JP4330417B2 - インフレーターガス導入分配ホース - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時に乗員を保護する側面衝突用エアバッグ装置部品に関するものであり、詳しくは上記エアバッグ内にインフレーターガスを導入するのに最適なインフレ−ターガス導入分配ホースに関するものである。
運転席及び助手席などには、車両の衝突時にエアバッグを膨張させて乗員を保護するエアバック装置が搭載されている。かかるエアバッグ装置は、ガス発生装置であるインフレーター、インフレ−ターガスで膨張するエアバッグ、エアバッグにインフレーターからのガスを導入するインフレーターガス導入分配ホース(以下、ホース)、およびこれらを収納するエアバッグケースから構成されている。
近年、運転席および助手席の前面衝突に加え、側面衝突時の衝撃緩和を目的として、主に頭部を保護する目的でカーテンエアバッグと呼ばれる側面衝突用エアバッグ装置の需要が増大している。かかる側面衝突用エアバッグは、センターピラーやフロントピラーに折り畳んで収納されており、衝突時にインフレーターガスがエアバッグ内に導入されることにより、ドア部と乗員との間に展開して、乗員に対する側面からの衝撃を和らげるものである。
また、該側面衝突用エアバッグは衝突時に瞬時に展開する必要があり、また、展開までの時間は運転席や助手席用エアバッグ以上に短いことが求められるので、ガスの出力が比較的大きいタイプのインフレーターが使用されることが多く、特にインフレーターガスを導入する上記ホースのガス通過孔付近では、ガス圧力が非常に高くなり易く、該通過部分がインフレーターガスの圧力により変形し、エアバッグ展開時の膨張形態が不均一になることや、ガス導入口付近の繊維が切断されてエアバッグ内に散乱し、エアバッグ自体の破損や破裂につながりエアバッグの機能を果たさなくなるといった問題があった。
このように部分的な圧力上昇により生じる問題の改善策として、太径の繊維やアラミド繊維などの高強力繊維を使用し、エアバッグの強度を全体的に高める方法がある。ところが、繊維を太くすると嵩が高くなり、収納性が問題となり自動車の内装デザインに制限が出たり、また高強力繊維を用いるとコストが高くなり実用性に欠け問題となる。
また、上述したように、側面衝突用エアバッグはセンターピラーやフロントピラーに折り畳んで収納されるため、車両の内装デザインに影響が及ばないよう、収納時の形態がよりコンパクトであるものが望まれている。
これまでにもエアバッグ装置本体の小型化及び軽量化を目的として、通気性の低い布や樹脂シートなどをホース(ディフューザー)として用いることが提案されている(例えば特許文献1、2)。
しかしながら、上記特許文献は金属製のディフューザーに比べた小型化(特許文献1)や、折り畳んで収納されたエアバッグが展開終了するまでの膨張形態のコントロール方法(特許文献2)を提案するのみであり、具体的にホースに要求される特性については何ら考慮されていない。特に、ホースがエアバッグ内に収納された後、センターピラーやフロントピラーに折り畳んで収納する際の作業性や、高圧ガス流通時にホースに要求される特性などについては全く考慮されていない。
特開2001−270415号公報、特許請求の範囲など 特開平10−100840号公報、特許請求の範囲など
通常、ホースをエアバッグ本体内に収納した後、エアバッグ装置が車両に配置されるまでに、上記エアバッグ本体は、折り畳まれたり、巻回されて小型化され、車両に搭載可能なエアバッグ装置のモジュール(部品)とされる。このとき、ホースの曲げ剛性が大きいと、ホースが折り畳みにくくなるのはもちろんのこと、ホースが折り畳まれる前の状態に戻ろうとする力が大きくなり、エアバッグ装置部品の形状を変形させてしまう。その結果、該部品を、当初想定していたセンターピラーやフロントピラーへ収納することが困難となる場合があった。
本発明は、上述のような事情に着目してなされたものであって、詳しくは側面衝突用エアバックの収納時の作業性を向上させると共に、高圧ガス流通時においてもホースやエアバッグに破損を生じることのない、側面衝突用エアバッグに好適なインフレーターガス導入分配ホースを提供することにある。
本発明のホースは、側面衝突用エアバッグ装置に配され、エアバッグ作動時にインフレーターからのガスをエアバッグ内部に導入分配する織物製ホ―スであって、該ホースの外表面と内表面のうちの少なくとも一方にゴムまたは合成樹脂がコーティングされており、該ホースを構成する織物1枚の厚みt(mm)が0.9〜3mmであって、かつ、ホース長手方向に平行な方向に短辺を有するように切り出された、長さ5cm、幅2cmの長方形の試料について、JIS L 1096 8.20.3に規定のループ圧縮法により測定されるループ硬さLh(N)と上記厚みtとの関係が下記式を満足するところに要旨を有するものである。
Lh/t≦5 (N/mm)
上記式は、ホースの厚みに対する、ホース幅方向のループ硬さ(Lh)を規定するものである。上記関係式を満たすホースは、高圧ガスの流通にも耐え得る強度と共に、適度な柔軟性を備えているため、ホースを収納したエアバッグの折り畳み工程を容易に行うことができる。
また、上記試料のホースの長手方向に直交する方向において、JIS L 1096 8.20.3に規定のループ圧縮法により測定されるループ反発率Lr(%)が60%以下であることも好ましい。
さらに、上記ゴムまたは合成樹脂は、シリコーンゴムであるのが好ましく、エアバッグ折り畳み工程の作業性を向上させる観点からは、上記ホース構成織物の主たる織組織は綾織または朱子織であるのが望ましい。
上記インフレーターガス導入分配ホースが、エアバッグ内部にインフレーターからのガスを導入分配するガス通過孔を1個以上有するものであることも、本発明の好ましい実施形態である。
本発明のインフレーターガス導入分配ホースは、高圧ガス流入時においても破損することのない十分な強度を有すると共に、適度な柔軟性も備えているため、ホースが収納されたエアバッグ本体を容易に折り畳むことができ、また収納後の寸法も小さくできるといった、収納性に優れたホースである。
本発明者等は、上述の問題点、特に、ホースが収納されたエアバッグ本体を折り畳んでエアバッグ装置とする際の作業性を向上させるべく検討を進めた。その結果、ホースの厚みとホースの硬さが特定の関係を満足するものであれば、高圧ガス流通時にも耐え得る強度と共に、適度な柔軟性を有するホースが得られ、上記作業性を向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明のインフレーターガス導入分配ホースは、該ホースを構成する織物1枚の厚みt(mm)が0.9〜3mmであって、かつ、ホース長手方向に平行な方向に短辺を有するように切り出された、長さ5cm、幅2cmの長方形の試料について、JIS L 1096 8.20.3に規定のループ圧縮法により測定されるループ硬さLh(N)と上記厚みtとの関係が下記式を満足するところに最大の特徴を有するものである。
Lh/t≦5 (N/mm)
上記ホース厚みtに対するループ硬さ(Lh/t)は5N/mm以下であるのが好ましく、より好ましくは4N/mm以下である。上述の関係式により得られる値が上記上限を超える場合には、ホースの厚みに対するホース硬さが大きすぎて、ホースを折り畳み難くなる。また、このようなホースを内包するエアバッグ本体は、十分に小型化することが困難であるため、収納後の寸法も大きくなる。また、上記関係式により得られる値は1N/mm以上であるのが好ましく、より好ましくは1.5N/mm以上であり、さらに好ましくは2N/mm以上である。上述の関係式により得られる値が上記下限値に満たない場合には、ホース厚みに対するホース硬度が小さすぎて、高圧ガス流通の反動によりホースがはねてインフレーターガスの分配不良が生じたり、十分なホース強度が得られ難くなるからである。
ホース構成織物1枚の厚みt(mm)は、高圧ガスの流通による力を受けても破損・破裂しないホースとするためには、ホース厚みは0.9mm以上であるのが好ましく、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上である。ホース厚みが上記値よりも小さいと、ホースが薄すぎて強度が不十分となる傾向がある。なお、収納性の観点からはホース厚みは3mm以下とするのが好ましく、より好ましくは2mm以下であり、さらに好ましくは1.5mm以下である。上記ホースの厚みtは、上述の範囲の中からインフレーターの種類に応じて適宜選択すればよい。
上記ループ硬さLhの値は1N以上であるのが好ましく、より好ましくは2N以上、さらに好ましくは3N以上であり、20N以下であるのが好ましく、より好ましくは15N以下であり、さらに好ましくは10N以下である。ループ硬さが上記範囲を超えると、ホースが硬すぎて折り畳むことが困難となる。また、上記範囲に満たない場合には、高圧ガスの圧力によりホースが破れ易くなる。
本発明のホースは、上記試料の幅方向において、JIS L 1096 8.20.3に規定のループ圧縮法により測定されるループ反発率Lr(%)が60%以下であることが好ましい。ここで、上記ループ反発率Lrとは、外力に対するホースの反発性を示す値であり、Lrの値が大きいほどホースの反発性が高いことを意味している。
上述のように、上記ホースは製織後、エアバッグ内に収納され、これが車両に取り付けられるまでの間に、折り畳まれたり、巻回されて、エアバッグ装置のモジュール(部品)とされるが、ホース自体の反発性が高い場合には、折り畳まれたホースは元の状態へと戻り易いため、上記部品を変形させてしまうことがある。このような部品の変形を防止するには、ホースの反発性はより低い方が好ましい。より好ましいループ反発率Lrは50%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。Lrが上記値を超えると、折り畳まれたホースが元に戻ろうとする力が大きくなり、ホースを収納したエアバッグ装置の部品の形状が定まりにくく、車体への取り付け時の作業性が低下する傾向がある。
本発明が適用される側面衝突用エアバッグ装置は、ガス発生器であるインフレーターと、インフレーターガスにより膨張するエアバッグと、このエアバッグにインフレーターで発生したガスを導入するホースを備えている。
本発明のインフレーターガス導入分配ホースは、車両に搭載するものであることから、軽量化および収納性の観点より織物製であるのが好ましく。この織物を構成する糸は特に限定されないが、例えばポリアミド系繊維(ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド46繊維など)やポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維など)等から構成される糸を用いることができる。これらの繊維で構成される糸の強度は、解反糸強度で5cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは6cN/dtex以上、更に好ましくは7cN/dtex以上である。上記強度を有する糸であれば、エアバッグ本体の内圧保持性能を十分に確保し得るレベルの高圧ガスを流通させた場合であっても、ホースを構成する経糸および緯糸が切断して、ガスの分配不良を生じるおそれが少ないからである。尚、解反糸強度とは、ホースを構成している経糸および緯糸をほぐし、原糸に付着しているゴムや樹脂を除去した後に測定した糸の強度を意味する。
上記分配ホースを構成する糸の総繊度は、110dtex以上、7000dtex以下であるのが好ましい。これらの糸は、撚糸や加工糸であってもよく、またモノフィラメントであっても構わない。より好ましくは、ホース長手方向の糸が500dtex、3000dtex以下であり、ホース幅方向の糸が500dtex以上、5000dtex以下である。ホース長手方向の糸の繊度が上記下限に満たない場合には、ホース長手方向の強度が不十分となることに加えて、得られる織物の織密度を高めるために多量の糸が必要になり、これが織物の経糸に当たる場合も、緯糸に当たる場合も製織生産性が低下することから、経済的に好ましくない。ホース幅方向の糸が上記下限に満たない場合も、上述の理由と同様に、経済性の面で好ましくない。またホースを構成する糸の総繊度が7000dtexを超えると、ホース自体が嵩高くなり収納性が低下する傾向がある。
ホースを構成する糸の単糸繊度は10dtex以下であるのが好ましい。特に、折り畳み易い柔軟なホースを得るためには、ホース幅方向に使用する糸の単糸繊度が5dtex以下であるのが好ましく、より好ましくは4dtexであり、更に好ましくは3dtex以下である。なお、上記総繊度、単糸繊度の値は、ホースを構成している経糸および緯糸をほぐし、原糸に付着しているゴムや樹脂を除去した後に測定した糸の繊度を意味する。
本発明に係るホースの製織に使用される織機としては、直接ホース状の織物を製織できる環状織機やシャトル織機、ニードル織機等が用いられる。また、ウォータージェットルームやレピアルーム等の汎用織機を用いて広幅の織物を得た後、該織物を裁断し、所望する形状に縫製したり、接着・溶着などの技術によってホース形状としても良い。しかしながら、筒状に加工するための縫製などの加工コストを低減でき、縫製部からの破損の回避が可能な点で、直接ホース状の織物を製織できる織機を用いるのが好ましい。
本発明のホースに採用可能な織組織としては、平織、綾織、朱子織、多重織などが挙げられるが、上記規定の特性値(ループ硬さとホース厚みの関係式およびループ反発率)を満足するホースを得る手段として、エアバッグと共に折り畳まれる部分と、それ以外の部分によって、それぞれ好適な織組織を選択することも有効である。
すなわち、エアバッグの収納性(折り畳み易さ)の観点からは、エアバッグ本体と共に折り畳まれる位置にあたるホース構成織物の織組織は、経糸および緯糸の交差点が少なく、柔らかな風合いとなる朱子織や綾織などの織組織を採用するのが好ましい。これに対して、ガス通過孔周縁部は、インフレーターガスの通過の際に最も力を受けやすい部分であるため糸のほつれが生じ易い。このような糸のほつれを防止するためには、ガス通過孔周縁部の織組織は、経糸および緯糸が互いに交差・拘束し、糸を抜けにくくする効果のある平織とするのが好ましい。このとき、平織で構成される領域は、少なくともガス通過孔周縁部から3mm以上とするのが好ましく、より好ましくは5mm以上である。ただし、平織で構成される領域は、ホース自体の収納性(折り畳み易さ)を阻害しない程度とし(例えばガス通過孔周縁部から20mm以下程度)、主たる織組織は綾織や朱子織とするのが好ましい。なお、綾織または朱子織の部分と、それ以外の部分の比率は1:1〜5:1(面積比)であるのが好ましく、より好ましくは2:1〜4:1である。また、ガス通過孔周縁部に強化部(後述する)を設けることでも、ガス通過孔周縁の糸のほつれを抑制することができる。この場合には、特に平織部を設けなくてもよい。
インフレーターガス流通時に受ける圧力によるホース破損等を防ぐためには、ホース構成織物1枚の正量は800g/m2以上であることが好ましい。より好ましくは1000g/m2以上であり、さらに好ましくは1200g/m2以上である。本発明において、ホース構成織物の正量とは、後述するコート剤をコーティングした後、ホースの長手方向(経糸方向)に平行に切開いた場合のホース1m2あたりの質量を意味するものである。なお、ニードル織機で製織したときのように、ホースがからみ耳部(綴じ部)を有する場合には、からみ耳部を除いた1m2あたりの質量をホースの正量とする。
さらに、インフレーターガスの通過時に受ける圧力に対する強度を確保する観点からは、下記式で表されるホース長手方向および幅方向のカバーファクター(CF)を制御することも効果的である。
CF=(糸の総繊度(dtex))1/2×織密度(本/2.54cm)
具体的にはホース長手方向のカバーファクター(CF)が2000以上、より好ましくは2200以上、さらに好ましくは2400以上であり、幅方向のカバーファクターが500以上、より好ましくは600以上、さらに好ましくは700以上であることが望ましい。
ホース長手方向のカバーファクターが上記下限に満たない場合には、後述するコート剤の素抜けを防止することが困難になり、また、ホース基布の強度が不足してインフレーターガスの圧力により部分的に破損し易くなるおそれがある。幅方向のカバーファクターが上記下限に満たない場合も、上記長手方向のカバーファクターの場合と同様、コート剤が巣抜けしたり、ホース基布の強度が不足する場合がある。一方、ホース長手方向、幅方向のいずれもカバーファクターが大きすぎる場合には、ホースが嵩高くなる傾向にあるため、長手方向のカバーファクターは5000以下とするのが好ましく、より好ましくは4000以下、幅方向のカバーファクターは900以下が好ましく、より好ましくは800以下である。なお、上記各方向のカバーファクター値は、ホース構成織物1枚分で計算した値を意味するものである。
上述の繊維を用いて製織されるホースの内径は2cm以上、6cm以下とするのが好ましい。より好ましくは3cm以上、5cm以下である。ホースの径が上記範囲に満たない場合には、ホース内における圧力損失が大きくなり、部分的に破損を起こしやすくなる。一方、ホースの直径が上記範囲を超えるとエアバッグ装置内へ収納し難くなる傾向があるため好ましくない。
本発明に係るホースには、ホース基布の通気度を低下させて、ホース表面からのガス漏れを防ぎ、エアバッグ本体へのガスの分配率を安定化させるために、ホースの内表面および/または外表面にゴムまたは合成樹脂(以下コート剤という)がコーティングされている。該コート剤は、上述のようにホース基布の通気度等をコントロールする手段として有効である。また、コート剤の種類の選択により、ホース基布の硬さや反発性をコントロールすることができる(詳しくは後述する)。
上記コート剤に使用可能なゴムまたは合成樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ネオプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴムなどの熱硬化型ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、熱に対する耐性に優れるという点からはシリコーンゴムが好ましく、より好ましい具体例としては、熱硬化型付加重合シリコーンゴム、二液型RTV(室温硬化型)シリコーンゴム等が挙げられる。これらのゴムまたは合成樹脂は液状のコート剤として使用する。
さらに、上記付加重合型のシリコーンゴムやその他の熱硬化型ゴムを使用する場合には、反応硬化剤を併用しても良く、例えば白金粉末、塩化白金酸、四塩化白金酸等の白金系化合物を用いることができる。
上記コート剤には、ホース基布とコート樹脂(上述のゴムまたは合成樹脂)の接着性を向上させる目的で接着助剤を加えることも好ましい。接着助剤としては、ホース基布とコート剤との接着性を向上させることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ変性シランカップリング剤、ビニール系シランカップリング剤、クロル系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤があげられ、これらの1種または2種以上を用いることが好ましい。
さらに、ホースの剛性を抑制して、エアバッグの収納性を向上させるためには、柔軟性の優れたコート剤を選択することも有効な手段の一つである。柔軟性の優れたコート剤としては、例えば、一定長さに伸張した際の応力が小さい低モジュラスタイプのシリコーンゴムが挙げられる。低モジュラスタイプのシリコーンゴムを用いることで、コート剤に由来するホースのループ硬さやループ反発性などの増大を抑えることができる。
上記コート剤は、必要に応じて上記各成分を溶剤などに溶解または分散させて用いてもよい。このとき使用可能な溶剤としては、トルエンなど一般的に用いられる溶剤が挙げられる。上記溶剤を用いる際のコート剤濃度は限定されず、塗布し易い粘度に調整すればよく、またホースへの浸透状態を考慮して決定すればよい。
上記コート剤をホースにコーティングする方法は限定されず、製織されたホースを直接コート剤中に浸漬させる方法や、ホース表面に刷毛などで塗布する方法、あるいはフィルム状に形成したコート剤をホース表面に貼付する方法など、任意の塗布法を採用できる。
コート剤の適用量は、ホース織物の織密度や、織物を構成する糸の拘束度合いによって適宜決定すればよいが、コート前のホース質量に対する乾燥後(硬化後)の質量で10%以上、80%以下が好ましく、より好ましくは25%以上、60%以下である。適用量が上述の範囲に満たない場合には、織物組織を構成する糸と糸との間隙をコート剤で埋めるのに不充分となる傾向があり、かかる場合には糸−糸間の拘束力が得られ難く、ガス通過孔周辺の糸がほつれてガス分配率が当初の設定通りにならなくなる場合がある。一方、上記範囲を超えると、ホース全体の質量が増加し、嵩高くなって収納性が低下するおそれがある他、コストも上昇するため好ましくない。
なお、コート剤の適用量を測定する方法としては、コーティング前後におけるホースの質量差を測定する方法の他に、コーティングされたゴムまたは合成樹脂のみを溶解する溶剤を用いて、コート剤を被覆したホースからゴムあるいは合成樹脂のみを溶解除去した後のホース質量を質量を測定する方法、あるいは、ホース構成繊維のみを溶解する溶剤を用いてコーティング後のホースからホース構成繊維を除去し、コート剤に用いたゴムあるいは合成樹脂の質量を測定する方法などがある。
上述の様にして、コート剤がコーティングされたホースに、エアバッグ本体の膨張部へのインフレーターガスの導入口となるインフレーターガス通過孔を形成する。なお、インフレーターがエアバッグ本体から離れた位置に存在しており、これらを連結するために該ホースを用いる場合には、ホース本体にはガス通過孔を設けなくてもよい。ホースにガス通過孔を設ける際、ガス通過孔の個数は限定されず、エアバッグの大きさや、膨張形態などを考慮して適宜決定すればよい。また、ガス通過孔の大きさは、0.25cm2以上、16cm2以下が好ましく、さらに好ましくは、1cm2以上、9cm2以下である。ガス通過孔の大きさが上記上限を超えると、該ガス通過孔部分からのインフレーターガスの流量が多くなり、局所的に加温され当該部分から破壊が進み、その結果、エアバッグの膨張形態が不均一となり、エアバッグ本体の破壊につながる恐れがある。一方、上記下限より小さいと、瞬時にエアバッグを展開させるために多数のガス通過孔を形成しなければならず、加工の手間やコストが掛かり好ましくない。ガス通過孔の形状は特に限定されず、例えば正方形、長方形、三角形、曲線を有する形状など様々な形状を採用することができる。
また、上記ガス通過孔は、その個数や配置位置を適正化するとともに、エアバッグ本体が万遍なく一様に膨張し得るように、インフレーターに近接する部分と離れた部分とで、その大きさを適宜調整するのが好ましい。このようにすることで展開時のエアバッグの膨張形態をコントロールできるからである。
上記ガス通過孔は、高圧・高温ガスが噴出する際に、該通過孔周辺の繊維がほつれてガス通過孔自体が拡大したり、ほつれた繊維が原因となって、エアバッグの展開不良や破裂などを起こすことがある。このような不良を防ぐため、ガス通過孔周辺に強化部を設けてもよい。該強化部は、たとえば(i)レーザー裁断によって通過孔を設ける際に、同時に通過孔周縁部の繊維を溶融・溶接させる方法、(ii)予め形成したガス通過孔断面に加熱体を直接接触させて周辺部の繊維を熱により溶融・溶接させる方法、さらに、(iii)接着剤を使用して当該部分の繊維を接着する方法、などで形成することができる。
接着剤を使用して強化部を形成する場合には、ガス通過孔の打抜き断面へ直接接着剤を付与する方法の他に、ホース外表面および/または内表面のガス通過孔打抜き線から1cm以内の部分に接着剤を含浸・付着させ、固化させても良い。このようにすることで強化部の強度を一段と高めることができる。なお、この時に使用する接着剤については特に限定されないが、いわゆる瞬間接着剤のように短時間で固化が完了するものが好ましく、具体的には、短時間で接着性を発現でき、耐熱性にも優れるシアノアクリレート系接着剤(例えば、セメダイン社製3000DXシリーズ)等が挙げられる。
また、上述の様に設けた強化部の強度をさらに向上させるため、加熱体をガス通過孔打抜き端面に接触させ1mm程度、前面、側面に押し込むようにして、ガス通過孔周縁部の繊維の溶着を進めることも有効である。このとき使用する加熱体としては熱コテや過熱ブロック体などが使用できる。
予め、ガス通過孔周辺の織組織を適正化する(例えば平織としておく)ことも、ガス通過孔の拡大を抑制する手段としては有効である。
次に本発明に係るホースが収容されるエアバッグ装置について説明する。一般に、エアバッグはインフレーターからのガスにより膨張し、車両の衝突時に乗員を拘束して保護するものであるから、インフレーターガス導入による急激な膨張と車両衝突時の乗員との衝撃に対して十分な強度を備えると共に、乗員に与える衝撃が小さいものが望ましい。このような観点から、エアバッグ本体は、例えば、ポリアミド系繊維やポリエステル系繊維等を用いた織物であるのが好ましい。また、インフレーターガス導入分配ホースと同様、エアバッグからのガス漏れ防止や、強度等の諸特性の向上を目的として、その表面をゴムや合成樹脂でコーティングしても良く、このコート剤としては、上述のホース用として挙げたものを同様に使用できる。
上記側面衝突用エアバックの本体を構成する糸は、上述したホースと同様、撚糸や加工糸であってもよく、またマルチフィラメントでもモノフィラメントであってもかまわないが、その総繊度は200dtex以上が好ましく、より好ましくは300dtex以上であり、600dtex以下が好ましく、より好ましくは500dtex以下である。総繊度が上記上限より大きいと収納性が問題となる場合があり、一方、上記下限より小さい場合にはインフレ−ターのガスの分配をコントロールしても基布強度が足らずバーストする可能性が高くなり好ましくない。
側突用エアバックの本体を構成する糸の単糸繊度は2dtex以上であることが好ましく、より好ましくは3dtex以上であり、10dtex以下であることが好ましく、より好ましくは6dtex以下である。単糸繊度が上記上限を超えると基布の剛性が高くなり収納性が低下する。一方、上記下限に満たないと製織時単糸切れ等を発生し基布欠点が多くなり好ましくない。
上記エアバッグ本体の製造方法は限定されず、公知の製織方法によって製造することができる。
上述のようにして得られたインフレーターガス導入分配ホースは、エアバッグ本体内に配設した後、インフレーターに装着する。なお、エアバッグ本体とインフレーターガス導入分配ホースとは、ホース縁部でエアバッグ本体と縫製あるいは接着などの手段によって一体化させても良いが、上記ホースはインフレーターに固定されているため特に一体化させなくても良い。
このようにして得られた側面衝突用エアバッグは折り畳まれて、車両のセンターピラーやフロントピラーなどに収納される。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。なお、測定および評価の方法は次に示すとおりである。
[ループ硬さLh(N)およびループ反発率Lr(%)]
ホース長手方向に平行な短辺を有するように、長さ5cm、幅2cmの長方形の試料を5枚切り出し、JIS L1096 8.20.3(曲げ反発性)に規定のループ圧縮法により、ループ硬さおよびループ反発性を測定した。
測定は、コート剤のコーティングされている面が加圧子に接触する側(上側)となるようにセットし、以下の条件にしたがって行い、5枚の試料の平均値をループ硬さおよびループ反発性の値とした。
ヘッドスピード:50mm/分
チャートスピード:500mm/分
L1:20mm、L2:5mm
また、得られた値より、ループ硬さ(Lh)とホース厚みの関係:Lh/tの値を算出した。
[ホースの厚さ(mm)]
コート剤コーティング後のホース基布1枚の厚さを、JIS L1096 8.5.1に準じて測定した。
[ホースの正量(g/m2)]
コーティング後のホースの正量を、JIS L1096 8.4.1に準じて測定した。
[折り畳み易さの評価試験]
内径50mm、長さ40cmのエアバッグ本体(ナイロン66製筒状織物、350dtex/108f原糸使用、経織密度59本/2.54cm、緯織密度59本/2.54cm)の中に、外径48mm、長さ40cmのホースを、エアバッグ内に完全に挿入し、該エアバッグおよびホースを扁平状にした後、ホース幅方向の中央部で1回折り畳み、折り畳んだホースの中央部でさらに1回折り畳んだときの折り畳み易さを3段階で評価した。
A:容易に2回折り畳むことができる。
B:困難ではあるが、かなり無理をしたら折り畳むことができる。
C:折り畳むことができない。
[エアバッグ装置部品の嵩高さ評価]
外径48mm、長さ40cmのホースを幅方向中央部で1回折り畳み、折り畳んだホースが開かないように、該ホースの両端から夫々10cmの位置をテープまたは輪ゴムで縛り付けて固定した。このとき、固定した2点間では、ホース幅方向両端部が密着せずに離間した状態となることがある。このときの最大離間距離(mm)を測定し、最大離間距離が45mmを超えるものを、嵩高く、収納性に劣るものとして評価した。
[ホース強度(ホース内への加圧ガス導入後のガス通過孔ほつれ試験)]
窒素ガスを初期800kPa、5リットルの容積に加圧した状態で、片方を縫製により閉じたガス導入分配ホースに、縫製していない導入口より窒素ガスを導入した後、ガス通過孔の状態を観察する。該ホースは、内径4.5cm、全長2mとし、ガス通過孔をインフレーターガス導入口より30cmおきに種々の形状の穴を5個設置した。評価結果は、試験後のホースにおいて窒素ガス導入口に一番近いガス通過孔のほつれ具合を次の5段階評価し、評価がC以上であるものを合格とした。
A:孔形状の変化がほとんど認められない。
B:孔形状の変化がほんの少し認められる。
C:孔形状の変化が少し認められる。
D:孔形状の変化がかなり認められる。
E:孔形状の変化が甚だしく認められる。
[製造例1]
強度8.1cN/dtexのポリアミド66繊維を用い、経糸は470dtex/144fの5本撚、緯糸は470dtex/144fのホースでは見掛け上10本撚となるように5本撚を使用して(5本撚の2本揃え)、ニードル織機でジャケット(コート前チューブ状織物)をからみ部幅4mmで織り、全幅で7.5cmになるように、全面綾織(三つ綾)で製織した。このとき得られた織物の織密度は、それぞれ織物1枚分で経方向(2350dtex):74本/2.54cm、緯方向片面(4700dtex):10.5本/2.54cmであった。またCFは経方向、緯方向、それぞれ3587、720であった。
得られたチューブ状織物を扁平状に折り畳んだまま、添加剤(Adhesion Promoter GF82,WACKER社製)を含むコート剤(シリコーンゴム:ELASUTOSIL LR6200:LR3003=3:1(質量比)の混合物,WACKER社製)中に含浸してから取り出し、コート剤の塗布量が均一となるように余剰なコート剤をしごき板でしごいて除去することによって、両面コートを施し、170℃で2分間硬化させた。なお、このときのコート剤の塗布量は290g/m2であり、コーティング後のホースの正量は1300g/m2であった。
次に、ホースの長さが2mとなるように裁断した後、ホース端部の一方を縫合して閉じ、からみ部を持たない側のホース開口端から30cmおきに、一辺が3cmの正方形のガス通過孔を5個打抜いた。この打抜き部の経糸および緯糸断面に直接熱コテを接触させ、該ガス通過孔周縁の繊維同士を450℃で8秒間加熱して溶融・溶接させることにより、インフレーターガス導入分配ホースを得た。このときのガス通過孔の各片は、ホース長手方向および幅方向に直交するように形成した。得られたホースを用いて、上記評価試験を行った。結果を表1に示す。
[製造例2]
強度8.1cN/dtexのポリアミド66繊維を用い、経糸は470dtex/72fの5本撚、緯糸は470dtex/72fのホースでは見掛け上10本撚となるように5本撚を使用して(5本撚の2本揃え)、ニードル織機でジャケット(コート前チューブ状織物)をからみ部幅4mmで織り、全幅で7.5cmとなるようにしてチューブ状織物を製織した。このとき、ガス通過孔周辺となる部分から2.5cmまでの領域分が平織、残りの領域が綾織(三つ綾)となるように製織した。このとき得られた織物の織密度は、それぞれ織物1枚分で、経方向(ホース長手方向)(2350dtex):74本/2.54cm、緯方向(4700dtex):10.5本/2.54cmであり、カバーファクター(CF)は経方向:3587、緯方向:720であった。
得られたチューブ状織物に、上記製造例1と同様の方法でコーティングを施し(コート剤塗布量:290g/m2、ホース基布正量:1300g/m2)、ホース長さが2mとなるように裁断した後、ガス通過孔(一辺3cmの正方形、5個)を形成して、インフレーターガス導入分配ホースを得た。得られたホースを用いて、上記評価試験を行った。結果を表1に示す。
[製造例3]
強度8.1cN/dtexのポリアミド66繊維を用い、経糸は470dtex/72fの5本撚、緯糸は470dtex/72fのホースでは見掛け上10本撚となるように5本撚を使用して(5本撚の2本揃え)、ニードル織機でジャケット(コート前チューブ状織物)をからみ部幅4mmで織り、全幅で7.5cmとなるように、平織でチューブ状織物を製織した。このとき得られた織物の織密度は、それぞれ織物1枚分で、経方向(ホース長手方向)(2350dtex):74本/2.54cm、緯方向(4700dtex):10.5本/2.54cmであり、カバーファクター(CF)は経方向:3587、緯方向:720であった。
得られたチューブ状織物に、上記製造例1と同様の方法でコーティングを施し(コート剤塗布量:280g/m2、ホース基布正量:1290g/m2)、ホース長さが2mとなるように裁断した後、ガス通過孔(一辺3cmの正方形、5個)を形成して、インフレーターガス導入分配ホースを得た。得られたホースを用いて、上記評価試験を行った。結果を表1に示す。
[製造例4]
強度8.1cN/dtexのポリアミド66繊維を用い、経糸は350dtex/108fの2本撚、緯糸は350dtex/108fの6本撚を使用し、シャトル織機でジャケット(コート前チューブ状織物)を全幅で7.3cmとなるように、平織で製織した。このとき得られた織物の織密度は、それぞれ織物1枚分で、経方向(ホース長手方向)(700dtex):90本/2.54cm、緯方向(2100dtex):14.5本/2.54cmであり、カバーファクター(CF)は経方向:2381、緯方向:664であった。
得られたチューブ状織物に、上記製造例1と同様の方法でコーティングを施し(コート剤塗布量:211g/m2、ホース基布正量:631g/m2)、ホース長さが2mとなるように裁断した後、ガス通過孔(一辺3cmの正方形、5個)を形成して、インフレーターガス導入分配ホースを得た。得られたホースを用いて、上記評価試験を行った。結果を表1に示す。
[製造例5]
強度8.1cN/dtexのポリアミド66繊維を用い、経糸は470dtex/72fの10本撚、緯糸は470dtex/72fの20本撚を使用し、シャトル織機でジャケット(コート前チューブ状織物)を全幅で7.5cmとなるように、平織で製織した。このとき得られた織物の織密度は、それぞれ織物1枚分で、経方向(ホース長手方向)(4700dtex):74本/2.54cm、緯方向(9400dtex):6.5本/2.54cmであり、カバーファクター(CF)は経方向:5073、緯方向:630であった。
得られたチューブ状織物に、上記製造例1と同様の方法でコーティングを施し(コート剤塗布量:180g/m2、ホース基布正量:2040g/m2)、ホース長さが2mとなるように裁断した後、ガス通過孔(一辺3cmの正方形、5個)を形成して、インフレーターガス導入分配ホースを得た。得られたホースを用いて、上記評価試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004330417
製造例1および2のホースは、ホース構成織物の厚みに対する硬さや、反発性が適切であるため、収納性に優れたホースであった。また、高圧ガスの流通時にも破壊などを起こすことがなく、十分なホース強度を有していることがわかる。
これに対して、製造例3のホースは、高圧ガスの流通にも耐え得る強度を有するホースであったが、ホース構成織物の厚みに対する硬度が高いため、収納性が悪く、作業性にも問題があるものであった。製造例4のホースは、ホース構成織物が薄いため折り畳み易く、収納性にも優れるものと考えられるが、ホースのトータル正量も低く、高圧ガス流通時に要求されるホース強度が不十分であった。製造例5のホースは、ホース構成織物が厚すぎるため折り畳み難く、また嵩高いため、収納性に問題があるものであった。

Claims (5)

  1. 側面衝突用エアバッグ装置に配され、エアバッグ作動時にインフレーターからのガスをエアバッグ内部に導入分配する織物製ホ―スであって、該ホースの外表面と内表面のうちの少なくとも一方にゴムまたは合成樹脂がコーティングされており、
    該ホースは、その長手方向のカバーファクターが2000〜5000、幅方向のカバーファクターが500〜900であり、ガス通過孔周縁部以外の織組織が綾織または朱子織を含む織物から構成されてなり、
    前記ホースを構成する織物の1枚の厚みt(mm)が0.9〜3mmであって、かつ、
    ホース長手方向に平行な方向に短辺を有するように切り出された、長さ5cm、幅2cmの長方形の試料について、JIS L 1096 8.20.3に規定のループ圧縮法により測定されるループ硬さLh(単位:N)と上記厚みtとの関係が下記式を満足することを特徴とするインフレーターガス導入分配ホース。
    1≦Lh/t≦5 (N/mm)
  2. ガス通過孔周縁部の織組織が平織である請求項1に記載のインフレーターガス導入分配ホース。
  3. ガス通過孔周辺に、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法で形成された強化部が設けられている請求項1に記載のインフレーターガス導入分配ホース。
    (i)レーザー裁断によって通過孔を設ける際に、同時に通過孔周縁部の繊維を溶融・溶接させる方法、
    (ii)予め形成したガス通過孔断面に加熱体を直接接触させて周辺部の繊維を熱により溶融・溶接させる方法、
    (iii)接着剤を使用して、予め形成したガス通過孔部分の繊維を接着する方法。
  4. 上記ゴムまたは合成樹脂がシリコーンゴムであり、コート前のホース質量に対して乾燥後の質量で25%以上、60%以下の量がコーティングされている請求項1〜3のいずれかに記載のインフレーターガス導入分配ホース。
  5. エアバッグ内部にインフレーターからのガスを導入分配するガス通過孔を1個以上有するものである請求項1〜4のいずれかに記載のインフレーターガス導入分配ホース。
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