JP2012111279A - エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】
迅速に展開し、乗員の拘束性に優れ、かつ乗員にエアバッグの突出衝撃による損傷を与えることのないエアバッグを提供する。
【解決手段】
本発明は、エアバッグ本体内部に、エアバッグ本体の膨張形状を規制するためのテザーベルトが1本以上設けられてなるエアバッグにおいて、1本以上のテザーベルトによって構成される解消可能なねじれ部がエアバッグ内部に設けられており、かつ、該ねじれ部が、エアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められたときに解消される程度に仮止め固定されてなることを特徴とするエアバッグである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の衝突時、乗員の身体を保護するためのエアバッグに関する。より詳しくは、迅速に展開し、かつ乗員にエアバッグの突出衝撃による損傷を与えることのないエアバッグに関する。
従来、車両衝突時の衝撃から乗員を保護する安全装置として、エアバッグが普及している。
そして、エアバッグを構成する部材として、膨張形状規制用のテザーベルトがある。このような部材をエアバッグ本体内部に設けることにより、エアバッグが突出する際、エアバッグ本体の膨張厚みや形状を規制することができる。
ところで、エアバッグは、車両衝突時になるべく早く展開することが好ましい。
しかしながら、従来のエアバッグは、エアバッグ本体内部の容積が大きく、エアバッグ本体内部へのガス供給によって所望の反力が得られるまでには時間がかかるという問題があった。
特に、乗員がエアバッグ収納部に近い位置に着座している場合などには、エアバッグが十分に膨張していない段階で、乗員がエアバッグに接触するおそれがある。このような場合には、乗員との接触によりエアバッグの位置が移動し、展開したエアバッグの位置が不安定になるという問題があった。
また、エアバッグの展開が完了する前に乗員がエアバッグに当接する場合、エアバッグが突出する際の衝撃により乗員が負傷するなどの問題もあった。
すなわち、エアバッグは、展開する際にエアバッグが収納されているケースやふたなどを突き破って瞬間的に突出されるため、突出時にエアバッグと当接した場合、乗員は大きな衝撃を受けることになる。
そこで、エアバッグの展開を迅速に行い、かつ乗員に与える突出衝撃を緩和するための試みがなされている。
例えば、特許文献1には、テザー部材が1個所または複数の個所にて重合するよう折り返された1つまたは複数の折返部を有し、該折返部は、エアバッグ内部の圧力が所定値を超えて高められたときに、該テザー部材の重合部分の少なくとも一部が互いに離隔するよう固定された仮止め部を有することを特徴とする、エアバッグが開示されている。
これにより、展開時には、まず仮止めされたテザー部材により第一膨張状態を形成し、テザーベルトの仮止め部の解除によってエアバッグが第一膨張状態から第二膨張状態へと変化することにより、エアバッグ突出時の衝撃を緩和することが可能となる。
また、第一膨張状態を形成することで、エアバッグが側方向に膨張し、乗員の拘束性が向上する。
しかしながら、特許文献1に記載されるような構造を有するエアバッグは、複数のテザーベルトのいずれにおいてもほぼ同時に仮止め部が解除されるようにする必要があるために、縫着等を各テザーベルトのいずれにおいても均等に行う必要がある。そのため、テザーベルトの縫着は手間のかかるものであった。
また、テザーベルトの仮止め部がほぼ同時に解除されない場合、第一膨張状態から第二膨張状態へと変化する時にエアバッグが均等に膨張せず、乗員の拘束性が低下するおそれがあった。
さらに、仮止め部が解除されることによって突出方向に急激に膨張するため、それによって乗員が突出方向の強い衝撃を受ける可能性があり、突出方向の衝撃緩和に対し課題の残るものであった。
特開2003−95047号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであって、その目的としては、迅速に展開し、乗員の拘束性に優れ、かつ乗員にエアバッグの突出衝撃による損傷を与えることのないエアバッグを提供することである。
すなわち、本発明のエアバッグは、エアバッグ本体内部に、エアバッグ本体の膨張形状を規制するためのテザーベルトが1本以上設けられてなるエアバッグにおいて、
1本以上のテザーベルトによって構成される解消可能なねじれ部がエアバッグ内部に設けられており、かつ、該ねじれ部が、エアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められたときに解消される程度に仮止め固定されてなることを特徴とするものである。
本発明のエアバッグには、1本以上のテザーベルトによって構成される前記ねじれ部が1つ設けられていることが好ましい。
もしくは、略同時に解消可能な複数の前記ねじれ部が、1本以上のテザーベルトによって構成されていることが好ましい。
本発明によれば、エアバッグ本体の展開を段階的に行うことができ、かつ、ねじれ部の仮止め固定が解除された後のエアバッグ本体の第二膨張段階移行時には、エアバッグ本体がねじれ部の解消とともに緩やかに展開するため、テザーベルトにねじれ部が存在しない従来のエアバッグと比較し、エアバッグの突出方向の衝撃を緩和することができる。
本発明の実施形態に係るエアバッグの展開前における状態を示す模式断面図である。 本発明の実施形態に係るエアバッグの展開完了直後における状態を示す模式断面図である。 本発明の実施形態に係るエアバッグが有するテザーベルトのねじれ部形成方法を示す模式図である。
本発明は、衝突時に、インフレータから噴出されるガスにより展開されるエアバッグ本体の内部に、エアバッグ本体の膨張形状を規制するためのテザーベルトが1本以上設けられてなるエアバッグである。
本発明のエアバッグは、本体を構成するのに必要な基布の枚数および形状、エアバッグ本体を成形するための接合方法および接合箇所などといった、エアバッグ本体の製造に関する内容については特に限定されず、用途に応じて適宜選定すればよい。また、エアバッグ本体は、製織や製編によって製造されたものであってもよい。
また、エアバッグ本体の排気方式についても特に限定するものではなく、排気孔型、基布排気型、部分的な基布排気型、これらの併用型など、いずれでもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図で示す具体例を用いて詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
ここでは、運転席用エアバッグを例に説明する。
なお、本発明のエアバッグは、テザーベルトが装備されたものであれば、運転席用、助手席用、側面衝突用、後部座席用など、特に限定するものではない。なかでも、テザーベルトが装備される頻度の高い運転席用および助手席用エアバッグが特に好ましい。
また、エアバッグの形状も特に限定するものではなく、円形、球形、楕円球形、方形、円柱形、に限らず、その他用途に応じて適宜選定すればよい。
図1のエアバッグは、2枚のメインパネル(1aおよび1b)が接合部3により接合されることによって、エアバッグ本体を形成している。
なお、ここでは、説明を簡略化するため、メインパネルが単体の基布からなる場合について説明するが、本発明に係るエアバッグは、メインパネルは単体であってもよく、補強布を伴う複数の基布から構成されていてもよい。
2枚のメインパネル(1aおよび1b)には、テザーベルト2が連結されており、さらに、テザーベルト2が、ねじれ部4を有している。
なお、本発明におけるねじれ部とは、解消可能なものをいう。すなわち、ねじれ部に何らかの固定手段を行わない限り、ねじれが解消され、テザーベルトがねじれ部を形成しない状態に戻るものであり、テザーベルトをねじることによって形成することができる。
図1において、ねじれ部4は、2本のテザーベルトを束ねた状態で、ねじることによって形成されている。
このように、エアバッグ本体にテザーベルトが複数本設けられている場合には、1つのねじれ部を複数本のテザーベルトによって構成してもよい。
また、本発明の別の様態としては、複数のテザーベルトを1本ずつ、または幾つかの束にわけ、それぞれをねじることによって複数のねじれ部を形成してもよい。
前記ねじれ部4は、エアバッグ展開時にエアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められたときに解消される程度に仮止め固定されている。
ここで、仮止め固定の解除に関わるエアバッグ本体内部圧力の所定値とは、エアバッグが第一膨張状態を形成したときのエアバッグ内部の圧力値である。
すなわち、前記仮止め固定は、エアバッグが第一膨張状態を形成するまでは解除されず、第一膨張が完了してなおエアバッグ内部の圧力が高まったときに、初めて解除される。
このようにしてねじれ部4の仮止め固定が解除されることにより、ねじれ部4が解消され、エアバッグは、第一膨張段階から第二膨張段階へと移行する。
ねじれ部4を仮止め固定する方法は、特に限定するものではない。
ねじれ部4を仮止め固定する方法の一例として、図3のように、仮止め固定布(8aおよび8b)をねじれ部4に巻きつけて固定する方法がある。
図3に示す例では、仮止め固定布(8aおよび8b)は、それぞれの一端が、接合部6aおよび6bにより、同一のテザーベルトに連結されている。
テザーベルトに仮止め固定布を連結する際、図3に示すように、仮止め固定布同士が相対する向きになるようにそれぞれ連結させることが、作業性の面で好ましいが、これに限定するものではない。
次いで、エアバッグ本体に連結されている全てのテザーベルトを束ねた状態で、テザーベルトの束をねじっていき、それと同時に仮止め固定布(8aおよび8b)を、形成中のねじれ部に巻きつけていく。
このとき、仮止め固定布(8aおよび8b)は、互いに相対する方向に巻いていく必要がある。一本の仮止め固定布をねじり部に巻きつける回数は、ねじれ部が元に戻らない状態であれば特に限定するものではないが、なかでも、作業性の点で2〜5回が好ましい。
最後に、ねじれ部に巻きつけた仮止め固定布8aおよび仮止め固定布8bの一端同士を、仮接合部7によって仮接合させることにより、ねじれ部を仮止め固定させる。
このとき、仮接合部7は、エアバッグ展開時に、エアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められた時に解除される程度の強度を有するものであることが好ましく、その接合手段等は特に限定するものではない。
仮接合部7の接合手段としては、例えば、糸による縫合、接着剤などによる接着、面ファスナーによる接合などが挙げられる。なかでも、接合が容易に行え、接合強度の調節が容易に行えることから、糸による縫合が好ましい。
なお、ここでは、仮接合部7が解除されることによって、ねじれ部4の仮止め固定が解除されることを想定した例を示したが、本発明に係るエアバッグは、ねじれ部の仮止め固定が解除される方法であれば、必ずしも仮接合部7が解除される必要はなく、例えば、仮止め固定布が、仮接合部7以外の部分から破断することによって、ねじれ部の仮止め固定が解除されてもよい。
また、ここでは仮止め固定布を2本使用した例を説明したが、ねじれ部を仮止め固定することが可能であれば、仮止め固定布の本数は限定するものではない。
例えば、仮止め固定布が1本の場合は、仮止め固定布の一端がテザーベルトに連結された状態で、仮止め固定布をテザーベルトのねじれ部に巻きつけ、その後、もう一端をテザーベルトに仮接合させることによって、仮止め固定してもよい。
また、ここではねじれ部が1つの場合について説明したが、ねじれ部はエアバッグ内部に複数設けられていてもよい。
複数のねじれ部を仮止め固定する方法としては、特に限定するものではなく、例えば、各ねじれ部を別々に仮止め固定してもよく、複数のねじれ部を一箇所で仮止め固定してもよい。
各ねじれ部を別々に仮止め固定する場合には、ねじれ部が1つの場合に行う仮止め固定と同様にして、複数のねじれ部それぞれに対し、エアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められたときに解消される程度に別々に仮止め固定されることが好ましい。
さらに、前記した複数のねじれ部は、エアバッグ展開時に略同時に解消されることが好ましい。これにより、第一膨張状態から第二膨張状態へと変化する際、エアバッグを均等に膨張させることができる。
また、複数のねじれ部を一箇所で仮止め固定する方法としては、例えば、複数のねじれ部を一箇所でまとめ、そこに仮止め固定布を巻きつけていくことで、ねじれ部が1つの場合と同様にして仮止め固定することができる。ただし、複数のねじれ部を一箇所で仮止め固定することが可能な方法であれば、上記以外の方法であっても構わない。
上記したようなねじれ部をテザーベルトに設けることにより、本発明のエアバッグは、次のように段階的に展開される。
すなわち、まず展開開始直後の第一膨張段階において、エアバッグは、ねじれ部が形成された状態のテザーベルトにより突出方向への膨張が制限された、第一膨張状態を形成する。
このとき、第一膨張状態におけるエアバッグの突出方向の厚みは、テザーベルトにねじれ部が形成されていることで、ねじれ部を形成していない状態のテザーベルトで規制される突出方向の厚みよりも小さくなる。
第一膨張状態を形成したエアバッグは、さらに、テザーベルトのねじれ部を仮止め固定している仮接合部が解除されることによって、第一膨張段階から第二膨張段階へと移行していく。その際、テザーベルトのねじれが解消されていくのに従ってテザーベルトで規制されるエアバッグの突出方向の厚みが徐々に大きくなる。
そして、テザーベルトのねじれが完全に解消された時点で、テザーベルトで規制されるエアバッグの突出方向の厚みが最大となる第二膨張状態が形成される。
このように、本発明のエアバッグは、第一膨張状態および第二膨張状態におけるエアバッグの突出方向厚みを制限することができ、さらには第一膨張段階から第二膨張段階へと移行する際の突出方向の衝撃についても、ねじれ部がエアバッグ形状の急激な変化を抑制することにより、緩和することができる。
本発明で用いられるエアバッグ本体、テザーベルト、および仮止め固定布の材質は、同じであっても異なっていても構わない。なお、エアバッグ本体、テザーベルトおよび仮止め固定布をそれぞれ接着剤によって接合する場合には、接着剤の選定が容易である点で、同じ材質のものを用いることが好ましい。
エアバッグ本体、テザーベルト、および仮止め固定布として使用される材質としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などに代表されるポリアミド繊維;ポリアミド繊維とパラフェニレンテレフタルアミド芳香族エーテルとの共重合体などに代表される芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維);ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維;芳香族ポリエステル繊維;ビニロン繊維、レーヨン繊維、超高分子量ポリエステル繊維などのポリオレフィン繊維;ポリオキシメチレン繊維;パラフェニレンサルフォンおよびポリサルフォンなどのサルフォン繊維;ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリイミド繊維などの有機繊維;ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維及び金属繊維などの無機繊維;などがあげられ、これらを単独または併用して使用することができる。なかでも、高強度および耐久性に優れる点で、ナイロン66が好ましい。
また、本発明におけるエアバッグ本体、テザーベルト、および仮止め固定布は、織物、編物または不織布などのいずれであってもよい。例えば、織物の場合は、平織、朱子織、綾織、パナマ織および袋織などがあげられ、編物の場合は、経編および丸編などがあげられる。なかでも、布帛の伸度および強度の点から織物が好ましく、平織組織のものがより好ましい。また、耐熱性の向上や通気度の低下を目的として、樹脂などによりコーティングされていてもよい。
前記コーティングに用いる樹脂としては、例えば、ゴム類として、クロロプレンゴム、ハイバロンゴム、フッ素ゴムなどの含ハロゲンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなどがあげられ、また、樹脂類として、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂などの含ハロゲン樹脂や、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、オレフィン樹脂およびシリコーン樹脂などがあげられ、これらを単独または併用して使用することができる。なかでも、耐熱性および耐侯性に優れており、汎用性がある点で、シリコーン樹脂が好ましい。
本発明のエアバッグにおける接合部、例えば、エアバッグ本体の外周接合部、本体とテザーベルトとの接合部、テザーベルトと仮止め固定布との接合部などの接合方法は、縫製、接着、溶着、製織、製編あるいはこれらの併用など、いずれの方法であってもよく、エアバッグとしての堅牢性、展開時の耐衝撃性、乗員の衝撃吸収性能などを満足するものであればよい。
例えば、接合部が縫合によるものである場合、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、扁平縫いなど、通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えばよい。
また、縫い糸の太さは特に限定するものではないが、700dtex(20番手相当)〜2800dtex(0番手相当)とするのが好ましい。
また、場合によっては、縫い目からのガス抜けを防ぐため、シール材、接着剤、粘着材、などを縫い目の上部および/または下部、縫い目の間、縫い代部などに塗布、散布、積層してもよい。
縫合に使用する縫い糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラス、スチールなどがあげられる。また、縫い糸は、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸などのいずれであってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、得られたエアバッグは、下記方法により評価した。
[展開性評価]
作製したエアバッグを常法にて折りたたみ、実際のインフレータによる展開と同程度のガス充填能力(170kPa)を持つエアバッグ試験装置(伊藤精機製)を使用して、エアバッグ内に窒素ガスを充填し、エアバッグの展開を行った。
その際、エアバッグが展開する様子を高速度カメラで撮影し、展開開始から50msec後におけるエアバッグの、突出方向の厚みおよび放射方向の厚みを測定した。
[展開完了後のテザーベルトの状態評価]
展開完了後のテザーベルトの状態を目視により確認し、損傷の有無を確認した。
[実施例1]
繊維糸条の強度が8.5cN/dtexの、ナイロン66長繊維470dtex/72フィラメントの糸を、経糸および緯糸として製織し、経糸および緯糸の織密度がともに46本/2.54cmの平織の織物(目付け175g/m、引張強力650N/cm)を得た。
次いでこの織物を定法により精練、熱セットした後、粘度15Pa・s(25℃)の無溶剤系シリコーン樹脂を、織物の片面にナイフオンベッドコーティング法にて付着量25g/mとなるように塗布した。
次いで、乾燥および熱処理を行い、コート布を得た。
得られたコート布から、直径630mmの円形布を2枚裁断し、そのうち1枚には中央部に直径70mmのインフレータ取付部を設けた。また、インフレータ取付部の周囲(コート面側)にはコート布から裁断した補強布を上糸1400dtex/下糸940dtexの本縫いにより縫着した。
次いで、インフレータ取付部を設けていない(乗員側)円形布のコート面側に、コート布から裁断した長さ300mm、幅70mmのテザーベルト2本の各一端を、上糸1400dtex/下糸940dtexの本縫いにより、それぞれ縫着した。
次いで、2枚の円形布のコートされていない面側同士が合わさるようにして、円形布の外周を上糸1400dtex/下糸940dtexの二重環縫いにより縫着した。
次いで、テザーベルトのもう一端を、インフレータ取付部の周囲に縫着した補強布に、上糸1400dtex/下糸940dtexの本縫いにより縫着した。
次いで、前記テザーベルトのうちの1本に対し、そのインフレータ取付部側および乗員側の2箇所に、長さ110mm、幅30mmの仮止め固定布を1本ずつ、その一端を上糸1400dtex/下糸940dtexの本縫いにより、図3に示すように縫着した。
次いで、図3に示すようにテザーベルトをねじりつつ、仮止め固定布をそれぞれ4回巻きつけ、仮止め固定布の残りの一端部分同士を上糸1400dtex/下糸940dtexの本縫いにより縫着した。
次いで、エアバッグ本体である円形布をインフレータ取付部より裏返して、本発明に係るエアバッグを得た。
得られたエアバッグに対する評価を、表1に示す。
[比較例1]
テザーベルトに仮止め固定布の縫着およびねじり部の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のエアバッグを得た。
得られたエアバッグに対する評価を、表1に示す。
実施例1のエアバッグは、展開開始から50msec後において、突出方向よりも放射方向により大きく展開していた。
すなわち、実施例1のエアバッグは、膨張するためのエネルギーが放射方向にも分散されるため、乗員が受けるエアバッグの突出エネルギーが緩和されるものであった。
さらに、実施例1のエアバッグは、乗員を包み込むように展開するため、乗員拘束性の高いものであった。
一方、テザーベルトにねじれ部を形成していない比較例1のエアバッグは、展開開始から50msec後において、放射方向よりも突出方向に大きく展開していた。
すなわち、比較例1のエアバッグは、膨張するためのエネルギーが突出方向に集中しており、乗員が受けるエアバッグの突出エネルギーは大きいものであった。また、放射方向への展開が不十分であり、乗員を十分に受け止めることができないおそれがあるものであった。
1a、1b メインパネル
2 テザーベルト
3 メインパネルの外周接合部
4 ねじれ部
5a、5b テザーベルトとメインパネルとの接合部
6a,6b テザーベルトと仮止め固定布との接合部
7 仮接合部
8a,8b 仮止め固定布

Claims (3)

  1. エアバッグ本体内部に、エアバッグ本体の膨張形状を規制するためのテザーベルトが1本以上設けられてなるエアバッグにおいて、
    1本以上のテザーベルトによって構成される解消可能なねじれ部がエアバッグ内部に設けられており、かつ、該ねじれ部が、エアバッグ本体内部の圧力が所定値を超えて高められたときに解消される程度に仮止め固定されてなることを特徴とする、エアバッグ。
  2. 1本以上のテザーベルトによって構成される前記ねじれ部が1つ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 略同時に解消可能な複数の前記ねじれ部が、1本以上のテザーベルトによって構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のエアバッグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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