JP4334336B2 - 光スイッチ - Google Patents

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この発明は、移動側光ファイバを移動させて、選択した位置決め溝内の固定側光ファイバに切り替え接続するメカニカル方式の光スイッチに関し、特に、オイルを充填したケーシング内で、移動側光ファイバを押下げ用板ばねにより押し下げて位置決め溝に収容する方式の光スイッチに関する。
メカニカル方式の光スイッチは、互いに平行な複数の位置決め溝に収容固定した複数の固定側光ファイバに対して、これに対向する移動側光ファイバを固定側光ファイバの並び方向に移動させて、選択した位置決め溝内の固定側光ファイバに切り替え接続する方式であるが、その際、選択した位置決め溝の上方に移動させた移動側光ファイバをその位置決め溝内に押し下げて収容する手段として、押下げ用板ばねを用いる方式がある。
すなわち、図6に要部を示した光スイッチ6のように、位置決め台3上の互いに平行な複数の位置決め溝3aに収容固定した複数の固定側光ファイバ1に対して、移動側光ファイバ2を固定側光ファイバ1の並び方向(図6で矢印a方向)に移動させて、選択した位置決め溝3aの上方に位置させ、次いで、移動側光ファイバ2を、その基端部を中心として矢印bのように上下に回動可能な押下げ用板ばね(一般にハンマーと呼ばれる)4により押し下げて当該位置決め溝3a内に収容する方式である。5は移動側光ファイバ2を挿通固定したフェルールで、移動側光ファイバ2を固定側光ファイバ1の並び方向に移動させる移動側光ファイバ駆動機構のヘッド部に取り付けられる。
特開2002−23075号公報 特開2002−139684号公報
ところで、位置決め溝内で固定側光ファイバと移動側光ファイバとを突き合わせ接続するメカニカル方式の光スイッチでは一般に、光接続の損失を少なくするために、屈折率整合剤であるシリコンオイル等のオイルを充填したケーシング内で上記の突き合わせ接続を行なう。このため、位置決め台3の周囲が押下げ用板ばね4も含めてオイルに浸かることになる。
高速切り替えが要求される光スイッチにおけるこの押下げ用板ばね4は、高速で移動側光ファイバ2を押し下げるが、この押下げ用板ばね4をオイルの充填された中で高速で下降させた場合、ケーシング内のオイルが押下げ用板ばね4の動きに伴い攪拌されて流動するため(オイルの流動を白抜き矢印cで示す)、移動側光ファイバ2がオイルにより左右に揺さぶられ、目的とする相手側の固定側光ファイバ1のある位置決め溝3aに入らないほど位置ずれして、目的の固定側光ファイバ1と正しく突き合わせ接続できない場合があるという問題、すなわち、光スイッチの高速切り替え接続の安定性に問題があった。
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、簡単な構造でもって高速切り替え接続の安定性を確保できる光スイッチを提供することを目的とする。
上記課題を解決する請求項1の発明は、互いに平行な複数の位置決め溝に収容固定した複数の固定側光ファイバに対して、移動側光ファイバを固定側光ファイバの並び方向に移動させて、選択した位置決め溝の上方に位置させ、次いで、前記移動側光ファイバを上下に撓み変形する押下げ用板ばねにより押し下げて当該位置決め溝内に収容する切り替え接続動作を、屈折率整合剤であるオイルを充填したケーシング内で行なう光スイッチにおいて、
前記押下げ用板ばねの下面の板ばね幅方向両側に、押下げ用板ばね長手方向に延びる板部材をそれぞれ設けるとともに、この板部材は、前記押下げ用板ばねの下降時において、前記押下げ用板ばねの下のオイルが左右に流動するのを規制するのに十分な長さを有し、かつ、押下げ用板ばねの板部材存在領域における撓み変形を阻害しないものであることを特徴とする。
求項は、請求項記載の光スイッチにおける押下げ用板ばねが、矩形状の平板部の先端側に、移動側光ファイバに接触する部分として丸みを付けて屈曲させた曲面部を形成した形状であることを特徴とする。
請求項1の光スイッチにおいて、押下げ用板ばねを屈折率整合剤であるオイルの充填された中で高速で下降させた場合、押下げ用板ばね下のオイルは、いずれかの方向に逃げることになるが、押下げ用板ばねの下面の板ばね幅方向両側にそれぞれ設けた、押押下げ用板ばね長さ方向に十分な長さを持つ板部材によって左右方向の流動を規制されるので、押下げ用板ばねの長手方向に流動する。このように、押下げ用板ばねの動きでオイルが左右に流動することはなく、したがって、移動側光ファイバがオイルにより左右に揺さぶられることがなく、位置ずれせずに押し下げられて、目的とする相手側の固定側光ファイバのある位置決め溝に正しく入り、目的とする固定側光ファイバと正しく突き合わせ接続される。なお、オイルの押下げ用板ばね長手方向の流動は、移動側光ファイバを左右の揺さぶることはないので、特に問題はない。
発明は、請求項のような形状の押下げ用板ばねを持つ光スイッチに適用できる。
以下、本発明を実施した光スイッチについて、図面1〜図5を参照して説明する。
図4は本発明の一実施例の光スイッチ16の模式的な平面図、図5は図4のB−B断面図、図1(イ)は上記光スイッチ16の要部の拡大斜視図である。この光スイッチ16は、拡大断面図の図2にも示すように、互いに平行な複数の位置決め溝3aを上面に設けた位置決め台3を持ち、この位置決め台3の各位置決め溝3aにそれぞれ固定側光ファイバ1が固定的に収容されている。移動側光ファイバ2は、移動側光ファイバ駆動機構17により、固定側光ファイバ1の並び方向(図1で矢印a方向)に移動可能である。この移動側光ファイバ2の上方に押下げ用板ばね14が設けられている。この光スイッチ16の位置決め台3や押下げ用板ばね14の周囲は、屈折率整合剤であるシリコンオイル等のオイル18を充填したケーシング23内に収容されている(オイル18はケーシング23の内部を満たしている)。なお、通常は、上記の光スイッチ16を多数並べて配置して、切り替え心数の多い光スイッチ装置を構成する。
前記押下げ用板板ばね14は、全体として板ばね作用を有する部材であり、位置決め溝領域の幅より若干幅の広い矩形状の平板部14aの先端側に、移動側光ファイバ2に接触する部分として、折り返し丸みを付けて屈曲させた曲面部14bを形成した形状であり、図1(ロ)にも示すように、前記平板部14aの両側に、押下げ用板ばね下のオイルが左右に流動するのを規制する側板(板部材)13を設けている。この側板13は、前記押下げ用板ばね14の下降時において、押下げ用板ばね14の下のオイルが左右に流動するのを規制するのに十分な長さを有する。押下げ用板ばね14はバネ性を持つ金属板からなるが、側板13は、押下げ用板ばね14の撓み変形を阻害しない程度に柔軟なプラスチック板やゴム板等を用いるとよい。なお、側板13を薄い金属プレートで構成し、側板も含めた弾性設計をすることも考えられる。
この押下げ用板ばね14は、移動側光ファイバ2を位置決め溝3aに押し下げて収容する移動側光ファイバ押下げ機構19を構成するものである。図示例の移動側光ファイバ押下げ機構19は、例えば図4、図5に示すように、押下げ用板ばね14の基端部14dを回転駆動軸20に固定し、先端の曲面部14bを移動側光ファイバ2の先端付近の上方に位置させ、回転駆動軸20を所定角度だけ矢印d方向に回転させて、これと一体に押下げ用板ばね14を回転させ、先端の曲面部14bで移動側光ファイバ2を上から押し下げて位置決め溝3aに収容する。
なお、移動側光ファイバ押し下げ機構の駆動部は、図示のような回転駆動軸20の方式に限らず、例えばケーシング23の上面側に設けたソレノイドで押下げ用板ばね14を回転駆動ないし直線的に上下動させる機構、その他、公知の種々の機構を採用することができる。
図示例の移動側光ファイバ駆動機構17は、平行な2本のプレート22aを持つ可撓性を持つ支持アーム22の基端をケーシング23に固定し、その先端のヘッド部22bで、移動側光ファイバ2を挿通固定したフェルール5を保持し、平行移動する2本のプレート22aの撓み変形による支持アーム22の撓み変形で、先端のヘッド部22bを、固定側光ファイバ1の配列方向に沿って平行移動でき、これにより、移動側光ファイバ2を、その先端近傍に水平方向の角度を付けることなく所望の位置決め溝3aの位置に移動させる機構である。
なお、支持アーム22を撓み変形させる駆動手段は、図示例ではケーシング23内に設けることになるが、これに限定されるものでなく、例えば、支持アーム22の基端部をケーシング23の外に出して駆動手段をケーシング23外に設ける構成とすることもできる。その場合、支持アーム22のケーシング貫通部をゴムシール構造とするとよい。また、移動側光ファイバ駆動機構として、支持アームを撓み変形させる方式に限らず、公知の種々の手段を採用できる。
上記の光スイッチ16において、切り替え接続を行う場合、移動側光ファイバ駆動機構17により移動側光ファイバ2を、選択した位置決め溝3aの上方位置まで移動させ、次いで、回転駆動軸20の矢印d方向の回転により押下げ用板ばね14を下方に回転駆動し、その先端の曲面部14bで移動側光ファイバ2を、選択した位置決め溝3aに押し下げて収容する。これにより、固定側光ファイバ1と移動側光ファイバ2との屈折率整合剤(オイル)を介在させた突き合わせ接続が行なわれる。
上記の切り替え接続動作において、押下げ用板ばね14をオイルの充填された中で高速で下降させた場合、押下げ用板ばね下のオイルは、いずれかの方向に逃げることになるが、押下げ用板ばね14の幅方向両側の側板13によって左右方向の流動を規制されるので、押下げ用板ばね14の長手方向に流動する。このように、押下げ用板ばね14の動きでオイルが左右に流動することはなく、したがって、移動側光ファイバ2がオイルにより左右に揺さぶられることがなく、位置ずれせずに押し下げられて、目的とする相手側の固定側光ファイバのある位置決め溝に正しく入り、目的とする固定側光ファイバと正しく突き合わせ接続される。
押下げ用板ばねの断面形状についても、上述の実施例に限らず、例えば、図3(イ)の押下げ用板ばね54のように、平板部54aの先端から前方に伸びる態様の半円弧状の曲面部54bを形成したものでもよい。また、図3(ロ)の押下げ用板ばね44のように、平板部64aの先端から鋭角に折り返し、その先端から前方に伸びる態様の半円弧状の曲面部64bを形成したものでもよい。その他、種々の断面形状とすることができる。
なお、本発明の趣旨は、移動側光ファイバの移動によるオイル攪拌(流動)を可及的に防止することであるから、この目的を達するための構造としては、実施例には限定されない。
例えば、板部材がオイルの攪拌(流動)を阻止する効果を高めるために、押下げ用板ばねにオイルを流通させるための開口部を設けることもできる。
(イ)は本発明の一実施例の光スイッチの要部の斜視図、(ロ)は(イ)の拡大C−C断面図である。 図1のA−A拡大断面図である。 (イ)、(ロ)はそれぞれ、上記光スイッチの押下げ用板ばねの断面形状についての他の実施例を示すもので、押下げ用板ばねの断面図である。 本発明の光スイッチの模式的な平面図である。 図4のB−B断面図である。 従来の光スイッチの要部の斜視図である。
符号の説明
1 固定側光ファイバ
2 移動側光ファイバ
3 位置決め台
3a 位置決め溝
5 フェルール
13 側板(板部材)
14、54、64 押下げ用板ばね
14a、54a、64a 平板部
14b、54b、64b 曲面部
14d 基端部
16 光スイッチ
17 移動側光ファイバ駆動機構
18 オイル
19 移動側光ファイバ押し下げ機構
20 回転駆動軸
22 支持アーム
22a プレート
22b ヘッド部

Claims (2)

  1. 互いに平行な複数の位置決め溝に収容固定した複数の固定側光ファイバに対して、移動側光ファイバを固定側光ファイバの並び方向に移動させて、選択した位置決め溝の上方に位置させ、次いで、前記移動側光ファイバを上下に撓み変形する押下げ用板ばねにより押し下げて当該位置決め溝内に収容する切り替え接続動作を、屈折率整合剤であるオイルを充填したケーシング内で行なう光スイッチにおいて、
    前記押下げ用板ばねの下面の板ばね幅方向両側に、押下げ用板ばね長手方向に延びる板部材をそれぞれ設けるとともに、この板部材は、前記押下げ用板ばねの下降時において、前記押下げ用板ばねの下のオイルが左右に流動するのを規制するのに十分な長さを有し、かつ、押下げ用板ばねの板部材存在領域における撓み変形を阻害しないものであることを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記押下げ用板ばねは、矩形状の平板部の先端側に、移動側光ファイバに接触する部分として丸みを付けて屈曲させた曲面部を形成した形状であることを特徴とする請求項記載の光スイッチ。
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