JP4331353B2 - Catvブースターの放熱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CATVブースターにおいて、通電時に発生する熱を効果的に放熱させるための放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
CATVブースターでは、収納ボックス内に、増幅回路や電源回路を構成するプリント基板が縦方向に支持されている。又、増幅回路や電源回路は通電により発熱するため、収納ボックスの側方等には、収納ボックス内を外気と連通させるスリットや透孔が形成されて、発生する熱を放熱可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現在の電子部品は、主にチップタイプになってプリント基板へ放熱されるのに加えて、増幅回路では、シールドのために収納ボックス内に設けた内ケースによってプリント基板を囲む二重構造とされることから、スリットや透孔のみでは、最も発熱量の多いプリント基板を充分冷却できない。特に最近は、CATVブースターの伝送帯域が、従来の70〜250MHz又は70〜300MHzから、70〜550MHz又は70〜770MHzへと広くなり、又、伝送チャンネル数も従来の32chから73chへと増大していることで、消費電力が増大し、発熱量が益々多くなっている。従って、電子部品の劣化が進んで寿命が短縮化したり、プリント基板から伝わる熱によって収納ボックスが高温となり、ユーザーに不快感を与えたりしてしまう。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、特にプリント基板に対して十分な放熱効果を得て、部品の劣化やユーザーの不快感を防止できるCATVブースターの放熱構造を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、収納ボックス内の上下に電源部と増幅部とを備え、前記増幅部が、前面に増幅回路を形成して縦方向に支持されるプリント基板と、そのプリント基板を前面から覆う金属製の内ケースとからなるCATVブースターの放熱構造であって、前記電源部を、前記収納ボックスの後板に突設された複数のネジ止めボスによって前記後板から前方へ離して支持すると共に、前記増幅部の前記プリント基板も前記内ケースによって覆われた状態で前記後板から前方へ離して支持して、前記電源部と増幅部との裏側に互いに連通する空間を設ける一方、前記収納ボックスに、前記空間を前記収納ボックスの上下で外部と連通させる透孔を夫々設けて、前記収納ボックス内に、前記空間を通過して前記収納ボックスを上下に貫通する通気路を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、前記収納ボックス内での前記プリント基板の支持を、前記後板に固定される前記内ケース内の前方寄りで前記プリント基板をネジ止め固定すると共に、前記プリント基板の裏側で前記内ケースの上板と下板とに複数のスリットを形成して行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、前記収納ボックス内での前記プリント基板の支持を、前記後板に突設された複数のネジ止めボスによって行うことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、CATVブースター(以下「ブースター」という)の長手方向の断面説明図で、通常図1のように壁等へ縦に取り付けられる。ブースター1は、本体ケース3と蓋ケース7とからなる金属製の収納ボックス2内に、増幅部8と電源部13とを収納してなるもので、本体ケース3は、前面(図1の左側を前として説明する。以下同じ)を解放した箱状を呈し、蓋ケース7は、本体ケース3の前面を閉塞する断面コ字状を呈している。
増幅部8は、前面から装着した電子部品によって増幅回路を形成するプリント基板9と、そのプリント基板9を前面から覆って本体ケース3の後板4に固定される金属製の内ケース10とからなり、プリント基板9は、裏側(ハンダ付け側)で後板4との間に空間11を有するように、内ケース10内の前方よりでネジ止め固定されている。12は、内ケース10から本体ケース3の下板6を貫通するように突設された複数の接栓である。
【0007】
一方、電源部13は、トランス等の部品を前面から装着したプリント基板14からなり、このプリント基板14も、本体ケース3の後板4に突設された複数のネジ止めボス15,15・・によって、裏側と後板4との間で空間16を有するように後板4から離れて支持されている。
そして、本体ケース3の上板5と下板6、内ケース10の上板17と下板18とには、透孔として夫々複数のスリット19,19・・が形成されている。これらのスリット19は、図2にも示すように、ブースター1の長手方向で略直線上に位置するように形成され、このスリット19により、本体ケース3の下板6の外部から本体ケース3及び内ケース10内に進入し、更に内ケース10内におけるプリント基板9裏側の空間11を通って電源部13のプリント基板14裏側の空間16に至り、上板5から外部へ抜ける通気路20が形成されることになる。
【0008】
以上の如く構成されたブースター1は、通電するとプリント基板9及び14の電子部品が発熱し、プリント基板9,14へ放熱される。こうしてプリント基板9,14で熱が発生すると、プリント基板9,14の周りの空気が暖められ、空気が下から上に流れる。ここで、収納ボックス2内には前述のように上下に貫通する通気路20が形成されているから、図1,図2に点線矢印で示すように、空気が下方から本体ケース3内に進入し、更に内ケース10内のプリント基板9の裏側及び電源部13のプリント基板14の裏側を通って本体ケース3の上方へ抜ける対流が生じ、この空気の対流によりプリント基板9,14の熱が効果的に放熱され、プリント基板9,14が冷却されることになる。
尚、シールド用の内ケース10にスリット19を設けているが、プリント基板9の裏側にとどまり、電子部品が付されるプリント基板9の前面は依然として内ケース10で囲まれているから、増幅部8のシールドには影響を与えない。
【0009】
このように上記形態によれば、収納ボックス2内に、プリント基板9,14の裏側で空間11,16を形成する一方、本体ケース3に空間11,16を上下方向で外部と連通させるスリット19を設けて、収納ボックス2を上下に貫通する通気路20を形成したことで、発熱するプリント基板9,14を効果的に冷却でき、電子部品の劣化の促進が防止可能となる。又、本体ケース3や蓋ケース7が高温にならないため、ユーザーの不快感も防止できる。
尚、上記形態では、増幅部8をシールドする内ケース10が本体ケース3に固定される構造においてプリント基板9の裏側に通気路20を形成しているが、図3の如く、電源部13と同様に本体ケース3の後板4に突設したネジ止めボス21,21・・によってプリント基板9を浮かせて支持し、その前方のみにシールド用の内ケース10を取り付けた形態であっても、同様にプリント基板9の裏側に空間11及び通気路20が形成できる。
又、スリットは角孔や丸孔に代えても良いし、本体ケース3や蓋ケース7の側板に通気路20に連通するスリットや角孔等を設けても差し支えない。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電源部を、収納ボックスの後板に突設された複数のネジ止めボスによって後板から前方へ離して支持すると共に、増幅部のプリント基板も内ケースによって覆われた状態で後板から前方へ離して支持して、電源部と増幅部との裏側に互いに連通する空間を設ける一方、収納ボックスに、前記空間を収納ボックスの上下で外部と連通させる透孔を夫々設けて、収納ボックス内に、空間を通過して収納ボックスを上下に貫通する通気路を形成したことで、発熱するプリント基板を効果的に冷却でき、電子部品の劣化の促進が防止可能となる。又、収納ボックスが高温にならないため、ユーザーの不快感も防止できる。勿論プリント基板のシールドにも影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブースターの断面説明図である。
【図2】 蓋ケースを取り外したブースターを前面から見た説明図である。
【図3】 ブースターの変更例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1・・ブースター、2・・収納ボックス、3・・本体ケース、4・・後板、5・・上板、6・・下板、7・・蓋ケース、8・・増幅部、9,14・・プリント基板、10・・内ケース、11,16・・空間、13・・電源部、15,21・・ネジ止めボス、19・・スリット、20・・通気路。
Claims (3)
- 収納ボックス内の上下に電源部と増幅部とを備え、前記増幅部が、前面に増幅回路を形成して縦方向に支持されるプリント基板と、そのプリント基板を前面から覆う金属製の内ケースとからなるCATVブースターの放熱構造であって、
前記電源部を、前記収納ボックスの後板に突設された複数のネジ止めボスによって前記後板から前方へ離して支持すると共に、前記増幅部の前記プリント基板も前記内ケースによって覆われた状態で前記後板から前方へ離して支持して、前記電源部と増幅部との裏側に互いに連通する空間を設ける一方、
前記収納ボックスに、前記空間を前記収納ボックスの上下で外部と連通させる透孔を夫々設けて、前記収納ボックス内に、前記空間を通過して前記収納ボックスを上下に貫通する通気路を形成したことを特徴とするCATVブースターの放熱構造。 - 前記収納ボックス内での前記プリント基板の支持を、前記後板に固定される前記内ケース内の前方寄りで前記プリント基板をネジ止め固定すると共に、前記プリント基板の裏側で前記内ケースの上板と下板とに複数のスリットを形成して行うことを特徴とする請求項1に記載のCATVブースターの放熱構造。
- 前記収納ボックス内での前記プリント基板の支持を、前記後板に突設された複数のネジ止めボスによって行うことを特徴とする請求項1に記載のCATVブースターの放熱構造。
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