JP2000095892A - 耐熱性難燃発泡樹脂粒子およびこれより作られる発泡樹脂成形体 - Google Patents

耐熱性難燃発泡樹脂粒子およびこれより作られる発泡樹脂成形体

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JP2000095892A
JP2000095892A JP28599398A JP28599398A JP2000095892A JP 2000095892 A JP2000095892 A JP 2000095892A JP 28599398 A JP28599398 A JP 28599398A JP 28599398 A JP28599398 A JP 28599398A JP 2000095892 A JP2000095892 A JP 2000095892A
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Naoki Nakayama
直樹 中山
Kunio Takahashi
邦雄 高橋
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡性PPE/PS樹脂粒子について、それよ
り作られる発泡樹脂成形体がJIS A9511に定め
る燃焼テストに合格する程の高い耐熱難燃性を有するも
のとなるようにする。また高い発泡倍率を達成でき、よ
って低密度、良好な表面性状等、発泡成形体として所要
の物性をも有する発泡成形体を作ることができるように
する。 【解決手段】スチレン系樹脂60〜90重量部およびポ
リフェニレンエーテル系樹脂40〜10重量部を含む基
材樹脂に、基材樹脂に基づいて3〜15重量%の揮発性
発泡剤が含浸されている樹脂粒子において、基材樹脂に
基づいて1〜20重量%の臭素化芳香族トリアジン化合
物、就中、2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブ
ロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂と
ポリフェニレンエーテル系樹脂とのブレンドよりなる耐
熱性の高い発泡性樹脂粒子に関し、より詳しくは、難燃
化処理により難燃性が改良された耐熱性難燃発泡樹脂粒
子に関する。また本発明は、該発泡性樹脂粒子を予備発
泡に続いて発泡成形することにより作られる、改良され
た耐熱性および難燃性を有する発泡樹脂成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スチレン系(PS)樹脂とポリフェニレ
ンエーテル系(PPE)樹脂とのブレンド物または共重
合化物を基材とする発泡性樹脂粒子は、従来より、予備
発泡を含む発泡化過程を経て、発泡成形品に加工されて
いる。そして、最終的に生産された発泡成形品は、汎用
のスチレン系樹脂粒子の発泡成形品とは用途が異なり、
経時的により高い耐熱性が要求される用途に使用され
る。例えば、電子レンジ等で使用できる耐熱性の食品ト
レーや食品梱包材、または、蒸気管とか熱水管などを被
覆する断熱材もしくは保温材、および建築用の断熱材な
どの用途に使用されている。建築用断熱材の用途につい
てさらに言及するに、屋根下の断熱材は、夏季における
高温に十分に耐え、かつ、建材としての安全性の観点か
ら、十分高い難燃性を有することが求められる。また、
床暖房用断熱材も、床暖房の熱に十分に耐え、かつ、安
全性の観点から、特に高い難燃性を有することが要求さ
れる。
【0003】従来より、ポリスチレン系樹脂の耐熱性を
高めるために、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエ
ーテル系樹脂との共重合物にしたり、または、ポリスチ
レン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との樹脂ブ
レンドにしたりして、使用するという方法は、当該技術
分野においてよく知られている。また、これらブレンド
物または共重合物に難燃性を付与する技術も、従来より
いくつか提案されている。例えば、特開昭 48-7945号公
報は、ヘキサブロムベンゼンおよびアンチモンをスチレ
ン系/ポリフェニレンエーテル系ブレンドまたは共重合
物に添加するという手段を教示しており、また、特公昭
48-39014 号公報および特開昭 52-140560号公報は、そ
れぞれ、類似の芳香族ハロゲン化合物をスチレン系/ポ
リフェニレンエーテル系ブレンドまたは共重合物に添加
するという手段を教示している。また、スチレン系/ポ
リフェニレンエーテル系ブレンドまたは共重合物を基材
とする発泡成形体は、いくつかの特許公報、例えば特公
昭 56-43055 号公報、特開昭 64-65140 号公報および特
開平 4-122741 号公報などに開示されている。しかし、
これらの特許公報には、発泡成形体の難燃化に関する記
述が含まれていない。また、特公平 5-73131号公報は、
発泡剤としてクエン酸および重炭酸ナトリウムを使用し
たポリフェニレンエーテル系樹脂の押出し発泡体に関し
て、ハロゲン化難燃剤などの配合によって、その押出し
発泡体を難燃化する技術を提案している。しかしなが
ら、この公報には、ポリフェニレンエーテル系樹脂の押
出し発泡体は、発泡倍率が極めて低く、約400〜12
00g/リットルの密度を有する旨が記載されており、
従って、開示された押出し発泡体は、ほとんど発泡して
いないソリッド状態のものと認められる。さらに、特開
平 2-18428号公報は、ポリフェニレンエーテル系樹脂お
よびスチレン系樹脂を基材とする発泡性樹脂粒子を開示
するものであって、その粒子の難燃性を難燃剤の添加に
よって高めるという方法を示唆している。しかし、その
示唆は一般的な説明にとどまり、適用される難燃剤につ
いても、ヘキサブロムシクロドデカン、トリスノニルフ
ェニルホスファイト等、一般的な難燃剤が例示されてい
るにすぎない。上記の公報には、難燃剤が添加された発
泡性樹脂粒子についての実施例も、挙げられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂(PPE)はスチレン系樹脂(PS)
と比較して軟化点が高く、より燃焼しずらい樹脂であ
る。つまり、適量のポリフェニレンエーテル系樹脂を基
材のスチレン系樹脂に配合した樹脂ブレンドは、スチレ
ン系樹脂単独と比べて難燃性がより高いものとなり、ま
た難燃剤が添加されたスチレン系樹脂は、従来の特許公
報等より公知である。従って、難燃剤をポリフェニレン
エーテル系/スチレン系樹脂ブレンドに添加するなら
ば、難燃性が大変高い樹脂ブレンドが得られるであろう
ことは、当業者ならば、容易に予測しうる。この予測
は、樹脂母材の場合において当てはまる。しかし、樹脂
発泡体の場合には、状況が異なる。揮発性発泡剤が含浸
された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、難燃剤を添加
すると、樹脂母材と同様、その樹脂粒子より得られる樹
脂発泡体の難燃性は向上するが、しかし、スチレン系樹
脂(PS)に10〜40重量%のポリフェニレンエーテ
ル系樹脂(PPE)が混ぜられた樹脂ブレンドの発泡性
樹脂粒子の場合には、これに通常使用される難燃剤を添
加すると、その樹脂粒子より得られる樹脂発泡体は、難
燃性が著しく低下するのである。この事実は、その理由
は明確ではないが、上記のPPE/PSブレンドの発泡
性樹脂粒子から樹脂発泡体を作るときには、(1) 含浸さ
れた揮発性発泡剤が少量とはいえ長期間にわたって樹脂
発泡体中に残留するが、その残留発泡剤が樹脂発泡体の
難燃性を低下せしめる、(2) 発泡成形の過程で微細な独
立セル構造が形成されるが、そのセルの中の空気(酸
素)が、燃焼を助け、樹脂発泡体の難燃性を低下せしめ
る、そして(3) スチレン系樹脂単独の樹脂発泡体にあっ
ては、樹脂発泡体の燃焼時、その燃焼している火源が溶
融滴下(ドリップ)し、発泡体はおのずと消火されるの
に対して、PPE/PSブレンドの樹脂発泡体にあって
は、樹脂発泡体の燃焼時、その燃焼している火源が溶融
滴下するところのドリップ現象が生じず、長時間燃え続
ける等の理由によるものと推測される。そこで、上記の
事実より、スチレン系樹脂およびポリフェニレンエーテ
ル系樹脂を基材樹脂とする発泡性樹脂粒子(以下、これ
を発泡性PPE/PS樹脂粒子と表わす場合もある。)
を難燃剤の添加により難燃化する場合には、より大量の
難燃剤を配合することが必要とされるが、大量の難燃剤
の配合は、そのような発泡性樹脂粒子から得られる樹脂
発泡体の物性を著しく低下せしめることにある。つま
り、樹脂発泡体がその用途のための発泡体として所要の
物性を保持する必要があることから、難燃剤の配合量の
増加にも、一定の限界がある。また、難燃剤には、いろ
いろな種類のものがあるが、その中には、(1) ダイオキ
シンの発生の虞があるもの、(2) 基材樹脂の流動性を阻
害し、予備発泡において発泡倍率を低下せしめるもの、
(3) 分解温度がより低く、スチレン系樹脂とポリフェニ
レンエーテル系樹脂との溶融ブレンドの際、一部分解し
て有害なガスを発生するもの等があり、従って、難燃剤
の選定に当たっては、特別な留意が必要とされる。ま
た、発泡性PPE/PS樹脂粒子およびそれからの樹脂
発泡体について難燃性能を高める必要性はあるものの、
上述の背景技術よりわかるように、難燃剤の添加によっ
て、高い耐熱・難燃性を達成しかつ種々の不具合を生じ
ないようにするための改良技術については、これまで十
分に検討されていない。すなわち、この種の発泡性PP
E/PS樹脂粒子であって難燃剤の添加により難燃性が
改良されたものは、たとえ既に提案されているとして
も、そのような発泡性樹脂粒子より得られる発泡樹脂成
形体について、十分満足な、即ちJISA9511に定
める燃焼テストに合格する程の耐熱難燃性が得られるに
は、未だ到っていない。その上、難燃性が付与された発
泡性PPE/PS樹脂粒子にあっては、発泡倍率をより
高くすることができ、よって、より低密度で、押出し発
泡品より優越する発泡成形体を作ることができる粒子で
あることが求められる。また、難燃剤の種類によって
は、耐熱性の低いものがあり、熱によって分解してしま
い、ガスが発生し、作業環境が悪化する可能性もある。
特に、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系
樹脂を押出機等でブレンドするときに、難燃剤を同時に
添加した時に難燃剤の熱分解が発生して、作業環境の悪
化を招く場合がある。従って、使用される難燃剤として
は、良好な難燃性を有する発泡性PPE/PS樹脂粒子
を得られるほかに、十分高い耐熱性が必要であることが
求められる。
【0005】本発明は、上述の諸背景に基づいてなされ
たものであって、その課題とするところは、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂およびスチレン系樹脂を基材とする
発泡性樹脂粒子について、その樹脂粒子より得られる発
泡樹脂成形体がJIS A9511に定める燃焼テスト
に合格する程の十分高い耐熱難燃性を有するところの耐
熱性難燃発泡樹脂粒子を提供することにある。本発明
は、発泡性PPE/PS樹脂粒子について発泡成形の段
階でより高い発泡倍率を達成することができ、よって、
例えば10〜200g/リットル程度の低密度を有しか
つ上記の高い耐熱難燃性を有する発泡樹脂成形体を作る
ことができるところの耐熱性難燃発泡樹脂粒子を提供す
ることを他の課題とする。また、本発明は、発泡性PP
E/PS樹脂粒子より低密度の発泡樹脂成形体を作る発
泡成形のプロセスを円滑にかつ作業しやすく行なうこと
ができ、耐熱難燃性の他、成形性および作業性の面にお
いても優れているところの耐熱性難燃発泡樹脂粒子を提
供することを他の課題とする。また、本発明の他の課題
は、発泡性PPE/PS樹脂粒子より予備発泡を経て発
泡成形された発泡樹脂成形体であって、JIS A95
11に定める燃焼テストに合格する程の十分高い耐熱難
燃性を有しかつ10〜200g/リットル程度の低い密
度を有し、従って押出し発泡品よりも格段に優越すると
ころの発泡樹脂成形体を提供することにある。本発明の
その他の目的、効果および利点は、以下の記載および特
許請求の範囲の記載より導かれる。
【0006】本発明者は、鋭意研究の結果、驚くべきこ
とに、発泡性PPE/PS樹脂粒子〔基材樹脂:スチレ
ン系樹脂60ないし90重量部、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂40ないし10重量部、揮発性発泡剤:3ない
し15重量部(基材樹脂100重量部当り)〕に、難燃
剤として、基材樹脂100重量部に基づいて1ないし2
0重量部の臭素化芳香族トリアジン化合物を含有させる
と、得られた発泡性樹脂粒子は、十分高い耐熱難燃性を
有し、その樹脂粒子より得られる発泡樹脂成形体が、J
IS A9511に定める燃焼テストに合格する性能を
有し、かつ10〜200g/リットル程度の低い密度を
有するものとなり、しかも、その発泡成形プロセスを、
高い発泡倍率を維持して、円滑に行なうことができると
いう事実を見い出した。本発明者は、さらに研究を重
ね、その結果、数ある臭素化芳香族トリアジン化合物の
中でも、2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロ
モフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを難燃剤とし
て発泡性PPE/PS樹脂粒子に配合すると、得られた
発泡性樹脂粒子は、最も良好な耐熱難燃性を有し、そし
て、その樹脂粒子より作られる発泡樹脂成形体は、低密
度であるのは勿論のこと、最も優れた難燃性能(JIS
A9511)を発揮するという事実を見い出し、そし
て、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明はよ
り明確には、スチレン系樹脂60ないし90重量部およ
びポリフェニレンエーテル系樹脂40ないし10重量部
を含む基材樹脂に、該基材樹脂100重量部に基づいて
3ないし15重量部の揮発性発泡剤が含浸されている樹
脂粒子において、前記基材樹脂100重量部に基づい
て、1ないし20重量部の臭素化芳香族トリアジン化合
物、とりわけ好ましくは2,4,6−(トリス−2,
4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリア
ジンが含有されていることを特徴とする、耐熱性難燃発
泡樹脂粒子に関する。また、本発明は、上記したいずれ
かの耐熱性難燃発泡樹脂粒子を予備発泡し、続いて得ら
れた予備発泡粒子を加熱発泡することにより、成形され
た発泡樹脂成形体であって、該成形体の密度が10ない
し200g/lであることを特徴とする、発泡樹脂成形
体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性難燃発泡樹脂粒子
は、その基材樹脂に、揮発性発泡剤とともに難燃剤とし
て所定量の臭素化芳香族トリアジン化合物、とりわけ好
ましくは2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロ
モフェノキシ)−1,3,5−トリアジンを含有する発
泡性の樹脂粒子である。基材樹脂は、スチレン系樹脂と
ポリフェニレンエーテル系樹脂との樹脂ブレンドであっ
て、さらに必要により、種々の添加剤および助剤などが
配合された樹脂である。添加剤としては、各々適当量配
合された、難燃助剤、着色剤、造核剤、滑剤等が挙げら
れる。
【0009】本発明でいうスチレン系樹脂には、スチレ
ン系単量体の単独重合体に限らず、他の単量体との共重
合体(スチレン系単量体を50%以上の割合で使用して
作られる)が含まれる。スチレン系単量体には、単独の
スチレンの他に、α−メチルスチレン、エチルスチレ
ン、p−クロロスチレン等の置換スチレンが含まれる。
また、共重合体の相手方の単量体には、メチルメタクリ
レート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、
ブチルアクリレート等の(メタ)アクリレート、並び
に、アクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルカルバ
ゾール等のビニル系単量体などが挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上のものを併用してもよ
い。従って、本発明に用いるスチレン系樹脂としては、
ポリスチレンの他、ポリα−メチルスチレン、ポリp−
クロロスチレン等のポリ置換スチレンの他、スチレンと
置換スチレン(例えばα−メチルスチレン等)との共重
合体、あるいは、スチレンとビニル系単量体(例えばア
クリロニトリル)との共重合体などが挙げられる。より
好ましいスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリスチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレンのグラフト共重合体などが挙げられ
る。また、上記のスチレン系樹脂としては、通常、重量
平均分子量150,000ないし500,000を有す
る、より好ましくは重量平均分子量200,000ない
し300,000を有する高分子量のスチレン系樹脂が
使用されるが、部分的に、より低分子量のスチレン樹脂
をブレンドすることも可能である。また、上記のスチレ
ン系樹脂は一般に、水性媒体中でのスチレン系単量体等
の懸濁重合により製造される。これらの懸濁重合は、ラ
ジカル開始剤、分散剤および分散助剤などを含む水性懸
濁系の中で進められる。ラジカル開始剤としては、一般
的なラジカル重合に使用される重合開始剤、例えば、過
酸化ベンゾイル、過安息香酸ブチル、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート等の有機過酸化物、あるいはアゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。ま
た、分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶
性無機塩、または、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、メチルセルロース等の有機高分子が挙げら
れる。さらに分散剤と組み合せて使用される分散助剤と
しては、ドデシルフェニルオキサイドジスルホン酸塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィ
ンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
オクチルフェノールエーテル等のノニオン界面活性剤が
挙げられる。また、スチレン系樹脂およびスチレン系樹
脂発泡体の再利用(リサイクル)品もまた、上記のスチ
レン系樹脂として使用することができる。例えば、生産
工場内でもしくは流通市場より回収されたスチレン系樹
脂または回収されたスチレン系樹脂発泡体を続いて溶融
等によって減容したスチレン系樹脂を、押出し機内に投
入しそして押出し成形および裁断によって得られたとこ
ろの粒状またはペレット状等の樹脂粒子(押出しペレッ
ト等)は、本発明におけるスチレン系樹脂に利用するこ
とができる。
【0010】また、本発明でいうポリフェニレンエーテ
ル系樹脂とは、次式I
【化1】 (式中、R1 およびR2 は、互いに独立して炭素原子数
1ないし4のアルキル基またはハロゲン原子を表し、n
は、重合度を表す。)で表されるポリフェニレンエーテ
ル系樹脂をいい、その具体的な例としては、ポリ(2,
6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,
4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニ
レン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イ
ソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ
(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エー
テル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフ
ェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6
−エチルフェニレン−1,4−エーテル)などが挙げら
れる。重合度nは、10〜5000であればよく、50
00を越えると、均一な耐熱発泡体が得られにくく、1
0未満では、目的の耐熱性を有する発泡体が得られにく
い。
【0011】スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル
系樹脂の配合比に関して、本発明においては、スチレン
系樹脂60〜90重量部およびポリフェニレンエーテル
系樹脂40〜10重量部の割合、より好ましくは、スチ
レン系樹脂70〜90重量部およびポリフェニレンエー
テル系樹脂30〜10重量部の組成割合であることが必
要とされる。スチレン系樹脂が90重量部を越えると
(つまりポリフェニレンエーテル系樹脂が10重量部未
満であると)、ポリフェニレンエーテル系樹脂のブレン
ド効果、つまり耐熱性の改良効果が実質的に小さなもの
にとどまり、耐熱性難燃発泡樹脂粒子の基材樹脂は所期
の耐熱性(融点の上昇効果)が十分に得られない。一
方、スチレン系樹脂が60重量部未満であると(つまり
ポリフェニレンエーテル系樹脂が40重量部を越える
と)、基材樹脂が揮発性発泡剤をその樹脂粒子内に閉じ
込めておく作用が大変弱まり、耐熱性難燃発泡樹脂粒子
からの揮発性発泡剤の逸散が迅速で激しいものとなり、
予備発泡の過程で所期の高い発泡倍率を達成することが
困難となる。
【0012】また、本発明の耐熱性難燃発泡樹脂粒子
は、基材樹脂100重量部に基づいて3ないし15重量
部の、より好ましくは5ないし10重量部の揮発性発泡
剤を含浸してなる。揮発性発泡剤としては、例えばプロ
パン、ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素、または、塩化メチル、フレオン等
のハロゲン化炭化水素が利用される。これら揮発性発泡
剤は、単独で使用してもよく、また二種以上の組合せで
使用してもよい。しかしながら、環境破壊の要因となり
にくい脂肪族炭化水素が好ましく用いられる。発泡性樹
脂粒子の乾燥処理の際に揮発性発泡剤の逸散が少なく、
かつ、発泡成形品とした場合の発泡剤残留量が少ないと
いった点から、ブタンまたはペンタンがより好ましく用
いられ、中でもペンタンが最も好ましく用いられる。ま
た一般に、耐熱性難燃発泡樹脂粒子は、揮発性発泡剤の
他に、所望により、各種の添加剤並びに助剤、例えば、
難燃助剤、着色剤、造核剤、滑剤等を適当な量、基材樹
脂に配合することができる。これらの添加剤は公知のも
のより適宜選択して使用される。また可塑剤も耐熱性を
損なわない程度の量配合することができる。可塑剤の例
としては、DOP、DOA、DBP、ヤシ油、パーム油
等が挙げられる。
【0013】また、本発明にあっては、PPE/PS基
材樹脂100重量部に基づいて、1ないし20重量部の
臭素化芳香族トリアジン化合物、とりわけ2,4,6−
(トリス−2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,
3,5−トリアジンが含有されていることが特徴とされ
る。難燃剤に関して、最近、環境および人体に与える影
響が問題視されている。難燃剤の中でも、デカブロモジ
フェニルオキサイド等の化合物は、ダイオキシンの発生
の虞が高いと危惧されている。これに対して、本発明で
適用される臭素化芳香族トリアジン化合物、とりわけ
2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロモフェノ
キシ)−1,3,5−トリアジンは、毒性が大変低く、
ダイオキシンの発生の虞も無い、安全性の極めて高い物
質である。その上、この種の難燃剤は、分解温度が30
0℃以上と大変高く、スチレン系樹脂とポリフェニレン
エーテル系樹脂との溶融ブレンドの際、有害なガスの発
生が無く、有害ガスの発生により作業環境が悪化するこ
となく、その発泡成形の作業を円滑に進めることができ
る。さらに、本発明で適用される難燃剤は、PPE/P
S基材樹脂の流動性を阻害するものでなく、予備発泡に
おいて高い発泡倍率を達成することができ、従って、低
い密度であって、かつ、発泡成形体としての諸物性が損
なわれていない発泡樹脂成形体を成形することを可能に
する。そして、添加される難燃剤の配合量に関して、臭
素化芳香族トリアジン化合物の配合量が、PPE/PS
基材樹脂100重量部に基づいて、1重量部未満である
と、発泡性PPE/PS樹脂粒子の難燃化効果が実質的
に小さなものにとどまり、発泡樹脂成形体において、J
IS A9511に定める燃焼テストに合格するとい
う、所期の耐熱難燃性能を十分に達成することができな
い。一方、臭素化芳香族トリアジン化合物の配合量が、
PPE/PS基材樹脂100重量部に基づいて、20重
量部を越えると、難燃性の改良効果は十分であるもの
の、得られる発泡樹脂成形体において、難燃剤の一部が
成形体の表面に析出するブリード現象が見られるように
なり、発泡樹脂成形体の要求性能を満足しないものとな
る。従って、かかる観点より、本発明で使用される臭素
化芳香族トリアジン化合物の配合量は、PPE/PS基
材樹脂100重量部に基づいて1ないし20重量部、よ
り好ましくは5ないし15重量部の範囲内である。した
がって、難燃剤2,4,6−(トリス−2,4,6−ト
リブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジンをPP
E/PS基材樹脂100重量部に基づいて5ないし15
重量部の量添加するのが、本発明において最も好まし
い。
【0014】また、本発明のより好ましい態様にあって
は、難燃剤と共に難燃助剤を併用することが好ましい。
難燃助剤を併用することにより、難燃剤の添加量を少な
くしても、同様な難燃性を得ることが可能となり、その
他の物性等の面で好ましい。難燃助剤は、難燃剤に適し
た難燃助剤であればよく、難燃剤の併用により、難燃性
の相乗的な改良効果を奏することができ、従って、所望
の難燃性を得るのに必要な難燃剤の添加総量を減少でき
るものであればよい。例えば、有機系の難燃助剤として
は、ジクミルパーオキサイド等があり、この場合には、
耐熱性が無機系の難燃助剤と比較して劣るために、ポリ
スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを共
重合させて、本願の難燃性発泡樹脂粒子を作製する場合
や、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹
脂とをブレンドする場合は、発泡剤の含浸時に添加する
ことが好ましい。一例として、ジクミルパーオキサイド
の好ましい含有量としては、耐熱性難燃発泡樹脂粒子の
基材樹脂100重量部に基づいて0.1ないし2.0重
量部である。含有量が0.1重量部未満であると、難燃
性との相乗的効果が小さ過ぎて、所望の難燃性を得るた
めの難燃剤の使用量の減少が図れない。一方、2.0重
量部を越えても、使用難燃剤の削減効果に変化がみられ
ない。従って、ジクミルパーオキサイドの配合量は、
0.1ないし2.0重量部であり、さらに好ましくは、
0.5ないし1重量部である。また、無機系の難燃助剤
としては、三酸化アンチモン等があり、この場合は、有
機系のものと比較して耐熱性があるので、ポリスチレン
系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とのブレンド時
において添加する方法でも使用できる。一例として、三
酸化アンチモンの場合、基材樹脂のブレンド時に添加す
る量としては、耐熱性難燃発泡樹脂粒子の基材樹脂10
0重量部に基づいて、1ないし10重量部が好ましく、
1重量部未満であると、所望の難燃性を得るための難燃
剤の使用量の削減が図れず、10重量部を越える量を使
用しても、使用難燃剤量の削減効果がみられない。さら
に好ましい添加量としては、3ないし5重量部である。
【0015】また、本発明は、耐熱性難燃発泡樹脂粒子
の製造プロセス全般に関して、特に限定するものでな
い。本発明の耐熱性難燃発泡樹脂粒子は例えば、まず、
基材樹脂としてスチレン系樹脂およびポリフェニレンエ
ーテル系樹脂のそれぞれ所定の量を押出し機内に投入
し、この際、臭素化芳香族トリアジン化合物とりわけ
2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロモフェノ
キシ)−1,3,5−トリアジン、及びその他の添加
剤、助剤等をも押出し機内に加え、続いて、これらを溶
融混練し、粒状、ペレット状もしくは球状等の形態の樹
脂粒子、通常はストランド状に押し出し、それを冷却し
てカットすることにより、ペレット状に裁断し、次に得
られたペレット状の樹脂粒子に、所定量の揮発性発泡
剤、所要によりジクミルパーオキサイド等を含浸させる
ことにより、より具体的には、該樹脂粒子をオートクレ
ーブ内の水性懸濁系の中に分散させ、続いて揮発性発泡
剤を懸濁系内に圧入し、さらに所要によりジクミルパー
オキサイドを懸濁系内に添加し、適宜加熱することによ
り、作られる。なお、上記の水性懸濁系には、分散剤、
例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、ハ
イドロキシアパタイト等の難水溶性無機塩、または、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセ
ルロース等の有機高分子が使用される。また、分散剤と
組み合せて、分散助剤、例えば、ドデシルフェニルオキ
サイドジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のア
ニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等
のノニオン界面活性剤も使用される。而して、本発明に
係る耐熱性難燃発泡樹脂粒子は、必要により任意の見か
け比重にまで予備発泡し、次いで、常法に従い、予備発
泡粒子を金型等の成形型内に充填し、そして蒸気を用い
て加熱発泡することにより、予備発泡粒子を相互に融着
させて、所望の形状(寸法)の発泡成形品を作ることが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の最良の実施形態と思われる実
施例を説明することにより、本発明をより明らかにす
る。
【0017】−耐熱性難燃発泡樹脂粒子の製造− 基材樹脂としてスチレン系(PS)樹脂(重量平均分子
量 200,000のポリスチレン)およびポリフェニレンエー
テル系(PPE)樹脂のブレンド、並びに表1に示され
る難燃剤を、各々、下記の表1に示される組成割合(同
表中、数値は重量部を表わす。)にて、押出し機内に、
その他の添加剤と一緒に投入し、次いでこれらを押出し
機において、加熱による溶融、スクリューによる混練
(温度:270℃〜290℃)に続いて、ストランドの
形態にて押出し成形し、その後、このストランドをロー
タリー式ペレタイザーにおいて切断し、ペレット化し
た。下記の表1に示すように7種類の押出しペレット
(例1ないし例7)を得た。なお、例1ないし例5につ
いて、溶融混練時の臭気発生の有無および混練ストラン
ドの状態を調べ、それらを以下の表2にまとめて、難燃
剤の5%減量温度とともに示す。そして、得られた樹脂
粒子の押出しペレット(例3を除く)1500gを5L
のオートクレーブ中に入れ、さらにイオン交換水250
0g、分散剤としてリン酸三石灰15gおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15gをオートクレ
ーブ内に投入し、さらにジクミルパーオキサイド(DC
P)を下記の表1に示される組成割合にて投入し、そし
て続いて、この水性系の攪拌により基材樹脂粒子を分散
させ、そして、攪拌を継続しながら、揮発性発泡剤のn
−ペンタン180g(基材樹脂に基づいて12重量%)
をオートクレーブ内に圧入した。次いで、オートクレー
ブ内の水性懸濁系を110℃に昇温し、その状態を12
時間保持することにより、揮発性発泡剤およびジクミル
パーオキサイドを基材樹脂の押出しペレットに含浸させ
た。この処理の後、水性懸濁系を室温まで冷却し、生成
した発泡性PPE/PS樹脂粒子をオートクレーブより
取り出した。その後、得られた発泡性PPE/PS樹脂
粒子を洗浄に続いて、遠心分離機を用いて遠心分離によ
り脱水し、次いでドライヤーを用い、脱水された発泡性
樹脂粒子を熱風により乾燥し、その後これを20℃にお
いて5日間保管して熟成処理を為し、しかる後粒径1.
0〜1.2mmの耐熱性難燃発泡樹脂粒子を得た。
【0018】 1)表中、各成分の項目における数字は総て、重量部を表わす。 2)難燃剤 A:2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5 −トリアジン B:ヘキサブロモシクロドデカン C:テトラブロモビスフェノールA(アリルエーテル) D:デカブロモジフェニルオキサイド E:臭素化ポリスチレン 3)DCP:ジクミルパーオキサイド
【0019】 1)5%減量温度:難燃剤のTGAによる測定にて、熱分解により5%減量したと きの温度を表わす。 2)臭気発生の有無:例2については、溶融混練時、臭気が激しく発生した。この ため、少量の試作品(押出しペレット)のみ製造した。また、例3については、 溶融混練時、臭気が煙を立ち上らせて生じ、臭気の発生が極めて激しいため、押 出し成形を中止した。従って、これ以降の評価はなされていない。 3)混練ストランドの状態:例5については、押出し機から押し出されたストラン ドは、切れやすく、連続生産には不向きなものであった。このため、少量の試作 品(押出しペレット)のみ製造した。
【0020】−予備発泡および発泡成形− 上記の例1、例2および例4ないし例7の耐熱性難燃発
泡樹脂粒子より、それぞれ、発泡倍率40倍(但し、例
4および例5は、樹脂の流動性が悪いため、各々の限界
の発泡倍率34倍および30倍までとした。)に発泡さ
れた予備発泡粒子を作り、次いで、これを室温にて24
時間の間熟成し、その後、予備発泡粒子を自動成形機の
成形型内に投入し、圧力(ゲージ圧)1.3 kg/cm2
て20秒間加熱する条件で発泡成形を行ない、成形型を
5秒間水冷し、放冷した後に、成形型より取り出して、
発泡樹脂成形体を作成した。
【0021】−発泡樹脂成形体の表面性状の評価− 作られた各例の発泡樹脂成形体について、発泡粒子間の
融着状態並びに成形体の表面伸びを調べることにより、
発泡樹脂成形体の表面性状の良・不良を評価することと
した。 −発泡樹脂成形体の耐熱性の評価− 作られた各例の発泡樹脂成形体より100mm×100mm
×25mmの大きさの試料を作り、これを発泡成形後3日
目に、95℃のオーブン中に入れ、そして、その状態を
1週間の間保持した。その後、試料をオーブンより取り
出し、その縦、横の長さ、および厚みを計測し、そして
それら方向の寸法変化の割合の平均値、即ち寸法変化率
を求めた。寸法変化率がより小さい程、発泡樹脂成形体
の耐熱性はより高いと認められる。 −発泡樹脂成形体の難燃性の評価− 作られた各例の発泡樹脂成形体について、JIS A9
511に従う燃焼テストをそれぞれ行ない、残炎時間お
よび限界支持線を測定することにより、その合否の判定
で以て、発泡樹脂成形体の難燃性を評価することとし
た。以上の各評価の結果を、下記の表3および表4にま
とめて示す。
【0022】 1)樹脂粒子間の融着状態:発泡樹脂成形体の破断面において、粒子の内部にて破 断(剥離)された発泡樹脂粒子の、全発泡樹脂粒子に対する百分率を表わす。 2)表面伸び:発泡樹脂成形体の表面において、発泡樹脂粒子間に隙間がほとんど 無いものが良好な例であり、隙間が多いものが不良の例である。 1)合否:残炎時間が3秒以内で限界支持線を越えないものが、合格とされる。
【0023】−総合評価− 例1は発泡成形の作業性を含め、発泡倍率、発泡樹脂成
形体の表面性状、耐熱性および難燃性など、総ての点に
ついて良好な結果を示す。例2は燃焼テストに不合格で
かつ寸法変化率も大きく、耐熱難燃性が悪い。例4およ
び例5は成形性が悪く、不良の表面性状を有する発泡樹
脂成形体しか得られない。例6はDCP併用による難燃
性の相乗的な改良効果を示す。例7はDCP配合によ
る、難燃剤の必要な量を減少する効果を示唆している。
【0024】
【発明の効果】以上の説明よりわかるように、本発明に
よれば、発泡性PPE/PS樹脂粒子について、臭素化
芳香族トリアジン化合物の配合によって、その樹脂粒子
より成形される発泡樹脂成形体がJIS A9511に
定める燃焼テストに合格する程の十分高い耐熱難燃性を
有するところの耐熱性難燃発泡樹脂粒子が得られる。と
りわけ、難燃剤として2,4,6−(トリス−2,4,
6−トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン
の配合により、もしくは、臭素化芳香族トリアジン化合
物とジクミルパーオキサイドとの併用により、耐熱難燃
性が顕著に改良されるという効果が得られる。また、本
発明によれば、発泡性PPE/PS樹脂粒子について、
発泡成形の段階で高い発泡倍率を達成することができ、
よって例えば10〜200g/リットル程度の低い密度
を有する等、発泡成形体として所要の物性を有し、同時
に上記の高い耐熱難燃性をも有する発泡樹脂成形体を作
ることができるところの耐熱性難燃発泡樹脂粒子が得ら
れる。さらに、本発明によれば、発泡性PPE/PS樹
脂粒子より低密度の発泡樹脂成形体を作る発泡樹脂粒子
作成過程において、円滑にかつ有害ガスの発生が無く作
業容易に、行なうことができ、耐熱難燃性だけでなく、
成形性および作業性の面も優れているところの耐熱性難
燃発泡樹脂粒子が得られる。また、本発明によれば、発
泡性PPE/PS樹脂粒子より予備発泡を経て発泡成形
された発泡樹脂成形体であって、JIS A9511に
定める燃焼テストに合格する程の十分高い耐熱難燃性を
有し、かつ、10〜200g/リットル程度の低い密度
を有する等、良好な諸物性を有し、従って、押出し発泡
品よりも格段に優越するところの発泡樹脂成形体が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA77 BA44 BA53 CA34 CA38 CA49 DA02 DA32 4J002 BC031 BC041 BC061 BC071 BC081 BC091 BC111 CH072 EA016 EB026 EB066 EU187 FD137 FD326 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂60ないし90重量部およ
    びポリフェニレンエーテル系樹脂40ないし10重量部
    を含む基材樹脂に、該基材樹脂100重量部に基づいて
    3ないし15重量部の揮発性発泡剤が含浸されている樹
    脂粒子において、前記基材樹脂100重量部に基づいて
    1ないし20重量部の臭素化芳香族トリアジン化合物が
    含有されていることを特徴とする、耐熱性難燃発泡樹脂
    粒子。
  2. 【請求項2】上記の臭素化芳香族トリアジン化合物が
    2,4,6−(トリス−2,4,6−トリブロモフェノ
    キシ)−1,3,5−トリアジンであることを特徴とす
    る、請求項1記載の耐熱性難燃発泡樹脂粒子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の耐熱性難燃
    発泡樹脂粒子を予備発泡し、続いて得られた予備発泡粒
    子を加熱発泡することにより、成形された発泡樹脂成形
    体であって、該成形体の密度が10ないし200g/l
    であることを特徴とする、発泡樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011019057A1 (ja) 2009-08-13 2011-02-17 旭化成ケミカルズ株式会社 発泡ビーズ、それを用いた成形体及び成形体の製造方法
JP2012116968A (ja) * 2010-12-01 2012-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corp 発泡ビーズ成形体及びその製造方法

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