JP4333893B2 - 滑り軸受から潤滑剤を排出する方法及び装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、軸受ケーシング内へ流入し、下方で潤滑剤溜めから真空支援を受けて上方に向かって排出される、滑り軸受に調整されて供給された潤滑剤を排出するための方法及び装置に関する。内燃機関の溜めからの潤滑剤排出ではあるが、米国特許明細書第１．３４２．０６３号によって、このような真空支援を受けた潤滑剤排出が公知になっている。
【０００２】
圧延機技術においてこの様式の軸受装置は、いわゆる油浸軸受（Oelflutlager）として公知であり、特にロールネック軸受としてこの油浸軸受を使用する際に、この軸受装置は、鋼材産業及び非鉄金属産業のインゴット、ブルーム及び厚板ロールスタンドにおける圧下力、並びに熱間ストリップ圧延機及び冷間ストリップ圧延機における圧下力の伝達をするために使用される。本質的に同様の実施をする際に、この軸受装置は、圧延機において生じるすべての圧延力領域及び圧延速度領域に、湿式運転又は乾式運転に、並びにワンウエイ運転又は可逆運転に適している。大きな負荷収受能力は、圧延機において生じる回転数及び負荷に対する適合を可能にする。ロールネックを収容するチョックと協働して、滑り軸受もしくは油浸軸受は、潤滑オイル分配システム兼循環システムを形成し、このシステムが、確実な流体動力学的な潤滑膜形成における大きな冷却オイル量を保証する。オイル供給もしくは潤滑剤供給をするために、チョックは、供給導管及び還流導管、もしくは排出導管を介して、操作ポンプを備える少なくとも１つのオイル収集タンクに接続されている。
【０００３】
潤滑剤もしくは潤滑オイルは、チョックに、圧力調整弁を含む圧力調整機構及び固定のチョークにより圧力調整されて供給され、その際供給口は、中心でロールネックの上方にまで位置して設けられており、ホース導管を介して供給導管と結合されている。潤滑工程の後、潤滑剤溜め／オイル溜めは通常横孔によって互いに結合された２つのこのような溜めが存在し、しかも一方はネック側の端部に、また他方はその背後で胴部の方向に位置して存在している−において集まる潤滑剤もしくは潤滑オイルは、重力によりチョックから、それに付属する、還流導管に案内するホース導管を有する相対的に大きな２つの排出口を介して流出する。即ち、オイル収集タンク内へ還流する。実際の運転において広範囲に使用されるこの公知の滑り軸受は、ロールネックに取り付けられるか、又はロールネックから取り除かれる、チョックと組み立てられた状態で閉鎖された、油密のかつ汚れをもらさないユニットを形成する、流体動力学的な潤滑膜形成を有する油浸軸受として、ロールスタンドの窓における他の構成要素のための組込み空間を損なう、大きな潤滑剤溜めを必要とする。更にまたこのことは、オイル収集タンク内への潤滑オイルの還流のための、オイル溜めから出て行く大きなホース導管のための組込み空間も損なう。
【０００４】
本発明の基本をなす課題は、本願の属する様式の方法及び装置を、上記の欠点なく、特に、チョックもしくは軸受ケーシングのそれぞれの溜めからの、改善された潤滑剤の排出もしくは還流を可能にするように、創造することにある。
【０００５】
この課題は、方法にあっては本発明により、独立した請求項１の特徴部分において述べた特徴によって解決される。これは、滑り軸受の溜めからの重力による還流の長年の実施に完全に背を向ける真空支援を受けた−特に真空を調節する際に−大気圧が負荷されている通気された溜めからの潤滑剤還流は、例えばねじスピンドルポンプによって生じる常に存在する真空のために、迅速な排出、及び相応して僅かにしか空間を必要としない潤滑剤溜めを可能にするばかりでなく、潤滑剤溜めから下方に向かって出て行くオイル排出ホースをも不必要にする。従って、いろいろな方法で組込み空間を、他の構成要素及び／又は例えばチョックの輪郭形成のために得ることができる。加えてロール交換の際には、チョックを、調整された真空衝撃によって完全に排出することができ、これにより搬送の際の漏出が回避され、全体として整備が簡略化される。
【０００６】
溜めを有する軸受ケーシングを通気し、流入する空気量を測定することによって、一方では、チョックにおいて鎌形の軸受プロフィルにより−そしてこれにより上方及び下方で異なる高さの静圧により−場合によっては生じる真空が、通気もしくは排気によって逃げることが可能であるので、真空支援を受けた排出に不利な影響をもたらさないことを考慮できる。他方では、流入する空気量を測定することによって真空調整値を定義することができ、例えばチョックへ１ｌ／ｍｉｎの空気を供給するように調整することができる。
【０００７】
真空支援を受けて潤滑剤を排出するための装置は、軸受ケーシングに、上方から潤滑剤溜め内にまで−もしくは存在する両方の溜めを互いに結合する横孔内にまで−達する排出孔が形成されており、並びに軸受ケーシングが軸受上方側に設けられた通気孔を介し、出口導管を介して大気と結合されており、その際排出孔が、真空供給源に接続された導管において圧力調整弁を備え、この圧力調整弁が、通気孔の出口導管において設けられた空気流れ測定器と作動結合している。２つの重力による排出導管の代わりに、ここでは出口導管だけが潤滑剤排出のために必要であり、この出口導管は、存在する真空に基づいて同じ時間単位で大量に搬出するため、加えてこれまでより小さく、採寸することができる。ホース導管は、僅かに軸受ケーシングの中央の上方にだけに設けられており、即ち、一方は排出孔のために、また他方は排出孔並びに変更のない上方からの潤滑剤供給のために設けられており、すべての他の構成要素もしくは潤滑剤設備の部材は、妨害しない領域において軸受装置もしくはチョックから隔たっている。存在する真空は、潤滑剤を溜めから、あたかも“シュノーケルをつけたように”、場合によっては組み込まれるかもしくは鋳込まれるかした管によって形成された排出孔（シュノーケル管）を介して、取り出したり逆送したりする。
【０００８】
本発明の更に別の詳細及び利点は、請求項及び唯一の図面−図においてバックアップロールネック軸受を有する水平なチョックを概略的に示した本発明の実施例を詳細に説明する以下の記載から明らかになる。
【０００９】
この他には示されていないロールスタンドにおけるロール配列によって、図は、詳細としてチョック１を、これに軸受された、矢印方向３に回転する圧延機ロールのロールネック２と共に示す。ロールネック２の軸受には、ロールネックの他の詳細においては示されていない潤滑オイル分配システム兼循環システムが設けられており、このシステムは、オイル収集タンクから出て行く潤滑剤供給導管４を、その際統合された圧力調整弁５及び固定チョーク６と共に備え、これは調整された潤滑剤供給が、チョック１において上方もしくは側方に設けられた流入口７を介して可能であり、この流入口はホース導管８を介して供給導管４と結合されている。潤滑工程の後で、潤滑剤は、チョック１において設けられ、破線で示された潤滑剤溜め９において集められ、この潤滑剤溜めに、図面平面において背後、即ち胴部側に位置して、更に別のこのような溜めが接続し、この両方の溜めは、概略的に破線の円として示された横孔９ａにより互いに結合されている。
【００１０】
潤滑剤溜め９からオイル収集タンクへの潤滑剤の還流のために、チョックもしくは軸受ケーシング１には、上方から潤滑剤溜め９の横孔９ａ内へ達する排出孔１０が形成されており、この排出孔から排出ホース導管１１が真空導管１２に通じており、この真空導管は示されていない真空供給源ＶＱに接続されている。真空導管１２は統合された構成要素として圧力調整弁１３を備え、この圧力調整弁は流れ測定器１４もしくはＦＱと作動結合している。この流れ測定器は、出口導管１５において設けられており、この出口導管は通気ホース導管１６を介して、チョック１の頂点において排出孔１０に対して平行に設けられている通気孔１７と結合されており、この通気孔は導管１６もしくは１５を介して大気に通じている。
【００１１】
上方に向かってチョック１からの潤滑剤溜め９の真空支援を受けた排出の際に、通気孔１７の出口導管１５における流れ測定器１４は、真空導管１２の圧力調整弁１３と協働して、検出された測定値をもとにして、真空調整値の定義された調整を可能にし、即ち、排出孔１０を介して潤滑剤の排出のために溜め９と共にチョック１の通気もしくは排気の調整を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による装置を概略的に示す。
【符号の説明】
１ 軸受ケーシング（チョック）
２ ロールネック
４ 潤滑剤供給導管
５ 圧力調整弁
６ 固定チョーク
７ 流入口
８ ホース導管
９ 潤滑剤溜め
９ａ 横孔
１０ 排出孔
１１ 排出ホース導管
１２ 真空導管
１３ 圧力調整弁
１４ 流れ測定器
１５ 出口導管
１６ 通気ホース導管
１７ 通気孔

Claims (2)

1. 軸受ケーシング内へ流入し、下方で潤滑剤溜めから真空支援を受けて上方へ向かって排出される、滑り軸受に調整されて供給された潤滑剤を排出するための方法において、
   真空を調整し、並びに軸受ケーシングを通気し、流入する空気量を測定し、前記測定の際に、排出のために、真空源に接続された導管（１２）の圧力調整弁（１３）が、通気孔（１７）の出口導管（１５）における空気流れ測定器（１４）と作動結合するようにすることを特徴とする方法。
2. 軸受ケーシング内へ流入し、下方で潤滑剤溜めから排出される、滑り軸受に調整されて供給された潤滑剤を排出するための装置であって、特に請求項１に記載の方法を実施するための装置において、
   軸受ケーシング（１）に、上方から潤滑剤溜め内にまで達する排出孔（１０）が形成されており、並びに軸受ケーシングは軸受上方側に設けられた少なくとも１つの通気孔（１７）を介し、出口導管もしくは通気ホース導管（１５もしくは１６）を介して大気と結合されており、排出孔（１０）が、真空供給源（ＶＱ）に接続された導管（１２）において圧力調整弁（１３）を備え、この圧力調整弁が、通気孔（１７）の出口導管（１５）において設けられた空気流れ測定器（１４）と作動結合していることを特徴とする装置。

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