JP4334763B2 - 追加カバーを備えた顆粒状材料用カートン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顆粒状材料用のカートンボード容器に関し、更に詳細には側方充填カートン等のカートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な種類のカートンがカートンボードから形成されている。カートンボードから形成された代表的な容器は、単にカートンと呼ばれ、実質的に平行六面体形状を備えている。この形状は、6つの面部、即ち上面部、下面部、前面部、後面部、左面部、及び右面部、及び12個の縁部を備えている。これらの縁部は、交差する二つの面部によって形成され、例えば上面部と後面部との間の縁部である。定義を行う目的で、以下のように考えられる。即ち、上下の面部はカートンが直立している場合に水平平面内にある面部であり、4つの他の面部は垂直方向である。直立したカートンの前面部がカートンを見ている人に向いている場合、左面部はその人の左面部にあり、右面部はその人の右面部にあり、後面部は見えないと考えられる。
【0003】
カートンの折曲げ及び接着は、ダイカットから行われる。ダイカット即ちブランクは、折曲げも接着も行われていない平らな構造である。少なくとも三つの主な工程が、折曲げ−接着−充填プロセスで行われる。第1の主な工程では、ダイカットを折り曲げて接着し、スリーブを形成する。スリーブは、実質的に、4個の面部を持つ構造であり、6個の面部のうちの向き合った二つの面部に折曲げ及び接着が施していないカートンと同様の構造を備えている。スリーブ構造では、カートンの12個の縁部のうちの4個の縁部が折り曲げてあり、これらの4個の縁部は互いに平行な方向に延びている。通常は、残りの8個の縁部は、4個の折り曲げた縁部の方向に対して垂直な平面内の方向に延びているということに着目すべきである。スリーブ構造には、平らにできるという利点がある。その結果、スリーブの貯蔵及び輸送を容易に行うことができる。第2の主な工程では、カートンをスリーブから組み立てる。これは、スリーブ工程中に折曲げ及び接着が行われなかった二つの向き合った面部のうちの一方を折曲げ、これによって更に4つの縁部を形成する。この工程では、カートンを平らにすることはできない。しかしながら、折り曲げていない残る面部を通して充填を行うことができる。最後の工程では、折り曲げていない面部を折曲げ、接着し、4つの残る縁部を形成する。簡単に述べると、構造は、カートンの形成時に連続した工程を通過するのである。即ち、ダイカット、続いてスリーブにし、その後、カートン閉鎖工程前にカートンを組み立てる。これらの工程の各々は、一つの主折曲げ−接着工程によって分けられる。
【0004】
スリーブをダイカットから形成する二つの変形例の方法がある。これは、折曲げ及び接着が行われないままの二つの対向する面部を選択できるためである。第1の方法では、これらの二つの面部は、上面部及び下面部である。第2の方法では、開放したままであるのが左右の面部又は前後の面部である。理論的には、前後を選択しようと左右を選択しようと同じことである。これは、これらの面部の区別が慣習的に行われているためである。しかしながら、上下の面部は、カートンが直立位置にあるとき、通常は、重力方向に対して垂直である。
【0005】
第1のスリーブ形成方法では、前面部、左面部、後面部、及び右面部又はこれらの任意の円順列で形成されており、この際、上面部及び下面部は開放したままである。この場合、カートンは、通常は、下面部を折曲げ、次いで充填後に上面部を折り曲げることによって組み立てられる。この方法は、充填を重力によって行う場合に充填プロセス後にカートンを引っ繰り返す必要がない。これは、充填時にカートンが既に直立しているためである。
【0006】
第2のスリーブ形成方法では、スリーブは、例えば前面部、上面部、後面部、及び下面部によって、又はこれらの任意の円順列によって形成されており、この際、左右の面部は開放したままである。この場合、カートンは、左面部と右面部で同じ方法で組み立てられる。例えば、左面部が組み立てられたカートンを右面部から充填する。右面部は、充填中、カートンの上面になければならない。最後に、カートンを閉鎖する。閉鎖後、上面部が上方にある直立位置にカートンを回転させなければならない。
【0007】
上文中に説明したように、スリーブを形成する上で折り曲げていない8個の縁部は、折り曲げられてスリーブを形成する4個の縁部の方向に対して垂直な平面内にそれらの方向を有する。このことは、ダイカット形態において、折り曲げてスリーブを形成する4個の縁部が一方の方向にあり、8個の他の縁部が実質的に垂直方向にあるということを意味する。定義によって、8個の縁部の方向を主折曲げ方向又は軸線方向と呼ぶ。これは、折曲げの大部分がこの方向に沿って行われるためである。他の方向は横方向である。通常、横方向の4個の縁部は、スリーブ形成縁部である。一例として、スリーブの第1形成方法では、前/左縁部、左/後縁部、後/右縁部、及び右/前縁部は、横方向に沿った縁部であり、スリーブの第2形成方法では、前/上縁部、上/後縁部、後/下縁部、及び下/前縁部が横方向に沿った縁部である。
【0008】
ダイカットは、好ましくは、単一の部品から行われる。ダイカットは、通常は、特定の粒方向を有する。これは、ダイカットを形成する材料が等方性でなく、ダイカットを比較的容易に折り曲げることができる好ましい方向があるということを意味する。この方向が粒方向である。折曲げを容易にするため、主折曲げ方向が粒方向であるということが重要である。
【0009】
剛性上の理由により、カートンが直立位置にある場合に粒方向が水平方向でなく、好ましくは垂直方向であることが重要である。これは、カートンが直立状態にある場合に重力方向がカートンの前後左右の面部について粒方向でなければならないか或いは、前/左縁部、左/後縁部、後/右縁部、及び右/前縁部が粒方向に沿っていなければならないということを意味する。従って、前/左縁部、左/後縁部、後/右縁部、及び右/前縁部はダイカットの横方向にあってはならない。これにより、剛性の理由のため第2の折曲げ方法が選択される。このような方法で折り曲げたカートンは、通常は、側方充填カートンと呼ばれる。この名称は折曲げ方法によるのであり、粒方向とは直接的に結合しないといことに着目すべきである。側方充填カートンの例が、1997年3月11日に公開された現在係属中の日本国特許出願09066927号(特開平9−66297号)又は1997年6月10日に出願された本出願人の現在係属中の欧州特許97202128.1号に開示されている。確かに、第1のスリーブ折曲げ方法で得られる他の種類のカートン、いわゆる上方充填カートンは、通常は、特に積み重ねた場合の剛性及び強度を改善するための内部ライナを必要とする。
【0010】
日本国特許出願09066927号又は欧州特許97202128.1号に開示された側方充填カートンは、バックフラップを持つ内側上パネルを更に含む。バックフラップは、縁部が内側上パネル並びに外側上パネルと結合している。内パネル及び外パネルを含むこのような構造により、外側上パネルを持つ蓋を形成できる。この蓋は再閉鎖可能であり、二重パネルを持つ丈夫な上面部を持ち、例えば顆粒状材料用のシフトプルーフ性を改善する。
【0011】
本発明は、互いに対向する上下の面部、互いに対向する左右の面部、互いに対向する前後の面部を持つカートンにおいて、
a)外側上パネルを含む上面部、
b)縁部が折曲げ線に沿って外側上パネルと結合した後パネルを含む後面部、
c)縁部が折曲げ線に沿って後パネルと結合した下パネルを含む下面部、
d)縁部が折曲げ線に沿って下パネルと結合した前パネルを含む前面部、
e)縁部が折曲げ線に沿って前パネルと結合した第1左フラップ、縁部が折曲げ線に沿って下パネルと結合した第2左フラップ、及び縁部が折曲げ線に沿って後パネルと結合した第3左フラップを含む左面部、
f)縁部が折曲げ線に沿って前パネルと結合した第1右フラップ、縁部が折曲げ線に沿って下パネルと結合した第2右フラップ、及び縁部が折曲げ線に沿って後パネルと結合した第3右フラップを含む右面部、
g)上面部は内側上パネルを更に有し、
h)後面部又は上面部のいずれかは、縁部が折曲げ線に沿って内側上パネルと結合した追加フラップを更に有する、カートンに関する。
【0012】
このようなカートンは、日本国特許出願09066927号から知られている。
【0013】
このようなカートンには、これらが追加内パネルを持つ側方充填カートンであり、かくして比較的シフトプルーフであり、丈夫な構造を持ち、内ライナが必要とされないため、使用される材料が上方充填カートンよりも少ないという利点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
これらの及び他の利点を持つけれども、このような内側上パネルを備えた側方充填カートンには欠点がある。例えば、このようなカートンは、特に組み立て時及び閉鎖時に特定のプロセスを必要とする。更に、ダイカットの部分であり及びかくしてダイカット材料から作られている内側上パネルは、特にダイカットの切断中の余分の廃棄物のため、使用される材料の量に大きく寄与する。
【0015】
従って、本発明の目的は、特定の組み立て閉鎖プロセスを必要とせず、使用される材料の量を最少にできる丈夫なカートンを製造することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は、前面部は、縁部が折曲げ線に沿って内側上パネルと結合した第2追加フラップを更に有することを特徴とする上述の種類のカートンで達成される。
【0017】
本発明に従って形成されたカートンは、多くの利点を有する。カートンが、内側上パネルがカートンの上面部にある側方充填カートンの構造を有するため、内側上パネルをカートンの充填前に置くことができる。これを、例えば欧州特許679581号におけるように膜から形成された内側上パネルを持つ上方充填カートンと比較しなければならない。欧州特許679581号では、カートンは、上面部を通して充填され、充填後に膜が同じ上面部に付けられる。このことは、本発明によるカートンが、膜を持つこのような上方充填カートンと比較して簡単な充填プロセスを有するということを意味する。更に、本発明によるカートンは、上方充填カートンよりも丈夫である。これは、ライナを必要としない側方充填カートンであるためである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のカートンは、好ましくは、カートンボード又は段ボールで製作されるが、他の材料を使用することもできる。このようなカートンは、通常は、顆粒状材料を収容するために使用される。カートンは、通常は、6つの面部を持つ平行六面体形状を備えている。面部は、上面部、下面部、左面部、右面部、後面部、及び前面部と定義できる。上面部は、カートンが直立位置にある場合のカートンの上面にあり、下面部は上面部と対向する面部である。説明の目的で、前面部及び後面部は対向する面部であり、左面部及び右面部も同様に対向する面部である。これらの面部の各々は、幾つかの材料層によって作ることができる。各面部は、通常は、実質的に矩形形状であり、各面部は、その境界が4つの縁部によって限定されている。カートンの構造は、異なる面部の異なる層の間に存在する縁部を通したつながり即ちリンクによる。例えば前面部が単一の層でできている場合には、この層を左面部にこれらの二つの面部間の縁部を通してリンクさせることができる。リンク及び縁部は、折曲げ線によって又は/及び接着剤によって提供される。カートンの面部を構成する層は、種類が異なっていてもよい。このような一つの層が面部全体をカバーしている場合には、これはパネルと呼ばれ、それがカバーする面部と対応して呼ばれる。一つの層が一つの面部を部分的にしかカバーしない場合には、フラップと呼ばれ、それがカバーする面部と対応して呼ばれる。しかしながら、フラップは最大でパネルの大きさにまで延びていてもよく、その場合、ロングフラップと呼ばれる。ロングフラップは、詳細には、構造の剛性に寄与するために使用される。更に、フラップ及びパネルは使用される材料の量を最少にする切り抜き部材即ちカットアウトでできていてもよい。パネル又はフラップは、別の層と結合していると言うことができる。これは、パネル又はフラップが折曲げ線又は刻み線を通してこの層と共通の面部を有するということを意味する。これを行う上で、カートンの縁部を説明する。各面部は、一つ又はそれ以上のパネル、一つ又はそれ以上のフラップ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。本願では、パネルは、それらがカバーする表面の名前をそれらの名称に含む。例えば、下パネル3は、下面部と対応する。それらの位置は、幾つかのパネルが一つの面部と対応する場合、それらの名称で与えられる。例えば、上面部の場合の外側上パネル1及び内側上パネル2について、内パネルはカートンの内側に近い。本願では、フラップの名称には、カートンを折り曲げた場合にこれらのフラップと対応する面部の名前が、フラップ又はパネルの名前に続いて含まれる。例えば、縁部が前パネル4と結合した第1左フラップ7は、折り曲げたカートンの左面部の部分を形成し、折曲げ線で前パネル4に物理的に取り付けられている。面部の名称、即ち左、右、上、下、後、及び前は、説明を容易にするために導入した従来の名称であり、限定を行おうとするものではないということに着目されたい。構造を完成するため、幾つかのフラップ及びパネルを折曲げ線によってでなく接着剤によって互いにリンクさせるのがよい。接着剤は、様々な方法で付けることができる。例えば、ローラー又はグルーガンで付けられる水又は溶剤を基剤とした低温の接着剤を使用できるが、グルーガン又は他の接着剤アプリケータで付けられるホットメルト接着剤も使用できる。
【0019】
本発明のカートン構造は、空気が構造を通過しないように特別の接着剤パターンを付けた場合に、詳細には、縁部が折曲げ線に沿って内側上パネルと結合した第4左フラップ及び縁部が折曲げ線に沿って内側上パネルと結合した第4右フラップを有する場合に、容易にシフトプルーフにでき、場合によっては気密にできるようになっている。
【0020】
構造は、面部及び縁部の両方を通してシフトプルーフでなければならない。シフトプルーフにするということは、カートンの内容物がカートンを望ましからぬ方法で、例えば塵や粒子の形態で、出てはならないということを意味する。
【0021】
面部を通してシフトプルーフであるようにするため、及び面部がパネルを含む場合には、パネルがおもいがけずに破裂することがないようにしなければならない。これは、上面部について特に重要である。上面部は、通常は、破裂を起こすことがある外部からの干渉に曝されることが多い。この理由のため、本発明の上面部は、外側上パネル1及び内側上パネル2の2枚のパネルを含む。面部がフラップで形成される場合には、フラップを期待通りに互いに協働させてシフトプルーフ構造を得ることが重要である。通常は、これは、フラップを互いに接着することによって行われる。
【0022】
構造は、縁部に沿って同様にシフトプルーフでなければならない。これは、通常は、蓋構造が存在する場合を除き、困難ではない。確かに、カートンが特定の蓋構造を備えていない場合には、十分な量の接着剤を付けることによって全ての縁部をシフトプルーフにできる。しかしながら、本発明では、カートンは、持ち上げ及び再閉鎖を難なく行うことができる蓋を備えていなければならない。これは、蓋の接着が、限られた量の接着剤によって行わなければならないということを意味する。このため、通常は、カートンの蓋領域周囲のシフトプルーフが完全ではなくなり、カートンの開放時にこぼれが生じる。本発明では、内側上パネル2、左右の第4フラップ10、10’、及び追加フラップ及び第2追加フラップを使用し、カートンの蓋領域を接着剤でシールすることによりこれを防ぐことができる。その結果、内容物は内側上パネル2構成によって蓋領域から離され、その結果、蓋を容易に持ち上げることができるように軽く糊付けできる。外側上パネル1は、例えば、ひとたび持ち上げられると蓋を形成するように内側上パネル2に直接的に接着でき、追加フラップが不要である。従って、本発明のカートンで得ることができる別の目的は、追加フラップを持たない簡単な蓋を持つシフトプルーフカートンを製造することである。
【0023】
カートンは、更に、当業者に既知の任意の種類のスナップロック機構14を蓋領域に備えているのがよい。このスナップロック機構14は、例えば、スナップフラップ及びスナップタブを含む。ここで好ましいのは、音がするスナップロック機構である。更に、蓋は、開放時に、ミシン目線又は追加接着剤スポットを持つ層間剥離領域(図示せず)によって持ち上げることができる。カートンは、更に、蓋の開放を容易にする開封ストリップを備えているのがよい。
【0024】
本発明のカートンは、様々な理由により、使用される材料の量を最少にできなければならない。第1の理由は、このようなカートンは、粒方向が適切に配向されている場合、剛性を高めるためのライナを必要としないということである。第2の理由は、例えば図15に示す短フラップ態様を使用できるということである。これは、ドラッグバックによる歪みが限られているため、フラップが互いに期待通りに協働し、カートンがシフトプルーフであるようにするために大きくつくる必要がないためである。確かに、随意の左右の第4フラップ(10、10’)がカートンをシフトプルーフにするため、この種のカートンにとって歪みは重要でない。更に、外側上パネル1と例えば左右の面部との間のリンクが重要でないため、外側上パネル1がフラップの末端にぴったりと押し付けられていない場合でもカートンをシフトプルーフにできるため、接着剤を付けることができない場合でも短フラップを使用でき、左右の第4フラップ10、10’がシールを提供する場合にカートンをシフトプルーフにできる。更に、所定のカートンボード品質でカートンの容量を増大できる。これは、歪みが限られているために構造が比較的丈夫であり、良好に収容するためである。これは、強化構造を持つカートンを製造するという本発明の追加の目的及び最少量の材料を使用して環境に優しいカートンを製造するという本発明の更に別の目的に寄与する。
【0025】
確かに、内側上パネルは、好ましくは、カートンを形成するためのダイカットの第2部分の部分であり、これによって、別体の部分である。このような場合には、ダイカットの第2構成要素30は、内側上パネル並びに追加フラップ及び第2追加フラップを含む。このような別体の構成要素30を設けることの利点は、紙、膜を形成するためのプラスチック材料又はフィルム、アルミ箔、カートンボード、金属被覆を施したフィルム、又はこれらの組み合わせを含む異なる材料から製造できるということである。
【0026】
更に、第2構成要素30は、好ましくは、縁部が折曲げ線に沿って内側上パネル2と結合した第4左フラップ10、及び縁部が折曲げ線に沿って内側上パネル2と結合した第4右フラップ10’を有する。このような構造では、第2構成要素30によりシフトプルーフカートンが得られる。このような第2構成要素30は様々な形状を持つことができ、これらの形状の例を図16a及びbに示す。
【0027】
本発明のカートンは、様々な種類の蓋を備えているのがよい。一例として、ヒンジ式の蓋を簡単に外側上パネル1で製作できる。好ましくは、フルヒンジ式の蓋を、外側上パネル1、縁部が折曲げ線に沿って外側上パネルと結合した前フラップ12、及び他のフラップで製作できる。この蓋は、ひとたび閉鎖されるとカートンの前面部、左面部、及び右面部を少なくとも部分的に覆う。これは、縁部が折曲げ線に沿って外側上パネル1と結合した第5左フラップ11、及び縁部が折曲げ線に沿って外側上パネル1と結合した第5右フラップ11’、縁部が折曲げ線に沿って前フラップ12又は第5左フラップ11と結合した第6左フラップ13、及び縁部が折曲げ線に沿って前フラップ12又は第5右フラップ11’と結合した第6右フラップ13’によって形成できる。この特別の場合では、左右の第5フラップ11、11’が外側上パネル1を左右の面部とリンクさせる。これは、第5左フラップ11を左面部に接着し、第5右フラップ11’を右面部に接着することによって行われる。このリンクは、第5フラップの縁部が折曲げ線に沿って左右の面部の夫々取り付けられており、外側上パネル1に接着された場合にも得られる。
【0028】
一般的には、本発明のカートンは、例えば、欧州特許第0 588 789B1号又はWO92/20583に開示のカートン等の現存のカートンの特徴及び変形を含んでいるのがよい。
【0029】
通常、カートンに使用されるダイカットは、好ましくは一つの部品だけでできている。このため、最終的に得られたカートンがシフトプルーフであり且つ蓋の開放が容易であることを確保しつつ、蓋を構造と一体化させるのが困難である場合が多い。本発明では、このような困難は、最少量の材料を使用してカートンを製造するという本発明の別の目的を満たしつつ解決できる。これは、本発明では、内パネル及び追加フラップ、第2追加フラップ並びに随意であるが左右の第4フラップが、通常は、ダイカットの別体の構成要素であるために異なる材料から製作できるため達成できる。ダイカットは、通常は、粒方向を有するということに言及すべきである。折曲げ方向又は切断方向は、カートンボードは粒方向に沿った折曲げ性が高いということを考慮して粒方向を考慮に入れるように選択するのがよい。
【0030】
蓋用の追加フラップ等の各部分を加えることができる。このようなダイカットは、請求項1に記載のカートンを製造するために使用できる。当業者に既知のスナップロック手段をダイカットと一体化させることができる。
【0031】
図1に示す本発明の好ましい実施形態では、カートンは二つの構成要素を持つダイカットから製造される。第1構成要素20は、外側上パネル1、後パネル5、下パネル3、前パネル4、及び左右の第1フラップ7、7’、左右の第2フラップ8、8’、及び左右の第3フラップ9、9’を含む。第1構成要素20は、更に、前フラップ12並びに左右の第5フラップ11及び11’、及び左右の第6フラップ13及び13’を含むが、完成した蓋をこれらのフラップによって形成できるということは随意である。第2構成要素30は、内側上パネル2並びに追加フラップ6及び第2追加フラップ6’を含む。第2構成要素30は、更に、左右の第4フラップ10及び10’を含むが、これらのフラップによりカートンのシフトプルーフ性を改善できるということは随意である。図2に示すように、先ず最初に、追加フラップ6を後パネル5に接着することにより、第2構成要素30及び第1構成要素20を互いに合わせる。これは、様々な種類の接着剤、感圧接着剤を使用して行うことができ、又は内側上パネル2を折曲げ線によってこのパネルとリンクしたフラップとともに容易に取り外せるようにするために好ましい、他の容易に外すことができる接着剤を使用して行うことができる。別の態様では、追加フラップ6を図17に示すように外側上パネル1に接着することもできるということに着目されたい。その後、第2構成要素30の第2追加フラップ6’を図2に示すように前パネル4の外面に、又は図18に示すように前パネル4の内面に接着するため、第1構成要素20を折り曲げることができる。追加フラップ6及び第2追加フラップ6’のこのような接着の組み合わせを選択することもできる。ひとたび図2に示すように折曲げが行なわれると、図3に示すようなスリーブが得られる。この例では、第2追加フラップ6’が接着されるばかりでなく、蓋の部分である前フラップ12も接着でき、その結果、蓋を保持できるということに着目すべきである。
【0032】
本発明によるカートンの別の実施形態では、ダイカットの第1構成要素20にスナップロックフラップ14を図4に示すように更に設けることができる。図4によるダイカットの折曲げは、スナップロックフラップ14を図5に示すように折り返すことを除き、図1のダイカットについて行われたのと同じ方法で行われる。
【0033】
図10のダイカットから得ることができる本発明によるカートンの更に別の実施形態では、前面部に第2前フラップ15が設けられている。確かに、この実施形態では、前パネルに切込み部分16が設けられている。この部分を引き裂くことは、使用者がカートンを開放し易くすることを目的としている。その結果、切込み部分を取り除いた場合に第2前フラップがシフトプルーフ性を維持するのに役立つ。このような構造の折曲げを図11乃至図13に示す。第2前フラップ15を折り返し、取り外し自在の切込み部分16の少なくとも表面を覆い、その後、図12に示すように接着剤を付け、ダイカットの第1構成要素上に第2構成要素を図13に示すように受け入れる。この特定の例では、第2追加フラップが好ましくは前パネルの外面の切込み部分上に接着されるということに着目すべきである。切込み部分は、図13に示すように、第2構成要素を少なくとも部分的に越えて延びており、これによって、図14に示す構造が得られる。この切込み部分は、この切込み部分を引き離すことによりダイカットの第2構成要素を引き離し即ち切り離すことができ、かくしてカートンの内側へのアクセスを提供する。
【0034】
図3又は図6に示すスリーブを形成することは、通常は、カートン供給者によって行われる。折曲げ及び接着を行った後、スリーブの輸送及び送出を容易に行うことができる。これは平らであるためである。組み立ては、後で、通常は生産ラインで直接的に行われる。
【0035】
通常は、図3のスリーブを、未だ開放している両側が垂直軸線上にあるように図9aの位置に置く。これは、標準的なプロセスラインがこのような位置に適合しているためである。先ず最初に、スリーブを図9bに示すように拡げる。その結果、スリーブはもはや平らな構造ではない。続いて図9b及び図9cに示す動作を行う。これらの動作は標準的な折曲げレール又はタッカーホイールによって行うことができ、カートンは矩形断面を備える。図9dの平面図に示すように開放した後、第1面部の折曲げを順次行うことができる。この例では、折り曲げられるべき最初のフラップは第3左フラップであるが、例えば第1左フラップであってもよい。図9eに示すように折り曲げた後、図9fに示すように接着剤を付けることができる。これにより、一回の作業で接着が行われるという利点が得られる。その後、図9g、図9h、及び図9iで明らかなように、この面部の全ての残りのフラップの折曲げ及び接着を行うことができる。使用される材料の量を少なくするため、短フラップを使用することもできるということに着目すべきである。このような短フラップを持つダイカットを図15に示す。左右のフラップは、各々、左右の面部の一部しかカバーせず、使用される材料の量を少なくできる。接着パターンは、シフトプルーフカートンが得られるように変更でき、短フラップを使用するといった他の構成要素を考慮して変更できる。これを行った後、充填を行うためにカートンを引っ繰り返して右面部を上にすることができる。しかしながら、これは、多くのカートン折曲げラインでは折曲げを上面部又は下面部のいずれでも行うことができるために必要ではなく、そのため、折曲げ及び充填中にカートンを回転させる必要がない。ひとたび充填が行われた後、右面部を折り曲げる。右面部の折曲げは、通常は、左面部の折曲げと同じ工程を含む。これにより、図7aに示す構造等の充填−閉鎖済カートン構造が提供される。このプロセスにより、標準的な機械を使用できるということに着目すべきである。本発明の他の目的は、加工が容易なカートンを製造することである。更に、本発明の更に他の目的は、カートンを低価格で製造することである。確かに、カートンを折り曲げて組み立てるのは第2構成要素がなくても同じであり、本発明のカートンは、カートン組み立てプロセスを変更せずに第2構成要素の利点を備える。
【0036】
カートン構造は、図7aに示す状態で使用者に送出される。この時点まで、カートンは、シールされ、シフトプルーフにされ、場合によっては気密にされる。使用者に必要とされる第1の操作は、蓋を持ち上げることである。これは、接着を最少にすることにより、好ましくは開放を容易にするための部分的層間剥離領域と組み合わせて、或いは蓋を持ち上げたときにミシン目線を切ることによって容易に行うことができる。この例の蓋はヒンジ式の蓋であり、外側上パネル1、前フラップ12の少なくとも部分、左右の第6フラップ13、13’、及び左右の第5フラップ11、11’を含む。このような蓋は、再び閉じたときにカートンの左面部、右面部、及び前面部を部分的に覆う面部を有する。ひとたび開放されると、使用者は内側上パネル2に近付くことができる。内側上パネル2と外側上パネル1との間の耐干渉位置に、使用者が開放時に見るように、広告等を入れて置くことができる。使用者は、内側上パネル2を図7cに示す位置から少なくとも部分的に除去することにより、カートンの内容物に容易に近付くことができる。当該技術分野で既知の様々な方法で、ミシン目線を使用することにより、部分的に切断することにより、開封ストリップ又はテープを使用することにより、又は容易に外れる接着剤を例えば縁部の周囲で使用することにより、取り外しを容易にできる。例えば開放後にカートンを傾けた場合に内容物が零れないように内側上パネル2の一部を残すように、内側上パネル2を部分的に取り除くことができる。取り除くことができる部分は、使用上の注意を表示するのに使用でき、又は販売促進用引換券として使用できる。本発明の好ましい実施形態では、内側上パネル2は外側上パネル1に接着されており、そのため、蓋を最初に持ち上げたときに開放が一回の工程で行われる。この際、内側上パネルは、追加切断弱め線に沿って少なくとも部分的に千切られて開放される。カートンは蓋によって再閉鎖できる。スナップロック機構14は、当業者に既知の方法で設けることができ、好ましくは音がするスナップロック機構であるが、スナップロックを持たないカートン、例えば図1に示すダイカットから製造されたカートンを提供できる。
【0037】
図8a及びbは、本発明によるカートンの断面の例である。図8aは、前後の面部と平行な平面での断面図であり、図8bは、左右の面部と平行な平面での断面図である。左面部、内側上パネル2、右面部、及び下面部を含むアッセンブリは、第4左フラップ10及び第4aフラップ10’を接着することによってシフトプルーフにできる。フラップは、更に、外側上パネル1、左右の第6フラップ13、13’、左右の第5フラップ11、11’、及び前フラップ12の少なくとも部分を含むということが明瞭にわかる。
【0038】
このようなダイカットを設計する際、カートンの丈夫さ及び折曲げ容易性が確保されるように粒方向が適当であるということにということに注意を払わなければならない。例えば、図1のダイカットでは、粒方向は垂直方向でなければならない。これは、左右のフラップの折曲げを容易にできるためであり、パネルの粒方向が重力方向と整合している場合に前後の面部が構造の支持に更に効率的に参加するためである。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、カートンのダイカットには、例えばカートンの左面部、右面部、又は前面部に透明な窓が設けられており、これによって、使用者は、カートンに残っている内容物の量を知ることができる。これは、目盛りを設けることにより容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カートンを形成するためのダイカットの構成要素の本発明による好ましい実施形態の平面図である。
【図2】 図1の構成要素から形成した部分スリーブの斜視図である。
【図3】 図2の部分スリーブから形成した完成したスリーブの平面図である。
【図4】 カートンを形成するためのダイカットの構成要素の本発明による別の好ましい実施形態の平面図である。
【図5】 図4の構成要素から形成した部分スリーブの斜視図である。
【図6】 図5の部分スリーブから形成した完成したスリーブの平面図である。
【図7】 図7a乃至cは、例えば図1のダイカットから形成した完成した閉鎖状態のカートンから始める本発明によるカートンの開放順序の一例を示す図である。
【図8】 図8aは、前面部と平行な平面に沿った図7aのカートンの断面図であり、図8bは、左面部と平行な平面に沿った図7aのカートンの断面図であり、これらの断面図は、カートンの壁構造を示す。
【図9】 図9a乃至iは、本発明によるカートンの組み立て工程の一例を図3の完成したスリーブから始めた順序で示す斜視図である。
【図10】 カートンを形成するためのダイカットの構成要素の本発明による更に別の好ましい実施形態の平面図である。
【図11】 図10の構成要素から形成した部分スリーブの斜視図である。
【図12】 図11の部分スリーブから形成した部分スリーブの別の斜視図である。
【図13】 図12の部分スリーブから形成した部分スリーブの更に別の斜視図である。
【図14】 図10の構成要素から製造されたカートンの壁構造を示す、左面部と平行な平面に沿った断面図である。
【図15】 カートンを形成するためのダイカットの構成要素の本発明による更に別の好ましい実施形態の平面図である。
【図16】 図16a及びbは、カートンを形成するためのダイカットの構成要素の本発明による二つの可能な実施形態の平面図である。
【図17】 図1の構成要素から形成した部分スリーブの斜視図である。
【図18】 図17の部分スリーブから形成した部分スリーブの別の斜視図である。
【符号の説明】
1 外側上パネル
2 内側上パネル
3 下パネル
4 前パネル
5 後パネル
20 第2構成要素
30 第1構成要素
Claims (10)
- 互いに対向する上下の面部、互いに対向する左右の面部、互いに対向する前後の面部を持つカートンであって、
a)外側上パネル(1)を含む上面部、
b)縁部が折曲げ線に沿って前記外側上パネル(1)と結合した後パネル(5)を含む後面部、
c)縁部が折曲げ線に沿って前記後パネル(5)と結合した下パネル(3)を含む下面部、
d)縁部が折曲げ線に沿って前記下パネル(3)と結合した前パネル(4)を含む前面部、
e)縁部が折曲げ線に沿って前記前パネル(4)と結合した第1左フラップ(7)、縁部が折曲げ線に沿って前記下パネル(3)と結合した第2左フラップ(8)、及び縁部が折曲げ線に沿って前記後パネル(5)と結合した第3左フラップ(9)を含む左面部、
f)縁部が折曲げ線に沿って前記前パネル(4)と結合した第1右フラップ(7’)、縁部が折曲げ線に沿って前記下パネル(3)と結合した第2右フラップ(8’)、及び縁部が折曲げ線に沿って前記後パネル(5)と結合した第3右フラップ(9’)を含む右面部、
g)前記上面部は内側上パネル(2)を更に有し、
h)前記後面部又は前記上面部のいずれかは、縁部が折曲げ線に沿って前記内側上パネルと結合した追加フラップ(6)を更に有する、カートンにおいて、
i)前記内側上パネル(2)及び前記追加フラップ(6)は、他のパネル及び他のフラップとは別体の構成要素として形成され、前記追加フラップ(6)が前記後パネル(5)又は前記外側上パネル(1)の内面に接着されており、
j)前記前面部は、縁部が折曲げ線に沿って内側上パネル(2)と結合した第2追加フラップ(6’)を更に有する、ことを特徴とするカートン。 - 前記左面部は、縁部が折曲げ線に沿って前記内側上パネル(2)と結合した第4左フラップ(10)を含み、前記右面部は、縁部が折曲げ線に沿って前記内側上パネル(2)と結合した第4右フラップ(10’)を含む、請求項1に記載のカートン。
- 前記カートンは、縁部が折曲げ線に沿って前記外側上パネル(1)と結合した第5左フラップ(11)及び縁部が折曲げ線に沿って前記外側上パネル(1)と結合した第5右フラップ(11’)を含む、請求項1又は2に記載のカートン。
- 前記カートンは、縁部が折曲げ線に沿って前記外側上パネル(1)と結合した前フラップ(12)、縁部が折曲げ線に沿って前記前フラップ(12)又は前記第5左フラップ(11)と結合した第6左フラップ(13)、及び縁部が折曲げ線に沿って前記前フラップ(12)又は前記第5右フラップ(11’)と結合した第6右フラップ(13’)を有する、請求項3に記載のカートン。
- 前記カートンはヒンジ式の蓋を有し、このヒンジ式の蓋は、前記外側上パネル(1)の少なくとも一部、前記第5左フラップ(11)の少なくとも一部、前記第5右フラップ(11’)の少なくとも一部、前記第6左フラップ(13)の少なくとも一部、前記第6右フラップ(13’)の少なくとも一部、及び前記前フラップ(12)の少なくとも一部を含む、請求項3及び4に記載のカートン。
- 前記カートンは、スナップロック(14)機構を更に含む、請求項1、2、又は3に記載のカートン。
- 前記内側上パネル(2)は、開放手段、部分カット、リバーストカット、ミシン目線、開封テープ、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のカートン。
- 前記内側上パネル(2)は、広告体として、切り離しクーポンとして使用でき、又は使用上の注意を伝えるために使用できる、請求項1に記載のカートン。
- 前記追加フラップ(6)及び前記第2追加フラップ(6’)は、感圧接着剤を使用して接着される、請求項1に記載のカートン。
- 前記内側上パネル(2)は、プラスチックフィルム、カートンボード、金属被覆を施したフィルム、アルミ箔、紙、又はこれらの組み合わせから製造される、請求項1に記載のカートン。
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