JP4335276B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ウエット路面での操縦安定性を向上しうる空気入りタイヤに関する。
四輪車用タイヤの旋回性能を高めるためには、トレッドパターンの剛性を高めることが有効である。具体的には、トレッド部のゴムを硬くする他、トレッド部に設けられた溝を浅くすること等が行われている。関連する技術としては、次のものがある。
特開2006−82735号公報
しかしながら、トレッド部のゴムを硬くすると、摩擦係数の小さいウエット路面の走行時には十分なグリップを得ることが難しい。同様に、トレッド部の溝を浅くすると、十分な排水性が得られず、ウエット路面の走行時には、著しい操縦安定性の低下が生じるという欠点がある。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ショルダー陸部とセンターブロックとの間をタイヤ周方向にのびる縦の溝状部に、タイヤ軸方向の溝幅が最小をなす狭幅部と、該狭幅部からタイヤ周方向の両側に溝幅がそれぞれ漸増する増幅部とを含ませることを基本として、該縦の溝状部にスムーズに水を導入しかつ排出させることにより、ウエット路面での操縦安定性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部を具えた空気入りタイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ赤道を中心とするトレッド接地幅の50%の領域をなすセンター部と、その両側のショルダー部とを有し、前記各ショルダー部には、トレッド接地端のタイヤ軸方向外側から内側にのびるショルダー主溝がタイヤ周方向に隔設されることにより該ショルダー主溝間にショルダー陸部が区分され、かつ前記ショルダー部は、前記ショルダー主溝の間に、前記ショルダー主溝よりも溝幅が小さいショルダー副溝が設けられることにより、前記ショルダー陸部が2つのブロックに区分されてなり、しかも前記センター部には、タイヤ軸方向の両側に配置された前記ショルダー陸部の間にセンターブロックが設けられることにより、該センターブロックと前記ショルダー陸部とは、タイヤ周方向にのびる縦の溝状部を介して隣り合うとともに、前記縦の溝状部は、タイヤ軸方向の溝幅が3〜6mmで最小をなす狭幅部と、該狭幅部からタイヤ周方向の両側にタイヤ軸方向の溝幅がそれぞれ漸増する増幅部とを有することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記ショルダー陸部は、第1のショルダーブロックと、この第1のショルダーブロックよりもタイヤ軸方向の長さが小さい第2のショルダーブロックとからなり、前記第1のショルダーブロックは、タイヤ軸方向の内側に向かって該ブロックの内端部までタイヤ周方向長さが漸減するテーパ部を含むとともに、該テーパ部の頂点により前記狭幅部が形成される請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記テーパ部の内角γが100〜150度である請求項2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記第2のショルダーブロックは、前記センター部に達することなく終端する請求項2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記ショルダー主溝及び前記ショルダー副溝のタイヤ軸方向の内端部は、ともに前記増幅部に連通することを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明において、ショルダー陸部とセンターブロックとの間に設けられる縦の溝状部は、タイヤ軸方向の溝幅が3〜6mmで最小をなす狭幅部と、該狭幅部からタイヤ周方向の両側に溝幅がそれぞれ漸増する増幅部とを有する。このような縦の溝状部は、排水性を損ねることなく接地部の剛性を高く維持することができる。とりわけ、狭幅部は、縦の溝状部に面するセンターブロック及びショルダー陸部のねじれ剛性を高め、スリップ角が与えられたときの変形を抑制する。従って、ウエット走行時でも高い操縦安定性が得られる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には本実施形態の空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部2の展開図が示される。図1に示される空気入りタイヤ(全体不図示)は、四輪レーシングカート用の前輪用として好適に用いられる。
前記トレッド部2は、方向性トレッドパターンを具える。該方向性トレッドパターンとは、回転方向によって性能差が生じるトレッドパターンを意味する。従って、パターンの性能を最大限に引き出すために、該タイヤにはタイヤ回転方向Rが指定され、かつ、車両にはこの向きで取り付けられる。
また、トレッド部2は、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの50%の領域をなすセンター部Ceと、その両側のショルダー部Shとに区分される。ここで、前記トレッド接地幅TWは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときのトレッド接地端E、E間のタイヤ軸方向の距離とする。
また、前記正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とし、該当する規格がない場合にはメーカが推奨するリムとされる。
また、前記正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、該当する規格がない場合にはメーカが推奨する内圧とされる。ただし、タイヤがレーシングカート用の場合には100kPaとする。
さらに、前記正規荷重とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とされる。ただし、タイヤがレーシングカート用の場合には392Nとする。
前記各ショルダー部Shには、トレッド接地端Eのタイヤ軸方向外側から内側にのびるショルダー主溝3がタイヤ周方向に隔設される。このショルダー主溝3は、少なくともトレッド接地端Eからセンター部Ceに達する長さを有する。これにより、各ショルダー部Shには、タイヤ周方向で隣り合うショルダー主溝3、3間に、ショルダー陸部4が区分される。なお、本実施形態において、両側のショルダー部Shは、タイヤ赤道Cを中心として実質的に線対称に形成されている。
また、本実施形態のショルダー主溝3は、タイヤ軸方向に対して5度以下の角度で前記トレッド接地端Eよりもタイヤ軸方向外側をのびる軸方向部3aと、該軸方向部3aにトレッド接地端Eの近傍で連なりかつタイヤ軸方向に対して15〜45度程度の角度θで傾斜してトレッド接地端Eからクラウン部Ceまでのびる傾斜部3bとを含んで構成される。軸方向部3aと傾斜部3bの各タイヤ軸方向の長さの比は、約4:6〜6:4程度が望ましい。また前記傾斜部3bは、好ましくはタイヤ回転方向Rの先着側に向けて傾斜させるのが良い。
このようなショルダー主溝3は、センター部Ceまでのびることにより、本来、路面との間の水が排出され難いセンター部Ceの排水性を向上させる。また、ショルダー主溝3は、接地時の圧力を利用して、路面に先に接地する傾斜部3bから軸方向部3aへと水を圧送しトレッド接地端Eから効果的に排出させる。なおショルダー主溝3の軸方向部3aは、直進走行時は実質的に接地しないが、横力が作用する旋回時には路面と接地する。このような軸方向部3aは、旋回時に接地するショルダー陸部4のタイヤ軸方向外側の横剛性の低下を防ぎ、ひいては操縦安定性を向上させるのに役立つ。
前記ショルダー主溝3の溝幅GW1(溝中心線と直角に測定される。)は、特に限定されるものではないが、該溝幅GW1が小さすぎると、十分な排水性が得られない傾向がある。逆に前記溝幅GW1が大きすぎると、ショルダー部Shのパターン剛性が低下して操縦安定性が低下するおそれがある。このような観点より、前記溝幅GW1は、好ましくは6mm以上、より好ましくは7mm以上が望ましい一方、好ましくは10mm以下、より好ましくは9mm以下が望ましい。同様に、ショルダー主溝3の溝深さは、好ましくは4mm以上、さらに好ましくは5mm以上が望ましい一方、好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下が望ましい。なお、溝幅及び/又は溝深さは、一定でも良くまた部分的に異ならせても良いのは言うまでもない。
また、各ショルダー陸部4は、ショルダー副溝5によって、タイヤ周方向に二分された大小2つのブロック4a及び4bからなる。これは、ショルダー部Shの排水性及びパターン剛性の調整による耐摩耗性の向上に役立つ
前記ショルダー副溝5の溝幅GW2は、ショルダー主溝3の溝幅GW1よりも小さく形成される。特に限定されるものではないが、ショルダー部Shの排水性とパターン剛性とをバランス良く満足させるために、前記溝幅GW2は、例えば1〜5mm程度が望ましく、またその溝深さは、例えば2〜4mm程度が望ましい。なお、本実施形態のショルダー副溝5は、実質的に一定の溝幅で形成される。
また、ショルダー副溝5は、タイヤ周方向で隣り合うショルダー主溝3、3間のほぼ中央位置を、トレッド接地端Eのタイヤ軸方向外側から内側にかつ略タイヤ軸方向と平行にのびている。なお、「略タイヤ軸方向と平行」とは、溝中心線がタイヤ周方向に5mm以内の振れの範囲内でタイヤ軸方向にのびる態様を少なくとも含む。さらに、好ましい実施形態では、ショルダー副溝5のタイヤ軸方向の内端は、ショルダー主溝3の傾斜部3bと連通させ、そこで広い排水ないし貯水空間を提供させるのが良い。このような観点より、これらの溝の交差部は、センター部Ceとショルダー部Shとの境界部近傍に設けられるのが望ましい。
また、各ショルダー陸部4は、タイヤ回転方向Rにおいて、先着側に配される第1のショルダーブロック4aと、後着側に配されかつ第1のショルダーブロック4aよりも接地面積が小さい第2のショルダーブロック4bとからなる。
本実施形態の第1のショルダーブロック4aは、センター部Ceにはみ出して終端するタイヤ軸方向の内端部4eを有する。また、第1のショルダーブロック4aは、ショルダー主溝3の軸方向部3aとショルダー副溝5との間で形成されかつタイヤ周方向長さが実質的に一定をなす主部10と、該主部10に連なってセンター部Ceまでの部分を形成ししかもタイヤ周方向長さが漸増する漸増部11と、この漸増部11に連なり前記内端部4e1までタイヤ周方向長さが漸減する平面視が略二等辺三角形状をなすテーパ部12とを含む。
他方、第2のショルダーブロック4bは、そのタイヤ軸方向の内端部4e2が、センター部Ceに達することなく終端している。つまり、第2のショルダーブロック4bは、第1のショルダーブロック4aよりもタイヤ軸方向の長さが小さく形成されている。さらに、第2のショルダーブロック4bは、ショルダー主溝3の軸方向部3aとショルダー副溝5との間で形成されかつタイヤ周方向長さが実質的に一定をなす主部10と、ショルダー主溝3の傾斜部3bとショルダー副溝5との間で形成されかつ内端部4e2までその周方向長さが漸減するテーパ部13とからなる。なお、第1及び第2のショルダーブロック4a及び4bにおいて、主部10は、主として旋回時にのみ路面と接地できる。
前記センター部Ceには、タイヤ軸方向の両側に配置された前記ショルダー陸部4、4の間にセンターブロック6が設けられる。本実施形態において、各センターブロック6は、センター部Ceからはみ出すことなくかつタイヤ赤道Cに中心を揃えられて配されている。これにより、センター部Ceには、一つのセンターブロック列が形成される。なお本実施形態のトレッド部2は、路面と接地する陸部としては、このセンターブロック6及び前記ショルダー陸部4のみである。
また、センター部Ceにおいて、センターブロック6とショルダー陸部4との間には、タイヤ周方向にのびる縦の溝状部7が形成されるとともに、センターブロック6、6の間にはタイヤ軸方向にのびる略V字状の横の溝状部8が形成される。
また、図2に拡大して示されるように、センターブロック6の踏面は、タイヤ軸方向の最大幅BWをなす張り出し位置Mからタイヤ回転方向Rの先着側及び後着側に向かってそれぞれ幅が漸減するとともに、前記先着側には該先着側に向かって先鋭となる先端部6aが設けられる一方、後着側には、先着側に向かって滑らかに凹む凹部6bが設けられる。先端部6aの頂点K1と前記張り出し位置Mとの間は、滑らかな第1の円弧部6cにより接続される。また、張り出し位置Mと、センターブロック6のタイヤ回転方向の最も後着側に位置する最後端点K3との間は、第2の円弧部6dで接続される。これにより、センターブロック6の踏面の輪郭形状は、タイヤ赤道Cに関して実質的に線対称な略ハート状で形成される。従って、本実施形態のトレッドパターンは、その全体がタイヤ赤道Cに対して実質的に線対称で構成される。なお、前記張り出し位置Mは、前記頂点K1からブロックの周方向長さの0.5〜0.7倍の距離を後着側に隔てる位置に設けられるのが望ましい。
このようなセンターブロック6は、ウエット路面での直進走行時、路面と最初に接触する前記先端部6aが路面上の水膜を2つに分断し、かつ、それらを滑らかな円弧部6cに沿って後方へと導くことができる。この際、センターブロック6は、その張り出し位置Mからタイヤ回転方向Rの先着側に向かってタイヤ軸方向の幅が絞り込まれているため、排水を効果的に二手に分断できかつ後方へとスムーズに送ることができる(導水作用)。また、センターブロック6の後着側では、本来、水が溜まりやすいが、前記張り出し位置Mから後着側に向かってもタイヤ軸方向の幅が絞り込まれるとともに前記凹部6bが設けられることにより、ブロックの回転方向後着側へ回り込んだ水をオーバフローさせることなく貯水できる。従って、高いウエットグリップ性能が発揮される。このような効果をより高めるために、センターブロック6の前記最後端点K3、K3間のタイヤ軸方向距離である後端幅BWbは、センターブロック6の最大幅BWの50〜67%であるのが望ましい。
さらに、図1及びその要部拡大図である図3に示されるように、センターブロック6の前記第1の円弧部6c及び/又は第2の円弧部6dに、前記ショルダー陸部4(第1のショルダーブロック4a)のテーパ部12が向き合わせて配置される。これにより、前記縦の溝状部7には、タイヤ軸方向の溝幅Waが最小をなす狭幅部7aと、該狭幅部7aからタイヤ周方向の両側に溝幅がそれぞれ漸増する増幅部7b、7bとが形成される。即ち、前記テーパ部12のタイヤ軸方向内側の頂点をなす内端部4e1によって前記狭幅部7aが形成される。
前記増幅部7bは、それぞれ十分に広い排水ないし貯水空間を提供しうるので、センターブロック6の接地開始時、路面上の水を該縦の溝状部7へスムーズに導きかつ効率良く排水させる点で望ましい。また、増幅部7bは、前記横の溝状部8と連通するため、前記凹部6bや横の溝状部8に溜められた水をもタイヤ回転方向Rの後着側へと効果的に排出することができる。さらに、図3から明らかなように、増幅部7bには、ショルダー主溝3及びショルダー副溝5のタイヤ軸方向の内端がともに連通するため、タイヤ回転方向Rの後着側の増幅部7bに導かれた排水は、これらのショルダー主溝3及びショルダー副溝5を介してトレッド接地端Eから外部へと効率良く排出できる。これらの効果をより確実ならしめるために、前記増幅部7bのタイヤ軸方向の幅Wbは、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上、さらに好ましくは8mm以上の部分を有することが望ましい。
他方、排水性を向上させるために、縦の溝状部7の溝幅を大きくすると、その部分の剛性が低下して操縦安定性(旋回性能)が低下する傾向がある。そこで、本発明では、縦の溝状部7に、溝幅Waが3〜6mmで最小をなす狭幅部7aと前記増幅部7bとを設けることにより、排水性を損ねることなく操縦安定性の低下が防止される。特に、狭幅部7aは、そのタイヤ軸方向両側のセンターブロック6及びショルダー陸部4のねじれ剛性を部分的に高め、スリップ角が与えられたときでもこの部分の大きな変形を抑制する。従って、ウエット走行時でも高い操縦安定性が得られる。
なお、前記狭幅部7aのタイヤ軸方向の溝幅Waが小さすぎると、この部分での排水抵抗が増加し、ひいてはウエット走行時のグリップ性能が低下するおそれがある。このような観点より、前記狭幅部7aのタイヤ軸方向の溝幅は前記の通り3mm以上に設定される必要がある。他方、狭幅部7aのタイヤ軸方向の溝幅Waが大きすぎると、トレッド部2のパターン剛性、とりわけ前記ねじれ剛性が低下し、操縦安定性が低下するおそれがある。このような観点より、狭幅部7aの前記幅Waは6mm以下に設定される必要がある。
また、図3に示されるように、前記第1のショルダーブロック4aのテーパ部12は、その内角γが100〜150度であることが望ましい。前記内角γが100度未満になると、テーパ部12が過度に先鋭となり、タイヤ軸方向の剛性やねじり剛性が低下する傾向がある。これは、ハンドル操舵開始時の応答性の悪化を招くおそれがある。逆に、前記内角γが150度を超えると、縦の溝状部7において、十分に大きな溝幅を有する増幅部7bを形成できずウエット性能の向上が十分に期待できないおそれがある。このような観点より、前記内角γは、好ましくは120度以上、かつ、145度以下が望ましい。
さらに、センターブロック6は、そのタイヤ軸方向の最大幅BWとタイヤ周方向の最大長さBLとの比(BL/BW)が1.00〜2.20であることが望ましい。前記比(BL/BW)が1.00未満の場合、センターブロック6の周方向の剛性が低下するため、制動時や駆動時の変形量が大きくなり、ひいては制動力や駆動力が十分に得られない傾向がある。逆に前記比(BL/BW)が2.20を超える場合、タイヤ軸方向の剛性が低下するため、旋回時に十分な横力を発揮できないおそれがある。とりわけ、レーシングカートの前輪タイヤの場合、旋回時には大きなスリップ角が与えられるので、センターブロック6の横剛性を十分に高めるために、前記比(BL/BW)は、1.00〜1.20が望ましい。他方、レーシングカートの後輪タイヤの場合、路面との間で大きなせん断力を受けるので、駆動時のタイヤ周方向剛性を高めるべく、前記比(BL/BW)は1.70〜2.20と大きくすることが望ましい。
また、図2に示されるように、センターブロック6の前記先端部6aは、100〜130度の内角αを有することが望ましい。これにより、先端部6aは、路面接地時により効果的に水膜を2つに分断しかつ該センターブロック6の両外側へ導く効率的な導水作用が得られる点で望ましい。なお、前記先端部6aの内角αが100度未満であると、該先端部6aの剛性が低下し、ハンドル操舵時の応答性が低下する傾向があり、逆に130度を超えると、上述の導水作用が低下する傾向がある。なお、前記先端部6aの内角αは、該先端部6aが、滑らかな円弧で形成される場合、前記踏面において、頂点K1からタイヤ周方向に2mmの距離Sをタイヤ回転方向Rの後着側に隔てた位置jでセンターブロック6に接する接線のなす角度として測定される。
また、センターブロック6の前記凹部6bは、該凹部6bにおいてタイヤ回転方向Rの最も先着側に位置する最凹点K2から、そのタイヤ軸方向両側かつ最もタイヤ回転方向Rの後着側に位置する前記最後端点K3にそれぞれ引いた直線がなす交わり角度βが前記先端部の内角αよりも小さいことが望ましく、とりわけ前記角度β及びαの差(α−β)は、10〜25度が望ましい。即ち、前記角度の差(α−β)が10度未満の場合、増幅部7bから凹部6bに流入してくる水によって、該凹部6bに存在している水が排出されにくくなるおそれがあり、逆に25度を超えると、凹部6bにある水が、その回転方向後着側に位置するセンターブロックの先端部6aと衝突するなど、斜め後方への排水が困難になる傾向がある。
さらに、前記センター部Ceのランド比は、例えば40〜55%に設定されるのが望ましい。このように、センター部Ceのランド比を小さく設定することにより、本来、排水され難いセンター部Ceにおいて排水性を向上させることができる。即ち、センター部Ceのランド比が40%未満の場合、該センター部Ceのパターン剛性が著しく低下して操縦安定性が悪化する。特に、前輪タイヤの場合には、ハンドル操舵時の応答性が低下し、サーキット走行にて良いタイムを得ることができない。また、センター部Ceのランド比が55%を超える場合、センター部Ceでの排水性が著しく低下してウエット路面でのグリップ不足を招く。このような観点より、センター部Ceのランド比は、とりわけ43%以上が望ましく、また、47%以下が望ましい。
他方、各ショルダー部Shにおけるトレッド接地端Eとセンター部Ceの外縁Ecとの間のランド比(以下、このような領域のランド比を単に「ショルダー部Shのランド比」ということがある。)は57〜72%に設定されるのが望ましい。旋回時には、ショルダー部Shが主として横方向力を受けるが、このようにショルダー部Shのランド比をセンター部Ceのそれに比べて大きくすることにより、該ショルダー部Shのパターン剛性を高く維持して操縦安定性を向上させることが可能になる。
即ち、前記ショルダー部Shのランド比が57%未満の場合、ショルダー部Shのパターン剛性が低下して、旋回時の安定性が低下するおそれがある。逆に、前記ショルダー部Shのランド比が72%を超える場合、旋回時の排水性が著しく低下してグリップ不足やスライド時のコントロール性が大幅に悪化する傾向がある。このような観点より、前記ランド比は、とりわけ62%以上が望ましく、また、70%以下が望ましい。
なお、センター部Ceのランド比は、タイヤ1周分におけるセンター部Ceの全面積Caと、タイヤ1周分におけるセンター部Ceの接地面積の総和Ccとの比(Cc/Ca)で計算されるものとする。同様に、ショルダー部Shのランド比は、タイヤ1周分におけるセンター部Ceの外縁Ecとトレッド接地端Eとの間の全面積Saと、タイヤ1周分における前記領域の接地面積の総和Scとの比(Sc/Sa)で計算されるものとする。
なお、トレッド部2は、実質的に同一のパターンピッチPがタイヤ周方向に繰り返して形成される。該パターンピッチPは、本実施形態では、トレッド接地端Eの位置を基準として、前記一つのショルダー主溝3及びこれに隣接する一つのショルダー陸部4からなる(線分Pa及びPbで挟まれる部分)。なお、「実質的に同一」としているので、慣例に従って、パターンピッチPのタイヤ周方向の長さPLを複数種類設け、走行ノイズを分散させるピッチバリエーション手法が採用されても良いのは言うまでもない。なお、好ましくは、タイヤ1周当たり18〜25個のパターンピッチPで構成されるのが望ましい。
図4には、本発明の他の実施形態が示される。この実施形態では、センター部Ceには、タイヤ赤道C上を直線状でのびるセンター主溝20が設けられ、その両側に一対のセンターブロック6A及び6Bが設けられる。このようなセンター部Ceは、排水性がより一層向上するので、例えば大きなグリップ力が求められるレーシングカートの後輪用として特に好適である。このように、センターブロック6の具体的な形状などは種々変形しうるのは言うまでもない。また、この実施形態においても、センターブロック6A(又は6B)とショルダー陸部4とは、タイヤ周方向にのびる縦の溝状部7を介して隣り合うとともに、前記縦の溝状部7は、タイヤ軸方向の溝幅が3〜6mmで最小をなす前記狭幅部7aと、該狭幅部7aからタイヤ周方向の両側に溝幅がそれぞれ漸増する増幅部7b、7bとを有する。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施することができる。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきレーシングカート用の空気入りタイヤ(前輪サイズ10×4.50−5及び後輪サイズ11×6.50−5)が試作された。そして、それらについて、各種の性能がテストされた。具体的な寸法は、次の通りである。
(実施例1のフロント/リア)
ショルダー主溝の溝幅GW1:9mm/10mm
ショルダー主溝の溝深さ:5mm/5mm
ショルダー主溝の傾斜部の角度θ:22度/15度
ショルダー副溝の溝幅GW2:3mm/2mm
ショルダー副溝の溝深さ:5mm/5mm
縦の溝状部の深さ:5mm/5mm
横の溝状部の深さ:5mm/5mm
センターブロックの最大幅BW:28mm/27mm
(比較例1のフロント/リア)
ショルダー主溝の溝幅GW1:6mm/9.5mm
ショルダー主溝の溝深さ:6mm/6mm
ショルダー副溝の溝幅GW2:1.5mm/1.5mm
ショルダー副溝の溝深さ:0.5mm/0.5mm
縦溝の溝幅Ga:6mm/7.5mm
縦溝の溝幅Gb:フロント無し/9.5mm
縦溝の溝幅Gc:フロント無し/8mm
縦溝の深さ:6mm/6mm
センターブロックの最大幅:18mm/26mm
また、テスト方法は、次の通りである。
<ラップタイム>
各テストタイヤをリム(前輪4.50インチ、後輪6.50インチ)及び内圧100kPa(前後同一)の条件でレーシングカート(FAカテゴリー車両)に装着し、カート国際競技資格者であるドライバーの運転によって、ウエットコンディションのつま恋国際カートコースを5周全開走行させ、1周の平均ラップタイムを求めた。なお、ウエットコンディションを同一とするために、走行直前に、同量の散水が行われた。
<操縦安定性>
上記ウエットコンディションでの全開走行において、ハンドルを操舵したときの応答性(ハンドル応答性能)、旋回時のグリップ状態(横グリップ性能)及び加速時の応答性(加速性能)がドライバーの官能により5点法で評価された。数値が大きいほど良好である。テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004335276
テストの結果、実施例のタイヤは、ウエット路面で高い操縦安定性を発揮していることが確認できた。
本発明の実施形態を示すトレッド部の展開図である。 そのセンターブロックの拡大図である。 縦の溝状部の拡大図である。 本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。 比較例1の前輪タイヤのトレッド部の展開図である。 比較例1の後輪タイヤのトレッド部の展開図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 ショルダー主溝
4 ショルダー陸部
4a 第1のショルダーブロック
4b 第2のショルダーブロック
5 ショルダー副溝
6 センターブロック
7 縦の溝状部
7a 狭幅部
7b 増幅部
12 テーパ部
C タイヤ赤道
Ce クラウン部
Sh ショルダー部
E トレッド接地端

Claims (5)

  1. トレッド部を具えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部は、タイヤ赤道を中心とするトレッド接地幅の50%の領域をなすセンター部と、その両側のショルダー部とを有し、
    前記各ショルダー部には、トレッド接地端のタイヤ軸方向外側から内側にのびるショルダー主溝がタイヤ周方向に隔設されることにより該ショルダー主溝間にショルダー陸部が区分され、かつ
    前記ショルダー部は、前記ショルダー主溝の間に、前記ショルダー主溝よりも溝幅が小さいショルダー副溝が設けられることにより、前記ショルダー陸部が2つのブロックに区分されてなり、しかも
    前記センター部には、タイヤ軸方向の両側に配置された前記ショルダー陸部の間にセンターブロックが設けられることにより、
    該センターブロックと前記ショルダー陸部とは、タイヤ周方向にのびる縦の溝状部を介して隣り合うとともに、
    前記縦の溝状部は、タイヤ軸方向の溝幅が3〜6mmで最小をなす狭幅部と、該狭幅部からタイヤ周方向の両側にタイヤ軸方向の溝幅がそれぞれ漸増する増幅部とを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ショルダー陸部は、第1のショルダーブロックと、この第1のショルダーブロックよりもタイヤ軸方向の長さが小さい第2のショルダーブロックとからなり、
    前記第1のショルダーブロックは、タイヤ軸方向の内側に向かって該ブロックの内端部までタイヤ周方向長さが漸減するテーパ部を含むとともに、該テーパ部の頂点により前記狭幅部が形成される請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記テーパ部の内角γが100〜150度である請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第2のショルダーブロックは、前記センター部に達することなく終端する請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー主溝及び前記ショルダー副溝のタイヤ軸方向の内端部は、ともに前記増幅部に連通することを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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