から外す方法としては、前述の減圧エアの供給を遮断する方法の他に、吸着パッドを端部に有するアームなどによって機械的に外す方法や圧縮エアを供給する方法などがある。
【0035】
また、搬送用ドラム10の厚みは、搬送用ドラム10に吸引保持されたチップ型電子部品70の搬送用ドラム厚み方向の外形寸法Lより薄く設定されている。具体的には、搬送用ドラム10の厚みは0.7〜1.8mm(代表値:1.8mm)、直径は50〜170mm(代表値:100mm)である。また、チップ型電子部品70のサイズは、例えば、L:2.0mm×W:1.2mm×T:0.85〜0.95mmである。
【0036】
これにより、搬送中のチップ型電子部品70は、搬送用ドラム厚み方向の両端、すなわち、外部端子が搬送用ドラム10の縁部からはみ出すため、リング照明付きCCDカメラ81,82でチップ型電子部品70の両端面を外観検査したり、測定プローブで電気特性検査をしたりすることが可能となる。特に、本実施形態の場合、固定ベース30の外周面30aが搬送用ドラム10の外周面10aより内側に位置しているので、固定ベース30側から測定プローブをチップ型電子部品70の外部端子に接触させることが可能となる。
【0037】
次に、以上の構成からなる製品検査装置1の動作について説明する。
図1に示すように、チップ型電子部品70は、パーツフィーダ60の振動部60aによって順次水平方向(矢印K方向)に搬送される。無振動部60bに到達すると、撮像タイミング用センサー61によって検知され、CCDカメラ65によって上面が撮像され、上面の外観検査が行われる。このとき、リング照明66でチップ型電子部品70の全周を照らすが、無振動部60b上方の空スペースが広いため、リング照明66を最適な位置に配設することができる。
【0038】
撮像位置Aを通過したチップ型電子部品70は、吸気状態となっている吸引装置68によって無振動部60bの先端(受け渡しエリア)まで気流搬送され、後続のチップ型電子部品70と分離される。吸引装置68と撮像位置Aの距離を短くできるので、図8に示したガイドノズル108を使用しなくても、チップ型電子部品70を吸引装置68で吸引することができる。吸引装置68はチップ型電子部品70の位置決めストッパの役割も有している。1個分離されたチップ型電子部品70は、搬送用ドラム10の外周面10aに近接する。近接のタイミングに合わせて、搬送用ドラム10の無振動部60bに面した位置にある吸引保持孔11は真空ポンプによって減圧され、チップ型電子部品70の上面が吸引保持孔11に吸引保持される。
【0039】
搬送用ドラム10に受け渡されたチップ型電子部品70は、連続的に位置決め搬送されながら、搬送用ドラム10による円環状の搬送経路の近傍に配設されたCCDカメラ81,82などでチップ型電子部品70の端面や側面や稜線の外観検査が行われたり、電気特性測定検査が行われたりする。このとき、パーツフィーダ60による移動の際に隠れていたチップ型電子部品70の底面が現れるので、この底面も外観検査することができる。つまり、この検査装置1は、チップ型電子部品70の6面全ての外観検査を行うことができる。
【0040】
検査が終了したチップ型電子部品70は排出エリアに搬送される。取り出し機構部に面した位置にきたチップ型電子部品70は、吸着パッド付きアームなどによって、良品と不良品に分けてそれぞれ搬送用ドラム10から外される。
【0041】
以上の方法により、能率良くかつ円滑にチップ型電子部品70を搬送しながら、検査や測定をすることができる。つまり、製品検査装置1は、CCDカメラ65による撮像位置Aから搬送用ドラム10までのチップ型電子部品70の移送距離を最短にできるので、搬送用ドラム10へ移し替える際のチップ型電子部品70の姿勢が安定しており、搬送用ドラム10の保持ミスを防止することができる。
【0042】
また、製品検査装置1は、図8に示したガイドノズル108を設けなくてもよいので、受け渡しエリアにおけるチップ型電子部品70の移り替わりに要する時間を短縮できるので、処理速度の上限を約2000個/分に上げることができる。
【0043】
さらに、無振動部60bの上方の空エリアを広くする工夫をしたものが図5に示す製品検査装置1Aである。この製品検査装置1Aは、無振動部60bの先端部が傾斜しており、この傾斜面62aを撮像後のチップ型電子部品70が滑り落ちる構造になっている。搬送用ドラム10の主面10bは傾斜面62aと略直交するとともに、外周面10aは主面10bに対して略直交している。
【0044】
これにより、リング照明付きCCDカメラ81,83のための空エリアを十分確保することができる。また、搬送用ドラム10手前でチップ型電子部品70を滑り落とすことで、吸引装置68の吸引力は小さくてもよく、チップ型電子部品70の姿勢が安定した、かつ、機械的衝撃力の小さい移し替えが可能となる。
【0045】
なお、本発明に係るチップ型電子部品の取扱い装置およびチップ型電子部品の取扱い方法は前記実施形態に限定するものではなく。その要旨の範囲内で種々に変更することができる。例えば、搬送用ドラム10の外周面10aの傾斜は任意であり、図6に示すような逆方向に傾斜したものであってもよい。また、図7に示すように、横断面の形状が直角三角形の溝状になっていてもよい。この場合、チップ型電子部品70の長さ方向が搬送用ドラム10の厚み方向に平行になるように、吸引保持孔11にてチップ型電子部品70を吸引保持する。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、搬送用ドラムの主面を搬送面に対して相対的に傾斜させているため、供給フィーダの先端部の上方に広い空スペースができる。従って、供給フィーダの先端部の上方に、例えば供給フィーダによって移動してきたチップ型電子部品の上面を撮像して上面の外観検査を行うための第1撮像手段(具体的にはCCDカメラなど)を配置しても、第1撮像手段と搬送用ドラムとは干渉せず、供給フィーダの先端部から搬送用ドラムを遠くへ離す必要がない。この結果、第1撮像手段による撮像位置から搬送用ドラムまでのチップ型電子部品の移送距離を最短にできる。この結果、高速かつ効率良くチップ型電子部品を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ型電子部品の取扱い装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示されている搬送用ドラムの一部水平断面図。
【図3】図1に示されている搬送用ドラムの一部切り欠き正面図。
【図4】図2に示されているA部の拡大断面図。
【図5】図1に示されているチップ型電子部品の取扱い装置の変形例を示す概略構成図。
【図6】他の実施形態を示す概略構成図。
【図7】他の実施形態を示す搬送用ドラムの外周部の拡大断面図。
【図8】従来のチップ型電子部品の取扱い装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
10…搬送用ドラム
10a…外周面
60…パーツフィーダ
65…CCDカメラ(第1撮像手段)
82…CCDカメラ(第2撮像手段)
Claims (5)
- チップ型電子部品を外周面に保持して搬送する搬送用ドラムと、
チップ型電子部品を搬送する搬送面を有し、該搬送面はチップ型電子部品に振動を与えて一列に整列させる振動部と、振動を静止させてチップ型電子部品の姿勢を安定化させる無振動部とを有し、チップ型電子部品を無振動部から前記搬送用ドラムに供給する供給フィーダと、
前記供給フィーダの搬送面の上方に設けた、リング照明を有する第1の撮像手段と、を備え、
前記搬送用ドラムの主面は前記搬送面に対して相対的に傾斜しており、かつ、搬送用ドラムの厚みはチップ型電子部品の長さ寸法よりも小さく、
前記第1撮像手段は前記供給フィーダの前記無振動部に位置するチップ型電子部品の上面を撮像して該上面の外観検査を行うこと、
を特徴とするチップ型電子部品の取扱い装置。 - チップ型電子部品を外周面に保持して搬送する搬送用ドラムと、
チップ型電子部品を搬送する搬送面を有し、該搬送面はチップ型電子部品に振動を与えて一列に整列させる振動部と、振動を静止させてチップ型電子部品の姿勢を安定化させる無振動部とを有し、チップ型電子部品を無振動部から前記搬送用ドラムに供給する供給フィーダと、
前記供給フィーダの搬送面の上方に設けた、リング照明を有する第1の撮像手段と、を備え、
前記供給フィーダの前記無振動部の搬送面は、前記搬送用ドラムの近傍で相対的に傾斜した傾斜面を有し、前記搬送用ドラムの主面は前記傾斜面に対して略直交しており、かつ、搬送用ドラムの厚みはチップ型電子部品の長さ寸法よりも小さく、
前記第1撮像手段は前記供給フィーダの前記無振動部に位置するチップ型電子部品の上面を撮像して該上面の外観検査を行うこと、
を特徴とするチップ型電子部品の取扱い装置。 - 前記搬送用ドラムの外周面が主面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチップ型電子部品の取扱い装置。
- 前記供給フィーダによって移動してきたチップ型電子部品の上面を前記搬送用ドラムの外周面に保持し、前記搬送用ドラムによるチップ型電子部品の搬送経路の近傍に第2撮像手段を設け、前記供給フィーダによる移動の際に供給フィーダに接していたチップ型電子部品の底面を前記第2撮像手段で撮像して該底面の外観検査を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のチップ型電子部品の取扱い装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載された電子部品取扱い装置を用い、前記供給フィーダの無振動部上または前記搬送用ドラムの搬送経路で、チップ型電子部品の外観検査もしくは電気特性測定を行うことを特徴とするチップ型電子部品の取扱い方法。
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