JP4337126B2 - 超臨界型ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は超臨界型ヒートポンプ装置に関し、詳しくは、冷媒を超臨界圧力まで圧縮する圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とにわたって、その順に冷媒を循環させる冷媒回路を備えた超臨界型ヒートポンプ装置に関する。
従来、超臨界型ヒートポンプ装置において、加熱対象熱媒を加熱用の凝縮器に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、加熱対象熱媒を加熱用凝縮器に通過させるか、あるいはバイパス路に通過させるかを切り換える三方弁を設けたものがある(特許文献1参照)。
特開2004−360969号
しかし、上記従来装置は、加熱対象熱媒の全流量を加熱用凝縮器に通過させるかバイパス路に通過させるかの2者択一的な切り換えのみを三方弁により行うようにしたものであり、これに代表されるように、従来の超臨界型ヒートポンプ装置において、熱媒を凝縮器に対して迂回させるバイパス路を設けて、凝縮器に通過させる熱媒とバイパス路に通過させる熱媒との流量比を調整するようにしたものは全く見られず、換言すれば、その流量比が冷媒回路運転の成績係数に及ぼす影響について何ら考慮されていなかった。
そしてまた、蒸発器について見ても、従来の超臨界型ヒートポンプ装置において、熱媒を蒸発器に対し迂回させるバイパス路を設けて、蒸発器に通過させる熱媒とバイパス路に通過させる熱媒との流量比を調整するようにしたものは全く見られず、その流量比が冷媒回路運転の成績係数に及ぼす影響について何ら考慮されていなかった。
この実情に対し、本発明の主たる課題は、超臨界型ヒートポンプ装置特有の冷媒回路特性に着目した合理的な改良により、良好かつ安定的な運転を保ちながら冷媒回路運転の成績係数を向上させる点にある。
なお、超臨界型ヒートポンプ装置では、冷媒回路を循環する過程での冷媒の相変化が明確に認められない場合があるが、ここでは、通常のヒートポンプ装置と同等、冷媒回路において冷媒を放熱させる部分を凝縮器と称し、冷媒を吸熱(採熱)させる部分を蒸発器と称し、また、それに準じて便宜上、凝縮器における冷媒の温度変化や圧力変化などの状態変化を凝縮と称し、蒸発器における冷媒の温度変化や圧力変化などの状態変化を蒸発と称する場合がある。
〔1〕本発明の第1特徴構成は、各々、圧縮機、加熱用凝縮器、膨張機構、採熱用蒸発器の順に冷媒を循環させる独立した2つの冷媒回路を併設し、
そのうちの第1冷媒回路において、第1膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として大気から採熱する第1採熱用蒸発器を設け、
一方、第2冷媒回路において、第2膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として、加熱対象熱媒を各々の前記加熱用凝縮器に通流させる前に予冷する予冷用蒸発器を設けた超臨界型ヒートポンプ装置であって、
前記ヒートポンプ装置へ導入路から供給される熱媒を最初に第2冷媒回路の前記予冷用蒸発器に導入して予冷し、
この予冷した熱媒を、前記第1冷媒回路の第1加熱用凝縮器と、前記第2冷媒回路の第2加熱用凝縮器とに並列に通流させる並列通流状態と、前記第1加熱用凝縮器、前記第2加熱用凝縮器の順に直列に通流させる直列通流状態とのいずれかの回路構成とすると共に、
前記導入路の途中箇所と、前記第1加熱用凝縮器および前記第2加熱用凝縮器の下流側とを短絡して、熱媒の一部を前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器に対し迂回させるバイパス路を設け、
前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器を通過させる熱媒と前記バイパス路を通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けた点にある。
つまり、超臨界型ヒートポンプ装置では、それに特有の冷媒回路特性として、凝縮器における熱媒の入出口温度差が変化すると、それに伴い凝縮器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差も変化し、これにより、凝縮器における冷媒の入出口比エンタルピ差と圧縮機における冷媒の入出口比エンタルピ差との比率(略言すれば、ヒートポンプ装置の入出力比率)が変化して、冷媒回路運転の成績係数が変化する傾向が見られる。
この冷媒回路特性に対し、上記第1特徴構成によれば、凝縮器に対する送給熱媒のうちバイパス路を通過させた熱媒と凝縮器に通過させた熱媒(即ち、凝縮器で加熱された熱媒)とを合流させることで、装置全体としては、熱媒の全流量を凝縮器に通過させた場合と同等の熱量を熱媒の全流量に対して付与するようにしながらも、熱媒の全流量を凝縮器に通過させるのに比べ、バイパス路側の熱媒流量分(即ち、凝縮器側の熱媒流量減少分)だけ凝縮器における熱媒の入出口温度差をより大きくすることができて、それに伴い、凝縮器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(即ち、モリエル線図上における冷凍サイクルの上辺長)を増大させることができ、これにより、冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
また、蒸発器に対する送給熱媒のうちバイパス路を通過させた熱媒と蒸発器に通過させた熱媒(即ち、蒸発器で冷却された熱媒)とを合流させることで、装置全体としては、熱媒の全流量を蒸発器に通過させた場合と同等の熱量を熱媒の全流量から奪取するようにしながらも、熱媒の全流量を蒸発器に通過させるのに比べ、バイパス路側の熱媒流量分(即ち、蒸発器側の熱媒流量減少分)だけ蒸発器における熱媒の温度をより大きく低下させることができて、それに伴い、蒸発器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(即ち、モリエル線図上における冷凍サイクルの下辺長)を増大させることができ、これにより、冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
そして、バイパス路に通過させる熱媒と凝縮器に通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けることで、その調整弁手段による連続的又は段階的な流量比調整により、冷媒回路の良好かつ安定的な運転状態を運転条件に応じて確保するようにしながら、上記の如く凝縮器側の熱媒流量減少分だけ凝縮器における熱媒の入出口温度差をより大きくして、その分、冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
また、バイパス路に通過させる熱媒と蒸発器に通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けることで、その調整弁手段による連続的又は段階的な流量比調整により、冷媒回路の良好かつ安定的な運転状態を運転条件に応じて確保するようにしながら、上記の如く蒸発器側の熱媒流量減少分だけ蒸発器における熱媒の温度をより大きく低下させることができて、その分、冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
なお、第1特徴構成の実施においては、例えば、凝縮器における熱媒あるいは冷媒の出口温度や入出口温度差などを検出して、その検出値に基づき調整弁手段による流量比調整を自動的に行うようにするのが望ましいが、場合によっては、調整弁手段による流量比調整を人為操作により初期設定的に行うものにしてもよい。
第1冷媒回路及び第2冷媒回路の各々の凝縮器に通流させる熱媒を並列通流状態に設定した場合には、加熱対象熱媒を加熱用の第1及び第2凝縮器での加熱に先立ち第2冷媒回路における予冷用の第2蒸発器により予冷する。よって、その予冷による熱媒温度降下分だけ加熱用の第1及び第2凝縮器における加熱対象熱媒の入出口温度差(入口温度と加熱後の前記所要温度との温度差)を大きくすることができる。それに伴い、加熱用の第1及び第2凝縮器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(モリエル線図上における冷凍サイクルの上辺長)の合計が増大する。これにより、装置全体の冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
また、例えば、熱媒としての新鮮水を沸き上げる場合に、その沸き上げ能力を上げる為に、第2冷媒回路において予冷用蒸発器への冷媒の通流を断った状態で、予冷用蒸発器と並列に設けた採熱用の第2蒸発器に冷媒を通流させる。その採熱用の第2蒸発器を第1冷媒回路の第1採熱用蒸発器とともに大気に対して採熱機能させる採熱選択状態にする。併せて、冷却を伴わずに予冷用蒸発器を通過させた熱媒を加熱用の第1及び第2凝縮器に対し並列に通過させて加熱する並列通流状態にする。これにより、予冷用蒸発器で予冷を行う場合に比べ実質の加熱負荷を低減させて成績係数をさらに高いものにすることができる。
一方、第1冷媒回路及び第2冷媒回路の各々の加熱用凝縮器に通流させる熱媒を直列通流状態に設定した場合には、加熱対象熱媒の加熱昇温幅を第1加熱用凝縮器と第2加熱用凝縮器とに振り分けて、上記並列通流状態に比べて第1冷媒回路及び第2冷媒回路の圧縮機の各仕事量を減少させる。すなわち各々の圧縮機における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差が減じられることとなる。これにより、第1冷媒回路及び第2冷媒回路の各々において、加熱用凝縮器における冷媒の入出口比エンタルピ差と圧縮機における冷媒の入出口比エンタルピ差との比率(略言すれば、ヒートポンプ装置の入出力比率)が増大する。その結果、第1冷媒回路及び第2冷媒回路の運転成績係数を向上させ、ヒートポンプ装置全体としての成績係数を向上させることができる。
また、第2加熱用凝縮器で加熱対象熱媒を高温(例えば60〜80℃)に加熱するにしても、予冷用蒸発器により加熱対象の熱媒(例えば50〜70℃)を予冷することで、予冷用蒸発器での冷媒温度を高くして、予冷用蒸発器での冷媒温度と第2加熱用凝縮器での冷媒温度との温度差が小さくなるようにする。このことからも、第2冷媒回路の圧縮機における冷媒の入出口比エンタルピ差に対する予冷用蒸発器、及び、第2加熱用凝縮器における冷媒の入出口比エンタルピ差の比率を高めて、第2冷媒回路の運転成績係数を向上させ、そのことで本ヒートポンプ装置の装置全体としての成績係数を更に向上させるようにしてある。
〔2〕本発明の第2特徴構成は、各々、圧縮機、加熱用凝縮器、膨張機構、採熱用蒸発器の順に冷媒を循環させる独立した2つの冷媒回路を併設し、
そのうちの第1冷媒回路において、第1膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として大気から採熱する第1採熱用蒸発器を設け、
一方、第2冷媒回路において、第2膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として、加熱対象熱媒を各々の前記加熱用凝縮器に通流させる前に予冷する予冷用蒸発器を設けた超臨界型ヒートポンプ装置であって、
前記ヒートポンプ装置へ導入路から供給される熱媒を最初に第2冷媒回路の前記予冷用蒸発器に導入して予冷し、
この予冷した熱媒を、前記第1冷媒回路の第1加熱用凝縮器と前記第2冷媒回路の第2加熱用凝縮器とに対し並列に通流させる「並列通流状態」と、第1加熱用凝縮器と前記第2加熱用凝縮器とに対しその順に直列に通流させる「直列通流状態」との切り換えを行う切り換え機構を備え、
前記湯水導入路の途中箇所と、前記第1加熱用凝縮器および前記第2加熱用凝縮器の下流側とを短絡して、熱媒の一部を前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、
前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器を通過させる熱媒と前記バイパス路を通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けた点にある。
第2特徴構成の装置では、第1特徴構成の装置に比べて、第1冷媒回路および第2冷媒回路を「並列通流状態」と「直列通流状態」とに切り換える機構を備えた点に特徴を有する。本構成であれば、上記〔0012〕段落で記載したごとく、加熱処理する熱媒の温度等に応じて装置全体としての成績係数を確実に向上させることができる。
尚、ヒートポンプ装置では、例えば圧縮機油と冷媒との相溶を防止するなど、安定的な冷媒回路運転のために蒸発器における冷媒の温度・圧力及び過熱度を圧縮機制御や膨張機構制御などにより所定値以下に維持することが要求される場合があるが、一般のヒートポンプ装置に比べ超臨界型ヒートポンプ装置は冷凍サイクルが不安定であるため、超臨界型ヒートポンプ装置では一般のヒートポンプ装置に比べ蒸発器における冷媒の温度・圧力及び過熱度を所定値以下に安定的に維持することが難しい問題もある。
これに対し、例えば、蒸発器とバイパス路とへの熱媒分流により蒸発器における冷媒の温度・圧力(蒸発器における平均の冷媒温度・冷媒圧力)を低下側に移行させることで、圧縮機制御や膨張機構制御などにより蒸発器における冷媒の温度・圧力及び過熱度を所定値以下に維持することを従前に比べ容易にし得る利点もある。
なお、例えば、蒸発器における熱媒あるいは冷媒の出口温度や入出口温度差などを検出して、その検出値に基づき調整弁手段による流量比調整を自動的に行うようにするのが望ましいが、場合によっては、調整弁手段による流量比調整を人為操作により初期設定的に行うものにしてもよい。
加熱用の第1及び第2凝縮器による加熱で加熱対象熱媒を所要温度まで昇温させることにおいて、それら加熱用の第1及び第2凝縮器における加熱対象熱媒の入口温度が高温で、その入口温度と加熱後の上記所要温度との温度差(即ち、入出口温度差)が小さいと、超臨界型ヒートポンプ装置では前述の如く、加熱用の第1及び第2凝縮器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差も小さくなって冷媒回路運転の成績係数が低くなる。
これに対し、加熱用の第1及び第2凝縮器通過させて加熱する加熱対象熱媒が高温であっても、その高温の加熱対象熱媒を加熱用の第1及び第2凝縮器での加熱に先立ち第2冷媒回路における予冷用の第2蒸発器により予冷するから、その予冷による熱媒温度降下分だけ加熱用の第1及び第2凝縮器における加熱対象熱媒の入出口温度差(入口温度と加熱後の前記所要温度との温度差)を大きくすることができる。それに伴い、加熱用の第1及び第2凝縮器における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(モリエル線図上における冷凍サイクルの上辺長)を増大させることができ、これにより、冷媒回路運転の成績係数を向上させることができる。
また、予冷用第2蒸発器での予冷において加熱対象熱媒から奪った熱量は、第2冷媒回路における加熱用第2凝縮器での加熱対象熱媒の加熱に有効利用する形態(即ち、加熱対象熱媒に還元する形態)となるから、予冷において加熱対象熱媒から奪った熱量を外部に廃棄するのに比べ熱ロスも抑止でき、この点においても省エネルギー面で有利になる。
さらに、第1冷媒回路については、大気(例えば0℃)を採熱源とする採熱用第1蒸発器での冷媒蒸発温度が低くて、その採熱用第1蒸発器での冷媒温度と加熱対象熱媒を高温(例えば80℃)に加熱する加熱用第1凝縮器での冷媒温度との温度差(即ち、第1冷媒回路における冷媒の最高低温度差)が大きいことが第1冷媒回路運転の成績係数向上を制限する他の要因として未だ残るが、第2冷媒回路については、高温(例えば60℃)の加熱対象熱媒を予冷対象とする予冷用第2蒸発器での冷媒温度が比較的高くなるため、加熱用第2凝縮器で加熱対象熱媒を高温に加熱するにしても、予冷用第2蒸発器での冷媒温度と加熱用第2凝縮器での冷媒温度との温度差(第2冷媒回路における冷媒の最高低温度差)を小さくすることができ、このことからも、第2圧縮機における冷媒の入出口比エンタルピ差に対する予冷用第2蒸発器及び加熱用第2凝縮器における入出口比エンタルピ差(モリエル線図上における冷凍サイクルの上下辺長)の比率を高めることができて、第2冷媒回路運転の成績係数を向上させることができ、そのことで装置全体としての成績係数を更に向上させることができる。
そして、これらのことで冷媒回路運転の成績係数を向上させる得ることに加え、予冷用の第2蒸発器を前記熱媒迂回対象の蒸発器として、その予冷用の第2蒸発器に対し前記バイパス路及び前記調整弁手段を設けることにより、前述の如く、第1および第2特徴構成による超臨界型ヒートポンプ装置の成績係数を一層大きく効果的に向上させることができる。
図1は超臨界型ヒートポンプ装置を熱源機とする温水設備を示し、1はCO2冷媒の超
臨界型ヒートポンプ装置、2A〜2Cは貯湯タンク、3は床暖房パネルやファンコイルユニットなどの温水循環式の暖房装置、4は中継熱交換器、5は温水循環式の融雪装置、6は浴槽(又は温水プール)、7は給湯栓である。
熱源機としてのヒートポンプ装置1は、湯水入口1aから流入する加熱対象熱媒としての戻り湯水Wを加熱して、その加熱後の高温湯水Wを湯水出口1bから送出する湯水加熱機として機能するものであり、これを用いた本例の温水設備では、ヒートポンプ装置1の湯水出口1bから送出される高温湯水Wの通流状態を上流側及び下流側の2つの三方弁Va,Vbによる流路の切り換えにより次の「タンク側通流状態」と「短絡側通流状態」とに択一的に切り換えるようにしてある。
すなわち、タンク側通流状態では、図中一点鎖線の矢印で示す如く、湯水出口1bから送出される高温湯水Wを上流側往路8−上流側三方弁Va−貯湯タンク2A〜2Cを直列に介装した貯湯タンク用分岐路9−下流側三方弁Vb−下流側往路10の順に通過させ、また、短絡側通流状態では、図中実線の矢印で示す如く、湯水出口1bから送出される高温湯水Wを上流側往路8−上流側三方弁Va−短絡循環用分岐路11−下流側三方弁Vb−下流側往路10の順に通過させる。
貯湯タンク用分岐路9には、上記のタンク側通流状態において上流側往路8及び上流側三方弁Vaを通じて送給されるヒートポンプ装置1からの高温湯水Wを第1貯湯タンク2Aの上部に供給し、その第1貯湯タンク2Aへの高温湯水Wの供給に伴い第1貯湯タンク2Aの底部から送出される湯水Wを第2貯湯タンク2Bの上部に供給し、同様に、その第2貯湯タンク2Bへの湯水Wの供給に伴い第2貯湯タンク2Bの底部から送出される湯水Wを第3貯湯タンク2Cの上部に供給し、そして、その第3貯湯タンク2Cへの湯水Wの供給に伴い第3貯湯タンク2Cの底部から送出される湯水Wを下流側三方弁Vbを通じて下流側往路10へ送出する直列接続形態で、3つの貯湯タンク2A〜2Cを介装してある。
すなわち、タンク側通流状態においてヒートポンプ装置1から高温湯水Wを送給することで、その高温湯水Wにより貯湯タンク2A〜2C内の残留低温湯水Wを下流側三方弁Vbを通じ下流側往路10へ押し出す形態で、高温湯水Wを第1貯湯タンク2Aの側から順次に、かつ、各貯湯タンク2A〜2Cにおいて上部側から貯めていき、その高温湯水Wを各貯湯タンク2A〜2Cにおいて温度成層状態で貯留するようにしてある。
そして、貯湯タンク用分岐路9においては、上流側三方弁Vaと第1貯湯タンク2Aとの間の箇所から給湯路12を分岐して、この給湯路12を給湯栓7に接続してあり、また、第3貯湯タンク2Cと下流側三方弁Vbとの間の箇所には、給水弁13を介装した給水路14を接続してあり、これにより、給湯栓7が開栓されたときには、それに連動する給水弁13の開弁により給水路14から第3貯湯タンク2Cの底部に新鮮水Wcを送給することで、図中破線の矢印で示す如く、その供給新鮮水Wcをもって押し出す形態で貯湯タンク2A〜2Cにおける貯留高温湯水Wを第1貯湯タンク2Aの上部側(すなわち、前記した温度成層における高温端側)から給湯路12を通じて給湯栓7から出湯させるようにしてある。
なお、この給湯状態においては上流側及び下流側の三方弁Va,Vbは短絡側通流状態にある。
下流側往路10からは温水循環式の暖房装置3と中継熱交換器4との夫々に対する温水供給路15a,16aを並列的に分岐してあり、これら温水供給路15a,16aを通じて下流側往路10から暖房装置3及び中継熱交換器4に湯水W(温水)を供給するのに伴い、それら暖房装置3及び中継熱交換器4から温水戻り路15b,16bを通じて戻る湯水W(すなわち、暖房や熱交換で熱消費されて降温した湯水)を、共通返路17を通じてヒートポンプ装置1の湯水入口1aに戻すようにしてある。
つまり、貯湯タンク2A〜2Cに高温湯水Wを貯め込む際(一般に夜間電力時間帯)に使用するタンク側通流状態(一点鎖線の矢印)では、貯湯タンク2A〜2Cを介して暖房装置3及び中継熱交換器4とヒートポンプ装置1との間で加熱対象熱媒としての湯水Wを循環させ、一方、貯湯タンク2A〜2Cへの高温湯水Wの供給を停止する短絡側通流状態(実線の矢印)では、貯湯タンク2A〜2Cに対し迂回させる状態で短絡循環用分岐路11を通じて暖房装置3及び中継熱交換器4とヒートポンプ装置1との間で加熱対象熱媒としての湯水Wを循環させる。
中継熱交換器4では、下流側往路10から供給される高温湯水Wとの熱交換により2次側熱媒としての水W′(すなわち、ヒートポンプ装置1に循環させる湯水Wとは混合させない水)を加熱し、この加熱で生成した温水W′を循環路18a,18bを通じて融雪装置5に循環させるとともに、循環路19a,19bを通じて浴槽6(又は温水プール)に循環させる。すなわち、融雪装置5では中継熱交換器4から供給される温水W′の保有熱をもって積雪を防止し、また、浴槽6(又は温水プール)では中継熱交換器4から供給される温水W′をもって貯留温水W′を適温に維持する。なお、図中Pはポンプである。
一方、熱源機であるヒートポンプ装置1には、第1冷媒R(CO2)を超臨界圧力まで圧縮する第1圧縮機20と、湯水入口1aから流入する戻り湯水Wを加熱する加熱用の第1凝縮器21と、第1膨張機構としての第1膨張弁22と、大気A(一般に外気)から採熱(吸熱)する採熱用の第1蒸発器23とを主要構成装置として、それら第1圧縮機20−加熱用の第1凝縮器21−第1膨張弁22−採熱用の第1蒸発器23の順に第1冷媒Rを循環させる第1冷媒回路24を装備してある。
また、第2冷媒R′(CO2)を超臨界圧力まで圧縮する第2圧縮機25と、湯水入口1aから流入する戻り湯水Wを第1冷媒回路24の加熱用第1凝縮器21とともに加熱する加熱用の第2凝縮器26と、第2膨張機構としての第2膨張弁27と、予冷用の第2蒸発器28とを主要構成装置として、第1冷媒回路24とは独立に、それら第2圧縮機25−加熱用の第2凝縮器26−第2膨張弁27−予冷用の第2蒸発器28の順に第2冷媒R′を循環させる第2冷媒回路29を装備してある。
そして、湯水入口1aからヒートポンプ装置1に流入する戻り湯水Wは、導入路30を通じて第1冷媒回路24の加熱用第1凝縮器21と第2冷媒回路29の加熱用第2凝縮器26とに導き、これら加熱用の第1及び第2凝縮器21,26で加熱した高温湯水Wを導出路31を通じて湯水出口1bから送出するようにしてあり、湯水入口1aからの導入路30には第2冷媒回路29の予冷用第2蒸発器28を介装してある。
すなわち、導入路30を通じて第1冷媒回路24の加熱用第1凝縮器21と第2冷媒回路29の加熱用第2凝縮器26とに導く加熱対象の湯水Wを、それら加熱用の第1及び第2凝縮器21,26での加熱に先立ち、第2冷媒回路29における予冷用第2蒸発器28で予冷するようにしてある。
また本実施形態では、第2冷媒回路29には付加装備として、大気A(一般に外気)から採熱する採熱用の第2蒸発器32を予冷用第2蒸発器28と並列に装備するとともに、第2膨張弁27を通過した第2冷媒R′を予冷用第2蒸発器28に通流させて予冷用第2蒸発器28の吸熱作用により加熱対象の湯水Wを冷却する「予冷選択状態」と、第2膨張弁27を通過した第2冷媒R′を採熱用第2蒸発器32に通流させて採熱用第2蒸発器32の吸熱作用により大気Aから採熱する「採熱選択状態」との択一的な切り換えを行う2つの冷媒三方弁Vx,Vyを設けてある。
そしてまた本実施形態では、加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対する導入路30及び導出路31の接続部においては、湯水入口1aから導入路30を通じて導く加熱対象の湯水Wを渡り路33の閉路により加熱用第1凝縮器21と加熱用第2凝縮器26とに対し並列に通流させる「並列通流状態」と、湯水入口1aから導入路30を通じて導く加熱対象の湯水Wを渡り路33の開路により加熱用第1凝縮器21と加熱用第2凝縮器26とに対しその順に直列に通流させる「直列通流状態」との切り換えを行う2つの熱媒三方弁Vc,Vdを設けてある。
つまり、この温水設備では、高温湯水Wが貯め込まれた貯湯タンク2A〜2Cに対し迂回させる状態で短絡循環用分岐路11を通じて暖房装置3及び中継熱交換器4とヒートポンプ装置1との間で湯水Wを循環させる前記の短絡側通流状態で装置を運転する際には、暖房装置3や中継熱交換器4から共通返路17を通じてヒートポンプ装置1に戻る湯水Wが高温になる(すなわち、超臨界型のヒートポンプ装置1から送給する湯水Wが高温(例えば60〜80℃)であることにより、暖房装置3や中継熱交換器4での熱消費による降温があるとしても戻り湯水Wは比較的高温(例えば50〜70℃)になる)ことから、図中実線の矢印で示す如く、その戻り湯水Wを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26での加熱に先立ち第2冷媒回路29の予冷用第2蒸発器28により予冷する前記の予冷選択状態にするとともに、予冷用第2蒸発器28で予冷した戻り湯水Wを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対しその順に直列に通流させて加熱する直列通流状態にし、加熱対象熱媒の加熱昇温幅を第1加熱用凝縮器21と第2加熱用凝縮器26とに振り分けて、第1冷媒回路24及び第2冷媒回路29の圧縮機20、25の各仕事量を減少させる。すなわち各々の圧縮機20及び25における冷媒の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差が減じられることとなる。これにより、第1冷媒回路24及び第2冷媒回路29の各々において、各加熱用凝縮器21,26における冷媒の入出口比エンタルピ差と圧縮機における冷媒の入出口比エンタルピ差との比率(略言すれば、ヒートポンプ装置の入出力比率)が増大する。その結果、第1冷媒回路24及び第2冷媒回路29の運転成績係数を向上させ、ヒートポンプ装置全体としての成績係数を向上させることができる。
そしてまた、加熱用第2凝縮器26で加熱対象湯水Wを高温(例えば60〜80℃)に加熱するにしても、第2冷媒回路29の予冷用第2蒸発器28により加熱対象の戻り湯水W(例えば50〜70℃)を予冷することで、予冷用第2蒸発器28での冷媒温度を高くして、予冷用第2蒸発器28での冷媒温度と加熱用第2凝縮器26での冷媒温度との温度差(即ち、第2冷媒回路29における第2冷媒R′の最高低温度差)が小さくなるようにし、このことからも、第2圧縮機25における第2冷媒R′の入出口比エンタルピ差に対する予冷用第2蒸発器28及び加熱用第2凝縮器26における第2冷媒R′の入出口比エンタルピ差(モリエル線図上における冷凍サイクルの上下辺長)の比率を高めて、第2冷媒回路29の運転成績係数を向上させ、そのことでヒートポンプ装置1の装置全体としての成績係数を更に向上させるようにしてある。
一方、新鮮水Wcを沸き上げる場合には、その沸き上げ能力を上げる為に、第2冷媒回路29において予冷用第2蒸発器28への第2冷媒R′の通流を断った状態で採熱用の第2蒸発器32に第2冷媒R′を通流させて、その採熱用の第2蒸発器32を第1冷媒回路24の採熱用第1蒸発器23とともに大気Aに対して吸熱機能させる採熱選択状態にするとともに、図中一点鎖線の矢印で示す如く、冷却を伴わずに予冷用第2蒸発器28を通過させた戻り湯水Wを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対し並列に通流させて加熱する並列通流状態にし、これにより、予冷用第2蒸発器28で予冷を行う場合に比べ実質の加熱負荷を低減させて成績係数をさらに高いものにする。
なお、場合によっては、図中破線で示す如く、導入路30に第2給水路34を接続するとともに、湯水入口1aからの戻り湯水Wを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に導いて加熱する「循環水加熱状態」と、第2給水路34からの供給新鮮水Wcを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に導いて加熱する「新鮮水加熱状態」との択一的な切り換えを行う給水用三方弁Veを設けるようにし、これにより、貯湯タンク2A〜2Cに高温湯水Wの貯め置きがない状態では、給湯栓7の開栓に連動して給水弁13の開弁に代え循環水加熱状態から新鮮水加熱状態への切り換えを行うことで、給湯栓7からの高温湯水Wの出湯を可能にするようにしてもよい。そして、この新鮮水加熱状態では、第2冷媒回路29の採熱用第2蒸発器32を大気Aに対して吸熱機能させる採熱選択状態にするとともに、戻り湯水Wを加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対し並列に通流させて加熱する並列通流状態にする。
ヒートポンプ装置1における熱媒路構成についてさらに詳述すると、湯水導入路30の途中箇所(図中a点)と加熱用第1凝縮器21の湯水出口部(図中b点)とを短絡して湯水入口1aからの戻り湯水Wの一部を予冷用の第2蒸発器28及び加熱用の第1凝縮器21に対し迂回させるバイパス路35を設けるとともに、予冷用第2蒸発器28及び加熱用第1凝縮器21に通過させる湯水Wとバイパス路35に通過させる湯水Wとの流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段としての流量比調整三方弁36を湯水導入路30におけるバイパス路35の分岐箇所に装備し、そして、予冷用第2蒸発器28の出口湯水温度twを検出する温度センサ37の検出情報に基づき流量比調整三方弁36による流量比調整を自動的に行って予冷用第2蒸発器28の出口湯水温度twを設定出口湯水温度twsに調整する制御器38を設けることができる。
つまり、上記の熱媒路構成において、バイパス路35を通過させた湯水Wと予冷用第2蒸発器28及び加熱用第1凝縮器21に通過させた湯水W(即ち、予冷用第2蒸発器28で予冷するとともに、その予冷に続き加熱用第1凝縮器21で加熱した湯水W)とを加熱用第1凝縮器21の湯水出口部で合流させることにより、装置全体としては、湯水入口1aからの戻り湯水Wの全流量を予冷用第2蒸発器28と加熱用第1凝縮器21に通過させた場合と同等の予冷量及び加熱量を戻り湯水Wの全流量に付与するようにしながらも、戻り湯水Wの全流量を予冷用第2蒸発器28に通過させるのに比べ、高温(例えば60℃)の戻り湯水Wを予冷対象とする予冷用第2蒸発器28における第2冷媒R′の温度・圧力(予冷用第2蒸発器28における平均の冷媒温度・冷媒圧力)を予冷用第2蒸発器28とバイパス路35とへの湯水分流により低下側に移行させ、これにより、例えば圧縮機油と冷媒との相溶を防止したり、安定的な冷媒回路運転のために第2冷媒R′の蒸発器における温度・圧力及び過熱度を圧縮機制御や膨張機構制御などにより所定値以下に維持することを容易にし得るようにしてある。
また、戻り湯水Wの一部をバイパス路35を通じて予冷用蒸発器28とともに加熱用第1凝縮器21に対しても迂回させることにより、加熱対象湯水Wの全流量を加熱用第1凝縮器21に通過させるのに比べ、加熱用第1凝縮器21の湯水流量減少分だけ加熱用第1凝縮器21における湯水Wの入出口温度差を大きくして、それに伴い加熱用第1凝縮器21における第1冷媒Rの入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(即ち、モリエル線図上における冷凍サイクルの上辺長)を増大させることで、第1冷媒回路24の運転成績係数をさらに向上させるようにしてある。
そしてまた、予冷用第2蒸発器28での冷媒状態を超臨界圧状態ないしそれに近い状態にする場合には、戻り湯水Wの全流量を予冷用第2蒸発器28に通過させて予冷する場合に比べ、制御器38及び流量比調整三方弁36による流量比調整により第2冷媒回路29の良好かつ安定的な運転状態を運転条件に応じて確保するようにしながら、予冷用第2蒸発器28の湯水流量減少分だけ予冷用第2蒸発器28における湯水Wの入出口温度差を大きくして、それに伴い、予冷用第2蒸発器28における第2冷媒R′の入出口温度差及び入出口比エンタルピ差(即ち、モリエル線図上における冷凍サイクルの下辺長)を増大させることで、第2冷媒回路29の運転成績係数をさらに向上させるようにしてある。
〔別実施形態〕
次に別の実施形態を列記する。
前述の実施形態において加熱用の第1及び第2凝縮器21,26で加熱する熱媒は湯水Wに限られるものではなく、各種用途の湯水以外の熱媒であってもよい。
また、本発明の実施において熱媒Wや冷媒R,R′の流れ経路を切り換えるための構成も、前述の実施形態で示した如き三方弁を用いる構成に限らず、例えば、二方弁を組み合わせた構成など、種々の構成変更が可能である。
前述の実施形態では、第1冷媒回路24及び第2冷媒回路29の両方を、それらの冷媒R,R′が圧縮機20,25により超臨界圧力まで圧縮される超臨界型の冷媒回路にしたが、場合によっては、第1冷媒回路24と第2冷媒回路29とのいずれか一方(特に第1冷媒回路24)を、その冷媒が超臨界圧力未満の圧力(例えば超臨界圧力に近い圧力)まで圧縮される形式のものにしてもよい。
前述の実施形態では、予冷用第2蒸発器28と加熱用第1凝縮器21とに対して一本のバイパス路35により予冷対象及び加熱対象としての熱媒W(湯水)の一部を迂回させる構成を示したが、これに代え、バイパス路及び流量比調整用の調整弁手段を予冷用第2蒸発器28と加熱用第1凝縮器21とに対して各別に設ける構成(即ち、図1においてa点とc点とを結ぶバイパス路、及び、d点とb点とを結ぶバイパス路を各別に設ける構成)にしてもよい。
また場合によっては、同様のバイパス路及び流量比調整用の調整弁手段を加熱用第2凝縮器26に対して設ける構成(即ち、f点とe点とを結ぶバイパス路を設ける構成)を採用してもよく、さらに、前述の「直列通流状態」での使用において、湯水導入路30の途中箇所(図中a点)と加熱用第2凝縮器26の湯水出口部(図中e点)とを短絡して湯水入口1aからの戻り湯水Wの一部を予冷用の第2蒸発器28及び加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、予冷用第2蒸発器28及び加熱用第1及び第2凝縮器21,26に通過させる湯水Wとバイパス路に通過させる湯水Wとの流量比を連続的又は段階的に調整する三方弁等の調整弁手段を設けるようにしてもよい。また、前述の「並列通流状態」での使用において、湯水導入路30の途中箇所(図中a点)と湯水導出路31の途中箇所(図中g点:加熱用第1及び第2凝縮器21,26からの送出湯水Wの合流点よりも下流側の箇所)とを短絡して湯水入口1aからの戻り湯水Wの一部を予冷用の第2蒸発器28及び加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、予冷用第2蒸発器28及び加熱用第1及び第2凝縮器21,26に通過させる湯水Wとバイパス路に通過させる湯水Wとの流量比を連続的又は段階的に調整する三方弁等の調整弁手段を設けるようにしてもよい。
さらにまた、前述の実施形態において、加熱用第1凝縮器21の湯水入口部(図中d点)と加熱用第2凝縮器26の湯水出口部(図中e点)とを短絡して戻り湯水Wの一部を加熱用の第1及び第2凝縮器21,26に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、加熱用第1及び第2凝縮器21,26に通過させる湯水Wとバイパス路に通過させる湯水Wとの流量比を連続的又は段階的に調整する三方弁等の調整弁手段を設けるようにしてもよい。
冷媒R,R′はCO2に限られるものではなく凝縮器での放熱と蒸発器での吸熱が可能なものであれば、どのような冷媒であってもよい。また、前述の実施形態において第1及び第2冷媒R,R′は同種の冷媒あるいは異種の冷媒のいずれであってもよい。
前述の実施形態において第1冷媒回路24及び第2冷媒回路29を別個のヒートポンプ装置として、それら2つのヒートポンプ装置の組み合わせにより本発明の超臨界型ヒートポンプ装置を構成してもよい。即ち、本発明における超臨界型ヒートポンプ装置の装置ケースは、第1冷媒回路24と第2冷媒回路29とを各別に収容する2つのケース、あるいは、それら冷媒回路24,29を一括に収容する1つのケースのいずれにしてもよい。
また、本発明の実施において、蒸発器から送出される低温冷媒により凝縮器から送出される高温冷媒を冷却することで冷媒圧力の上昇を抑える所謂内部熱交換器を付加装備するようにしてもよい。
給湯、暖房、加熱あるいは冷房、冷却などの種々の用途の超臨界型ヒートポンプ装置に適用することができる。
温水設備の設備構成及び超臨界型ヒートポンプ装置の装置構成を示す回路図
R 冷媒(第1冷媒)
R′ 冷媒(第2冷媒)
20 圧縮機(第1圧縮機)
25 圧縮機(第2圧縮機)
21 凝縮器(加熱用第1凝縮器)
26 凝縮器(加熱用第2凝縮器)
22 膨張機構(第1膨張機構)
27 膨張機構(第2膨張機構)
23 蒸発器(採熱用第1蒸発器)
28 蒸発器(予冷用第2蒸発器)
24 冷媒回路(第1冷媒回路)
29 冷媒回路(第2冷媒回路)
35 バイパス路
36 調整弁手段

Claims (2)

  1. 各々、圧縮機、加熱用凝縮器、膨張機構、採熱用蒸発器の順に冷媒を循環させる独立した2つの冷媒回路を併設し、
    そのうちの第1冷媒回路において、第1膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として大気から採熱する第1採熱用蒸発器を設け、
    一方、第2冷媒回路において、第2膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として、加熱対象熱媒を各々の前記加熱用凝縮器に通流させる前に予冷する予冷用蒸発器を設けた超臨界型ヒートポンプ装置であって、
    前記ヒートポンプ装置へ導入路から供給される熱媒を最初に第2冷媒回路の前記予冷用蒸発器に導入して予冷し、
    この予冷した熱媒を、前記第1冷媒回路の第1加熱用凝縮器と、前記第2冷媒回路の第2加熱用凝縮器とに並列に通流させる並列通流状態と、前記第1加熱用凝縮器、前記第2加熱用凝縮器の順に直列に通流させる直列通流状態とのいずれかの回路構成とすると共に、
    前記導入路の途中箇所と、前記第1加熱用凝縮器および前記第2加熱用凝縮器の下流側とを短絡して、熱媒の一部を前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器に対し迂回させるバイパス路を設け、
    前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器を通過させる熱媒と前記バイパス路を通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けた超臨界型ヒートポンプ装置。
  2. 各々、圧縮機、加熱用凝縮器、膨張機構、採熱用蒸発器の順に冷媒を循環させる独立した2つの冷媒回路を併設し、
    そのうちの第1冷媒回路において、第1膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として大気から採熱する第1採熱用蒸発器を設け、
    一方、第2冷媒回路において、第2膨張機構通過後の冷媒を蒸発させる蒸発器として、加熱対象熱媒を各々の前記加熱用凝縮器に通流させる前に予冷する予冷用蒸発器を設けた超臨界型ヒートポンプ装置であって、
    前記ヒートポンプ装置へ導入路から供給される熱媒を最初に第2冷媒回路の前記予冷用蒸発器に導入して予冷し、
    この予冷した熱媒を、前記第1冷媒回路の第1加熱用凝縮器と前記第2冷媒回路の第2加熱用凝縮器とに対し並列に通流させる「並列通流状態」と、第1加熱用凝縮器と前記第2加熱用凝縮器とに対しその順に直列に通流させる「直列通流状態」との切り換えを行う切り換え機構を備え、
    前記湯水導入路の途中箇所と、前記第1加熱用凝縮器および前記第2加熱用凝縮器の下流側とを短絡して、熱媒の一部を前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器に対し迂回させるバイパス路を設けるとともに、
    前記予冷用蒸発器・前記第1加熱用凝縮器・前記第2加熱用凝縮器を通過させる熱媒と前記バイパス路を通過させる熱媒との流量比を連続的又は段階的に調整する調整弁手段を設けた超臨界型ヒートポンプ装置。
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