以下、本発明の実施の1形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る建造物形状地図による情報案内装置の実施の1形態を示す図、図2は本発明に係る建造物形状地図による情報案内装置による形状地図の表示案内処理を説明するための図、図3は建造物形状地図のデータ構造の例を示す図である。
図1において、記憶装置100は、建築物(一般家屋、事務室用建造物、マンション、消防署、デパート、病院、駅等)、施設(塔、公園、遊園地、運動場等)、橋、道路その他各種の所謂建造物の形状を描画し表示するための建造物形状地図のデータ100a、目的地点の表示形態を変化させて認識し易くするための表示形態変更データ100bを記憶したものであり、さらに道路地図のデータ、建造物形状地図のデータ等を記憶したものであってもよい。建造物形状地図のデータ100aは、建造物の形状を描画し表示するための複数の座標値からなる座標列、その建造物の名称、番地(住所)、その建造物に属する各種情報、例えば種別、高さ、構成(入居者)、さらにその電話番号等の情報を有する。表示形態変更データ100bは、後述する建造物形状地図において地点設定がされたときに、設定された建造物がマンション、個人宅、施設等の何れであるかの種別や面積等に応じて表示形態を変更するためのデータ(例えば、種別や面積に応じた異なるマーク等のデータ)、建造物の高さ方向、階も表示可能なデータ等からなっている。
中央処理装置200は、記憶装置100から表示範囲の建造物形状地図のデータを読み出して建造物の種別や高さ、その他の詳細情報(構成の規模等)から、座標列に基づき建造物の形状地図を描画表示し、その表示した建造物形状地図上で建造物が選択されると、記憶装置100から表示形態変更データを読みだしてその建造物の表示形態を変化させて強調表示したり、立体表示し、その建造物に属する情報や周辺情報を検索し案内出力したり、逆に建造物に属する情報から建造物を中心とする形状地図を表示するものである。形状表示処理部200aは、例えば建造物の種別や高さ、構成の規模に基づいて建造物形状地図を描画し、また形状地図の上に、主要な形状物の名称を描画し表示する処理を行うものである。表示形態変更表示処理部200bは、建造物の種別、面積等に応じて異なるマークを選択表示したり、また、立体表示処理等を行って描画し表示するものである。検索案内処理部200cは、建造物に関する各種の情報、例えば建造物内に入居する会社や事務所、店舗等の名称のリスト、電話番号、その建造物の周辺に存在する同様の情報(周辺情報)を検索し案内したり、電話番号や名称から建造物を検索し形状地図で案内したりするものである。出力装置300は、中央処理装置200による建造物形状地図や、案内情報出力を表示するディスプレイ、印刷出力するプリンタ等である。入力指示装置400は、建造物形状地図の出力範囲(地域)、地図上の建造物のエリア、建造物に関する情報案内、周辺情報の検索等の選択、指示を入力するものであり、例えば出力装置300のディスプレイ画面に組み合わせたタッチパネル、ジョイスティックやマウス等のポインティングデバイス、リモコンが用いられる。
中央処理装置200では、図2に示すように例えば選択された縮尺の道路地図を表示している状態で、建造物形状地図が選択されると(ステップS1)、まず、形状地図の表示処理を実行し(ステップS2)、その形状地図の上に建造物名称の表示処理を実行する(ステップS3)。その後、建造物に属する情報、例えばビルであれば、そのビル内に入居している店舗や事務所等、入居者の具体的な名称や業種、業務内容、電話番号等の情報に関して建造物形状地図による検索案内処理を実行する(ステップS5)。建造物の形状は、一般家屋やビル、その他の建築物であれば、その平面形状になり、公園や道路であればその平面地形になる。
地図データ記憶装置100に記憶する建造物形状地図のデータ構造は、例えば図3(A)に示すように建造物のデータ数Nの次にN個の各建造物のデータが記憶される。そして、各建造物のデータは、建造物の名称、番地(住所)、種別、建造物の形状、高さ、詳細の各情報からなる。名称は、建造物であればその名前、個人の家屋であればその居住者名、施設であればその施設名、道路であれば「中央通り」、「国道1号」のように道路種別や通り名であり、番地(住所)は、その建造物の番地である。建造物の形状は、形状を表す座標数nとその座標値(x0 ,y0 )、(x1 ,y1 )、………、(xn-1 ,yn-1 )であり、種別は、一般の家屋、マンション、事務室用建造物、公共施設、道路、公園等の情報である。高さは、階数や高さ(m)の情報である。そして詳細は、例えば貸室用建造物であれば各入居者に関する情報であり、名称数mと各入居者について、名称、電話番号、部屋番号、入居階数、分類(レストラン、コンビニ、……等の業種、事業内容)に関する情報である。したがって、図3(B)に示すように建造物の形状に関する情報として座標値を順に読み出して線で結び描画し表示することによって、例えばビルや家屋の平面形状や公園の地形を出力することができる。
次に、目的地点の表示形態の変更処理について図4により説明する。目的地点の表示形態の変更は、建造物形状地図において、設定された目的地点に対して行われる。建造物形状地図は、前述したように建造物形状地図のデータに形状データとして記憶された座標列を順に読み出して線で結ぶことにより描画し表示するものであり、例えば、図5(a)に示すような道路地図に対して図5(b)に示すように建造物形状が表示される。
この建造物形状地図のデータは必ずしもあらゆる地域に対して準備されているとは限らない。そこで、目的地点を、座標や電話番号により入力すると、入力したx,y座標を検索し、当該座標が建造物形状地図のある範囲か否か検索する(ステップS11〜S13)。建造物形状地図のある範囲であれば、建造物形状地図を表示し(S14)、建造物形状地図のある範囲でなければ従来の道路地図を表示する(S15)。そして、画面上でカーソルを移動し、カーソルが停止した地点の位置を検出し地点設定が行われる(S16〜S19)。建造物形状地図が表示されている場合は、入力した(x,y)座標に該当する建造物形状を検索し、検索した建造物の形状の種別、面積を判断し(S20〜S21)、表示形態を決定する(S22)。従来の道路地図を表示した場合には、地点設定後、表示形態を決定する。
例えば、建造物形状地図が表示されている場合の表示形態について、マーク表示を例にとって図6、図7により説明する。
図6はマーク選択条件テーブルの1例を示し、例えば、階数が1階、2階、3〜5階、6階以上という条件に対してマークNo.a〜dを対応させ、また、個人名や電話番号等の名称数0〜1、2、3〜10、11以上に対してマークNo.a〜dを対応させ、面積(m2 )0〜150、151〜250、251〜600、601〜1200、1201以上に対してマークNo.a〜eを対応させる。
マークNo.a〜eは、例えば、図7に示すようなマークテーブルでマークが登録されており、それぞれ個人宅平屋、個人宅2階建、アパート、マンション、別荘を意味するものとして登録されている。
したがって、検索した建造物の種類を判断し、例えば階数が3〜5階であればマーク選択条件テーブルを参照してマークNo.cが分かり、これにより図7のマークテーブルを参照してアパートを示すマークが呼び出されて表示される。また、検索した建造物の名称数が11以上であればマーク選択条件テーブルよりマークNo.dが分かり、マークテーブルを参照してマンションを示すマークが表示される。また、検索した建造物の面積が1201m2 以上であれば、マーク選択条件テーブルよりマークNo.eが分かり、マークテーブルを参照して別荘のマークが表示される。
また、設定された建造物のみを表示して、他の建造物(ビル、家、工場等の建築物)の形状を形状地図表示上から消去する構成をとることにより、道路、川、線路等の土地に関する建造物と目的地点のみの表示となり、目的地点が強調されて表示されるとともに、道路、川、線路等は表示されているので目的地点の位置関係が明瞭に把握可能となる。
また、カーソルの位置を検出し、地点が設定された時には、該当する建造物を検索して、建造物の平面区画から中央処理装置により選択された立体形状のマークを表示させることにより、あたかも、その地点に建造物が建てられたかのように表示処理することにより、該当する建造物をより認識しやすくすることができる。
また、マーク表示に限らず、図8のAとして示すように、該当する建造物を立体表示することにより認識し易くするようにしてもよい。
次に、建造物形状地図を利用した検索・案内について説明する。図9は建造物形状地図による検索案内処理を説明するための図、図10は建造物形状地図による建造物選択操作時の画面の例を示す図、図11は情報表示画面の例を示す図、図12は建造物形状地図による情報の案内画面の例を示す図、図13は建造物の周辺情報検索のリスト表示画面の例を示す図、図14はジャンル検索画面の例を示す図である。
上記のようにして表示された建造物形状地図を利用すると、図3で説明したデータに基づきその建造物だけでなく、その周辺の情報についても検索することができ、さらに、各建造物内の情報の案内を行うことができる。例えば建造物形状地図では、その中央に図10に示すような○に十の字のカーソルが表示され、入力指示手段から、建造物選択の指示を入力することによって、その建造物が選択される。したがって、検索・案内処理では、図9に示すようにこの建造物選択があるのを待ち(ステップS41)、建造物選択があると、図10に示すように目的地や通過点、メモリ、インフォメーション、周辺情報検索の各モードの選択肢を表示する(ステップS42)。目的地や通過点、メモリは、後述する車両用ナビゲーション装置に本発明を組み込んだ場合に、経路探索のための地点設定に使うものであり、ここでは説明を省略し、以下、インフォメーション、周辺情報検索の各モードに限って説明する。
そこで、選択キーがインフォメーションか、周辺情報検索かを調べ(ステップS43)、図10に示すようにインフォメーションの欄が選択された場合には、該当する建造物データの詳細情報の名称数と各名称を読み込んで五十音順に名称のリストを作成し、それらの情報を図11に示すように表示する(ステップS44)。そして、その中の名称欄の1つ、例えば図11に示すようにアイウエ株式会社が選択されると(ステップS45)、建造物データから番地(住所)、その選択された名称、電話番号、分類等を読み込んで図12に示すようにアイウエ株式会社の名称と電話番号と住所を表示する(ステップS46)。なお、この画面に表示された戻り、目的地、通過点、メモリは操作キーであり、このような他の操作キーが選択されると、割り込みによりそれぞれの処理を実行する。また、名称欄の選択以外の指示の場合にも、同様にその指示に対応する他の処理を割り込み実行する。
ステップS43において、周辺情報検索の欄が選択された場合には、まず、図13に示すように周辺情報の検索範囲を特定するために「繊維・織物の製造、販売」、「繊維・織物の染色、デザイン」、……等のジャンルリスト(分類のリスト)を表示する(ステップS47)。そして、ある分類欄が選択されると(ステップS48)、その選択された分類をデータの詳細情報から検索し、選択されている建造物との距離を求め(ステップS49)、検索された所定距離以内の名称を距離の短い順にソートし、図14に示すようにそのジャンル名と件数、そして検索された各名称と検索地点からの距離のリストを表示する(ステップS50)。この名称欄の1つが選択されると(ステップS51)、図12の場合と同様に建造物データから番地(住所)、その選択された名称、電話番号、分類等を読み込んでこれらを表示する(ステップS52)。ここで、戻りのキーが入力されると、この建造物を中心とする周辺の建造物形状地図を表示する。勿論、図示しない他のキーを用いて建造物形状地図を表示したり、道路地図等他の地図に切り換えるようにしてもよい。ステップS48において分類欄の選択以外の指示、ステップS51において名称欄の選択以外の指示の場合には、その指示に対応する他の処理を割り込み実行する。
次に、建造物を立体表示する例について説明する。
図15は、入力指示手段で選択した建物の形状を3次元表示する検索・案内処理フローを説明する図である。
図9の場合と同様に、入力指示手段からの建造物選択があるのを待ち(ステップ61)、建造物選択があると、図10に示したように、目的地や通過点、メモリ、インフォメーション、周辺情報検索の各モードの選択肢を表示する(ステップ62)。次いで、選択キーがインフォメーションか、周辺検索かを調べ(ステップ63)、周辺検索が選択された場合には、図9のステップ47の処理にジャンプして同様の処理がなされる。
次に、選択された建造物が高さ情報を有していて、テナントが複数ある場合を示す図16を参照しながら説明する。
図16(a)はインフォメーションを選択した画面を示しており、建造物形状地図上に選択肢が表示されており、インフォメーションの選択で、該当する建造物データの詳細情報の名称数と各名称を読み込み名称のリストを作成して図16(b)に示すように画面分割して表示する(ステップ64)。次いで、リスト表示はそのままの状態で、図16(c)に示すように、建造物形状を3次元表示し(ステップ65)、次いで、リスト中のカーソル位置の建造物の階を強調表示する(ステップ66)。このとき、リスト項目をカーソルで選択することにより、図16(d)に示すように、選択項目の階が強調表示される。次いで、名称欄の選択があると、図16(f)に示すように、建造物データの番地、選択された名称、電話番号、分類、店のジャンル、業種等の詳細情報等を読み込んで表示する(ステップ67、ステップ68)。また、図16(f)の状態において、リターンキーを操作すると、図16(e)の画面に戻る。また、建造物の階の階調表示をカーソルの上下操作により移動させることができ、リストには現在階調表示さている階に含まれるテナント或いは個人宅等が表示される。
また、テナントが1つの場合を図17を参照して説明すると、図17(a)でインフォメーションを選択すると、建造物データの詳細情報の名称数と各名称を読み込んで名称のリストを作成し、画面分割して表示する処理が行われる。この場合、テナントが1つなので、図17(b)に示すように、その名称、電話番号、住所等が表示される。次いで、リスト表示はそのままの状態で、図17(c)に示すように、建造物形状を3次元表示し、建造物の2階(テナント階)を強調表示する。なお、建造物の3次元表示方法については、例えば、特開平9ー62179号に示される方法を用いる。
なお、高さ情報がない場合には、当然、3次元表示は行われないが、その他の処理は同様である。
図18は電話番号や名称入力で選択した建物の形状を3次元表示する検索・案内処理フローを説明する図である。
電話番号或いは名称(50音)で目的地点を入力すると、該当する地点データが検索される(ステップ71、ステップ72)。この検索で建造物形状のデータがあれば、建造物形状を3次元表示する(ステップ73、ステップ74)。次いで、図16で説明したと同様に、リスト中のカーソル位置の建造物の階を強調表示した後、入力地点の詳細情報を表示する。
なお、上記の例においては、名称のリストを画面分割して表示するようにしたが、画面分割せずに、リストを地図表示に重ねて別ウインドウで表示するようにしてもよい。また、上記の例においては、詳細情報のリストの項目をカーソルで選択することにより、選択項目の階を強調表示するようにしたが、逆に、立体表示された建物の階をカーソルで選択して強調表示し、選択されている階に含まれるテナントをリスト表示してその中から選択するようにしてもよい。また、強調表示の方法としては、太線表示、塗りつぶし表示、色分け表示、点滅表示等適宜採用すればよい。また、立体表示で階を強調表示するとともに、文字で強調表示した階数を表示してもよい。
次に、図19〜図21により3次元表示処理の例について説明する。
図19は建造物の3次元表示処理フローの例を示す図、図20は建造物形状地図、図21はフロアの高さを一定にして建造物を立体表示する例を示す図、図22は建造物の高さを一定にしてフロアの高さを可変にして表示する例を示す図、図23は図22の表示方法を説明する図である。
図19において、建造物形状地図データから建造物の高さを検索し(ステップ81)、検索した高さが、一定の表示縮尺で画面内で表示可能か否か判断する(ステップ82)。画面内で表示可能であれば1階あたりの高さを固定して建造物を立体化し(ステップ83)、次いで、平面地図を傾けて建造物を立体表示する(ステップ85、ステップ86)。例えば、図20に示すような市街の平面地図において、選択された建造物を図21に示すように1階あたりの高さを固定して平面地図を傾けて立体表示する。図21(a)は1階建ての場合、図21(b)は2階建ての場合を示しており、該当する階が強調表示されている。
また、図19のステップ82において、画面内で表現できない場合には、建造物の高さは最大値で固定し、1階あたりの高さを変更し(ステップ84)、同様に平面地図を傾けて立体表示する。例えば、図22(a)は20階建て、図22(b)は40階建ての場合であり、該当する階(図22(a)は8階、図22(b)は19階)が強調表示されている。この表示方法は、図23に示すように、建物の高さhが所定以上の場合には、高さhを破線で示す設定枠の高さl1 に一致させ、建物の表示幅は設定枠の幅l2 内におさまるように表示する。この場合は、設定枠に収まるような表示縮尺で表示したことになる。
なお、建造物を3次元表示する方法は、上記の例に限定されるものではなく、上から見下ろした鳥瞰表示や建物を水平方向に倒して横方向から見ることができるような表示としてもよい。また、表示縮尺は、一定縮尺でもよいが、一定縮尺で表示すると、建物の大きさにより見づらい場合があるので、建物の高さに応じて見やすい大きさとなるように表示縮尺を変えるようにしてもよい。また、建物の部分のみを拡大表示するようにしてもよいし、建造物形状地図は残しつつ別枠で建物を拡大表示するようにしてもよい。
本発明の建造物形状地図による情報案内装置を利用すると、建造物形状地図から、その建造物の中に入居する会社や事務所、店舗、各種機関等の情報、さらには、その個別の会社の電話番号等を調べることができ、また、その建造物から一定の範囲内にある様々な会社や店舗、各種機関等を検索してリストアップし、その建造物を調べることができる。逆に、電話番号や名称を入力して、その名称、電話番号を図3に示した地図データの名称、詳細情報の名称や電話番号から検索することによって、その建造物を中心とする建造物形状地図を表示することも容易に行える。したがって、名称や分類に関する情報と大体の地域は判るが、建造物が判らない場合に、その建造物、例えば入居しているビルを検索することができ、また、あるビルに入居しているテナントを案内することもできるので、これを車両用ナビゲーション装置の地点設定等に利用すると、都市部での地点設定が容易になるというメリットがある。さらに、建造物の1つとして道路を対象とした場合、道路に関する情報としてパーキングメータの有無を提供できるようにすれば、車で行動する際の駐車に関する情報を提供することもできる。以下に、本発明に係る建造物形状地図による情報案内装置を利用することのできる車両用ナビゲーション装置の構成例を説明する。
図24は本発明に係る建造物形状地図による情報案内装置を組み込んだ車両用ナビゲーション装置の1実施例構成を示す図である。
本発明に係る車両用ナビゲーション装置は、図24に示すように経路案内に関する情報を入出力する入出力装置1、自車両の現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、経路の算出に必要なナビゲーション用データや経路案内に必要な表示/音声の案内データとプログラム(アプリケーション及び/又はOS)等が記録されている情報記憶装置3、経路探索処理や経路案内に必要な表示/音声案内処理を行うと共に、システム全体の制御を行う中央処理装置4から構成されている。そして、入出力装置1に図1の入力指示装置400と出力装置300が組み込まれ、情報記憶装置3に図1の記憶装置100が組み込まれ、中央処理装置4に図1の中央処理装置200が組み込まれている。まず、それぞれの構成について説明する。
入出力装置1は、目的地を入力したり、運転者が必要な時に案内情報を音声および/または画面により出力できるように、運転者の意志によりナビゲーション処理を中央処理装置4に指示すると共に、処理後のデータなどをプリント出力する機能を備えている。その機能を実現するための手段として、入力部には、目的地を電話番号や地図上の座標などにて入力したり、経路案内をリクエストしたりするタッチスイッチ11や操作スイッチを有する。勿論、リモートコントローラ等の入力装置でもよい。また、出力部には、入力データを画面表示したり、運転者のリクエストに応じ自動的に経路案内を画面で表示するディスプレイ12、中央処理装置4で処理したデータや情報記憶装置3に格納されたデータをプリント出力するプリンタ13および経路案内を音声で出力するスピーカ16などを備えている。
ここで、音声入力を可能にするための音声認識装置やICカードや磁気カードに記録されたデータを読み取るための記録カード読み取り装置を付加することもできる。また、ナビゲーションに必要なデータを蓄積し、運転者の要求により通信回線を介して情報提供する情報センターや、予め地図データや目的地データなどの運転者固有のデータが記憶されている手帳型電子装置などの情報源との間でデータのやりとりを行うためのデータ通信装置を付加することもできる。
ディスプレイ12は、カラーCRTやカラー液晶表示器により構成されており、中央処理装置4が処理する地図データや案内データに基づく経路設定画面、区間図画面、交差点図画面などナビゲーションに必要なすべての画面をカラー表示出力すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行うためのボタンが表示される。特に、通過交差点名などの通過交差点情報は、随時、区間図画面にポップアップでカラー表示される。
このディスプレイ12は、運転席近傍のインストルメントパネル内に設けられており、運転者は区間図を見ることにより自車両の現在地を確認し、またこれからの経路についての情報を得ることができる。また、ディスプレイ12には機能ボタンの表示に対応してタッチスイッチ11が設けられており、ボタンをタッチすることにより入力される信号に基づいて上記の操作が実行されるように構成されている。このボタンとタッチスイッチなどから構成される入力信号発生手段は入力部を構成するものであるが、ここではその詳細な説明を省略する。
現在位置検出手段2は、車両の現在位置衛星航法システム(GPS)を利用して情報を入手するGPS受信装置21と、FM多重放送、電波ビーコン、光ビーコン等を利用して情報を入手するためのVICS情報受信装置22と、携帯電話、パソコン等を利用することにより、情報センター(例えばATIS)や他車両と情報を双方向に通信するためのデータ送受信装置23と、車両の進行方位を、例えば地磁気を利用することにより絶対方位で検出する絶対方位センサ24と、車両の進行方位を、例えばステアリングセンサ、ジャイロセンサを利用することにより相対方位で検出する相対方位センサ25と、例えば車輪の回転数から車両の走行距離を検出する距離センサ26とから構成され、車両の走行に関する情報である例えば道路情報、交通情報を送受信したり、車両の現在位置に関する情報を検出したり、さらに現在位置に関する情報を送受信したりする装置である。
情報記憶装置3は、ナビゲーション用のプログラム及びデータを記憶した外部記憶装置で、例えば磁気テープ、磁気ディスク、プロッピィディスク、CD−ROM、DVD、光ディスク、ICカード等からなっている。プログラムは、経路探索などの処理を行うためのプログラム、本実施例記載のフローチャートに示される処理プログラムや経路案内に必要な表示出力制御、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラム及びそれに必要なデータ、さらには経路案内及び地図表示に必要な表示情報データが格納されている。また、データは、地図データ、探索データ、案内データ、マップマッチングデータ、目的地データ、登録地点データ、道路データ、ジャンル別データ、ランドマークデータ等のファイルからなり、ナビゲーション装置に必要なすべてのデータが記憶されている。この地図データに経路案内のための道路地図や建造物形状地図とともに本発明の建造物形状地図のデータを含んでいる。なお、本発明は、CD−ROMにはデータのみ格納し、プログラムは中央処理装置に格納するタイプのものにも適用可能である。
中央処理装置4は、種々の演算処理を実行するCPU40、情報記憶装置3のCD−ROMからプログラムを読み込んで格納するフラッシュメモリ41、フラッシュメモリ41のプログラムチェック、更新処理を行うプログラム(プログラム読み込み手段)を格納したROM42、設定された目的地の地点座標、道路名コードNo.等の探索された経路案内情報や演算処理中のデータを一時的に格納するRAM43、ディスプレイへの画面表示に使用する画像データが記憶された画像メモリ44、CPU40からの表示出力制御信号に基づいて画像メモリ44から画像データを取り出し、画像処理を施してディスプレイに出力する画像プロセッサ45、CPUからの音声出力制御信号に基づいて情報記憶装置3から読み出した音声、フレーズ、1つにまとまった文章、音等を合成してアナログ信号に変換してスピーカ16に出力する音声プロセッサ46、通信による入出力データのやり取りを行う通信インタフェース47および現在位置検出装置2のセンサ信号を取り込むためのセンサ入力インタフェース48、内部ダイアグ情報に日付や時間を記入するための時計49などを備えている。ここで、経路案内は画面表示と音声出力で行い、音声出力の有無は、運転者が選択できるように構成されている。
なお、前記した更新処理を行うプログラムを外部記憶装置に格納しておいてもよい。
本発明に係るプログラム、その他ナビゲーションを実行するためのプログラムは全て外部記憶媒体であるCD−ROMに格納されてもよいし、それらプログラムの一部または全てが本体側のROM42に格納されていてもよい。
また、本発明における機能が実現されるためのプログラムの全部又は一部、及びデータの全部又は一部を情報センタや他の車両からデータ送受信部23を介して受信し、ナビゲーション装置内の記録媒体であるフラッシュメモリ41やRAM43に記憶させるようにしてもよい。
この外部記憶媒体に記憶されたデータやプログラムが外部信号としてナビゲーション装置本体の中央処理装置に入力されて演算処理されることにより、種々のナビゲーション機能が実現される。
本発明に係るナビゲーション装置は、上記のように外部記憶装置のCD−ROMからプログラムを読み込むための比較的大容量のフラッシュメモリ41、CDの立ち上げ処理を行うプログラム(プログラム読み込み手段)を格納した小容量のROM42を内蔵する。フラッシュメモリ41は、電源が切断しても記憶情報が保持される、つまり不揮発性の記憶手段である。そして、CDの立ち上げ処理として、プログラム読み込み手段であるROM42のプログラムを起動してフラッシュメモリ41に格納したプログラムチェックを行い、情報記憶装置3のCD−ROMのディスク管理情報等を読み込む。プログラムのローディング処理(更新処理)は、この情報とフラッシュメモリ41の状態から判断して行われる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例では、建造物の名称として説明したが、これには町名その他の地区名も含めてもよい。全ての名称について処理するように説明したが、予め地図上に表示する優先度や表示の有無の情報を設定し、或いは名称に付加しておき、その情報に基づき名称を表示するように処理してもよいし、名称数が所定数以上のもの、所定高さ以上のものを対象として処理してもよい。また、xyの座標列を建造物の形状を表すデータとしたが、高さ方向の座標値(z)をも併せて3次元の座標データとして持ち、平面図で表す場合にはxyの座標列のみを用い、例えば斜め上から見た図やパースのような3次元形状図で表す場合にはxyzの座標列を用いるようにしてもよい。さらに、本発明は、車両用ナビゲーション装置に組み込むことにより、より親切な地点案内を行うことができるものであるが、単に市街地や観光地等の案内のみに用い、その情報をプリント出力してサービスを行うようにしてもよいことをいうまでもない。