JP4328895B2 - セメントミルクの製造方法 - Google Patents
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- C04B40/0025—Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability obtaining colloidal mortar
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、セメントとベントナイトのミルク(以下、CB液という。)を作液するときに、海水を使用しても、上記CB液中のセメント粒子が沈殿する現象であるブリージングを防止することができるCB液の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
通常、土木工事等では、水道水とベントナイトを処方した(セメントベントナイト液:CB液)が多く使用されているが、その使用目的は、セメント粒子の均一な分散であり、上記上澄み分離水(ブリージング)の発生を防止した均一な固化体を供することにあるが、従来、上記CB液を作液し使用する工事において水道水がなく、海水しか入手できない島や、湾岸の工事においてCB液を作液しようとする場合、海水中の塩分が影響してベントナイトの膨潤を阻害し、粘度が低下して、本来のベントナイトを清水中に溶解しセメントを分散させた時と比較して、同配合の海水使用では大きくブリージングが発生することは周知である。
【0003】
このような海水でCB液のブリージングを防止する方法としては、清水を用い使用する場合の量に対してベントナイト量を3倍以上も用いるか、ベントナイトの品質を数段グレイドアップしなければならず、コスト高となる、という問題を有していた。
【0004】
また、海水でCB液のブリージングを防止する他の方法としては、石油掘削に使用される特殊粘土鉱物であるセピオライトやアタパルジャイトを用いても同じ効果が得られることが知られているが、このような特殊粘土鉱物は日本では産出されておらず専ら輸入しなければならないためコスト高となる、という問題を有していた。
【0005】
さらに、これらの特殊粘土鉱物を用いてブリージングを防止する方法では、性能を発揮するために、攪拌時にミキサーの回転数を、従来の3倍程度(900回転/分)高速化しなければならず、ミキサーを特別に製造しなければならないため、コスト高となる、という問題も有していた。
【0006】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、セメントの急結剤として知られている珪酸ソーダを用いることで、海水を使用してもCB液中のセメント粒子が沈殿せず、また、施工コストも安価なセメントミルクの製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係るCB液の製造方法にあっては、珪酸ソーダを塩水で反応させて白濁したゾルを生成し、このゾルの濃度を調整した後、このゾルにセメントを分散させてセメントミルクを生成するセメントミルクの製造方法であって、上記珪酸ソーダの添加量は、塩水1000kg,セメント200kgに対し50〜60kgであることを特徴とするものである。
【0008】
この発明において、上記塩水は、好ましくは海水を用いるのが望ましいが、清水に塩分を溶解した人工海水や海水を含む希釈液を用いてもよい。また、塩水の塩分は、地下水中に含まれる様々な塩分(Ca,Fe,Al,K等)を用いることができる。
【0009】
また、この発明において、ブリージングを確実に防止するため、上記珪酸ソーダの添加量は、塩水1000kg,セメント200kgに対し50〜60kgの範囲で添加するのが望ましい。
【0010】
【作用】
このように構成することで、セメントミルクを現場にて作液する場合、練り水を所定配合量の塩水と珪酸ソーダを反応させることで白色のゾルを生成し、このゾルを攪拌することにより液全体が粘度の低い均一な白色ゾルとなる。
【0011】
珪酸ソーダは、周知のように、セメントの急結剤であり使用量を誤ると、現場作業性に関連する流動性のある時間は著しく短くなる場合が多く、このブリージング目的で使用されることは皆無である。
【0012】
この珪酸ソーダは、殆ど液状で販売されており、海水等の塩水中に添加し攪拌する場合も、高価な高速ミキサーを用いることなく一般のミキサーで十分な効果が得られる。
【0013】
この珪酸ソーダの添加量は、塩水1000kg,セメント200kgに対し50〜60kgの範囲で添加するのが望ましい。
【0014】
珪酸ソーダの量が同配合の塩水とセメント量に対して50kg以下では十分なブリージング抑制効果が発揮されず、また、60kg以上では効果が飽和して経済的ではない。
【0015】
このようにして生成されたゾルに、ミキサーにより所定量のセメント粒子を添加攪拌した場合、ベントナイトの清水使用時の正常な配合時と同様なブリージングを防止することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るCB液の製造方法にあっては、CB液を海水等の塩水しか入手できない現場にて作液する場合、練り水を所定配合量の海水等の塩水と珪酸ソーダを反応させることで白色のゾルを生成し、このゾルを攪拌することにより液全体が粘度の低い均一な白色ゾルとなる。このゾルはミキサーにより所定量のセメント粒子を添加攪拌した場合、ベントナイトの清水使用時の正常な配合時と同様なブリージングを防止することができる。
【0017】
また、この発明に用いられる珪酸ソーダの一般に販売されている製品の殆どは液状であるため、取り扱いが非常に楽であり、海水中に添加し攪拌する場合も一般のミキサーで十分な効果を発揮する。
【0018】
また、この珪酸ソーダはセメントの急結剤であり使用量を誤ると、現場作業性に関連する流動性のある時間は著しく短くなる場合が多く、ブリージング目的で使用されることは皆無であるが、本発明では、珪酸ソーダの反応を海水中の塩分で殆ど終了させることで、良好な流動性保持時間を確保することができる。
【0019】
勿論、この発明では、予め清水中に塩分を溶解し海水と同様な液を製造し、その後、珪酸ソーダを添加することも可能であり、同様な効果を得ることができる。また、セメントの練り水は、海水のみではなく、海水を含む希釈水や、地下水中に含まれる様々な塩分(Ca,Fe,Al,K等)であっても同様な効果が得られることを確認することができた。
【0020】
【実験例1】
【0021】
表1に示す実験例1は、比較のために清水でセメントミルクを製造した場合のブリージング率を示している。
比較例No.1の使用材料としては、水道水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、USA産高膨潤度ベントナイト(TB−S)30kgとした。
また、比較例No.2の使用材料としては、水道水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、群馬産の一般のベントナイト(TB−200)100kgとした。
【0022】
【表1】
【0023】
この結果、比較例No.1のブリージング率は1.7%であり、また、比較例No.2のブリージング率は2.2%であった。
【0024】
【実験例2】
表2に示す実験例2は、人工海水と珪酸ソーダを用いた本発明のセメントミルクのブリージング率を示している。
試作品1の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、USA産高膨潤度ベントナイト(TB−S)100kgとした。
試作品2の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、群馬産の一般のベントナイト(TB−200)100kgとした。
試作品3の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、群馬産の一般のベントナイト(TB−200)150kgとした。
試作品4の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、群馬産の一般のベントナイト(TB−200)200kgとした。
試作品5の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、比重1.4でモル比3.1の3号珪酸ソーダ60kgとした。
試作品6の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、比重1.4でモル比3.1の3号珪酸ソーダ50kgとした。
試作品7の使用材料としては、塩分濃度を30,000PPMに調整した人工海水1000kg、普通ポルトランドセメント200kg、比重1.4でモル比3.1の3号珪酸ソーダ40kgとした。
【0025】
【表2】
【0026】
この結果、海水を用いるが珪酸ソーダを用いずベントナイトを用いたセメントミルクのブリージング率は、試作品1では2.0%、試作品2では34.0%、試作品3では23.0%、試作品4では10.2%で、群馬産の一般品ベントナイトを用いた場合には、ブリージング率が非常に高く実用に供すことができないことが確認できた。また、USA産の高膨潤度ベントナイト(TB−S)を用いたものはブリージング率も清水を用いた場合と遜色がないことが確認できたが、清水を用いる場合と比較して、3倍強のTB- Sを用いなければ上記ブリージング率を達成することができず、TB−S自体輸入品であるためコスト高であるにも拘わらず、これを3倍強も用いることで、施工コストが跳ね上がり、採算ベースに乗らないことが解かる。
【0027】
一方、海水を用いるが、ベントナイトは用いずに、比重1.4でモル比3.1の3号珪酸ソーダを用いたセメントミルクのブリージング率は、試作品5が0.0%、試作品6が1.5%とブリージング率が清水を用いた場合よりも低く、実用に十分供することができることが確認できる。尚、3号珪酸ソーダを60kg以上添加した場合には、粘性が非常に高いゾル状態となって流動性が失われ、また、40kg以下では、ブリージング率が上がり、実用に供しにくくなることが解かる。また、上記試作品5の場合、約30分で流動性がなくなり、さらに、試作品6の場合には2時間経過後でもゲル状にはならず、適度な流動性が得られることが確認できた。
Claims (1)
- 珪酸ソーダを塩水で反応させて白濁したゾルを生成し、このゾルの濃度を調整した後、このゾルにセメントを分散させてセメントミルクを生成するセメントミルクの製造方法であって、上記珪酸ソーダの添加量は、塩水1000kg,セメント200kgに対し50〜60kgであることを特徴とするセメントミルクの製造方法。
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