JP2011225139A - 乗員保護用エアバッグおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構造でありながら、安定した高い乗員保護性能を有する乗員保護用エアバッグ、および、そのエアバッグを簡易に得ることのできる製造方法を提供する。
【解決手段】主室と副室とを有するエアバッグであって、大きさの異なる2枚のパネルの外周縁が結合されてなり、該副室が、蛇腹状に折り畳まれた大なるパネルの少なくとも1ヵ所で該折り畳みを維持する結合を有して形成されてなり、かつ、該主室に吊紐を有している乗員保護用エアバッグである。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の衝突時、乗員を保護するエアバッグおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、シンプルな構造で保護性能を向上させた乗員保護用エアバッグ、および、このエアバッグを簡易に得ることのできる製造方法に関する。
近年、多くの車両に、乗員保護装置としてエアバッグ装置が搭載されるようになった。このエアバッグ装置では、一般に、展開させるバッグの大きさや形状は一定で、乗員との接触面は平面である。しかし、拘束力や加害性の観点からは、車両衝突時に乗員側の接触面形状を変化させることで衝撃を緩和させ、乗員の拘束力を向上させるようなエアバッグ装置が望まれている。
たとえば、特許文献1のエアバッグは、乗員側パネルに大きな形状の裁断片を用い、プリーツ状に折り畳んで小さくし、反対側パネルの小さな裁断片に重ね合せて縫合して、膨張時にプリーツ部を伸ばすことにより乗員側の表面積を拡大させるものである。これにより、バッグ形状が立体的になり、バッグ容量が増大して乗員を受けとめやすくなる。しかし、膨張したバッグ全体を押し付け変形させることで乗員の衝撃エネルギーを吸収させるため、衝突状況によってはバッグの変形が不足し、衝突エネルギーを十分に吸収することができない場合がある。
また、特許文献2には、2枚の蝶形布地パネルから構成される2つのチャンバーを有するエアバッグであり、両チャンバーの隙間で乗員を捕捉し、衝突による乗員の衝撃を緩和することが開示されている。これにより乗員の保護性能は高まるものの、極めて複雑なバッグ構造であり、製造工程も繁雑となる。
したがって、シンプルな構造および製造方法により保護性能を向上させたエアバッグについては、いまだ開発されていないのが現状である。
特開平10−35381号公報 特開2006−117235号公報
本発明は、シンプルな構造でありながら、安定した高い乗員保護性能を有するエアバッグ、および、そのエアバッグを簡易に得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、主室と副室とを有するエアバッグであって、大きさの異なる2枚のパネルの外周縁が結合されてなり、該副室が、蛇腹状に折り畳まれた大なるパネルの少なくとも1ヵ所で該折り畳みを維持する結合を有して形成されてなり、かつ、該主室に吊紐を有している乗員保護用エアバッグに関する。
前記折り畳みの方向が、エアバッグ中央線で反転していることが好ましい。
前記折り畳みが、乗員に対して左右にあり、かつ、折り畳み数がエアバッグ中央線を挟んで左右同数であることが好ましい。
前記折り畳み部同士の結合が、折り畳み部の全幅にわたっていることが好ましい。
また、本発明は、主室と副室とを有するエアバッグの製造方法であって、大きさの異なる2枚のパネルを得る工程、大なるパネルを蛇腹状に折り畳み、その折り畳み部同士を結合する工程、該大なるパネルと小なるパネルとに吊紐を結合する工程、および、該大なるパネルと小なるパネルとの外周縁同士を結合する工程を有する乗員保護用エアバッグの製造方法に関する。
本発明によれば、非常にシンプルな構造でありながら、副室をもち、高い乗員保護性能を有したエアバッグを得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、非常に簡単な方法により、副室をもち、高い乗員保護性能を有したエアバッグを製造することができる。
本発明のエアバッグの一例を示す模式平面図である。 図1のA−A´線におけるエアバッグ展開時の模式断面図である。 図1のB−B´線におけるエアバッグ展開時の模式断面図である。 本発明のエアバッグの他の例(蛇腹の折り畳みを左右に3箇所にした場合)を示す模式平面図である。 図4のC−C´線におけるエアバッグ展開時の模式断面図である。 本発明のエアバッグの他の例(蛇腹の折り畳み部の縫合位置について、パネルの中央線からの距離が異なる場合)の平面図である。 図6のD−D´線におけるエアバッグの模式断面図である。 本発明のエアバッグの他の例(左右の蛇腹の折り畳みが平行でない場合)の模式平面図である。 (a)は図1における小なるパネルを示し、(b)は図1における大なるパネルを示した模式平面図である。
本発明のエアバッグは、主室と副室とを有し、大きさの異なる2枚のパネルの外周縁が結合されてなり、該副室が、蛇腹状に折り畳まれた大なるパネルの少なくとも1ヵ所で該折り畳みを維持する結合を有して形成されてなり、かつ、該主室に吊紐を有している。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明のエアバッグ1における膨出展開時の平面図であり、図2および3は、その断面図である。本発明のエアバッグ1は、膨出ガスが充填されることにより、主室2と副室3および4とを形成する。これにより、エアバッグ展開時において、乗員が受ける反力を副室3および4が適切に緩和し、やさしく保護することができる。また、副室が乗員を拘束するように展開するため、保護性能がより向上する。なお、図1〜3では、副室が2つ形成された場合を例示しているが、後述するように、とくにこれに限定されるものではない。
本発明のエアバッグ1は、大きさの異なる2枚のパネルの外周縁を結合することにより構成され、副室は、このうち大なるパネルを蛇腹状に折り畳み、少なくとも1ヵ所で該折り畳みを維持する結合を有して形成されている。この副室は、主室2が膨張すると同時に、主室2の乗員側を覆うようにして膨張する。
副室を形成する蛇腹状の折り畳みは、乗員に対して左右方向に(図1では、中央線10に略平行に)形成されており、かつ、折り畳み数が、エアバッグ縦方向の中央線10を挟んで左右同数であることが好ましい。折り畳み数が左右同数であると、展開後のエアバッグ形状が均一となり、乗員が衝突した際の衝撃を均一に緩和することができる。また、その数は、左右それぞれに1〜5ヵ所であることが好ましい。図4に、左右の折り畳み数をそれぞれ3個にした場合を示す。折り畳み数を複数にする事によって、乗員が受ける衝撃がより緩和されやすくなる傾向にあるが、5ヶ所をこえると、副室の形状が小さくなり過ぎるため、乗員の拘束力が低下する傾向にある。さらに、図5に、図4のC−C´線における展開時の断面図を示す。
また、前記折り畳みは、中央線10に対して完全に平行に形成されていなくてもよい。図8に、折り畳み部を逆八の字にした場合を示す。これにより、乗員がエアバッグに衝突した際に、乗員を拘束する効果をより高めることができる。
また、前記折り畳みの方向が、中央線10で反転していることが好ましい。蛇腹の折り畳み方向が中央線で反転していることにより、エアバッグが展開し乗員が衝突した際に、左右の副室が乗員を挟みこむようにして拘束するため、乗員が左右に移動するのを防ぎ、保護性能をより高めることができる。
前記折り畳みには、それぞれ少なくとも1ヵ所、この折り畳みを維持するための結合(以下、折り畳み結合9)がなされている。この折り畳み結合9(図1では、9a〜9dの4ヶ所)は、形成される副室3および4が、必要以上に膨張したり突出したりすることを抑制し、副室としての適度な膨らみを保持して、乗員の衝撃を緩和する。この折り畳み結合9がないと、副室3および4が過度に膨張し、乗員の保護性能を満たすことができない。折り畳み結合9は、折り畳みを維持することのできるものであればよく、少なくとも副室を形成する部分のパネル同士を結合していればよい。
折り畳み結合9は、それぞれに少なくとも1ヶ所あればよく、1〜10ヶ所あることが好ましく、2〜4ヶ所あることがより好ましい。折り畳み結合9が10ヵ所をこえると、副室へのガスの充填が低下し、副室が十分に展開する前に乗員が衝突してしまい、乗員保護性能を満たさないおそれがある。また、折り畳み結合9が左右に複数ずつあり、さらに、折り畳みが中央線10を挟んで反転している(向かい合っている)場合は、向かい合った結合9間隔(図1においては、結合9aと9cとの間隔と、9bと9dとの間隔)が均等であることが好ましい。
また、折り畳み結合9が左右に複数ずつある場合、図6に示すように、その位置は、エアバッグの横方向の中央線11からの距離が異なっていてもよい。図7にそのD−D´線における断面図を示す。
前記折り畳み結合9の長さは、とくに限定されず、折り畳みの全幅にわたっていてもよく、一部、たとえば、幅半分以上であってもよい。なかでも、折り畳みの全幅にわたっていることが好ましい。折り畳み結合9が、折り畳みの半分以上の幅より短いと、結合されていない部分において過度に膨らみ、副室が適正に形成されず、副室の機能を低下させるおそれがある。
また、前記折り畳み結合9は、折り畳みの山に対して直角に形成されていてもよいし、縦方向の中央線10に向かって広がったハの字型でもよく、その形成方向はとくに限定されない。
本発明のエアバッグは、図9(a)および(b)に示すように、大なるパネル5と小なるパネル6とを有している。そして、この大なるパネル5に前記蛇腹を設け、小なるパネル6との外周縁同士を結合8により結合して、形成されている。外周縁を形状通りに重ね合せて結合することにより、展開時のバッグ形状が定形となり、保護性能を満足するエアバッグを得ることができる。
また、本発明のエアバッグは、パネル5の飛び出しを制御する吊紐7を主室2の内部に有している。この吊紐7は、前記大なるパネル5と小なるパネル6とを繋ぐように配置されており、副室の過度な膨らみを抑制し、乗員の保護性能を満たすよう適切な位置と大きさに保つ役割を果たす。なお、吊紐7と大なるパネル5との結合部分の長さを変えることにより、副室の膨らみを調整することができる。
このように、本発明のエアバッグにおいては、非常にシンプルな構造にて副室が形成されているため、デザインの自由度が高く、様々な仕様に適用することができる。
また、本発明は、主室と副室とを有するエアバッグの製造方法であって、大きさの異なる2枚のパネルを得る工程、大なるパネルを蛇腹状に折り畳み、その折り畳み部同士を結合する工程、該大なるパネルと小なるパネルとに吊紐を結合する工程、および、該大なるパネルと小なるパネルとの外周縁同士を結合する工程を有している。
本発明においては、通常のパネルに換えて、蛇腹状に折り畳まれたパネルをエアバッグの乗員側面として結合するという、非常に簡単な方法により、副室を有したエアバッグを製造することができる。この製造には、従来のエアバッグの製造に使用されている材料および製造装置を用いることができるので、コストパフォーマンスの高いエアバッグが得られる。
本発明で使用される各種パネルは、基布を裁断して得られるものである。基布とは繊維布帛であり、繊維糸条を用いて製織される織物、繊維糸条を用いて製編される編物および不織布などがあげられる。
繊維布帛を構成する繊維は、天然繊維、化学繊維、無機繊維など、とくに限定されるものではない。たとえば、ナイロン6、66、46などのポリアミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミド、及び芳香族エーテルとの共重合体などに代表される芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレン繊維、パラフェニレンサルフォン、ポリサルフォンなどのサルフォン系繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテルイミド繊維、炭素繊維、ポリイミド繊維などが採用される。必要に応じて、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維などの無機繊維を単独または併用して使用してもよい。なかでも、汎用性があり、基布の製造工程、基布物性などの点から、合成繊維フィラメントが好ましい。とくには、物理特性、耐久性、耐熱性などの点からナイロン66繊維が好ましい。また、リサイクルの観点からは、ポリエステル系繊維、ナイロン6繊維が好ましい。
これら繊維には、紡糸性や、加工性、耐久性などを改善するために通常使用されている各種の添加剤、たとえば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種または2種以上を使用してもよい。また、カラミ織を製織する上で望ましい場合には、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工、糊付け加工などの加工を施してもよい。さらに、糸条の形態は、長繊維糸以外に、短繊維の紡績糸、これらの複合糸などを用いてもよい。
また、布組織としては、織物、編物、不織布などの何れであってもよい。たとえば、前記繊維布帛が織物の場合は、平織、斜子織(バスケット織)、格子織(リップストップ織)、綾織、畝織、カラミ織、模紗織、あるいはこれらの複合組織などいずれでもよい。必要に応じて、経糸、緯糸の二軸以外に、斜め60度を含む多軸設計としてもよく、その場合の糸の配列は、経糸または緯糸と同じ配列に準じればよい。なかでも、構造の緻密さ、物理特性や性能の均等性が確保できる点で、平織が好ましい。
前記繊維布帛が編物の場合は、シングルトリコット編、シングルコード編、シングルアトラス編などのたて編や、平編、ゴム編、パール編などのよこ編、などの編組織を単独またはそれらを組み合わせた二重組織などからなるものがあげられる。また、前記繊維布帛が不織布の場合は、ケミカルボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、スパンボンド、メルトブロー、湿式などにより製造されるものがあげられる。とくに、布帛の伸度強度の点で織物を用いることが好ましい。
織物の製造は、通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、たとえば、シャトル織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選定すればよい。
前記基布を構成する糸の単糸太さは、同じでも異なってもいずれでもよく、たとえば、0.5〜8dtexの範囲であることが好ましい。また、単糸の強度も、5.4cN/dtex以上であることが好ましく、8cN/dtex以上であることがより好ましい。また、これら繊維の単糸の断面形状も、円形、楕円、扁平、多角形、中空、その他の異型など、布帛の製造、得られた布帛の物性に支障のない範囲で適宜選定すればよい。また、太さや断面形状などが異なる複数の糸を、合糸、撚り合わせなどにより一体化したものを用いてもよい。
前記繊維の総繊度は、150〜1000dtexであることが好ましく、235〜700dtexであることがより好ましい。150dtex未満ではエアバッグに求められる強度が得られにくい傾向にあり、1000dtexより大きくなると、重量が大きくなりすぎると同時に、基布の厚さが増大しバッグの収納性が悪くなるおそれがある。
前記基布は、目付けが190g/m以下、引張強力が600N/cm以上であることが好ましい。目付けと引張強力がこの範囲であれば、軽くて物理特性に優れているといえる。なお、ここでいう目付けは、後述する樹脂層を付与する前の未加工の状態の基布重量をいう。
前記基布が織物である場合のカバーファクターは、1500〜2500であることが好ましい。カバーファクターが1500より小さいと、織物の開口部が大きくなるためバッグの気密性を得ることが困難となり、またカバーファクターが2500より大きいと、織物の厚みが増大し、バッグの収納性が悪くなるおそれがある。ここで、カバーファクターとは基布のタテ糸総繊度をD1(dtex)、タテ糸密度をN1(本/2.54cm)とし、ヨコ糸総繊度をD2(dtex)、ヨコ糸密度をN2(本/2.54cm)とすると、(D1×0.9)1/2×N1+(D2×0.9)1/2×N2で表される。
また、前記基布は精練および熱処理を施されたものであってもよい。
さらに、基布は、耐熱性の向上および通気度の低下を目的として、樹脂層を有していてもよい。また、その目的から、前記樹脂層は少なくとも基布の片面全面に付着しているが、基布表面、基布を構成する糸束の間隙部、または、繊維単糸の間隙部など、いずれに介在していてもよい。耐熱性、および、基布に外力が加わっても被膜の損傷が抑えられるという理由により、樹脂層を有する面同士を接合して、樹脂層が内側になるようにエアバッグを作製することが好ましい。
前記樹脂としては、たとえば、クロロプレンゴム、ハイバロンゴム、フッ素ゴムなどの含ハロゲンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなどのゴム類、および、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂などの含ハロゲン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、オレフィン樹脂およびシリコーン樹脂などの樹脂類があげられ、これらは単独または併用して使用される。なかでも、可撓性、耐熱性および耐候性に優れる点で、シリコーンゴムおよびシリコーン樹脂が好ましい。
被覆方法としては、1)コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ、スロットダイおよびリップなど)、2)浸漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリーおよびグラビアなど)、4)転写法(トランスファー)、5)ラミネート法、および6)スプレーなどにて噴霧する方法などがあげられる。なかでも、設定できる付与量の幅が大きい点で、コーティング法が好ましい。
また、塗布量としては、5〜60g/mが好ましい。塗布量が5g/mより少ないと、基布の通気性が高くなるため、バッグの気密性に問題が発生するおそれがあり、また塗布量が60g/mより多いと、基布の厚みが厚くなってバッグの収納性に問題が発生するおそれがある。
また、主室2および副室3、4を構成する基布同士の接合は、縫着、接着、溶着、製織、製編あるいはこれらの併用など、いずれの方法によってもよく、エアバッグとしての堅牢性、展開時の耐衝撃性、乗員の耐衝撃性能などを満足するものであればよい。
縫着は、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、または、扁平縫いなどの通常のエアバッグに適用されている縫い目により行えばよい。また、縫い糸の太さは、235dtex(50番手相当)〜2800dtex(0番手相当)、運針数は2〜10針/cmとすればよい。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目線間の距離は2.2mm〜8mm程度として、多針型ミシンを用いればよいが、縫製部距離が長くない場合には、1本針ミシンで複数回縫合してもよい。
接着に使用される接着剤は、とくに限定されない。たとえば、クロロプレンゴム、ハイバロンゴム、フッ素ゴムなどの含ハロゲンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合ゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなどのゴム類、および、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂などの含ハロゲン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、オレフィン樹脂およびシリコーン樹脂などの樹脂類があげられ、これらは単独または併用して使用される。なかでも、可撓性、耐熱性および耐候性に優れる点で、シリコーンゴムおよびシリコーン樹脂が好ましい。
さらに、必要に応じて、外周縫製部などの縫い目からのガス抜けを防ぐために、シール材、接着剤または粘着材などを、縫い目の上部および/または下部、縫い目の間、縫い代部などに塗布、散布または積層してもよい。
縫合に使用する縫い糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよい。たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラス、スチールなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸またはフィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
また、使用するインフレータの特性に応じて、インフレータ噴出口周囲に熱ガスから保護するための耐熱保護布や力学的な補強布を設けてもよい。これらの保護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、たとえば、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、PBO繊維、ポリイミド繊維、含フッ素系繊維などの耐熱性繊維材料を用いてもよいし、エアバッグ本体と同じか本体用基布より太い糸を用いて別途作成した織物を用いてもよい。また、織物に耐熱性被覆材を施したものを用いてもよい。
1 エアバッグ
2 主室
3 副室(L側)
4(4a〜4c) 副室(R側)
5 パネル
6 パネル
7 吊紐
8 外周結合
9(9a〜9d) 折り畳み結合
10 縦方向の中央線
11 横方向の中央線
12 インフレータ取付口
13 排気口

Claims (5)

  1. 主室と副室とを有するエアバッグであって、大きさの異なる2枚のパネルの外周縁が結合されてなり、該副室が、蛇腹状に折り畳まれた大なるパネルの少なくとも1ヵ所で該折り畳みを維持する結合を有して形成されてなり、かつ、該主室に吊紐を有している乗員保護用エアバッグ。
  2. 前記折り畳みの方向が、エアバッグ中央線で反転している請求項1記載の乗員保護用エアバッグ。
  3. 前記折り畳みが、乗員に対して左右にあり、かつ、折り畳み数がエアバッグ中央線を挟んで左右同数である請求項1または2記載の乗員保護用エアバッグ。
  4. 前記折り畳み部同士の結合が、折り畳み部の全幅にわたっている請求項1、2または3記載の乗員保護用エアバッグ。
  5. 主室と副室とを有するエアバッグの製造方法であって、大きさの異なる2枚のパネルを得る工程、大なるパネルを蛇腹状に折り畳み、その折り畳み部同士を結合する工程、該大なるパネルと小なるパネルとに吊紐を結合する工程、および、該大なるパネルと小なるパネルとの外周縁同士を結合する工程を有する乗員保護用エアバッグの製造方法。
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