JP4329345B2 - 内部改質式燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原燃料を水素を主成分とする燃料ガスに改質する改質機構を電池内部に備えた内部改質式燃料電池に関し、特に、当改質機構をセパレータ内部に備えて成る内部改質式燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
公知の燃料電池の内、前記固体酸化物形燃料電池(SOFC)は第三世代の発電用燃料電池として開発が進んでいる。現在、この固体酸化物形燃料電池は、円筒型、モノリス型、および平板積層型の3種類が提案されており、いずれも酸化物イオン伝導体から成る固体電解質を電極となる空気極(カソード)と燃料極(アノード)との間に挟んだ積層構造を有する。この積層体から成る発電セルを間に燃料極集電体と空気極集電体を挟んでセパレータと交互に積層することにより、所定出力の燃料電池スタックが構成できる。
【0003】
固体酸化物形燃料電池では、反応用のガスとして空気極側に酸化剤ガス(酸素) が、燃料極側に燃料ガス (H2 、CO、CH4 等) が供給される。空気極と燃料極は、ガスが固体電解質との界面に到達することができるように、何れも多孔質の層とされている。
空気極側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、この部分で空気極から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極に向かって固体電解質層内を拡散移動する。燃料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分で、燃料ガスと反応して反応生成物(H2 O、CO2 等)を生じ、燃料極に電子を放出する。この電子を別ルートの外部回路にて起電力として取り出すことができる。
因みに、燃料に水素を用いた場合の電極反応は次のようになる。
空気極: 1/2 O2 + 2e- → O2-
燃料極: H2 + O2- → H2 O+2e-
全体 : H2 + 1/2 O2 → H2 O
【0004】
ところで、このような燃料電池に使用される燃料ガスは通常メタン、プロパン等の炭化水素化合物(これを原燃料という)であるため、発電の際はこの原燃料を水素を主成分とする燃料ガスに改質してから使用する必要がある。原燃料が炭化水素系の気体燃料や液体燃料の場合、一般的に水蒸気改質法が用いられる。
【0005】
例えば、上記した水蒸気改質法によるメタンガスの改質反応は次の(1)、(2)のようになる。
(1)脱硫されたメタンガスが、改質器で水蒸気を加えられて、水素と一酸化炭素になる。この改質反応は吸熱反応であって、温度は650〜800℃程の高温となる。
CH4 +H2 O→3H2 +CO
(2)この時、生成された一酸化炭素は、さらに水蒸気と反応して水素と二酸化炭素に変わる。
CO+H2 O→H2 +CO2
【0006】
ところで、燃料電池における燃料改質としては、外部に改質器を設置する外部改質法と、高温のスタックの内部に直接改質機構を組み込んだ内部改質法が知られている。
【0007】
外部改質法は、燃料電池外に水蒸気改質触媒を有する改質器を設置して外部にて原燃料の改質を行った後にその改質ガスを電池内に供給する方法であるが、燃料改質反応が吸熱反応であることから、この外部改質器内に改質反応のための熱(例えば、800℃以上)を供給する必要がある。従って、この吸熱反応に必要な熱エネルギーを確保する分、発電システムの効率が低くなるといった問題がある。
【0008】
これに対し内部改質法は、原燃料と水蒸気と燃料電池の燃料極(例えば、ニッケル電極上)で水蒸気改質反応を生じさせ、燃料電池で発生する熱の一部を水蒸気改質反応の吸熱反応として利用するという極めて合理的な方法であり、高効率のシステムを実現できる可能性を持っている。加えて、この吸熱反応により発電時に発生する高温の排熱を吸収するという冷却効果も有するため、特に、固体酸化物形燃料電池の改質法として、近年この内部改質方式が注目されている。
【0009】
固体酸化物形燃料電池では、作動温度が1000℃前後と高温作動型の場合は、原燃料と水蒸気を直接燃料極側に供給するだけで改質反応が起こり、発電することができたが、近年では、燃料電池の研究・開発が進み、作動温度が700℃前後といった低温作動型の固体酸化物形燃料電池が提案されている。このような低温作動型の固体酸化物形燃料電池では運転温度が最適改質温度を下回るため、従来のように原燃料の炭化水素を直接燃料極側に供給した場合には完全な改質反応が得られず、メタンからの炭素析出が起こり電池性能が急激に低下するという不都合が生じた。
【0010】
改質反応を高めるため、改質触媒を燃料極側集電体に担持することは従来溶融炭酸塩型燃料電池で行われている。この改質機構は、水蒸気を含む炭化水素が燃料極側に供給され、集電体を通過する時に集電体内に担持されている改質触媒に触れて改質反応が行われるというものであるが、改質触媒に触れず未改質のままここを通過した炭化水素が直接燃料極に達し、炭素析出が発生するという不都合もあった。このようなことから、原燃料が燃料極に達する前に、且つ、好適な反応温度で改質が行えるように、改質触媒を高温度のセパレータ内部に配設するように構成した固体酸化物形燃料電池が提案されており、その一例が特許文献1に開示されている。当開示技術では、セパレータ内部に設けた燃料供給通路内に改質粒子が、燃料ガスが流通可能な密度で充填されるという形態を採っている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−203588号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記改質機構は、粉状の改質粒子を直接セパレータのガス通路内に充填したものであるため、燃料ガス供給時のガス供給圧で改質粒子が下流側に移動し、これが一カ所に溜まってガス流路が塞がれ、結果、燃料供給に支障を来し、発電性能が低下するという不都合が発生した。
【0013】
本発明は、このような改質機構の欠点に鑑み、燃料ガスの流れに支障を来すことなくセパレータ内部で好適な改質が行える内部改質式燃料電池を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、固体電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置して発電セルを構成し、当該発電セルと内部に反応用ガスの通路を備えたセパレータを交互に複数積層すると共に、当該セパレータを通して各電極層に反応用ガスを供給するように構成した燃料電池であって、前記セパレータの燃料ガス通路内に、3次元網状骨格構造を有するとともに空孔の内部に炭化水素改質触媒が担持された多孔質体を配置し、燃料ガスが前記燃料極層に達する前に前記炭化水素改質触媒により改質反応を行わせるように構成した。
この改質触媒は多孔質体の内部に担持された状態であるから、燃料ガスの供給圧が強くなっても改質触媒は移動することはなくガス流路が塞がれることはないため、常に良好なガス流路が確保でき、安定した発電が行える。
【0015】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の内部改質式燃料電池において、前記多孔質体は、発泡金属で構成される。
【0016】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載の内部改質式燃料電池において、前記多孔質体をNiの発泡金属で構成した。
Niは触媒活性の高い金属であるから、運転中、多孔質体の表面においても炭化水素の改質が行われるようになり、よって、改質効率が向上する。
【0017】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1から請求項3までの何れかに記載の内部改質式燃料電池において、前記燃料電池が固体酸化物形燃料電池であることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3に基づいて本発明の実施形態を説明する。
先ず、図3に基づいて本発明が適用された内部改質式固体酸化物形燃料電池の概略構成を説明する。図3は平板積層型固体酸化物形燃料電池の要部構成を示している。
【0019】
単セルは、固体電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配して構成した発電セル5と、燃料極層の外側に配した燃料極集電体6と、空気極層の外側に配した空気極集電体7と、各集電体6、7の外側に配したセパレータ8とで構成されており、燃料電池スタック1は、間に絶縁性の燃料用マニホールドリング15と酸化剤用マニホールドリング16を介在してこの単セルを複数積層することにより構成されている。
スタック化することにより、各マニホールドリング15、16がセパレータ8の各ガス導入孔13、14を介して積層方向に連結されてスタックの両側に相並行する2本の管状マニホールド17、18が形成される。尚、各マニホールド17、18には、外部から供給れる燃料ガス(例えば、メタン、プロパン等の炭化水素)と酸化剤ガス(一般的には空気)が流通する。
【0020】
ここで、前記固体電解質層はイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、前記燃料極層はNi、Co等の金属あるいはNi−YSZ、Co−YSZ等のサーメットで構成され、前記空気極層はLaMnO3 、LaCoO3 等で構成され、前記燃料極集電体6はNi基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、前記空気極集電体7はAg基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、前記セパレータ8はステンレス等で構成されている。
【0021】
セパレータ8は、発電セル5間を電気的に接続する機能と、発電セル5に対して反応用のガスを供給する機能とを有するもので、内部に燃料ガスが流通する燃料ガス通路9と、酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス通路10を備えている。
燃料ガス通路9の一端は、セパレータ8の左端に設けた燃料ガス導入孔13に連通しており、他端が燃料ガス吐出孔9bを介して前記燃料極集電体6と対面するセパレータ中央付近の燃料ガス吐出口11に連通している。また、酸化剤ガス通路10の一端は、セパレータ8の右端に設けた燃料ガス導入孔14に連通しており、他端が酸化剤ガス吐出孔10bを介して前記空気極集電体7と対面するセパレータ中央付近の酸化剤ガス吐出口12に連通している。
尚、最上部のセパレータ8には酸化剤ガス通路10のみが形成されており、図示しないが、最下部のセパレータ8には燃料ガス通路9のみが形成されている。
【0022】
図1は本実施形態によるセパレータ8を示している。図1に示すように、本実施形態のセパレータ8は、ステンレス鋼を金属母材とし、その表面に下地NiメッキにAgメッキを施した、厚さ0.5〜1mm程度の四角状ステンレス板2枚を接合して構成される上板8aと下板8bの2層構造で成る。この金属板の左端に燃料ガス導入孔13が右端に酸化剤ガス導入孔14が形成されており、これらガス導入孔13、14は何れも板厚方向に貫通しており、その形状は楕円形である。
【0023】
図1(b)に示すように、前記上板8aと下板8bの接合面には、図3で示した燃料ガス通路9となる燃料ガス通路用凹溝9aと、酸化剤ガス通路10となる酸化剤ガス通路用凹溝10aが形成されている。
【0024】
上板8aにあっては、燃料ガス通路用凹溝9aの一端が燃料ガス導入孔13に連通しており、他端が中央付近の燃料ガス吐出孔9bに連通している。また、酸化剤ガス用凹溝10aの一端は前記酸化剤ガス導入孔14に連通しており、他端が中央付近で閉塞している。
【0025】
一方、下板8bにあっては、上板8aとは逆に、酸化剤ガス用凹溝10aの一端が酸化剤ガス導入孔14に連通しており、他端が中央付近の酸化剤ガス吐出孔10bに連通している。また、燃料ガス用凹溝9aの一端は燃料ガス導入孔13に連通しており、他端が中央付近で閉塞する構造を有する。
尚、上記した燃料ガス吐出孔9bと酸化剤ガス吐出孔10bは何れも板厚方向に貫通するが、スタック化した際の最上層と最下層に位置するセパレータ8については、燃料ガス吐出孔9bもしくは酸化剤ガス吐出孔10bの何れか一方のみ有する。
【0026】
本実施形態では、これら凹溝9a、10aは、ガス通路長を得るためにセパレータ8が単セルと接する部分のほぼ全域に亘って渦巻き状に配設されており、上板8aと下板8bを重ね合わせることにより上下の各凹溝9a、10a同士が合致して、その接合面に断面四角形の各ガス通路9、10が形成されるようになっている。
そして、本発明では、各セパレータ8の燃料ガス用凹溝9a内にNiより成る帯状の多孔質体19(例えば、発泡金属)が充填されている。この発泡金属19は、図2に示すように3次元網状骨格構造を有し、多数の空孔19aの内部には満遍なく炭化水素改質触媒粒20が担持されている。
尚、当炭化水素改質触媒20としては、例えば、セラミックス担体にニッケル触媒が担持された複合材料等が用いられる。
【0027】
ここで、前記多孔質体19は以下の工程を経て作製することができる。但し、下記作製方法は一例であって、これに限定されるものではない。三次元網状骨格構造を有する多孔質体は、スラリー調製工程、成形工程、発泡工程、乾燥工程、脱脂工程、焼結工程の各工程を経て作製される。
【0028】
先ず、スラリー調製工程において、金属粉末、有機溶剤(n−ヘキサン等)、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、水溶性樹脂結合剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、可塑剤(グリセリン等)、水、を混ぜて発泡スラリーを調製する。尚、本実施形態では前記金属粉末としてNiを使用している。また、金属粉末以外にセラミック粉末等も使用することができる。
次に、成形工程において、ドクターブレード法によりキャリヤシート上に薄板状に成形してグリーンシートを得る。
次いで発泡工程において、このグリーンシートを高温高湿環境下で、揮発性有機溶剤の蒸気圧及び界面活性剤の起泡性を利用してスポンジ状に発泡させた後、乾燥工程、脱脂工程、焼成工程を経て多孔質金属板を得ることができる。
この場合、発泡工程において、グリーンシートの内部に発生した気泡は、全方向からほぼ等価な圧力を受けて略球状の形状で成長する。気泡が内部から拡散して大気との界面に近づくと、気泡は、気泡と大気の間のスラリーの薄い部分へと成長していき、やがて気泡は破れて、気泡内部の気体は、できた小孔から大気中へ拡散していく。結果、表面に開口した連続する空孔を有する三次元網状骨格構造を有する多孔質体が得られる。
【0029】
次に上記構成の内部改質式固体酸化物形燃料電池の動作を説明する。上記構成の燃料電池スタック1では、外部からの燃料ガスと酸化剤ガスは、セパレータ8に連結された図示しない燃料ガス供給管と酸化剤ガス供給管を介して各々燃料ガス用マニホールド17と酸化剤ガス用マニホールド18に導入される。燃料ガス用マニホールド17には原燃料の炭化水素(CH4 )と共に水蒸気(H2 O)が導入され、酸化剤ガス用マニホールド18には空気が導入される。そして、これら反応用ガスは各マニホールド17、18の管内を下方より上方に流通する過程で、それぞれ各セパレータ8のガス導入孔13、14より分配され、各ガス通路9、10を通して各発電セル5の電極層に向けて供給されていく。
【0030】
すなわち、酸化剤ガス用マニホールド18の空気は、各セパレータ8の酸化剤ガス導入孔14から酸化剤ガス通路10に導入され、その流通過程で空気極層での反応に最適な温度に予熱されながら中央付近の酸化剤ガス吐出孔10bを介して通路末端の酸化剤ガス吐出口12より下方に吐出して対面する空気極集電体7に供給され、さらに多孔質焼結金属内を拡散しながら通過して発電セル5の空気極層へと向かう。
【0031】
一方、燃料ガス(CH4 +2H2 O)はセパレータ8の燃料ガス通路9より多孔質体19の空孔19aを通過し、中央付近の燃料ガス吐出孔9bに達する過程で改質触媒20と接触して改質反応を行う。作動中、セパレータ8は、単セルの内部抵抗によるジュール発熱で特に中央付近が高温となっているため、燃料ガスは渦巻き状の燃料ガス通路9を通過する過程で周囲の熱を吸収し、燃料極層での反応に最適な温度に達すると共に、多孔質体内の高温雰囲気中にあって改質触媒20との間で好適な改質反応が行われることになる。尚、本実施形態では、多孔質体19を触媒活性の高いNiで構成しているため、多孔質体19の内部のみならず表面部位においても改質反応は行われている。
また、近年の研究・開発で発電効率が著しく向上し、因みに、発電セルの電流密度は従来の100〜300mA/cm2 から300〜500mA/cm2 と増加してきており、これに伴ってジュール発熱量も上昇している。従って、高温度を必要とする内部改質には好適である。
セパレータ内部の改質反応は従来の技術の項で述べた通りであるからここでは説明を省略するが、この改質反応により外部原燃料は水素を主成分とする燃料ガスに改質される。改質ガスは、燃料ガス吐出孔9bを介して通路末端の燃料ガス吐出口11より上方に吐出して対面する燃料極集電体6に供給され、多孔質焼結金属坂内を拡散しながら通過して発電セル5の燃料極へと向かう。
【0032】
以降、各電極層内での電気的化学反応は既述した通りである。
【0033】
本実施形態において、セパレータ内部の改質触媒20は、多孔質体19の空孔19aに担持されている状態であるから、燃料ガスの供給圧で移動することもなく分散された状態で空孔内壁に留まっており、よって、従来のようにガス供給圧で改質粒子が一カ所に溜められてガス流路を塞ぐことはない。これにより、常に良好なガス流路が確保でき、安定した発電が行えるようになる。しかも、改質は燃料電池スタック内で最も温度が高くなるパレータ8の中央付近で行われるため、改質反応は活性化され、安定しており、未改質ガスによる炭素析出も回避できる。
また、同時に改質時の吸熱反応により冷却効果も得られるため、複雑な冷却機構は用いることなく上記した発電セルの高電流密度化に対応することができる。
【0034】
このように、本実施形態では、セパレータ内での燃料ガスの流れを妨げることなく、燃料ガスが燃料極層に達する前に炭化水素改質触媒20により確実な改質反応を行わせることができるため、固体酸化物形燃料電池における効率的で安定した内部改質発電が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、セパレータ内の燃料ガス通路に、3次元網状骨格構造を有するとともに空孔の内部に炭化水素改質触媒が担持された多孔質体を配置し、燃料ガスが燃料極層に達する前に炭化水素改質触媒により改質反応を行わせるように構成したので、多孔質体に担持されている改質触媒は、ガス供給圧によって移動することはなく常に多孔質体内に分散された状態となっており、ガス流路を塞ぐことはない。その結果、セパレータ内に良好なガス流路が確保でき、電極層に対して常に十分な改質ガスを供給できるようになり、安定した発電が行える。
しかも、この改質は燃料電池スタック内で最も温度の高くなるセパレータで行われるため、その熱により改質反応は活性化され、安定しており、未改質ガスによる炭素析出も回避される。また、改質時の吸熱反応により冷却効果も得られるため、複雑な冷却機構を用いることなく単セルのジュール発熱を相殺することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセパレータの構造を示し、(a)は外観斜視図、(b)は分解斜視図。
【図2】多孔質体の断面図。
【図3】本発明が適用された固体酸化物形燃料電池の要部構成を示す縦断面図。
【符号の説明】
5 発電セル
8 セパレータ
9 燃料ガス通路
10 酸化剤ガス通路
19 多孔質体
20 炭化水素改質触媒(改質触媒)
Claims (4)
- 固体電解質層の両面に燃料極層と空気極層を配置して発電セルを構成し、当該発電セルと内部に反応用ガスの通路を備えたセパレータを交互に複数積層すると共に、当該セパレータを通して各電極層に反応用ガスを供給するように構成した燃料電池であって、
前記セパレータの燃料ガス通路内に、3次元網状骨格構造を有するとともに空孔の内部に炭化水素改質触媒が担持された多孔質体を配置し、燃料ガスが前記燃料極層に達する前に前記炭化水素改質触媒により改質反応を行わせるように構成したことを特徴とする内部改質式燃料電池。 - 前記多孔質体は、発泡金属からなることを特徴とする請求項1に記載の内部改質式燃料電池。
- 前記多孔質体がNiの発泡金属からなることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の内部改質式燃料電池。
- 前記燃料電池が固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の内部改質式燃料電池。
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