JP2002520465A - 難燃性マイクロポーラスポリマー発泡体 - Google Patents

難燃性マイクロポーラスポリマー発泡体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性で連続気泡の高表面積のHIPE発泡体を提供する。 【解決手段】 開示されているのは、連続油相と不連続水相とを含有する高内部相油中水滴型エマルションを重合して形成されるマイクロポーラス連続気泡ポリマー発泡体であって、少なくとも約18%の限界酸素指数(LOI)値を有する発泡体である。このような発泡体は、「HIPE」として当該技術分野で一般的に知られている。発泡体は難燃剤の様々な用途を有し、たとえば絶縁における利用がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願は、耐燃焼性マイクロポーラス連続気泡ポリマー発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロポーラス発泡体の開発は、十分に商業的に関心のあるテーマである。
これらの発泡体の特性を変えて、熱的、音響的、電気的、および機械的(例えば
、クッション用)絶縁体、吸収性材料、フィルター、インクおよび染料および潤
滑油およびローション用のキャリアー、浮揚性物品作製などの用途に対して有利
になるようにすることができる。発泡体のこのような用途および特性を記述して
いる参考文献としては、Oertel, G.の「Polyurethane Handbook」(Hanser出版
社、ミュンヘン、1985)、ならびにGibson, L. J.およびAshby, M. F.の「Cellu
lar Solids. Structure and Properties」(ペルガモンプレス、オックスフォー
ド、1988)などが挙げられる。用語「絶縁体」は、一方の場所から他方の場所へ
のエネルギーの移動を低減するどんな材料をも指す。用語「吸収体」は、流体(
通常は液体、多くの場合水)を吸収および保持または分配する材料を指し、例と
してはスポンジである。用語「フィルター」は、流体(気体または液体)を通過
させ、不純物を内部に保持する材料を指す。用語「キャリアー」は、第2の物質
(通常は液体)を、その物質が個別の目的に対して必要とされて圧力によって放
出されるときまで保持する材料を指す。
【0003】 これらの用途の多くは、耐燃焼性の発泡体を必要とする。例えば、多くの建築
基準法には、発泡体絶縁体などの材料の可燃性に対する制限規定が含まれている
。同様の制限規定が、衣服または保護服で用いる絶縁体にも適用され得る。しか
し、発泡体を初めとする殆どのプラスチック材料は容易に燃える。このような材
料をこれらの用途で安全に使用するために、有機ポリマーの可燃性を抑制する種
々のアプローチが開発されている。これらのアプローチは、John Lyonsによって
著書「The Chemistry and Uses of Fire Retardants」(Robert Krieger出版社
、Malabar、フロリダ、1987)の中で広く論じられている。これらのアプローチ
には様々なものがあるが、一般に、特定のヘテロ原子(通常、塩素、臭素、リン
、ボロン、および/またはアンチモン)を含む化合物を有機ポリマー中に含有さ
せることを含んでいる。これらの化合物には、小分子、オリゴマー、およびポリ
マーが含まれる。無機添加剤も用いられ、例としては三酸化アンチモンおよび関
連する塩、ならびにホウ酸塩アニオンまたはリン酸塩アニオンを含む塩である。
従来のプラスチック材料に適用される難燃性(flame retardancy)の科学は、引
用したテキストで論じられているように、かなり良く発展している。
【0004】 意図する用途に依存して、発泡体の付加的特性が必要とされることが多い。こ
れらには、一般に1または複数の以下のものが含まれる。(1)低密度、(2)
柔軟性、(3)強度(圧縮および引張り)、(4)開口度(openness)、および
(5)形態の制御。殆どの用途においてある程度の体積が必要とされるので、低
密度発泡体の方がより効果的である。低密度発泡体は、この目的を達成するため
に必要な質量がより小さい。柔軟な発泡体は典型的に、発泡体のガラス転移温度
(「Tg」)を比較的低温に保つことによってもたらされる。強度は、より低い
Tgおよび/またはより低密度との同時発生を実現することが難しい可能性があ
るパラメーターである。強度は(密度とは独立に)、変形に対するある程度の耐
性、および変形から回復する能力たとえば弾力性を与えるような仕方で発泡体の
ポリマー鎖を結合させる架橋剤を含むことによって、最も効果的にもたらされる
。開口度および形態は、主に発泡体の形成および硬化方法によって制御される。
【0005】 高内部相エマルション発泡体またはHIPEの利点の1つは、1または複数の
上述した望ましい特性を有するように、発泡体を仕立てられることである。難燃
性をHIPE発泡体に与えることは、容易なことではない。しかし、難燃性(fl
ame retardant)で連続気泡の高表面積のHIPE発泡体であって1または複数
の以下の特性を有するものが作れることは好ましいことである。(1)発泡体に
課される他の要求と相反しない最も低い密度、(2)柔軟性、(3)強度、(4
)概ね連続気泡な構造、および(5)発泡体内部に生じる気泡のサイズを制御す
るように製造され得る能力。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性で連続気泡の高表面積のHIPE発泡体を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高内部相油中水滴型エマルションの重合によって形成される難燃性
連続気泡ポリマー発泡体であって、少なくとも約18%の限界酸素指数(Limite
d Oxygen index)(「LOI」)値を有する発泡体に関する。これらのポリマー
発泡体は、水相と油相との比が比較的高い特定の油中水滴型エマルションの重合
によって作製される。このようなエマルションは、当該技術分野において一般的
に知られており、本明細書では高内部相エマルションまたは「HIPE」と言う
。本明細書で用いる場合、このようなエマルションの重合に起因するポリマー発
泡体を、以後「HIPE発泡体」と言う。
【0008】 本発明の発泡体は、水相と油層との比(以後「W:O比」と言う)が少なくと
も約3:1である不連続水相と連続油層とを含むHIPEの重合によって作製さ
れる。水相は通常、電解質および水溶性開始剤を含む。油層は通常、フリーラジ
カルによって重合可能な実質的に水不溶性のモノマー、乳化剤、およびその他の
任意の成分たとえば相乗剤、酸化防止剤、充填剤、染料、蛍光剤、紫外線(「U
V」)吸収剤、不透明剤などを含む。モノマーは、結果として生じるポリマー発
泡体に要求される特性(典型的に、低密度、約−40℃ないし90℃のガラス転
移(Tg)、意図する最終用途に対して十分な機械的完全性(integrity)、お
よび連続気泡でマイクロポーラスな形態など)を与えるように選択することがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】
I.HIPE発泡体の特徴 本発明のHIPE発泡体は、発泡体の最終的な特性を広範囲に制御するモノマ
ーの特定の組み合わせからなる。使用するモノマーのタイプは、以下の一般的な
3つのカテゴリーに分けられる。(1)結果として生じるポリマーにおいて望ま
しいTgを保持することを助長するモノマー、(2)結果として生じるポリマー
に対して「靭性(toughness)」を与えることを助長するモノマー(本明細書に
おいては「靭性化(toughening)」モノマーと言う)、(3)結果として生じる
ポリマー内部に架橋を与えるのに有用な、一価、二価、三価、およびより高い官
能価数を有するモノマー(本明細書では架橋剤と言う)。これらの架橋は、多く
の発泡体の用途に対して要求される所望の圧縮強度または圧縮係数(modulus)
および/または弾力性を実現する上で特に重要である。強度は与えるが十分な分
子柔軟性を欠くコモノマーは、Tgを増加させる傾向にある。例としては、ジビ
ニルベンゼン、レベルが高いほどポリマーの強度を増加させ得るがTgも増加さ
せる架橋剤が挙げられる。Tgは通常、どんなポリマーの用途に対しても重要で
ある。用途によっては比較的高いTgが要求され得るが、多くの用途においては
ある程度の柔軟性が必要とされ、柔軟性にはより低いTgが必要である。一般に
、より低いTgは、より高いTgよりも、配合(formulation)によって達成す
ることが難しい。また、HIPEから得られる発泡体に関しては、Tgが非常に
高い(>100℃)発泡体の場合には、脱水プロセスが著しく複雑になり得る。
【0010】 場合によっては上述したモノマータイプの全てを用いる必要はないことが分か
るであろう。実際、難燃性を与えるモノマーを共重合して所望の発泡体を形成す
る本発明の好ましい実施形態においては、カテゴリー(1)および(2)の別個
のモノマーを用いる必要はないかも知れない。このような実施形態においては、
難燃性を与えるモノマーは、Tgを保持するとともに不可欠な靭性をもたらす機
能も果たし得る。
【0011】 II.難燃性 本発明のHIPE発泡体は難燃性ポリマー発泡体である。材料の難燃性を測定
する技術が、限界酸素指数技術(以後「LOI」と言う)である。この技術は後
で詳述する。難燃性を測定する他の技術が知られているが、「難燃性」ポリマー
発泡体は、本明細書で言及するときには、少なくとも約18%のLOI値を有す
る。ポリマー発泡体に関しては、用語「難燃性」は、本明細書で用いる場合、発
泡体それ自身を指す。添加剤、成分、要素、薬品、モノマー、ポリマーなどに関
しては、用語「難燃性」は、本明細書で用いる場合、添加剤などがポリマー発泡
体に難燃性を与える能力を指す。このような難燃性添加剤などは、本明細書では
「難燃性付与材料」とも言う。
【0012】 難燃性添加剤は、多くのポリマータイプとの使用に対して広く市販されている
。一般的に、難燃性を与える材料は、臭素、塩素、リン、アンチモン、および/
またはボロンなどの元素、ならびにそれほど多くの場合ではないが、シリコン、
アルミニウム、イオウ、およびセレンなどの元素を、プロセスの都合の良い何れ
かの段階でプラスチック中に取り入れられる安定な分子中で用いる。しかし、本
発明のHIPE発泡体に難燃性を与えることは、容易ではない。例えば、スタイ
ロフォームTMのようなポリスチレン発泡体とは違って、本発明の発泡体は熱可塑
性ではない。従って難燃性添加剤を、発泡体形成前の溶融相に含有させてはいけ
ない。同様に、例えばブローされたポリウレタン発泡体とは対照的に、これらの
難燃性付与材料を、発泡体構造を形成するためにガスブローされる出発有機相に
単に含有させることはしてはいけない。
【0013】 HIPE発泡体の製造中に難燃性付与材料を含有させることは、乳化前、乳化
後であるが重合前、またはすでに形成された発泡体の後処理によって行わなけれ
ばならない。乳化前に油相または水相に含有させることは、重合の間じゅうエマ
ルションの安定性を維持する必要性、フリーラジカルの重合と共存する必要性、
および結果として生じる発泡体の所望する機械的特性に対するわずかな影響をも
避ける要求によって、制約される。また難燃性付与材料は、それ自体が、このプ
ロセスの間じゅうその基本機能を損なわずに存続しなければならない。また重合
前にエマルションへ添加することは、エマルションの至るところで比較的効果的
な分散を保証しながらエマルションの安定性を維持するように、行わなければな
らない。完成した発泡体への付与によって含有させることは、十分均一な付与を
保証するように所望の薬品を添加することに適した方法を必要とする。HIPE
発泡体に適用されるプロセスの多くは、スケールの点で非実用的であり得る。ほ
とんどの難燃性添加剤は水不溶性であり、何らかの有機溶媒中の溶液として付与
するか、または別個のエマルションによって付与することが必要である。従って
3つのアプローチはすべて、典型的に実現可能で本発明の範囲内ではあるが、製
造の仕様およびスケールに依存して限定され得る。
【0014】 これとバランスして、難燃性付与材料を乳化前に油相へ含有させることは、最
も実用的であることが分かっている。しかしこれは、前述のパラグラフで述べた
理由のいくつかによって、利用でき得る難燃性添加剤の範囲を限定する。一般に
、臭素、塩素、ボロン、および/またはリンの元素を含み、実質的に水不溶性で
あり、さらにフリーラジカル重合の間じゅう実質的に不活性であるポリマーおよ
び小分子のような有機化合物が、この点について有用性があることが分かってい
る。油相へ含有させることが多くの場合最も実用的であるが、所望するレベルの
難燃性を与えながらHIPE発泡体に要求される他の特性を実現するように、上
述した一般的な方法のどんな組み合わせを用いても良い。
【0015】 難燃性処理は、他の方法では都合よく補償できないような仕方で発泡体の熱機
械特性を不適当に変えてはならない。例えば、Tgを低減するモノマーとしてア
ルキルアクリレート基を除外すると(これは後述するように好ましい)、低Tg
発泡体の製造が比較的難しくなる。特にリン酸エステルを油相中に(または形成
後の付与によって)含有させると、可塑化によって発泡体のTgが低下し得る。
この効果は、Tg靭性化モノマーまたは架橋モノマーたとえばスチレンまたはジ
ビニルベンゼン(「DVB」)をより多く含有させることによって、比較的容易
に抑止される。
【0016】 難燃性付与材料の具体的な性質は、Lyons(上述)で論じられているように大
きく変化する。通常、難燃性添加剤は、ある程度のレベルのハロゲン(好ましく
は臭素または塩素)、リン(多くの場合、アルキルリン酸エステルとして)、ボ
ロン、および/またはアンチモンを含有する。難燃性添加剤は多くの場合、例え
ばハロゲン(Cl)およびリン(P)の両方を含有するトリス[1,3ジクロロプ
ロピル]リン酸塩のように、これらの元素のうち2つ以上を含有し得る。アンチ
モンは、一般に可溶性が低い無機塩である三酸化アンチモンとして最も多く用い
られる。この塩は、他の難燃剤(flame retardant)(特にハロゲンを含むもの
)に対する相乗剤として主に働くことが分かっている。理論に拘束されるわけで
はないが、このアジュバントは難燃剤に由来する存在するハロゲンと反応して、
アンチモントリハライドをその場で(in situ)生成すると考えられる。相乗剤
たとえばアンチモン化合物の使用については、後に詳述する。
【0017】 難燃性のメカニズムは全ての面で理解されているわけではないが、難燃剤が原
因となって、加熱されるポリマー上方の気相中でラジカルが発生すると考えられ
る。そしてこれらのラジカルは、燃焼それ自体によって生成されて存在するより
反応性の高いラジカルと結合し得る。このことは、白熱する気相中のより反応性
の高い成分を抑制する役目を果たし得るため、温度を下げ、従って白熱を消す。
難燃性の有機ポリマーは、加熱時に必ずしもより安定であるわけではなく、多く
の場合、炭になり(これは好ましくは燃焼を抑制し得る特徴である)、および/
または過剰な煙を発散させる。しかしこれらのプロセスは典型的に、熱、火花、
火炎、輻射エネルギーなどによって生じた燃焼を伝播または広げることに寄与し
ない。上述したように、可燃性が抑制されているポリマーは、解重合せず、また
揮発性で可燃性のガス(解重合されたモノマー)をポリマー上方の空気中に発生
させないように、加熱時に比較的高いレベルの安定性を有することが好ましい。
解重合は多くの場合、ポリマー(またはコポリマー)の天井温度Tcと関係して
いる。一般に、主鎖に分岐を有するポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチル
、またはポリ(α−メチルスチレン))は、比較的低い天井温度を有する。この
ことは一般に、これらのモノマーによって作られるコポリマーにも及ぶ。天井温
度が低い(コ)ポリマーは可燃性を抑制することがより難しいことが、一般に分
かっている。従って、これらのようなモノマーは避けることが好ましい。アルキ
ルアクリレートたとえば2−エチルヘキシルアクリレート(「EHA」)は、特
に低いTc値を有しているとは知られていないが、本明細書で述べたHIPE発
泡体の可燃性を低減する試みを困難にすることが、本発明の開発の中で分かって
いる。例えば、アルキルアクリレートを含有するHIPE発泡体は、所望するレ
ベルの難燃性を実現するために、通常、どんなタイプの難燃性添加剤であっても
より高いレベルを必要とする。このモノマータイプは他のタイプと入れ替えるこ
とが、Tgを下げる機能を果たすだけでなく可燃性も下げ、有益である。
【0018】 以下、本プロセスの主要な側面(例えば、硬化、乳化、特性開発など)を損な
わずに難燃剤成分をHIPE発泡体へ与え得る種々のモードを論じる。
【0019】 A.難燃性を与えるモード i)共重合性モノマー 難燃性付与材料を含有させる最も好ましい方法は、HIPEの油相中に含有さ
れる共重合性モノマーとしてである。これには、フリーラジカル重合で他のコモ
ノマーと反応するモノマーであって、以下の元素のうち少なくとも1つを含有す
るモノマーが含まれる:Cl、Br、P、B、またはSb。当業者に良く知られ
ているように、重合を必要とすることは、少なくとも1つの反応性二重結合の存
在を必要とする。難燃性添加剤を共重合することによって、ポリマー発泡体が実
際の火炎状態の間に加熱されるときに難燃剤の揮発が早すぎてしまうことが避け
られる。難燃剤が、点火直前の火炎の熱によって撃退されてしまうと、点火温度
に達したときに存続する難燃剤の機能は殆どまたは全くないことが明らかである
。また、用途によっては(例えば有機溶剤にさらす場合など)、共有結合してい
ない難燃剤が発泡体から抽出される場合があり、やはりその機能がなくなる。さ
らに用途によっては、発泡体が環境熱条件たとえば自動車内部にさらされる場合
があり、難燃剤の揮発につながる場合がある。
【0020】 ブローされたポリウレタン発泡体を作るのに用いる重合性難燃性付与材料の例
が、WO97/44368(WillkommおよびHinze、1996年5月23日に出願)に与えられてい
る。しかし、これらの難燃性添加剤は縮合重合に対してのみ機能するため(例え
ばポリウレタン形成の場合に象徴される)、HIPE発泡体には適していない。
実質的に水不溶性で、フリーラジカル重合を妨げず、フリーラジカル重合によっ
てHIPE発泡体のネットワーク内に取り入れられる難燃剤モノマーの限定を意
味しない例としては、以下のものが挙げられる。2−クロロ−1,3−ブタジエ
ン(以後、「クロロプレン」)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(以後
、「ジクロロプレン」)、クロロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリク
ロロスチレンの異性体、オクタクロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレ
ートおよびペンタブロモフェニルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロ
モスチレンおよびトリブロモスチレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアク
リレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3
−ブタジエン(以後、「ブロモプレン」)、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジ
エン(以後、「ジブロモプレン」)、3−6−ジクロロ−1、3、7−オクタト
リエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビニルジフェニルホスフェート、トリ
ス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビ
ニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、2,3−ジブロモブタン−1,4−
ジオールジアクリレート、クロロジビニルベンゼン、一般的な臭素化されたアル
キルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレートおよびテトラア
クリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルアミドおよびメクリ
ルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、ならびに塩素化さ
れたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレートおよび
テトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルアミドおよ
びメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、その他の
ハロゲン化スチレニクス(styrenics)、および不可欠な反応性二重結合と難燃
剤元素とを有する関連する化合物。
【0021】 上述したこのような重合性難燃性付与材料または難燃剤モノマーを、数パーセ
ントを上回るレベル(十分な有効性のために通常必要とされる)で含有すること
は、ポリマーの熱機械特性に対して著しい効果を有し得る。例えば、4−クロロ
スチレンのようなモノマーを添加することは、所望する低いTgを維持するため
の配合内のその他のモノマー(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(EH
A))のレベルが下がることを必然的に伴う。その結果、難燃性は良好であるが
熱機械特性は最終用途および/またはプロセスにとって望ましい特性の外側にあ
る発泡体となり得る。この場合には、結果として生じる発泡体のTgを下げる働
きもする難燃剤モノマーを含有させることが非常に望ましい。このようなタイプ
の例としては以下のものが挙げられる。クロロプレン、ブロモプレン、ジクロロ
プレン、ジブロモプレン、およびかなり長いアルキル鎖を有する(典型的に、エ
ステル部位(moiety)に結合する鎖に少なくとも4つの炭素を有する)臭素化さ
れたアルキルアクリレート。特に好ましい例は、クロロプレンおよびジクロロプ
レンである。
【0022】 ii)非共有的にブレンドされたポリマー 他の好ましい方法は、非共有的にブレンドされたポリマーをエマルション中に
含有させることである。これらのポリマーは、乳化前に油相中に含有され、元素
Cl、Br、P、B、またはSbのうちの1または複数を含む互いに別個のポリ
マーである。このようなポリマーは、重合工程の間は基本的に不活性であり、共
有結合せずにポリマーネットワークを形成する。ある種類のポリマー中に分散す
る他の種類のポリマーの溶解性は通常良好ではないため、これらのポリマーは多
くの場合に相分離して、比較的純粋にブレンドされた他のポリマー内に領域を形
成する。ポリマーは一般に非揮発性であるため、このアプローチによって、ポリ
マーシステムが加熱されたときの難燃性添加剤の早すぎる揮発も回避される。し
かし、未反応ポリマーは典型的に、結果として生じる発泡体の機械特性だけでな
くポリマーネットワーク内に共有的に取り入れられる反応性モノマーも増加させ
ないため、このアプローチはそれほど能率的ではない可能性がある。また油相中
のポリマー溶液は、その油相の粘度を不適当に増加させて、油相を乳化不可能に
する可能性がある。この理由のために、油相中の懸濁された不溶性の架橋ポリマ
ーが好ましくあり得る。このようなポリマーの限定を意味しない個々の例として
は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、臭素化されたポリスチレン、ポリ臭
化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリジビニルフェニルリン酸塩、ヘキサクロロ
アンチモン酸塩またはリン酸塩またはホウ酸塩などのような対イオンを有するジ
エチルポリエチレンイミンのような第四級アンモニウム塩のポリマーが挙げられ
る。
【0023】 他の例は、米国特許4,164,522(Gibbs、1979年8月18日に付与)、および米国
特許4,186,156(Gibbs、1980年1月29日に付与)で言及されている。両文献とも
本明細書において参照により取り入れられている。
【0024】 iii)非ポリマー難燃性添加剤 非ポリマー難燃性付与材料には、最も広く市販されるクラスの一般的な難燃性
添加剤が含まれる。典型的な例が、Albright & Wilson of Richmond(バージニ
ア)、Dover Chemical of Dover(オハイオ)、Albemarle Chemical of Baton R
ouge(ロスアンゼルス)、Laurel Chemical of Cleveland(オハイオ)、および
Akzo Nobel of Dobbs Ferry(ニューヨーク)のような企業から出されるパンフ
レットに記載されている。市販されるタイプには、広範囲の臭素化された脂肪族
化合物および塩素化された脂肪族化合物などがある。これらは、例えば、クロロ
ワックス(ChloroWax)TM、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロ
モジフェノキシベンゼン、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモエチルジブロ
モシクロヘキサン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、ジブロモネ
オペンチルグリコール、臭素化ポリスチレン、およびヘキサブロモシクロドデカ
ン、リン酸エステルおよびホスホン酸エステルたとえばトリス[1,3−ジクロ
ロプロピル]リン酸塩およびビス(2−クロロエチル)2−クロロエチルホスホ
ン酸塩、およびホウ酸エステルである。これらの難燃性付与材料と本発明の発泡
体とを一緒にすることは、都合が良いと分かっているどんな方法を用いて行って
も良い。これらの材料を不活性な共成分(coingredients)として油相または水
相中に含有させても良いし、形成されたエマルションに付与しても良いし、重合
した後に付与しても良い。重合した後の付与は、例えば何らかの洗浄プロセスの
間に、発泡体上へのスプレイングによって、発泡体中へのバシング(bathing)
によって、発泡体上への噴霧によって、または凝縮蒸気の形態での堆積によって
行うことができる。添加方法の何れかの組み合わせも有効であり得る。
【0025】 iv)無機塩 このクラスには、Cl、Br、P、BまたはSbの元素のうちの1または複数
を含む実質的な無機イオン種が含まれる。このような材料を、乳化前の水相中の
電解質として用いることができる。このような材料の他の使用方法は、種々の方
法たとえばスプレイング、浴を用いて導入した後に乾燥、発泡体中に存在する他
の塩とのイオン交換、蒸気相堆積、酸の中和などによって、これらの材料を発泡
体へ付与することである。限定を意味しない個々の例としては、酒石酸カリウム
アンチモン、カプロン酸アンチモン、アンチモントリエトキシド、リン酸アンチ
モン、アンチモンヘキサハライド含有塩、三硫化アンチモン、ホウ酸アンチモン
、リン酸アンモニウム(ポリリン酸アンモニウムたとえばピロリン酸アンモニウ
ムおよびトリポリリン酸アンモニウムおよびヘキサメタリン酸アンモニウムを含
む)、ホウ酸アンモニウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウ
ム、ホウ酸カルシウム、テトラクロロフタル酸カルシウム、ホスフィン酸エチル
ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、およびこれらのアニオンまたは関連するアニオ
ンと何れかのタイプの好適なカチオンとの他の組み合わせが挙げられる(例えば
、一般に上述した例のカルシウムの代わりにマグネシウムを用いても良い)。
【0026】 これらの例のいくつかを付与する好ましい方法の1つとしては、塩化カルシウ
ム(これは、エマルションの水相内部に存在する好ましい電解質であり、重合さ
れた発泡体に対して残る)と、所望する対イオンを有する可溶性ナトリウム塩と
のイオン交換が挙げられる(所望する対イオンは、交換されるカルシウム対イオ
ンと一緒に溶解しない)。例えば、残留する塩化カルシウムを含有する発泡体を
、水溶性ホウ酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムを用いて洗浄して、水洗浄の
間発泡体に対して独立する不溶性カルシウム塩を生成しても良い。
【0027】 v)HIPE発泡体の化学的改質 このプロセスとしては、HIPE発泡体を化学的に改質して難燃性を付与する
ことなどが挙げられる。このプロセスは、全てのHIPE発泡体に対して一般的
であるが、1,4−重合を経るジエンを用いて作製されそのため重合後に発泡体
中に残留二重結合を残すHIPE発泡体に対して、最も実用的であることが分か
っている。典型的なジエンには、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、クロロ
プレン、ジクロロプレン、1,3,7−オクタトリエン、ブロモプレン、ジブロ
モプレン、および関連する化合物たとえば米国特許5,767,168(Dyerら、1998年6
月16日に付与)に開示されたものなどがある。この文献は本明細書において参照
により取り入れられている。これらの発泡体をハロゲンたとえば臭素にさらして
、二重結合を臭素化しても良い。水中のハロゲンにさらすことによって、典型的
にハロヒドリンが形成される。ジクロロカルベンおよび/またはジブロモカルベ
ンにさらすと、二重結合に架かる添加によって、結果としてジクロロ−またはジ
ブロモ−シクロプロピル誘導体が形成される。これは、クロロホルム、水酸化ナ
トリウム、テトラ−n−ブチル塩化アンモニウム(またはその他の相間移動触媒
−PTC)、および水との混合物(二重結合に架かって添加されるジクロロカル
ベンを提供する)と組み合わせることによって都合良く行うことができ、発泡体
の塩素含有量を増加させることができる(同様な例であるRamesan, M. T.および
Alex, R. のJ.Appl. Polym. Sci.1998, 68, 153-160(本明細書において参照に
より取り入れられている)、およびDyer, J. C.の博士号学位論文(ノースカロ
ライナ大学、Chapel Hill, 1980)を参照されたい)。一般に、発泡体を改質し
てCl、Br、B、P、またはSbの含有量を増加させることができる当業者に
知られるどんな技術も、有効であり得る。形成された発泡体にハロゲンたとえば
Brおよび/またはClを添加する例においては、三酸化アンチモンを存在させ
ることも通常好ましく、これは、発泡体が形成された後に付与することによって
か、または何れかの事前の乳化工程において含有させることによってか、または
形成されたエマルションへ混合およびその後の硬化によって付与することによっ
て行うことができる。
【0028】 B.相乗剤 特定の薬品によって、ポリマー中に存在する特定の難燃剤の有効性が高まるこ
とが分かっている。このような材料は相乗剤と呼ばれ、本発明のHIPE発泡体
において好ましい成分であることが多い。相乗剤の最も好ましい例は、三酸化ア
ンチモン(経験的に、殆どのテキストにおいてSb26として示される)である
。三酸化アンチモンを、乳化前の油相中に懸濁された不溶性化合物として含有さ
せることが好ましいことが分かっている。用いる三酸化アンチモンは、粒子の懸
濁を促進するように非常に細かく砕かれたグレードであり、たとえばLaurel Che
micals(クリーブランド、オハイオ)から販売されている。
【0029】 これらの相乗剤は、概略的に上述したタイプの他の難燃性付与材料とともに用
いたときに、油相中に典型的に油相の約0.5重量%ないし約10重量%、より
典型的に約1重量%ないし約5重量%、最も典型的に約3重量%のレベルで含有
させる。相乗剤について述べたこれらのレベルを、ポリマー発泡体に含有される
難燃剤化合物のレベルにさらに加えることに注意することは重要である。しかし
相乗剤を発泡体に付与すると、所定のレベルの難燃性を与えるのに必要な難燃性
添加剤の量は著しく低減する。
【0030】 C.限界酸素指数(LOI) 本発明の発泡体の重要なパラメーターはLOIである。材料の可燃性を測定す
るこの技術は、Horrocks, A. R.およびTune, M.; Price, D.による「The Burnin
g Behavior of Textiles and its Assessment by Oxygen-Index Methods」(Tex
tile Progress, Vol. 18, Number 1/2/3, The Textile Institute, Manchester,
UK, 1989)、および上記「The Chemistry and Uses of Fire Retardants」に概
略的に記載されている。典型的に、このテストにおいては、材料のサンプルを垂
直に吊り下げて、酸素富化(例えば約30%の分圧まで)された雰囲気中で燃や
す。システムの酸素レベルが徐々に減り、消化が起きる時点を記録する(終了点
は、種々の実験によって様々に規定され得る。本発明の目的の場合には、ASTM D
-2863に記載された方法を用いる。)高いLOI値は、現場条件において材料の
燃え方が良好ではないだろうということを示す。LOIは、熱、光、火花、電流
、燃えているタバコの灰などを適用した結果である材料の可燃性に関係せず、ま
た加熱または燃焼の間に生成されるガスの毒性または量も評価しない。しかし、
LOIは可燃性の定量的な実験室測定量であり、難燃性の主要な表示として広く
用いられるようになってきている。
【0031】 本発明の目的においては、LOI値が少なくとも約18%、好ましくは少なく
とも約21%、より好ましくは少なくとも約23%、最も好ましくは少なくとも
約25%のときに、HIPE発泡体が難燃性であると考える。典型的に、発泡体
は、LOI値が約18%ないし約35%、より典型的には約21%ないし約30
%である。一般的に、LOIが約21%を上回る材料は、火炎源を取り除いた後
、助けを受けることなく消える。サンプルは、非常に高温の環境たとえば火炎中
で受ける環境の中に保持すれば燃え続けるかも知れない。また材料は、白熱光さ
え伴わずにある程度の間くすぶるかも知れない。従って、より高いLOI値が、
建設材料、衣服、寝具家具などに、安全のために要求されることが多い。場合に
よっては、好ましく高いLOI値を実現することは、他の重要な発泡体特性(後
述)を実現することと抵触する。この場合、全体としてベストな妥協を得るため
に、LOIはより低い方が好ましい場合があり得る。
【0032】 III.その他の発泡体特性 本発明のポリマー発泡体は、比較的連続気泡である。これは、発泡体の個々の
気泡が、隣接する気泡と完全な妨害されない連絡をすることを意味する。このよ
うな実質的に連続気泡である発泡体構造の気泡は、発泡体構造中で1つの気泡を
他の気泡と接続する気泡間の開口または「窓」を有する。
【0033】 これらの実質的に連続気泡の発泡体構造は、通常、網状の特徴を有し、個々の
気泡は、相互に接続された3次元状に分岐する複数のウェブによって規定される
。これらの分岐されたウェブを構成するポリマー材料のストランドは、「壁体」
と呼ぶことができる。ここで用いる場合、発泡体構造中のサイズが少なくとも1
μmである気泡のうち少なくとも80%が、少なくとも1つの隣接する気泡と開
口を通して連絡するとき、発泡体材料は「連続気泡」である。これは、発泡体の
SEM検査によって測定することができる。
【0034】 これらのポリマー発泡体は、通常、液体が発泡体を通過することを妨げるため
に疎水性であるか、または発泡体中への液体の吸収を促進するために親水性であ
り得る。発泡体構造の内面の疎水性/親水性特性は、重合後の発泡体処理方法に
よって制御される。ここで用いる場合、用語「親水性」は、そこに堆積した液体
によって濡れることができる表面を指すために用いる。親水性および濡れやすさ
は典型的に、関係する流体および固体表面の接触角および表面張力で規定される
。このことは、Contact Angle. Wettability and Adhesionという表題のAmerica
n Chemical Societyの刊行物(Robert F. Gould編)(著作権1964)で、詳細に
論じられている。この文献は本明細書において参照により取り入れられている。
流体と表面との間の接触角が90°未満であるか、または流体が表面上に自然に
広がる傾向にあるときに(両方の状態は普通共存する)、表面は流体によって濡
れている(すなわち親水性である)と言われる。逆に、接触角が90°を上回り
、かつ流体が表面上に自然に広がらないときに、表面は「疎水性」であると考え
られる。
【0035】 本発明のHIPE発泡体は、それぞれの具体的な用途において好ましい特性を
与えるように容易に最適化される。例としては、これらの発泡体は、微孔質(<
10μm)から中程度の気泡径(約150μm)まであり得るし、低密度(0.
10g/cc)から非常に低密度(0.004g/cc)まであり得るし、堅い
ものから柔軟なもの(高Tgから低(周囲温度未満の)Tgに対応する)まであ
り得るし、また強いものから弱いものまであり得る。発泡体を、その最終用途に
対する要求に応じて、連続シート、堅くて厚い板、種々のサイズの微粒子、特定
の形状などで提供しても良い。しかし最適化されると、これらの発泡体は、当該
技術分野における従来のHIPEでは達成されない顕著なレベルの難燃性を示す
。また、これらの発泡体は、製造中にクロロフルオロカーボン(「CFC」)も
揮発性有機化合物(「VOC」)も全く必要とせず、通常、光安定性を有し、ス
ラブストック、ロールストック、粒子状発泡体などとして経済的に妥当に容易に
大量生産可能である。
【0036】 A.ガラス転移温度 典型的に、本発明の発泡体の重要なパラメーターは、ガラス転移温度(Tg)
である。Tgは、ポリマーのガラス状およびゴム状状態の間の転移の中間点を表
わす。使用温度よりも高いTgを有する発泡体は、非常に強くあり得るが、非常
に堅くて潜在的に割れやすい可能性もある。また、このような発泡体は典型的に
、圧縮状態で長期間貯蔵された後、膨張状態に回復するのに長時間を要する。個
々の発泡体の最終用途は、その発泡体の好ましいTgを決める場合に重要な要因
であるが、好ましくは、Tgが約−40℃ないし約90℃、より好ましくは約0
℃ないし約70℃、最も好ましくは約10℃ないし約50℃の発泡体である。動
的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis)(DMA)によってTgを測定する方
法が、米国特許5,753,359(Dyerら、1998年5月19日に付与)のテスト方法セクシ
ョンに記載されている。この文献はここでおよび以下において参照により取り入
れられている。
【0037】 B.発泡体密度 本発明の発泡体の重要になる可能性のある他の特性は、その密度である。「発
泡体密度」(すなわち、空気中における発泡体体積1cm3当たりの発泡体のグ
ラムで示す)は、別に示さない限り、本明細書では乾燥ベースで示す。発泡体構
造の単位体積当たりの固体発泡体材料の質量を測定するどんな好適な重量測定方
法も、発泡体密度を測定するために用いることができる。例えば、米国特許5,38
7,207(Dyerら、1995年2月7日に付与)(この文献は本明細書において参照によ
り取り入れられている)のテスト方法セクションにおいてより十分に説明されて
いるASTM重量測定方法は、密度測定に使用できる方法の1つである。発泡体
は、空気の密度を下回る密度から、発泡体が作られるポリマーのバルク密度をわ
ずかに下回る密度まで、実質的にどんな密度で作っても良いが、本発明の発泡体
は、膨張状態における乾燥密度が約250mg/ccを下回るとき、一般的に約
80ないし約12mg/ccのとき、より一般的に約50ないし20mg/cc
のときに、最も有用である。正確な好ましい値は、考慮する用途の性質に依存し
、これらの範囲内で変わり得る。
【0038】 C.気泡サイズ 発泡体気泡、特に、比較的モノマーの無い水相液滴を囲むモノマー含有油相の
重合によって形成される気泡は、形状が実質的に球形であることが多い。このよ
うな球形気泡のサイズまたは「直径」は、発泡体を一般的に特徴づけるために普
通使用されるパラメーターである。与えられたポリマー発泡体のサンプル中の気
泡は必ずしもほぼ同じサイズというわけではないため、平均気泡サイズ、すなわ
ち平均気泡直径が特定される場合が多い。
【0039】 発泡体の平均気泡サイズを測定するために、多くの技術が利用可能である。し
かし、発泡体の平均気泡サイズを測定する最も有用な技術として、発泡体サンプ
ルの走査型電子顕微鏡写真に基づく簡単な測定が挙げられる(図1を参照)。
【0040】 本明細書において示される気泡サイズ測定値は、発泡体の数平均気泡サイズに
基づく(例えば図1に示す)。本発明の発泡体は、数平均気泡サイズが一般に約
150μm以下、より一般には約10ないし100μm、最も一般には約15μ
mないし約35μmである。発泡体のその他の特徴と同様に、与えられた発泡体
に対する平均気泡サイズは、その予想される最終用途によってある程度影響され
る。例えば、断熱に関係する用途では、システム内部の熱エネルギーの放射伝達
の重大さを減らすために、比較的小さめの気泡が望まれる。ろ過に関係する用途
では、フィルターに対する要求に依存して気泡サイズは変化する。
【0041】 D.降伏応力 降伏応力は、特定の温度および歪み速度(圧縮モード)において発泡体に対し
て行う応力−歪み実験で測定する。降伏応力は、応力歪み曲線の線型な弾性領域
からプラトー領域へ移行するときの応力である。降伏応力は、関心のある温度に
おけるポリマー発泡体の一般的な強度特性を示す。多くの用途に対して、与えら
れた発泡体密度およびTgにおいて降伏応力の値は高い方が好ましい。本発明の
発泡体は、好ましくは降伏応力値が少なくとも約0.25psi、好ましくは少
なくとも約0.50psiである。
【0042】 IV.発泡体の用途 本発明のポリマー発泡体は多くの最終用途を有する。例えば、発泡体を、吸収
性材料(特に液体たとえば尿またはメンスに対する)として作製しても良い。こ
のような発泡体は、例えば以下の文献に記載されるHIPE発泡体と同様の構造
的特徴を有するように作製する。米国特許5,650,222(DesMaraisら、1997年7月2
2日に付与)、同時係属中の米国特許出願08/542,497(Dyerら、1995年10月13日
に出願)、米国特許5,387,207(Dyerら、1995年2月7日に付与)、米国特許5,550
,167(DesMarais、1996年8月27日に付与)、および米国特許5,563,179(DesMara
isら、1996年10月8日に付与)。各文献は本明細書において参照により取り入れ
られている。このような吸収性発泡体は、吸収性用品たとえば幼児用おむつ、女
性用衛生用品(たとえばタンポン、月経パッド)、成人用失禁用品、および同類
のものたとえば上述の同時係属中の特許出願および付与された特許に記載された
ものに、含有させても良い。
【0043】 本発明の発泡体の難燃性の態様によって、この発泡体を、この特徴が欠けてい
た場合よりも広い範囲で用いることができる。例えば、これらの発泡体を、家具
および寝具類(マットレス、内部スプリング、枕)において、それぞれの弾性部
分の一部として用いても良い。発泡体を、自動車、汽車、飛行機、ボートなどの
シートクッションで用いても良い。また発泡体を、絶縁体として有用であるよう
に作製しても良い。このような発泡体は、米国特許5,633,291(Dyerら、1997年5
月27日に付与)および米国特許5,770,634(Dyerら、1998年6月23日に付与)(両
方とも本明細書において参照により取り入れられている)に記載された発泡体と
同様な構造的特徴(たとえば気泡サイズ、密度、Tg)を有する。家具および衣
類においてだけでなく、絶縁材料に対する特定の建築基準法を満たすために、難
燃性が要求される。また発泡体(親水性処理された)を、難燃性が重要な外科手
術室における吸収性ドレープとして用いても良い。発泡体を、難燃性が利点とな
り得る空気または油用のフィルターまたは複合フィルターの構成要素として用い
ても良い。難燃性HIPE発泡体のその他の一般的な用途の例としては、以下の
ものが挙げられる。無用の音響周波数を鈍らせるための拡声器エンクロージャー
での使用、音響エネルギーを吸収するための潜水艦船体での使用、寝具類マット
レス、マットレスカバー、枕、毛布などでの使用、保護服たとえば消防士が断熱
として着用するものにおける使用、熱さまたは冷たさから保護する手袋での使用
、絶縁容器たとえばクーラーでの使用、自動車、汽車、および飛行機での防音材
または断熱材としての使用ならびにこのような乗り物のクッションでの使用、食
品を保護するポーチでの使用、敏感な品物を機械的衝撃から保護する運送用コン
テナでの使用、ガスタンクおよび燃料タンクおよびパイプラインでの使用、空気
用フィルターまたは特に可燃性液体用フィルターとしての使用、天井タイルでの
使用、インク、染料、潤滑油、ローション用のキャリアーおよび商品に浮力を持
たせるためのキャリアーでの使用。
【0044】 V.難燃性ポリマー発泡体の作製 A.概論 本発明のポリマー発泡体は、HIPEの重合によって作製する。HIPEを形成
するために使用する水相および油相の相対量によって、結果として生じる発泡体
の密度が決まる。結果として生じるポリマー発泡体の機械的特性および性能特性
に対して、密度が他の多くのパラメーターの中で重要である。エマルション中の
水と油との比は、気泡サイズおよび発泡体を構成する壁体の寸法にも影響を与え
得る。HIPE発泡体を作製するために用いるエマルションは、通常、水相の容
積対重量比(volume to weight ratio)と油相の容積対重量比とが、少なくとも
約3:1、好ましくは少なくとも約12:1である。典型的に、容積対重量比は
、約12:1ないし約85:1、より典型的には約20:1ないし約50:1で
ある。
【0045】 LOI値が少なくとも約21%のこれらのポリマー発泡体を得るプロセスは、
以下の工程を含む。
【0046】 (A)以下の(1)ないし(4)から油中水滴型エマルションを形成する工程
、 (1)以下の(a)および(b)を含有する油相、 (a)油相の約80重量%ないし約98重量%の、以下の(i)ないし(
iv)を含有するモノマー成分、 (i)モノマー成分の約0重量%ないし約90重量%の、Tgが約40
℃以下のホモポリマーを形成できる実質的に水不溶性の単官能モノマー、 (ii)モノマー成分の約0重量%ないし約70重量%の、スチレンが
示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることができる実質的に水不溶性の単官能コモ
ノマー、 (iii)モノマー成分の約5重量%ないし約50重量%の、ジビニル
ベンゼンおよびその類似体からなる群から選択される第1の実質的に水不溶性の
多官能架橋剤、 (iv)モノマー成分の約0重量%ないし約20重量%の、ジオールの
ジアクリレートおよびジメタクリレートならびにその類似体からなる群から選択
される第2の実質的に水不溶性の多官能架橋剤、 (b)油相の約2重量%ないし約20重量%の、油相に可溶性であって安
定した油中水滴型エマルションの形成に適した乳化剤成分、 (2)水相の約0.1重量%ないし約20重量%の水溶性電解質を含む水相
、 (3)少なくとも約3:1の、水相の容積対重量比と油相の容積対重量比水
相との比、 (4)エマルションは、ポリマー発泡体に難燃性を与える1または複数の成
分を含み、前記1または複数の成分は、油相全体の少なくとも約5重量%のレベ
ルで含まれている、 (B)油中水滴型エマルションの油相中のモノマー成分を重合して、ポリマー
発泡体を形成する工程。
【0047】 用語「単官能」は、本明細書で用いる場合、1つの重合性部位を指す。用語「
多官能」は、本明細書で用いる場合、複数の重合性部位を指す。
【0048】 ポリマー発泡体を、その後に繰り返して洗浄および脱水して、乾燥した疎水性
発泡体を得ることができる。その代わりに、多くの親水化剤(たとえば塩化カル
シウムおよび同様の塩、HIPEの安定化に用いた残留した乳化剤、および当業
者に良く知られたその他の湿潤剤)の何れかを用いた適切な表面処理によって、
発泡体を親水性にしても良い。親水化処理は、米国特許5,387,207(Dyerら、199
5年2月7日に付与、特に第22欄ないし第24欄を参照)に記載されている。こ
の文献は本明細書において参照により取り入れられている。一定の塩の存在は、
それ自体がある程度の難燃性を付与できるので、塩を発泡体にそのまま存在させ
ておくことが好ましくあり得る。塩の例の限定を意味しないリストには、リン酸
アンモニウム、リン酸カルシウム、ヘキサクロロアンチモン酸カルシウム、ヘキ
サブロモアンチモン酸カルシウム、テトラフルオロホウ酸カルシウム、塩化カル
シウム、リン酸カルシウムアンモニウム、ホウ酸カルシウム、およびこれらの塩
の他のIA族およびIIA族の類似体が含まれる。残留する塩化カルシウムは、
全ての場合において好ましいとは限らない親水性および金属腐食に関係すること
が多い。しかし、この塩の水和の保有された水は、難燃性に寄与する。実際には
、エマルション中に用いられている塩を取り除くための何らかの洗浄工程におい
て、これらの塩を加えても良い。このような洗浄工程には、洗浄水溶液の一部と
して可溶性ナトリウム塩を用いた処理によって、乳化で用いた可溶性塩化カルシ
ウムを他のカルシウム塩に転化させるシンプルなイオン交換が含まれていても良
い。この工程の次に熱乾燥(後述)を行えば、加えられた塩は、蒸発する洗浄液
体とともに発泡体の表面へ移動してそこで濃縮して、表面の難燃性に関して有益
となり得る。これらの工程は難燃性に関しては改善されているが、所望する高L
OI値の特徴を本発明の発泡体に与えるのにそれら自体が十分であるとは分かっ
ていない。
【0049】 これらの発泡体を必要に応じて成形しても良い。典型的に、この成形にはスラ
イスしてシートにすることなどがある。これらのシートは、随意に、(例えば加
圧ニップを通して連続的に)圧縮して薄い状態にした後、巻いてロールにしても
良い。圧縮性シートはその比較的薄い圧縮された状態を、巻きをほどかれ、必要
に応じて利用され、およびその活性化温度(通常、ほぼポリマーのTg)を超え
る値まで加熱されるか、または周囲温度に依存して比較的長い時間の間(たとえ
ば数週間または数ヶ月)使われないままでいるまで、保つことができる(これは
、本明細書において参照により取り入れられている米国特許5,770,634(Dyerら
、1998年6月23日に付与)に記載されている)。その代わりに、ポリマー発泡体
材料を形成するためにHIPEを硬化させる容器の形状によって、形状を与えて
も良い。このような発泡体は、その当初の膨張した厚みの33%まで圧縮して、
その後にその表面を人工的に制限しないで保持し、22℃で21日間の後に発泡
体の再膨張が50%を超えないときに、「圧縮性」であると規定される。圧縮性
の測定方法は、米国特許5,770,634(本明細書において参照により取り入れられ
ている)に記載されている。またその代わりに、硬化させた発泡体をスライスし
て、ダイスして、細かく切って、砕いて、またはそうでなければ小さい粒子片に
粉砕して、その後に使用しても良い。
【0050】 1.油相成分 HIPEの連続した油相には、固体の発泡体構造を形成するために重合される
コモノマーが含まれる。このモノマー成分は好ましくは、Tgが約−40℃ない
し約90℃、一般には約0℃ないし約70℃、より一般的には約10℃ないし約
50℃であるコポリマーを形成できるように配合される。このモノマー成分は好
ましくは、発泡体構造に難燃性を与える少なくとも1つの成分を含む。このよう
な成分は、共重合性モノマー、非共有的にブレンドされたポリマー、非ポリマー
難燃性添加剤、および無機塩の表題において既に詳述している。このような成分
は、合計で少なくとも約5%のレベルで存在する(例えば、2つの成分がそれぞ
れ3%のレベルで存在していたとしても、合計で油相の6重量%となる)。種々
の難燃剤成分が、与えられたレベルにおいて同様に効果的であるとは限らないた
め、使用するレベルは、用いる具体的な難燃性付与材料に依存する。しかしレベ
ルは、一般に約8%ないし約90%、より一般には約25%ないし約80%であ
る。約5%を下回るレベルのこのような成分では、効果がごく小さいことが分か
っている。また、約20%を超えるレベルのこのような成分は、ポリマーの熱機
械特性を著しく変える可能性がある。このことは、他のモノマーを再配合して補
償することを必要とし得る。この理由により、いくつかの難燃性添加剤の費用を
考慮するだけでなく、具体的な用途に対して必要な難燃性の度合いを与える程度
に難燃性付与材料のレベルを低く管理することが好ましい。
【0051】 油相のモノマー成分は典型的に、Tgを下げる単官能モノマー、靭性を与える
モノマー、少なくとも1種の多官能架橋剤、少なくとも1種の乳化剤を含み得る
。結果として生じる発泡体に難燃性を与える1または複数の元素を含有するよう
に、これらのモノマー成分の何れかまたは全部を選択または改質しても良いこと
に注意することは重要である。また、油相にはさらなる成分を任意に含ませても
良い。任意の油相成分としては、相乗剤(上述した)、酸化防止剤、可塑剤、フ
ィラー粒子、着色剤(染料または顔料)、蛍光剤、ケラント(chelants)、不透
明化剤、および連鎖移動剤などが挙げられる。モノマー成分については、後に詳
述する。
【0052】 特定のタイプおよび量の単官能モノマーおよびコモノマーおよび多官能架橋剤
を選択することが、HIPE発泡体が構造特性および機械特性の好ましい組み合
わせを有すること(これらの特性によって、このような材料が本明細書の発明で
の使用に適したものになる)を実現するためには重要であり得る。
【0053】 難燃性付与材料が、Tg低減モノマー、靭性化モノマー、架橋モノマー、およ
び/または乳化剤としても機能する場合、そのレベルは上述したように油相の5
重量%を超えるため、その成分に対して上述した範囲を満たすために他の難燃性
添加剤は何ら必要としない。例として、例えば10%のクロロプレンおよび90
%のDVBを含むHIPE発泡体は、明示した元素(Cl、Br、P、B、Sb
)の1または複数種を含む難燃剤成分に対する5%の要求を超えるため、前述の
範囲をみたすために他のアジュバントは何ら必要としない。
【0054】 a.Tg低減単官能モノマー 油相の1つの成分には、そのアタクチックアモルファスホモポリマーが約40
℃以下のTgを有する少なくとも1種の単官能コモノマーが含まれる(Brandup,
J.およびImmergut, E.H.の「Polymer Handbook」第2版(Wiley-Interscience
(ニューヨーク、ニューヨーク州)、1975、III−139)を見よ)。このようなコ
モノマーを、以後「Tg低減モノマー」と記載する。これらのモノマーは、結果
として生じるポリマー発泡体構造にゴム様の特性を与える傾向がある。アルキル
メタクリレート、アルキルアクリレート、アルキルメタクリルアミド、アルキル
アクリルアミド、およびこの一般的なタイプのモノマーは避けることが好ましい
。これらのモノマーによって、難燃性を付与することがより難しい発泡体が作製
されることが分かっており、例えば発泡体は、これらのモノマーが無い(または
非常に低いレベルで存在する)発泡体よりも、より高いレベルの難燃剤成分を必
要とする。理論に拘束されるわけではないが、ポリマーを空気中で加熱すると解
重合によってこれらのモノマーは容易にポリマー鎖から離されると考えられる。
この様相が、発泡体のLOI値を本来的に低下させるとは限らない。この試験で
は、発泡体を開炎で燃やし、徐々に加熱していない。しかし他の状況では、発泡
体は燃える前に加熱されて、その結果、解重合し得る。このことによって、発泡
体上方の雰囲気が、可燃性に寄与する可燃性モノマーで富化され得る。従来技術
は、このTg低減機能についてはアルキルアクリレートに大きく依存していたた
め、この好ましい制限によって、難燃性を有する低Tg発泡体を作製する能力に
著しい制約が課されている。しかし上述したように、LOIは材料の難燃性特性
の表示の1つであり、火炎となり得る全ての環境においてHIPE発泡体の可燃
性を低減することが好ましい。
【0055】 出願人は、難燃性およびTg低減の両方の特徴を与えるためには、特定のハロ
ゲン置換ブタジエンが特に効果的であることを見出した。限定を意味しない例と
しては、2−クロロ−1,3ブタジエン(クロロプレン)および2,3−ジクロ
ロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン)および臭素の類似体(ブロモプレン
およびジブロモプレン)、2−クロロピペリレン、およびこれらのモノマーの組
み合わせなどが挙げられる。他の候補としては、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化
ビニリデン、および臭化ビニリデンなどが挙げられるが、これらのモノマーは比
較的毒性および揮発性であるため、プロセスに制約を課している。これらのモノ
マーのうち、クロロプレン、ジクロロプレン、ブロモプレン、ジブロモプレンが
最も好ましい。このような場合、これらのモノマーはTg低減成分および難燃剤
成分の両方として機能するため、他の難燃性付与材料を全く必要としないかも知
れない。このようなモノマーは二重の目的にかなうため、このことは所望する結
果を達成するために特に効果的なアプローチであることが分かっている。
【0056】 本明細書における使用に適したその他のTg低減モノマーが、米国特許5,770,
634(1998年6月23日に付与)に開示されており、特にC4−C12アルキルスチレ
ンたとえばp−n−オクチルスチレン、イソプレン、ブタジエン、1,3,7−
オクタトリエン、およびピペリレンが含まれている。これらの単官能モノマーは
、一般にモノマー成分の0ないし約70重量%、より好ましくは約20ないし約
60重量%を構成する。
【0057】 b.靭性化コモノマー HIPEの油相中で用いるモノマー成分は、結果として生じるポリマー発泡体
構造に、スチレンが示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることが可能な1または複
数の単官能コモノマーを含んでいても良い。靭性の高い発泡体ほど、実質的に破
壊することなく変形する能力を示す。これらの単官能コモノマータイプには、ス
チレン系コモノマー(たとえばスチレンとエチルスチレン)または他のモノマー
タイプたとえばメチルメタクリレート(関連するホモポリマーが靭性を表わす例
として良く知られている)が含まれ得る。このタイプの好ましい単官能コポリマ
ーは、スチレンおよびエチルスチレンを含むスチレン系モノマーである。単官能
「靭性化」コモノマーは、通常、モノマー成分の約0ないし約70重量%、好ま
しくは約20重量%ないし約50重量%、最も好ましくは約30重量%ないし約
50重量%を構成する。
【0058】 場合によっては、「靭性化」コモノマーは、結果として生じるポリマーに所望
するゴム様の特性を与えることができる。このようなコモノマーの場合、モノマ
ー成分に含有できる量は、典型的なモノマーとコモノマーとを一緒にした量であ
る。一例は4−オクチルスチレンである。同様に、場合によっては、「靭性化」
コモノマーは、結果として生じるポリマーに所望する難燃性を与えることもでき
る。特に好ましい例としては、塩素化スチレンおよび/または臭素化スチレンの
異性体、たとえば4−クロロスチレンが挙げられる。これらのモノマーを用いる
ときには、本発明の条件を満たすために他の難燃性添加剤が何ら必要でないかも
知れない。
【0059】 c.多官能架橋剤 モノマー成分は、少なくとも1種の多官能架橋剤を含有する。単官能モノマー
およびコモノマーと同様に、特定のタイプおよび量の架橋剤の選択が、構造特性
および機械特性の所望する組み合わせを有するポリマー発泡体を実現するために
重要である。
【0060】 多官能架橋剤は、2種以上の活性化ビニル基を含む幅広いモノマー(例えばジ
ビニルベンゼンおよびその類似体)から選択することができる。本明細書で有用
なジビニルベンゼンの類似体としては以下のものが挙げられるが、これらに限定
されない。トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニ
ルナフタレン、ジビニルアルキルベンゼン、ジビニルフェナントレン、ジビニル
ビフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルベンジル、ジビニルフェニル
エーテル、ジビニルジフェニルスルフィド、ジニビルフラン、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホン、およびこれらの混合物。ジビニルベンゼンは典型的に、
エチルスチレンとの約55:45の割合の混合物として利用できる。これらの割
合を変更して、油相を一方または他方の成分によって富化しても良い。一般に、
エチルスチレン成分によって混合物を富化して、同時にモノマーブレンド中のス
チレンの量を減らすことが好ましい。架橋剤は通常、HIPEの油相中に、モノ
マー成分(100%ベース)の約2ないし約50重量%、より好ましくは約10
ないし約35重量%、最も好ましくは約15重量%ないし約25重量%の量で含
有させることができる。
【0061】 架橋剤を、多官能アクリレートまたはメタクリレートたとえば米国特許5,770,
634(1998年6月23日に付与)に記載されているものから選択しても良い。なお、
この文献は本明細書において参照により取り入れられている。これらを含有させ
ることによって典型的に、結果として生じる発泡体に難燃性を付与することがよ
り難しくなるか、またはより高いレベルの難燃性付与材料を必要とすることが効
を奏するようになる。この2番目の架橋剤は通常、HIPEの油相中にモノマー
成分の0ないし約15重量%で含有させることができる。
【0062】 場合によっては、架橋剤は結果として生じるポリマーに所望する難燃性を付与
することもできる。特に好ましい例としては、塩素化DVBおよび/または臭素
化DVBたとえば4−クロロ2,5−ジビニルベンゼン、およびハロゲン化ジー
およびトリ−およびテトラ−アクリレートたとえば2,3−ジブロモブタン−1
,4−ジオールジアクリレートが挙げられる。
【0063】 d.乳化剤 HIPEの油相の他の必須成分は、乳化剤成分である。好適な乳化剤は当業者
に良く知られている。特に好ましい乳化剤としては、Span20TM、Span40TM、Span
60TM、およびSpan80TMなどが挙げられる。これらは名目上、それぞれラウリン酸
、ミリスチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸から得られるソルビタンエス
テルである。他の好ましい乳化剤としては、モノオレエート、モノミリステート
、モノパルミテート、およびモノイソステアレート酸から得られるジグリセロー
ルエステルなどが挙げられる。好ましい共乳化剤(coemulsifier)は、ジタロウ
ジメチルアンモニウムメチルスルフェート(ditallowdimethyl ammonium methyl
sulfate)である。他の好ましい乳化剤および共乳化剤が、米国特許5,650,222
(DesMaraisら、1997年7月22日に付与)に記載されている。なお、この文献は本
明細書において参照により取り入れられている。これらの乳化剤の混合物も、混
合物がそれぞれを精製したもの、特に最小レベルのイソソルバイドおよびポリオ
ール不純物を含有するソルビタンエステルであるときに、特に有用である。
【0064】 場合によっては、乳化剤は、Cl、Br、P、B、および/またはSbの元素
のうちの1または複数を含有するときに、結果として生じるポリマーに所望する
難燃性を付与することもできる。これは、例えば不飽和乳化剤(たとえばオレエ
ート基を含む乳化剤)の二重結合を臭素化することによって実現することができ
る。
【0065】 任意の2番目の乳化剤を乳化剤成分に含有させても良く、これは典型的に、1
番目の乳化剤と2番目の乳化剤との重量比が約50:1ないし約1:4、好まし
くは約30:1ないし約2:1で行う。これまで述べたように、当業者であれば
、好適などんな乳化剤も本発明の発泡体を作製するプロセスにおいて用いること
ができることが分かるであろう。
【0066】 HIPEの形成に用いる油相は、約80ないし約98重量%のモノマー成分と
、約2ないし約20重量%の乳化剤成分とを含有する。好ましくは、油相は、約
90ないし約97重量%のモノマーと、約3ないし約10重量%の乳化剤成分と
を含有する。油相は、他の任意成分を含有していても良い。このような任意成分
の1つは、当業者に良く知られた一般的なタイプの油溶性の重合開始剤、たとえ
ば米国特許5,290,820(Bassら、1994年3月1日に付与)(この文献は本明細書に
おいて参照により取り入れられている)およびWO97/44368(WillkommおよびHinz
e、1996年5月23日に出願)(この文献は本明細書において参照により取り入れら
れている。)に記載されたものである。
【0067】 e.任意成分 油相は、任意的な成分を含有していても良い。このような任意成分の例として
は、発泡体、特にブタジエン系モノマーに基づくもの(上述)の早すぎるエージ
ングを防止するのに不可欠であり得る酸化防止剤が挙げられる。出願人は、Tg
低減モノマーたとえばクロロプレンに基づく発泡体は、空気または光りにさらし
たときに、エージング(変色および/または硬直化)する傾向があることを明ら
かにしている。特に重要なのは、このようなエージングが、このようなHIPE
発泡体の可燃性にも寄与するようであるということである。従って、酸素および
光りにさらすことに関してこのような発泡体を安定化することが、所望するレベ
ルの難燃性を維持するのに重要であり得る。
【0068】 このような場合、少量の酸化防止剤、特にヒンダードアミンライトスタビライ
ザー(HALS)、またはヒンダードフェノリックスタビライザー(HPS)と
して分類されるタイプの酸化防止剤を含有させることが好ましい。このような酸
化防止剤は、処理中の何れかの都合の良い工程の間に加えれば良い。HALSタ
イプの多くは、乳化または重合に著しい支障をきたすことなく、油相中に含有さ
せることができる。HPSタイプは、殆どの場合にフリーラジカル開始剤によっ
て破壊されるため、通常は重合後に添加しなければならない。
【0069】 限定を意味しないHALSの例としては、ビス−(1,2,2,5,5−ペン
タメチルピペリジニル)セバケート(TinuvinTM765)、TinuvinTM123、TinuvinT M 770、TinuvinTM 622、ChimassorbTM119、およびChimassorbTM944FL(以上、Cib
a Specialty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)が挙げられる。
【0070】 限定を意味しないHPSの例としては、IrganoxTM-1076、IrganoxTM-129、Irg
anoxTM-1035、IrganoxTM-1425WL、IrganoxTM-MD1024、IrganoxTM-1076、Irgafos TM -12、IrgafosTM-168、IrgafosTM-38、およびt−ブチルヒドロキシキノン(以
上、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)が挙げら
れる。
【0071】 また光安定性を与えるものとして有用なものはUV吸収性化合物であり、例え
ば一般的なクラスの2−ヒドロキシベンゾフェノンおよびヒドロキシフェニルベ
ンゾトリアゾールである。これらのUV安定剤は、TinuvinTM234、TinuvinTMP、
TinuvinTM328、TinuvinTM327のような商標名および関連する化合物(Ciba Speci
alty Chemicals(Tarrytown、ニューヨーク)の製品)で市販されている。反応
性UV吸収剤を、油相の一部として用いても良い。一例は、4−メタクリルオキ
シ−2−ヒドロキシベンゾフェノンである。
【0072】 他の任意性分は、可塑剤たとえばジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケー
ト、またはジオクチルアジペートである。具体的な例においては、これらの可塑
剤はCl、Br、P、B、および/またはSbの元素のうちの1または複数も含
有し、その結果、可塑剤とともに難燃性付与材料を含んでいても良い。このタイ
プの一般的な例をあげれば、塩素化されたアルキルリン酸エステルである。
【0073】 任意成分のさらに他のものは、ポリマーを堅くすることおよび/またはその断
熱特性を増加させることができるフィラー粒子である。フィラー粒子の例として
は、アルミニウム、二酸化チタン、カーボンブラック(非常に微細な不溶性粒子
として添加する)、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、不溶性の架橋され
た難燃剤ポリマーなどが挙げられる。他の任意成分としては、着色剤(染料また
は顔料)、香料、ケラントたとえばゼオライト、蛍光剤、不透明化剤、連鎖移動
剤などが挙げられる。このような添加剤は典型的に、存在するならばかなり低い
レベルで添加され(たとえば5%未満)、油相中に可溶性である必要はないが、
油相の攪拌によって懸濁されても良い。
【0074】 2.水相成分 HIPEの不連続な内部水相は、通常、1または複数種の溶解成分を含有する
水溶液である。水相の不可欠な溶解成分の1つは、水溶性電解質である。溶解し
ている電解質は、主に油溶性であって水相にも溶解するというモノマー、コモノ
マー、および架橋剤の傾向を最小限にする。その結果、このことによって、水相
の液滴によって形成される油/水界面における気泡窓を、重合の間にポリマー材
料が塞ぐ程度が最小限になると考えられる。従って、電解質の存在およびその結
果としての水相のイオン強度によって、結果として生じる好ましいポリマー発泡
体が連続気泡になれるかどうか、およびどの程度までなれるかが決まると考えら
れる。
【0075】 イオン強度を水相に与えることが可能などんな電解質も用いることができる。
好ましい電解質は、一価、二価、または三価の無機塩たとえば水溶性ハロゲン化
合物であり、たとえばアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩化物、硝酸塩、
および硫酸塩である。例としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナト
リウム、および硫酸マグネシウムが挙げられる。HIPEの作製で用いる場合に
は、塩化カルシウムが最も好ましい。通常、電解質はHIPEの水相に、水相の
約0.2ないし約20重量%の濃度で用いられる。より好ましくは、電解質は水
相の約1ないし約10重量%を構成する。
【0076】 上述したように、水相の電解質は最終的な材料の一部として残った場合に、結
果として生じるポリマーに所望する難燃性を与えることもできる。
【0077】 またHIPEは典型的に、有効な量の重合開始剤を含有する。このような開始
剤成分は通常、HIPEの水相に添加され、従来のどんな水溶性フリーラジカル
開始剤であっても良い。これらには、ペルオキソ化合物(peroxygen compounds
)たとえば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウム、過
酸化水素、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどが含まれる。従来のレドッ
クス開始剤系を用いても良い。このような系は、前述のペルオキソ化合物と、還
元剤たとえば重亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、または第一鉄塩とを一
緒にすることによって形成される。
【0078】 開始剤は、油相中に存在する重合性モノマーの総モルを基準にして約20モル
パーセントまで存在していても良い。より好ましくは、開始剤は、油相中の重合
性モノマーの総モルを基準にして約0.001ないし約10モルパーセントの量
で存在する。
【0079】 3.親水化界面活性剤および水和可能な塩 HIPE発泡体構造を形成するポリマーは、極性官能基が実質的に無いことが
好ましい。これは、ポリマー発泡体が、特性において比較的疎水性であることを
意味する。これらの発泡体を絶縁材料として用いようとする場合には、一般に耐
水性が好ましい特徴である。重合後に残留する乳化剤および/または塩を除去す
ることを、必要に応じて何らかの方法(たとえば米国特許5,633,291(前述)に
記載されたもの)によって行っても良い。その代わりに、重炭酸ナトリウム水溶
液を用いて発泡体を洗浄しても良い。これによって、残留する塩化カルシウムが
不溶性の重炭酸カルシウムに転化され、通常、発泡体の水親和力が大きく低下す
る。
【0080】 B.HIPE発泡体を得るプロセス条件 発泡体の形成は、典型的に以下の工程を含む。1)安定した高内部相エマルシ
ョン(HIPE)を形成する。2)この安定したエマルションを、固体ポリマー
発泡体構造の形成に適した条件のもとで重合/硬化させる。3)任意に、固体ポ
リマー発泡体構造を洗浄して、当初は残留していた水相、乳化剤、および塩をポ
リマー発泡体構造から除去する。4)その後、このポリマー発泡体構造を脱水す
る。5)任意に、発泡体を親水化する。本明細書で述べたように、作製プロセス
の種々の段階で、難燃性付与材料を導入することができる。
【0081】 1.HIPEの形成 HIPEは、油相成分と水相成分とを予め指定した割合で混合して形成する。
油相は典型的に、不可欠なモノマー、コモノマー、架橋剤、および乳化剤ととも
に、任意成分たとえば可塑剤、酸化防止剤、難燃性付与材料、および連鎖移動剤
を含有する。水相は典型的に、電解質と重合開始剤とを含有する。
【0082】 HIPEは、混合した油相および水相から、これらの混合した相にせん断攪拌
を施して形成することができる。せん断攪拌は通常、安定したエマルションの形
成に必要な程度および時間の間、行う。このようなプロセスは、バッチ的または
連続的に行うことができ、通常、結果として生じるポリマー発泡体が不可欠な構
造上の特徴を有する程度まで水相液滴が分散されたエマルションを形成するのに
適した条件の下で行う。
【0083】 油相および水相の混合物の乳化は、多くの場合、混合装置または攪拌装置たと
えばピンインペラー(pin impeller)の使用を伴う。
【0084】 1つの好ましいHIPEの形成方法は、不可欠な油相および水相を混合して乳
化する連続プロセスを含む。このようなプロセスでは、油相を含む液体の流れを
形成する。同時に、水相を含む別個の液体の流れも形成する。次に、2つの別個
の流れを、予め指定した必要な水相対油相の重量比が得られるように、好適なミ
キシングチャンバーまたはゾーンにおいて混合する。
【0085】 ミキシングチャンバーまたはゾーンにおいては、混合された流れは、通常、例
えば好適な形状および寸法のピンインペラーによって与えられるせん断攪拌を受
ける。せん断は典型的に、混合された油相/水相の流れに、適切な速度で加える
。いったん形成されたら、安定した液体状のHIPEを、ミキシングチャンバー
またはゾーンから回収することができる。連続プロセスによってHIPEを形成
するこの好ましい方法は、米国特許5,149,720(DesMaraisら、1992年9月22日に
付与)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)、および
米国特許5,650,222(DesMaraisら、前述)において、詳細に説明されている。ま
た、同時係属中の米国特許出願08/716,510(1996年9月17日に出願、T.DesMarais
)(この文献は本明細書において参照により取り入れられている)も参照のこと
。この文献では、HIPE用の再循環ループを有する改善された連続プロセスが
記載されている。
【0086】 2.HIPEの重合/硬化 形成したHIPEを通常、好適な反応容器、入れ物、または領域で形成、回収
、または注いで、重合または硬化する。1つの実施形態においては、反応容器は
、ポリエチレンから作る。最終的に重合/硬化された固体発泡体材料は、重合/
硬化が所望の程度まで行われた後に、ポリエチレンから容易に除去して、次のプ
ロセスに移すことができる。HIPEを容器へ注ぐ温度は、通常、重合/硬化温
度とほぼ同じである。
【0087】 好適な重合/硬化条件は、モノマー、およびエマルションの油相および水相の
他の構成(特に使用した乳化剤系)、および使用した重合開始剤のタイプおよび
量に依存して変化する。しかし多くの場合、好適な重合/硬化の条件は、HIP
Eを約30℃を上回る、より好ましくは約35℃を上回る昇温状態に、約2ない
し約64時間、より好ましくは約4ないし約48時間の間、保つことを含む。ま
たHIPEを、米国特許5,189,070(Brownscombeら、1993年2月23日に付与)に
記載されるような段階で硬化しても良い。なお、この文献は本明細書において参
照により取り入れられている。
【0088】 ポーラスで水で満たされた連続気泡HIPE発泡体が、典型的に反応容器たと
えばカップまたはタブ内で重合/硬化した後に得られる。この重合されたHIP
E発泡体を典型的に、切断またはスライスしてシート状の発泡体にする。重合さ
れたHIPE発泡体のシートは、その後の処理/洗浄および脱水工程の間に処理
することが容易であるだけでなく、HIPE発泡体を絶縁材料で用いるように作
製することが容易である。重合されたHIPE発泡体は典型的に、約0.08イ
ンチないし約3.5インチの切断厚みになるように切断/スライスする。
【0089】 3.HIPE発泡体の処理/洗浄 形成された重合されたHIPE発泡体は通常、HIPEを作製するために用い
た残留する水相材料によって満たされている。この残留する水相材料(通常、電
解質、残留する乳化剤、および重合開始剤の水溶液)は、次の処理および発泡体
の使用の前に、除去しても良い。この本来の水相材料の除去は通常、発泡体構造
を圧縮して残留する液体を押し出すこと、および/または発泡体を水または他の
洗浄水溶液を用いて洗浄することによって行う。多くの場合、複数の圧縮および
洗浄工程(たとえば2ないし4サイクル)が望ましい。これらの洗浄で用いる水
を少なくともほぼポリマーのTgまで加熱して、その柔軟性およびコンプライア
ンスを圧縮的な脱水の間維持し、発泡体構造へのダメージを低減および防止する
ことが好ましい。
【0090】 4.発泡体の脱水 HIPE発泡体を処理/洗浄した後、脱水する。脱水は、発泡体を圧縮して残
留水を押し出すことによってか、発泡体もしくはその内部の水に約60℃ないし
約200℃の温度もしくはマイクロ波処理を施すことによってか、真空脱水によ
ってか、または圧縮および熱乾燥/マイクロ波/真空脱水技術の組み合わせによ
って、行うことができる。これらのHIPE発泡体は典型的に、圧縮されて脱水
して、発泡体が十分に膨張したときの厚みの約1/3(33%)以下の厚みにす
る。脱水工程は通常、HIPE発泡体が使える状態になるまで、および実用的に
乾燥するまで行う。多くの場合、このような圧縮脱水された発泡体は、水(水分
)含有量が、乾燥質量を基準として約1重量%ないし約15重量%、より好まし
くは約5重量%ないし約10重量%である。
【0091】 都合が良ければ、代替的な脱水方法を用いても良い。通常、蒸発による水の除
去は水を加熱しない限り遅すぎる。一般に、このレベルでの妥当な速度で材料か
ら水を蒸発させるのに必要な熱エネルギーは、エネルギー集約的であることが分
かっている。この理由のために、本発明のHIPEのTgの上限を約90℃に設
定して、発泡体構造を破壊せずに温水を用いて圧縮的な脱水ができるようにして
いる。Tgがもっと高い発泡体を望む場合には、他の脱水方法を用いる必要があ
る。
【0092】 5.発泡体の親水化 例えば吸収性用品で使用するために親水性の発泡体を望むときには、洗浄され
脱水された発泡体を親水化剤で処理することが好ましいかも知れない。好適な親
水化剤および発泡体の親水化方法が、例えば、米国特許5,387,207の第22欄な
いし第24欄、米国特許5,292,777(DesMarais、1994年3月8日に付与)、および
米国特許5,352,711(DesMarais、1994年10月4日に付与)に十分に開示されてい
る。なお、全ての文献が本明細書において参照により取り入れられている。
【0093】 VI.テスト方法 A.難燃性 可燃性に対する候補を選別するための簡単な実験室での方法は、以下の通りであ
る。発泡体サンプルを切断して、寸法がおよそ0.5cm×0.5cm×5cm
にする。サンプルを、最も長い軸を実験室の換気されたフードの方に突き出した
状態で、留め具で吊り下げる。サンプルの前端に、プロパントーチで火をつける
。記録データは、例えば消火するまでの時間と残留灰のパーセンテージである。
【0094】 限界酸素指数(LOI)データは、ASTMD−2863に従って、2.54
cmの厚みに作られ6”×6”の四角形に切断されたサンプルについて得る。こ
れらの値を、火炎(残留物が著しくくすぶっているときも含む)を持続するのに
必要な酸素分圧のパーセンテージとして報告する。
【0095】 B.熱機械特性測定値 サンプルを、3ないし8mmの厚みのピースにスライスした後、これらのピース
を押し固めて直径が2.54cmの円柱にすることによって、評価用に作製する
。これらの円柱または「パック」を、水および2−プロパノール中で連続して洗
浄して(水洗浄の際、押し出し工程を間に入れる)、残留する塩および乳化剤を
除去する。次に、これらのサンプルを乾燥させる(周囲温度または65℃以下の
昇温で行う)。場合によっては、サンプルは乾燥するとつぶれるため、凍結乾燥
させて、十分に膨張したサンプルをテスト用に確保しなければならない。
【0096】 i.動的機械的分析(DMA) DMAを用いて、ポリマー(ポリマー発泡体を含む)のTgを測定する。Tg
は種々の方法で測定することができるが、本明細書で報告するデータは、圧縮モ
ードに設定され直径が25mmの平行板を用いるRheometrics RSA-II動的機械的
分析器を用いて得る。使用する装置パラメーターは、米国特許5,770,634(後述
)に記載されている。ガラス転移温度は、損失正接(tan[δ])対温度曲線の最
大点として得られる。
【0097】 ii.降伏応力 降伏応力は、発泡体サンプルを特定の速度および特定の温度で圧縮して、圧縮
に対してそのサンプルが発した抵抗力を測定することによって、定量化すること
ができる。典型的に、データはy軸上の応力およびx軸上の歪みのプロットとし
て体裁が整えられる。このようなプロットは典型的に、最初に直線状に応答した
後、「降伏点」と呼ばれる点でそれ以上の圧縮に抵抗して急激に低下する。降伏
点は、降伏点前後の直線領域によって形成される線の交点として規定される。降
伏応力は、その交点での応力値である。分析は、前のセクションで規定した装置
と同じもの(Rheometrics RSA-II)を一定歪みモードで動作させて使用して行う
。このモードでは、温度を31℃に設定し、歪み速度を0.1%/秒に設定して
行う。サンプルを、圧縮を開始する前にこの温度に少なくとも5分間保って、サ
ンプルを規定された温度にする。実験は、10分間圧縮して行った後、同じ歪み
速度で反対方向に行う。データ分析は上述したように行う。
【0098】 iii.密度 密度は、与えられたサンプルの重量をその体積で割ったものであり、何れかの
適切な標準的な方法で測定することができる。本明細書で用いる密度測定は、上
述の測定で用いた直径が2.54cmの円柱状サンプル(パック)の重量を測定
することを含む。サンプルの厚みは測定によって求める。密度は、密度=重量(
mg)/(0.507×厚み(mm))(単位はmg/cc)という式を用いて
計算する。サンプルは典型的に、これらの測定前に水および2−プロパノールで
洗浄して、塩および残留する乳化剤をサンプルから除去する。測定された密度は
、その発泡体が得られるHIPEの水対油の比から予想されるもの、例えば、密
度=(1/(W:O比+1))(単位はg/cc)と、ほぼ一致する。
【0099】 iv.熱重量分析(TGA) TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments 2950 TGAシステムを用
いて、小さなサンプルについて行う。昇温速度は5℃/分である。温度範囲は典
型的に、周囲温度ないし500℃である。ピークにおける最大値を記録する。こ
の技術によって、サンプルを加熱したときのその重量損失が示される。テストは
、同じサンプルについて、空気中および窒素中で別々の実験で行う。
【0100】
【実施例】
(比較例A) HIPE発泡体を、以下の一般的な方法を用いて作製する。
【0101】 標準的な水相は、4%の塩化カルシウム(無水)と0.05%の過硫酸カリウ
ム(開始剤)とからなる。油相は、下表1に記載したモノマー比に従って調製す
る。油相は、HIPEを形成するための乳化剤も含有する。基準となる乳化剤は
、ジグリセロールモノオレエート(DGMO)であり、HIPEのW:O比に依
存して油相の4ないし6重量%のレベルで用いる。DGMO乳化剤(Grindsted
Products(Brabrand、デンマーク))は、約81%のジグリセロールモノオレエ
ート、約1%のその他のジグリセロールモノエステル、約3%のポリグリセロー
ル、および約15%のその他のポリグリセロールエステルを含む。この乳化剤は
、最小限の油相/水相界面張力値である約2.5dyne/cmを与え、臨界凝
集濃度が約2.9重量%である。
【0102】 HIPEを形成するために、油相を直径3”のプラスチックカップに入れる。
水相を、約50℃に保持された被覆した(jacketed)添加漏斗に入れる。プラス
チックカップの中身を、Cafrano RZR5O攪拌器を用いてかき混ぜる。この攪拌器
には、約300rpm(必要に応じて作業者が調整できる)で回転する6枚刃の
攪拌器が設けられている。水相をプラスチックカップの油相に、約2ないし5分
間に渡って一定に攪拌しながら添加する。カップを必要に応じて上下に動かして
HIPEが形成されるときに攪拌し、全ての水相をエマルション中にできるだけ
均一に混ぜる。
【0103】 3”プラスチックカップのHIPEに蓋を(きつくなく)した後、65℃に設
定したオーブンの中に一晩中入れて硬化させ、ポリマーHIPE発泡体を得る。
硬化したHIPE発泡体を、直径が3”で長さが約4”の円柱としてカップから
取り出す。発泡体はこの時点では残留する水相(溶解した乳化剤、電解質、開始
剤残留物、および開始剤を含有する)で飽和している。発泡体をミートスライサ
ー上でスライスして、厚さが約5ないし約7mmの円形ピースにする。次に、こ
れらの薄片を洗浄して、水を押し出して、乾燥させて、分析する。LOI測定の
場合には、複数のこのようなカップのエマルションを、テストに必要な1”×6
”×6”の寸法のサンプルが得られるように成形された型へ流し込む。
【0104】 機械特性分析の場合には、サンプルを蒸留水でさらに洗浄した後、圧縮して水
を取り除く。これを3ないし4回行う。サンプルを、2−プロパノールでさらに
洗浄した後、圧縮する。これを3ないし4回行う。次にピースを、65℃に設定
したオーブンの中で1ないし2時間、乾燥させる。
【0105】
【表1】
【0106】 上表1の比較例AのHIPE発泡体は、LOI値が約18%を下回り、発泡体
が研究室のテストで容易に燃えるため、この発明からはずれている。
【0107】 以下に、本発明の限定を意味しない実施例、例えばLOIが少なくとも約18
%のHIPE発泡体を示す。明確なLOI値が得られなかった場合には、セクシ
ョンVI、テスト方法、パラグラフA、難燃性で説明した実験室テストに基づく
見積値を載せる(見積りと表示する)。
【0108】 (実施例1) この実施例では、共重合されてポリマーネットワーク上の主鎖となった難燃剤
(FR)モノマーの使用を例示する。下表2に示した種々の油相を用いて、比較
例と同じプロセスを行う。クロロプレンが存在する実施例では、エマルションの
形成に用いる水相を加熱せず、また最初の硬化温度を18時間の間45℃にし、
増加させて18時間の間65℃にして最終的な硬化を行う。
【0109】 その代わりに、このようなエマルションを、少なくとも約2気圧の圧力に(ア
ルゴンタンクから)満たされた圧力容器内で65℃で硬化させる。存在する場合
には、三酸化アンチモンを油相中で懸濁化する。
【0110】
【表2】
【0111】 (実施例2) 実施例1のサンプルAを周囲条件で約3週間エージングすると、蛍光灯にさら
した表面に黄色い変色が見られる。この期間の後に得られるLOI値は、わずか
19%である。別個の発泡体を同じモノマー組成物を用いて作製した後、Chimas
sorbTM944を油相の0.2重量%で添加する。ChimassorbTM 944を含有する発泡
体は、同様の期間の間じゅう変色が非常に小さく、基本的にLOI値の低下が全
くない。さらに他の変形では、HIPE発泡体を、20%のDVB42、75%
のクロロプレン、3%の三酸化アンチモン、および2%の4−メタクリルオキシ
−2−ヒドロキシベンゾフェノン(Polysciences(Warrington、ペンシルベニア
)から販売される)を含む油相から作製する。この最後の化合物は、ポリマーネ
ットワーク中に共有結合する効果の高いUV吸収剤である。またこの発泡体は、
変色に関して光に対する良好な安定性を示す。
【0112】 (実施例3) この実施例は、不活性な難燃性添加剤を、乳化前のモノマー相、または洗浄工
程中の硬化後の発泡体へ加えることを例示する。エマルションを、比較例Aで詳
述したようにして作製する。HIPE発泡体は、20%DVB55および60%
スチレンのモノマーを含有する。残りは、表3に示すように油相中に含まれる不
活性難燃剤である。
【0113】
【表3】
【0114】 これらの発泡体は、難燃性添加剤が共有結合している(またはポリマーである
)発泡体よりも低い温度において、TGA実験において重量損失を示す。
【0115】 (実施例4) この実施例は、発泡体に残る残留塩の結果を例示する。発泡体を、17%のAn
tiblaze TDCP/LV、60%のスチレン、20%DVB、3%の三酸化アンチモン
を油相に含ませて作製する。濡れた発泡体を、リン酸カリウムの10%水溶液で
洗浄する。結果として生じる生成物は、LOIが22%と見積もられる。発泡体
の残留塩のレベルは、約5重量%のリン酸カルシウムである。
【0116】 (実施例5) この実施例は、発泡体を化学的に後処理して難燃性発泡体組成物を与えるプロ
セスを例示する。HIPE発泡体を、77%のイソプレン、3%の三酸化アンチ
モン、および20%のDVB55からなるモノマー成分を用いて、W:O比が4
0:1で作製する。エマルションを0℃ないし5℃で形成した後、2気圧の圧力
のもと65℃で48時間の間、硬化させる。結果として生じる発泡体を、乾燥さ
せたのち前述したように水および2−プロパノールで洗浄する。次に、発泡体を
臭素蒸気に24時間の間さらす。結果として生じる発泡体を取り出した後、2−
プロパノールおよびジクロロメタンで再び洗浄して、残留する蒸気を取り除く。
生成物は、LOIの見積りが23%であり、残留臭素の含有量が50%である。
【0117】 (実施例6) DGMO乳化剤を、臭素にさらして改質する。ジブロモ−DGMOを、コラム
クロマトグラフィによって精製した後、これを用いて、20%のDVB55、3
3%の三酸化アンチモン、および77%の4−クロロスチレンをW:O比が40
:1で含有するエマルションを作製する。結果として生じる発泡体は、LOIの
見積り値が25%である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本明細書で開示された実施例1(A)に従って作製された本発明において有用
な典型的なポリマー発泡体の切断面の顕微鏡写真(倍率50X)を示す図。発泡
体は、限界酸素指数(「LOI」)値が26.9%、密度が25mg/ccであ
り、77%の難燃剤モノマークロロペレン、3%の三酸化アンチモン、および2
0%のジビニルベンゼンからなる。
【図2】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率500X)を示す図。
【図3】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率4000X)を示す図。
【図4】 図1の発泡体の顕微鏡写真(倍率4000X)を示す図。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月26日(2000.7.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (71)出願人 ONE PROCTER & GANBL E PLAZA,CINCINNATI, OHIO,UNITED STATES OF AMERICA Fターム(参考) 4J011 LA01 4J100 AB02Q AB03Q AB08P AB09P AB15P AB16Q AC03P AC04P AC11P AL03Q AL08P AL66P AM03P AM21P AP07P AS06P AS07P AS13P BA65P BB01P BB03P BC43P CA01 CA04 DA11 DA25 FA17

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続油相と不連続水相とを含有する高内部相油中水滴型エマ
    ルションを重合して形成される難燃性連続気泡ポリマー発泡体であって、少なく
    とも約18%の限界酸素指数(LOI)値を有することを特徴とする難燃性ポリ
    マー発泡体。
  2. 【請求項2】 発泡体は、LOI値が少なくとも約21%であることを特徴
    とする請求項1記載の難燃性ポリマー発泡体。
  3. 【請求項3】 発泡体は、LOI値が少なくとも約23%であることを特徴
    とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  4. 【請求項4】 発泡体は、LOI値が少なくとも約21%ないし約30%で
    あることを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  5. 【請求項5】 発泡体を高内部相油中水滴型エマルションのフリーラジカル
    重合によって作製し、エマルションの油相は、重合の際に難燃性をポリマーに与
    える1または複数種の重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項2記載
    の難燃性ポリマー発泡体。
  6. 【請求項6】 エマルションの油相は、塩素、臭素、アンチモン、リン、ま
    たはボロンの元素のうちの1または複数を含有する1または複数種の重合性モノ
    マーを含有することを特徴とする請求項5記載の難燃性ポリマー発泡体。
  7. 【請求項7】 重合性モノマーは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(クロ
    ロプレン)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン)、クロ
    ロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリクロロスチレンの異性体、オクタ
    クロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレートおよびペンタブロモフェニ
    ルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロモスチレンおよびトリブロモス
    チレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,4,6−トリブ
    ロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3−ブタジエン(ブロモプレン)
    、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン(ジブロモプレン)、3−6−ジクロ
    ロ−1、3、7−オクタトリエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビニルジフ
    ェニルホスフェート、トリス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩化ビニリ
    デン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、2,3−
    ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレート、クロロジビニルベンゼン、
    臭素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレー
    トおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルア
    ミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、
    塩素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレー
    トおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリルア
    ミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、
    ハロゲン化スチレニクス、およびこれらの混合物からなる群から選択されること
    を特徴とする請求項6記載の難燃性ポリマー発泡体。
  8. 【請求項8】 重合性モノマーが、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,
    3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、2,3
    −ジブロモ−1,3−ブタジエン、およびこれらの混合物からなる群から選択さ
    れることを特徴とする請求項7記載の難燃性ポリマー発泡体。
  9. 【請求項9】 エマルションの油相が、塩素または臭素を含有する1または
    複数種の重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項6記載の難燃性ポリ
    マー発泡体。
  10. 【請求項10】 エマルションの油相が、懸濁化された三酸化アンチモンを
    さらに含有することを特徴とする請求項6記載の難燃性ポリマー発泡体。
  11. 【請求項11】 難燃性を付与する材料が、乳化または重合の前にエマルシ
    ョンの油相または水相に添加され、難燃性を付与する材料は重合性モノマーでは
    ないことを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  12. 【請求項12】 難燃性を付与する材料は、塩素、臭素、アンチモン、リン
    、またはボロンの元素のうちの1または複数を含有することを特徴とする請求項
    11記載の難燃性ポリマー発泡体。
  13. 【請求項13】 難燃性を付与する材料はポリマーであり、乳化または重合
    の前にエマルションの油相に添加されることを特徴とする請求項12記載の難燃
    性ポリマー発泡体。
  14. 【請求項14】 難燃性を付与する材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
    リデン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリビニルジフェニルリン酸塩
    、ヘキサクロロアンチモン酸塩およびリン酸塩およびホウ酸塩ならびにこれらの
    混合物からなる群から選択される対イオンを有する第四級アンモニウムのポリマ
    ー、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1
    3記載の難燃性ポリマー発泡体。
  15. 【請求項15】 難燃性を付与する材料は非ポリマーであり、乳化または重
    合の前にエマルションへ添加されることを特徴とする請求項11記載の難燃性ポ
    リマー発泡体。
  16. 【請求項16】 難燃性を付与する材料は、臭素化された脂肪族化合物およ
    び塩素化された脂肪族化合物、リン酸エステルおよびホスホン酸エステル、ホウ
    酸エステル、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする
    請求項15記載の難燃性ポリマー発泡体。
  17. 【請求項17】 難燃性を付与する材料は、クロロワックスTM、デカブロモ
    ジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス[1,3−ジクロ
    ロプロピル]ホスフェート、ビス(2−クロロエチル)2−クロロエチルホスフ
    ォネート、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請
    求項16記載の難燃性ポリマー発泡体。
  18. 【請求項18】 難燃性を付与する材料がエマルションの重合の後に取り入
    れられ、難燃性を付与する材料は塩素、臭素、アンチモン、リン、またはボロン
    の元素のうちの1または複数を含むことを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリ
    マー発泡体。
  19. 【請求項19】 難燃性を付与する材料は、酒石酸カリウムアンチモン、カ
    プロン酸アンチモン、アンチモントリエトキシド、リン酸アンチモン、アンチモ
    ンヘキサハライド含有塩、三酸化アンチモン、三硫化アンチモン、ホウ酸アンチ
    モン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムたとえばピロリン酸アンモ
    ニウムおよびトリポリリン酸アンモニウムおよびヘキサメタリン酸アンモニウム
    、ホウ酸アンモニウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、
    ホウ酸カルシウム、テトラクロロフタル酸カルシウム、ホスフィン酸エチルナト
    リウム、ホウ酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され
    ることを特徴とする請求項18記載の難燃性ポリマー発泡体。
  20. 【請求項20】 発泡体は、発泡体に難燃性を付与する1または複数の成分
    を含有し、1または複数の成分は、発泡体全体の少なくとも約5重量%のレベル
    で含有されることを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  21. 【請求項21】 酸化防止剤、UV吸収性化合物、またはこれらの混合物を
    含有することを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  22. 【請求項22】 ポリマー発泡体は、Tgが約−40℃ないし約90℃であ
    ることを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  23. 【請求項23】 ポリマー発泡体は、Tgが約0℃ないし約70℃であるこ
    とを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリマー発泡体。
  24. 【請求項24】 発泡体は、密度が約12mg/ccないし約80mg/c
    cであることを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリマー発泡体。
  25. 【請求項25】 発泡体は、密度が約20mg/ccないし約50mg/c
    cであることを特徴とする請求項24記載の難燃性ポリマー発泡体。
  26. 【請求項26】 少なくとも約21%の限界酸素指数(LOI)値を有する
    難燃性連続気泡ポリマー発泡体であって、発泡体は連続油相と不連続水相とを含
    有する高内部相油中水滴型エマルションを重合して形成され、油相は、塩素、臭
    素、アンチモン、リン、ボロン、およびこれらの混合物からなる群から選択され
    る元素のうちの1または複数を含有する重合性モノマーを含有することを特徴と
    する難燃性ポリマー発泡体。
  27. 【請求項27】 塩素、臭素、アンチモン、リン、またはボロンのうちの1
    または複数を含有する重合性モノマーは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(ク
    ロロプレン)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン)、ク
    ロロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリクロロスチレンの異性体、オク
    タクロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレートおよびペンタブロモフェ
    ニルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロモスチレンおよびトリブロモ
    スチレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,4,6−トリ
    ブロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3−ブタジエン(ブロモプレン
    )、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン(ジブロモプレン)、3−6−ジク
    ロロ−1、3、7−オクタトリエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビニルジ
    フェニルホスフェート、トリス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩化ビニ
    リデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、2,3
    −ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレート、クロロジビニルベンゼン
    、臭素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレ
    ートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリル
    アミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
    、塩素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレ
    ートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリル
    アミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
    、ハロゲン化スチレニクス、およびこれらの混合物からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項26記載の難燃性ポリマー発泡体。
  28. 【請求項28】 重合性モノマーが、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2
    ,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、2,
    3−ジブロモ−1,3−ブタジエン、およびこれらの混合物からなる群から選択
    されることを特徴とする請求項27記載の難燃性ポリマー発泡体。
  29. 【請求項29】 酸化防止剤、UV吸収性化合物、またはこれらの混合物を
    含有することを特徴とする請求項28記載の難燃性ポリマー発泡体。
  30. 【請求項30】 エマルションの油相は、塩素または臭素を含有する1また
    は複数種の重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項26記載の難燃性
    ポリマー発泡体。
  31. 【請求項31】 発泡体は、三酸化アンチモンをさらに含有することを特徴
    とする請求項26記載の難燃性ポリマー発泡体
  32. 【請求項32】 三酸化アンチモンは、重合して発泡体を形成する前にエマ
    ルションの油相中で懸濁化されることを特徴とする請求項31記載の難燃性ポリ
    マー発泡体。
  33. 【請求項33】 ポリマー発泡体は、Tgが約−40℃ないし約90℃であ
    ることを特徴とする請求項26記載の難燃性ポリマー発泡体。
  34. 【請求項34】 ポリマー発泡体は、Tgが約0℃ないし約70℃であるこ
    とを特徴とする請求項33記載の難燃性ポリマー発泡体。
  35. 【請求項35】 発泡体は、密度が約12mg/ccないし約80mg/c
    cであることを特徴とする請求項26記載の難燃性ポリマー発泡体。
  36. 【請求項36】 発泡体は、密度が約20mg/ccないし約50mg/c
    cであることを特徴とする請求項35記載の難燃性ポリマー発泡体。
  37. 【請求項37】 重合される油中水滴型エマルションは、以下の(1)ない
    し(3)を含むことを特徴とする請求項26項記載の難燃性発泡体。 (1)以下の(a)および(b)を含有する連続油相、 (a)油相の約80重量%ないし約98重量%の、以下の(i)ないし(v
    )を含有するモノマー成分、 (i)モノマー成分の少なくとも約5重量%の、塩素、臭素、アンチモン
    、リン、ボロン、およびこれらの混合物からなる群から選択される元素を含有す
    るモノマー、 (ii)モノマー成分の約0重量%ないし約90重量%の、Tgが約40
    ℃以下のホモポリマーを形成できる実質的に水不溶性の単官能モノマー、 (iii)モノマー成分の約0重量%ないし約70重量%の、スチレンが
    示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることができる実質的に水不溶性の単官能コモ
    ノマー、 (iv)モノマー成分の約5重量%ないし約50重量%の、ジビニルベン
    ゼンおよびその類似体からなる群から選択される第1の実質的に水不溶性の多官
    能架橋剤、 (v)モノマー成分の約0重量%ないし約20重量%の、ジオールのジア
    クリレートおよびジメタクリレートならびにその類似体からなる群から選択され
    る第2の実質的に水不溶性の多官能架橋剤、 (b)油相の約2重量%ないし約20重量%の、油相に可溶性であって安定
    した油中水滴型エマルションの形成に適した乳化剤成分、 (2)水相の約0.1重量%ないし約20重量%の水溶性電解質を含む不連続
    水相、 (3)少なくとも約3:1の、水相の容積対重量比と油相の容積対重量比との
    比。
  38. 【請求項38】 エマルションの油相は、約25重量%ないし約80重量%
    の、塩素、臭素、アンチモン、リン、およびボロン、ならびにこれらの混合物か
    らなる群から選択される元素を含有するモノマーを含有することを特徴とする請
    求項37記載の難燃性発泡体。
  39. 【請求項39】 塩素、臭素、アンチモン、リン、またはボロンのうちの1
    または複数を含有する重合性モノマーは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(ク
    ロロプレン)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン)、ク
    ロロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリクロロスチレンの異性体、オク
    タクロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレートおよびペンタブロモフェ
    ニルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロモスチレンおよびトリブロモ
    スチレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,4,6−トリ
    ブロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3−ブタジエン(ブロモプレン
    )、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン(ジブロモプレン)、3−6−ジク
    ロロ−1、3、7−オクタトリエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビニルジ
    フェニルホスフェート、トリス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩化ビニ
    リデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、2,3
    −ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレート、クロロジビニルベンゼン
    、臭素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレ
    ートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリル
    アミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
    、塩素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリアクリレ
    ートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびアクリル
    アミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
    、ハロゲン化スチレニクス、およびこれらの混合物からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項38記載の難燃性発泡体。
  40. 【請求項40】 発泡体は、三酸化アンチモンをさらに含有することを特徴
    とする請求項39記載の難燃性発泡体。
  41. 【請求項41】 発泡体は、酸化防止剤、UV吸収性化合物、またはこれら
    の混合物をさらに含有することを特徴とする請求項40記載の難燃性発泡体。
  42. 【請求項42】 少なくとも約21%の限界酸素指数(LOI)値を有する
    難燃性連続気泡ポリマー発泡体を得るための方法であって、 (A)以下の(1)ないし(4)から油中水滴型エマルションを形成する工程
    、 (1)以下の(a)および(b)を含有する油相、 (a)油相の約80重量%ないし約98重量%の、以下の(i)ないし(
    iv)を含有するモノマー成分、 (i)モノマー成分の約0重量%ないし約90重量%の、Tgが約40
    ℃以下のホモポリマーを形成できる実質的に水不溶性の単官能モノマー、 (ii)モノマー成分の約0重量%ないし約70重量%の、スチレンが
    示す靭性とほぼ同等の靭性を与えることができる実質的に水不溶性の単官能コモ
    ノマー、 (iii)モノマー成分の約5重量%ないし約50重量%の、ジビニル
    ベンゼンおよびその類似体からなる群から選択される第1の実質的に水不溶性の
    多官能架橋剤、 (iv)モノマー成分の約0重量%ないし約20重量%の、ジオールの
    ジアクリレートおよびジメタクリレートならびにその類似体からなる群から選択
    される第2の実質的に水不溶性の多官能架橋剤、 (b)油相の約2重量%ないし約20重量%の、油相に可溶性であって安
    定した油中水滴型エマルションの形成に適した乳化剤成分、 (2)水相の約0.1重量%ないし約20重量%の水溶性電解質を含む水相
    、 (3)少なくとも約3:1の、水相の容積対重量比と油相の容積対重量比と
    の比、 (4)エマルションは、ポリマー発泡体に難燃性を付与する1または複数の
    成分を含み、1または複数の成分は、油相全体の少なくとも約5重量%のレベル
    で含まれている、 (B)油中水滴型エマルションの油相中のモノマー成分を重合して、ポリマー
    発泡体を形成する工程 を含むことを特徴とする方法。
  43. 【請求項43】 難燃性を付与する1または複数の成分は、それぞれ、塩素
    、臭素、アンチモン、リン、またはボロンの元素のうちの1または複数を含有す
    ることを特徴とする請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 エマルションの油相のモノマー成分は、少なくとも約5重
    量%の、塩素、臭素、アンチモン、リン、ボロン、およびこれらの混合物からな
    る群から選択される元素を含有するモノマーを含有することを特徴とする請求項
    43記載の方法。
  45. 【請求項45】 塩素、臭素、アンチモン、リン、またはボロンの元素のう
    ちの1または複数を含有する重合性モノマーは、2−クロロ−1,3−ブタジエ
    ン(クロロプレン)、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン(ジクロロプレン
    )、クロロスチレンおよびジクロロスチレンおよびトリクロロスチレンの異性体
    、オクタクロロスチレン、ペンタブロモフェニルアクリレートおよびペンタブロ
    モフェニルメタクリレート、ブロモスチレンおよびジブロモスチレンおよびトリ
    ブロモスチレンの異性体、1,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,4,6
    −トリブロモフェニルアクリレート、2−ブロモ−1,3−ブタジエン(ブロモ
    プレン)、2,3−ジブロモ−1,3−ブタジエン(ジブロモプレン)、3−6
    −ジクロロ−1、3、7−オクタトリエン、ビニルジプロピルホスフェート、ビ
    ニルジフェニルホスフェート、トリス[スチリル]ホスフェート、塩化ビニル、塩
    化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、ジビニルフェニルホスフェート、
    2,3−ジブロモブタン−1,4−ジオールジアクリレート、クロロジビニルベ
    ンゼン、臭素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリア
    クリレートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびア
    クリルアミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニ
    トリル、塩素化されたアルキルアクリレートおよびジアクリレートおよびトリア
    クリレートおよびテトラアクリレートならびに対応するメタクリレートおよびア
    クリルアミドおよびメクリルアミドおよびアクリロニトリルおよびメタクリロニ
    トリル、ハロゲン化スチレニクス、およびこれらの混合物からなる群から選択さ
    れることを特徴とする請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 エマルションの油相が、懸濁化された三酸化アンチモンを
    さらに含有することを特徴とする請求項43記載の方法。
  47. 【請求項47】 酸化防止剤を、工程(A)で形成したエマルションに、ま
    たは工程(B)で形成したポリマー発泡体に添加することを特徴とする請求項4
    6記載の方法。
  48. 【請求項48】 水相の容積対重量比と油相の容積対重量比とが、少なくと
    も約12:1であることを特徴とする請求項43記載の方法。
  49. 【請求項49】 水相の容積対重量比と油相の容積対重量比とが、約12:
    1ないし約85:1であることを特徴とする請求項43記載の方法。
  50. 【請求項50】 水相の容積対重量比と油相の容積対重量比とが、約20:
    1ないし約50:1であることを特徴とする請求項49記載の方法。
  51. 【請求項51】 難燃性を付与する材料が、重合性モノマーではなく、乳化
    前または重合前にエマルションの油相または水相に添加されることを特徴とする
    請求項43記載の方法。
  52. 【請求項52】 難燃性を付与する材料はポリマーであり、乳化前に油相に
    添加されることを特徴とする請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 難燃性を付与する材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
    リデン、ポリ臭化ビニル、ポリ臭化ビニリデン、ポリビニルジフェニルホスフェ
    ート、ヘキサクロロアンチモン酸塩およびリン酸塩およびホウ酸塩ならびにこれ
    らの混合物からなる群から選択される対イオンを有する第四級アンモニウムのポ
    リマー、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求
    項52記載の方法。
  54. 【請求項54】 難燃性を付与する材料は非ポリマーであり、重合の前にエ
    マルションに添加されることを特徴とする請求項51記載の方法。
  55. 【請求項55】 難燃性を付与する材料は、臭素化された脂肪族化合物およ
    び塩素化された脂肪族化合物、リン酸エステルおよびホスホン酸エステル、ホウ
    酸エステル、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする
    請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 難燃性を付与する材料は、クロロワックスTM、デカブロモ
    ジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス[1,3−ジクロ
    ロプロピル]ホスフェート、ビス(2−クロロエチル)2−クロロエチルホスフ
    ォネート、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請
    求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 エマルションの油相が、懸濁化された三酸化アンチモンを
    さらに含有することを特徴とする請求項51記載の方法。
  58. 【請求項58】 酸化防止剤、UV吸収性化合物、またはこれらの混合物を
    、工程(A)で形成したエマルションに、または工程(B)で形成したポリマー
    発泡体に添加することを特徴とする請求項57記載の方法。
  59. 【請求項59】 発泡体が圧縮性であることを特徴とする請求項1記載のポ
    リマー発泡体。
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