JP4335030B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートシンクに半田を介して熱的・電気的に接続された構成を有する半導体レーザおよびその製造方法に関する。
従来の半導体レーザ等の半導体発光素子には基板上に形成された層をヒートシンクに接面するように配置する放熱効果の高いジャンクションダウンで実装できるものがあった。例えば、複数のレーザが互いの活性領域を分離して積層され、高出力動作時の光出射端面におけるピーク光強度を低減するようにしたもの(例えば特許文献1参照)や、発光端面側のコンタクト層のうち、電流非注入領域にすべき部分を除去し、除去した部分のクラッド層表面を酸化させることにより絶縁したものがあった(例えば特許文献2参照)。
一方、電流注入領域と光出射端面との間に電流非注入領域を設けたものがあった。例えば、ストライプ状の溝の両端面を発光端面とし、その溝内の電流注入領域と両発光端面との間に電流非注入領域を設けたもの(例えば特許文献3参照)や、光導波路層の光軸方向に電流注入領域と電流非注入領域を設け、その電流注入領域と電流非注入領域とを分離溝で電気的に分離して、電流注入領域から電流非注入領域へ流入するリーク電流を低減するようにしたもの(例えば特許文献4参照)があった。
特開2001−244577号公報 特開2003−17804号公報 特公平6−101586号公報 特開2002−111129号公報
ところで、半導体レーザは、放熱性を高めて大きな出力が得られるようにするためには上述の特許文献1,2のように、ジャンクションダウンで実装可能な構造を有することが望ましい。その上、特許文献3のように、電流注入領域と光出射端面との間に電流非注入領域を設けて光出射端面側から効率的に放熱を行う一方、特許文献4のように、双方の領域を溝で分離して電流注入領域から電流非注入領域へ流入するリーク電流を低減することが望ましい。
しかし、特許文献4記載の半導体レーザは、半田を用いてヒートシンクに固定すると、その半田を介して電流注入領域から電流非注入領域へ電流が流入してしまい、コンタクト層を設けてジャンクションダウンで実装すると、そのコンタクト層を通って電流非注入領域に電流が流入してしまう。そのため、半導体レーザを特許文献4記載のような構造にすると、ジャンクションダウンで実装できないという問題があった。この点、例えば、特許文献2のように、コンタクト層の電流非注入領域にすべき部分を除去して除去部分のクラッド層表面を絶縁し、それによって電流の流入を阻止するという考えもあるが、そうすると、コンタクト層の両側を除去したことによって半導体レーザとヒートシンクとの間に隙間ができて、半導体レーザをジャンクションダウンで実装したときにヒートシンクとの接続が不十分になり、端面近傍の放熱性が低下しやすくなるおそれがある。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、ジャンクションダウンで実装することが可能で、電流注入領域から電流非注入領域に流れるリーク電流を確実に防止するとともに、出射端面近傍の放熱性を低下させることなく電流非注入領域における放熱性を良好にすることが可能な半導体レーザおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明は、半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザであって、半導体レーザ素子は、活性層と該活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部と、第1または第2の半導体層のいずれか一方に設けられ、溝によって電流注入部と、該電流注入部の両側であって該電流注入部よりもレーザ構造部の出射端面となる両端面それぞれの側に配置された電流非注入部とに分離されたコンタクト層と、該コンタクト層における電流非注入部と溝を含む領域に形成された非導電性被膜と、コンタクト層における電流非注入部と電流注入部を含む領域に形成された電極膜とを有し、コンタクト層における電流注入部および電流非注入部が、半田を介してヒートシンクに接続されており、第1または第2の半導体層のいずれか一方とコンタクト層との境界面が溝の底面となっていることを特徴とする。
この半導体レーザは、溝により電流注入部と電流非注入部とに分離され、その電流非注入部と溝を含む領域に非導電性被膜が形成されたコンタクト層が、溝を埋めるように配置された半田を介してヒートシンクに接続されている。また、電流非注入部とヒートシンクとの間に隙間が形成されないようになっている。
また、半導体レーザは、非導電性被膜がコンタクト層よりも熱抵抗の小さい材料で形成されていることが好ましい。
こうすると、コンタクト層よりも非導電性被膜の方が熱の流れが良好になるから、電流非注入部における放熱性が良好になる。
また、本発明は、半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザの製造方法であって、活性層と該活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部を基板上に形成し、第1または第2の半導体層のいずれか一方にコンタクト層を形成し、第1または第2の半導体層のいずれか一方とコンタクト層との境界面を底面とする溝によって、電流注入部と、該電流注入部の両側であって該電流注入部よりもレーザ構造部の出射端面となる両端面それぞれの側に配置された電流非注入部とにコンタクト層を分離し、コンタクト層における電流非注入部と溝を含む領域に非導電性被膜を形成し、コンタクト層に電極膜を形成することによって半導体レーザ素子を形成し、溝が埋まるように半田を配置し、該半田を介して、コンタクト層における電流注入部および電流非注入部をヒートシンクに接続することを特徴とする。
この半導体レーザの製造方法により、上述の構成を有する半導体レーザが得られる。
また、本発明は、半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザの製造方法であって、活性層とその活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部を基板上に形成し、第1または第2の半導体層のいずれか一方にコンタクト層を形成し、そのコンタクト層に電極膜を形成し、コンタクト層および電極膜を溝によって、電流注入部とその電流注入部よりもレーザ構造部の出射端面側に配置された電流非注入部とに分離し、コンタクト層における電流非注入部と溝を含む領域に非導電性被膜を形成することによって半導体レーザ素子を形成し、溝が埋まるように半田を配置し、その半田を介して、コンタクト層における電流注入部および電流非注入部をヒートシンクに接続する半導体レーザの製造方法を提供する。
この半導体レーザの製造方法でも、上述の構成を有する半導体レーザが得られる。
以上のように、この発明によれば、ジャンクションダウンで実装することが可能で、電流注入領域から電流非注入領域に流れるリーク電流を確実に防止するとともに、端面近傍の放熱性を低下させることなく放熱性を良好にすることが可能な半導体レーザを得ることができる。
以下、本発明による半導体レーザおよびその製造方法の好適な実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ100を示す断面図である。なお、半導体レーザ100を構成する各層の材質および膜厚の最適値は図2に示す通りである。
半導体レーザ100は、ヒートシンク1と、半田層2と、半導体レーザ素子であるレーザダイオード3とを有している。ヒートシンク1は、熱伝導率の高いSiC(シリコンカーバイド)からなる放熱板で、レーザダイオード3のサブマウント基板としての機能も有している。半田層2は、レーザダイオード3とヒートシンク1との間において、後述するコンタクト層9に設けた分離溝20を埋めるようにして配置されている。半田層2はPbSn(錫鉛)が用いられ、分離溝20以外の部分の厚さが約0.5μmになっている。
そして、半導体レーザ100は、レーザダイオード3の後述する活性層7に近い方の表面に形成された後述のコンタクト層9における電流注入部9aおよび電流非注入部9bがヒートシンク1に接続され、半田層2を介してジャンクションダウンで実装されている。
この半導体レーザ100は、レーザダイオード3に駆動電源(図示しない)から電流を注入することにより、活性層7の近辺で光の誘導放出が起こり、この光が活性層7内で繰り返し反射して増幅されることで、後述するレーザ構造部5の出射端面30からレーザ光が出射されるようになっている。
次に図3〜図4を参照して、レーザダイオード3について説明する。図3はレーザダイオード3の全体を示す斜視図であり、図4は適宜寸法を変更して示す図3の4−4線断面図である。なお、以下の説明においては、図面における上下をそのまま上下方向として説明する。
レーザダイオード3は、導電型がn型(第1の導電型)のGaAsからなる基板4の上に形成され、ダブルへテロ構造のレーザ構造部5と、コンタクト層9と、非導電性被膜10と、n型金属電極膜11およびp型金属電極膜12を有し、帯状のストライプ構造を有している。そして、レーザダイオード3は、レーザ構造部5の両端面が出射端面30となった端面発光型になっている。
レーザ構造部5は、AlGaAsからなる厚さ約0.1μmの活性層7と、活性層7を挟む厚さ約0.1〜2.0μmのAlGaAsからなるn型クラッド層(第1の半導体層)6および導電型がp型(第2の導電型)のAlGaAsからなるp型クラッド層(第2の半導体層)8とを有している。n型クラッド層6およびp型クラッド層8は、活性層7よりも屈折率が高く設定され、活性層7で発生したレーザ光の閉じ込め効果を高め、効率的にレーザ光を増幅し得るようになっている。
コンタクト層9はp型クラッド層8の表面に形成されている。このコンタクト層9は電流を流してレーザ光を生成するための電流注入部9aと、その電流注入部9aの両側に、電流注入部9aよりもレーザ構造部5の出射端面側(外側)に配置される電流非注入部9bおよび分離溝20を有し、この分離溝20によって、電流注入部9aと電流非注入部9bとが電気的に分離されている。なお、コンタクト層9は、例えばGaAsからなり、厚さ約0.1〜1.0μmで、抵抗率ρ:9.00×10−2[Ω・cm],熱伝導率λ:1.57×10−3[W/cm・K])で形成することができる。
非導電性被膜10はコンタクト層9において、電流非注入部9bと分離溝20を含み、電流注入部9aにおける分離溝20につながる部分と、p型クラッド層8の表面を被覆する一方、非導電性被膜10の被覆されない部分を電流注入部9aに設けるようにして形成されている。この非導電性被膜10は、コンタクト層9よりも電気抵抗が大きい絶縁性の良好な被膜で、好ましくは熱抵抗の小さい材料で形成され、電流非注入部9bおよび分離溝20に電流が注入しないように絶縁するための絶縁層として機能する。非導電性被膜10は例えばアモルファスシリコン(抵抗率ρ:1.00×10[Ω・cm],熱伝導率λ:4.00×10−2[W/cm・K])を用いることができ、チッカシリコン(SiN)を用いてもよい。また、厚さは1000〜2000Å程度で形成するとよい。なお、図6に示すように、電流非注入部9bは、側部に絶縁膜13が形成され、その絶縁膜13を介して非導電性被膜10が形成されている。
n型金属電極膜11は、基板4におけるレーザ構造部5と反対側の表面に形成されている。このn型金属電極膜11は、例えばAuGeまたはAuからなっている。p型金属電極膜12は、コンタクト層9における電流非注入部9bと電流注入部9aおよび分離溝20を含む領域に形成され、電流注入部9aの非導電性被膜10の被覆されない部分を被覆している。このp型金属電極膜12は、例えばTi,Pt,Au等から形成され、厚さは約0.1〜1.0μmになっている。
これらn型金属電極膜11およびp型金属電極膜12は、ワイヤボンディング等によって、図示しない駆動電源と接続されている。そして、その駆動電源を用いて、p型金属電極膜12とn型金属電極膜11との間に順方向バイアスの電圧を印加すると、図4に示すように、p型金属電極膜12からn型金属電極膜11に向けて電流Eが流れ、電流注入部9aから活性層7に電流が流れ込む。そして、電流注入部9aから活性層7に電流が流れ込むことにより、出射端面30からレーザ光が放出されるようになっている。
しかし、電流非注入部9bおよび分離溝20には非導電性被膜10が形成されているので、p型金属電極膜12から注入される電流は非導電性被膜10で遮断され、電流非注入部9bおよび分離溝20に流れ込むことはない。
しかも、コンタクト層9が分離溝20によって電流注入部9aと電流非注入部9bとに分離されているため、電流注入部9aに注入される電流は活性層7に流れ込むものの、分離溝20によってコンタクト層9内部の移動を遮断され、電流注入部9aから直に電流非注入部9bに流れ込むことはない。
また、レーザダイオード3は、ヒートシンク1に半田層2を介してジャンクションダウンで実装しても、電流非注入部9bと半田層2との間に非導電性被膜10が介在するので電流注入部9aに注入される電流が半田層2を伝って電流非注入部9bへ流れ込むこともない。
以上のように、半導体レーザ100は、p型金属電極膜12から電流非注入部9bにリーク電流が流れ込むことはなく、コンタクト層9の内部を電流注入部9aから電流非注入部9bへ直に流れるリーク電流および半田層2を伝って流れ込むリーク電流のいずれをも確実に防止することができるようになっている。したがって、半導体レーザ100は半田層2を介したジャンクションダウンで実装しても、電流非注入部9bへリーク電流が流れ込むことがないため、電流非注入部9bにおける効率的な放熱を行うことができ、電流非注入部9bにおける放熱性を高めることができる。
しかも、電流非注入部9bが非導電性被膜10とp型金属電極膜12を介在し、空隙を形成することなくヒートシンク1に接続されている。そのため、電流非注入部9bで発生する熱F(図4参照)はヒートシンク1へと確実に伝わり、ヒートシンク1によって確実に放出されるようになっている。したがって、半導体レーザ100は、良好な放熱を実現できるようになっているので、より大きな出力を得られるようになっている。このとき、非導電性被膜10がコンタクト層9よりも熱抵抗の小さい材料で形成されていると、コンタクト層9よりも非導電性被膜10の方が熱の流れが良好になるから、熱がヒートシンク1に効果的に伝わり、電流非注入部9bにおける放熱性がさらに良好になる
ここで、図24、25は半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフで、横軸を発光時間、縦軸を発光強度とし、開始時を100(基準値)として、500時間の連続発光を行ったときの発光強度の変化を示している。図24は上述の特許文献2に示すように、コンタクト層の電流非注入部に該当する部分を除去する一方、除去した部分のクラッド層表面を絶縁し、レーザダイオードとヒートシンクとの間に隙間が形成されるようにしてジャンクションダウンで実装した場合、図25は上述の半導体レーザ100のようにして(コンタクト層9(半田層2)とヒートシンク1との間に隙間を形成しないようにして)ジャンクションダウンで実装した場合を示している。図24の場合、レーザダイオードとヒートシンクとの間に隙間があるため、発光させたときの端面部分における放熱性が良好ではなく、発光を継続するにしたがって発光強度が徐々に低下し、500時間経過後の発光強度はおよそ90にまで減少している。これに対して、電流非注入部とヒートシンクとの間に隙間を形成しないようにすると、電流非注入部における放熱性を良好にすることができるため、図25に示すように、500時間経過した後も発光強度を95以上に維持することができる。このように、上述の半導体レーザ100のように、レーザダイオード3とヒートシンク1との間に隙間が形成されないように実装すると、より大きな出力を長時間にわたって得ることができる。
また、図26〜図28も、半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。図26は半導体レーザ100において、非導電性被膜10をアモルファスシリコンで形成した場合、図27はチッ化シリコンで形成した場合である。図28は半導体レーザ100のような分離溝および非導電性被膜を有しない構造のコンタクト層を設けて半導体レーザを実装したときの発光強度の経時変化を示している。
図28に示すように、分離溝および非導電性被膜を有しない構造のコンタクト層を設けて半導体レーザを実装すると、500時間経過後の発光強度はおよそ80にまで減少してしまう。しかし、図26および図27に示すようにアモルファスシリコンまたはチッ化シリコンで形成した非導電性被膜10を有する半導体レーザ100では、500時間経過した後も、発光強度をおよそ90以上に維持することができる。したがって、半導体レーザ100では、より大きな出力が長時間にわたって得られる。
(半導体レーザの製造方法)
続いて、半導体レーザ100の製造方法について、図7〜図14を参照しながら説明する。図7〜図14は半導体レーザ100の製造方法の各工程を示す断面図である。なお、以下の説明においては、図面における上下をそのまま上下方向として説明する。
まず、図7に示すように、AlGaAsからなる基板4を用意し、その上面にn型クラッド層6と、活性層7と、p型クラッド層8とをこの順に積層してレーザ構造部5を形成する。次に、p型クラッド層8の上面にストライプ状のコンタクト層9を形成する。
次に、図8に示すように、コンタクト層9の表面にフォトレジスト31を形成した後、図示しないフォトマスクを用いた露光および現像処理を行い、分離溝20を形成しようとする領域が開口するように、フォトレジスト31のパターニングを行う。
そして、そのフォトレジスト31をマスクとしてコンタクト層9のエッチングを行い、フォトレジスト31を除去する。すると、図9に示すように、フォトレジスト31にマスクされていなかった部分のコンタクト層9が除去され、分離溝20が形成される。この分離溝20を形成することにより、コンタクト層9を電流注入部9aと電流非注入部9bとに電気的に分離することができる。
続いて、図9には図示されていないが、コンタクト層9側の全面に、チッ化シリコンからなる絶縁膜13を形成する。また、絶縁膜13の上面にフォトレジスト(図示しない)を形成し、p型クラッド層8と、電流非注入部9bの側部に対応する部分を残すようにパターニングを行う。そして、その残されたフォトレジストをマスクにして絶縁膜13のエッチングを行った後、フォトレジストを除去する。すると、p型クラッド層8と、電流非注入部9bの縁部に絶縁膜13が形成される。
次に、図10に示すように、コンタクト層9側の全面に、例えばアモルファスシリコンからなる非導電性被膜10を形成する。そして、図11に示すように、非導電性被膜10にフォトレジスト32を形成した上で、所定のフォトマスクを用いた露光および現像処理を行い、コンタクト層9の電流注入部9aの内側部分が開口するように、フォトレジスト32のパターニングを行う。さらに、残されたフォトレジスト32をマスクとして非導電性被膜10のエッチングを行い、フォトレジスト32を除去する。すると、図12に示すように、電流非注入部9bと分離溝20を含み、電流注入部9aにおける分離溝20につながる部分を含む領域を被覆するようにして非導電性被膜10が形成される。また、フォトレジスト32に被覆されていなかった電流注入部9aの内側部分が非導電性被膜10に被覆されずに開口する。
次に、図13に示すように、非導電性被膜10を介在するようにして、コンタクト層9側の全面に蒸着および所定の熱処理を行い、p型金属電極膜12を形成する。その一方、図14に示すように、基板4におけるレーザ構造部5と反対側の全面に蒸着および所定の熱処理を行い、n型金属電極膜11を形成する。これにより、上述した構造を有するレーザダイオード3が得られる。そして、このレーザダイオード3の活性層7に近い方の表面がヒートシンク1に対向するように配置して、分離溝20を埋めるように配置された半田層2を介して電流注入部9aおよび電流非注入部9bをヒートシンク1に接続すると、上述の作用効果を奏する半導体レーザ100が完成する。
(第2の実施形態)
続いて、本発明による半導体レーザの第2の実施形態について、図15を用いて説明する。図15は第2の実施形態に係る半導体レーザ200の構造を示す図1と同様の断面図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付している。また、半導体レーザ200を構成する各層の材質および膜厚の最適設計値は、第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態にかかる半導体レーザ200は、第1の実施形態の半導体レーザ100と比較すると、図16にも示すように、レーザダイオード3においてコンタクト層9を被覆する膜の構成が相違し、他は一致している。
半導体レーザ200は、コンタクト層9において、電流注入部9aと電流非注入部9bとにp型金属電極膜12が形成され、さらに電流非注入部9bと、分離溝20および電流注入部9aにおける分離溝20につながる部分を含む領域に非導電性被膜10が形成されている。その他の構造は、第1の実施形態の半導体レーザ100と同じである。
この半導体レーザ200も、レーザダイオード3は電流非注入部9bおよび分離溝20に非導電性被膜10が形成されているので、p型金属電極膜12から注入される電流は非導電性被膜10で遮断され、電流非注入部9bに流れ込むことはない。また、コンタクト層9が分離溝20によって電流注入部9aと電流非注入部9bとに分離されているため、電流注入部9aに注入される電流は活性層7に流れ込むものの、分離溝20によってコンタクト層9内部の移動を遮断され、電流注入部9aから直に電流非注入部9bに流れ込むこともない。さらに、レーザダイオード3は、ヒートシンク1に半田層2を介してジャンクションダウンで実装しても、電流非注入部9bと半田層2との間に非導電性被膜10が介在するので電流注入部9aに注入される電流が半田層2を伝って電流非注入部9bへ流れ込むこともない。
したがって、この半導体レーザ200も、p型金属電極膜12から電流非注入部9bにリーク電流が流れ込むことはなく、コンタクト層9の内部を電流注入部9aから電流非注入部9bへ直に流れるリーク電流および半田層2を伝って流れ込むリーク電流のいずれをも確実に防止することができる。そのため、半導体レーザ200も、電流非注入部9bにおける効率的な放熱を行うことができ、電流非注入部9bにおける放熱性を高めることができる。しかも、電流非注入部9bが隙間を形成することなくヒートシンク1に接続されているから、電流非注入部9bにおいて、ヒートシンク1による放熱が確実に行われ、良好な放熱を実現できるようになっている。
(半導体レーザの製造方法)
半導体レーザ200の製造方法について、図17〜図23を用いて説明する。図17〜図23は半導体レーザ200の製造方法の各工程を示す断面図である。なお、以下の説明においては、図面における上下をそのまま上下方向として説明する。
まず、図17に示すように、半導体レーザ100と同様にして、基板4にレーザ構造部5を形成し、p型クラッド層8の上面にコンタクト層9を形成する。そして、蒸着および所定の熱処理を行い、コンタクト層9側の全面にp型金属電極膜12を形成する。
次に、図18に示すように、p型金属電極膜12にフォトレジスト33を形成した後、所定のフォトマスクを用いた露光および現像処理を行い、分離溝20を形成しようとする領域が開口するようにパターニングを行う。
そして、残されたフォトレジスト33をマスクとしてコンタクト層9およびp型金属電極膜12のエッチングを行い、フォトレジスト33を除去する。すると、図19に示すように、フォトレジスト33にマスクされていなかった部分のコンタクト層9とp型金属電極膜12とが除去され、分離溝20が形成される。この分離溝20により、コンタクト層9を電流注入部9aと電流非注入部9bとに電気的に分離することができる。次に、図19に図示しないが、コンタクト層9側の全面にチッ化シリコンからなる絶縁膜を形成し、その絶縁膜にエッチングを行い、p型クラッド層8と電流非注入部9bの縁部に絶縁膜を残す。
次に、図20に示すように、コンタクト層9側の全面にアモルファスシリコンからなる非導電性被膜10を形成する。そして、図21に示すように、非導電性被膜10にフォトレジスト34を形成した上で、所定のフォトマスクを用いた露光および現像処理を行い、コンタクト層9の電流注入部9aの内側部分が開口するようにパターニングを行う。さらに、残されたフォトレジスト34をマスクとして非導電性被膜10のエッチングを行い、フォトレジスト34を除去する。すると、図22に示すように、電流非注入部9bと分離溝20を含み、電流注入部9aにおける分離溝20につながる部分を含む領域を被覆するようにして非導電性被膜10が形成される。また、フォトレジスト34に被覆されていなかった電流注入部9aの内側部分が非導電性被膜10に被覆されずにp型金属電極膜12が露出する。
その後、図23に示すように、基板4におけるレーザ構造部5と反対側の表面に蒸着および所定の熱処理を行い、n型金属電極膜11を形成すると、図16に示すレーザダイオード3が得られる。そして、このレーザダイオード3の活性層7に近い方の表面がヒートシンク1に対向するように配置して、分離溝20を埋めるように配置された半田層2を介して電流注入部9aおよび電流非注入部9bをヒートシンク1に接続すると、上述の作用効果を奏する半導体レーザ200が完成する。
第1の実施形態に係る半導体レーザを示す模式的な断面図である。 図1に示した半導体レーザの各構成要素の材質・組成および厚さの最適設計値を示す図である。 図1に示した半導体レーザのレーザダイオードの構造を示す斜視図である。 図3の4−4線断面図である。 図3の5−5線断面図である。 図3の6−6線断面図である。 図1に示した半導体レーザの製造工程を示す断面図である。 図7の後続の工程を示す断面図である。 図8の後続の工程を示す断面図である。 図9の後続の工程を示す断面図である。 図10の後続の工程を示す断面図である。 図11の後続の工程を示す断面図である。 図12の後続の工程を示す断面図である。 図13の後続の工程を示す断面図である。 第2の実施形態に係る半導体レーザを示す断面図である。 図16に示した半導体レーザのレーザダイオードの構造を示す断面図である。 図15に示した半導体レーザの製造工程を示す断面図である。 図17の後続の工程を示す断面図である。 図18の後続の工程を示す断面図である。 図19の後続の工程を示す断面図である。 図20の後続の工程を示す断面図である。 図21の後続の工程を示す断面図である。 図22の後続の工程を示す断面図である。 半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。 図24と構造の異なる半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。 非導電性被膜をアモルファスシリコンで形成した半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。 非導電性被膜をチッ化シリコンで形成した半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。 図26,27と構造の異なる半導体レーザの発光強度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1…ヒートシンク、2…半田
3…レーザダイオード、4…基板
5…レーザ構造部、6…n型クラッド層
7…活性層、8…p型クラッド層
9…コンタクト層
9a…電流注入部、9b…電流非注入部
10…非導電性被膜
11…n型金属電極膜、12…p型金属電極膜
20…分離溝、30…出射端面
100、200…半導体レーザ

Claims (4)

  1. 半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザであって、
    前記半導体レーザ素子は、活性層と該活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部と、
    前記第1または第2の半導体層のいずれか一方に設けられ、溝によって電流注入部と、該電流注入部の両側であって該電流注入部よりも前記レーザ構造部の出射端面となる両端面それぞれの側に配置された電流非注入部とに分離されたコンタクト層と、
    該コンタクト層における前記電流非注入部と前記溝を含む領域に形成された非導電性被膜と、
    前記コンタクト層における前記電流非注入部と前記電流注入部を含む領域に形成された電極膜とを有し、
    前記コンタクト層における前記電流注入部および電流非注入部が、半田を介して前記ヒートシンクに接続されており、
    前記第1または第2の半導体層のいずれか一方と前記コンタクト層との境界面が前記溝の底面となっていることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記非導電性被膜が前記コンタクト層よりも熱抵抗の小さい材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザの製造方法であって、
    活性層と該活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部を基板上に形成し、
    前記第1または第2の半導体層のいずれか一方にコンタクト層を形成し、前記第1または第2の半導体層のいずれか一方と前記コンタクト層との境界面を底面とする溝によって、電流注入部と、該電流注入部の両側であって該電流注入部よりも前記レーザ構造部の出射端面となる両端面それぞれの側に配置された電流非注入部とに前記コンタクト層を分離し、
    前記コンタクト層における前記電流非注入部と前記溝を含む領域に非導電性被膜を形成し、
    前記コンタクト層に電極膜を形成することによって前記半導体レーザ素子を形成し、
    前記溝が埋まるように半田を配置し、該半田を介して、前記コンタクト層における前記電流注入部および電流非注入部を前記ヒートシンクに接続することを特徴とする半導体レーザの製造方法。
  4. 半導体レーザ素子がヒートシンクに接続された半導体レーザの製造方法であって、
    活性層と該活性層を挟む第1および第2の導電型の第1および第2の半導体層とを備えたレーザ構造部を基板上に形成し、
    前記第1または第2の半導体層のいずれか一方にコンタクト層を形成し、
    該コンタクト層に電極膜を形成し、
    前記コンタクト層および前記電極膜を溝によって、電流注入部と該電流注入部よりも前記レーザ構造部の出射端面側に配置された電流非注入部とに分離し、
    前記コンタクト層における前記電流非注入部と前記溝を含む領域に非導電性被膜を形成することによって前記半導体レーザ素子を形成し、
    前記溝が埋まるように半田を配置し、該半田を介して、前記コンタクト層における前記電流注入部および電流非注入部を前記ヒートシンクに接続することを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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