JP4332946B2 - 改竄防止仕様カートン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一旦開封すると原状復帰させることができず、開封した事実が誰にでも一目瞭然に判明するようにした改竄防止仕様カートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
売り場等に陳列される商品において、包装容器が開封された事実を痕跡として残すことは、商品の品質を保証する上で重要である。特に食料品や医薬品、医薬部外品等においては商品への異物の混入は生命・健康を害する危険があることから、従来より改竄防止効果を持たせた容器が提案されており、なかでも厚紙製の箱型容器であるカートンついては多くの従来技術が存在する。
改竄防止に関する工夫としては様々なものがあるが、優れた改竄防止効果を有するものとして、例えば、蓋部にミシン線で破断図形を描き、開封操作を行うとこの破断図形が抜け落ちて開封の痕跡が残るようにしたものがある。この代表的なものとしては実公平4−37058号がある。
【0003】
実公平4−37058号は、カートン上部又は下部に蓋板と内側片及び必要に応じて設けた折込片とを重ね合わせて構成される蓋部に改竄防止の工夫を施したものであり、その工夫とは、一番外側に位置する蓋板に、ミシン線で四角形や三角形等の破断図形を狭い間隔を隔てて繰り返して描き、これら破断図形の背面と前記折込片表面との間に接着剤を介在させて両者を固着したもので、蓋板に対して開封操作を行うと蓋板が立ち上がる過程で前記破断図形が折込片側に抜け落ちることによって開封の痕跡が残るというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この考案によれば、開封がなされると破断図形が抜け落ちて開封の痕跡が残るため、優れた改竄防止効果を発揮するのであるが、破断図形が予定通り抜け落ちない場合があった。また、破断図形が抜け落ちない状態で無理に開封すると、蓋板素材である厚紙が層間剥離を起こし、開封後のカートンの外観が見苦しく、商品イメージを悪化させるおそれがあった。
また開封に伴う引張力は破断図形以外の部分、即ち、破断図形間の帯状片に作用するが、帯状片が細いため、開封動作の途中で帯状片が千切れることがあり、開封が不完全な形で終わることがあった。また千切れて帯状片が対抗する折込片間に跨って残存した場合には、折込片の自由な開放が阻害され、指先を折込片間に侵入させて残存する帯状片を除去する必要があるなど、その開封作業はかなり面倒なものにならざるを得なかった。
【0005】
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、開封の痕跡を明確に残すことができながらも、開封性に優れ、また開封後の見栄えも良好であり、指先を侵入させて折込片を立ち上げる等の煩雑な操作も不要な改竄防止仕様カートンを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明者は検討した結果、次の結論に至った。まず前記従来技術において開封しづらいのは、破断図形が予定通り切り離しにくいことに最大の原因がある。切り離し難さの原因は破断図形の数が多く蓋板全体としての固着強度が強いことも原因の一つであるが、より重要なのはミシン線によって描かれた破断図形の輪郭が蓋板内で閉じているため、破断図形を切り離すための破断のきっかけが生じにくいということである。
そこで本発明者は、破断のきっかけを生じやすくするために破断図形を取り囲むミシン線の始点と終点を蓋板の側縁に位置づけて破断図形を前記側縁に臨ませた形態となすことを着想した。
【0007】
このような着想に基づいて完成された請求項1記載の発明は、商品の取り出し口を囲む周壁の対向壁から連設された折込片に、前記対向壁とは別の壁部から連設された蓋板を上から重ねて前記取り出し口を封緘するカートンにおいて、蓋板の開封端の両側に位置する側縁の内側の一定範囲にそれぞれ接着剤を塗布して蓋板と折込片を固着するとともに、前記接着剤による固着範囲の周囲を円弧状曲線部分を含んで取り囲み、前記側縁上の一点から始まって同側縁上の他点に終わる破断図形を、切断部と止め部分が交互に繰り返されるミシン線で描き、側縁に臨む破断図形が蓋板上に対向形成されるようにするとともに、前記ミシン線の始点を終点に対して蓋板の開放端側に位置付け、始点に連続して蓋板内方へ延びるミシン線を開封方向に対して傾斜させたことを特徴としている。
【0008】
ここでミシン線とは切断部と止め部分が交互に形成された線状部分であり、切り抜き用の案内線として使用されるものを指している。またミシン線の始点とはミシン線が実質的に始まる部分を指し、他方、終点とはミシン線が実質的に終わる部分を指し、したがって始点及び終点はミシン線における切断部が該当する場合も、また止め部分が該当する場合もある。
【0009】
このような構成の改竄防止仕様カートンは、蓋板を立ち上げて開放することによって折込片を開放自在となし、蓋板と折込片の開放によって開口した取り出し口から商品を取り出す。蓋板は折込片に接着剤によって固着されているが、この固着箇所の周囲はミシン線で囲まれており、しかもそのミシン線の始点及び終点は蓋板の側縁上に存在し、且つ始点と終点間には円弧状曲線部分が存在するため、蓋板の立ち上げ動作に伴い破断図形が確実に切り取られ、切り取られた破断図形が折込片上に開封の痕跡として残ることになる。
【0010】
側縁上に位置するミシン線の始点と終点の双方が止め部分であることが好ましい。側縁上に位置するミシン線の始点と終点がミシン線の止め部分であれば、蓋板に僅かな外力が作用した程度では破断は始まらないので、輸送時の振動等によって側縁の一部がめくれ上がるようなこともない。
【0011】
始点に連続して蓋板内方へ延びるミシン線は開封方向に対して傾斜している。このように始点に連続するミシン線を開封方向に対して傾斜させることにより、蓋板の開封動作に伴い蓋板に作用する力を、ミシン線の切れ目方向に沿って分かれやすくすることができ、この分力によって破断図形の切り取りを支援することができるようになる。
【0012】
前記傾斜角度は35〜55度であることが好ましい。35〜55度であれば前記分力の発生は最も効果的に行われる。
【0013】
ミシン線の止め部分はカートン開封方向に直交する同一線上に二つ以上重複しないことが好ましい。止め部分が二つ以上重複しないことにより、開封動作に対する抵抗力が小さくなる。従って開封が容易となるとともに、蓋板素材である厚紙が層間剥離を起こすこともない。
【0014】
蓋板の開封端側に設けた差込片を、この差込片を係止保持するロック機構を備えないカートンの開口部に遊挿することが好ましい。このような構成とすれば蓋板を一旦開放したのちは、差込片を再挿入しても封鎖状態は維持できなくなるので、開封の事実は一目瞭然となる。
【0015】
蓋板に形成した破断部の最近接間距離は蓋板の幅の25%以上であることが好ましい。25%以上の幅を確保していることによって、破断部以外の残余部分が蓋板の立ち上げ動作途中において千切れるというようなことはなくなり、破断図形のみを蓋板から切り離したうえ、蓋板を確実に立ち上げ開封することができる。
【0016】
ミシン線の止め部分の長さは1〜3mmの範囲となすことが好ましい。この範囲となすことで、破断部の強度を適度なものとしながら開封性も良好なものとなせる。
【0017】
破断図形の蓋板最内側位置に存在するミシン線の止め部分の終端に、蓋板内側に向かって破断縁切り用の切り込みを形成することが好ましい。破断縁切り用の切り込みを設けることで、開封途上で破断図形の蓋板最内側位置から予定外の破れが発生したとしても、破れ目が拡大することを阻止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示した実施例に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としてのカートンを展開した状態を示し、図2は組み立てた状態を示している。図中1は前板、2は背板、3,4は側板であり、5は貼着用の糊代である。背板2の上部及び前板1の下部にはそれぞれ折れ線部12,13を介して蓋板6、7が連設され、さらに蓋板6,7の開放側には差込片16,17が折曲部14,15を介して設けられている。折曲部14は差込片16を蓋板6に接続する接続部14aと、この接続部14aの両側に段差部14b,14bを介して設けられた切断部14c,14cとから構成されており、この構成は折曲部15についても同じである。側板3の上下には折込片8,10が折れ線部18,19を介して連設され、側板4の上下には折込片9,11が折れ線部20,21を介して連設されている。
【0019】
このような構成の型紙は、前板1、背板2、側板3,4を折れ線部21,22,23,24で折り曲げ、糊代5を側板4の背面に接着することにより図2に示すように筒状の胴部を組み立て、胴部上下の開口を、前記折込片8,9と蓋板6とで封鎖する構造となっている。封鎖の構造を上部開口を例にとって説明すると、折れ線部18,20によって折込片8,9のそれぞれを開口内側に折り込み、その上から蓋板6を前記折込片8,9に重ねるようにして折り込むとともに、上部開口の折込片8,9によって封鎖されていない残余の隙間に、前板1の内面に沿わせて差し込むというものである。本発明はこの封鎖構造を前提として、蓋部の構造に優れた改竄防止効果が発揮できる工夫を加えたものであり、これにより、蓋部を一旦開封したのちは、原状への復帰が不可能であり、開封の痕跡が誰の目にも明らかな状態で残るように工夫したものである。
【0020】
本発明ではこの目的を達成するために、蓋板を折込片に接着剤で固着して蓋板と折込片との一体性を高める一方で、その接着剤によって固着された部分の周囲をミシン線で囲み、その一体性を有する部分をミシン線によって描かれた破断図形の内側部分に限定するようにし、しかもその破断図形の切離が確実に行われるようにするために、ミシン線の始点と終点を蓋板6の側縁上に位置付け、さらに始点から終点に至るミシン線で描かれる行路中に円弧状曲線部分を含ませることにより、蓋板6の開封動作に伴って開始される破断図形の切り離しが途中で停止したり、予想外の方向にそれるのを確実に防止できるようにした。
【0021】
このような蓋部の構造の更なる詳細は、以下に示される。図3は蓋部を上から見た図であり、図中左側は封緘状態を示し、図中右側は開封状態を示している。蓋部の構造はカートンの上部と下部とで同じ場合もあるし異なる場合もある。ここでは上部と下部の蓋部の構造が同じ場合を取り扱い、上部の蓋部の構造を例に挙げて説明する。
【0022】
前板1、背板2及び側板3,4により、商品を取り囲む周壁が形成され、この周壁の上部開口50(以下、開口50と称す)が商品の取り出し口となる。前記周壁のうち対抗する壁部から折込片8,9が連設され、折込片8、9は折れ線部18,20によって開口50の内側に折り込まれ、一方、前記折込片8,9が連設された壁部とは別の壁部からは蓋板6が連設され、折れ線部12によって内側に折り込まれた蓋板6は折込片8,9の上に重ねられて開口50を封鎖する。本実施例では、周壁を前板1、背板2および側板3,4の4面から構成し、折込片8,9は側板3,4から連設し、他方、蓋板6は背板2から連設しているが、周壁の面数はこれに限定されない。例えば周壁は3面で構成してもよいし、また5面以上で構成してもよく、その具体的形態は収容する商品に合わせて適宜選択すればよい。
【0023】
折込片8,9には接着剤の浸透固着性を高めるためのハーフカット、エンボス等の加工が、折れ線部18,20に隣接する位置に施され、この加工部25,26上にホットメルト系接着剤が塗布され、蓋板6が折込片8,9と固着される。良好な開封性を実現するには、ホットメルト系接着剤の塗布範囲は蓋板6に形成された破断図形の輪郭の範囲内に限定する必要がある。
【0024】
折込片8,9に重ねられる蓋板6には、前記ホットメルト系接着剤による固着範囲を囲む位置に対応して破断図形30,40がミシン線によって描かれ、蓋板6上に対称図形として対向形成されている。破断図形間の最近接間距離Lは蓋板6の幅Wの25%以上に設定されている。25%未満では、開封操作時に作用する引張力に耐えきれず、破断図形間で蓋板6が千切れるおそれがある。25%以上に設定することにより、破断図形間に千切れを発生させることなく蓋板6の開封操作を最後まで完遂することができる。
【0025】
次に破断図形30,40について説明する。破断図形30,40は対称図形であるので一方についてのみ説明する。破断図形30を描くミシン線31の始点32及び終点33はともに蓋板6の側縁6a上に設定し、始点32を終点33に対して蓋板6の開封端6c側に位置付け、始点32と終点33との間を円弧状曲線でつないでいる。ここでミシン線とは切断部と止め部分を交互に形成した線状部分を意味し、切り抜き用の案内線として使用されるものを指している。またミシン線の始点とはミシン線が実質的に始まる部分を指し、他方、終点とはミシン線が実質的に終わる部分を指している。ミシン線における切断部が始点32や終点33となる場合もあるし、止め部分が始点32や終点33となる場合もある。本実施例では側縁6a上に位置するミシン線31の始点32及び終点33はいずれも止め部分であるが、切断部分を側縁上に位置づけ、始点を切断部分とし、ミシン線を切断部分から始まるものとしてもよい。但し、側縁6a上に切断部分を位置づけた場合、僅かな外力の作用でも破断が開始しやすくなるから、輸送途上で梱包ケース内の隣接するカートン同士が振動によって擦れ合った場合、破断図形30の側縁6a部分が始点32あるいは終点33からめくれ上がるおそれがあり、カートンの美観を損ねるおそれがある。従って側縁6a上に切断部分を位置づける場合、このめくり上がりを回避する手段を講じる必要がある。
【0026】
また始点32と終点33間に位置し、蓋板6上に描かれるミシン線31は円弧状曲線部分を含んでおり、より好ましくは円弧状曲線部分のみから破断図形を描くことが望まれる。円弧状曲線のみによって描くのは、破断図形の輪郭の一部に角張った部分があると、その形状によっては切り抜きが困難となる場合があるからである。破断図形を円弧状曲線のみから描くことにより、始点から開始された破断を終点に至るまで、途中で引っ掛かることなく円滑に進めることができる。
【0027】
始点32と最初の切断部との間隔d1は1mm〜3mmの範囲に設定し、終点33と最後の切断部との間隔d2は1mm〜3mmの範囲に設定することが好ましい。d1及びd2をこの範囲とすることで、輸送時の振動等の外力程度では簡単に破断しない強度を確保しながら、開封操作時には必要以上の過大な力を作用させなくても、破断図形が確実に切り取られて開封できる開封容易性が確保される。
【0028】
始点32から蓋板6の内側に向かって延びるミシン線31は開封方向(図3において矢印Aで示される方向)に対して角度θで傾斜させ、蓋板6の立ち上げ動作に伴い、図5(a)に示すように始点32付近に作用する力Fからミシン線の切れ目に沿った分力F1が生じやすいように構成し、この分力F1が始点32と隣り合う最初の切断部間の止め部分35の切断を助けるようにしている。傾斜角度θは35〜55度であるとき最も好ましい結果が得られることを本発明者は確認している。始点32から延びるミシン線31の方向を、図5(b)に示すように開封方向に対して直交させる場合も本発明は除外しないが、この場合は止め部分35の切断を助ける分力は発生せず、破断しづらくなる。
【0029】
ミシン線31の始点32と終点33との間をつなぐ円弧状曲線にはその途中部に止め部分34を一カ所形成している。止め部分34の長さd3は1mm〜3mmの範囲に設定する。d3が3mmを超えると破断図形30が切り離しにくくなる。止め部分34は設けない場合もあるが、この場合は切り抜き部30に浮きが発生する可能性があるので、これを防止する措置を講ずる必要がある。
【0030】
破断図形の輪郭を描くミシン線31の途中部に設ける止め部分の数は図6に示すように二つ以上設けることが好ましい場合がある。例えば輸送に用いる梱包ケースが段ボール製である場合、梱包ケースの底面部には段ボール製の蓋片の重ね合わせによる段差部が存在するが、この梱包ケース内に蓋部が、底面側となるように立ててカートンを収容する場合、カートンの蓋板6が前記段差部上に位置することがある。このとき蓋板6と梱包ケース底面との間に隙間が生じ、この隙間のある状態で輸送時の振動によりカートン内の商品の上下動が繰り返されて蓋板6に衝撃が繰り返し作用すると、止め部分が一カ所ではこの衝撃に耐えられず、切り抜き部30の一部あるいは全体が破断し、カートンの外観を著しく損なうことがある。特にカートンに収容される商品が歯磨きチューブなどである場合、硬質のキャップが繰り返し蓋板6に加える衝撃は決して無視できない。
【0031】
このような衝撃に耐えるためには破断図形30の輪郭線上に止め部分を二カ所以上設けることが好ましい。しかしながら、止め部分の数を増やした結果、図7(a)の止め部分35,37のように蓋板の開封方向に直交する同一線上に止め部分が二つ以上重複して設けられることになると、破断図形30の切り離しに対する抵抗が強くなり、切り離しがやや困難となるとともに、この抵抗があまり強いと蓋板素材である厚紙に層間剥離が発生する。したがって破断図形の輪郭線上に止め部分を二カ所以上設ける場合には蓋板の開封方向に直交する同一線上に二つ以上重複して設けないことが必要である。図7(b)のように止め部分34が一カ所である場合にはこのような心配はない。
【0032】
蓋板6には前述したように差込片17が連設されている。差込片17は接続部14aによってのみ蓋板6に連設され、当該接続部14aの両側は段差部14b,14bを介して切断部14c,14cとし、差込片17の両側を変位可能な自由端17a,17bとしている。差込片17がこのような構造であるのは、図8(b)に示すように、折込片8’,9’の一部を折れ線部18,20に沿って突出させておき、当該突出部8a,9aによって幅狭となった開口50と折込片8’,9’との隙間50aに差し込み、差込片17の自由端17a,17bを前記突出部8a,9aの背後に回り込ませることにより、蓋板6の封鎖状態を係止保持させるためのものであり、いわゆるロック機構と称されるものである。このようなロック機構は設けてもよいが、本実施例では図8(a)に示すように折込片8,9側のロック機構は設けていない。これはロック機構があると、開封によって破断部が切りとられて折込片側に移った後でも、差込片17をロック機構に係止保持させることにより、蓋板6を閉鎖状態とすることができるため、多少手間をかければ開封された痕跡を隠すことができるためである。本実施例ではこのような小細工を許さないため、折込片8,9側のロック機構を除去し、開封前の蓋板6の封鎖状態の保持はホットメルト系接着剤による固着のみによって行うことにしている。このような構成としたことにより、一旦開封されて、破断図形が折込片側に切りとられた後は、蓋板6を再封鎖することは不可能となり、開封された痕跡は誰の目にも明らかなものとすることができる。
【0033】
また図9(a)(b)に示すように破断図形30の蓋板6の最も内側部分に位置するミシン線31の止め部分34の後端に、蓋板6の内側に向かって破断縁切り用の短い切り込み39を設けてもよい。破断図形の最内側部分には、蓋板6の立ち上げ途上で図9(b)に示すようなミシン線31の行路から外れた破れSが発生しやすい。これを放置すると開封動作に伴ってミシン線31から外れた破れが拡大し、開封後のカートンの美観を損なうことになる。そこで本実施例では破断縁切り用の切り込み39を設けることにより、仮に破れSが発生したとしても、その拡大が前記切り込み39によって阻止できるようにしている。
【0034】
このような構成のカートンは通常、外装フィルムを施されることなく市場に提供される。開封前の状態においては蓋板6は折込片8,9との間に介在するホットメルト系接着剤の固着力によってのみ封鎖状態が維持されている。収容された商品は、蓋板6を立ち上げて開封し、取り出し口である開口50より取り出して使用する。蓋板6に対して開封操作を行うと、蓋板6の立ち上げ動作に伴ってミシン線31に案内されて破断が進み、破断図形が切りとられる。図例の実施例ではミシン線31の始点32よりも開封端6c側に入り込んで存在する円弧部31a(図4参照)から破断が開始され、ミシン線31に沿って破断が進行する。ミシン線31は円弧状曲線で描かれており、しかもその始点32から蓋板内側へ延びるミシン線31は開封方向に対して35〜55度の角度が与えられているため、破断図形の切り取りは容易かつ確実に行われる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、蓋板を折込片に接着剤で固着するとともに、当該接着剤による固着範囲の周囲を円弧状曲線を経由して前記側縁上の一点から同側縁上の他の一点へと帰還する破断図形を、切断部と止め部分が繰り返されるミシン線で描き、この破断図形を蓋板両側に対向配置させた構成としたので、ミシン線の始点及び終点の切り離しが容易となるとともに、これら始点と終点との途中部である円弧状曲線部分の切り離しも容易となる。したがって開封性に優れ、しかも一旦開封した痕跡を誰の目にも明らかな形で残すことができるカートンを提供できる。
【0036】
請求項2に記載されるように、側縁上に位置するミシン線の始点と終点の双方を止め部分となせば、わずかな外力で始点又は終点から破断が開始するということはなくなるので、輸送途上等で蓋板に外力が作用することがあっても、これにより破断が一部始まってカートンの美観を損ねるというようなことがなくなる。
【0037】
請求項3に記載されるように、始点に連続して蓋板内方へ延びるミシン線を開封方向に対して傾斜させると、蓋板の開封動作に伴い蓋板に作用する力からミシン線の切れ目に沿った分力が生じやすくなり、この分力を利用して始点と最初の切断部との間に位置する止め部分を容易に切り離すことができる。そしてこれは請求項4に記載されるように傾斜角度を35〜55度としたとき最も効果がある。
【0038】
請求項5に記載されるように、ミシン線の止め部分が蓋板の開封方向に直交する同一線上に二つ以上重複しないようにすると、開封動作に対する抵抗力が小さくなって開封が容易となるとともに、蓋板素材である厚紙の層間剥離も確実に防止できる。
【0039】
請求項6に記載されるように、差込片のロック機構を設けないことにより、蓋板の封鎖状態の維持は折込片との間の接着剤による固着のみによってなされることとなるので、破断図形が切りとられて折込片側に移動した後は、差込片を差し込んだとしても蓋板の閉止状態を維持することはできず、開封の痕跡を隠すことができなくなる。
【0040】
請求項7に記載されるように、蓋板に形成した破断部の最近接間距離を蓋板の幅の25%以上とすることにより、蓋板の立ち上げ動作途中において蓋板の破断図形以外の部分が千切れるというようなことはなくなり、破断図形のみを蓋板から切り離したうえ、蓋板を確実に立ち上げ開封することができる。
【0041】
請求項8に記載されるように、ミシン線の止め部分の長さを1〜3mmの範囲となすことにより、破断部の強度を封緘性及び開封性のいずれにおいても問題のない適度なものとすることができる。
【0042】
請求項9に記載されるように、破断図形の蓋板最内側位置に存在するミシン線の止め部分の後端に、蓋板内側に向かって破断縁切り用の切り込みを形成することにより、蓋板の立ち上げ動作途上において仮に破断図形の蓋板最内側位置から予定外の破れが生じたとしても、破れ目の拡大を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるカートンの一実施例であり、組み立て前の状態を示している。
【図2】 同実施例のカートンを組み立てた状態を示し、図中左が封緘状態、図中右が開封状態を示している。
【図3】 同実施例のカートンの蓋部を上から見た状態を示し、図中左が封緘状態、図中右が開封状態を示している。
【図4】 同蓋部の部分拡大図。
【図5】 始点から連続するミシン線の延びる方向についての説明図。
【図6】 止め部分の数を増やした状態を示す説明図。
【図7】 止め部分の形成態様についての説明図。
【図8】 差込片のロック機構を除去することについての説明図である。
【図9】 破断縁切り用の切り込みに関する説明図である。
【符号の説明】
1 前板
2 背板
3,4 側板
5 糊代
6,7 蓋板
6a 側縁
6c 開封端
8,9,10,11 折込片
8a,9a 前記突出部
12,13 折れ線部
14,15 折曲部
14a 接続部
14c,14c 切断部
14b,14b 段差部
16,17 差込片
17a,17b 自由端
18、19,20,21,22,23,24 折れ線部
25,26 加工部
30,40 破断図形
31 ミシン線
31a 円弧部
32 始点
33 終点
34,35 止め部分
50 開口
50a 隙間

Claims (9)

  1. 商品の取り出し口を囲む周壁の対向壁から連設された折込片に、前記対向壁とは別の壁部から連設された蓋板を上から重ねて前記取り出し口を封緘するカートンにおいて、蓋板の開封端の両側に位置する側縁の内側の一定範囲にそれぞれ接着剤を塗布して蓋板と折込片を固着するとともに、前記接着剤による固着範囲の周囲を円弧状曲線部分を含んで取り囲み、前記側縁上の一点から始まって同側縁上の他点に終わる破断図形を、切断部と止め部分が交互に繰り返されるミシン線で描き、側縁に臨む破断図形が蓋板上に対向形成されるようにするとともに、前記ミシン線の始点を終点に対して蓋板の開放端側に位置付け、始点に連続して蓋板内方へ延びるミシン線を開封方向に対して傾斜させてなる改竄防止仕様カートン。
  2. 前記カートンが商品の取り出し口を囲む周壁の1対の対向壁から連設された1対の折込片に、前記対向壁とは別の壁部から連設された蓋板を上から重ねて前記取り出し口を封緘するカートンであり、前記蓋板と前記1対の折込片を固着するとともに、前記蓋板側縁に臨む1対の破断図形が蓋板上に対向形成されてなる請求項1記載の改竄防止仕様カートン。
  3. 前記傾斜が35〜55度である請求項1又は2に記載の改竄防止仕様カートン。
  4. 側縁上に位置する始点と終点の双方がミシン線の止め部分である請求項1〜3のいずれか1項記載の改竄防止仕様カートン。
  5. ミシン線の止め部分が蓋板の開封方向に直交する同一線上に二つ以上重複しない請求項1〜4のいずれか1項記載の改竄防止仕様カートン。
  6. 蓋板の開封端側に設けた差込片を、この差込片を係止保持するロック機構を備えないカートンの開口部に遊挿した請求項1〜5のいずれか1項記載の改竄防止仕様カートン。
  7. 蓋板に形成した破断部の最近接部間距離が蓋板の幅の25%以上である請求項1〜6のいずれか1項記載の改竄防止仕様カートン。
  8. ミシン線の止め部分の長さが1〜3mmの範囲である請求項1〜7のいずれか1項記載の改竄防止仕様カートン。
  9. 破断図形の蓋板最内側に位置するミシン線の止め部分の後端に、蓋板内側に向かって破断縁切り用の切り込みを形成した請求項1〜8のいずれか1項に記載の改竄防止仕様カートン。
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