JP4329385B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関出力によって発電を行う発電手段を備える内燃機関の排気浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、特に希薄燃焼を行う内燃機関から排出される排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化すべく吸蔵還元型のNOx触媒が開発されている。この吸蔵還元型のNOx触媒は、触媒周囲の雰囲気が高酸素濃度状態である場合は排気中に含まれるNOxを触媒内へと吸蔵し、触媒周囲の雰囲気が低酸素濃度状態で且つ還元成分である燃料の未燃成分が存在している場合等は、触媒内に吸蔵されているNOxを還元することで、排気の浄化を行う触媒である。この吸蔵還元型のNOx触媒においては、NOxと同様に排気中に含まれる硫黄酸化物(SOx)も吸蔵される。このSOxの吸蔵量が増加するに従い、NOx触媒のNOx排気浄化能力が低減する問題が発生する。そこで、SOxの吸蔵量が増大したNOx触媒の温度を上昇させるとともに、NOx触媒を燃料の未燃成分が存在している雰囲気に曝すことによって、NOx触媒に吸蔵されていたSOxを該触媒から離脱させ、以てNOx触媒のNOx排気浄化能力を回復させる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、排気中に含まれている煤等の粒子状物質を捕集することで、大気中に粒子状物質が飛散するのを防止するためにフィルタが設けられる場合、もしくは先述のNOx触媒が担持されたフィルタが設けられる場合がある。このフィルタにおいても、捕集された粒子状物質を定期的に除去しなければ、フィルタの捕集能力が低下し、大気中に粒子状物質が飛散する虞がある。そこで、フィルタに流入する排気の温度を上昇させることで、捕集された粒子状物質を酸化させ、除去する。
【0004】
ここで、内燃機関には、一般には、内燃機関を備える車両のエアコン等の補機に電力を供給すべく、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電装置を備える。該発電装置による発電は内燃機関の機関負荷の増加に至るために、発電装置による発電が行われると、排気温度が上昇し、機関始動時においては、内燃機関の効率的な暖機が可能となる(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
しかし、該発電装置による発電は内燃機関の機関負荷が増加するために、先述したNOx触媒やフィルタにおける排気浄化能力の回復のための制御を行うときに発電が行われると、該排気浄化能力の回復制御における排気の空燃比制御を正確に実行することが困難となる虞がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平06−88518号公報
【特許文献2】
特開平11−223140号公報
【特許文献3】
特開平10−331678号公報
【特許文献4】
特開2001−200743号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
NOx触媒やフィルタ等の排気浄化手段においてその排気浄化能力が低下した場合、排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御し、排気浄化触媒の温度の上昇等を行い、排気浄化手段の排気浄化能力の再生を図る必要がある。このような場合、排気浄化手段において行う排気浄化能力の再生の目的に応じて、供給される排気の空燃比を適した空燃比とする制御(以下、「再生制御」という)を行わなければならない。しかし、内燃機関の機関出力による発電を行えば内燃機関の機関負荷が増加するために、燃料の噴射量の増加に伴い、吸気量の増加も必要となる。その結果、排気浄化手段の排気浄化能力の再生に必要な排気の空燃比を適した空燃比に制御するのが困難となり、エミッションが悪化する虞がある。
【0008】
そこで、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、内燃機関の機関出力によって発電を行う内燃機関の排気浄化システムにおいて排気浄化を行う排気浄化手段の排気浄化能力を再生するときに、エミッションの悪化を抑制する内燃機関の排気浄化システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、内燃機関の機関出力による発電の開始時期に着目した。これは、排気浄化手段の再生制御時において、内燃機関の機関出力による発電の開始時期を遅らせることによって、内燃機関の機関負荷の増加に伴い排気の空燃比制御が困難となる事態を回避することが可能と考えられるからである。
【0010】
そこで、燃焼室から排出される排気を浄化する排気浄化手段と、前記排気浄化手段における排気浄化状態に基づいて前記排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御することで前記排気浄化手段の排気浄化能力を再生させる再生手段と、内燃機関の機関出力により発電を行う発電手段と、前記発電手段によって発電された電気を蓄える蓄電手段と、を備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときは、前記蓄電手段での蓄電量が第一残量以下のときに前記発電手段によって発電を行い、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときは、前記蓄電手段での蓄電量が前記第一残量より少ない第二残量以下のときに前記発電手段によって発電を行う。
【0011】
前記排気浄化手段は、燃焼室から排出される排気に含まれるNOx、SOxまたは粒子状物質等を吸蔵、還元、捕集等することによって、排気の浄化を行う。しかし、前記排気浄化手段には排気の浄化を効率的に行える容量には限りがあるため、一定の条件の下、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力を再生する必要がある。例えば、前記排気浄化手段が、排気に含まれるNOxを吸蔵還元するいわゆる吸蔵還元型NOx触媒であれば、NOxの吸蔵とともにSOxも触媒内へ吸蔵され、触媒内に吸蔵されたSOx量が増加することによって、触媒による排気浄化能力が低下する。また、前記排気浄化手段が、排気に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタであれば、捕集された粒子状物質が増加するに従いフィルタの目詰まりが進み、捕集能力が低下する。このような場合において、前記再生手段によって、前記排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御し、排気浄化手段の排気浄化能力の低下の要因となる物質等の除去を行う。
【0012】
また、一般に該内燃機関を有する車両には冷却装置や送風機等の補機が備えられており、これらの補機に供給される電気を発電する等の目的で、前記内燃機関には機関出力を利用した前記発電手段が備えられている。そして、前記発電手段によって発電された電気は、前記蓄電手段に蓄えられ、前記蓄電手段より補機等に電気が供給される。そして、前記発電手段による発電の開始時期は、前記蓄電手段での蓄電量によって決定される。即ち、蓄電量が所定の残量を下回ったときに、前記発電手段によって発電した電気を蓄電手段に蓄える。前記第一残量および前記第二残量は、前記発電手段によって発電を開始すると決定される前記蓄電手段での蓄電量である。
【0013】
ここで、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生が行われるときと、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生が行われないときとに分けて、前記発電手段による発電の開始時期を異なるものとする。即ち、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生制御が行われるときは、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生制御が行われないときと比べ、前記蓄電手段での蓄電量がより少ない残量となってから前記発電手段による発電が行われる。換言すれば、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生制御が行われるときは、前記発電手段による発電の開始条件となる閾値を前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生制御が行われないときの閾値より上げることで、前記排気浄化触媒の再生時期と該発電が行われる時期とが重複する時間を短くするものである。これにより、内燃機関の機関出力による発電に伴う排気の空燃比の制御性が困難となる期間がより短縮されるため、エミッションの悪化が抑制される。
【0014】
更に、前記再生手段によって前記排気浄化手段の再生制御時において、燃焼室から排出される排気の温度が第一排気温度以上であるときは、前記発電手段による発電を禁止する。
【0015】
即ち、前記再生手段による前記排気浄化手段の再生において燃焼室から排出される排気の温度が第一排気温度以上である場合、換言すると前記再生手段による前記排気浄化手段の再生制御を行うときにおいて排気温度が高くなる内燃機関の機関負荷が比較的高い領域(以下、「高排気温度領域」という)に属する場合においては、前記蓄電手段での蓄電量が第二残量以下であっても、前記発電手段による発電が禁止される。排気温度が高排気温度領域に属する場合、前記発電手段による発電が行われると、内燃機関の機関負荷が非常に高くなるため、前記再生手段による前記排気浄化手段の再生での排気の空燃比制御が正確に行われず、エミッションが悪化する虞が比較的高くなる。そこで、前記再生手段による前記排気浄化手段の再生時であって排気温度が高排気温度領域に属していない場合は、前記蓄電手段での蓄電量に従って前記発電手段による発電を行う一方で、エミッションの悪化が生じる虞が比較的高いと考えられ得る場合、即ち排気温度が第一排気温度以上である場合は、前記発電手段による発電を禁止することでエミッションの悪化を確実に防止することが可能となる。
【0016】
次に、本発明は、上記した課題を解決するために、燃焼室から排出される排気の温度に着目した。それは、先述しように排気温度が高いことは、内燃機関の機関負荷が高いことを意味することに依る。そこで、燃焼室から排出される排気を浄化する排気浄化手段と、前記排気浄化手段における排気浄化状態に基づいて前記排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御することで前記排気浄化手段の排気浄化能力を再生させる再生手段と、内燃機関の機関出力により発電を行う発電手段と、前記発電手段によって発電された電気を蓄える蓄電手段と、を備える内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が第二排気温度以上であるときは、前記発電手段による発電を禁止する。
【0017】
前記再生手段による前記排気浄化手段の再生において燃焼室から排出される排気の温度が第二排気温度以上である場合、換言すると前記再生手段による前記排気浄化手段の再生制御を行うときにおいて排気温度が高くなる内燃機関の機関負荷が比較的高い領域(先述した「高排気温度領域」と同様の排気温度領域であり、前記第一排気温度と前記第二排気温度は同義である。本領域についても、同様に「高排気温度領域」という)に属する場合においては、前記発電手段による発電が禁止される。排気温度が高排気温度領域に属する場合、前記発電手段による発電が行われると、内燃機関の機関負荷が非常に高くなるため、前記再生手段による前記排気浄化手段の再生での排気の空燃比制御が正確に行われず、エミッションが悪化する虞が比較的高くなる。そこで、排気温度が第二排気温度以上である場合は、前記発電手段による発電を全く禁止することでエミッションの悪化を確実に防止することが可能となる。
【0018】
そして、更に、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度より低い第三排気温度以下であるときは前記発電手段によって発電を行い、更に、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度と前記第三排気温度の間の温度であり且つ前記蓄電手段での蓄電量が第三残量以下であるときは前記発電手段によって発電を行い、前記第三残量は、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときに、前記発電手段による発電が行われるときの前記蓄電手段での蓄電量より少ない蓄電量である。
【0019】
前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度より低い第三排気温度以下である場合、換言すると排気温度が排気浄化手段における排気浄化能力の再生に十分な排気温度以下である領域(以下、「低排気温度領域」という)に属する場合、先述した内燃機関の機関負荷が上昇することによって生じるエミッションの悪化が起こる虞が低い。一方で、排気温度が低いために、排気浄化手段の再生制御において排気に含まれることとなった燃料成分が内燃機関の排気枝管や排気管に付着し、確実な再生制御を行うのが困難となる。そこで、前記発電手段による発電を行うことで蓄電手段への蓄電を行うとともに、内燃機関の機関負荷を増加させることで排気温度の上昇を図り、排気温度を排気浄化手段における排気浄化能力の再生に十分な排気温度とする。これにより、排気に含まれる燃料が内燃機関の排気枝管や排気管に付着するのが防止される。
【0020】
また、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度と前記第三排気温度の間の温度である場合、換言すると排気温度が前記高排気温度領域と前記低排気温度領域の間の領域(以下、「中排気温度領域」という)に属する場合は、前記蓄電手段での蓄電量が第三残量以下であるときは前記発電手段による発電を行う。ここで、前記第三残量は、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときに、前記発電手段による発電が行われるときの前記蓄電手段での蓄電量より少ない蓄電量である。
【0021】
従って、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに排気温度が中排気温度領域に属する場合は、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときに比べて、前記発電手段による発電開始の閾値を上げることで、前記排気浄化触媒の再生時期と該発電が行われる時期とが重複する時間をより短くするものである。これにより、内燃機関の機関出力による発電に伴う排気の空燃比の制御性が困難となる期間が短縮されるため、エミッションの悪化が抑制される。
【0022】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
ここで、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施例について図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される排気浄化システム、該排気浄化システムを含む内燃機関1およびその制御系統の概略構成を表すブロック図である。
【0023】
内燃機関1は、4つの気筒2を有する内燃機関である。また、気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。燃料噴射弁3は、燃料を所定圧に蓄圧する蓄圧室4と接続されている。蓄圧室4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。
【0024】
次に、内燃機関1には吸気枝管7が接続されており、吸気枝管7の各枝管は、気筒2の燃焼室と吸気ポートを介して連通している。ここで、気筒2の燃焼室と吸気ポートとの連通は、吸気弁の開閉によって行われる。また、吸気枝管7は吸気管8に接続されている。吸気管8には、該吸気管8内を流通する吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ9が取り付けられている。前記吸気管8における吸気枝管7の直上流に位置する部位には、該吸気管8内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁10が設けられている。この吸気絞り弁10には、ステップモータ等で構成されて該吸気絞り弁10を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ11が取り付けられている。
【0025】
ここで、エアフローメータ9と吸気絞り弁10との間に位置する吸気管8には、排気のエネルギーを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)17のコンプレッサハウジング17aが設けられ、コンプレッサハウジング17aより下流の吸気管8には、前記コンプレッサハウジング17a内で圧縮されて高温となった吸気を冷却するためのインタークーラ18設けられている。
【0026】
一方、内燃機関1には排気枝管12が接続され、排気枝管12の各枝管が排気ポートを介して気筒2の燃焼室と連通している。ここで、気筒2の燃焼室と排気ポートとの連通は、排気弁の開閉によって行われる。また、排気枝管12の側面には、排気枝管12を流れる排気に対して燃料を添加する燃料添加弁30が設けられている。更に、内燃機関1には、排気再循環装置21が設けられている。排気再循環装置21は、排気枝管12より延出しているEGR通路22、該EGR通路22を流れる排気を冷却するEGRクーラ23が設けられている。更に、EGRクーラ23の下流にEGR弁24が設けられ、EGR通路22は吸気支管7へと連通している。ここで、EGR弁24は、EGR通路22を経て吸気支管7へと再循環される排気(以下、「EGRガス」という)の流量を調整する弁である。
【0027】
また、前記排気枝管12は、前記遠心過給機17のタービンハウジング17bと接続されている。前記タービンハウジング17bは、排気管13と接続され、この排気管13は、下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。更に、排気管13の途中には、内燃機関から排出される排気に含まれるNOxを吸蔵、還元して排気の浄化を行うNOx触媒が担持されたフィルタである排気浄化触媒16が設けられている。排気浄化触媒16の下流の排気管13には、該排気管13内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁14が設けられている。この排気絞り弁14には、ステップモータ等で構成されて該排気絞り弁14を開閉駆動する排気絞り用アクチュエータ15が取り付けられている。
【0028】
ここで、内燃機関1の機関出力による発電手段について説明する。内燃機関1において、クランクシャフト34の一端にクランクシャフト側プーリ33が設けられており、更に発電側シャフト37に設けられた発電側プーリ35が、クランクシャフト側プーリ33と伝達ベルト36を介して接続されている。そして、発電側シャフト37は、切替装置38を介して発電機39へ連通する。このように構成される発電手段では、内燃機関1の機関出力が伝達ベルト36を介して発電機39のロータを回転させることで、内燃機関1の機関出力による発電が行われる。また、切替装置38は、内燃機関1の機関出力の発電機39への伝達を切り替える装置であり、例えば、機械的なクラッチ機構を有する装置や、発電機39内の結線をショートさせることで発電機39による発電をキャンセルする電気的な機構を有する装置が挙げられる。従って、切替装置38によって内燃機関1の機関出力を発電機39に伝達させて発電を行うが、該発電により内燃機関1の機関負荷が増加することになる。更に、発電機39とバッテリ40は電気的に接続されており、発電機39によって発電された電気は、バッテリ40に蓄電される。
【0029】
ここで、燃料噴射弁3および燃料添加弁30は、電子制御ユニット(以下、ECU:ElectronicControl Unitと称する)20からの制御信号によって開閉動作を行う。即ち、ECU20からの指令によって、燃料噴射弁3および燃料添加弁30における燃料の噴射時期および噴射量が燃料噴射弁毎に制御される。また、内燃機関1に対する機関出力等に応じてECU20はEGR弁24に制御信号を発し、EGR弁24の開度を調整することで、吸気支管7へ再循環されるEGRガスの流量を調整する。
【0030】
また、ECU20からの指令により切替装置38が駆動され、内燃機関1の機関出力が発電機39に伝達されるか否かが制御される。また、発電機39によって発電された電気が蓄電されるバッテリ40はECU20と電気的に接続されており、バッテリ40での蓄電量、即ちバッテリ残量がECU20に伝えられ、監視される。そこで、例えば、バッテリ残量が少なくなれば、ECU20によって切替装置38によって内燃機関1の機関出力を発電機39に伝達させて発電をし、その発電された電気をバッテリ40に蓄電することが可能である。
【0031】
更に、アクセル開度センサ19がECU20と電気的に接続されており、ECU20はアクセル開度に応じた信号を受け取り、それより内燃機関1に要求される機関出力等を算出する。また、クランクポジションセンサ32がECU20と電気的に接続されており、ECU20は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取り、内燃機関1の機関回転速度や気筒2におけるサイクルの状態等を算出する。
【0032】
また、排気浄化触媒16の上流の排気管13には、排気管13を流れる排気の排気温度を検出する排気温度センサ41が、排気浄化触媒16の下流の排気管13には、排気管13を流れる排気の空燃比を検出する排気空燃比センサ31がそれぞれ設けられている。排気温度センサ41と排気空燃比センサ31は、それぞれECU20は電気的に接続されており、ECU20は排気温度センサ41によって検出された排気温度や排気空燃比センサ31によって検出された空燃比の値に基づいて排気浄化触媒16の排気浄化能力を再生させるために、排気浄化触媒16に所定の排気の空燃比を供給すべく排気の空燃比のフィードバック制御が行われる。
【0033】
例えば、排気浄化触媒16に吸蔵されたSOxを離脱させるために排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比を交互にリッチ側の空燃比とリーン側の空燃比に切り替えるいわゆるSOx被毒再生制御や、排気浄化触媒16のフィルタに捕集されている粒子状物質を酸化し除去するために排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比と酸素濃度を制御するフィルタ再生制御等を行うときに、それぞれの再生制御に適した排気の空燃比となるべく、フィードバック制御が行われる。また、排気の空燃比を調整する手段としては、燃料添加弁30によって排気に燃料を添加する手段、燃料噴射弁3による燃料の噴射量や噴射時期を調整する手段、EGR弁24を介してEGRガスの量を調整する手段、またはこれらの手段を複合して用いる手段等が挙げられる。
【0034】
この排気の空燃比のフィードバック制御は、排気空燃比センサ31によって検出された空燃比に基づいて、排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比を推定し、その推定される空燃比が所定の空燃比、即ち排気浄化触媒16に供給すべき排気の空燃比となるように制御するものである。排気浄化触媒16における排気の空燃比と、排気空燃比センサ31によって検出される空燃比との関係は、予め実験等で求めておきマップとしてECU20内のROMに格納しておけばよい。
【0035】
ここで、排気浄化触媒16の排気浄化能力を再生するために行われる上述の排気の空燃比のフィードバック制御は、排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比をそれぞれの再生制御に適した排気の空燃比に制御するものであるが、内燃機関1の機関負荷が比較的大きくなる場合には、機関負荷に対抗した機関出力を発揮すべく燃料噴射弁3からの燃料噴射量が増量されるとともに、吸気絞り弁10をより開くことにより吸気量が増量されるため、排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比または酸素量を正確に制御することが困難となり、また排気に含まれる酸素不足により過度にリッチ状態となることで白煙や失火が発生する虞や、または粒子状物質を十分に酸化することが困難となる虞が生じる。
【0036】
また、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電手段を備える内燃機関1においては、該発電手段によって発電を行うことは内燃機関の機関負荷に帰結する。そのため、排気浄化触媒16の排気浄化能力を再生する再生制御が行われるときに該発電手段による発電は、該再生制御における正確な排気の空燃比のフィードバック制御を阻害し、エミッションが悪化する虞がある。そこで、排気浄化触媒16の再生時における内燃機関1の機関出力による発電制御であって、エミッションの悪化を抑制する制御について、図2に基づいて説明する。図2は排気浄化触媒16の再生制御時における内燃機関1の機関出力による発電制御のフローチャートであり、該触媒再生時発電制御はECU20によって実行される。
【0037】
先ず、S100では、排気浄化触媒16の再生モードが検出される。排気浄化触媒16の再生モードとは、排気浄化触媒16において行われる排気浄化触媒16の再生制御時において排気浄化触媒16が置かれる制御状態、特に排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比や排気温度を踏まえた状態をいう。例えば、排気浄化触媒16に吸蔵されているNOxを還元することで排気浄化触媒16の排気浄化能力を回復させるNOx還元制御、排気浄化触媒16に吸蔵されているSOxを離脱させることで排気浄化触媒16の排気浄化能力を回復させるSOx被毒再生制御、または排気浄化触媒16のフィルタによって捕集された排気中の粒子状物質を酸化させ該フィルタの捕集機能を回復させるフィルタ再生制御等が挙げられ、更にこれらの制御に加え、EGR弁24によるEGRガス流量の調整制御の併用も挙げられる。これらの制御モードのうちいずれの再生モードが実行されているかECU20によって検出される。また、これらのいずれの再生モードも行われていない状態(以下、「通常状態」という)についても、S100において検出される。S100の処理が終了すると、S101へ進む。
【0038】
S101では、S100で検出された排気浄化触媒16における再生モードにおいて、排気の空燃比をフィードバック制御する必要があるか否かを判断する。例えば、S100において排気浄化触媒16に吸蔵されているSOxを離脱させるSOx被毒再生制御が行われていると検出されている場合は、排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比を交互に、リッチ状態とリーン状態とを切り替えるいわゆるリッチスパイク制御が行われるため、S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断される。
【0039】
また、排気浄化触媒16のフィルタに捕集された粒子状物質を酸化しフィルタの捕集能力の回復を図るフィルタ再生制御が行われている場合も、フィルタに捕集されている粒子状物質の酸化に必要な空燃比になるべく排気の空燃比を調整する必要があるため、S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断される。
【0040】
一方で、排気浄化触媒16に吸蔵されているNOxを還元するNOx還元制御においては、排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比を正確に制御する必要がなく、またNOx還元制御が実行される時間は比較的短いため、S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断されない。また、排気浄化触媒16が通常状態である場合も、S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断されない。尚、上記は一実施例であって、S102における排気の空燃比のフィードバック制御の必要性の判断は、上記の実施例のみに限られず、更に例えば、フィルタ再生制御時において、排気の空燃比のフィードバック制御を行う必要がない場合には、S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要はないと判断しても良い。S101において、排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断されると、S104へ進む。一方で、S101において、排気の空燃比をフィードバック制御する必要がないと判断されると、S102へ進む。
【0041】
S102では、バッテリ40の蓄電量が残量S1以下か否かが判断される。ここで、残量S1は、発電機39による発電を行うか否かを決定するための閾値であり、内燃機関1を備える車両に搭載された補機類を駆動するのに必要な電力やマージン等から決定される値である。S102で、バッテリ40の蓄電量が残量S1以下と判断されると、S103へ進み、バッテリ40の蓄電量が残量S1より大きいと判断されると、本制御を終了する。
【0042】
S103では、バッテリ40の蓄電量が残量S1以下と判断されたため、バッテリ40に対して蓄電を行うべく、切替装置38によって内燃機関1の機関出力を発電機39に伝達させて、発電を行う。尚、この発電は、バッテリ40の蓄電量が残量S1以下と判断された直後に必ずしも行う必要はなく、例えば、内燃機関1の機関速度が減速されるときの内燃機関1の速度エネルギーを利用することで発電を行えば、発電による燃費の悪化を抑制することが可能となる。S103の処理が終了すると、本制御を終了する。即ち、S102およびS103における制御は、排気浄化触媒16の再生制御において、供給される排気の空燃比をフィードバック制御する必要がない場合、もしくは排気浄化触媒16の再生制御が行われていない場合の、内燃機関1の機関出力による発電制御を表す。
【0043】
S101において排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断された以降のS104では、バッテリ40の蓄電量が残量S2以下か否かが判断される。ここで、残量S2は、先述した残量S1と同様に、発電機39による発電を行うか否かを決定するための閾値であり、内燃機関1を備える車両に搭載された補機類を駆動するのに必要な電力やマージン等から決定される値であるが、残量S1と比べ小さい値である。即ち、S104以降の制御において発電機39による発電は、バッテリ40での蓄電量が残量S1より更に小さい残量S2以下に低下するまで、禁止されることになる。S104で、バッテリ40の蓄電量が残量S2以下と判断されると、S105へ進み、バッテリ40の蓄電量が残量S2より大きいと判断されると、本制御を終了する。
【0044】
S105では、排気温度センサ41によって検出された排気温度がT1以上か否かが判断される。排気温度T1は、排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合において、排気温度が比較的高いために内燃機関1の機関負荷の更なる増加によっては該再生制御における排気の空燃比のフィードバック制御を正確に行ことが困難となり得る排気温度である。ここで、図3に基づいて、排気温度T1と内燃機関1の機関負荷について説明する。
【0045】
図3は、内燃機関1の機関負荷分布を示す概略図であり、横軸は内燃機関1の機関回転速度を示し、縦軸は内燃機関1の機関トルクを示している。ここで、線L1で表されるのが、内燃機関1の発揮し得る機関出力であり、本実施例では、内燃機関1は最高機関回転速度がNe1であり、また最大機関トルクがTQ1である。ここで、線L1とグラフ縦軸および横軸で囲まれる領域R0が、内燃機関1が発揮しうる機関負荷領域である。このように構成される機関負荷を発揮し得る内燃機関1においては、排気浄化触媒16の再生制御は、線L2とグラフ縦軸および横軸で囲まれる領域RFB(以下、「再生制御領域RFB」という)で行われる。即ち、これ以外の機関負荷領域では、排気温度の上昇等の理由で排気浄化触媒16に供給する排気の空燃比を正確にフィードバック制御することが困難となるため、排気浄化触媒16の再生制御が行われるのは、機関負荷が再生制御領域RFBに属する場合に限られる。
【0046】
このとき、再生制御領域RFB中であって、図中領域R1と表される領域においては、排気浄化触媒16の再生制御は可能であるが、内燃機関1の機関負荷が比較的高く、そのため排気温度も高い領域(以下、「高排気温度領域」という)である。従って、排気温度が比較的高い状態で排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合に更に発電機39による発電を行うと、内燃機関1の機関負荷が上昇することで排気浄化触媒16の再生制御が正確に行われない虞が生じることとなる。そこで、先述した排気温度T1は内燃機関1の機関負荷が高排気温度領域R1に属するか否かを判断するための閾値の意味をもつ。
【0047】
ここで、図2のフローチャートに戻る。従って、S105において、排気温度がT1以上であると判断されると、排気浄化触媒16の再生制御が正確に行われないことによるエミッションの悪化を回避するため、発電機39による発電は行わずに本制御を終了する。一方で、S105において、排気温度がT1より低いと判断されると、エミッションの悪化の虞は低いため、バッテリ40に対して蓄電を行うべく、切替装置38によって内燃機関1の機関出力を発電機39に伝達させて、発電機39による発電を行う。S106の処理が終了すると、本制御を終了する。
【0048】
尚、S105において、排気温度がT1であると判断される場合は、バッテリ40の蓄電量が残量S2より低くいにもかかわらず発電機39による発電が行われないことになるため、バッテリ40の蓄電量は、更に減少する。しかし、排気浄化触媒16の再生制御中であって、排気温度がT1以上である場合、即ち内燃機関1の機関負荷が高排気温領域に属している状態で排気浄化触媒16の再生制御が行われる状態は、内燃機関1の機関運転において比較的長期にわたっては維持されない。そこで、先述したS104での閾値である残量S2を決定するに際しては、S105において排気温度がT1であると判断されることによってバッテリ40への蓄電が行われない状態が存在しうることを考慮するのが好ましい。
【0049】
また、高排気温度領域R1を決定する排気温度T1は、排気浄化触媒16において行われる再生制御毎に設定されても良い。例えば、前記フィルタ再生制御が行われる場合には、排気浄化触媒16のフィルタに捕集された排気中の粒子状物質を酸化させるために排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比をリーン側の値とするため、前記SOx被毒再生制御のように排気浄化触媒16に供給される排気の空燃比をリッチ側にする必要のある再生制御に比べ、本制御における高排気温度領域を決定するT1の温度を、比較的高く設定することが可能である。これにより、発電機39による発電が可能となる内燃機関1の機関負荷領域が広くなり、バッテリ40での蓄電量が零となる虞が低下する。
【0050】
本制御によると、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電機を有する内燃機関の排気浄化システムにおいては、排気浄化手段の再生制御のための排気の空燃比のフィードバック制御が行われているときは、該フィードバック制御が行われていないときと比べ、該発電機による発電を行うための閾値であるバッテリの残量を低くすることで、排気浄化手段の再生制御の時期と該発電機による発電が行われる時期との重複期間がより短くなる。そのため、エミッションの悪化を抑制することが可能となる。
【0051】
<第2の実施の形態>
ここで、内燃機関1での排気浄化触媒16の再生制御時における、内燃機関1の機関出力による発電制御の別の実施の形態について、図4に基づいて説明する。図4は排気浄化触媒16の再生時における内燃機関1の機関出力による発電制御のフローチャートであり、該触媒再生時発電制御はECU20によって実行される。尚、図4に示す触媒再生時発電制御のフローチャートにおいて、図2に示す触媒再生時発電制御のフローチャート中の処理と同一の処理(図4中、S100、S101、S102およびS103の各処理)については、図2と同一の参照番号を付すことにより、その説明を省略する。
【0052】
図4のフローチャートにおいては、先述したS101において、排気の空燃比をフィードバック制御する必要があると判断されると、S110へ進む。S110では、排気温度センサ41によって検出された排気温度がT2以上か否かが判断される。排気温度T2は、先述した排気温度T1と同様に、排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合において、排気温度が比較的高いために内燃機関1の機関負荷の更なる増加によっては該再生制御における排気の空燃比のフィードバック制御を正確に行ことが困難となり得る排気温度である。ここで、図5に基づいて、排気温度T2と内燃機関1の機関負荷について説明する。
【0053】
図5は、図3と同様に内燃機関1の機関負荷分布を示す概略図である。ここで、再生制御領域RFB中であって、図中領域R1と表される領域においては、排気浄化触媒16の再生制御は可能であるが、内燃機関1の機関負荷が比較的高く、そのため排気温度も高い領域である。従って、排気温度が比較的高い状態で排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合に更に発電機39による発電を行うと、内燃機関1の機関負荷が上昇することで排気浄化触媒16の再生制御が正確に行われない虞が生じることとなる。そこで、先述した排気温度T2は内燃機関1の機関負荷が高排気温度領域R1に属するか否かを判断するための閾値の意味をもつ。
【0054】
ここで、図4のフローチャートに戻る。従って、S110において、排気温度がT2以上であると判断されると、排気浄化触媒16の再生制御が正確に行われないことによるエミッションの悪化を回避するため、発電機39による発電は行わずに本制御を終了する。一方で、S110において、排気温度がT2より低いと判断されると、S111へ進む。
【0055】
S111では、排気温度センサ41によって検出された排気温度がT3以下か否かが判断される。排気温度T3は、先述した排気温度T2よりは低い値であって、排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合において、排気温度が比較的低いために該再生制御における排気中の燃料が十分に気化しないために、排気浄化触媒16に達せず排気枝管12や排気管13の壁面に付着し、排気浄化触媒16供給される排気の空燃比のフィードバック制御を正確に行ことが困難となり得る排気温度である。ここで、図5に基づいて、排気温度T2と内燃機関1の機関負荷について説明する。
【0056】
ここで、再生制御領域RFB中であって、図中領域R2と表される領域においては、排気浄化触媒16の再生制御は可能であるが、内燃機関1の機関負荷が比較的低く、そのため排気温度も低い領域(以下、「低排気温度領域」という)である。従って、排気温度が比較的低い状態で排気浄化触媒16の再生制御が行われている場合には、排気浄化触媒16の再生制御が正確に行われない虞が生じることとなる。そこで、先述した排気温度T3は内燃機関1の機関負荷が低排気温度領域R2に属するか否かを判断するための閾値である。
【0057】
ここで、図4のフローチャートに戻る。従って、S111において、排気温度がT3以下であると判断されると、内燃機関1の機関負荷を上昇させることで排気温度を上げ、排気中の燃料の気化を促進させるために、発電機39による発電を行うべくS113へ進む。一方で、S111において、排気温度がT3より高いと判断されると、S112へ進む。
【0058】
S112では、バッテリ40の蓄電量が残量S3以下か否かが判断される。ここで、残量S3は、先述した残量S1と同様に、発電機39による発電を行うか否かを決定するための閾値であり、内燃機関1を備える車両に搭載された補機類を駆動するのに必要な電力やマージン等から決定される値であるが、残量S1と比べ小さい値である。即ち、即ち排気温度がT1からT2の範囲にある場合での発電機39による発電は、バッテリ40での蓄電量が残量S1より更に低い残量S3に低下するまで、禁止されることになる。ここで、図5に基づいて、S112における排気温度と内燃機関1の機関負荷について説明する。
【0059】
ここで、再生制御領域RFB中であって、図中領域R3と表される領域においては、排気浄化触媒16の再生制御は可能であるが、内燃機関1の機関負荷が比較的中程度であり、先述した高排気温度領域および低排気温度領域に属する場合のように排気の空燃比のフィードバック制御が困難となる領域ではない。該領域R3を、以下、「中排気温度領域」という。しかし、中排気温度領域であっても、排気浄化触媒16の再生制御時においては、安定した排気の空燃比のフィードバック制御を行うために、内燃機関1の機関出力による発電を極力控えるのが好ましい。そこで、先述した残量S3は、内燃機関1の機関負荷が中排気温度領域R2に属するときであって、発電機39による発電を行うか否かを判断するための閾値であり、排気浄化触媒16の再生制御が行われないときの閾値である残量S1より小さい値となる。S112で、バッテリ40の蓄電量が残量S3以下と判断されると、S113へ進み、バッテリ40の蓄電量が残量S3より大きいと判断されると、本制御を終了する。
【0060】
S113では、バッテリ40に対して蓄電を行うべく、切替装置38によって内燃機関1の機関出力を発電機39に伝達させて、発電機39による発電を行う。S113の処理が終了すると、本制御を終了する。
【0061】
また、本制御においては、再生制御領域RFBを、高排気温度領域R1、中排気温度領域R3、低排気温度領域R2の三領域に区分し、排気浄化触媒16の再生制御時にいずれの領域に属するかによって、発電機39による発電が行われる条件が異なる。ここで、更に、上記三領域に加えて、内燃機関の機関回転速度の減速が行われる「減速領域」を設け、該減速領域に属するときは、発電機39による発電を積極的に行うようにしても良い。内燃機関の機関回転速度が減速されるときは、内燃機関1での燃焼に供給される燃料量が非常に少なくなるか、もしくは燃料の供給が停止されるため、排気温度が低いため排気浄化触媒16の再生制御における排気の空燃比のフィードバック制御が困難となる虞は低く、また発電機39によって発電を行うことで内燃機関1の有する運動エネルギーを効率よく消費し、以て機関回転速度をより円滑に低下させることが可能となることに依る。
【0062】
本制御によると、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電機を有する内燃機関の排気浄化システムにおいては、排気浄化手段の再生制御のための排気の空燃比のフィードバック制御が行われているときは、該フィードバック制御が困難となる高排気温度である場合は、該発電機による発電が禁止される。そのため、エミッションの悪化を抑制することが可能となる。
【0063】
<第3の実施の形態>
上述までの実施の形態において、内燃機関の機関出力による発電は、切替装置38を介して発電機39によって行われる。そこで、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電機の別の実施の形態を図6に基づいて、説明する。
【0064】
図6は、内燃機関からの機関出力と補助動力源からの出力によって、車輪等を駆動するハイブリッド機構を示す図である。ここで、図6中の内燃機関1は、図1に示された内燃機関1と同一であり、内燃機関1の吸排気系の表示は省略されている。また、該ハイブリッド機構における補助動力源はモータジェネレータ39aおよびモータジェネレータ39bである。以下、該ハイブリッド機構の説明を行う。
【0065】
内燃機関1のクランクシャフトは出力軸51に連結され、出力軸51は動力分割機構54に連結されている。動力分割機構54は、動力伝達軸52を介してモータジェネレータ39aと連結されるとともに、動力伝達軸53を介してモータジェネレータ39bとも連結されている。ここで、前記動力分割機構54は、遊星歯車機構によって内燃機関および補助動力源の出力等の伝達を切り替える。
【0066】
前記モータジェネレータ39bに連結される動力伝達軸53には、減速機55が連結され、減速機55には、ドライブシャフト57を介して駆動輪56が連結されている。減速機55は、複数の歯車を組み合わせて構成され、動力伝達軸53の回転速度を減速して、内燃機関1、モータジェネレータ39a及びモータジェネレータ39bからの出力をドライブシャフト57伝達する。
【0067】
ここで、モータジェネレータ39aおよび39bは、インバータ50と電気的に接続され、インバータ50は、更にバッテリ40(図1におけるバッテリ40と同じである)と電気的に接続されている。モータジェネレータ39aおよび39bは、交流同期型の電動機で構成され、励磁電流が印加されるとトルクを発生するとともに、外部からトルクが加えられると、例えば前記内燃機関1から動力分割機構54を介して運動エネルギーが入力されると、その運動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって電力を発生させる。発生した電力はインバータ50を介してバッテリ40へ蓄積される。また、モータジェネレータ39bは、車両の減速時に発電機として作用し、駆動輪56からドライブシャフト57及び減速機55を介して動力伝達軸53に伝達される運動エネルギーを電気エネルギーに変換する、いわゆる回生発電を行う。
【0068】
上記のような構成のハイブリッド機構には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるエンジンECU201と、モータジェネレータ2およびモータジェネレータ3に対して電力を供給するインバータ50を制御するための電子制御ユニットであるモータECU203と、バッテリ40を制御するための電子制御ユニットであるバッテリECU202と、エンジンECU201、モータECU203およびバッテリECU202を含めたハイブリッド機構全体を総合的に制御するための電子制御ユニットであるハイブリッドECU200と、が設けられている。
【0069】
ここで、例えばモータECU203は、ハイブリッドECU200から要求されるトルクをモータジェネレータ39a、39bが発揮すべく、インバータ50を制御する。また、バッテリECU202は、バッテリ40での蓄電量の監視等を行う。そこで、バッテリECU202からの信号に基づいて、バッテリ40の蓄電量が低下しているとハイブリッドECU200が判断すると、内燃機関1の機関出力による発電をモータジェネレータ39aに伝達させることで発電を行い、モータジェネレータ39aで発電された電気がインバータ50を介してバッテリ40へ蓄電される。尚、図1において行われているECU20への信号の入力およびECU20からの信号の出力については、図6の内燃機関1を含むハイブリッド機構においては、ハイブリッドECU200に対して行われており、その電気的な接続を示す矢印は省略する。
【0070】
従って、ハイブリッドECU200が、バッテリ40での蓄電量又は排気温度センサ41による排気温度に基づいて動力伝達機構54を介して、内燃機関1の機関出力をモータジェネレータ39aおよび39bに伝達させて発電を行い、その発電された電気を、インバータ50を介してバッテリ40に蓄電させることで、先述した図2および図4に示す触媒再生時発電制御の実行が可能となる。以て、排気浄化触媒16の再生制御時における内燃機関1のエミッションの悪化を防止することが可能となる。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る、内燃機関の機関出力によって発電を行う発電機を有する内燃機関の排気浄化システムにおいては、排気浄化手段の再生制御のための排気の空燃比の制御が行われているときは、該発電機による発電を行うための閾値を、排気浄化手段の再生制御のための排気の空燃比の制御が行われていないときとは異なる閾値とすることで、該再生制御時での該発電機による発電を回避し、エミッションの悪化を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムおよび該排気浄化システムを含む内燃機関およびその制御系統の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムにおいて、排気浄化触媒の再生制御時の内燃機関の機関出力による発電制御を示すフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムを含む内燃機関の機関負荷を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムにおいて、排気浄化触媒の再生制御時の内燃機関の機関出力による発電制御を示す第2のフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムを含む内燃機関の機関負荷を示す第2の図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る排気浄化システムを含む内燃機関と補助動力源から構成されるハイブリッド機構を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
3・・・・燃料噴射弁
16・・・・排気浄化触媒
20・・・・ECU
21・・・・排気再循環装置
30・・・・燃料添加弁
31・・・・排気空燃比センサ
39・・・・発電機
39a・・・・モータジェネレータ
39b・・・・モータジェネレータ
40・・・・バッテリ
41・・・・排気温度センサ
200・・・・ハイブリッドECU
201・・・・エンジンECU
202・・・・バッテリECU
203・・・・モータECU

Claims (3)

  1. 燃焼室から排出される排気を浄化する排気浄化手段と、
    前記排気浄化手段における排気浄化状態に基づいて前記排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御することで前記排気浄化手段の排気浄化能力を再生させる再生手段と、
    内燃機関の機関出力により発電を行う発電手段と、
    前記発電手段によって発電された電気を蓄える蓄電手段と、
    を備える内燃機関において、
    前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときは、前記蓄電手段での蓄電量が第一残量以下のときに前記発電手段によって発電を行い、
    前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときは、前記蓄電手段での蓄電量が前記第一残量より少ない第二残量以下であり且つ燃焼室から排出される排気の温度が第一排気温度未満であるときに前記発電手段によって発電を行うことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 燃焼室から排出される排気を浄化する排気浄化手段と、
    前記排気浄化手段における排気浄化状態に基づいて前記排気浄化手段に供給される排気の空燃比を制御することで前記排気浄化手段の排気浄化能力を再生させる再生手段と、
    内燃機関の機関出力により発電を行う発電手段と、
    前記発電手段によって発電された電気を蓄える蓄電手段と、
    を備える内燃機関において、
    前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が第二排気温度以上であるときは、前記発電手段による発電を禁止することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  3. 更に、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度より低い第三排気温度以下であるときは前記発電手段によって発電を行い、
    更に、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されるときに、燃焼室から排出される排気の温度が前記第二排気温度と前記第三排気温度の間の温度であり且つ前記蓄電手段での蓄電量が第三残量以下であるときは前記発電手段によって発電を行い、
    前記第三残量は、前記再生手段によって前記排気浄化手段の排気浄化能力が再生されないときに、前記発電手段による発電が行われるときの前記蓄電手段での蓄電量より少ない蓄電量であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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