JP4334581B2 - 静電型アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロマシン又はMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を利用して作成した静電型アクチュエータに関するものであり、特に、静電型アクチュエータを利用したスイッチや可変容量等に関するものである。
静電型アクチュエータを利用したMEMSスイッチは、例えば特許文献1や非特許文献1に開示されている。MEMSスイッチを閉状態にするには、静電型アクチュエータの上部電極及び下部電極間に電位差を与え、この上部電極及び下部電極間の静電引力が梁のばねの力を上回るようにする。
このような静電駆動のMEMSスイッチは、駆動電圧が20V以上と高い。この駆動電圧は携帯端末システムの電源電圧よりも高いため、昇圧回路が必要となる。昇圧回路はチップ面積が大きい上に消費電流も多いため、携帯システムにとっては不利となる。さらに、昇圧回路が発生するノイズが無線回路の誤動作を生む可能性もある。
静電型アクチュエータのばね定数を小さくすれば、駆動電圧を低くすることは可能である。しかし、駆動電圧が低いと、上部電極と下部電極とを接触させる力、すなわちコンタクト力が弱くなる。その結果、スイッチの接触抵抗が増加してしまう。また、ばね定数が小さいと引き剥がし力が弱まるため、上部電極と下部電極とが接触したまま離れなくなる不良、いわゆるスティクション不良が起き易くなる。
上述するMEMSスイッチの問題は、MEMS可変容量についても同様に存在する。駆動電圧を下げるためにばね定数を小さくすると、コンタクト力が弱くなり、大きな容量比が得られなくなる。また、スイッチと同様、スティクション不良が起き易くなる。
米国特許第6483395号明細書 MEMS SWITCH LIBRARY P130-139
本発明は、十分なコンタクト力とスティクション不良に対する耐性とを有しつつ、駆動電圧を低減することが可能な静電型アクチュエータを提供する。
本発明の一視点による静電型アクチュエータは、基板と、前記基板の上方にそれぞれ分離して配置された第1及び第2の下部電極と、前記第1及び第2の下部電極の上方に空洞部を有して配置され、第1の上部電極と第2の上部電極と前記第1及び第2の上部電極の間に配置された第3の上部電極とを有し、前記第1の上部電極は前記第1の下部電極と対向しかつ前記第1の下部電極に対して斜めに配置され、前記第2の上部電極は前記第2の下部電極と対向しかつ前記第2の下部電極に対して斜めに配置され、前記第1及び第3の上部電極の第1の境界部分は凸状であり、前記第2及び第3の上部電極の第2の境界部分は凸状であり、前記第1の下部電極と前記第1の上部電極との間及び前記第2の下部電極と前記第2の上部電極との間に電位差を印加することで前記第3の上部電極を駆動する電極部と、前記第1及び第2の境界部分に互いに分離して配置された第1及び第2の層とを具備する。
本発明によれば、十分なコンタクト力とスティクション不良に対する耐性とを有しつつ、駆動電圧を低減することが可能な静電型アクチュエータを提供できる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
[1]第1の実施形態
第1の実施形態は、静電型アクチュエータを可変容量に適用した例である。
[1−1]静電型アクチュエータの構造
(平面構造)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの平面構造について説明する。
図1に示すように、シグナル線13はY方向に延在している。このシグナル線13の上方にはシグナル線13と対向して上下に駆動する電極21が設けられている。この電極21は、シグナル線13の延在方向に対して垂直方向、すなわちX方向に延在する。
電極21のX方向における両端には梁22a、22bがそれぞれ接続され、この梁22a、22bはX方向にそれぞれ延在している。この梁22a、22bにはアンカー23a、23bがそれぞれ接続されている。例えば、紙面左側の梁22aは、電極21の一端部から二手に分かれてアンカー23aに繋がっている。紙面右側の梁22bは、電極21の他端部から二手に分かれてアンカー23bに繋がっている。アンカー23a、23bはグランド線17a、17bにそれぞれ接続されている。
電極21のX方向における両側には、両持ち構造(ブリッジ構造)のアクチュエータ部30a、30bが設けられている。アクチュエータ部30aは上部電極31aと下部電極14aとを有し、アクチュエータ部30bは上部電極31bと下部電極14bとを有している。
上部電極31a、31bにはばね構造部32a、32bがそれぞれ接続されている。このばね構造部32a、32bの平面形状は、メアンダ状になっている。本例では、梁22a、22bを構成する配線の太さは、ばね構造部32a、32bを構成する配線の太さよりも太い。ばね構造部32a、32bにはアンカー33a、33bがそれぞれ接続され、アンカー33a、33bには配線15a、15bがそれぞれ接続されている。
上部電極31a、31bの下方には上部電極31a、31bと対向して下部電極14a、14bがそれぞれ設けられている。下部電極14a、14bは配線16a、16bにそれぞれ接続されている。
上部電極31a、ばね構造部32a、アンカー33a、下部電極14aは二手に分かれた梁22aの間に位置し、上部電極31b、ばね構造部32b、アンカー33b、下部電極14bは二手に分かれた梁22bの間に位置している。配線15aと配線16aはアンカー23aの外側に引き出され、配線15bと配線16bはアンカー23bの外側に引き出されている。
電極21は、上部電極31a、31bとそれぞれ分離されている。そして、電極21と上部電極31aとの境界部分には絶縁層41aが設けられ、この絶縁層41aにより電極21と上部電極31aとが繋げられている。同様に、電極21と上部電極31bとの境界部分には絶縁層41bが設けられ、この絶縁層41bにより電極21と上部電極31bとが繋げられている。絶縁層41a、41bは、電極21及び上部電極31a、31bと応力の異なる層である。絶縁層41a、41bは、上部電極31a、31bの電極21と対向する一辺にのみ繋がるようにそれぞれ形成されている。絶縁層41a、41bには前記一辺に略垂直な方向に沿ってスリット42a、42bがそれぞれ設けられ、このスリット42a、42bにより絶縁層41a、41bが複数個(本例では3つ)の島状にそれぞれ分離されている。
(A−A’断面構造)
図2は、図1のA−A’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータのA−A’断面構造について説明する。
図2に示すように、例えばシリコン基板、ガラス基板等からなる基板11上に例えば熱酸化膜等からなる絶縁膜12が形成されている。この絶縁膜12上にシグナル線13、下部電極14a、14b、配線15a、15bがそれぞれ配置されている。尚、この断面には存在しないが、図1に示す配線16a、16b及びグランド線17a、17bも絶縁膜12上に配置されている。シグナル線13の両側には下部電極14a、14bがそれぞれ配置されている。シグナル線13、下部電極14a、14b、配線15a、15bは互いに離間している。シグナル線13と下部電極14a、14bを分離して形成することで、シグナル線13への下部電極14a、14bのノイズの伝わりを低減できる。シグナル線13、下部電極14a、14b、配線15a、15bの露出された上面及び側面は、絶縁膜18で覆われている。
シグナル線13及び下部電極14a、14bの上方には凸状(山なり)の電極部が設けられている。この電極部は、上部電極31a、31bと電極21とを含んで構成される。
シグナル線13の上方にはシグナル線13と対向して電極21が配置され、電極21及びシグナル線13が可変容量20の電極として機能している。本例は、グランド電位にバイアスされた電極21を動かすことにより、シグナル線13と電極21間の容量値を可変とした可変容量20である。
下部電極14a、14bの上方には下部電極14a、14bと対向して上部電極31a、31bがそれぞれ配置されている。下部電極14a、14b及び上部電極31a、31bにより、静電型のアクチュエータ部30a、30bがそれぞれ形成されている。ここで、下部電極14aと上部電極31a間及び下部電極14bと上部電極31b間に電位差を与えることでアクチュエータ部30a、30bが静電引力によりくっつき、電極21を下方に駆動できる。
シグナル線13と電極21との間及び下部電極14a、14bと上部電極31a、31bとの間には、上部電極31a、31b及び電極21が駆動して可変容量20の容量値を変更できるように、空洞部19が設けられている。
具体的には、電極21側の端部における上部電極31a及び下部電極14a間の距離が反対側の端部における上部電極31a及び下部電極14a間の距離よりも長くなるように、上部電極31aが下部電極14aに対して斜めに配置されている。同様に、電極21側の端部における上部電極31b及び下部電極14b間の距離が反対側の端部における上部電極31b及び下部電極14b間の距離よりも長くなるように、上部電極31bが下部電極14bに対して斜めに配置されている。従って、上部電極31aと電極21との境界部分は凸状になっており、上部電極31bと電極21との境界部分は凸状になっている。そして、この凸状の境界部分に絶縁層41a、41bがそれぞれ分離して設けられている。絶縁層41aは、上部電極31aと電極21との境界部分の隙間を埋めつつ、この境界部分における上部電極31a及び電極21上に形成されている。同様に、絶縁層41bは、上部電極31bと電極21との境界部分の隙間を埋めつつ、この境界部分における上部電極31b及び電極21上に形成されている。
本例では、電極21、アンカー23a、23b、33a、33bは同一配線レベルに配置されている。上部電極31a、31bの電極21と反対側の端部は、傾斜したばね構造部32a、32bによりアンカー33a、33bに接続されている。図1に示すように、ばね構造部32a、32bとアンカー33a、33bの接続部分の上面には、それぞれ絶縁層43a、43bが設けられている。絶縁層43a、43bは、絶縁層41a、41bと同じ材料でできている。図2のように、絶縁層43aは、絶縁層41aとともに、アクチュエータ部30aにおける電極部をV字状に屈曲させる役割をもつ。同様に、絶縁層43bは、絶縁層41bとともに、アクチュエータ部30bにおける電極部をV字状に屈曲させる役割をもつ。このようにして上部電極31a、31bの傾斜が実現できる。上部電極31a、31bの一端は、下部電極14a、14bにそれぞれ接するようにしてもよい。
(B−B’断面構造)
図3は、図1のB−B’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータのB−B’断面構造について説明する。尚、本実施形態の構造は、図1のB−B’線を基準として対称な構造をしている。
図3に示すように、基板11上に絶縁膜12が形成され、この絶縁膜12上にシグナル線13が形成されている。このシグナル線13の上面は絶縁膜18で覆われている。シグナル線13の上方には絶縁膜18と離間して電極21が配置されている。従って、電極21とシグナル線13との間には空洞部19が存在している。
[1−2]駆動状態
図4及び図5は、図2の静電型アクチュエータの駆動前後の状態の断面図を示す。ここで、図4は駆動前の状態であり、図5は駆動後の状態である。以下に、静電型アクチュエータの駆動状態について説明する。尚、ここでは、一方のアクチュエータ部30bの駆動状態を中心に説明するが、他方のアクチュエータ部30aの駆動状態も同様である。
図4に示すように、下部電極14b及び上部電極31bの電極21側の端部の位置をx1とし、反対側の端部の位置をx2とする。この駆動前の状態において、位置x1における下部電極14bと上部電極31bとの間の距離y1は、位置x2における下部電極14bと上部電極31bとの間の距離y2よりも長くなっている。
このような状態において、配線15b、16bに電圧をそれぞれ印加し、下部電極14b及び上部電極31b間に電位差を与える。その結果、下部電極14b及び上部電極31b間に静電引力が働く。この静電引力は、下部電極14b及び上部電極31b間の距離が短いほど強い。このため、まず、位置x2における下部電極14b及び上部電極31bが絶縁膜18を介してプルインする。そして、下部電極14b及び上部電極31b間の電位差がさらに増すと、位置x2から位置x1への方向に下部電極14b及び上部電極31b間の接触領域が増大する。このように、下部電極14b及び上部電極31bは、位置x2から位置x1への方向にジッパー状に閉じられていく。
以上の結果、図5に示すように、下部電極14aと上部電極31aとが絶縁膜18を介してほぼ全面で接触し、下部電極14bと上部電極31bとが絶縁膜18を介してほぼ全面で接触する。これにより、絶縁層41a、41bを介して上部電極31a、31bに繋がる電極21は下方に下がり、シグナル線13上の絶縁膜18の全面と接触する。従って、電極21とシグナル線13との間で大きなコンタクト力が得られ、容量比も大きくとることができる。
尚、絶縁層41a、41bが十分に強固であれば、電極21と上部電極31aとの境界部分及び電極21と上部電極31bとの境界部分の凸形状はほぼ維持される。このため、電極21とシグナル線13とが絶縁層18を介して接触したとき、電極21は両端部分が中央部分よりも上方に沿った凹形状になる。
[1−3]上部電極の傾斜
図6(a)乃至(c)は、本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の上部電極の傾斜を実現するための例を示す。以下に、上部電極の傾斜方法の例1乃至例3を説明する。尚、ここでは、一方のアクチュエータ部30bの上部電極31bを中心に説明するが、他方のアクチュエータ部30aの上部電極31aも同様である。
(例1)
図6(a)に示すように、例1では、電極21及び上部電極31bを離間して設け、電極21及び上部電極31b間並びに電極21及び上部電極31bの端部の上に絶縁層41b−1を形成する。この絶縁層41b−1は、電極21及び上部電極31bよりも圧縮応力が強い。これにより、上部電極31bの傾斜が実現され、電極21及び上部電極31bの境界部分が凸形状となる。
例えば、電極21及び上部電極31bとして引っ張り性の残留応力を有するAlを用い、絶縁層41b−1として圧縮性の残留応力を有するSiN又はSiOを用いればよい。絶縁層41b−1の厚さは例えば1μm以上が望ましい。これにより、電極21及び上部電極31bを十分強固に繋ぐことができる。
例1の構造の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、下部電極14b及びシグナル線13の上面及び側面に絶縁膜18を形成した後、絶縁膜12、18上に犠牲層(図示せず)が堆積される。次に、犠牲層が空洞部19の形状に加工される。この犠牲層上にメタル材が堆積されて加工される。これにより、電極21及び上部電極31bが互いに分離した形状となる。次に、犠牲層、電極21及び上部電極31b上に絶縁層41b−1が堆積される。そして、絶縁層41b−1が電極21及び上部電極31bの境界部分に残るように加工される。その後、犠牲層が除去される。
(例2)
図6(b)に示すように、例2では、電極21及び上部電極31bを離間して設け、電極21及び上部電極31bの端部の下に絶縁層41b−2を形成する。この絶縁層41b−2は、電極21及び上部電極31bよりも引っ張り応力が強い。これにより、上部電極31bの傾斜が実現され、電極21及び上部電極31bの境界部分が凸形状となる。
例えば、電極21及び上部電極31bとして引っ張り性の残留応力を有するAlを用い、絶縁層41b−2としてAlよりも引っ張り応力の強いSiNを用いればよい。絶縁層41b−2の厚さは例えば1μm以上が望ましい。これにより、電極21及び上部電極31bを十分強固に繋ぐことができる。
例2の構造の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、下部電極14b及びシグナル線13の上面及び側面に絶縁膜18を形成した後、絶縁膜12、18上に犠牲層(図示せず)が堆積される。次に、犠牲層が空洞部19の形状に加工される。この犠牲層上に絶縁層41b−2が堆積され、図示する形状に加工される。次に、犠牲層及び絶縁層41b−2上にメタル材が堆積されて加工される。これにより、電極21及び上部電極31bが互いに分離した形状となる。その後、犠牲層が除去される。
(例3)
図6(c)に示すように、例3では、電極21及び上部電極31bを離間して設け、電極21及び上部電極31b間並びに電極21及び上部電極31bの端部の上に絶縁層41b−1を形成し、電極21及び上部電極31bの端部の下に絶縁層41b−2を形成する。従って、例3では、電極21及び上部電極31bの端部は絶縁層41b−1、41b−2によって挟まれた3層構造になっている。ここで、電極21及び上部電極31bの境界部分が凸形状となるように、絶縁層41b−1、41b−2、上部電極31b及び電極21の残留応力が制御される。
例えば、電極21及び上部電極31bとして引っ張り性の残留応力を有するAlを用い、絶縁層41b−1として圧縮性の残留応力を有するSiNを用い、絶縁層41b−2として引っ張り性の残留応力を有するSiNを用いればよい。絶縁層41b−2の厚さは、絶縁層41b−1の厚さと同程度でもよいし、絶縁層41b−1の厚さよりも厚くても薄くてもよい。絶縁層41b−1、41b−2の厚さの総和は例えば1μm以上が望ましい。これにより、電極21及び上部電極31bを十分強固に繋ぐことができる。
[1−4]絶縁層の形状
図7(a)乃至(c)は、本発明の第1の実施形態に係る絶縁層の形状の違いによる上部電極及び電極の歪みの様子を示す。本図は、絶縁層41の形状の違いにより、電圧印加時に上部電極31、絶縁層41及び電極21がどのような形状になるかを有限要素法でシミュレーションした結果である。尚、各図において、MXは電極21、31の高さが最も高い位置を示し、MNは電極21、31の高さが最も低い位置を示す。
図7(a)の例では、絶縁層41が、上部電極31と電極21との境界部分だけでなく、上部電極31と梁22との境界部分にも形成されている。この例の場合、最も高い位置MXの高さは5.3μmとなる。
図7(b)の例では、図7(a)の絶縁層41にスリット42が形成されている。この例の場合、最も高い位置MXの高さは0.79μmとなる。
図7(c)の例では、絶縁層41が上部電極31と電極21との境界部分の一辺のみに直線状に形成され、さらに、絶縁層41にスリット42が形成されている。この図7(c)の例は、図1等に示す第1の実施形態の構造に対応している。この例の場合、最も高い位置MXの高さは0.63μmとなる。
図7(a)と図7(b)との最も高い位置MXの高さを比較すると、図7(b)の方が図7(a)よりも低くなっている。従って、絶縁層41にスリット42を設けた方が電極の歪みを低減できることが分かる。この歪みは、絶縁層41と電極21、31との応力差により生じていると考えられる。
図7(b)と図7(c)との最も高い位置MXの高さを比較すると、図7(c)の方が図7(b)よりも低くなっている。従って、上部電極31の一辺を電極21と直線状に繋げた方が、上部電極31の2辺を電極21及び梁22と繋げるよりも、歪みを低減できることが分かる。この歪みを低減することで、駆動電圧の上昇、容量比の減少を抑制できる。
次に、図8(a)及び(b)、図9(a)及び(b)を用いて、電極21と上部電極31a、31bを一つの辺でそれぞれ接続した場合の、絶縁層41a、41bのスリット42a、42bの必要性について説明する。
図8(a)及び(b)は、絶縁層41a、41bにより電極21と上部電極31a、31bを一つの辺でそれぞれ接続するが、絶縁層41a、41bにスリットが設けられていない。
図8(b)に示すように、C−C’断面では、絶縁層41bと電極21の応力差により、電極21に反りが生じている。ここで、絶縁層41bと電極21がオーバーラップしている部分の曲率半径をρ、このオーバーラップ部分の長さをLとすると、反り量ΔZは、以下の(式1)で与えられる。
Figure 0004334581
図9(a)及び(b)は、絶縁層41a、41bにより電極21と上部電極31a、31bを一つの辺でそれぞれ接続し、さらに、絶縁層41a、41bにスリット42a、42bが設けられている。ここで、スリット42a、42bの幅を十分小さくすれば、絶縁層41a、41bと電極21がそれぞれオーバーラップしている部分の長さの総和を、図8(b)の長さLとほぼ同じにできる。このことは、スリット42a、42bを設けても、電極21と上部電極31a、31b間のそれぞれの接合強度が低下しないことを意味する。
例えばスリットをn個設けたとすると、図9(b)のようにオーバーラップ部分の一単位分の長さはL/(n+1)になる。このオーバーラップ部分の曲率半径ρは、絶縁層41bと電極21の応力差により決まるため、図8(b)の場合と変わらない。よって、反り量ΔZは、以下の(式2)のようになる。
Figure 0004334581
反り量ΔZはオーバーラップ部分の長さの二乗に比例する。このため、絶縁層41a、41bにスリット42a、42bを入れることにより、電極21の反りを大幅に低減できることが分かる。
尚、図9(a)では、絶縁層41a、41bにスリット42a、42bをそれぞれ2個しか入れていないが、3個以上にしても勿論よい。
また、図9(b)に示すように、スリット42bを設けた場合であっても、絶縁層41bと電極21の応力差により、絶縁層41bと電極21がオーバーラップしている部分に反りが生じ、電極21に若干の凹凸ができる。しかし、図9(a)に示すように、電極21と梁22bの接続部は、電極21の端から距離dだけ離れている。このため、シグナル線13の上部では電極21はほぼ平坦になる。シミュレーションによれば、距離dは10μm以上が望ましい。
[1−5]駆動電圧
図10は、本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の模式図を示す。図11A乃至図11Dは、本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の電極間の電位差を増加させていったときのポテンシャル形状の変化を示す。以下に、傾斜した電極構造を採用することにより、駆動電圧が低減できることを説明する。
図10に示すように、アクチュエータ部の付近をモデル化すると、アクチュエータ部の上部電極31が下部電極14に対して斜めに配置され、上部電極31の両端にばね定数k1、k2のばねが接続された構造となる。
図10のモデルを図1の構成で説明すると、k1は、電極21からアンカー23aに至るまでのばね定数、又は、電極21からアンカー23bに至るまでのばね定数である。また、k2は、電極31aからアンカー33aに至るまでのばね定数、又は、電極31bからアンカー33bに至るまでのばね定数である。
ばね定数k1、k2の間には、k1>k2の関係が成り立つ。この関係は、以下のような構造にすることで実現できる。例えば、梁22a、22bを構成する配線をばね構造32a、32bを構成する配線よりも太くする。又は、ばね構造32a、32bの平面形状をメアンダ状にする。
k1>k2の関係が成り立つことは、梁22a、22bの抵抗R1がばね構造32a、32bの抵抗R2よりも小さいことも意味する。ここで、梁22a、22bの抵抗R1は、RF信号のロスを生むため、極力小さいことが望ましい。一方、ばね構造32a、32bの抵抗R2は、駆動電極への電圧印加の時定数が100nsecあれば十分なため、多少大きくても構わない。
図10のモデルにおける駆動電圧は、ポテンシャル問題を解くことにより分かる。ポテンシャルは、以下の(式3)で表される。静電エネルギーUesとばねの弾性エネルギーUkは、以下の(式4)、(式5)で表される。
Figure 0004334581
Figure 0004334581
Figure 0004334581
ここで、d1、d2は、上部電極31及び下部電極14間の電位差が0Vのときの位置x1、x2における距離y1、y2である。εは誘電率、Aは上部電極31の面積である。このパラメータd1、d2、x1、x2は、図10に対応し、以下の表1に示すような有限要素法で求めた。
Figure 0004334581
上部電極31及び下部電極14間の電位差Vを増していくと、図11A乃至図11Dに示すようにポテンシャル形状が変化する。
電位差Vが0Vのとき、図11Aに示すように、位置x1の上部電極31及び下部電極14間の距離y1は2.5μm、位置x2の上部電極31及び下部電極14間の距離y2は0.25μmである。
続いて、電位差Vを1.8Vに増加させると、図11Bに示すように、位置x1の上部電極31及び下部電極14間の距離y1は2.5μmのままであるが、位置x2の上部電極31及び下部電極14間の距離y2は0.05μmとほぼ0に近づく。つまり、電位差Vを1.8Vにすると、位置x2における上部電極31及び下部電極14がプルインすることが分かる。
続いて、電位差Vを5Vに増加させると、図11Cに示すように、位置x2における上部電極31及び下部電極14はプルインした状態で、さらに位置x1の上部電極31及び下部電極14間の距離y1は2.0μmと短くなる。
さらに、電位差Vを8.8Vに増加させると、図11Dに示すように、位置x2における上部電極31及び下部電極14はプルインした状態で、さらに位置x1の上部電極31及び下部電極14間もプルインする。
以上より、本例の場合、上部電極31及び下部電極14の全体がプルインする電圧は8.8Vであるといえる。これに対し、アクチュエータの電極に傾斜がなく、k1=k2の場合のプルイン電圧は20.9Vである。従って、本例では、駆動電圧を半分以下にできることが分かる。
このように駆動電圧が低減できたのは、位置x2における上部電極31及び下部電極14間の距離y2が短いことと、k1>k2が成り立っていることが大きく起因する。この二つの条件により、位置x2では低い電圧でプルインが起こる。さらに、位置x2におけるプルインにより、位置x2近傍の上部電極31及び下部電極14間の距離が縮まるため、さらにプルインが起こりやすい状態となり、電位差Vを少し上げるだけで位置x1に向かってなし崩し的にプルインが起こる。この結果、位置x1におけるプルインも電極に傾斜がない場合よりも低い電圧で起きる。
[1−6]効果
本発明の第1の実施形態によれば、アクチュエータ部30a、30bの上部電極31a、31bを下部電極14a、14bに対して斜めに配置し、電極21と反対側の上部電極31a、31b及び下部電極14a、14b間の距離y2を短くしている。これにより、位置y2において、上部電極31a、31b及び下部電極14a、14b間の静電引力が強く働くため、低い電圧によりプルインが生じる。このプルインの始まりにより、位置x2からx1に向かってジッパー状に上部電極31a、31b及び下部電極14a、14b間のプルインが生じ易くなり、駆動電圧を低減することができる。
また、本実施形態では、アクチュエータ部30a、30bの上部電極31a、31bを下部電極14a、14bに対して斜めに配置し、上部電極31a、31b及び電極21の境界部分を凸形状としている。そして、この境界部分には強固な絶縁層41a、41bが形成されている。このため、上部電極31a、31b及び下部電極14a、14bの全面がプルインしたときも凸形状は維持されるため、電極21は凹形状となり、電極21はシグナル線13に強く押し付けられ、大きな容量値が得られる。これにより、大きな容量比が得られる。
また、本実施形態では、ばね定数を小さくするのではなく、ばね定数にk1>k2の関係を持たせる。このため、ばね定数を小さくした場合に生じるスティクション不良の問題も生じない。
また、非特許文献1に示すような静電型アクチュエータが片持ち構造の場合、電極21は凹状に数10μm程度と大きく反るため、パッケージへの収納が困難となる。これに対し、本実施形態の静電型アクチュエータは両持ち構造であるため、電極21の両端を上部電極31a、31bで保持することで電極21の反りを抑制でき、パッケージへの収納も容易となる。さらに、両持ち構造の本実施形態では、可変容量20の電極13、21間の距離が犠牲層の厚さそのものになっており、温度特性の影響も受け難いという利点もある。
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様、静電型アクチュエータを可変容量に適用した例である。第1の実施形態では電極21にグランド電位が与えられていたのに対し、第2の実施形態では電極21はフローティング状態である。尚、第2の実施形態では、主に第1の実施形態と異なる点について説明する。
[2−1]静電型アクチュエータの構造
図12は、本発明の第2の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。図13は、図12のA−A’線に沿った断面図を示す。図14は、図12のB−B’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの構造について説明する。
図12乃至図14に示すように、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、電極21とアンカー23a、23bとが図1の梁22a、22bで繋がれておらず、電極21がフローティング状態になっている。さらに、シグナル線13a、13bがY方向において分離されている。
このような構造において、電極21を上下に動かすことにより、電極21とシグナル線13a間の容量20a及び電極21とシグナル線13b間の容量20bを変更できる。
[2−2]効果
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施形態では、電極21はフローティング状態であるため、アイソレーション特性がよいという効果が得られる。また、本実施形態は、伝送線路に対し直列に可変容量が挿入されるため、特性を可変なCRLH−TL(Composite Right/Left Handed - Transmission Line)を構成するのに有利である。
[3]第3の実施形態
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と異なり、静電型アクチュエータをスイッチに適用した例である。尚、第3の実施形態では、主に第1の実施形態と異なる点について説明する。
[3−1]静電型アクチュエータの構造
図15は、本発明の第3の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。図16は、図15のA−A’線に沿った断面図を示す。図17は、図15のB−B’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの構造について説明する。
図15乃至図17に示すように、第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、電極21とアンカー23a、23bとが図1の梁22a、22bで繋がれておらず、電極21がフローティング状態になっている。さらに、シグナル線13a、13bがY方向において分離され、このシグナル線13a、13bの表面には図3の絶縁膜18が形成されていない。
このような構造において、電極21が下に動いてシグナル線13a、13bと接触すると、電気的に導通した状態となる。これにより、レジスティブスイッチSWが実現できる。このようなスイッチSWでは、電極21がシグナル線13a、13bに接触することでオン状態となり、電極21がシグナル線13a、13bと離れることでオフ状態となる。
[3−2]効果
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上述する図5からも分かるように、本構造では電極21のコンタクト力が強いため、コンタクト抵抗を低減できる。従って、本実施形態によれば、ロスの少ないスイッチSWを実現できる。
尚、第3の実施形態では、第2の実施形態の構造を基礎としてスイッチ用に変形したが、第1の実施形態の構造を基礎としてシグナル線13上の絶縁膜18を無くしてスイッチに変形することも可能である。
[4]第4の実施形態
第4の実施形態は、第1及び第2の実施形態と同様、静電型アクチュエータを可変容量に適用した例である。この第4の実施形態では、第1及び第2の実施形態と異なり、梁22a、22bの一部に薄膜51a、51bを設け、梁22a、22bを傾斜させている。尚、第4の実施形態では、主に第1の実施形態と異なる点について説明する。
[4−1]アクチュエータの構造
(例1)
図18は、本発明の第4の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。図19は、図18のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図を示す。図20は、図18のG−G’線に沿った断面図を示す。図21は、図18のH−H’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの構造の例1について説明する。
図18乃至図21に示すように、第4の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、梁22a、22b上に薄膜51a、51bを部分的に形成し、この部分の梁22a、22bを傾斜させている点である。尚、薄膜51a、51bは、絶縁材、導電材のどちらでもよく、梁22a、22bと応力の異なる膜である。
具体的には、図19に示すように、梁22a、22bは、電極21の両端から左右に延在し、アンカー23a、23bにそれぞれ接続されている。この梁22a、22bには、基板11に対して電極21側が高くなる傾斜部分が存在する。この梁22a、22bの傾斜部分の上面には、薄膜51a、51bが形成されている。
また、平面図で見ると、図18に示すように、薄膜51aはアクチュエータ部30aのY方向の両側の梁22a上に位置し、薄膜51bはアクチュエータ部30bのY方向の両側の梁22b上に位置している。この薄膜51a、51bが存在する領域の梁22a、22bは、電極21側が高くなるように傾斜している。
このような構造によれば、電極21の両端は梁22a、22bと接続されているので、電極21は梁22a、22bに持ち上げられ、電極21とシグナル線13とのギャップが大きくなる。その結果として、電極21とシグナル線13との間のギャップによる容量が低減することが期待できる。
(例2)
図22は、本発明の第4の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。図23は、図22のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの構造の例2について説明する。
図22及び図23に示すように、例2において、例1と異なる点は、薄膜51a、51bが梁の22a、22bの下面に形成されている点である。その他の点は例1と同様であるため、説明は省略する。
尚、梁22a、22bの傾斜部分の上面及び下面の両方に薄膜51a、51bを形成し、梁22a、22b傾斜部分を薄膜51a、51bで挟んだ構造にすることも可能である。
[4−2]梁の傾斜
梁22a、22bを傾斜させるには、例えば以下の2種類の方法で実現できる。
(例1)
図19に示すように、梁22a、22bとなるメタル上の一部に、このメタルよりも大きな引っ張り応力を持った薄膜51a、51bを形成する。これにより、基板11に対して電極21側が高くなるような梁22a、22bの傾斜が実現できる。例えば、梁22a、22bのメタルとしてAlを用いた場合は、薄膜51a、51bにはAlよりも引っ張り応力の強いTiなどを採用すればよい。
例1の構造の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、シグナル線13の上面及び側面に絶縁膜18を形成した後、絶縁膜12、18上に犠牲層(図示せず)が堆積される。次に、犠牲層が空洞部19の形状に加工される。この犠牲層上にメタル材が堆積されて加工される。これにより、電極21及び梁22a、22bが形成される。次に、電極21及び梁22a、22b上に薄膜51a、51bが堆積されて加工される。これにより、薄膜51a、51bが梁22a、22bの傾斜部分にのみ残される。その後、犠牲層が除去される。
(例2)
図23に示すように、梁22a、22bとなるメタル下の一部に、このメタルよりも大きな圧縮応力を持った薄膜51a、51bを形成する。これにより、基板11に対して電極21側が高くなるような梁22a、22bの傾斜が実現できる。例えば、梁22a、22bのメタルとしてAlを用いた場合は、薄膜51a、51bにはAlよりも圧縮応力の強いSiN、SiOなどを採用すればよい。
例2の構造の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、シグナル線13の上面及び側面に絶縁膜18を形成した後、絶縁膜12、18上に犠牲層(図示せず)が堆積される。次に、犠牲層が空洞部19の形状に加工される。この犠牲層上に薄膜51a、51bが堆積されて加工される。次に、犠牲層及び薄膜51a、51b上にメタル材が堆積されて加工される。これにより、電極21及び梁22a、22bが形成される。その後、犠牲層が除去される。
[4−3]寄生容量
図24(a)及び(b)、図25は、本発明の第4の実施形態に係る梁が傾斜している構造での寄生容量の実測結果を示す。以下に、本実施形態の構造において寄生容量が低減できる効果について説明する。
図24(a)及び(b)、図25に示すように、梁22a、22bの上部への反りが大きいほど、電極21のブリッジ反り量Zが大きくなる。これは、電極21の両端に繋げられた梁22a、22bによって電極21が持ち上げられるからである。また、図25に示すように、梁22a、22bの上部への反りが大きいほど、寄生容量が低減していることが確認できる。これにより、寄生容量を従来よりも23%低減できる。
尚、電極21が持ち上げられることで、アクチュエータ部30a、30bの上部電極31a、31bが持ち上げられ、駆動電圧が高くなることが懸念される。しかし、アクチュエータ部30a、30bを下部に傾斜した電極構造にしているため、駆動電圧の増加を抑えることが可能である。
[4−4]効果
上記第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第4の実施形態では、次のような効果も得ることができる。
一般に、RF用途で使用される可変容量やスイッチでは、オフ状態における寄生容量成分は小さいことが望ましい。オフ状態の可変容量やスイッチにおける寄生容量成分は、シグナル線13と基板11との間でカップリングしている容量成分と、シグナル線13と電極21間の空気層のギャップによりカップリングしている容量成分と、に分けられる。シグナル線13と基板11間の容量成分は、高抵抗Si基板やガラス基板を用いることで低減可能である。一方、シグナル線13と電極21間の空気層による容量成分は、ギャップを大きくとることで低減することが可能である。このギャップは犠牲層を厚く堆積することで大きくすることができ、結果として寄生容量を減らすことができる。しかし、これと同時に、アクチュエータ部30a、30bのギャップも大きくなってしまうため、駆動電圧の増加を引き起こしてしまうことが考えられる。
そこで、第4の実施形態では、梁22a、22bに薄膜51a、51bを部分的に設け、この部分の梁22a、22bを傾斜させている。これにより、シグナル線13と電極21間のギャップを大きくすることができるため、シグナル線13と電極21間の空気層による容量成分を低減することが可能である。
さらに、第4の実施形態では、シグナル線13と電極21間のギャップを大きくすることでアクチュエータ部30a、30bのギャップも大きくなるが、上部電極31a、31bを下部電極14a、14bに対して斜めに配置することで、上部電極31a、31b及び下部電極14a、14bの静電引力による接触力を高めることができるため、駆動電圧の増加を抑制することも可能である。
[5]第5の実施形態
第5の実施形態は、第4の実施形態と異なり、静電型アクチュエータをスイッチに適用した例である。尚、第5の実施形態では、主に第4の実施形態と異なる点について説明する。
[5−1]静電型アクチュエータの構造
図26は、本発明の第5の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図を示す。図27は、図26のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図を示す。図28は、図26のG−G’線に沿った断面図を示す。図29は、図26のH−H’線に沿った断面図を示す。以下に、静電型アクチュエータの構造について説明する。
図26乃至図29に示すように、第5の実施形態において、第4の実施形態と異なる点は、シグナル線13の表面に図19等の絶縁膜18が形成されず、電極21及びシグナル線13がスイッチSWとして機能している点である。
このような構造において、電極21が下に動いてシグナル線13と接触すると、電気的に導通した状態となる。これにより、レジスティブスイッチSWが実現できる。このようなスイッチSWでは、電極21がシグナル線13に接触することでオン状態となり、電極21がシグナル線13と離れることでオフ状態となる。
[5−2]効果
上記第5の実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、上述する図5からも分かるように、本構造では電極21のコンタクト力が強いため、コンタクト抵抗を低減でき、さらに寄生容量も低減できる。これにより、ロスの少ないスイッチSWが実現できる。
尚、上記各実施形態におけるアクチュエータ部30a、30bは、静電型に加えて、例えば圧電型のアクチュエータを備えたハイブリッド構造であってもよい。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図1のA−A’線に沿った断面図。 図1のB−B’線に沿った断面図。 本発明の第1の実施形態に係る静電型アクチュエータの駆動前の状態を示す断面図。 本発明の第1の実施形態に係る静電型アクチュエータの駆動後の状態を示す断面図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の上部電極の傾斜を実現するための例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る絶縁層の形状の違いによる上部電極及び電極の歪みの様子を示す図。 本発明の参考例に係るスリットを有しない絶縁層を設けた静電型アクチュエータの平面図及び断面図。 本発明の第1の実施形態に係るスリットを有する絶縁層を設けた静電型アクチュエータの平面図及び断面図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の模式図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の電極間の電位差が0のときのポテンシャル形状を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の電極間の電位差が1.8Vのときのポテンシャル形状を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の電極間の電位差が5Vのときのポテンシャル形状を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るアクチュエータ部の電極間の電位差が8.8Vのときのポテンシャル形状を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図12のA−A’線に沿った断面図。 図12のB−B’線に沿った断面図。 本発明の第3の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図15のA−A’線に沿った断面図。 図15のB−B’線に沿った断面図。 本発明の第4の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図18のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図。 図18のG−G’線に沿った断面図。 図18のH−H’線に沿った断面図。 本発明の第4の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図22のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図。 本発明の第4の実施形態に係る梁の反りの違いによるブリッジ反り量の変化を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る梁の反り量と寄生容量との関係を示す図。 本発明の第5の実施形態に係る静電型アクチュエータの平面図。 図26のA−B−C−D−E−F線に沿った断面図。 図26のG−G’線に沿った断面図。 図26のH−H’線に沿った断面図。
符号の説明
11…基板、12、18…絶縁膜、13、13a、13b…シグナル線、14a、14b…下部電極、15a、15b、16a、16b…配線、17a、17b…グランド線、19…空洞部、20…可変容量、21…電極、22a、22b…梁、23a、23b、33a、33b…アンカー、30a、30b…アクチュエータ部、31a、31b…上部電極、32a、32b…ばね構造部、41a、41b…絶縁層、42a、42b…スリット、51a、51b…薄膜、SW…スイッチ。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の上方にそれぞれ分離して配置された第1及び第2の下部電極と、
    前記第1及び第2の下部電極の上方に空洞部を有して配置され、第1の上部電極と第2の上部電極と前記第1及び第2の上部電極の間に配置された第3の上部電極とを有し、前記第1の上部電極は前記第1の下部電極と対向しかつ前記第1の下部電極に対して斜めに配置され、前記第2の上部電極は前記第2の下部電極と対向しかつ前記第2の下部電極に対して斜めに配置され、前記第1及び第3の上部電極の第1の境界部分は凸状であり、前記第2及び第3の上部電極の第2の境界部分は凸状であり、前記第1の下部電極と前記第1の上部電極との間及び前記第2の下部電極と前記第2の上部電極との間に電位差を印加することで前記第3の上部電極を駆動する電極部と、
    前記第1及び第2の境界部分に互いに分離して配置された第1及び第2の層と
    を具備することを特徴とする静電型アクチュエータ。
  2. 前記第1及び第3の上部電極は、互いに分離して形成され、かつ、前記第1の層で接続されており、
    前記第2及び第3の上部電極は、互いに分離して形成され、かつ、前記第2の層で接続されており、
    前記第1及び第2の層は、絶縁層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電型アクチュエータ。
  3. 前記第1の層は、前記第1の上部電極の一辺のみに繋がるように形成され、
    前記第2の層は、前記第2の上部電極の一辺のみに繋がるように形成され、
    前記第1及び第2の層は、前記一辺に略垂直な方向に沿ってスリットがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電型アクチュエータ。
  4. 前記第3の上部電極に接続された梁と、
    前記梁に接続された第1のアンカーと、
    前記第1及び第2の上部電極のいずれか一方に接続されたばね構造部と、
    前記ばね構造部に接続された第2のアンカーと
    をさらに具備し、
    前記第3の上部電極から前記第1のアンカーに至るまでの第1のばね定数は、前記第1及び第2の上部電極のいずれか一方から前記第2のアンカーに至るまでの第2のばね定数よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の静電型アクチュエータ。
  5. 前記第3の上部電極に接続された梁と、
    前記第1及び第2の上部電極のいずれか一方に接続されたばね構造部と
    をさらに具備し、
    前記梁を構成する配線の太さは、前記ばね構造部を構成する配線の太さよりも太いことを特徴とする請求項1に記載の静電型アクチュエータ。
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