JP4335452B2 - 難燃性マイクロポーラスポリマー発泡体 - Google Patents

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願は、耐燃焼性マイクロポーラス連続気泡ポリマー発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロポーラス発泡体の開発は、十分に商業的に関心のあるテーマである。これらの発泡体の特性を変えて、熱的、音響的、電気的、および機械的(例えば、クッション用)絶縁体、吸収性材料、フィルター、インクおよび染料および潤滑油およびローション用のキャリアー、浮揚性物品作製などの用途に対して有利になるようにすることができる。発泡体のこのような用途および特性を記述している参考文献としては、Oertel, G.の「Polyurethane Handbook」(Hanser出版社、ミュンヘン、1985)、ならびにGibson, L. J.およびAshby, M. F.の「Cellular Solids. Structure and Properties」(ペルガモンプレス、オックスフォード、1988)などが挙げられる。用語「絶縁体」は、一方の場所から他方の場所へのエネルギーの移動を低減するどんな材料をも指す。用語「吸収体」は、流体(通常は液体、多くの場合水)を吸収および保持または分配する材料を指し、例としてはスポンジである。用語「フィルター」は、流体(気体または液体)を通過させ、不純物を内部に保持する材料を指す。用語「キャリアー」は、第2の物質(通常は液体)を、その物質が個別の目的に対して必要とされて圧力によって放出されるときまで保持する材料を指す。
【0003】
これらの用途の多くは、耐燃焼性の発泡体を必要とする。例えば、多くの建築基準法には、発泡体絶縁体などの材料の可燃性に対する制限規定が含まれている。同様の制限規定が、衣服または保護服で用いる絶縁体にも適用され得る。しかし、発泡体を初めとする殆どのプラスチック材料は容易に燃える。このような材料をこれらの用途で安全に使用するために、有機ポリマーの可燃性を抑制する種々のアプローチが開発されている。これらのアプローチは、John Lyonsによって著書「The Chemistry and Uses of Fire Retardants」(Robert Krieger出版社、Malabar、フロリダ、1987)の中で広く論じられている。これらのアプローチには様々なものがあるが、一般に、特定のヘテロ原子(通常、塩素、臭素、リン、ボロン、および/またはアンチモン)を含む化合物を有機ポリマー中に含有させることを含んでいる。これらの化合物には、小分子、オリゴマー、およびポリマーが含まれる。無機添加剤も用いられ、例としては三酸化アンチモンおよび関連する塩、ならびにホウ酸塩アニオンまたはリン酸塩アニオンを含む塩である。従来のプラスチック材料に適用される難燃性(flame retardancy)の科学は、引用したテキストで論じられているように、かなり良く発展している。
【0004】
意図する用途に依存して、発泡体の付加的特性が必要とされることが多い。これらには、一般に1または複数の以下のものが含まれる。(1)低密度、(2)柔軟性、(3)強度(圧縮および引張り)、(4)開口度(openness)、および(5)形態の制御。殆どの用途においてある程度の体積が必要とされるので、低密度発泡体の方がより効果的である。低密度発泡体は、この目的を達成するために必要な質量がより小さい。柔軟な発泡体は典型的に、発泡体のガラス転移温度(「Tg」)を比較的低温に保つことによってもたらされる。強度は、より低いTgおよび/またはより低密度との同時発生を実現することが難しい可能性があるパラメーターである。強度は(密度とは独立に)、変形に対するある程度の耐性、および変形から回復する能力たとえば弾力性を与えるような仕方で発泡体のポリマー鎖を結合させる架橋剤を含むことによって、最も効果的にもたらされる。開口度および形態は、主に発泡体の形成および硬化方法によって制御される。
【0005】
高内部相エマルション発泡体またはHIPEの利点の1つは、1または複数の上述した望ましい特性を有するように、発泡体を仕立てられることである。難燃性をHIPE発泡体に与えることは、容易なことではない。しかし、難燃性(flame retardant)で連続気泡の高表面積のHIPE発泡体であって1または複数の以下の特性を有するものが作れることは好ましいことである。(1)発泡体に課される他の要求と相反しない最も低い密度、(2)柔軟性、(3)強度、(4)概ね連続気泡な構造、および(5)発泡体内部に生じる気泡のサイズを制御するように製造され得る能力。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性で連続気泡の高表面積のHIPE発泡体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高内部相油中水滴型エマルションの重合によって形成される難燃性連続気泡ポリマー発泡体であって、少なくとも約18%の限界酸素指数(Limited Oxygen index)(「LOI」)値を有する発泡体に関する。これらのポリマー発泡体は、水相と油相との比が比較的高い特定の油中水滴型エマルションの重合によって作製される。このようなエマルションは、当該技術分野において一般的に知られており、本明細書では高内部相エマルションまたは「HIPE」と言う。本明細書で用いる場合、このようなエマルションの重合に起因するポリマー発泡体を、以後「HIPE発泡体」と言う。
【0008】
本発明の発泡体は、水相と油層との比(以後「W:O比」と言う)が少なくとも約3:1である不連続水相と連続油層とを含むHIPEの重合によって作製される。水相は通常、電解質および水溶性開始剤を含む。油層は通常、フリーラジカルによって重合可能な実質的に水不溶性のモノマー、乳化剤、およびその他の任意の成分たとえば相乗剤、酸化防止剤、充填剤、染料、蛍光剤、紫外線(「UV」)吸収剤、不透明剤などを含む。モノマーは、結果として生じるポリマー発泡体に要求される特性(典型的に、低密度、約−40℃ないし90℃のガラス転移(Tg)、意図する最終用途に対して十分な機械的完全性(integrity)、および連続気泡でマイクロポーラスな形態など)を与えるように選択することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
I.HIPE発泡体の特徴
本発明のHIPE発泡体は、発泡体の最終的な特性を広範囲に制御するモノマーの特定の組み合わせからなる。使用するモノマーのタイプは、以下の一般的な3つのカテゴリーに分けられる。(1)結果として生じるポリマーにおいて望ましいTgを保持することを助長するモノマー、(2)結果として生じるポリマーに対して「靭性(toughness)」を与えることを助長するモノマー(本明細書においては「靭性化(toughening)」モノマーと言う)、(3)結果として生じるポリマー内部に架橋を与えるのに有用な、一価、二価、三価、およびより高い官能価数を有するモノマー(本明細書では架橋剤と言う)。これらの架橋は、多くの発泡体の用途に対して要求される所望の圧縮強度または圧縮係数(modulus)および/または弾力性を実現する上で特に重要である。強度は与えるが十分な分子柔軟性を欠くコモノマーは、Tgを増加させる傾向にある。例としては、ジビニルベンゼン、レベルが高いほどポリマーの強度を増加させ得るがTgも増加させる架橋剤が挙げられる。Tgは通常、どんなポリマーの用途に対しても重要である。用途によっては比較的高いTgが要求され得るが、多くの用途においてはある程度の柔軟性が必要とされ、柔軟性にはより低いTgが必要である。一般に、より低いTgは、より高いTgよりも、配合(formulation)によって達成することが難しい。また、HIPEから得られる発泡体に関しては、Tgが非常に高い(>100℃)発泡体の場合には、脱水プロセスが著しく複雑になり得る。
【0010】
場合によっては上述したモノマータイプの全てを用いる必要はないことが分かるであろう。実際、難燃性を与えるモノマーを共重合して所望の発泡体を形成する本発明の好ましい実施形態においては、カテゴリー(1)および(2)の別個のモノマーを用いる必要はないかも知れない。このような実施形態においては、難燃性を与えるモノマーは、Tgを保持するとともに不可欠な靭性をもたらす機能も果たし得る。
【0011】
II.難燃性
本発明のHIPE発泡体は難燃性ポリマー発泡体である。材料の難燃性を測定する技術が、限界酸素指数技術(以後「LOI」と言う)である。この技術は後で詳述する。難燃性を測定する他の技術が知られているが、「難燃性」ポリマー発泡体は、本明細書で言及するときには、少なくとも約18%のLOI値を有する。ポリマー発泡体に関しては、用語「難燃性」は、本明細書で用いる場合、発泡体それ自身を指す。添加剤、成分、要素、薬品、モノマー、ポリマーなどに関しては、用語「難燃性」は、本明細書で用いる場合、添加剤などがポリマー発泡体に難燃性を与える能力を指す。このような難燃性添加剤などは、本明細書では「難燃性付与材料」とも言う。
【0012】
難燃性添加剤は、多くのポリマータイプとの使用に対して広く市販されている。一般的に、難燃性を与える材料は、臭素、塩素、リン、アンチモン、および/またはボロンなどの元素、ならびにそれほど多くの場合ではないが、シリコン、アルミニウム、イオウ、およびセレンなどの元素を、プロセスの都合の良い何れかの段階でプラスチック中に取り入れられる安定な分子中で用いる。しかし、本発明のHIPE発泡体に難燃性を与えることは、容易ではない。例えば、スタイロフォームTMのようなポリスチレン発泡体とは違って、本発明の発泡体は熱可塑性ではない。従って難燃性添加剤を、発泡体形成前の溶融相に含有させてはいけない。同様に、例えばブローされたポリウレタン発泡体とは対照的に、これらの難燃性付与材料を、発泡体構造を形成するためにガスブローされる出発有機相に単に含有させることはしてはいけない。
【0013】
HIPE発泡体の製造中に難燃性付与材料を含有させることは、乳化前、乳化後であるが重合前、またはすでに形成された発泡体の後処理によって行わなければならない。乳化前に油相または水相に含有させることは、重合の間じゅうエマルションの安定性を維持する必要性、フリーラジカルの重合と共存する必要性、および結果として生じる発泡体の所望する機械的特性に対するわずかな影響をも避ける要求によって、制約される。また難燃性付与材料は、それ自体が、このプロセスの間じゅうその基本機能を損なわずに存続しなければならない。また重合前にエマルションへ添加することは、エマルションの至るところで比較的効果的な分散を保証しながらエマルションの安定性を維持するように、行わなければならない。完成した発泡体への付与によって含有させることは、十分均一な付与を保証するように所望の薬品を添加することに適した方法を必要とする。HIPE発泡体に適用されるプロセスの多くは、スケールの点で非実用的であり得る。ほとんどの難燃性添加剤は水不溶性であり、何らかの有機溶媒中の溶液として付与するか、または別個のエマルションによって付与することが必要である。従って3つのアプローチはすべて、典型的に実現可能で本発明の範囲内ではあるが、製造の仕様およびスケールに依存して限定され得る。
【0014】
これとバランスして、難燃性付与材料を乳化前に油相へ含有させることは、最も実用的であることが分かっている。しかしこれは、前述のパラグラフで述べた理由のいくつかによって、利用でき得る難燃性添加剤の範囲を限定する。一般に、臭素、塩素、ボロン、および/またはリンの元素を含み、実質的に水不溶性であり、さらにフリーラジカル重合の間じゅう実質的に不活性であるポリマーおよび小分子のような有機化合物が、この点について有用性があることが分かっている。油相へ含有させることが多くの場合最も実用的であるが、所望するレベルの難燃性を与えながらHIPE発泡体に要求される他の特性を実現するように、上述した一般的な方法のどんな組み合わせを用いても良い。
【0015】
難燃性処理は、他の方法では都合よく補償できないような仕方で発泡体の熱機械特性を不適当に変えてはならない。例えば、Tgを低減するモノマーとしてアルキルアクリレート基を除外すると(これは後述するように好ましい)、低Tg発泡体の製造が比較的難しくなる。特にリン酸エステルを油相中に(または形成後の付与によって)含有させると、可塑化によって発泡体のTgが低下し得る。この効果は、Tg靭性化モノマーまたは架橋モノマーたとえばスチレンまたはジビニルベンゼン(「DVB」)をより多く含有させることによって、比較的容易に抑止される。
【0016】
難燃性付与材料の具体的な性質は、Lyons(上述)で論じられているように大きく変化する。通常、難燃性添加剤は、ある程度のレベルのハロゲン(好ましくは臭素または塩素)、リン(多くの場合、アルキルリン酸エステルとして)、ボロン、および/またはアンチモンを含有する。難燃性添加剤は多くの場合、例えばハロゲン(Cl)およびリン(P)の両方を含有するトリス[1,3ジクロロプロピル]リン酸塩のように、これらの元素のうち2つ以上を含有し得る。アンチモンは、一般に可溶性が低い無機塩である三酸化アンチモンとして最も多く用いられる。この塩は、他の難燃剤(flame retardant)(特にハロゲンを含むもの)に対する相乗剤として主に働くことが分かっている。理論に拘束されるわけではないが、このアジュバントは難燃剤に由来する存在するハロゲンと反応して、アンチモントリハライドをその場で(in situ)生成すると考えられる。相乗剤たとえばアンチモン化合物の使用については、後に詳述する。
【0017】
難燃性のメカニズムは全ての面で理解されているわけではないが、難燃剤が原因となって、加熱されるポリマー上方の気相中でラジカルが発生すると考えられる。そしてこれらのラジカルは、燃焼それ自体によって生成されて存在するより反応性の高いラジカルと結合し得る。このことは、白熱する気相中のより反応性の高い成分を抑制する役目を果たし得るため、温度を下げ、従って白熱を消す。難燃性の有機ポリマーは、加熱時に必ずしもより安定であるわけではなく、多くの場合、炭になり(これは好ましくは燃焼を抑制し得る特徴である)、および/または過剰な煙を発散させる。しかしこれらのプロセスは典型的に、熱、火花、火炎、輻射エネルギーなどによって生じた燃焼を伝播または広げることに寄与しない。上述したように、可燃性が抑制されているポリマーは、解重合せず、また揮発性で可燃性のガス(解重合されたモノマー)をポリマー上方の空気中に発生させないように、加熱時に比較的高いレベルの安定性を有することが好ましい。解重合は多くの場合、ポリマー(またはコポリマー)の天井温度Tcと関係している。一般に、主鎖に分岐を有するポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチル、またはポリ(α−メチルスチレン))は、比較的低い天井温度を有する。このことは一般に、これらのモノマーによって作られるコポリマーにも及ぶ。天井温度が低い(コ)ポリマーは可燃性を抑制することがより難しいことが、一般に分かっている。従って、これらのようなモノマーは避けることが好ましい。アルキルアクリレートたとえば2−エチルヘキシルアクリレート(「EHA」)は、特に低いTc値を有しているとは知られていないが、本明細書で述べたHIPE発泡体の可燃性を低減する試みを困難にすることが、本発明の開発の中で分かっている。例えば、アルキルアクリレートを含有するHIPE発泡体は、所望するレベルの難燃性を実現するために、通常、どんなタイプの難燃性添加剤であってもより高いレベルを必要とする。このモノマータイプは他のタイプと入れ替えることが、Tgを下げる機能を果たすだけでなく可燃性も下げ、有益である。
【0018】
以下、本プロセスの主要な側面(例えば、硬化、乳化、特性開発など)を損なわずに難燃剤成分をHIPE発泡体へ与え得る種々のモードを論じる。
【0019】
A.難燃性を与えるモード
i)共重合性モノマー
難燃性付与材料を含有させる最も好ましい方法は、HIPEの油相中に含有される共重合性モノマーとしてである。これには、フリーラジカル重合で他のコモノマーと反応するモノマーであって、以下の元素のうち少なくとも1つを含有するモノマーが含まれる:Cl、Br、P、B、またはSb。当業者に良く知られているように、重合を必要とすることは、少なくとも1つの反応性二重結合の存在を必要とする。難燃性添加剤を共重合することによって、ポリマー発泡体が実際の火炎状態の間に加熱されるときに難燃剤の揮発が早すぎてしまうことが避けられる。難燃剤が、点火直前の火炎の熱によって撃退されてしまうと、点火温度に達したときに存続する難燃剤の機能は殆どまたは全くないことが明らかである。また、用途によっては(例えば有機溶剤にさらす場合など)、共有結合していない難燃剤が発泡体から抽出される場合があり、やはりその機能がなくなる。さらに用途によっては、発泡体が環境熱条件たとえば自動車内部にさらされる場合があり、難燃剤の揮発につながる場合がある。
【0020】
ブローされたポリウレタン発泡体を作るのに用いる重合性難燃性付与材料の例が、WO97/44368(WillkommおよびHinze、1996年5月23日に出願)に与えられている。しかし、これらの難燃性添加剤は縮合重合に対してのみ機能するため(例えばポリウレタン形成の場合に象徴される)、HIPE発泡体には適していない。実質的に水不溶性で、フリーラジカル重合を妨げず、フリーラジカル重合によってHIPE発泡体のネットワーク内に取り入れられる難燃剤モノマーの限定を意味しない例としては、以下のものが挙げられる。2−クロロ−1,3−ブタジエン(以後、「クロロプレン」)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(以後、「ジクロロプレン」)、クロロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリクロロスチレンの異性体、オクタクロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレートおよびペンタブロモフェニルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロモスチレンおよびトリブロモスチレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3−ブタジエン(以後、「ブロモプレン」)、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン(以後、「ジブロモプレン」)、3−6−ジクロロ−1、3、7−オクタトリエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビニルジフェニルホスフェート、トリス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、2,3−ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレート、クロロジビニルベンゼン、一般的な臭素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルアミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、ならびに塩素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルアミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、その他のハロゲン化スチレニクス(styrenics)、および不可欠な反応性二重結合と難燃剤元素とを有する関連する化合物。
【0021】
上述したこのような重合性難燃性付与材料または難燃剤モノマーを、数パーセントを上回るレベル(十分な有効性のために通常必要とされる)で含有することは、ポリマーの熱機械特性に対して著しい効果を有し得る。例えば、4−クロロスチレンのようなモノマーを添加することは、所望する低いTgを維持するための配合内のその他のモノマー(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA))のレベルが下がることを必然的に伴う。その結果、難燃性は良好であるが熱機械特性は最終用途および/またはプロセスにとって望ましい特性の外側にある発泡体となり得る。この場合には、結果として生じる発泡体のTgを下げる働きもする難燃剤モノマーを含有させることが非常に望ましい。このようなタイプの例としては以下のものが挙げられる。クロロプレン、ブロモプレン、ジクロロプレン、ジブロモプレン、およびかなり長いアルキル鎖を有する(典型的に、エステル部位(moiety)に結合する鎖に少なくとも4つの炭素を有する)臭素化されたアルキルアクリレート。特に好ましい例は、クロロプレンおよびジクロロプレンである。
【0022】
ii)非共有的にブレンドされたポリマー
他の好ましい方法は、非共有的にブレンドされたポリマーをエマルション中に含有させることである。これらのポリマーは、乳化前に油相中に含有され、元素Cl、Br、P、B、またはSbのうちの1または複数を含む互いに別個のポリマーである。このようなポリマーは、重合工程の間は基本的に不活性であり、共有結合せずにポリマーネットワークを形成する。ある種類のポリマー中に分散する他の種類のポリマーの溶解性は通常良好ではないため、これらのポリマーは多くの場合に相分離して、比較的純粋にブレンドされた他のポリマー内に領域を形成する。ポリマーは一般に非揮発性であるため、このアプローチによって、ポリマーシステムが加熱されたときの難燃性添加剤の早すぎる揮発も回避される。しかし、未反応ポリマーは典型的に、結果として生じる発泡体の機械特性だけでなくポリマーネットワーク内に共有的に取り入れられる反応性モノマーも増加させないため、このアプローチはそれほど能率的ではない可能性がある。また油相中のポリマー溶液は、その油相の粘度を不適当に増加させて、油相を乳化不可能にする可能性がある。この理由のために、油相中の懸濁された不溶性の架橋ポリマーが好ましくあり得る。このようなポリマーの限定を意味しない個々の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、臭素化されたポリスチレン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリジビニルフェニルリン酸塩、ヘキサクロロアンチモン酸塩またはリン酸塩またはホウ酸塩などのような対イオンを有するジエチルポリエチレンイミンのような第四級アンモニウム塩のポリマーが挙げられる。
【0023】
他の例は、米国特許4,164,522(Gibbs、1979年8月18日に付与)、および米国特許4,186,156(Gibbs、1980年1月29日に付与)で言及されている。両文献とも本明細書において参照により取り入れられている。
【0024】
iii)非ポリマー難燃性添加剤
非ポリマー難燃性付与材料には、最も広く市販されるクラスの一般的な難燃性添加剤が含まれる。典型的な例が、Albright & Wilson of Richmond(バージニア)、Dover Chemical of Dover(オハイオ)、Albemarle Chemical of Baton Rouge(ロスアンゼルス)、Laurel Chemical of Cleveland(オハイオ)、およびAkzo Nobel of Dobbs Ferry(ニューヨーク)のような企業から出されるパンフレットに記載されている。市販されるタイプには、広範囲の臭素化された脂肪族化合物および塩素化された脂肪族化合物などがある。これらは、例えば、クロロワックス(ChloroWax)TM、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、ジブロモネオペンチルグリコール、臭素化ポリスチレン、およびヘキサブロモシクロドデカン、リン酸エステルおよびホスホン酸エステルたとえばトリス[1,3−ジクロロプロピル]リン酸塩およびビス(2−クロロエチル)2−クロロエチルホスホン酸塩、およびホウ酸エステルである。これらの難燃性付与材料と本発明の発泡体とを一緒にすることは、都合が良いと分かっているどんな方法を用いて行っても良い。これらの材料を不活性な共成分(coingredients)として油相または水相中に含有させても良いし、形成されたエマルションに付与しても良いし、重合した後に付与しても良い。重合した後の付与は、例えば何らかの洗浄プロセスの間に、発泡体上へのスプレイングによって、発泡体中へのバシング(bathing)によって、発泡体上への噴霧によって、または凝縮蒸気の形態での堆積によって行うことができる。添加方法の何れかの組み合わせも有効であり得る。
【0025】
iv)無機塩
このクラスには、Cl、Br、P、BまたはSbの元素のうちの1または複数を含む実質的な無機イオン種が含まれる。このような材料を、乳化前の水相中の電解質として用いることができる。このような材料の他の使用方法は、種々の方法たとえばスプレイング、浴を用いて導入した後に乾燥、発泡体中に存在する他の塩とのイオン交換、蒸気相堆積、酸の中和などによって、これらの材料を発泡体へ付与することである。限定を意味しない個々の例としては、酒石酸カリウムアンチモン、カプロン酸アンチモン、アンチモントリエトキシド、リン酸アンチモン、アンチモンヘキサハライド含有塩、三硫化アンチモン、ホウ酸アンチモン、リン酸アンモニウム(ポリリン酸アンモニウムたとえばピロリン酸アンモニウムおよびトリポリリン酸アンモニウムおよびヘキサメタリン酸アンモニウムを含む)、ホウ酸アンモニウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ホウ酸カルシウム、テトラクロロフタル酸カルシウム、ホスフィン酸エチルナトリウム、ホウ酸ナトリウム、およびこれらのアニオンまたは関連するアニオンと何れかのタイプの好適なカチオンとの他の組み合わせが挙げられる(例えば、一般に上述した例のカルシウムの代わりにマグネシウムを用いても良い)。
【0026】
これらの例のいくつかを付与する好ましい方法の1つとしては、塩化カルシウム(これは、エマルションの水相内部に存在する好ましい電解質であり、重合された発泡体に対して残る)と、所望する対イオンを有する可溶性ナトリウム塩とのイオン交換が挙げられる(所望する対イオンは、交換されるカルシウム対イオンと一緒に溶解しない)。例えば、残留する塩化カルシウムを含有する発泡体を、水溶性ホウ酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムを用いて洗浄して、水洗浄の間発泡体に対して独立する不溶性カルシウム塩を生成しても良い。
【0027】
v)HIPE発泡体の化学的改質
このプロセスとしては、HIPE発泡体を化学的に改質して難燃性を付与することなどが挙げられる。このプロセスは、全てのHIPE発泡体に対して一般的であるが、1,4−重合を経るジエンを用いて作製されそのため重合後に発泡体中に残留二重結合を残すHIPE発泡体に対して、最も実用的であることが分かっている。典型的なジエンには、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、クロロプレン、ジクロロプレン、1,3,7−オクタトリエン、ブロモプレン、ジブロモプレン、および関連する化合物たとえば米国特許5,767,168(Dyerら、1998年6月16日に付与)に開示されたものなどがある。この文献は本明細書において参照により取り入れられている。これらの発泡体をハロゲンたとえば臭素にさらして、二重結合を臭素化しても良い。水中のハロゲンにさらすことによって、典型的にハロヒドリンが形成される。ジクロロカルベンおよび/またはジブロモカルベンにさらすと、二重結合に架かる添加によって、結果としてジクロロ−またはジブロモ−シクロプロピル誘導体が形成される。これは、クロロホルム、水酸化ナトリウム、テトラ−n−ブチル塩化アンモニウム(またはその他の相間移動触媒−PTC)、および水との混合物(二重結合に架かって添加されるジクロロカルベンを提供する)と組み合わせることによって都合良く行うことができ、発泡体の塩素含有量を増加させることができる(同様な例であるRamesan, M. T.およびAlex, R. のJ.Appl. Polym. Sci.1998, 68, 153-160(本明細書において参照により取り入れられている)、およびDyer, J. C.の博士号学位論文(ノースカロライナ大学、Chapel Hill, 1980)を参照されたい)。一般に、発泡体を改質してCl、Br、B、P、またはSbの含有量を増加させることができる当業者に知られるどんな技術も、有効であり得る。形成された発泡体にハロゲンたとえばBrおよび/またはClを添加する例においては、三酸化アンチモンを存在させることも通常好ましく、これは、発泡体が形成された後に付与することによってか、または何れかの事前の乳化工程において含有させることによってか、または形成されたエマルションへ混合およびその後の硬化によって付与することによって行うことができる。
【0028】
B.相乗剤
特定の薬品によって、ポリマー中に存在する特定の難燃剤の有効性が高まることが分かっている。このような材料は相乗剤と呼ばれ、本発明のHIPE発泡体において好ましい成分であることが多い。相乗剤の最も好ましい例は、三酸化アンチモン(経験的に、殆どのテキストにおいてSb26として示される)である。三酸化アンチモンを、乳化前の油相中に懸濁された不溶性化合物として含有させることが好ましいことが分かっている。用いる三酸化アンチモンは、粒子の懸濁を促進するように非常に細かく砕かれたグレードであり、たとえばLaurel Chemicals(クリーブランド、オハイオ)から販売されている。
【0029】
これらの相乗剤は、概略的に上述したタイプの他の難燃性付与材料とともに用いたときに、油相中に典型的に油相の約0.5重量%ないし約10重量%、より典型的に約1重量%ないし約5重量%、最も典型的に約3重量%のレベルで含有させる。相乗剤について述べたこれらのレベルを、ポリマー発泡体に含有される難燃剤化合物のレベルにさらに加えることに注意することは重要である。しかし相乗剤を発泡体に付与すると、所定のレベルの難燃性を与えるのに必要な難燃性添加剤の量は著しく低減する。
【0030】
C.限界酸素指数(LOI)
本発明の発泡体の重要なパラメーターはLOIである。材料の可燃性を測定するこの技術は、Horrocks, A. R.およびTune, M.; Price, D.による「The Burning Behavior of Textiles and its Assessment by Oxygen-Index Methods」(Textile Progress, Vol. 18, Number 1/2/3, The Textile Institute, Manchester, UK, 1989)、および上記「The Chemistry and Uses of Fire Retardants」に概略的に記載されている。典型的に、このテストにおいては、材料のサンプルを垂直に吊り下げて、酸素富化(例えば約30%の分圧まで)された雰囲気中で燃やす。システムの酸素レベルが徐々に減り、消化が起きる時点を記録する(終了点は、種々の実験によって様々に規定され得る。本発明の目的の場合には、ASTM D-2863に記載された方法を用いる。)高いLOI値は、現場条件において材料の燃え方が良好ではないだろうということを示す。LOIは、熱、光、火花、電流、燃えているタバコの灰などを適用した結果である材料の可燃性に関係せず、また加熱または燃焼の間に生成されるガスの毒性または量も評価しない。しかし、LOIは可燃性の定量的な実験室測定量であり、難燃性の主要な表示として広く用いられるようになってきている。
【0031】
本発明の目的においては、LOI値が少なくとも約18%、好ましくは少なくとも約21%、より好ましくは少なくとも約23%、最も好ましくは少なくとも約25%のときに、HIPE発泡体が難燃性であると考える。典型的に、発泡体は、LOI値が約18%ないし約35%、より典型的には約21%ないし約30%である。一般的に、LOIが約21%を上回る材料は、火炎源を取り除いた後、助けを受けることなく消える。サンプルは、非常に高温の環境たとえば火炎中で受ける環境の中に保持すれば燃え続けるかも知れない。また材料は、白熱光さえ伴わずにある程度の間くすぶるかも知れない。従って、より高いLOI値が、建設材料、衣服、寝具家具などに、安全のために要求されることが多い。場合によっては、好ましく高いLOI値を実現することは、他の重要な発泡体特性(後述)を実現することと抵触する。この場合、全体としてベストな妥協を得るために、LOIはより低い方が好ましい場合があり得る。
【0032】
III.その他の発泡体特性
本発明のポリマー発泡体は、比較的連続気泡である。これは、発泡体の個々の気泡が、隣接する気泡と完全な妨害されない連絡をすることを意味する。このような実質的に連続気泡である発泡体構造の気泡は、発泡体構造中で1つの気泡を他の気泡と接続する気泡間の開口または「窓」を有する。
【0033】
これらの実質的に連続気泡の発泡体構造は、通常、網状の特徴を有し、個々の気泡は、相互に接続された3次元状に分岐する複数のウェブによって規定される。これらの分岐されたウェブを構成するポリマー材料のストランドは、「壁体」と呼ぶことができる。ここで用いる場合、発泡体構造中のサイズが少なくとも1μmである気泡のうち少なくとも80%が、少なくとも1つの隣接する気泡と開口を通して連絡するとき、発泡体材料は「連続気泡」である。これは、発泡体のSEM検査によって測定することができる。
【0034】
これらのポリマー発泡体は、通常、液体が発泡体を通過することを妨げるために疎水性であるか、または発泡体中への液体の吸収を促進するために親水性であり得る。発泡体構造の内面の疎水性/親水性特性は、重合後の発泡体処理方法によって制御される。ここで用いる場合、用語「親水性」は、そこに堆積した液体によって濡れることができる表面を指すために用いる。親水性および濡れやすさは典型的に、関係する流体および固体表面の接触角および表面張力で規定される。このことは、Contact Angle. Wettability and Adhesionという表題のAmerican Chemical Societyの刊行物(Robert F. Gould編)(著作権1964)で、詳細に論じられている。この文献は本明細書において参照により取り入れられている。流体と表面との間の接触角が90°未満であるか、または流体が表面上に自然に広がる傾向にあるときに(両方の状態は普通共存する)、表面は流体によって濡れている(すなわち親水性である)と言われる。逆に、接触角が90°を上回り、かつ流体が表面上に自然に広がらないときに、表面は「疎水性」であると考えられる。
【0035】
本発明のHIPE発泡体は、それぞれの具体的な用途において好ましい特性を与えるように容易に最適化される。例としては、これらの発泡体は、微孔質(<10μm)から中程度の気泡径(約150μm)まであり得るし、低密度(0.10g/cc)から非常に低密度(0.004g/cc)まであり得るし、堅いものから柔軟なもの(高Tgから低(周囲温度未満の)Tgに対応する)まであり得るし、また強いものから弱いものまであり得る。発泡体を、その最終用途に対する要求に応じて、連続シート、堅くて厚い板、種々のサイズの微粒子、特定の形状などで提供しても良い。しかし最適化されると、これらの発泡体は、当該技術分野における従来のHIPEでは達成されない顕著なレベルの難燃性を示す。また、これらの発泡体は、製造中にクロロフルオロカーボン(「CFC」)も揮発性有機化合物(「VOC」)も全く必要とせず、通常、光安定性を有し、スラブストック、ロールストック、粒子状発泡体などとして経済的に妥当に容易に大量生産可能である。
【0036】
A.ガラス転移温度
典型的に、本発明の発泡体の重要なパラメーターは、ガラス転移温度(Tg)である。Tgは、ポリマーのガラス状およびゴム状状態の間の転移の中間点を表わす。使用温度よりも高いTgを有する発泡体は、非常に強くあり得るが、非常に堅くて潜在的に割れやすい可能性もある。また、このような発泡体は典型的に、圧縮状態で長期間貯蔵された後、膨張状態に回復するのに長時間を要する。個々の発泡体の最終用途は、その発泡体の好ましいTgを決める場合に重要な要因であるが、好ましくは、Tgが約−40℃ないし約90℃、より好ましくは約0℃ないし約70℃、最も好ましくは約10℃ないし約50℃の発泡体である。動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis)(DMA)によってTgを測定する方法が、米国特許5,753,359(Dyerら、1998年5月19日に付与)のテスト方法セクションに記載されている。この文献はここでおよび以下において参照により取り入れられている。
【0037】
B.発泡体密度
本発明の発泡体の重要になる可能性のある他の特性は、その密度である。「発泡体密度」(すなわち、空気中における発泡体体積1cm3当たりの発泡体のグラムで示す)は、別に示さない限り、本明細書では乾燥ベースで示す。発泡体構造の単位体積当たりの固体発泡体材料の質量を測定するどんな好適な重量測定方法も、発泡体密度を測定するために用いることができる。例えば、米国特許5,387,207(Dyerら、1995年2月7日に付与)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)のテスト方法セクションにおいてより十分に説明されているASTM重量測定方法は、密度測定に使用できる方法の1つである。発泡体は、空気の密度を下回る密度から、発泡体が作られるポリマーのバルク密度をわずかに下回る密度まで、実質的にどんな密度で作っても良いが、本発明の発泡体は、膨張状態における乾燥密度が約250mg/ccを下回るとき、一般的に約80ないし約12mg/ccのとき、より一般的に約50ないし20mg/ccのときに、最も有用である。正確な好ましい値は、考慮する用途の性質に依存し、これらの範囲内で変わり得る。
【0038】
C.気泡サイズ
発泡体気泡、特に、比較的モノマーの無い水相液滴を囲むモノマー含有油相の重合によって形成される気泡は、形状が実質的に球形であることが多い。このような球形気泡のサイズまたは「直径」は、発泡体を一般的に特徴づけるために普通使用されるパラメーターである。与えられたポリマー発泡体のサンプル中の気泡は必ずしもほぼ同じサイズというわけではないため、平均気泡サイズ、すなわち平均気泡直径が特定される場合が多い。
【0039】
発泡体の平均気泡サイズを測定するために、多くの技術が利用可能である。しかし、発泡体の平均気泡サイズを測定する最も有用な技術として、発泡体サンプルの走査型電子顕微鏡写真に基づく簡単な測定が挙げられる(図1を参照)。
【0040】
本明細書において示される気泡サイズ測定値は、発泡体の数平均気泡サイズに基づく(例えば図1に示す)。本発明の発泡体は、数平均気泡サイズが一般に約150μm以下、より一般には約10ないし100μm、最も一般には約15μmないし約35μmである。発泡体のその他の特徴と同様に、与えられた発泡体に対する平均気泡サイズは、その予想される最終用途によってある程度影響される。例えば、断熱に関係する用途では、システム内部の熱エネルギーの放射伝達の重大さを減らすために、比較的小さめの気泡が望まれる。ろ過に関係する用途では、フィルターに対する要求に依存して気泡サイズは変化する。
【0041】
D.降伏応力
降伏応力は、特定の温度および歪み速度(圧縮モード)において発泡体に対して行う応力−歪み実験で測定する。降伏応力は、応力歪み曲線の線型な弾性領域からプラトー領域へ移行するときの応力である。降伏応力は、関心のある温度におけるポリマー発泡体の一般的な強度特性を示す。多くの用途に対して、与えられた発泡体密度およびTgにおいて降伏応力の値は高い方が好ましい。本発明の発泡体は、好ましくは降伏応力値が少なくとも約0.25psi、好ましくは少なくとも約0.50psiである。
【0042】
IV.発泡体の用途
本発明のポリマー発泡体は多くの最終用途を有する。例えば、発泡体を、吸収性材料(特に液体たとえば尿またはメンスに対する)として作製しても良い。このような発泡体は、例えば以下の文献に記載されるHIPE発泡体と同様の構造的特徴を有するように作製する。米国特許5,650,222(DesMaraisら、1997年7月22日に付与)、同時係属中の米国特許出願08/542,497(Dyerら、1995年10月13日に出願)、米国特許5,387,207(Dyerら、1995年2月7日に付与)、米国特許5,550,167(DesMarais、1996年8月27日に付与)、および米国特許5,563,179(DesMaraisら、1996年10月8日に付与)。各文献は本明細書において参照により取り入れられている。このような吸収性発泡体は、吸収性用品たとえば幼児用おむつ、女性用衛生用品(たとえばタンポン、月経パッド)、成人用失禁用品、および同類のものたとえば上述の同時係属中の特許出願および付与された特許に記載されたものに、含有させても良い。
【0043】
本発明の発泡体の難燃性の態様によって、この発泡体を、この特徴が欠けていた場合よりも広い範囲で用いることができる。例えば、これらの発泡体を、家具および寝具類(マットレス、内部スプリング、枕)において、それぞれの弾性部分の一部として用いても良い。発泡体を、自動車、汽車、飛行機、ボートなどのシートクッションで用いても良い。また発泡体を、絶縁体として有用であるように作製しても良い。このような発泡体は、米国特許5,633,291(Dyerら、1997年5月27日に付与)および米国特許5,770,634(Dyerら、1998年6月23日に付与)(両方とも本明細書において参照により取り入れられている)に記載された発泡体と同様な構造的特徴(たとえば気泡サイズ、密度、Tg)を有する。家具および衣類においてだけでなく、絶縁材料に対する特定の建築基準法を満たすために、難燃性が要求される。また発泡体(親水性処理された)を、難燃性が重要な外科手術室における吸収性ドレープとして用いても良い。発泡体を、難燃性が利点となり得る空気または油用のフィルターまたは複合フィルターの構成要素として用いても良い。難燃性HIPE発泡体のその他の一般的な用途の例としては、以下のものが挙げられる。無用の音響周波数を鈍らせるための拡声器エンクロージャーでの使用、音響エネルギーを吸収するための潜水艦船体での使用、寝具類マットレス、マットレスカバー、枕、毛布などでの使用、保護服たとえば消防士が断熱として着用するものにおける使用、熱さまたは冷たさから保護する手袋での使用、絶縁容器たとえばクーラーでの使用、自動車、汽車、および飛行機での防音材または断熱材としての使用ならびにこのような乗り物のクッションでの使用、食品を保護するポーチでの使用、敏感な品物を機械的衝撃から保護する運送用コンテナでの使用、ガスタンクおよび燃料タンクおよびパイプラインでの使用、空気用フィルターまたは特に可燃性液体用フィルターとしての使用、天井タイルでの使用、インク、染料、潤滑油、ローション用のキャリアーおよび商品に浮力を持たせるためのキャリアーでの使用。
【0044】
V.難燃性ポリマー発泡体の作製
A.概論
本発明のポリマー発泡体は、HIPEの重合によって作製する。HIPEを形成するために使用する水相および油相の相対量によって、結果として生じる発泡体の密度が決まる。結果として生じるポリマー発泡体の機械的特性および性能特性に対して、密度が他の多くのパラメーターの中で重要である。エマルション中の水と油との比は、気泡サイズおよび発泡体を構成する壁体の寸法にも影響を与え得る。HIPE発泡体を作製するために用いるエマルションは、通常、水相の容積対重量比(volume to weight ratio)と油相の容積対重量比とが、少なくとも約3:1、好ましくは少なくとも約12:1である。典型的に、容積対重量比は、約12:1ないし約85:1、より典型的には約20:1ないし約50:1である。
【0045】
LOI値が少なくとも約21%のこれらのポリマー発泡体を得るプロセスは、以下の工程を含む。
【0046】
(A)以下の(1)ないし(4)から油中水滴型エマルションを形成する工程、
(1)以下の(a)および(b)を含有する油相、
(a)油相の約80重量%ないし約98重量%の、以下の(i)ないし(iv)を含有するモノマー成分、
(i)モノマー成分の約0重量%ないし約90重量%の、Tgが約40℃以下のホモポリマーを形成できる実質的に水不溶性の単官能モノマー、
(ii)モノマー成分の約0重量%ないし約70重量%の、スチレンが示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることができる実質的に水不溶性の単官能コモノマー、
(iii)モノマー成分の約5重量%ないし約50重量%の、ジビニルベンゼンおよびその類似体からなる群から選択される第1の実質的に水不溶性の多官能架橋剤、
(iv)モノマー成分の約0重量%ないし約20重量%の、ジオールのジアクリレートおよびジメタクリレートならびにその類似体からなる群から選択される第2の実質的に水不溶性の多官能架橋剤、
(b)油相の約2重量%ないし約20重量%の、油相に可溶性であって安定した油中水滴型エマルションの形成に適した乳化剤成分、
(2)水相の約0.1重量%ないし約20重量%の水溶性電解質を含む水相、
(3)少なくとも約3:1の、水相の容積対重量比と油相の容積対重量比水相との比、
(4)エマルションは、ポリマー発泡体に難燃性を与える1または複数の成分を含み、前記1または複数の成分は、油相全体の少なくとも約5重量%のレベルで含まれている、
(B)油中水滴型エマルションの油相中のモノマー成分を重合して、ポリマー発泡体を形成する工程。
【0047】
用語「単官能」は、本明細書で用いる場合、1つの重合性部位を指す。用語「多官能」は、本明細書で用いる場合、複数の重合性部位を指す。
【0048】
ポリマー発泡体を、その後に繰り返して洗浄および脱水して、乾燥した疎水性発泡体を得ることができる。その代わりに、多くの親水化剤(たとえば塩化カルシウムおよび同様の塩、HIPEの安定化に用いた残留した乳化剤、および当業者に良く知られたその他の湿潤剤)の何れかを用いた適切な表面処理によって、発泡体を親水性にしても良い。親水化処理は、米国特許5,387,207(Dyerら、1995年2月7日に付与、特に第22欄ないし第24欄を参照)に記載されている。この文献は本明細書において参照により取り入れられている。一定の塩の存在は、それ自体がある程度の難燃性を付与できるので、塩を発泡体にそのまま存在させておくことが好ましくあり得る。塩の例の限定を意味しないリストには、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、ヘキサクロロアンチモン酸カルシウム、ヘキサブロモアンチモン酸カルシウム、テトラフルオロホウ酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、ホウ酸カルシウム、およびこれらの塩の他のIA族およびIIA族の類似体が含まれる。残留する塩化カルシウムは、全ての場合において好ましいとは限らない親水性および金属腐食に関係することが多い。しかし、この塩の水和の保有された水は、難燃性に寄与する。実際には、エマルション中に用いられている塩を取り除くための何らかの洗浄工程において、これらの塩を加えても良い。このような洗浄工程には、洗浄水溶液の一部として可溶性ナトリウム塩を用いた処理によって、乳化で用いた可溶性塩化カルシウムを他のカルシウム塩に転化させるシンプルなイオン交換が含まれていても良い。この工程の次に熱乾燥(後述)を行えば、加えられた塩は、蒸発する洗浄液体とともに発泡体の表面へ移動してそこで濃縮して、表面の難燃性に関して有益となり得る。これらの工程は難燃性に関しては改善されているが、所望する高LOI値の特徴を本発明の発泡体に与えるのにそれら自体が十分であるとは分かっていない。
【0049】
これらの発泡体を必要に応じて成形しても良い。典型的に、この成形にはスライスしてシートにすることなどがある。これらのシートは、随意に、(例えば加圧ニップを通して連続的に)圧縮して薄い状態にした後、巻いてロールにしても良い。圧縮性シートはその比較的薄い圧縮された状態を、巻きをほどかれ、必要に応じて利用され、およびその活性化温度(通常、ほぼポリマーのTg)を超える値まで加熱されるか、または周囲温度に依存して比較的長い時間の間(たとえば数週間または数ヶ月)使われないままでいるまで、保つことができる(これは、本明細書において参照により取り入れられている米国特許5,770,634(Dyerら、1998年6月23日に付与)に記載されている)。その代わりに、ポリマー発泡体材料を形成するためにHIPEを硬化させる容器の形状によって、形状を与えても良い。このような発泡体は、その当初の膨張した厚みの33%まで圧縮して、その後にその表面を人工的に制限しないで保持し、22℃で21日間の後に発泡体の再膨張が50%を超えないときに、「圧縮性」であると規定される。圧縮性の測定方法は、米国特許5,770,634(本明細書において参照により取り入れられている)に記載されている。またその代わりに、硬化させた発泡体をスライスして、ダイスして、細かく切って、砕いて、またはそうでなければ小さい粒子片に粉砕して、その後に使用しても良い。
【0050】
1.油相成分
HIPEの連続した油相には、固体の発泡体構造を形成するために重合されるコモノマーが含まれる。このモノマー成分は好ましくは、Tgが約−40℃ないし約90℃、一般には約0℃ないし約70℃、より一般的には約10℃ないし約50℃であるコポリマーを形成できるように配合される。このモノマー成分は好ましくは、発泡体構造に難燃性を与える少なくとも1つの成分を含む。このような成分は、共重合性モノマー、非共有的にブレンドされたポリマー、非ポリマー難燃性添加剤、および無機塩の表題において既に詳述している。このような成分は、合計で少なくとも約5%のレベルで存在する(例えば、2つの成分がそれぞれ3%のレベルで存在していたとしても、合計で油相の6重量%となる)。種々の難燃剤成分が、与えられたレベルにおいて同様に効果的であるとは限らないため、使用するレベルは、用いる具体的な難燃性付与材料に依存する。しかしレベルは、一般に約8%ないし約90%、より一般には約25%ないし約80%である。約5%を下回るレベルのこのような成分では、効果がごく小さいことが分かっている。また、約20%を超えるレベルのこのような成分は、ポリマーの熱機械特性を著しく変える可能性がある。このことは、他のモノマーを再配合して補償することを必要とし得る。この理由により、いくつかの難燃性添加剤の費用を考慮するだけでなく、具体的な用途に対して必要な難燃性の度合いを与える程度に難燃性付与材料のレベルを低く管理することが好ましい。
【0051】
油相のモノマー成分は典型的に、Tgを下げる単官能モノマー、靭性を与えるモノマー、少なくとも1種の多官能架橋剤、少なくとも1種の乳化剤を含み得る。結果として生じる発泡体に難燃性を与える1または複数の元素を含有するように、これらのモノマー成分の何れかまたは全部を選択または改質しても良いことに注意することは重要である。また、油相にはさらなる成分を任意に含ませても良い。任意の油相成分としては、相乗剤(上述した)、酸化防止剤、可塑剤、フィラー粒子、着色剤(染料または顔料)、蛍光剤、ケラント(chelants)、不透明化剤、および連鎖移動剤などが挙げられる。モノマー成分については、後に詳述する。
【0052】
特定のタイプおよび量の単官能モノマーおよびコモノマーおよび多官能架橋剤を選択することが、HIPE発泡体が構造特性および機械特性の好ましい組み合わせを有すること(これらの特性によって、このような材料が本明細書の発明での使用に適したものになる)を実現するためには重要であり得る。
【0053】
難燃性付与材料が、Tg低減モノマー、靭性化モノマー、架橋モノマー、および/または乳化剤としても機能する場合、そのレベルは上述したように油相の5重量%を超えるため、その成分に対して上述した範囲を満たすために他の難燃性添加剤は何ら必要としない。例として、例えば10%のクロロプレンおよび90%のDVBを含むHIPE発泡体は、明示した元素(Cl、Br、P、B、Sb)の1または複数種を含む難燃剤成分に対する5%の要求を超えるため、前述の範囲をみたすために他のアジュバントは何ら必要としない。
【0054】
a.Tg低減単官能モノマー
油相の1つの成分には、そのアタクチックアモルファスホモポリマーが約40℃以下のTgを有する少なくとも1種の単官能コモノマーが含まれる(Brandup, J.およびImmergut, E.H.の「Polymer Handbook」第2版(Wiley-Interscience(ニューヨーク、ニューヨーク州)、1975、III−139)を見よ)。このようなコモノマーを、以後「Tg低減モノマー」と記載する。これらのモノマーは、結果として生じるポリマー発泡体構造にゴム様の特性を与える傾向がある。アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アルキルメタクリルアミド、アルキルアクリルアミド、およびこの一般的なタイプのモノマーは避けることが好ましい。これらのモノマーによって、難燃性を付与することがより難しい発泡体が作製されることが分かっており、例えば発泡体は、これらのモノマーが無い(または非常に低いレベルで存在する)発泡体よりも、より高いレベルの難燃剤成分を必要とする。理論に拘束されるわけではないが、ポリマーを空気中で加熱すると解重合によってこれらのモノマーは容易にポリマー鎖から離されると考えられる。この様相が、発泡体のLOI値を本来的に低下させるとは限らない。この試験では、発泡体を開炎で燃やし、徐々に加熱していない。しかし他の状況では、発泡体は燃える前に加熱されて、その結果、解重合し得る。このことによって、発泡体上方の雰囲気が、可燃性に寄与する可燃性モノマーで富化され得る。従来技術は、このTg低減機能についてはアルキルアクリレートに大きく依存していたため、この好ましい制限によって、難燃性を有する低Tg発泡体を作製する能力に著しい制約が課されている。しかし上述したように、LOIは材料の難燃性特性の表示の1つであり、火炎となり得る全ての環境においてHIPE発泡体の可燃性を低減することが好ましい。
【0055】
出願人は、難燃性およびTg低減の両方の特徴を与えるためには、特定のハロゲン置換ブタジエンが特に効果的であることを見出した。限定を意味しない例としては、2−クロロ−1,3ブタジエン(クロロプレン)および2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン)および臭素の類似体(ブロモプレンおよびジブロモプレン)、2−クロロピペリレン、およびこれらのモノマーの組み合わせなどが挙げられる。他の候補としては、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、および臭化ビニリデンなどが挙げられるが、これらのモノマーは比較的毒性および揮発性であるため、プロセスに制約を課している。これらのモノマーのうち、クロロプレン、ジクロロプレン、ブロモプレン、ジブロモプレンが最も好ましい。このような場合、これらのモノマーはTg低減成分および難燃剤成分の両方として機能するため、他の難燃性付与材料を全く必要としないかも知れない。このようなモノマーは二重の目的にかなうため、このことは所望する結果を達成するために特に効果的なアプローチであることが分かっている。
【0056】
本明細書における使用に適したその他のTg低減モノマーが、米国特許5,770,634(1998年6月23日に付与)に開示されており、特にC4−C12アルキルスチレンたとえばp−n−オクチルスチレン、イソプレン、ブタジエン、1,3,7−オクタトリエン、およびピペリレンが含まれている。これらの単官能モノマーは、一般にモノマー成分の0ないし約70重量%、より好ましくは約20ないし約60重量%を構成する。
【0057】
b.靭性化コモノマー
HIPEの油相中で用いるモノマー成分は、結果として生じるポリマー発泡体構造に、スチレンが示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることが可能な1または複数の単官能コモノマーを含んでいても良い。靭性の高い発泡体ほど、実質的に破壊することなく変形する能力を示す。これらの単官能コモノマータイプには、スチレン系コモノマー(たとえばスチレンとエチルスチレン)または他のモノマータイプたとえばメチルメタクリレート(関連するホモポリマーが靭性を表わす例として良く知られている)が含まれ得る。このタイプの好ましい単官能コポリマーは、スチレンおよびエチルスチレンを含むスチレン系モノマーである。単官能「靭性化」コモノマーは、通常、モノマー成分の約0ないし約70重量%、好ましくは約20重量%ないし約50重量%、最も好ましくは約30重量%ないし約50重量%を構成する。
【0058】
場合によっては、「靭性化」コモノマーは、結果として生じるポリマーに所望するゴム様の特性を与えることができる。このようなコモノマーの場合、モノマー成分に含有できる量は、典型的なモノマーとコモノマーとを一緒にした量である。一例は4−オクチルスチレンである。同様に、場合によっては、「靭性化」コモノマーは、結果として生じるポリマーに所望する難燃性を与えることもできる。特に好ましい例としては、塩素化スチレンおよび/または臭素化スチレンの異性体、たとえば4−クロロスチレンが挙げられる。これらのモノマーを用いるときには、本発明の条件を満たすために他の難燃性添加剤が何ら必要でないかも知れない。
【0059】
c.多官能架橋剤
モノマー成分は、少なくとも1種の多官能架橋剤を含有する。単官能モノマーおよびコモノマーと同様に、特定のタイプおよび量の架橋剤の選択が、構造特性および機械特性の所望する組み合わせを有するポリマー発泡体を実現するために重要である。
【0060】
多官能架橋剤は、2種以上の活性化ビニル基を含む幅広いモノマー(例えばジビニルベンゼンおよびその類似体)から選択することができる。本明細書で有用なジビニルベンゼンの類似体としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン、ジビニルフェナントレン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルフィド、ジニビルフラン、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン、およびこれらの混合物。ジビニルベンゼンは典型的に、エチルスチレンとの約55:45の割合の混合物として利用できる。これらの割合を変更して、油相を一方または他方の成分によって富化しても良い。一般に、エチルスチレン成分によって混合物を富化して、同時にモノマーブレンド中のスチレンの量を減らすことが好ましい。架橋剤は通常、HIPEの油相中に、モノマー成分(100%ベース)の約2ないし約50重量%、より好ましくは約10ないし約35重量%、最も好ましくは約15重量%ないし約25重量%の量で含有させることができる。
【0061】
架橋剤を、多官能アクリレートまたはメタクリレートたとえば米国特許5,770,634(1998年6月23日に付与)に記載されているものから選択しても良い。なお、この文献は本明細書において参照により取り入れられている。これらを含有させることによって典型的に、結果として生じる発泡体に難燃性を付与することがより難しくなるか、またはより高いレベルの難燃性付与材料を必要とすることが効を奏するようになる。この2番目の架橋剤は通常、HIPEの油相中にモノマー成分の0ないし約15重量%で含有させることができる。
【0062】
場合によっては、架橋剤は結果として生じるポリマーに所望する難燃性を付与することもできる。特に好ましい例としては、塩素化DVBおよび/または臭素化DVBたとえば4−クロロ2,5−ジビニルベンゼン、およびハロゲン化ジーおよびトリ−およびテトラ−アクリレートたとえば2,3−ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレートが挙げられる。
【0063】
d.乳化剤
HIPEの油相の他の必須成分は、乳化剤成分である。好適な乳化剤は当業者に良く知られている。特に好ましい乳化剤としては、Span20TM、Span40TM、Span60TM、およびSpan80TMなどが挙げられる。これらは名目上、それぞれラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸から得られるソルビタンエステルである。他の好ましい乳化剤としては、モノオレエート、モノミリステート、モノパルミテート、およびモノイソステアレート酸から得られるジグリセロールエステルなどが挙げられる。好ましい共乳化剤(coemulsifier)は、ジタロウジメチルアンモニウムメチルスルフェート(ditallowdimethyl ammonium methyl sulfate)である。他の好ましい乳化剤および共乳化剤が、米国特許5,650,222(DesMaraisら、1997年7月22日に付与)に記載されている。なお、この文献は本明細書において参照により取り入れられている。これらの乳化剤の混合物も、混合物がそれぞれを精製したもの、特に最小レベルのイソソルバイドおよびポリオール不純物を含有するソルビタンエステルであるときに、特に有用である。
【0064】
場合によっては、乳化剤は、Cl、Br、P、B、および/またはSbの元素のうちの1または複数を含有するときに、結果として生じるポリマーに所望する難燃性を付与することもできる。これは、例えば不飽和乳化剤(たとえばオレエート基を含む乳化剤)の二重結合を臭素化することによって実現することができる。
【0065】
任意の2番目の乳化剤を乳化剤成分に含有させても良く、これは典型的に、1番目の乳化剤と2番目の乳化剤との重量比が約50:1ないし約1:4、好ましくは約30:1ないし約2:1で行う。これまで述べたように、当業者であれば、好適などんな乳化剤も本発明の発泡体を作製するプロセスにおいて用いることができることが分かるであろう。
【0066】
HIPEの形成に用いる油相は、約80ないし約98重量%のモノマー成分と、約2ないし約20重量%の乳化剤成分とを含有する。好ましくは、油相は、約90ないし約97重量%のモノマーと、約3ないし約10重量%の乳化剤成分とを含有する。油相は、他の任意成分を含有していても良い。このような任意成分の1つは、当業者に良く知られた一般的なタイプの油溶性の重合開始剤、たとえば米国特許5,290,820(Bassら、1994年3月1日に付与)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)およびWO97/44368(WillkommおよびHinze、1996年5月23日に出願)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている。)に記載されたものである。
【0067】
e.任意成分
油相は、任意的な成分を含有していても良い。このような任意成分の例としては、発泡体、特にブタジエン系モノマーに基づくもの(上述)の早すぎるエージングを防止するのに不可欠であり得る酸化防止剤が挙げられる。出願人は、Tg低減モノマーたとえばクロロプレンに基づく発泡体は、空気または光りにさらしたときに、エージング(変色および/または硬直化)する傾向があることを明らかにしている。特に重要なのは、このようなエージングが、このようなHIPE発泡体の可燃性にも寄与するようであるということである。従って、酸素および光りにさらすことに関してこのような発泡体を安定化することが、所望するレベルの難燃性を維持するのに重要であり得る。
【0068】
このような場合、少量の酸化防止剤、特にヒンダードアミンライトスタビライザー(HALS)、またはヒンダードフェノリックスタビライザー(HPS)として分類されるタイプの酸化防止剤を含有させることが好ましい。このような酸化防止剤は、処理中の何れかの都合の良い工程の間に加えれば良い。HALSタイプの多くは、乳化または重合に著しい支障をきたすことなく、油相中に含有させることができる。HPSタイプは、殆どの場合にフリーラジカル開始剤によって破壊されるため、通常は重合後に添加しなければならない。
【0069】
限定を意味しないHALSの例としては、ビス−(1,2,2,5,5−ペンタメチルピペリジニル)セバケート(TinuvinTM765)、TinuvinTM123、TinuvinTM770、TinuvinTM 622、ChimassorbTM119、およびChimassorbTM944FL(以上、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)が挙げられる。
【0070】
限定を意味しないHPSの例としては、IrganoxTM-1076、IrganoxTM-129、IrganoxTM-1035、IrganoxTM-1425WL、IrganoxTM-MD1024、IrganoxTM-1076、IrgafosTM-12、IrgafosTM-168、IrgafosTM-38、およびt−ブチルヒドロキシキノン(以上、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)が挙げられる。
【0071】
また光安定性を与えるものとして有用なものはUV吸収性化合物であり、例えば一般的なクラスの2−ヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールである。これらのUV安定剤は、TinuvinTM234、TinuvinTMP、TinuvinTM328、TinuvinTM327のような商標名および関連する化合物(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)で市販されている。反応性UV吸収剤を、油相の一部として用いても良い。一例は、4−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンである。
【0072】
他の任意性分は、可塑剤たとえばジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、またはジオクチルアジペートである。具体的な例においては、これらの可塑剤はCl、Br、P、B、および/またはSbの元素のうちの1または複数も含有し、その結果、可塑剤とともに難燃性付与材料を含んでいても良い。このタイプの一般的な例をあげれば、塩素化されたアルキルリン酸エステルである。
【0073】
任意成分のさらに他のものは、ポリマーを堅くすることおよび/またはその断熱特性を増加させることができるフィラー粒子である。フィラー粒子の例としては、アルミニウム、二酸化チタン、カーボンブラック(非常に微細な不溶性粒子として添加する)、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、不溶性の架橋された難燃剤ポリマーなどが挙げられる。他の任意成分としては、着色剤(染料または顔料)、香料、ケラントたとえばゼオライト、蛍光剤、不透明化剤、連鎖移動剤などが挙げられる。このような添加剤は典型的に、存在するならばかなり低いレベルで添加され(たとえば5%未満)、油相中に可溶性である必要はないが、油相の攪拌によって懸濁されても良い。
【0074】
2.水相成分
HIPEの不連続な内部水相は、通常、1または複数種の溶解成分を含有する水溶液である。水相の不可欠な溶解成分の1つは、水溶性電解質である。溶解している電解質は、主に油溶性であって水相にも溶解するというモノマー、コモノマー、および架橋剤の傾向を最小限にする。その結果、このことによって、水相の液滴によって形成される油/水界面における気泡窓を、重合の間にポリマー材料が塞ぐ程度が最小限になると考えられる。従って、電解質の存在およびその結果としての水相のイオン強度によって、結果として生じる好ましいポリマー発泡体が連続気泡になれるかどうか、およびどの程度までなれるかが決まると考えられる。
【0075】
イオン強度を水相に与えることが可能などんな電解質も用いることができる。好ましい電解質は、一価、二価、または三価の無機塩たとえば水溶性ハロゲン化合物であり、たとえばアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩化物、硝酸塩、および硫酸塩である。例としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、および硫酸マグネシウムが挙げられる。HIPEの作製で用いる場合には、塩化カルシウムが最も好ましい。通常、電解質はHIPEの水相に、水相の約0.2ないし約20重量%の濃度で用いられる。より好ましくは、電解質は水相の約1ないし約10重量%を構成する。
【0076】
上述したように、水相の電解質は最終的な材料の一部として残った場合に、結果として生じるポリマーに所望する難燃性を与えることもできる。
【0077】
またHIPEは典型的に、有効な量の重合開始剤を含有する。このような開始剤成分は通常、HIPEの水相に添加され、従来のどんな水溶性フリーラジカル開始剤であっても良い。これらには、ペルオキソ化合物(peroxygen compounds)たとえば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどが含まれる。従来のレドックス開始剤系を用いても良い。このような系は、前述のペルオキソ化合物と、還元剤たとえば重亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、または第一鉄塩とを一緒にすることによって形成される。
【0078】
開始剤は、油相中に存在する重合性モノマーの総モルを基準にして約20モルパーセントまで存在していても良い。より好ましくは、開始剤は、油相中の重合性モノマーの総モルを基準にして約0.001ないし約10モルパーセントの量で存在する。
【0079】
3.親水化界面活性剤および水和可能な塩
HIPE発泡体構造を形成するポリマーは、極性官能基が実質的に無いことが好ましい。これは、ポリマー発泡体が、特性において比較的疎水性であることを意味する。これらの発泡体を絶縁材料として用いようとする場合には、一般に耐水性が好ましい特徴である。重合後に残留する乳化剤および/または塩を除去することを、必要に応じて何らかの方法(たとえば米国特許5,633,291(前述)に記載されたもの)によって行っても良い。その代わりに、重炭酸ナトリウム水溶液を用いて発泡体を洗浄しても良い。これによって、残留する塩化カルシウムが不溶性の重炭酸カルシウムに転化され、通常、発泡体の水親和力が大きく低下する。
【0080】
B.HIPE発泡体を得るプロセス条件
発泡体の形成は、典型的に以下の工程を含む。1)安定した高内部相エマルション(HIPE)を形成する。2)この安定したエマルションを、固体ポリマー発泡体構造の形成に適した条件のもとで重合/硬化させる。3)任意に、固体ポリマー発泡体構造を洗浄して、当初は残留していた水相、乳化剤、および塩をポリマー発泡体構造から除去する。4)その後、このポリマー発泡体構造を脱水する。5)任意に、発泡体を親水化する。本明細書で述べたように、作製プロセスの種々の段階で、難燃性付与材料を導入することができる。
【0081】
1.HIPEの形成
HIPEは、油相成分と水相成分とを予め指定した割合で混合して形成する。油相は典型的に、不可欠なモノマー、コモノマー、架橋剤、および乳化剤とともに、任意成分たとえば可塑剤、酸化防止剤、難燃性付与材料、および連鎖移動剤を含有する。水相は典型的に、電解質と重合開始剤とを含有する。
【0082】
HIPEは、混合した油相および水相から、これらの混合した相にせん断攪拌を施して形成することができる。せん断攪拌は通常、安定したエマルションの形成に必要な程度および時間の間、行う。このようなプロセスは、バッチ的または連続的に行うことができ、通常、結果として生じるポリマー発泡体が不可欠な構造上の特徴を有する程度まで水相液滴が分散されたエマルションを形成するのに適した条件の下で行う。
【0083】
油相および水相の混合物の乳化は、多くの場合、混合装置または攪拌装置たとえばピンインペラー(pin impeller)の使用を伴う。
【0084】
1つの好ましいHIPEの形成方法は、不可欠な油相および水相を混合して乳化する連続プロセスを含む。このようなプロセスでは、油相を含む液体の流れを形成する。同時に、水相を含む別個の液体の流れも形成する。次に、2つの別個の流れを、予め指定した必要な水相対油相の重量比が得られるように、好適なミキシングチャンバーまたはゾーンにおいて混合する。
【0085】
ミキシングチャンバーまたはゾーンにおいては、混合された流れは、通常、例えば好適な形状および寸法のピンインペラーによって与えられるせん断攪拌を受ける。せん断は典型的に、混合された油相/水相の流れに、適切な速度で加える。いったん形成されたら、安定した液体状のHIPEを、ミキシングチャンバーまたはゾーンから回収することができる。連続プロセスによってHIPEを形成するこの好ましい方法は、米国特許5,149,720(DesMaraisら、1992年9月22日に付与)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)、および米国特許5,650,222(DesMaraisら、前述)において、詳細に説明されている。また、同時係属中の米国特許出願08/716,510(1996年9月17日に出願、T.DesMarais)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)も参照のこと。この文献では、HIPE用の再循環ループを有する改善された連続プロセスが記載されている。
【0086】
2.HIPEの重合/硬化
形成したHIPEを通常、好適な反応容器、入れ物、または領域で形成、回収、または注いで、重合または硬化する。1つの実施形態においては、反応容器は、ポリエチレンから作る。最終的に重合/硬化された固体発泡体材料は、重合/硬化が所望の程度まで行われた後に、ポリエチレンから容易に除去して、次のプロセスに移すことができる。HIPEを容器へ注ぐ温度は、通常、重合/硬化温度とほぼ同じである。
【0087】
好適な重合/硬化条件は、モノマー、およびエマルションの油相および水相の他の構成(特に使用した乳化剤系)、および使用した重合開始剤のタイプおよび量に依存して変化する。しかし多くの場合、好適な重合/硬化の条件は、HIPEを約30℃を上回る、より好ましくは約35℃を上回る昇温状態に、約2ないし約64時間、より好ましくは約4ないし約48時間の間、保つことを含む。またHIPEを、米国特許5,189,070(Brownscombeら、1993年2月23日に付与)に記載されるような段階で硬化しても良い。なお、この文献は本明細書において参照により取り入れられている。
【0088】
ポーラスで水で満たされた連続気泡HIPE発泡体が、典型的に反応容器たとえばカップまたはタブ内で重合/硬化した後に得られる。この重合されたHIPE発泡体を典型的に、切断またはスライスしてシート状の発泡体にする。重合されたHIPE発泡体のシートは、その後の処理/洗浄および脱水工程の間に処理することが容易であるだけでなく、HIPE発泡体を絶縁材料で用いるように作製することが容易である。重合されたHIPE発泡体は典型的に、約0.08インチないし約3.5インチの切断厚みになるように切断/スライスする。
【0089】
3.HIPE発泡体の処理/洗浄
形成された重合されたHIPE発泡体は通常、HIPEを作製するために用いた残留する水相材料によって満たされている。この残留する水相材料(通常、電解質、残留する乳化剤、および重合開始剤の水溶液)は、次の処理および発泡体の使用の前に、除去しても良い。この本来の水相材料の除去は通常、発泡体構造を圧縮して残留する液体を押し出すこと、および/または発泡体を水または他の洗浄水溶液を用いて洗浄することによって行う。多くの場合、複数の圧縮および洗浄工程(たとえば2ないし4サイクル)が望ましい。これらの洗浄で用いる水を少なくともほぼポリマーのTgまで加熱して、その柔軟性およびコンプライアンスを圧縮的な脱水の間維持し、発泡体構造へのダメージを低減および防止することが好ましい。
【0090】
4.発泡体の脱水
HIPE発泡体を処理/洗浄した後、脱水する。脱水は、発泡体を圧縮して残留水を押し出すことによってか、発泡体もしくはその内部の水に約60℃ないし約200℃の温度もしくはマイクロ波処理を施すことによってか、真空脱水によってか、または圧縮および熱乾燥/マイクロ波/真空脱水技術の組み合わせによって、行うことができる。これらのHIPE発泡体は典型的に、圧縮されて脱水して、発泡体が十分に膨張したときの厚みの約1/3(33%)以下の厚みにする。脱水工程は通常、HIPE発泡体が使える状態になるまで、および実用的に乾燥するまで行う。多くの場合、このような圧縮脱水された発泡体は、水(水分)含有量が、乾燥質量を基準として約1重量%ないし約15重量%、より好ましくは約5重量%ないし約10重量%である。
【0091】
都合が良ければ、代替的な脱水方法を用いても良い。通常、蒸発による水の除去は水を加熱しない限り遅すぎる。一般に、このレベルでの妥当な速度で材料から水を蒸発させるのに必要な熱エネルギーは、エネルギー集約的であることが分かっている。この理由のために、本発明のHIPEのTgの上限を約90℃に設定して、発泡体構造を破壊せずに温水を用いて圧縮的な脱水ができるようにしている。Tgがもっと高い発泡体を望む場合には、他の脱水方法を用いる必要がある。
【0092】
5.発泡体の親水化
例えば吸収性用品で使用するために親水性の発泡体を望むときには、洗浄され脱水された発泡体を親水化剤で処理することが好ましいかも知れない。好適な親水化剤および発泡体の親水化方法が、例えば、米国特許5,387,207の第22欄ないし第24欄、米国特許5,292,777(DesMarais、1994年3月8日に付与)、および米国特許5,352,711(DesMarais、1994年10月4日に付与)に十分に開示されている。なお、全ての文献が本明細書において参照により取り入れられている。
【0093】
VI.テスト方法
A.難燃性
可燃性に対する候補を選別するための簡単な実験室での方法は、以下の通りである。発泡体サンプルを切断して、寸法がおよそ0.5cm×0.5cm×5cmにする。サンプルを、最も長い軸を実験室の換気されたフードの方に突き出した状態で、留め具で吊り下げる。サンプルの前端に、プロパントーチで火をつける。記録データは、例えば消火するまでの時間と残留灰のパーセンテージである。
【0094】
限界酸素指数(LOI)データは、ASTMD−2863に従って、2.54cmの厚みに作られ6”×6”の四角形に切断されたサンプルについて得る。これらの値を、火炎(残留物が著しくくすぶっているときも含む)を持続するのに必要な酸素分圧のパーセンテージとして報告する。
【0095】
B.熱機械特性測定値
サンプルを、3ないし8mmの厚みのピースにスライスした後、これらのピースを押し固めて直径が2.54cmの円柱にすることによって、評価用に作製する。これらの円柱または「パック」を、水および2−プロパノール中で連続して洗浄して(水洗浄の際、押し出し工程を間に入れる)、残留する塩および乳化剤を除去する。次に、これらのサンプルを乾燥させる(周囲温度または65℃以下の昇温で行う)。場合によっては、サンプルは乾燥するとつぶれるため、凍結乾燥させて、十分に膨張したサンプルをテスト用に確保しなければならない。
【0096】
i.動的機械的分析(DMA)
DMAを用いて、ポリマー(ポリマー発泡体を含む)のTgを測定する。Tgは種々の方法で測定することができるが、本明細書で報告するデータは、圧縮モードに設定され直径が25mmの平行板を用いるRheometrics RSA-II動的機械的分析器を用いて得る。使用する装置パラメーターは、米国特許5,770,634(後述)に記載されている。ガラス転移温度は、損失正接(tan[δ])対温度曲線の最大点として得られる。
【0097】
ii.降伏応力
降伏応力は、発泡体サンプルを特定の速度および特定の温度で圧縮して、圧縮に対してそのサンプルが発した抵抗力を測定することによって、定量化することができる。典型的に、データはy軸上の応力およびx軸上の歪みのプロットとして体裁が整えられる。このようなプロットは典型的に、最初に直線状に応答した後、「降伏点」と呼ばれる点でそれ以上の圧縮に抵抗して急激に低下する。降伏点は、降伏点前後の直線領域によって形成される線の交点として規定される。降伏応力は、その交点での応力値である。分析は、前のセクションで規定した装置と同じもの(Rheometrics RSA-II)を一定歪みモードで動作させて使用して行う。このモードでは、温度を31℃に設定し、歪み速度を0.1%/秒に設定して行う。サンプルを、圧縮を開始する前にこの温度に少なくとも5分間保って、サンプルを規定された温度にする。実験は、10分間圧縮して行った後、同じ歪み速度で反対方向に行う。データ分析は上述したように行う。
【0098】
iii.密度
密度は、与えられたサンプルの重量をその体積で割ったものであり、何れかの適切な標準的な方法で測定することができる。本明細書で用いる密度測定は、上述の測定で用いた直径が2.54cmの円柱状サンプル(パック)の重量を測定することを含む。サンプルの厚みは測定によって求める。密度は、密度=重量(mg)/(0.507×厚み(mm))(単位はmg/cc)という式を用いて計算する。サンプルは典型的に、これらの測定前に水および2−プロパノールで洗浄して、塩および残留する乳化剤をサンプルから除去する。測定された密度は、その発泡体が得られるHIPEの水対油の比から予想されるもの、例えば、密度=(1/(W:O比+1))(単位はg/cc)と、ほぼ一致する。
【0099】
iv.熱重量分析(TGA)
TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments 2950 TGAシステムを用いて、小さなサンプルについて行う。昇温速度は5℃/分である。温度範囲は典型的に、周囲温度ないし500℃である。ピークにおける最大値を記録する。この技術によって、サンプルを加熱したときのその重量損失が示される。テストは、同じサンプルについて、空気中および窒素中で別々の実験で行う。
【0100】
【実施例】
(比較例A)
HIPE発泡体を、以下の一般的な方法を用いて作製する。
【0101】
標準的な水相は、4%の塩化カルシウム(無水)と0.05%の過硫酸カリウム(開始剤)とからなる。油相は、下表1に記載したモノマー比に従って調製する。油相は、HIPEを形成するための乳化剤も含有する。基準となる乳化剤は、ジグリセロールモノオレエート(DGMO)であり、HIPEのW:O比に依存して油相の4ないし6重量%のレベルで用いる。DGMO乳化剤(Grindsted Products(Brabrand、デンマーク))は、約81%のジグリセロールモノオレエート、約1%のその他のジグリセロールモノエステル、約3%のポリグリセロール、および約15%のその他のポリグリセロールエステルを含む。この乳化剤は、最小限の油相/水相界面張力値である約2.5dyne/cmを与え、臨界凝集濃度が約2.9重量%である。
【0102】
HIPEを形成するために、油相を直径3”のプラスチックカップに入れる。水相を、約50℃に保持された被覆した(jacketed)添加漏斗に入れる。プラスチックカップの中身を、Cafrano RZR5O攪拌器を用いてかき混ぜる。この攪拌器には、約300rpm(必要に応じて作業者が調整できる)で回転する6枚刃の攪拌器が設けられている。水相をプラスチックカップの油相に、約2ないし5分間に渡って一定に攪拌しながら添加する。カップを必要に応じて上下に動かしてHIPEが形成されるときに攪拌し、全ての水相をエマルション中にできるだけ均一に混ぜる。
【0103】
3”プラスチックカップのHIPEに蓋を(きつくなく)した後、65℃に設定したオーブンの中に一晩中入れて硬化させ、ポリマーHIPE発泡体を得る。硬化したHIPE発泡体を、直径が3”で長さが約4”の円柱としてカップから取り出す。発泡体はこの時点では残留する水相(溶解した乳化剤、電解質、開始剤残留物、および開始剤を含有する)で飽和している。発泡体をミートスライサー上でスライスして、厚さが約5ないし約7mmの円形ピースにする。次に、これらの薄片を洗浄して、水を押し出して、乾燥させて、分析する。LOI測定の場合には、複数のこのようなカップのエマルションを、テストに必要な1”×6”×6”の寸法のサンプルが得られるように成形された型へ流し込む。
【0104】
機械特性分析の場合には、サンプルを蒸留水でさらに洗浄した後、圧縮して水を取り除く。これを3ないし4回行う。サンプルを、2−プロパノールでさらに洗浄した後、圧縮する。これを3ないし4回行う。次にピースを、65℃に設定したオーブンの中で1ないし2時間、乾燥させる。
【0105】
【表1】
Figure 0004335452
【0106】
上表1の比較例AのHIPE発泡体は、LOI値が約18%を下回り、発泡体が研究室のテストで容易に燃えるため、この発明からはずれている。
【0107】
以下に、本発明の限定を意味しない実施例、例えばLOIが少なくとも約18%のHIPE発泡体を示す。明確なLOI値が得られなかった場合には、セクションVI、テスト方法、パラグラフA、難燃性で説明した実験室テストに基づく見積値を載せる(見積りと表示する)。
【0108】
(実施例1)
この実施例では、共重合されてポリマーネットワーク上の主鎖となった難燃剤(FR)モノマーの使用を例示する。下表2に示した種々の油相を用いて、比較例と同じプロセスを行う。クロロプレンが存在する実施例では、エマルションの形成に用いる水相を加熱せず、また最初の硬化温度を18時間の間45℃にし、増加させて18時間の間65℃にして最終的な硬化を行う。
【0109】
その代わりに、このようなエマルションを、少なくとも約2気圧の圧力に(アルゴンタンクから)満たされた圧力容器内で65℃で硬化させる。存在する場合には、三酸化アンチモンを油相中で懸濁化する。
【0110】
【表2】
Figure 0004335452
【0111】
(実施例2)
実施例1のサンプルAを周囲条件で約3週間エージングすると、蛍光灯にさらした表面に黄色い変色が見られる。この期間の後に得られるLOI値は、わずか19%である。別個の発泡体を同じモノマー組成物を用いて作製した後、ChimassorbTM944を油相の0.2重量%で添加する。ChimassorbTM 944を含有する発泡体は、同様の期間の間じゅう変色が非常に小さく、基本的にLOI値の低下が全くない。さらに他の変形では、HIPE発泡体を、20%のDVB42、75%のクロロプレン、3%の三酸化アンチモン、および2%の4−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Polysciences(Warrington、ペンシルベニア)から販売される)を含む油相から作製する。この最後の化合物は、ポリマーネットワーク中に共有結合する効果の高いUV吸収剤である。またこの発泡体は、変色に関して光に対する良好な安定性を示す。
【0112】
(実施例3)
この実施例は、不活性な難燃性添加剤を、乳化前のモノマー相、または洗浄工程中の硬化後の発泡体へ加えることを例示する。エマルションを、比較例Aで詳述したようにして作製する。HIPE発泡体は、20%DVB55および60%スチレンのモノマーを含有する。残りは、表3に示すように油相中に含まれる不活性難燃剤である。
【0113】
【表3】
Figure 0004335452
【0114】
これらの発泡体は、難燃性添加剤が共有結合している(またはポリマーである)発泡体よりも低い温度において、TGA実験において重量損失を示す。
【0115】
(実施例4)
この実施例は、発泡体に残る残留塩の結果を例示する。発泡体を、17%のAntiblaze TDCP/LV、60%のスチレン、20%DVB、3%の三酸化アンチモンを油相に含ませて作製する。濡れた発泡体を、リン酸カリウムの10%水溶液で洗浄する。結果として生じる生成物は、LOIが22%と見積もられる。発泡体の残留塩のレベルは、約5重量%のリン酸カルシウムである。
【0116】
(実施例5)
この実施例は、発泡体を化学的に後処理して難燃性発泡体組成物を与えるプロセスを例示する。HIPE発泡体を、77%のイソプレン、3%の三酸化アンチモン、および20%のDVB55からなるモノマー成分を用いて、W:O比が40:1で作製する。エマルションを0℃ないし5℃で形成した後、2気圧の圧力のもと65℃で48時間の間、硬化させる。結果として生じる発泡体を、乾燥させたのち前述したように水および2−プロパノールで洗浄する。次に、発泡体を臭素蒸気に24時間の間さらす。結果として生じる発泡体を取り出した後、2−プロパノールおよびジクロロメタンで再び洗浄して、残留する蒸気を取り除く。生成物は、LOIの見積りが23%であり、残留臭素の含有量が50%である。
【0117】
(実施例6)
DGMO乳化剤を、臭素にさらして改質する。ジブロモ−DGMOを、コラムクロマトグラフィによって精製した後、これを用いて、20%のDVB55、33%の三酸化アンチモン、および77%の4−クロロスチレンをW:O比が40:1で含有するエマルションを作製する。結果として生じる発泡体は、LOIの見積り値が25%である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本明細書で開示された実施例1(A)に従って作製された本発明において有用な典型的なポリマー発泡体の切断面の顕微鏡写真(倍率50X)を示す図。発泡体は、限界酸素指数(「LOI」)値が26.9%、密度が25mg/ccであり、77%の難燃剤モノマークロロペレン、3%の三酸化アンチモン、および20%のジビニルベンゼンからなる。
【図2】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率500X)を示す図。
【図3】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率4000X)を示す図。
【図4】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率4000X)を示す図。

Claims (5)

  1. 連続油相と不連続水相とを含有する高内部相油中水滴型エマルションを重合して形成される難燃性連続気泡ポリマー発泡体であって、
    (a)重合の際にポリマーに難燃性を与える1または複数種の重合性モノマーであって少なくとも1種のモノマーは塩素、臭素、アンチモン、リンまたはボロンの元素のうちの1または複数を含有する重合性モノマーを油相に含有する高内部相油中水滴型エマルションのフリーラジカル重合、または、
    (b)乳化または重合する前に、重合性モノマーではない難燃性付与材料のエマルションの油相または水相への添加、または、
    (c)エマルションを重合した後に、重合性モノマーではない難燃性付与材料の発泡体内への取り入れ
    のうちの1または複数によってもたらされる少なくとも18%の限界酸素指数(LOI)値を有することを特徴とする難燃性ポリマー発泡体。
  2. 難燃性を付与するモノマーが、塩素または臭素のうちの1または複数の元素を含有することを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリマー発泡体。
  3. 難燃性を付与する非モノマー材料はポリマーであり、乳化または重合の前にエマルションの油相に添加され、塩素、臭素、アンチモン、リン、またはボロンの元素のうちの1または複数の元素を含有することを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリマー発泡体。
  4. 難燃性を付与する非モノマー材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリビニルジフェニルホスフェート、ヘキサクロロアンチモン酸塩およびリン酸塩およびホウ酸塩ならびにこれらの混合物からなる群から選択される対イオンを有する第四級アンモニウムのポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項3記載の難燃性ポリマー発泡体。
  5. 難燃性を付与する材料は非ポリマーであり、乳化または重合の前にエマルションに添加され、臭素化された脂肪族化合物および塩素化された脂肪族化合物、リン酸エステルおよびホスホン酸エステル、ホウ酸エステル、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリマー発泡体。
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