JP4331037B2 - メタルハライドランプ - Google Patents

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Description

本発明は、メタルハライドランプに関する。
近年、発光管の外囲器の材料として、石英に代って半透明の多結晶体アルミナセラミック(PCA)管を用いたメタルハライドランプの開発・展開が活発に進められている。石英の耐熱性は約1000℃であるが、PCA管は約1200℃という高い耐熱性があり、それだけ発光管の管壁負荷を高い範囲に設定できる。従って、PCA管を用いれば、高効率・高演色性のランプ特性を得ることができる。
PCA管を用いたメタルハライドランプ(セラミックメタルハライドランプ)は、当初は店舗などの屋内インテリア照明用として開発され、70〜150Wの低ワットタイプが実用化されてきた。そして、最近では、屋外照明用として、200〜300Wの高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプの開発が進められている。
図3は、従来の典型的な屋内照明用低ワットタイプの発光管300の内部構造を示す断面図である。
発光管300の外囲器は、PCAからなる。外囲器は、本管部301と、その両端部から延出された本管部301より小さい外径を有する細管部302、303からなる。本管部301の内部には、放電空間(放電アーク領域)が形成されている。細管部302、303の中空には、それぞれ電極および電極支持体308、309からなる給電体が延在している。放電空間には、発光物質313が封入されている。
一対の電極は、それぞれタングステン(W)製の電極棒304、305と、タングステン製のコイル306、307からなる。各電極の先端部は、放電空間内に配置される。各電極の末端部は、電極支持体308、309の放電空間側の端部と接続されている。電極支持体308、309は、例えばニオブまたは導電性サーメットからなる。導電性サーメットからなる電極支持体308、309の他方の端部に、ニオブ等からなる外部リード線が接続される場合もある。
電極支持体308、309は、フリットからなるシール材310によって、細管部302、303の端部に固定される。シール材310は、細管部302、303の開口端部を気密に封止する役割も果たす。シール材310は、例えば電極棒304、305と電極支持体308、309との接合部までしか充填されない。このように、細管部302、303の中空の放電空間から離れた位置までシール材が充填される。その結果、シール材310は比較的低温に保持され、その侵食が抑制される。必然的に形成される細管部302、303の内壁と電極棒304、305との間隙には、通常、モリブデン製のコイル311、312が設けられる。
発光物質313としては、ヨウ化ディスプロシウム(DyI3)、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化ホルミウム(HoI3)等の希土類金属のハロゲン化物と、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)等の金属のハロゲン化物との組み合わせが用いられる。前者のハロゲン化物は、原子による多輝線スペクトルおよび分子による連続スペクトルを放射する。後者のハロゲン化物は輝線スペクトルを放射する。放電空間には、緩衝ガスとしての水銀314と、始動補助用ガスとしてのアルゴン等の不活性ガスが封入されている。発光管300は、口金が装着された外管ガラスバルブ内に、所定の治具で支持された状態で収容される。外管ガラスバルブ内には、窒素等のガスが封入されている(特許文献1参照)。
例えば70Wタイプの発光管300の典型的寸法は、本管部301の内径φiが6.2mm、電極の先端部間距離(以下、電極間距離)Leが5.0mm、放電空間の全長Liが10.0mmである。従って、本管部301の内径φiに対する電極間距離Leの比:Le/φiで表される管形状パラメータは、0.80となる。管壁負荷weは、37W/cm2という比較的高い値に設定されている。管壁負荷weは、ランプ入力Wlaおよび放電空間を囲む本管部301の内表面積Sから、we=Wla/Sにより規定される。
例えば150Wタイプの発光管300の典型的寸法は、本管部301の内径φiが10.6mm、電極間距離Leが10.0mm、放電空間の全長Liが17.0mmである。従って、管形状パラメータLe/φiは0.94となり、70Wタイプに比べて大きく設定されている。管壁負荷weは約27W/cm2に設定されている。
上記寸法を有する70Wおよび150Wのセラミックメタルハライドランプでは、それぞれランプ光束が6700lmおよび13500lmであり、ランプ効率は90lm/Wである。そして、平均演色評価数Ra85以上という優れたランプ特性が達成されている。従来の石英製の外囲器を用いたメタルハライドランプの定格寿命時間が6000時間であるのに対し、セラミックメタルハライドランプでは9000時間の定格寿命時間が得られている。定格寿命時間は、通常、光束維持率が初期値の70%になるまでのエイジング時間により規定される。発光物質の組成を変えることにより、相関色温度3000K、3500Kおよび4300Kのランプ光色を有する3品種が展開されている。
いわゆるショートアーク形の発光管を有する20〜250Wのセラミックメタルハライドランプも提案されている。ショートアーク形の発光管の外囲器では、本管部の両端部の内面が半球状であり、管形状パラメータLe/φiは0.67〜1.25に設定されている。一方、管壁負荷weは25〜35W/cm2という比較的高い範囲に設定されている。放電空間に封入される発光物質としては、上述と同様に、DyI3、TmI3、HoI3等の希土類金属のハロゲン化物と、TlI、NaI等の金属のハロゲン化物との組み合わせが用いられる(特許文献2参照)。
図4は、従来の屋外照明用高ワットタイプの発光管の内部構造を示す断面図である。
発光管400の外囲器の形状は、図3のそれとは異なり、本管部401と細管部402、403とが一体成形されている。放電空間は、回転楕円形に近い形状を有する。発光物質としては、ヨウ化セリウム(CeI3)、ヨウ化プラセオジウム(PrI3)などの希土類金属のハロゲン化物と、NaIなどの金属のハロゲン化物との組み合わせが用いられている(特許文献3参照)。
発光管400の構造は、外囲器の形状および発光物質は異なるが、基本的には図3の低ワットタイプの発光管300に準じている。すなわち、細管部402、403の中空には、それぞれ電極および電極支持体408、409からなる給電体が延在している。一対の電極は、それぞれタングステン製の電極棒404、405と、タングステン製のコイル406、407からなる。各電極の末端部は、電極支持体408、409の放電空間側の端部と接続されている。電極支持体408、409は、シール材410により細管部402、403の端部に固定される。細管部402、403の内壁と電極棒404、405との間隙には、モリブデン製のコイル411、412が設けられる。
例えば300Wタイプの発光管400の典型的寸法は、本管部401の内径φiが17mm、電極間距離Leが22mm、放電空間の全長Liが31mmである。発光物質としてCeI3とNaIとを用いた300Wタイプのメタルハライドランプでは、ランプ光束34000lm、ランプ効率113lm/W、平均演色評価数Ra70という優れたランプ特性が得られている。そして、12000時間の定格寿命時間が達成されている。
上記のような高効率・高演色性の他に、セラミックメタルハライドランプの特長として、ランプ点灯方向による発光色変動が小さい点が挙げられる。従って、セラミックメタルハライドランプは、点灯方向自由形であると言われる。石英製の外囲器を用いた従来のメタルハライドランプの場合、本管部の管壁に排気管チップを有するため、ランプ点灯方向による発光色変動は比較的大きい。
石英製の外囲器を用いたメタルハライドランプでは、水平点灯方向の場合、発光物質が管壁の排気管チップに集積する。そのため、垂直点灯方向の場合に比べて、発光物質の蒸気圧が低下し、一般的に色温度が規格値よりも上昇する。これに対して、本管部の管壁に排気管チップを有さないPCA管は、点灯方向自由形であると言われる。エジソン口金(E形口金)が装着されたセラミックメタルハライドランプであっても、一般的に点灯方向には制限がないと考えられている。
特開2003−272560号公報 特開平10−144261号公報 特開2003−86130号公報
ところが、実際には、低ワット(例えば70W)のセラミックメタルハライドランプは、点灯方向によって発光色が比較的大きく変動する、という指摘もある。例えば、典型的寸法を有する70Wタイプのセラミックメタルハライドランプの場合、色温度Tcの平均値Xは、垂直点灯方向の場合は、約4300Kである。しかし、水平点灯方向の場合は、例えば3700K程度になることがある。このような発光色変動は、人間の眼でも明瞭に視認できる。従って、垂直点灯と水平点灯のセラミックメタルハライドランプを組合わせた場合、発光色の違いが目立つことになる。
セラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動を抑制するために、特許文献1では、発光管300の管形状パラメータLe/φiを0.45〜0.65の範囲に制御することが提案している。本発明は、セラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動を、さらに効果的に抑制する手段を提供することを目的とする。
石英製の外囲器を用いたメタルハライドランプでは、水平点灯方向の場合の色温度Tcが、垂直点灯方向の場合に比べて上昇する。一方、セラミックメタルハライドランプの発光色変動では、逆に、垂直点灯方向の場合の色温度Tcが、水平点灯方向の場合に比べて上昇するという特徴がある。このような発光色変動は、基本的に従来の発光管の構造自体に起因する。
すなわち、図3に示されるような従来の発光管300を、垂直方向で点灯した場合、放電空間を規定する本管部301よりも下方に位置する細管部303に最冷点個所Scが形成される。そのため、発光物質313は、細管部303の内壁とタングステン電極棒305との隙間に沈積し、希土類金属のハロゲン化物、NaI等の蒸気圧が低下する。その結果、発光物質313が放射する黄〜赤色領域のスペクトルが減少し、色温度Tcは上昇する。
細管部の内壁と電極棒との間隙は、必然的に形成されるものである。結局、点灯方向による発光色変動を抑制することは、低ワット〜高ワットタイプのセラミックメタルハライドランプに共通する特有の課題である。
本発明は上記課題を鑑みたものである。
本発明のメタルハライドランプは、放電空間を形成する本管部および本管部の両端部から延出された本管部より小さい外径を有する細管部からなるセラミック製の外囲器、細管部の中空に延在する一対の給電体、細管部の開口端部を密封するシール材、および放電空間内に封入されている発光物質を具備する。
ここで、一対の給電体は、先端部が放電空間内に配置された電極と、電極の末端部から延長された電極支持体とからなり、本管部の内径φiに対する電極の先端部間距離(電極間距離)Leの比:Le/φiで表される管形状パラメータは0.45〜0.65である。
さらに、発光物質は、基本成分と、副成分とからなり、基本成分は、DyI3、TmI3、HoI3、CeI3およびPrI3よりなる群から選択される少なくとも1種の希土類金属のハロゲン化物ならびにナトリウムのハロゲン化物からなり、副成分は、ヨウ化水銀(HgI2)および臭化水銀(HgBr2)よりなる群から選択される少なくとも1種の水銀のハロゲン化物からなる。希土類金属のハロゲン化物と、ナトリウムのハロゲン化物と、水銀のハロゲン化物との総量に占める水銀のハロゲン化物の含有率は、1〜11モル%であることが好ましい。
すなわち、本発明においては、発光色変動を抑制するために、まず、発光管の管形状パラメータLe/φiを0.45〜0.65の範囲に規定する。このように管形状パラメータを制御することで、例えば、ランプ入力70Wで定格色温度4300Kの低ワットのセラミックメタルハライドランプを量産した場合、発光管の点灯方向による色温度変動幅ΔTcは、例えば約−120K以内に抑制できる。
しかし、管形状パラメータを前記範囲に制御するだけでは、セラミックメタルハライドランプの量産試作を行うと、点灯方向による発光色変動の製品間でのバラツキが比較的大きくなる。例えば量産試作されたセラミックメタルハライドランプの約12%は、人間の眼で視認できるΔTc≦−200Kを満たす色温度変動幅を有する。なお、水平方向に点灯するセラミックメタルハライドランプおよび垂直方向に点灯するセラミックメタルハライドランプの色温度を、それぞれTc(H)およびTc(V)とするとき、色温度変動幅△Tcは、次式:
△Tc=Tc(H)−Tc(V)
で定義される。
真に点灯方向自由形であるセラミックメタルハライドランプを実現するには、セラミックメタルハライドランプが量産される場合に、色温度変動幅△Tcのバラツキを抑制することが必要である。そこで、本発明においては、基本成分と副成分とからなる発光物質であって、基本成分はDyI3、TmI3、HoI3、CeI3およびPrI3よりなる群から選択される少なくとも1種の希土類金属のハロゲン化物ならびにナトリウムのハロゲン化物からなり、副成分はHgI2およびHgBr2よりなる群から選択される少なくとも1種の水銀のハロゲン化物からなる発光物質を用いる。
本発明によれば、セラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動を顕著に抑制できる。また、本発明によれば、セラミックメタルハライドランプを量産する際に、色温度変動幅△Tcのバラツキを顕著に抑制することができ、量産可能で普及性を有するセラミックメタルハライドランプを提供できる。
また、発光物質の基本成分と副成分との総量に占める水銀のハロゲン化物の含有率を、1〜11モル%に制御することにより、寿命試験中の立ち消えなどが抑制されるため、寿命特性を低下させることなく、セラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動を顕著に抑制できる。
本発明は、特にランプ入力70〜150Wの低ワットタイプのセラミックメタルハライドランプにおいて有効である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の発光管100の一例であって、点灯方向自由形の発光管100の内部構造を示す断面図である。また、図2は、図1に示す発光管100を外管ガラスバルブ201内に収容したセラミックメタルハライドランプ200の組立構造の一例を示す側面図である。図1の発光管100を構成する材料には、発光物質を除き、図3の発光管300と同様のものを用いることができる。
発光管100の外囲器は、PCAからなる。外囲器の形状は、図3のそれとほぼ同様である。外囲器は、放電空間を形成する本管部101と、その両端部から延出された本管部101より小さい外径を有する細管部102、103とからなる。図1では、本管部101と細管部102、103とが、焼結により接合されている。ただし、図4に示したような一体成形された外囲器を用いることもできる。
細管部102、103の中空には、それぞれ給電体が延在している。一対の給電体は、先端部が放電空間内に配置された電極と、電極の末端部から延長された電極支持体108、109とからなる。一対の電極は、それぞれタングステン製の電極棒104、105と、タングステン製のコイル106、107からなる。各電極の末端部は、電極支持体108、109の放電空間側の端部と接続されている。電極支持体108、109は、シール材110により細管部102、103に固定される。
本管部101の内径φiに対する電極間距離Leの比:Le/φiで表される管形状パラメータは0.45〜0.65である。管形状パラメータが0.45未満となったり、0.65を越えたりすると、セラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動を抑制することは困難になる。
電極支持体108、109は、フリットからなるシール材110により細管部102、103に固定される。シール材110は、ランプ点灯時の発光物質113による侵蝕を抑制するために、一般に電極支持体108、109と電極棒104、105との接合部近傍までしか充填されない。必然的に形成される細管部102、103の内壁と電極棒104、105との間隙には、モリブデン製のコイル111、112が、電極棒104、105に巻き付くように設けられる。
電極支持体108、109には、Al23−Mo系の導電性サーメットが好ましく用いられる。また、シール材110には、Dy23−Al23−SiO2系のフリットが好ましく用いられる。
放電空間内には、緩衝ガスとして水銀114が封入され、始動補助ガスとして不活性ガスが封入される。これらの物質の封入量は、セラミックメタルハライドランプの入力電力等により変動する。当業者であれば、好ましい量を適宜選択できる。始動補助ガスとしては、例えばアルゴンが用いられる。
放電空間内に封入される発光物質113は、基本成分と副成分とからなる。発光物質113の封入量についても、セラミックメタルハライドランプの入力電力等に応じて、当業者が適宜選択できる。
基本成分は、DyI3、TmI3、HoI3、CeI3およびPrI3よりなる群から選択される少なくとも1種の希土類金属のハロゲン化物ならびにナトリウムのハロゲン化物からなる。基本成分の組成は、セラミックメタルハライドランプの入力電力等に応じて、当業者が適宜選択できる。ただし、希土類金属のハロゲン化物のなかでは、セラミックメタルハライドランプの高演色性を確保する観点から、少なくともDyI3、TmI3およびHoI3よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。その場合、DyI3、TmI3およびHoI3の合計が全希土類金属のハロゲン化物の80モル%以上を占めることが好ましい。また、NaIなどのナトリウムのハロゲン化物は、発光物質113の全体の40〜90モル%であることが好ましい。
副成分は、HgI2およびHgBr2よりなる群から選択される少なくとも1種の水銀のハロゲン化物からなる。このような副成分を発光物質113に含めることにより、セラミックメタルハライドランプを量産する際に、色温度変動幅△Tcのバラツキを顕著に抑制することができる。そして、量産可能で普及性を有するセラミックメタルハライドランプを提供できるようになる。
副成分を発光物質113に含めることにより、発光物質113におけるハロゲン含有量は増加する。その結果、外囲器(PCA管)における最冷点個所Scの温度が上昇し、発光物質113の蒸気圧が増大したときでも、余剰ハロゲンによって放電空間での基本成分の解離反応は抑制される。
基本成分の解離反応には、以下のような反応が含まれる。
2DyI3 → DyI+Dy+5/2I2
NaI → Na+1/2I2
解離反応で生成したDyI分子、Dy原子、Na原子等は、黄もしくは赤色領域の光を放射する。
セラミックメタルハライドランプを、垂直方向に点灯した場合、発光管100の下方に位置する細管部103に最冷点個所Scが形成されるため、発光物質113は、細管部103の内壁とタングステン電極棒105との隙間に沈積する。その結果、発光物質の蒸気圧は低下する。一方、セラミックメタルハライドランプを水平方向に点灯させる場合、最冷点個所Scの温度Twoは、垂直方向に点灯させる場合に比べて上昇する。その結果、発光物質113の蒸気圧が増大するが、余剰ハロゲンによって、上記のような解離反応の右方向への移動が抑制される。
解離反応の抑制により、DyI分子、Dy原子、Na原子等からの黄もしくは赤色領域の放射パワーの増大も抑制され、色温度の低下が抑制される。このことは、水平方向に点灯するセラミックメタルハライドランプの色温度Tc(H)および垂直方向に点灯するセラミックメタルハライドランプの色温度Tc(V)を用いて、次式:
△Tc=Tc(H)−Tc(V)
で定義される色温度変動幅ΔTcが狭められることを意味する。
希土類金属のハロゲン化物と、ナトリウムのハロゲン化物と、水銀のハロゲン化物との総量に占める水銀のハロゲン化物の含有率(基本成分と副成分との総量に占める副成分の含有率)は、1〜11モル%であることが好ましく、2〜6モル%であることが更に好ましい。副成分の含有率が1モル%より少ないと、副成分による発光色変動を抑制する効果が十分に得られないことがある。そのため、セラミックメタルハライドランプを量産する際に、色温度変動幅△Tcのバラツキを抑制する効果が小さくなる。一方、副成分の含有率が11モル%より多いと、遊離沃素の作用による消弧電圧上昇が比較的激しくなることがある。その場合、寿命試験中のセラミックメタルハライドランプが立ち消えたりするなど、寿命特性が低下する。
図2は、図1の発光管100を具備するセラミックメタルハライドランプ200の一例であって、内部構造を示すために外管ガラスバルブ201を断面にした側面図である。
セラミックメタルハライドランプ200は、窒素などが封入された外管ガラスバルブ201を有する。発光管100は、外管ガラスバルブ201の内空間に収容されるとともに固定されている。外管ガラスバルブ201の材質には、硬質ガラスなどが用いられる。外管ガラスバルブ201の端部は、窄まった形状を有し、端部には口金202が装着されている。
外管ガラスバルブ201の端部からは、ステムガラス204が突出している。ステムガラス204には、ステムリード205、207が封着されている。発光管100の細管部から導出された一方の電極リード203は、下方に位置する。電極リード203は、ステムリード205に、固定されるとともに電気的に接続されている。発光管100の他方の電極リード206は、上方に位置する。電極リード206は、ステムリード207から延長された支持リード208に、固定されるとともに電気的に接続されている。発光管100の廻りには、石英シールド管209が設けられている。石英シールド管209は、外管ガラスバルブ201の破損を防止する役割を有する。
比較例1
図3に示した従来の70Wタイプの発光管を作製した。次いで、得られた発光管を用いて、図2に示した構造の70Wのセラミックメタルハライドランプを作製した。外管ガラスバルブ内の窒素封入圧は46.5kPaとした。
発光管の寸法およびランプ特性を以下に示す。
細管部の外径:2.6 mm
細管部の内径:0.8 mm
細管部の全長:14.5 mm
タングステン電極の外径:0.35mm
タングステン電極の全長:15.0 mm
電極支持体の外径:0.70mm
電極支持体の全長:12.0 mm
シール材の侵入深さ(封止長):3.4mm
本管部の内径φi:6.2 mm
本管部の外径φo:7.4 mm
電極間距離Le:5.0 mm
放電空間の全長Li:10.0 mm
管形状パラメータLe/φi:0.80
管壁負荷we:37W/cm2
定格色温度:4300K
発光管内に封入した物質の組成および量を以下に示す。
DyI3:10モル%
TmI3:10モル%
HoI3:10モル%
TlI:19モル%
NaI:51モル%
発光物質の総量:2.8mg
水銀量:10.5mg
アルゴン封入圧:約13kPa
比較例2
本管部の内径φiと外径φoを変更することにより、管形状パラメータ等を変更したこと以外、比較例1と同様の図1に示すような70Wタイプの発光管を作製した。次いで、得られた発光管を用いて、比較例1と同様の70Wのセラミックメタルハライドランプを作製した。
発光管の寸法およびランプ特性の変更点等を以下に示す。
本管部の内径φi:8.5 mm
本管部の外径φo:9.7 mm
電極間距離Le:5.0 mm
放電空間の全長Li:10.0 mm
管形状パラメータLe/φi:0.59
管壁負荷we:27W/cm2
[評価1]
比較例1および2のセラミックメタルハライドランプの量産試作を重ね、100本のセラミックメタルハライドランプの点灯方向による発光色変動データを測定し、色温度変動幅ΔTcを集積した。そして、色温度変動幅ΔTcの平均値と、ΔTcが−200K以下になったセラミックメタルハライドランプの数の割合を求めた。表1に結果を示す。
Figure 0004331037
表1(a)および(b)は、それぞれ比較例1および比較例2のセラミックメタルハライドランプの点灯方向による色温度変動幅ΔTcの平均値Xと、ΔTc≦−200Kとなったセラミックメタルハライドランプの数の割合を示す。表1より、比較例2のセラミックメタルハライドランプの色温度変動幅ΔTcの平均値Xは、比較例1のセラミックメタルハライドランプの約−600Kに比べて、約−120Kへと大幅に改善されていることがわかる。ただし、ΔTc≦−200Kとなったセラミックメタルハライドランプの数の割合は、12%であり、十分に小さいとは言えない。ΔTc≦−200Kの場合、その発光色変動は、人間の眼で視認されるレベルである。セラミックメタルハライドランプの量産を考えた場合には、ΔTcのバラツキを更に小さくすることが望まれる。
発光物質の組成を変更したこと以外、比較例2と同様の図1に示すような70Wタイプの発光管を作製した。次いで、得られた発光管を用いて、比較例1と同様の70Wのセラミックメタルハライドランプを作製した。
発光物質の組成および量を以下に示す。
DyI3:10モル%
TmI3:10モル%
HoI3:9.5モル%
TlI:17.5モル%
NaI:48.5モル%
HgI2:4.5モル%
発光物質の総量:3.0mg
[評価2]
実施例1のセラミックメタルハライドランプの量産試作を重ね、上記比較例と同様にして、100本のセラミックメタルハライドランプの色温度変動幅ΔTcの平均値と、ΔTcが−200K以下になったセラミックメタルハライドランプの数の割合を求めた。表1に結果を示す。
表1(c)は、実施例1のセラミックメタルハライドランプの点灯方向による色温度変動幅ΔTcの平均値Xと、ΔTc≦−200Kとなったセラミックメタルハライドランプの数の割合を示す。表1において、実施例1の場合、点灯方向による色温度変動幅ΔTcの平均値Xは、約−60Kのレベルまで一層抑制されている。さらに、セラミックメタルハライドランプの製品間におけるΔTcのバラツキも大幅に狭められ、ΔTc≦−200Kとなったセラミックメタルハライドランプの数の割合は1%となっている。
実施例1では、垂直点灯方向では、ランプ光束約6700lm、ランプ効率約90lm/W、色温度約4300K、平均演色評価数Ra約90、寿命時間約9500時間という優れたランプ特性が得られた。
以上より、本発明によれば、点灯方向による発光色変動を一層抑制することができ、セラミックメタルハライドランプが量産される際には、製品間における色温度変動幅ΔTcのバラツキを狭めることができることがわかる。すなわち、本発明によれば、実質的に点灯方向自由形であって、量産可能な普及性あるセラミックメタルハライドランプを得ることが可能である。
次に、発光物質の組成において、希土類金属のハロゲン化物と、ナトリウムのハロゲン化物と、水銀のハロゲン化物との総量に占める水銀のハロゲン化物の含有率を変化させたこと以外、実施例1と同様のセラミックメタルハライドランプを種々作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果、HgI2の量は1〜11モル%の範囲が好ましいことが明らかとなった。すなわち、HgI2の量が1モル%より少なくなると、発光色変動を抑制する効果が十分に得られないことがあった。一方、HgI2の量が11モル%より多くなると、点灯中のセラミックメタルハライドランプが立ち消えたりするなど、寿命特性が低下することがあった。
なお、ヨウ化水銀(HgI2)の代わりに臭化水銀(HgBr2)を用いるか、もしくはHgI2とHgBr2とを混合して用いたセラミックメタルハライドランプにおいても、点灯方向による発光色変動に対して、上記と同様の抑制効果が得られた。
また、上記と同様の構成を有する発光管は、屋内照明用で定格色温度4300K以外のセラミックメタルハライドランプに適用した場合にも、点灯方向による発光色変動に対して、上記同様の抑制効果が得られた。例えば、定格色温度3000K、3500K等の品種、ランプ入力70W以外(例えば150W等)の低ワットタイプの品種、屋外照明用の高ワットタイプの品種などにおいても、同様の効果が得られた。
本発明は、点灯方向による発光色変動を顕著に抑制することが要求されるメタルハライドランプであれば、どのような希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属のハロゲン化物等が封入されたメタルハライドランプにも適用することができる。
本発明のセラミックメタルハライドランプが具備する発光管の一例の内部構造を示す断面図である。 本発明のセラミックメタルハライドランプの組立構成の一例を示す側面図である。 従来のセラミックメタルハライドランプが具備する発光管の一例の内部構造を示す断面図である。 従来のセラミックメタルハライドランプが具備する発光管の他の一例の内部構造を示す断面図である。
符号の説明
100 発光管
101 本管部
102、103 細管部
104、105 電極棒
106、107 タングステン製のコイル
108、109 電極支持体
110 シール材
111、112 モリブデン製のコイル
113 発光物質
114 水銀
200 メタルハライドランプ
201 外管ガラスバルブ
202 口金
203 電極リード
204 ステムガラス
205 ステムリード
206 電極リード
207 ステムリード
208 支持リード
209 石英シールド管
300 発光管
301 本管部
302、303 細管部
304、305 電極棒
306、307 タングステン製のコイル
308、309 電極支持体
310 シール材
311、312 モリブデン製のコイル
313 発光物質
314 水銀
400 発光管
401 本管部
402、403 細管部
404、405 電極棒
406、407 タングステン製のコイル
408、409 電極支持体
410 シール材
411、412 モリブデン製のコイル

Claims (2)

  1. 放電空間を形成する本管部および前記本管部の両端部から延出された前記本管部より小さい外径を有する細管部からなるセラミック製の外囲器
    前記細管部の中空に延在する一対の給電体と、
    前記細管部の開口端部を密封するシール材と、
    前記放電空間内に封入されている発光物質と、
    を具備し、
    前記一対の給電体は、先端部が前記放電空間内に配置された電極と、前記電極の末端部から延長された電極支持体とからなり、前記本管部の内径φiに対する前記電極の先端部
    間距離Leの比:Le/φiで表される管形状パラメータが0.45〜0.65であり、
    前記発光物質は、基本成分と、副成分とからなり、
    前記基本成分は、ヨウ化ディスプロシウム(DyI3)、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化ホルミウム(HoI3)、ヨウ化セリウム(CeI3)およびヨウ化プラセオジウム(PrI3)よりなる群から選択される少なくとも1種の希土類金属のハロゲン化物と、ナトリウムのハロゲン化物からなり、
    前記副成分は、ヨウ化水銀(HgI2)および臭化水銀(HgBr2)よりなる群から選択される少なくとも1種の水銀のハロゲン化物からなるメタルハライドランプ。
  2. 前記希土類金属のハロゲン化物と、前記ナトリウムのハロゲン化物と、前記水銀のハロゲン化物との総量に占める前記水銀のハロゲン化物の含有率が、1〜11モル%である請求項1記載のメタルハライドランプ。
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