JP4331248B1 - 主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート - Google Patents
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Abstract
【課題】 主として、医療現場や介護現場で衛生材料として用いられる防滑性に優れたシートを提供する。
【解決手段】 このシートは、不織布製又は紙製シート1、第一合成樹脂製フィルム2、第二合成樹脂製フィルム3の順で積層一体化されてなる。不織布製又は紙製シート1と第一合成樹脂製フィルム2とは貼合一体化されている。第一合成樹脂製フィルム2には第二合成樹脂製フィルム3が、部分的に貼合部4を有し残余が非貼合部5となった状態で貼合一体化されている。不織布製シート1としてはレーヨン不織布が用いられる。第一合成樹脂製フィルム2及び第二合成樹脂製フィルム3としてポリエチレンフィルムが用いられる。非貼合部5と貼合部4は、たとえば、非貼合部5が格子となっており、貼合部4が格子の目となっている。
【選択図】 図3
Description
本発明に係るシートを床6表面等に敷設した場合、それが良好な防滑性を奏する作用は、以下のとおりであると考えられる。まず、図4の(a)は、本発明に係るシートを床6表面に敷設した状態を示した模式的断面図である。ここで、図4では、非貼合部5において、第一合成樹脂製フィルム2と第二合成樹脂製フィルム3との間に空隙が生じているように示されているが、これは分かりやすいように図示したものであって、現実には、このような空隙は生じておらず、第一合成樹脂製フィルム2と第二合成樹脂製フィルム3とは当接している。そして、このような状態でシートに矢印方向(右方向)にずれる外力が負荷されたとする。そうすると、非貼合部5は、図4の(b)のように、矢印方向と逆方向に変形する。この変形の際、非貼合部5において、第一合成樹脂製フィルム2と第二合成樹脂製フィルム3とは当接しているだけであるので、両フィルム2と3間に摩擦が働く。したがって、本発明に係るシートにずれる外力が負荷された場合、床6表面と第二合成樹脂製フィルム3との間の摩擦と、第一合成樹脂製フィルム2と第二合成樹脂製フィルム3との摩擦の両者が生じることになり、この両者の摩擦の和によって、ずれにくくなると考えられるのである。
目付32g/m2のレーヨン不織布に、厚さ22μの低密度ポリエチレンフィルム(第一合成樹脂製フィルム)を押し出しラミネート法により貼合した。厚さ22μの低密度ポリエチレンフィルム面に、同一の低密度ポリエチレンフィルム(第二合成樹脂製フィルム)を積層した。そして、積層物を、フラットロールと格子状の凹凸を持つ凹凸ロール(凹部が格子となり、凸部が格子の目となっている凹凸ロール)とからなるエンボスロールに通して加熱及び加圧し、第一合成樹脂製フィルムと第二合成樹脂製フィルムを凹凸ロールの凸部が当接した区域(格子の目)で貼合し、図1に示した防滑性を有するシートを得た。凹凸ロールに設けられた格子状の凹凸は、格子間の距離が約1.2cm、格子自体の幅が約0.5cm、格子の目の面積(凸部表面の面積)が約1cm2である。
第一合成樹脂製フィルムとして、厚さ20μの低密度ポリエチレンフィルムを使用し、第二合成樹脂製フィルムとして、厚さ13μの低密度ポリエチレンフィルムを使用した他は、実施例1と同一の条件で、防滑性を有するシートを得た。
第一合成樹脂製フィルムとして、厚さ23μの低密度ポリエチレンフィルムを使用し、第二合成樹脂製フィルムとして、メタロセン触媒により重合されたポリエチレンを原料として製造されたポリエチレンフィルム(厚さ13μ)を使用した他は、実施例1と同一の条件で、防滑性を有するシートを得た。
目付30g/m2のレーヨン不織布に、厚さ22μの低密度ポリエチレンフィルム及び厚さ8μの低密度ポリエチレンフィルムを押し出しラミネート法により貼合し、レーヨン不織布、厚さ22μの低密度ポリエチレンフィルム、厚さ8μの低密度ポリエチレンフィルムの順で積層一体化された三層積層シートを得た。なお、この三層積層シートは全面が貼合されているのであり、両低密度ポリエチレンフィルム間に非貼合部は存在しない。
厚さ8μの低密度ポリエチレンフィルムに代えて、メタロセン触媒により重合されたポリエチレンを原料として製造されたポリエチレンフィルム(厚さ13μ)を使用した他は、比較例1と同一の条件で、防滑性を有するシートを得た。
目付32g/m2のレーヨン不織布の片面に、厚さ22μの低密度ポリエチレンフィルムを積層した。そして、この二層積層物を、実施例1で用いたのと同一のエンボスロールに通して加熱及び加圧し、図1に示した格子柄を持つ二層積層シートを得た。
実施例及び比較例に係る各シートについて、以下のような手順で、5回の防滑性試験を行った。
(1)まず、縦10cmで横3.6cmの試験片を採取した。ここで、縦は図1に示した上下方向を意味し、横は図1に示した左右方向を意味する。
(2)試験片の縦方向端から2cm内側の箇所をクリップで挟み、レーヨン不織布を上面としフィルムを下面として、表面が平滑なアクリル板(厚さ1cm)上に置いた。したがって、フィルムとアクリル板表面とが当接していることになる。
(3)クリップと対向する試験片の縦方向端部のレーヨン不織布上に、200gの分銅を載せた。
(4)クリップの孔に、バネ量りのフックを掛け、クリップがアクリル板に接触しないように少し持ち上げて、バネ量りを分銅が置かれた側と反対側にゆっくり引っ張った。
(5)分銅が動きだした時のバネ量りの目盛を読み取った。この読み取った目盛を防滑値と称し、単位をgで表すことにした。
なお、防滑性試験を行った際の室温は20℃で湿度は60%であった。また、バネ量りは500g用のものを使用した。
[表1]
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防滑値(g)
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1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 平 均
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実施例1 350 430 350 400 450 396
実施例2 440 400 430 380 460 422
実施例3 430 390 450 450 450 450
比較例1 170 165 150 170 140 259
比較例2 200 200 190 180 190 192
比較例3 220 250 200 250 220 228
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2 第一合成樹脂製フィルム
3 第二合成樹脂製フィルム
4 非貼合部
5 貼合部
Claims (7)
- 不織布製又は紙製シート、第一合成樹脂製フィルム、第二合成樹脂製フィルムの順で積層一体化されてなり、
前記不織布製又は紙製シートと前記第一合成樹脂製フィルムとは、全面的に当接されて貼合一体化されていると共に、前記第一合成樹脂製フィルムには前記第二合成樹脂製フィルムが、部分的に貼合部を有し残余が非貼合部となっているが該非貼合部においても前記第一合成樹脂製フィルムと前記第二合成樹脂製フィルムとが当接した状態で貼合一体化されていることを特徴とする主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。 - 不織布製シートがレーヨン不織布である請求項1記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
- 第一合成樹脂製フィルム及び第二合成樹脂製フィルムがポリエチレンフィルムである請求項1又は2記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
- 第一合成樹脂製フィルムが低密度ポリエチレンフィルムである請求項3記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
- 第二合成樹脂製フィルムが低密度ポリエチレンフィルムである請求項4記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
- 第二合成樹脂製フィルムが、メタロセン触媒により重合されたポリエチレンを原料として製造されたポリエチレンフィルムである請求項4記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
- 非貼合部が格子となっており、貼合部が格子の目となっている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の主として衛生材料に用いられる防滑性を有するシート。
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