JP4337243B2 - 高周波加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉の開閉時に加わる衝撃力を緩和させた高周波加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の高周波加熱調理器の要部側面図で、扉の開閉時に調理器に加わる衝撃力を緩衝するダンパーを搭載した一般的な高周波加熱調理器である。
【0003】
以下、図面に基づいて説明する。従来、この種の高周波加熱調理器1(以下、調理器1という)には内部に加熱室2を配置し、被加熱物3を出し入れするため加熱室2の開口部には扉4が装着され、扉4にはドアアーム5と、ドアガイドローラ6と、ドアバネ7により、ヒンジ8を支点として開閉自在な構成となっている。調理器1の外装と加熱室2の空間には高周波発振器、ヒータ、制御基板等の各種の電気部品9が配置されている。そして、扉4を閉じる時には、ドアアーム5を介してドアバネ7による調理器1側からの付勢に対する衝撃力を緩和させるため、ダンパー10が設けられていたが、扉4を開けた時にはドアアーム5が調理器1側に固定されたドアガイドローラ6に当り、調理器1は扉4の衝撃を受けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の調理器1の構成では、扉4を開いて終端部に到達した時に、ドアアーム5を介してドアガイドローラ6から衝撃力が調理器1全体に加わり被加熱物3や、調理器1側の電気部品9が振動し、液状の食品が器から飛散したり、電気部品9の品質に悪影響を与える不具合が生じていた。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するもので、扉を閉じる時はもとより、扉を開けた時にも高周波加熱調理器に衝撃を与えないこと、また、ダンパーによる抗力が扉の開閉に悪影響を与えず、スムーズな扉の開閉ができる使い勝手の良い高周波加熱調理器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱調理器は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室の開口面に設けた開閉自在の扉と、前記扉に支点を持つドアアームと、一端を前記ドアアームに係止し他端を調理器側に係止して前記扉を閉じる方向に付勢するドアバネと、前記扉の開閉に連動して動く作動レバーと、一端を前記ドアアームに他端を前記作動レバーにそれぞれ係合し前記扉が開く動作に連動する連結レバーと、復帰ばねを内蔵し衝撃力を緩衝するダンパーと、高周波発振器とを備え、前記ダンパーはストロークの最初の段階では抗力を弱くした衝撃吸収特性を有しかつ作動しないタイミングを有するとともに、前記扉を閉じる時は前記扉が閉時終端部から1〜30°の角度から前記作動レバーを介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受け、かつ前記扉を開いた時は前記扉が開時終端部から1〜30°の角度から前記ドアアーム、前記連結レバー、および前記作動レバーを順次介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受けて衝撃力を消失させるものである。これによって、扉を閉じる時、開ける時の両方において扉が終端部に到達した時には衝撃力が消失するため、調理器側への衝撃はなくなり高品質な高周波加熱調理器提供できるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室の開口面に設けた開閉自在の扉と、前記扉に支点を持つドアアームと、一端を前記ドアアームに係止し他端を調理器側に係止して前記扉を閉じる方向に付勢するドアバネと、前記扉の開閉に連動して動く作動レバーと、一端を前記ドアアームに他端を前記作動レバーにそれぞれ係合し前記扉が開く動作に連動する連結レバーと、復帰ばねを内蔵し衝撃力を緩衝するダンパーと、高周波発振器とを備え、前記ダンパーはストロ−クの最初の段階では抗力を弱くした衝撃吸収特性を有しかつ作動しないタイミングを有するとともに、前記扉を閉じる時は前記扉が閉時終端部から1〜30°の角度から前記作動レバーを介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受け、かつ前記扉を開いた時は前記扉が開時終端部から1〜30°の角度から前記ドアアーム、前記連結レバー、および前記作動レバーを順次介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受けて衝撃力を消失させる構成とした。この構成により、扉を閉じる時、または開ける時に生ずる高周波加熱調理器への衝撃は消失し、加熱室内の液状の食品が器から飛散したりすることを防ぐと共に、調理器内の電気部品の振動による品質への悪影響を解消させるものである。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一構成には同一符号を付した。
【0009】
図1は本発明の一実施例の高周波加熱調理器の扉閉時の要部側面図、図2は同調理器の扉開時の要部側面図であり、図3は同調理器の斜視図である。また、図4は同調理器の扉の開閉時におけるダンパーの抗力領域を示す図、図5は同調理器のダンパーのストロークに対する抗力特性図である。
【0010】
本発明の特徴は、加熱室2内の被加熱物3を出し入れする扉5の開閉動作において、扉4を閉じる前と、扉4を開いて終端部に到達する前に、衝撃力を緩衝するダンパーを構成することである。
【0011】
以下、実施例に従い詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図3において、調理器1は内部配置する加熱室2の中に電熱や高周波で加熱される被加熱物3を載置し、加熱室2の開口部に装着した扉4の開閉によって、被加熱物3の出し入れを行う構成としている。そして、扉4は扉4に支点を持つドアアーム5と、調理器1側に固定、係止されたドアガイドローラ6、ドアバネ7の付勢によりヒンジ8を支点として開閉自在に装着されている。また、調理器1の外装と加熱室2の空間には高周波発振器や、ヒータ、制御基板等の各種の電気部品9が配置されている。
【0013】
次に本発明の要部である扉4とダンパー10の関連動作を説明する。扉4を閉じる時は図1に示す通り、ドアバネ7等により付勢された扉4の慣性衝撃荷重P1は調理器1側の支点A11で回動する作動レバー12の凸部13を押して矢印a方向の動きでダンパー10に伝達されダンパー10の緩衝効果で消失される構成である。ダンパー10は緩衝条件により、オイル、エアー、グリス、摩擦方式など各種存在する。なお、今回のダンパー10はダンパー10に対する荷重が開放された時には元の状態に復帰するための復帰バネ14が内蔵されている必要がある。
【0014】
また、扉4を開ける時は図2で示すように、のぞき窓ガラス15等の重量物を内蔵する扉4の自重による慣性衝撃荷重P2は扉4の動きと連動するドアアーム5に固定されたストッパーピン16の動きにより、連結レバー18を矢印bで示す開口側へ押す。すると支点B17の働きで連結レバー18の上部は開口と反対側の矢印c方向へ回動する。そして、連結レバー18の動きに連動して作動レバー12の凸部が矢印dで示すダンパー10方向に動き、ダンパー10伝達されて慣性衝撃荷重P2は消失する構成である。
【0015】
ダンパー抗力を作動させるタイミングは限定されるものではなくいつ作動させてもよい。だだし、最初から作動させると扉の開閉時に重たく違和感を感じ、開閉に時間を要してしまう。また、扉を閉じる直前あるいは、開く直前のダンパー抗力を作動させてもよいが、あまり直前だとダンパーまたは組立時のバラツキによりうまく作動しない場合がある。従って、ダンパー抗力を作動させる実用的なタイミングとしては扉が閉時終端部から1〜30°の角度の時、また、開時終端部から1〜30°の角度の時がよい。
【0016】
以下、扉4の動きと、ダンパー10の作動範囲の一例を図4で説明する。扉4を閉じる時は、扉4が閉時終端部から1〜30°の角度からダンパー10を作動させダンパー10の抗力により扉4の慣性衝撃荷重P1を受け、同じく扉4を開いた時には、扉4が開時終端部から1〜30°の角度からダンパー10を作動させダンパー10の抗力により扉4の慣性衝撃荷重P2を受け衝撃力を消失させている。
【0017】
次に、ダンパー10の特性は図5で示すように、ダンパー10の抗力はストロークの最初の段階で強く働くタイプA、最初は弱くストロークが増すとともに抗力が強くなるタイプB、ストロークの変化に対し平均的な抗力を保つタイプCと各種存在する。本発明は上記ダンパー構成のなかで扉4と作動レバー12を介してダンパー10の接合時の瞬間的衝撃荷重を緩和し、スムーズに扉の開閉をさせるためタイプB、タイプCを採用している。通常、タイプAはダンパーのシリンダ−を単孔オリフィス構造、タイプB、タイプCは複合オリフィス構造や揺動式などがある。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、発明によれば、扉の開閉時に生じる調理器への衝撃は消失し、液状の食品がこぼれたり、電気部品が振動で不良をおこすことがなくなるものである。
【0019】
そして、扉の開閉操作時に扉を重たく感じ違和感を覚えたり、開閉に時間を要してしまったりすることのない高品質な高周波加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における高周波加熱調理器の扉閉時の要部側面図
【図2】 同調理器の扉開時の要部側面図
【図3】 同調理器の斜視図
【図4】 同調理器の扉の開閉時におけるダンパーの抗力領域を示す図
【図5】 同調理器のダンパーのストロークに対する抗力特性図
【図6】 従来の高周波加熱調理器の要部側面図
【符号の説明】
1 調理器
2 加熱室
3 被加熱物
4 扉
5 ドアアーム
10 ダンパー
12 作動レバー
18 連結レバー

Claims (1)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室の開口面に設けた開閉自在の扉と、前記扉に支点を持つドアアームと、一端を前記ドアアームに係止し他端を調理器側に係止して前記扉を閉じる方向に付勢するドアバネと、前記扉の開閉に連動して動く作動レバーと、一端を前記ドアアームに他端を前記作動レバーにそれぞれ係合し前記扉が開く動作に連動する連結レバーと、復帰ばねを内蔵し衝撃力を緩衝するダンパーと、高周波発振器とを備え、
    前記ダンパーはストロ−クの最初の段階では抗力を弱くした衝撃吸収特性を有しかつ作動しないタイミングを有するとともに、前記扉を閉じる時は前記扉が閉時終端部から1〜30°の角度から前記作動レバーを介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受け、かつ前記扉を開いた時は前記扉が開時終端部から1〜30°の角度から前記ドアアーム、前記連結レバー、および前記作動レバーを順次介して前記ダンパーを作動させ前記ダンパーの抗力により前記扉の慣性衝撃荷重を受けて衝撃力を消失させる構成とした高周波加熱調理器。
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