以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるデータ処理装置をクレーム対応図により示している。
デジタルスチルカメラなどで撮影した画像データは、コンピュータなどの外部記憶装置などを利用して管理され、画像処理や印刷処理を施されることになるが、このような一連のデータ処理をデータ処理手段A1が実行する。一方、コンピュータにはディスプレイが接続されて各種の表示を行うが、その表示には処理内容の表示もあれば操作の表示もあり、表示手段A2はその表示領域内を主表示エリアと操作表示エリアとに区分して表示する。コンピュータは人間の操作に対応して処理を実行すべく、操作入力を必要とするが、手続流れ表示手段A3が上記操作表示エリアにてデータ処理をその流れにそって並べて表示しつつ、いずれかのデータ処理を選択する操作を受け付け、同操作にて選択されたデータ処理を上記データ処理手段A1に実行させる。すると、処理内容表示手段A4は上記データ処理手段A1の実行にともなって必要な情報を主表示エリアに表示する。
本実施形態においてはこのようなデータ処理装置を実現するハードウェアの一例として図2に示すコンピュータシステム10を採用している。
本コンピュータシステム10は、画像データを直接的に入力する画像入力デバイスとして、スキャナ11aとデジタルスチルカメラ11bとビデオカメラ11cとを備えており、コンピュータ本体12に接続されている。それぞれの入力デバイスは画像をドットマトリクス状の画素で表現した画像データを生成してコンピュータ本体12に出力可能となっており、ここで同画像データはRGBの三原色においてそれぞれ256階調表示することにより、約1670万色を表現可能となっている。
コンピュータ本体12には、外部補助記憶装置としてのフロッピーディスクドライブ13aとハードディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接続されており、ハードディスク13bにはシステム関連の主要プログラムが記録されており、フロッピーディスクやCD−ROMなどから適宜必要なプログラムなどを読み込み可能となっている。
また、コンピュータ本体12を外部のネットワークなどに接続するための通信デバイスとしてモデム14aが接続されており、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。この例ではモデム14aにて電話回線を介して外部にアクセスするようにしているが、LANアダプタを介してネットワークに対してアクセスする構成とすることも可能である。
ここで、外部補助記憶装置のうち、フロッピーディスクドライブ13aやCD−ROMドライブ13cについては、記録媒体自身が交換可能であり、この記録媒体に画像データが記録された状態で供給されることにより、画像入力デバイスの一手段ともなりうる。また、モデム14aやLANアダプタを介してネットワークにアクセスした場合、このネットワークから画像データが供給されることもあり、このような場合も画像入力デバイスの一手段となりうる。
この他、コンピュータ本体12の操作用にキーボード15aやポインティングデバイスとしてのマウス15bも接続され、さらに、マルチメディア対応のためにスピーカ18aやマイク18bを備えている。
一方、画像出力デバイスとして、ディスプレイ17aとカラープリンタ17bとを備えている。ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と垂直方向に600画素の表示エリアを備えており、各画素毎に上述した1670万色の表示が可能となっている。むろん、この解像度は一例に過ぎず、640×480画素であったり、1024×768画素であるなど、適宜、変更可能である。
また、印刷装置としてのカラープリンタ17bはインクジェットプリンタであり、CMYKの四色の色インクを用いて記録媒体たる印刷用紙上にドットを付して画像を印刷可能となっている。画像密度は360×360dpiや720×720dpiといった高密度印刷が可能となっているが、階調表限については色インクを付すか否かといった2階調表現となっている。色インクについては、かかる四色のものに限らず、色の薄いライトシアンやライトマゼンタを加えた六色によってドットの目立ちを低減させることも可能であるし、インクジェット方式に限らずカラートナーを利用した静電写真方式などを採用することも可能である。
このような画像入力デバイスを使用して画像を入力しつつ、画像出力デバイスに表示あるいは出力するため、コンピュータ本体12内では所定のプログラムが実行されることになる。そのうち、基本プログラムとして稼働しているのはオペレーティングシステム(OS)12aであり、このオペレーティングシステム12aにはディスプレイ17aでの表示を行わせるディスプレイドライバ(DSP DRV)12bとカラープリンタ17bに印刷出力を行わせるプリンタドライバ(PRT DRV)12cが組み込まれている。これらのドライバ12b,12cの類はディスプレイ17aやカラープリンタ17bの機種に依存しており、それぞれの機種に応じてオペレーティングシステム12aに対して追加変更可能である。また、機種に依存して標準処理以上の付加機能を実現することもできるようになっている。すなわち、オペレーティングシステム12aという標準システム上で共通化した処理体系を維持しつつ、許容される範囲内での各種の追加的処理を実現できる。
この基本プログラムとしてのオペレーティングシステム12a上でアプリケーション12dが実行される。アプリケーション12dの処理内容は様々であり、操作デバイスとしてのキーボード15aやマウス15bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さらには、処理結果をディスプレイ17aに表示したり、カラープリンタ17bに出力したりすることになる。
かかるコンピュータシステム10では、画像入力デバイスであるスキャナ11aなどで写真などを読み取って画像データであるとか、デジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データであるとか、ビデオカメラ11cで撮影した動画をキャプチャした画像データなどをハードディスク13bなどに記憶可能である。この画像データはディスプレイ17aで表示して鑑賞するのみならず、写真画質に近づいたカラープリンタ17bで印刷すれば写真と同様に手軽に扱うことができる。この場合、画像データのメリットとしての修整処理をフォトレタッチソフトなどのアプリケーション12dで実行しておけば、撮影時の不備も解消されてより美しい印刷物を得られる。すなわち、デジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データをハードディスク13bに保存し、フォトレタッチソフトで修整し、カラープリンタ17bで印刷させることが可能であり、この意味で各アプリケーション12dとコンピュータシステム10とが有機一体化してデータ処理手段A1を構成する。
上述したようにディスプレイ17aへの表示はディスプレイドライバ12bがコンピュータ本体12に装着されたディスプレイカードを制御して行うものの、どの位置に何を表示すべきかはアプリケーション12dによって決定され、当該アプリケーション12dは同ディスプレイ17aに対して操作入力画面を表示しつつキーボード15aやマウス15bによる操作入力を受け付ける。この場合、操作入力画面と処理画面とを区別して表示するようにしており、また、操作入力画面では操作入力に対応する表示を行い、処理画面では処理毎に応じた表示を行うことになる。従って、ディスプレイ17aやディスプレイドライバ12bが主に表示手段A2を構成しつつ、アプリケーション12dや各種のハードウェア構成が手続流れ表示手段A3や処理内容表示手段A4を構成することになる。
なお、これらのソフトウェアは、ハードディスク13bに記憶されており、コンピュータ本体12にて読み込まれて稼働する。また、導入時にはCD−ROMであるとかフロッピーディスクなどの媒体に記録されてインストールされる。従って、これらの媒体はデータ処理プログラムを記録した媒体を構成する。
図3は以上のようなデータ処理プログラムによる制御内容をブロック化して表しており、各種の総合的な制御を行うメイン制御部60と、各種の共通的な制御を行う共通機能部20と、画像データの管理を行うフィルムデータ管理部30と、各画像データについて画像修整を実行する画像修整制御部40と、一連の印刷処理を実行するDPE印刷制御部50から構成されている。
メイン制御部60は、後述する各種フローを適宜選択して実行するものであり、その他、他に分類されない各種の機能も実行する。そのうちの一つが環境設定部60aであり、本データ処理プログラムにおいて共通の設定などを設定情報ファイル60bとしてハードディスク13b上に記録し、適宜他の機能部から読み出し可能としている。この設定情報ファイル60bは、各種のデフォルト指定、例えば、新たな画像データの取り込み元の指定であるとか、後述するような印刷処理で次回に引き継ぐためのページのパラメータであるといったような類のものが記録されることになる。
共通機能部20については、図4にその詳細ブロックを示しており、そのいくつかは他の機能部からも共通して呼び出せるようになっている。例えば、画像選択部20aはサムネイル作成部20iにて各画像データについてサムネイルを作成させつつ画像表示部20mにてディスプレイ17aに複数のサムネイル画像を表示させ、その状態でキーボード15aやマウス15bによる選択操作を受け付けることによって各画像についての選択の有無を入力する。むろん、選択操作に伴って表示を変えたりする場合には適宜画像表示部20mにて表示を変更させるし、選択の結果は他の機能部に受け渡すことになる。また、表示指定部20bは画面上での表示を指定するものであり、GUI操作に応じてウィンドウ領域の大きさなどを変更したときに対応して画像の表示を適宜指定することになる。
ファイル編集部20cは画像データの保存領域を適宜変更する操作などを実行し、検索部20dは画像ファイルと併せて管理されるパラメータに基づいてコメントであるとか日付などによって検索を実行するものである。一括コメント部20eでは複数の画像データに対するコメント付けを一括して処理するものであり、一括整理部20fは画像データやパラメータを一括して同時に処理するものである。
画像処理部20gと画像編集部20hは、画像修整制御部40が主に画像処理の自動実行をするにあたって各種のパラメータを生成するのに対して、実際に画像処理を実行する部分であり、さらに手動にて指定される画像処理も実行する。この処理結果は原則的に仮のデータとして扱われ、実際の処理時にオリジナル画像データに変更を加える指定がなされている場合は元の画像データに反映される。また、表示や処理時間の便宜上から必ずしも元の画像データに基づいて実行する必要はなく、操作中はサムネイルの画像データに基づいて画像処理部20gや画像編集部20hが各種の処理を実行する。
画像入力部20jは画像データの記憶領域がファイル編集部20cによって既に登録されている場合に、画像処理や印刷処理の際に同画像データを読み込んでくる処理を行い、また、画像データとして各種のデータフォーマットが存在するのに対応し画像出力部20kは形式を変換して出力するといった処理を実行する。
次に、フィルムデータ管理部30について説明する。図5は、本フィルムデータ管理部30が管理する画像データである画像ファイル30aと、パラメータを含む写真データ30bと、画像データのグループ化において利用するフィルムデータ30cの管理構造をブロック図により示している。ここで、画像データはコンピュータシステム10においてファイルとして扱われることにより、画像ファイルとして示しているし、パラメータはそれぞれの画像データに対応する各種の情報とともに写真データ30bとして示している。また、フィルムデータ30cは画像データをグループ化して管理するための情報であり、図6にはフィルムメタファとして示している。ここで写真データ30bのデータベースは、コンピュータシステム10上における書き換え可能な記憶領域に保存されるものとし、また、複数存在するフィルムメタファに関わらず一定の領域に保存される。むろん、物理的に複数のデータベースとすることは可能であるが、要は必ずしも画像データが現実に記憶されている媒体に形成される必要はないということである。
同図では、画像ファイルの物理的記録形態を同図の左方に示しており、オペレーティングシステム12aによってフォルダ単位で階層構造が形成され、各フォルダの中に画像ファイルを記憶するようになっている。本実施形態における画像データのグループ化は、物理的にはまさにこのフォルダ単位の階層構造を利用しており、このフォルダ単位で情報を付加して管理している。すなわち、フィルムデータ30cを構成する最低限の情報は、任意につけることが可能なフィルム名、このフォルダの物理的配置情報としての実際の記憶領域を示すリンク先、作成した日付、コメント、媒体属性、媒体ラベル、フィルム属性、収容画像ファイル数などである。
また、図に示すように各フォルダは管理上においてフィルムのパトローネと同視しており、別の視点からすれば実際の記憶領域を個別に意識することなくパトローネとして同一視してしまうので、エリアス管理にも近くなっている。なお、パトローネには物理的な記憶領域が交換可能な媒体であるか否かを示すマークを表示して利用者に分かりやすくしている。すなわち、画像ファイルがCD−ROMによって供給されているような場合は交換可能であるが、この場合はCD−ROMを交換することによって実際のCD−ROMドライブ13cに装着されていない場合もあり得る。このような場合にそのCD−ROMが装着されていなければ非表示としまうのではなく、フィルムデータ30cとして登録した以上は同データに基づいて表示が行われるし、その場合には交換可能なマークがあることによって操作者はCD−ROMをセットしなければ参照できないことが容易に理解できるようになる。
この場合、交換可能な媒体についてはそのラベル名をフィルム名と一致させるようにすると分かりやすいし、印刷時にはそのラベル名を印刷することになるので後に画像データを探しやすくなる。また、フィルム名とは別にラベル名を付けて管理できるようにしても良い。
一方、交換可能な媒体については利用者が別途に画像データを削除したり追加することもあり得る。また、実際にはオリジナルを保存しておいて別の媒体に複写し、複写した媒体では画像データに修整を加えてしまったりすることもある。このような場合、フィルムデータ30cとして保存している状態と少しでも異なるようであればその旨を警告表示し、承諾があったときに限ってその媒体についての現状に基づいてフィルムデータを更新するようにしても良い。
この例では、交換可能なマークを示しているだけであるが、このようなマークを適宜変更して情報を表示するようにしても良い。例えば、交換可能な記憶領域であるとしてそのCD−ROMが装着されている場合と装着されていない場合とでマークを変えても良い。また、ネットワークで複数人が共有する記憶領域に画像データが保存されている場合には、各人で勝手に書き換えてしまうと収拾がつかなくなってしまうため、ネットワークドライブを表すマークを表示するようにしても良い。むろん、ネットワークドライブであれば書き込み可能であっても書き込み不能の扱いをするようにしても良い。なお、マークを変化させるのではなく、パトローネ自体の形状を変更するようにしても良い。
写真データ30bの具体的構成は、図5および図6に示している。ここで、索引情報はファイル名とファイル日時とファイルサイズと撮影日時とから構成されており、画像ファイルを縮尺したサムネイルデータをサムネイルとして表示している。コメントは各画像ファイル毎に付すことができるようにしており、上述した索引情報やサムネイルデータが画像データに基づいてほぼ一義的に決定される情報であるのに対して、コメントは任意の情報を設定することができる。
本データ処理プログラムでは、メイン制御部60による一連の画像データ処理として同時プリント処理を一つの機能としており、図7はこの同時プリント処理における画面表示を示している。この場合、メイン制御部60は共通機能部20の表示指定部20bに対して適宜指令を出力してディスプレイ17a上に同画面を表示させつつ、キーボード15aやマウス15bの操作入力を受け付けることになる。
この同時プリント処理画面においては、画面上の左寄り部分が操作表示エリアS1となっており、ここには一連のデータ処理の流れに沿ってタブが表示されている。この例では「写真の入力」、「写真の修整」、「プリント指定」、「印刷」というタブが表示され、それぞれの間に下向きの「△」マークを表示している。むろん、データ処理は「写真の入力」処理、「写真の修整」処理、「プリント指定」処理、「印刷」処理という順序を経て、所望の画像データを綺麗に印刷できるようになる。従来でも、同様の処理を実行することは当然に可能であったのだが、その場合には自分自身で手続の流れを想定して作業を進めていかなければならない。
すなわち、1:ファイルメニューの中から画像データをオープンし、2:ツールメニューの中から画像修整操作を指定して必要なパレットなどを表示させつつ所望の修整を行った後で保存し、3:ファイルメニューの中の印刷レイアウトで印刷したいフォーマットを指定し、4:ファイルメニューの中の印刷プレビューで確認し、5:最後にファイルメニューの中の印刷を実行する。むろん、複数の画像データを印刷したい場合には、この処理の中でファイルメニューの中から印刷対象を決定するという作業が必要になる。
これに対して、デジタルスチルカメラ11bで撮影した写真を印刷しようとするのは通常の写真撮影の場合と比較するとDPEにて同時プリントを指定することに対応するわけであり、一連のデータ処理を同時プリントの作業に対応させて進行させるようにし、アプリケーションに精通していなくても一連のデータ処理を実行可能となる。
コンピュータにおける画面表示の一例として、タブ表示自体は利用されている。例えば、表計算ソフトなどでは、関連する複数のシートをまとめて保存することができる。この場合、画面上で複数のシートを表示すると見にくくなるため、一度に一枚のシートだけを表示するが、関連するものがあることを示すために表示している枠の縁部にタブを表示し、重なり合っている他のシートについてはタブだけが見えているようにするものである。
しかしながら、このようなタブはあくまでも同じデータ処理に対する表示が重なり合っていることを示すに過ぎない。従って、印刷しようとする場合であるとか、画像処理しようとする場合というように、異なるデータ処理が次のステップとして用意されていることを示すものではない。そして、次のデータ処理へ移行しようとすれば上述したようにファイルメニューを駆使して選択することになり、分かりにくさは変わらない。
これに対して図7に示すようにタブ表示が一連のデータ処理の流れに沿って並べられている場合には、タブは単にシートの内容を示すだけでなく、利用者に対して一連の作業を全て表示しつつ、現在のデータ処理の位置づけを極めて容易に理解させることができる。そして、タブ表示自体は当該操作表示エリアS1に隣接する主表示エリアS2と区切り無く連結しているのであたかも主表示エリアS2の一部が操作表示エリアS1まで伸びているように見え、当該タブ表示に示されるデータ処理の内容が主表示エリアS2に表示されているものとすぐに理解できる。
また、あくまでもタブ表示は一連のデータ処理のうちの任意の処理を選択するために表示されているので、行き来も可能である。例えば、「写真の入力」後、「写真の修整」を行なったところ、もう少し写真を増やしたいと思えば再び「写真の入力」に戻ればよい。従って、単に進行中のデータ処理のステータスを受け身的に表示するだけでもない。
また、各種の設定処理を行うにあたり、その設定内容を記憶するようにし、次回の実行時には前回の設定内容をデフォルト値として読み出して設定するようにしている。従って、毎回指定する必要のない処理、例えば、プリント指定などの処理については適宜飛ばせるステップを飛ばせるようにしている。この逆に、まだ設定したことのない処理については飛ばせなくしつつ、警告表示をするようにしても良い。また、焼き増し、インデックス、アルバム、ポストカード、シールなどの各DPEコースではそれぞれ設定を保存するようにしている。このため、各DPEコースで選択した用紙選択などが他形態の印刷処理の設定内容へ反映されてしまうことはなく、予想外の用紙が選択されてしまったまま処理を飛ばしてしまうといった悪影響を及ぼすこともない。
このように単にタブ表示を行うのではなく、タブ表示をデータ処理の流れに沿って並べて表示することにより、初めて利用者に対して分かりやすい操作環境を提供することができる。この意味で、操作表示エリアS1と主表示エリアS2での表示は図7に示すものに限定されるものでないことは明らかであり、図8や図9に示すような変形例も当然に可能となる。図8に示すものは、操作表示エリアにタブ表示を行うが、このタブ表示はデータ処理の流れに沿って配置されているものの直接には順番の表示が無く、その左横に流れを示す大きな矢印を表示し、タブ表示と対応する位置に順序を示す「1」、「2」、「3」の数値表示を示している。これにより、タブ表示は異なるデータ表示を意味するのではなく、データ処理の流れを示すことが一目瞭然となる。
また、図9に示すものは、操作表示エリアS1を主表示エリアS2の上部に設け、データ処理の流れに沿って左から右に向けてタブ表示を行っている。また、この例では矢印のかわりに順序の流れを示すために電車の表示を行っており、マーカーとしての電車が左から右に移行するに従ってデータ処理が進行していくことが一目瞭然となるようにしている。
ところで、操作表示エリアS1に表示される複数個のタブ表示のうち、現在実行中のデータ処理に対応するものだけが主表示エリアS2での表示との間に切れ目が無くなっており、主表示エリアS1の一部が側方に飛び出したタブ状の表示となっている。従って、利用者はかかる表示を持って現在実行中のデータ処理を判別できるが、それだけでは分かりづらい場合も多い。このため、本実施形態においては、図7に示すように現在実行中のデータ処理のタブ表示については他のタブ表示よりも大きくした強調表示を行っている。大きく表示すると、他のタブ表示よりも浮き上がっているように見えるため、実行中のデータ処理をより簡易に判別することができる。
むろん、強調表示はこのようなタブ表示自体を大きく表示する場合のみならず、太字にしたり、反転表示をするようにしても良い。また、図10に示すように実行中のタブ表示についてはデータ処理の簡易なタイトルのみならず、処理内容などの補足説明を表示できる程度に枠を大きく表示しても良い。このようにすれば、データ処理のタイトルだけでは分かりにくい初心者であっても何をすべきであるのか、何を実行しているのかということがよく分かるようになる。
なお、一連のデータ処理を表示する場合の操作表示エリアS1の表示と対応するものとして、図11にはメインメニューでの表示を示している。この場合の操作表示エリアS1に対応するスペースにはタブ表示に近似するものの単に短冊状の枠部を複数個並べて表示しているだけであり、それぞれの短冊状の枠部の一つを選択してクリックすると、個別に一連のデータ処理が開始されることになる。図7に示すものはこのメインメニューでの表示における最上段の短冊状の枠部に記載されている「同時プリント」の処理に対応し、この「同時プリント」を選択した場合には、図7に示すように「写真の入力」処理、「写真の修整」処理、「プリント指定」処理、「印刷」処理という一連のデータ処理が実行されることになる。また、メインメニューで三段目の枠部に記載された「焼き増し」を選択した場合には、図12に示すように「写真の指定」処理、「プリント指定」処理、「印刷」処理という一連のデータ処理が実行されることになる。
図7の画面表示に戻ると、この同時プリント処理画面では「写真の入力」という表示をしているが、実質的にはフィルムデータ管理部30による画像データ管理を行うことになる。表示エリアの内の左寄り部分は操作表示エリアS1となっているが、残りの表示エリアは主表示エリアS2となり、さらにそのうちの左寄り部分が画像データをグループ化して表示するためのグループ表示領域S21となっており、残りの部分はあるグループが選択された場合にそのグループに属する画像データをサムネイルで表示するための画像表示領域S22となっている。
このグループ表示領域S21は上述したようなフォルダ単位に対応したフィルムメタファを表示するための領域であり、フィルムのパトローネを枠として表示しつつ、その中にフィルム名とコメントと日付と収容画像ファイル数を表示している。むろん、いわゆる右クリックによって各フィルムメタファのプロパティを表示させれば、フィルム名、リンク先、日付、コメント、媒体属性、媒体ラベル、フィルム属性、収容画像ファイル数といった全ての情報を表示することになる。また、グループ表示領域S21はGUIを使用して適宜表示領域を増減させることができ、グループ表示領域に表示しきれなくなればスクロール表示を付加したり、縮小表示するようになる。むろん、表示された複数のフィルムメタファの内のいずれか一つを選択操作することにより、画像表示領域S22には選択されたフィルムメタファに対応するフォルダ内に保存された画像ファイル30aがサムネイル表示されることになる。
また、上述したようパトローネは脱着可能な媒体に対応させることも可能であるが、もし非装着状態のパトローネを指定した場合にはこの媒体を装着するようにメッセージを表示してもよい。この場合、フィルムメタファで表示するフィルム名を表示して「XXX:フィルム装着して下さい」というように表示することも可能であり、利用者はフィルム名として管理できるので煩わしくなくなる。
なお、本実施形態においては、オペレーティングシステム12aが採用しているフォルダの階層構造を利用して画像データの管理を行っているため、操作者がコンピュータシステム10を直に操作してフォルダ内に画像ファイル30aを収容することも可能であり、この場合にはフォルダ内の画像ファイル30aの有無と写真データ30bとにずれが生じる場合があるが、この場合にはフォルダ内の画像ファイル30aの有無を優先して写真データ30bを適宜増減させることにする。
この意味でもフィルムメタファに対応するフォルダ内に存在する画像ファイル30aに基づいて対応する写真データ30bがあるか否かを判断し、写真データ30bがあればそのサムネイルデータを使用して表示を行うし、写真データ30bがなければサムネイル作成部20iにてサムネイルデータを作成後、表示を行う。写真自体は縦長あるいは横長であり、一つのサムネイル表示領域は両方を収容可能な正方形であるとともにその枠外には連番と実際のファイル名を表示している。この例では、実際のファイル名を表示するようにしているが、各写真データ30bに含まれるコメントの1行目を表示するようにしても良い。このとき、コンピュータシステム10にステータスバーを設ける場合にはコメントかファイル名のうち、サムネイル表示領域に表示させなかった側をステータスバーに表示するようにして補完するようにしてもよい。また、サムネイルの画像に対して右クリックをしたときに、画像ファイルの大きさ、所在、日付などといった残りの情報を表示するようにしてもよい。
このような状態で、操作者はグループ表示領域S21に表示されるパトローネ内の表示を見てグループを判断しつつその画像データを画像表示領域S22に表示させ、さらに印刷対象としたい画像データを選択する。この選択操作は画像選択部20aによって受け付けられる。選択された画像データについてはそのサムネイル表示領域の枠部分の色を変えて表示することにより、選択の有無が容易に判断できる。そして、選択結果は以後の「写真の修整」はもとより、「プリント指定」を経て「印刷」の処理での出力対象として反映されることになる。なお、これらの場合に各処理で参照されるのは物理的配置情報であり、選択対象とした画像データを仮領域に移動させて実際の処理を行うわけではない。
「写真の入力」では新たにフィルムを作成する作業を行う。新たにフィルムを作成するというのはコンピュータ内に一つのパトローネを作成し、そこに画像ファイルを詰め込むという処理である。例えば、ある日曜日に家族で外出したとして、デジタルスチルカメラ11bで何枚かの写真撮影を行ってきたとする。この画像データを登録するにあたり、先ず、パトローネを作成する。図7には、その名称としてデジタルスチルカメラの名前と行き先を組み合わせて「カラリオ松本にて」とした場合の一例を示している。画面上の操作は主表示エリアS2内における上部の「新しいフィルム」というコマンドボタンをクリックすると、そのフィルム名の入力を促し、入力されたフィルム名でパトローネを表示する。この時点ではまだ画像データはデジタルスチルカメラ11b内に保存されており、転送しなければならない。この例では、専用ケーブルを接続しつつ転送ソフトで実行する「転送ソフト」のコマンドボタンと、フラッシュメモリカードなどの記録メディアから転送する「記録メディア」のコマンドボタンと、専用ケーブルを接続しつつドライバはTWAIN形式を利用するための「TWAIN」のコマンドボタンを用意してあり、近時の転送方法をほぼカバーしている。このような入力方法は一度決めたら変化することがないのが通常であり、「いつもの入力」というようなコマンドボタンを用意しておき、設定しておいた入力方法を実行するようにしても良い。
転送ソフトで入力する場合には使い勝手を向上させる処理を採用している。まず、転送ソフトはデジタルスチルカメラ11bとともに提供されることが多いので、起動のためにはショートカットを作成しておく必要がある。すなわち、転送ソフトを起動させるためにそのプログラムファイルの格納位置を登録するとともに、当該プログラムファイルを実行して保存フォルダを登録する。すると、当該転送ソフトを起動させたときには必ず同保存フォルダに画像データが入力されるようになる。そして、この転送ソフトの終了時には、同保存フォルダにセーブされている画像データを上述したパトローネに対応するフォルダに移動させる。このようにすることにより、外部の転送ソフトを実行しつつも所望のフォルダに画像データを保存できるようになる。
一方、予め画像データだけを転送しておいたり、交換可能な記録メディアに記録されている画像データを利用しようとする場合には、「参照フィルム」のコマンドボタンをクリックし、ハードディスク13bを始めとして各種の記録媒体に記録されている画像データを登録する。
「写真の入力」において印刷したい画像データを選択したとして、操作表示エリアでの表示に依れば次の処理が「写真の修整」であることが一目瞭然である。この「写真の修整」では選択された画像データだけについて画像修整を実行することができる。マウス15bで操作表示エリアS1の「写真の修整」のタブをクリックすると、図13に示す画面表示を行ない、画像修整のデータ処理を実行する。画像修整は、対象となる画像データを選択した状態で図4に示す画像処理部20gあるいは図8に示す画像修整制御部40が実行する。画像修整は操作者の好みに応じて明るさやコントラストを変化させたり、特定の色成分を強調するといった色強調を行う手動画像調整や、画像データを構成する各画素について統計的集計処理を経て自動的に修整を行う自動画像修整が可能である。
図13において主表示エリアS2にはグループ表示領域S21とともに画像表示領域S22が表示されているとともに、上部の余白部分には具体的な画像修整処理を示すコマンドボタンを用意してある。この例では画像修整処理として、画像データに変更を加えて明るさや色調を変更するものの他、トリミングや回転や白黒変換やセピア調への変換というように概ね表示にのみ利用する程度の画像処理も用意されており、「手動画像修整」のコマンドボタンをクリックしたときには、さらに図14に示す画面表示を行って「明るさとコントラスト」についての修整であるのか、「色強調」の修整であるのかを個別に選択できる。むろん、これらについては画像処理部20gが対応する画像処理を実行することになる。むろん、キーボード15aやマウス15bを利用して所望の側を選択することにより、修整処理を実行する。
また、このようなコマンドボタンほど明確ではないが、熟練者にとってはメニュー操作の方が直感的であり、図15に示すようなメニュー操作で手動画像調整を選択することも可能である。この場合も、画像処理部20gが対応する画像処理を実行することになる。同図に示すメニュー操作では、画像修整をクリックしつつドロップダウンメニューの手動画像修整を選択すると、「明るさ・コントラスト」についての修整か「色強調」の修整かを選択可能となる。そして、いずれかの手動画像修整を選択した場合には、修整度合いをGUIを利用して指示することになる。すなわち、GUI表示をマウス15bで操作して手動修整の結果を反映させる。
一方、自動画像修整は画像修整制御部40が実行する。より具体的には、画像特徴抽出部40aが画像データに基づいて画像の特徴を抽出すると、修整情報作成部40bが修整に必要なパラメータを作成し、修整指定部40cは同パラメータを使って上述した画像処理部20gに対して実際の処理を実行させることになる。
図16はコマンドボタンを操作した場合の画面表示の一例を示しており、図17はメニュー操作で自動画面修整を行う際の表示画面を示している。また、図18は自動画像修整を行う場合の主表示エリアS2での表示を示している。同図に示すように、選択された画像データについて修整前の画像をサムネイルで上段に表示し、上述した自動修整を施した修整後の画像をサムネイルで下段に表示している。操作者は両者を見て比較し、どちらが良いか選択する。むろん、選択は好みの側のサムネイルをマウス15bでクリックすることにより行え、クリックした側については表示指定部20bが枠部分を反転表示するなどして判別できるようにする。なお、デフォルトは修整前を選択状態としておき、マウスでクリックした側についてだけ修整後のものを選択状態としても良いし、殆どの場合は画質を修整されたものについて選択されるであろうとの想定のもとでデフォルトを修整後のものを選択状態とするようにしても良い。
これらの場面において、最下部には「実行」のコマンドボタンと、「キャンセル」のコマンドボタンが用意されており、「実行」のコマンドボタンをマウスでクリックすると、各画像データごとに用意されている写真データ30bの修整情報が更新される。なお、自動画像修整は新たに画像データを登録する際に実行するようにしてもよい。一般的には自動画像修整を施す方がより美しい印刷結果を得られるであろうから、初心者にとっては自分で画像修整を実行させなくても済むことになり、操作が簡易になる。
図19は、そのような場合の画面表示の一例を示している。同図に示すものでは、操作として「写真の入力」の前に「フィルムの選択」という処理を加えるとともに、「写真の入力」の後は「プリント指定」の処理を実行するようにしている。図7に示すもののように「写真の入力」の処理で新しいフィルムを選択できるようにしつつ、写真を選択するようにしても良いが、図19に示すものでは最初に「フィルムの選択」の画面表示を行うことにより、パトローネ単位での写真データの選択であるとか新しいフィルムの選択を先に実行して分かりやすくしている。また、この画面表示では処理を進めたり戻したりするための指示を行うために画面右寄り部分の上段に「前のステップ」と「次のステップ」というコマンドボタンを用意し、「前のステップ」を実行させると処理を戻し、「次のステップ」を実行させると処理を先に進めるようにしている。さらに、画面上段部分には各段階の処理の簡単な説明を表示できるようにしている。例えば、「フィルム選択」の段階では「フィルムを選んで次に進んで下さい。新しいフィルムは『フィルムの追加』で作れます」と表示している。
この他、画像修整は広い意味で画像データの表示に反映される各種の処理を含むものであり、広義の意味で画像のトリミングや回転も含めている。トリミングはテレカのサイズで統一させて印刷したいというときには有用であり、必要度は高い。このため、トリミングの操作では目印となるトリミング指定枠を常時表示するようにし、また、対象画像に対して一括実行もできるようにしている。トリミングによっては縦横比にずれが生じることもあるため、縦横比を固定するか否かを選択できるようにし、デジタルスチルカメラの場合の3:4であるとか、銀塩写真の2:3であるとか、パノラマ写真の1:3といった縦横比を用意しておくとよい。なお、このようにして一括してトリミングを実行し、印刷を行って統一したサイズで印刷したとしても、オリジナルの画像データを変形しているわけではないので容易に元に戻せるというメリットがある。
「写真の修整」の次に行われるのは「プリント指定」の処理である。既に、「写真の入力」と「写真の修整」を経ており、印刷したい画像データの選択と、それに施すべき画像処理が選択されている。この「プリント指定」では選択されている画像データをどのようなレイアウトで印刷するかを指定する。
図20はこの「プリント指定」と、次の「印刷」の処理を実行するDPE印刷制御部50の具体的構成を示している。印刷画像指定部50aは上述したようにして選択された画像データの指定を受け継ぐものであり、フレーム指定部50bとレイアウト指定部50cとによって「プリント指定」の処理を実行し、プリント指定部50dによる制御の下で印刷スタイル作成部50eと印刷画像処理部50fとで実際の印刷データを生成する。
図21は「プリント指定」での操作表示エリアS1と主表示エリアS2での表示を示しており、主表示エリアS2中の上段部分には横方向にスクロール可能な表示エリアを配してレイアウトのパターンを表示可能となっている。同図においては、「4枚ずつのレイアウト」、「アルバム印刷」、「シール印刷」のレイアウトが表示されている。むろん、これ以外にもレイアウトのパターンを実装することは可能である。また、オプションとして、切断する際の位置の目安となるトンボを印刷したり、日付を印刷したり、タイトルを印刷させるのを選択できるようにチェックボックスを設けている。
日付は写真データ30bとして記録している撮影日時が標準的に利用され、画像のフチに印刷するようにしている。ただし、日付機能の付いた写真のように画像内部にオレンジ色の撮影日を重ね合わせるようにしてもよい。むろん、オレンジ色である必要はないが、デジタルスチルカメラ11bなどで撮影した画像データは別に撮影日時の情報を備えていることから画像中には日付が表示されない。しかしながら、従来の写真であればオレンジ色で日付が焼き込まれていることの方が多く、一般的には馴染んだ表示である。従って、ソフトウェア処理で8セグメントLED表示の日付や、「98.07.15」といった文字画像を形成し、論理演算を利用して画像データに重ね合わせるようにすればよい。むろん、操作画面上では「日付(枠外)」、「日付(枠内)」というようにしていずれかを選択できるようにすればよい。
タイトルは写真データ30bとして記録されているコメントの1行目を利用し、画像のフチに印刷する。また、フィルム名も用紙のフチの部分に印刷するようにしても良く、特に、アルバム印刷であるとかシール印刷の際には、後でフィルム名がすぐに分かって再度印刷したいときに利用しやすい。さらに、用紙については「A4」、「B5」、「シール」などに対応しており、これらについてはいずれかだけを排他的に選択できるラジオボタンを設けてある。
画像データによっては縦横の構成ドット比が異なるものがある。一方、写真の感覚で印刷を実行しようとすると、出来上がりサイズとしてL版であるとかE版であるというような指定が想定される。この場合、必ずしも縦横比が一致するとは限らず、横寸法を基準として縦寸法を調整したり、縦寸法を基準として横寸法を調整することが可能である。また、このときにあくまでも短辺側を基準とし、長辺側で調整するようにしても良い。すなわち、短辺をL版、E版、カードサイズ、キャビネ版などと指定し、横サイズは縦横比によって指定する。
印刷する際には、カラープリンタ17bの機種に応じて印刷データを生成させる必要があるから、下段左方にはプリンタ装置の選択表示エリアを設けてある。ここでプリンタ装置を選択することにより、それぞれに対応した設定情報が読み出され、上述した色ずれを修整したり、出力解像度を一致させることになる。写真画質と呼ばれるカラープリンタ17bの場合は、用紙も専用の光沢紙を利用するが、個別にカラープリンタ17bのプロパティを開かなくてもこの画面表示で光沢紙を利用する旨の指示を与えるようにしても良い。
レイアウトの中には「アルバム印刷」のレイアウトが用意されており、「アルバム詳細」のコマンドボタンをクリックすると主表示エリアS2には図22に示す操作画面が表示される。この表示画面においても上段部分には横方向にスクロール可能な表示エリアを配してアルバムのパターンを表示可能となっており、この例ではA4用紙を横二列縦四段に配して市松様に画像を印刷するものと、左側半分に縦四段に配して画像を印刷するものと、上下に二段に分けて画像を印刷するものとを示している。むろん、左頁と右頁あるいは表面と裏面とでレイアウトを変えるようにしても良いし、左右が逆のレイアウトを生成しても良い。例えば、3列のアルバムスタイルを選んだ場合、左右(表裏)の頁でスタイル反転する指定や、開始頁を左頁とするか右頁とするかの指定を行なえるようにするとともに、そのレイアウトに関連して余白やパンチ穴などの目印も左頁と右頁で反転させることになる。
また、アルバム印刷用のオプションとして、上述したコメントを印刷したり、日付を印刷したり、ページタイトルを印刷させるのを選択できるようにチェックボックスを設けてあるとともに、アルバム印刷においては日をおいて順次印刷していくことから通しのページ番号を印刷できるようにページ番号の指定覧も設けてある。なお、このページ番号は前回のアルバム印刷の後続ページ番号を自動的にセットするようにしても良い。そして、この表示通りで良ければ「OK」のコマンドボタンをクリックすればよいし、気に入らなければ「キャンセル」のコマンドボタンをクリックすればよい。なお、アルバム印刷では印刷物をそのまま綴じて使うようにしており、そのために左/右に必要な余白の大きさを指定できるようにしておくとともに、パンチ穴の目印位置であるとかパンチ用のセンター位置の目印を印刷するか否かを選択できるようにしておいても良い。
同時プリントの最後の処理は「印刷」であるが、この主表示エリアS2には図23に示すように現在指定されているプリンタ装置の機種と、印刷する用紙のサイズと、必要な枚数を含めて確認用のメッセージを表示し、さらに印刷を開始させるための「実行」のコマンドボタンと、「キャンセル」のコマンドボタンと、印刷イメージを確認するための「印刷プレビュー」のコマンドボタンを用意してある。むろん、この状態で「実行」のコマンドボタンをクリックすれば印刷が開始される。この場合は印刷プレビューが任意的に行われるようにしているが、「実行」のコマンドボタンを選択した後で必ず印刷イメージを表示し、その時点で最終的に確認できるようにしておいても良い。この印刷イメージの表示は最終的な注意を促すためだけであれば簡易の表示で足りる。例えば、プリンタとしてカラープリンタを選択していない場合には白黒のイメージで表示することにより、最終的に白黒のイメージのままで印刷されてしまうことを有効に防止できるようになる。
印刷イメージの表示でも任意の頁にジャンプしたり、最初や最後の頁にジャンプできるようにしている。光沢紙は未だ高価であり、最後の頁に余白ができてしまうのはもったいない。例えば、1頁に6枚の画像を印刷する場合に最後の一葉に1枚だけしか画像が割り当てられなかったとしたら、5枚の画像を追加するか1枚の画像の指定を取り消すことによって半端な頁が無くなり、コストを低減できるからである。
また、印刷イメージを簡易に表示するという意味では、「実行」のコマンドボタンをクリックする以前における印刷の各ステップ内で常に表示できるようにしても良い。この場合には「最初の頁を表示する」、「1−2頁を表示する」、「最後の頁を表示する」、「表示しない」というようにイメージパターンをユーザーが選択できるようにしても良い。その選択で最後の頁を表示するようにしておけば、印刷の最後の段階において写真を増減するのではなく、予め最後の頁を意識して写真の枚数を決定することもできるからである。
上述したDPE印刷制御部50の印刷画像指定部50aは上述したようにして選択された画像データの指定を受け継ぐものであり、フレーム指定部50bとレイアウト指定部50cとによって「プリント指定」の処理を実行し、プリント指定部50dによる制御の下で印刷スタイル作成部50eと印刷画像処理部50fとで実際の印刷データを生成する。一般に画像データはRGBの多階調表示で表されている反面、印刷はCMYKの二階調表示が多い。このため、印刷画像処理部50fは上述した指定に応じた画像処理を実行させた上でRGB→CMYKの色空間の変更ととともに多階調→二階調の階調変換処理も併せて実行する。
一方、図24と図25はメイン制御部60が上述した各種の制御を実行するための概略のフローチャートを示している。図24は図11に示すメインメニューでの表示を示している。ステップ100では主に操作表示エリアS1での表示を行う。上述したように、メインメニューの段階では操作表示エリアS1は一連のデータ処理を並べて表示するわけではなく、単に実行可能なデータ処理群のタイトルを表示しているに過ぎない。従って、タブ表示は主表示エリアS2に連結するものではない。この例では、「同時プリント」〜「焼き増し」という三つのデータ処理群についてそれぞれ個別に短冊状の枠内に表示している。これに対し、「プリントサービス」については一回り小さな枠部を密接して並べて表示し、それぞれの枠内に個別のデータ処理群を表示している。一回り小さな枠部とすることによって各データ処理群は「プリントサービス」と関連の深いものであることが分かる。この表示は、「プリントサービス」を選択したときに初めて表示するようにしても良い。すなわち、最初は「同時プリント」〜「プリントサービス」という四つの枠部だけを表示しておき、「プリントサービス」を選択したら複数の小枠を表示して次の選択を促す。そして、いずれかの小枠が選択されたらそのデータ処理群を実行する。このようにすれば、メインメニューで多くの処理が表示されてどれを選択して良いか分かりにくくなる事態を防止できる。むろん、メニューを多層の階層化してしまうことも可能ではあるが、メニューの階層化は非熟練者には分かりにくく、これを防止できる点でもメリットがある。
ステップ110では、主表示エリアS2での表示を行う。メインメニューの段階では主表示エリアS2に何を表示するかは自由であり、例えば、起動時には製品紹介の画面であるとか好みの写真画像を表示し、一連のデータ処理群を起動した後でメインメニューに戻ってくるときには別の画面表示とするというようにしても良い。図11に示す例では、パトローネによるフィルム選択と画像表示を行うため、グループ表示領域S21の表示と、画像表示領域S22の表示を実施する。そして、ステップ120にて操作表示エリアS1で表示したいずれのデータ処理を実行するのかという操作入力を待機することになる。
ところで、図11に示すメインメニューにおいては、総合的な画面に適切なコマンドボタンを配置するようにしている。この例では、「コメント」、「探す」、「ビューワ」というように、個々のデータ処理を選択しないでも行えるコマンドボタンを配置している。すなわち、一つ一つの画像を選択してコメント付けを行うとか(「コメント」コマンドボタン)、コメントに基づいて検索するとか(「探す」コマンドボタン)、サムネイルで表示されている画像を大きく表示して確認する(「ビューワ」)という処理をメインメニューの状態で行える。この他、現在表示されているパトローネ内の画像データの全部を選択したり(「全選択」コマンドボタン)、全ての選択を解除する(「全解除」コマンドボタン)こともできるようになっている。
ステップ120にて操作入力を待機し、何らかの操作が入力されたらステップ130にて選択されたデータ処理群のルーチンを起動する。図25は上述した同時プリントの場合の一連のデータ処理を示している。図7に示すように、同時プリントの処理においては、「写真の入力」、「写真の修整」、「プリント指定」、「印刷」というデータ処理がこの順番で行われることになるが、各ステップ毎に現在実行中のデータ処理を表すデータ処理用ステータスフラグを設定し、ステップ200〜ステップ260という共通の処理ルーチンにおいてこのデータ処理用ステータスフラグを参照して処理を実行する。このため、ステップ200では、まず、データ処理用ステータスフラグに設定すべきステータスを取得する。このステータスはステップ240にて操作入力を受け付けたときにステップ260にて取得するものであり、最初の起動時には最初のデータ処理がデフォルトで設定される。従って、この例では「写真の入力」がステータスとしてデータ処理用ステータスフラグに設定される。
「写真の入力」がデータ処理用ステータスフラグに設定されているものとして、ステップ210では操作表示エリアS1の表示を行うが、このときには「写真の入力」を強調表示するタブ表示として各タブを描画する。また、ステップ220では「写真の入力」において必要な主表示エリアS2の表示を行う。
続くステップS230では「写真の入力」のデータ処理において必要な各種のデータ処理を実行する。GUI表示では、必ずしもデータ処理が完全に終わった状態で次の操作入力を待機するというわけではなく、ステップ240にて操作入力を待機しつつも操作入力がなければステップ230にてデータ処理を実行するというのは、同じデータ処理を繰り返すというわけではない。必要に応じてデータ処理を実行し、待機すべきときは待機するということを表しているに過ぎない。
ここにおいて、ステップ210で操作表示エリアS1の表示を行い、ステップ240で操作入力を待機し、ステップ260にてデータ処理ステータスを設定することにより、ステップ230にて対応するデータ処理を実行させる処理の流れが手続流れ表示手段A3の一部を構成するといえるし、ステップ220とステップ230にて主表示エリアS2の表示を行ったり所定のデータ処理を実行する処理が処理内容表示手段A4を構成するといえる。
ステップ240での操作入力待機は主に操作表示エリアS1でデータ処理を選択する操作入力に対応しており、「トップページに戻る」のコマンドボタンと、「終了」のコマンドボタンを選択した場合にのみこの「同時プリント処理」を終了し、それ以外の操作が入力されたときは上述したようにステップ260にて対応するデータ処理ステータスを変更し、ステップ200以下の処理を繰り返す。むろん、この場合において一連のデータ処理のうち、どの段階へ移行しても良いので、先の処理あるいは後の処理というようにどれでも構わない。
なお、この場合において、「写真の入力」からいきなり「印刷」を選択することもあり得るが、過去に「プリント指定」を行っているのであれば同じ設定として「印刷」へ進んでも良いし、未実施のデータ処理を実行するように注意を促すようにしても良い。
このように、デジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データを用いて所望の印刷を行うというようにいくつかのデータ処理を連続して実行していかなければならない場合、ファイルメニューなどを駆使して必要な順序でデータ処理を選択していくのは非熟練者にとって困難であるが、ディスプレイ17aの表示エリアを操作表示エリアS1と主表示エリアS2とに区分した上、操作表示エリアS1には必要な順序に並べたタブ表示で各データ処理を表示するようにしつつ、対応するデータ処理を隣接する主表示エリアに表示するようにしたので、初心者でも間違えることなく簡単に一連のデータ処理を実行して所望の印刷結果を得ることができるようになる。
10…コンピュータシステム,11a…スキャナ,11b…デジタルスチルカメラ,11c…ビデオカメラ,12…コンピュータ本体,12a…オペレーティングシステム,12b…ディスプレイドライバ,12c…プリンタドライバ,12d…アプリケーション,13a…フロッピーディスクドライブ,13b…ハードディスク,13c…CD−ROMドライブ,14a…モデム,15a…キーボード,15b…マウス,17a…ディスプレイ,17b…カラープリンタ,18a…スピーカ,18b…マイク,20…共通機能部,20a…画像選択部,20b…表示指定部,20c…ファイル編集部,20d…検索部,20e…一括コメント部,20f…一括整理部,20g…画像処理部,20h…画像編集部,20i…サムネイル作成部,20j…画像入力部,20k…画像出力部,20m…画像表示部,30…フィルムデータ管理部,30a…画像ファイル,30b…写真データ,30c…フィルムデータ,40…画像修整制御部,40a…画像特徴抽出部,40b…修整情報作成部,40c…修整指定部,50…DPE印刷制御部,50a…印刷画像指定部,50b…フレーム指定部,50c…レイアウト指定部,50d…プリント指定部,50e…印刷スタイル作成部,50f…印刷画像処理部,60…メイン制御部,60a…環境設定部,60b…設定情報ファイル