JP2009234326A - エアバッグ - Google Patents
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【課題】ガスによって展開される乗員保護用のエアバッグにおいて、簡便で安価な方法により、外周縫製部の目開きを防止することが可能なエアバッグを提供する。
【手段】少なくとも2枚のパネルの外周同士を縫製により接合してなるエアバッグであって、該外周縫製部の内側1〜10mmの位置に、所定の圧力により切断される縫製糸による仮縫製部を有するエアバッグである。前記所定の圧力が、乗員を保護した直後におけるエアバッグ内圧であることが好ましい。
【選択図】図2
【手段】少なくとも2枚のパネルの外周同士を縫製により接合してなるエアバッグであって、該外周縫製部の内側1〜10mmの位置に、所定の圧力により切断される縫製糸による仮縫製部を有するエアバッグである。前記所定の圧力が、乗員を保護した直後におけるエアバッグ内圧であることが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両に装備され、車両の衝突事故時、瞬時に膨出して乗員を保護するエアバッグに関し、特に助手席などに使用されるエアバッグであって、展開時における縫製部の縫い目開きを防止することのできるエアバッグに関する。
自動車による衝突時、乗員を保護する装置として、エアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、衝突などの一定限度の急激な衝撃を受けたときに乗員と車体間に膨出展開して、乗員が受ける衝撃を吸収緩和するものである。そして、このエアバッグ装置は、衝突による急激な減速を検知するセンサ、センサからの信号を受けて高圧ガスを発生するインフレータ、インフレータからの高圧ガスにより、膨出展開して乗員の衝撃を緩和するエアバッグ、エアバッグシステムが正常に機能しているか否かを判断する診断回路等を備える。
そして、例えば助手席用のエアバッグ装置に使用されるエアバッグについては、特許文献1や2でみられるように、2枚のみの布帛によって立体形状が得られる。しかし、インフレータの出力があがった場合や、エアバッグを構成する布帛の糸をより低い繊度にした場合に、バッグの外周縫製部に非常に大きな負荷がかかり、針穴が広がる現象(目開き)や針穴が繋がってしまう現象がおきている。
そこで、外周縫製部の目開きを防ぐために、外周に補強布で補強を行い縫製している場合がある。しかし、外周に補強布を付けることは、部品点数の増加や補強布取付作業工程の増加、さらには補強布の付け忘れなどで、作業性に劣り、製造コストも高いものになっている。
本発明は、ガスによって展開される乗員保護用のエアバッグにおいて、簡便で安価な方法により、外周縫製部の目開きを防止することが可能なエアバッグを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、少なくとも2枚のパネルの外周同士を縫製により接合してなるエアバッグであって、該外周縫製部の内側1〜10mmの位置に、所定の圧力により切断される縫製糸による仮縫製部を有するエアバッグに関する。
前記所定の圧力が、乗員を保護した直後におけるエアバッグ内圧であることが好ましい。
前記仮縫製部における縫製糸が、繊度235〜940dtexであることが好ましい。
本発明によれば、ガスによって展開される乗員保護用のエアバッグにおいて、簡便で安価な方法により、外周縫製部の目開きを防止することが可能なエアバッグを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面をもとに詳しく説明する。
まずエアバッグ装置(通常、車両のステアリングホイールやサイドエアバッグ等に配置される)は、衝突時に、乗員と内装構造物との間の空間に瞬時に膨出し、乗員が直接、インパネ、サイドドア、ハンドル等に衝突する際の衝撃を吸収する機能をもつものである。そのためエアバッグ装置は、車両の衝突などの一定限度の急激な衝撃を受けたときに急激な減速を検知するセンサ、センサからの信号を受けて膨出用の高圧ガスを発生するインフレータ、インフレータからの膨出用の高圧ガスにより、膨出展開して乗員の衝撃を緩和するエアバッグ、エアバッグシステムが正常に機能しているか否かを判断する診断回路などを通常備えている。
まずエアバッグ装置(通常、車両のステアリングホイールやサイドエアバッグ等に配置される)は、衝突時に、乗員と内装構造物との間の空間に瞬時に膨出し、乗員が直接、インパネ、サイドドア、ハンドル等に衝突する際の衝撃を吸収する機能をもつものである。そのためエアバッグ装置は、車両の衝突などの一定限度の急激な衝撃を受けたときに急激な減速を検知するセンサ、センサからの信号を受けて膨出用の高圧ガスを発生するインフレータ、インフレータからの膨出用の高圧ガスにより、膨出展開して乗員の衝撃を緩和するエアバッグ、エアバッグシステムが正常に機能しているか否かを判断する診断回路などを通常備えている。
図1には本発明によるエアバッグの一実施例である、立体2ピース助手席エアバッグの膨出展開状態が示されている。このエアバッグ1はインフレータ(図示せず)に取付けられ、且つインフレータガス注入口でもある取付口2が設けられている。エアバッグ1は、縫製によって立体形状になるように、図2のような形状をした本体布3および4を、外周縫製部10で接合することにより形成されている。尚、本体布4には排気穴5が形成されている。
本発明のエアバッグは、外周縫製部10から1〜10mm内側に、仮縫製部8を有している。この仮縫製部8は、所定の圧力により切断される縫製糸(以下、仮縫製糸と称する)からなっており、この仮縫製糸が切断されることで、エネルギーを吸収して、外周縫製部10の目開きを防止する。
前記仮縫製部8の位置は、外周縫製部10から1〜5mm内側であることが好ましい。位置が1mmより近いと、外周縫製部に近づき過ぎ、目開き防止としての効果が得られず、10mmをこえると、初期の展開形状が大幅に変わってしまい乗員を保護できない。
仮縫製糸の繊度は、235〜940dtexであることが好ましく、235〜470dtexであることがより好ましい。繊度が235dtexより小さいと、仮縫製糸の強度が不足して、エアバッグの展開途中で切断してしまい、目開き防止としての効果が得られにくい傾向にあり、縫製糸の繊度が940dtexをこえると、仮縫製糸の強度が強くなってしまい、展開して、内圧がある一定になっても切断しない可能性がある。
たとえば、エアバッグ内部にかかる圧力が30KPaの場合、仮縫製糸の繊度235dtex、運針数20〜30針/10cmで縫製したときに仮縫製糸が切断する。また、同じ内圧の場合、仮縫製糸の繊度が470dtexであると、運針数20針/10cmで仮縫製糸が切断する。ただし、仮縫製糸が切断する要因としては、エアバッグの形状も関係するため、一概には言えず、エアバッグの形状によって、その都度、仮縫製糸の繊度および運針数などを決定することが必要である。
仮縫製糸は、エアバッグ内部にかかる圧力により破断して、外周縫製の目開きを抑制するものである。仮縫製糸の破断のタイミングとしては、たとえば、以下の2通りがある。
まず、エアバッグの展開が完了する直前に仮縫製糸が破断する場合である。このときの所定の圧力とは、展開時にエアバッグ内部にかかる最大圧力付近のことをいう。
前記所定の圧力(おおよそエアバッグにかかる展開最大圧力)は、エアバッグの形状、大きさ、目的などによって様々であり、限定されるものではないが、10〜30kPaであることが好ましい。この場合の所定の圧力が、10kPaより小さいと、エアバッグが乗員を受け止められずに、乗員自身がステアリング、インストメントパネル、フロントガラスなどに衝突してしまう傾向にあり、30kPaをこえると、エアバッグの反発性が高くなって、乗員を受け止められなくなり、乗員に被害を及ぼす傾向にある。
もう1つは、乗員を保護した直後、すなわち、乗員保護の際の衝撃により内圧がさらに増加したときに仮縫製糸が破断する場合である。これにより、乗員を保護した際に仮縫製糸が切断されることで、エアバッグ容量が一瞬増えて内圧が低下し、乗員の衝撃を和らげることができる。
前記所定の圧力、つまり、乗員を保護した直後におけるエアバッグの内圧は、エアバッグの形状、大きさ、目的、および、乗員による衝撃の強さなどによって様々であり、限定されるものではないが、前記展開最大圧力よりも10〜20kPa程度高くなる。したがって、30〜50kPaであることが好ましい。すなわち、乗員を保護した直後に仮縫製糸を破断させる場合は、エアバッグの展開が完了する直前に破断させる場合よりも、高い圧力で仮縫製糸が破断するようにする。所定の圧力が、30kPaより小さいと、エアバッグが乗員を受け止められずに、乗員自身がステアリング、インストメントパネル、フロントガラスなどに衝突してしまう傾向にあり、50kPaをこえると、エアバッグの反発性が高くなって、乗員を受け止められなくなり、乗員に被害を及ぼす傾向にある。
また、仮縫製部の運針数については、10〜40針/10cmであることが好ましく、20〜30針/10cmであることがより好ましい。運針数が10針/cmより少ないと、縫製作業が難しく、また、縫製の強度が弱くなるため、エアバッグの展開途中で切断する傾向にあり、40針/cmをこえると、縫製の強度が強くなりすぎ、エアバッグが展開完了しても切断されにくい傾向にある。
仮縫製に使用する縫製糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラス、スチールなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸またはフィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
前記仮縫製は、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、扁平縫いなどの通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えばよい。
本発明のエアバッグを構成するパネル3および4の材質としては、繊維布帛が用いられる。ここで繊維布帛とは、繊維糸条を用いて製織される織物、繊維糸条を用いて製編される編物および不織布を意味する。なかでも、布帛の伸度及び強度の点で、織物が好ましく、平織組織のものが特に好ましい。
繊維布帛を構成する繊維は、天然繊維、化学繊維、無機繊維など、特に限定するものではない。なかでも、汎用性があり、基布の製造工程、基布物性などの点から、合成繊維フィラメントが好ましい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合によって得られるポリエステル繊維、超高分子量ポリオレフィン系繊維、ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含む含フッ素系繊維、ポリアセタール系繊維、ポリサルフォン系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系繊維(PEEK)、全芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、ポリイミド系繊維、ポリエーテルイミド系繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール系繊維(PBO)、ビニロン系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維、炭化珪素系繊維、アルミナ系繊維、ガラス系繊維、カーボン系繊維、スチール系繊維などから適宜、1種または2種以上を選定すればよい。なかでも、物理特性、耐久性、耐熱性などの点からナイロン66繊維が好ましい。また、リサイクルの観点からは、ポリエステル系繊維、ナイロン6繊維も好ましい。
織物の製造は、通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、例えばシャトル織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選定すればよい。
前記繊維布帛が編物の場合は、シングルトリコット編、シングルコード編、シングルアトラス編などのたて編や、平編、ゴム編、パール編などのよこ編、などの編組織を単独またはそれらを組み合わせた二重組織などからなるものがあげられる。また、前記繊維布帛が不織布の場合は、ケミカルボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、スパンボンド、メルトブロー、湿式などにより製造されるものがあげられる。
これら繊維には、紡糸性や、加工性、耐久性などを改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種または2種以上を使用してもよい。また、カラミ織を製織する上で望ましい場合には、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工、糊付け加工などの加工を施してもよい。さらに、糸条の形態は、長繊維フィラメント以外に、短繊維の紡績糸、これらの複合糸などを用いてもよい。
たとえば、前記繊維布帛が織物の場合は、平織、斜子織(バスケット織)、格子織(リップストップ織)、畝織、絡み織、模紗織、朱子織、綾織、パナマ織、あるいはこれらの複合組織などいずれでもよい。場合によっては、経糸、緯糸の二軸以外に、斜め60度を含む多軸設計としても良く、その場合の糸の配列は、経糸または緯糸と同じ配列に準じればよい。なかでも構造の緻密さ、物理特性や性能の均等性が確保できる点で、平織が好ましい。
また、本発明で使用する糸の単糸太さは、同じでも異なってもいずれでも良く、例えば、0.5〜6dtexの範囲にあれば好ましい。また、単糸の強度も、5.4cN/dtex以上、好ましくは8cN/dtex以上の糸を用いればよい。また、これら繊維の単糸の断面形状も、円形、楕円、扁平、多角形、中空、その他の異型など、織物の製造、得られた織物の物性に支障のない範囲で適宜選定すればよい。また、太さや断面形状などが異なる複数の糸を、合糸、撚り合わせ、などにより一体化したものを用いてもよい。
これら繊維の総繊度は、150〜1000dtexであることが好ましく、さらに好ましくは235〜700dtexである。150dtex未満ではエアバッグに求められる強度が得られにくい傾向にあり、1000dtexより大きくなると、重量が大きくなりすぎると同時に、基布の厚みが増大しバッグの収納性が悪くなるおそれがある。
これらの糸からなる本発明の織物は、目付けが230g/m2以下、引張強力が500N/cm以上であることが好ましい。目付けと引張強力がこの範囲であれば、軽くて物理特性に優れているといえる。なお、ここでいう目付けは、後述する不通気処理剤を塗布する前の未加工の状態の基布重量をいう。
前記繊維布帛が織物である場合のカバーファクターは、1500〜2500であることが好ましい。カバーファクターが1500より小さいと、織物の開口部が大きくなるためバッグの気密性を得ることが困難となり、またカバーファクターが2500より大きいと、織物の厚みが増大し、バッグの収納性が悪くなるおそれがある。ここで、カバーファクターとは基布のタテ糸総繊度をD1(dtex)、タテ糸密度をN1(本/2.54cm)とし、ヨコ糸総繊度をD2(dtex)、ヨコ糸密度をN2(本/2.54cm)とすると(D1×0.9)1/2×N1+(D2×0.9)1/2×N2で表される。
また、繊維布帛は精練および熱処理を施されたものであってもよい。
これらの布帛は、耐熱性の向上および通気度の低下を目的として、不通気処理剤を有している。また、その目的から、前記不通気処理剤は、少なくともパネルの片面全面に付着しているが、パネル表面、パネルを構成する糸束の間隙部、または、繊維単糸の間隙部など、いずれに介在していてもよい。エアバッグ基布に外力が加わっても被膜の損傷が抑えられるという理由により、パネルの不通気処理剤を有する面同士を接合して、被覆面が内側になるようにエアバッグを作製することが好ましい。
不通気処理剤とは、実質的に空気を通さないようにする処理剤であり、不通気とは、JIS L1096「一般織物試験方法」における8.27.1 A法(フラジール形法)において、測定値0.0のことをいう。
不通気処理剤としては、例えば、クロロプレンゴム、ハイパロンゴムおよびフッ素ゴムなどの含ハロゲンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどのゴム類、または塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂などの含ハロゲン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂類があげられ、これらを単独または併用して使用することができる。そのなかでも、耐熱性および耐侯性に優れており、また汎用性があるという点から、シリコーン樹脂が好ましい。
このような不通気処理剤の25℃における粘度は、得られる被膜の強度および配合作業性などの点で、1,000〜50,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
前記不通気処理剤の被覆前の形態は、特に限定されるものでなく、無溶剤型、溶剤希釈型、水分散型などをあげることができる。なかでも、作業性および環境の面で、無溶剤型が好ましい。
また、その付着量は、乾燥重量で45g/m2以下であることが好ましい。下限は、5g/m2であることが好ましい。付着量が5g/m2より少ないと、布帛の通気性が高くなってエアバッグの気密性に問題が発生する傾向にあり、付着量が45g/m2をこえると、布帛の厚みが厚くなってエアバッグの収納性に問題が発生するおそれがある。とくに、軽量性、収納性の点で、付着量が25g/m2以下であることが好ましく、10〜25g/m2であることがさらに好ましい。
さらに、エアバッグを滑らかに展開させる目的で、前記不通気処理剤により得られる被膜の摩擦を低減する処理をおこなうことが好ましい。前記処理としては、具体的には、被膜にタルク等の微粉体を塗布する方法、処理剤に有機チタン化合物等の硬化後の粘着性を低減する物質を配合して被覆をおこなう方法、および、被膜にエンボス加工装置などを用いて凹凸を付与する方法などがあげられる。
なお、取付口補強布6やVH補強布7など、パネル以外に用いられる布帛についても、前記同様のものを使用することができる。
本発明のエアバッグは、以下の方法により製造することができる。
まず、パネルを構成する基布に、必要に応じて前記不通気処理剤を付与し、基布の少なくとも片面を被覆する。
まず、パネルを構成する基布に、必要に応じて前記不通気処理剤を付与し、基布の少なくとも片面を被覆する。
被覆方法としては、1)コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ、スロットダイおよびリップなど)、2)浸漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリーおよびグラビアなど)、4)転写法(トランスファー)、5)ラミネート法、および6)スプレーなどにて噴霧する方法などがあげられる。なかでも、設定できる付与量の幅が大きい点で、コーティング法が好ましい。
ついで、前記不通気処理剤が付与された基布から、取付口側パネル3と乗員側パネル4とを所望の形状に切り出す。なお、エアバッグのパネルの枚数や形状は、適宜設定すればよく、ここでは、2ピース助手席エアバッグ用について説明する。
次に縫製工程に入るが、最初に、取付口側パネル3の取付口2に補強を行うために、数枚の取付口補強布6を縫い付ける。次に、乗員側パネル4に防炎とベントホール(VH)補強とを兼ねたVH補強布7を付けて、VH周りを縫製する。ついで、取付口側パネル3および乗員側パネル4のa同士とb同士とを合わせて、裁断端部9から一定離れたところを縫製して、仮縫製部8を設ける。最後に、前記仮縫製部8の外側1〜10mmのところに、一定距離保ちながら外周縫製部10を形成する。同様にして、c−d間、e−f間、g−h間についても、仮縫製および外周縫製を行う。
外周縫製に使用する縫製糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラス、スチールなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸またはフィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
前記外周縫製は、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、扁平縫いなどの通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えばよい。
縫製糸の太さは700dtex(20番手相当)〜2800dtex(0番手相当)、運針数は20〜50針/10cmであることが好ましい。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目線間の距離は2.2〜8.0mm程度として、多針型ミシンを用いればよいが、縫製部距離が長くない場合には、1本針ミシンで複数回縫合してもよい。エアバッグ本体パネルとして複数枚の裁断基布を用いる場合には、複数枚を重ねて縫合してもよいし、1枚ずつ縫合してもよい。
以上、これまで図面を参照して本発明を説明してきたが、本発明の実施形態はこれのみを指すものではなく、要旨を逸脱しない範囲での変更、改良は当然可能である。また、これまで助手席用のエアバッグを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、運転席用エアバッグや側突用エアバッグなど他のエアバッグにも適用が可能である。
1 エアバッグ
2 取付口
3 取付口側パネル
4 乗員側パネル
5 ベントホール
6 取付口補強布
7 VH補強布
8 仮縫製部
9 裁断端部
10 外周縫製部
2 取付口
3 取付口側パネル
4 乗員側パネル
5 ベントホール
6 取付口補強布
7 VH補強布
8 仮縫製部
9 裁断端部
10 外周縫製部
Claims (3)
- 少なくとも2枚のパネルの外周同士を縫製により接合してなるエアバッグであって、該外周縫製部の内側1〜10mmの位置に、所定の圧力により切断される縫製糸による仮縫製部を有するエアバッグ。
- 前記所定の圧力が、乗員を保護した直後におけるエアバッグ内圧である請求項1記載のエアバッグ。
- 前記仮縫製部における縫製糸が、繊度235〜940dtexである請求項1または2記載のエアバッグ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022528225A (ja) * | 2019-03-19 | 2022-06-09 | ヒュック ライニッシェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 単段式加熱プレスまたは多段式加熱プレスに使用するためのプレスパッド |
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2008
- 2008-03-26 JP JP2008080367A patent/JP2009234326A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022528225A (ja) * | 2019-03-19 | 2022-06-09 | ヒュック ライニッシェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 単段式加熱プレスまたは多段式加熱プレスに使用するためのプレスパッド |
JP7302003B2 (ja) | 2019-03-19 | 2023-07-03 | ヒュック ライニッシェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 単段式加熱プレスまたは多段式加熱プレスに使用するためのプレスパッド |
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