JP2003183654A - 珪酸塩系土質安定用薬液 - Google Patents

珪酸塩系土質安定用薬液

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JP2003183654A JP2001383221A JP2001383221A JP2003183654A JP 2003183654 A JP2003183654 A JP 2003183654A JP 2001383221 A JP2001383221 A JP 2001383221A JP 2001383221 A JP2001383221 A JP 2001383221A JP 2003183654 A JP2003183654 A JP 2003183654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時の施工においても硬化剤の水に対する
溶解速度が速く、かつ、アルカリ珪酸塩に対する硬化剤
の量比が従来よりも少量であっても所定のゲルタイムが
得られ、均一な硬化体が得られ、中結、長結型および瞬
結型のいずれの場合においても形成された硬化体の強度
発現が良好で、確実・効率よく地盤を安定化処理できる
珪酸塩系土質安定用薬液及び該薬液を用いる土質安定化
工法を提供する。 【解決手段】 硬化剤がスルファミン酸100質量部に
対して鉱酸のアンモニウム塩0.013〜1質量部、水
溶性多価金属塩5〜30質量部を含んでなり、主剤液の
SiO成分に対する硬化剤中の水溶性多価金属塩のモ
ル比(SiO/水溶性多価金属塩)が10〜135と
なるように配合されてなることを特徴とする珪酸塩系土
質安定用薬液及び該薬液を使用した土質安定化工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤安定化工法用
の珪酸塩系土質安定用薬液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟弱地盤を強化したり、漏水地盤
を止水するために種々の薬液を地盤内に注入し、地盤内
でゲル化させる安定化工法が知られているが、特に、ア
ルカリ珪酸塩水溶液を主成分とする主剤液と、硬化剤と
を組み合わせた薬液からなる、いわゆる珪酸塩系土質安
定用薬液は、安価である、他の土質安定用薬液と比較し
て公害を起こすおそれが小さいなどの特徴から、現在広
く実用化されている。この珪酸塩系土質安定用薬液は、
施工の目的や地盤の状況に応じて硬化剤の使用量を調節
することにより薬液のゲルタイムを調整して施工が行わ
れている。例えば、土壌粒子の間隙に薬液を充分浸透さ
せた後ゲル化させる、いわゆる浸透注入工法による施工
では薬液のゲルタイムを数分〜数十分に調整して用いら
れている。
【0003】また、上記浸透注入工法においても、地盤
の土質条件によって薬液が未だゲル化しないうちに施工
箇所以外の地盤中に流出して施工を不確実なものにした
り、薬液が地下水や井戸水に流入して公害問題を起こし
たりするおそれがある場合や、漏水地盤を止水するよう
な場合には薬液のゲルタイムを十数秒以内に調整してゲ
ル化させる施工法、いわゆる瞬結工法で施工が行われて
いる。
【0004】珪酸塩系土質安定用薬液の硬化剤としては
現在種々の物質が知られており、幅広く実用化されてい
るが、この中でも特にスルファミン酸は吸湿性、腐食性
の低い粉末状白色結晶であり、水に溶解すると硫酸に匹
敵する強酸性を示すので取り扱いの容易な硬化剤として
有用なことは周知の通りである。
【0005】特開昭56−155287号公報にはスル
ファミン酸に水溶性無機塩を配合成分として併用する珪
酸塩系土質安定用薬液に用いる硬化剤が開示されてい
る。この公報に記載されている硬化剤はスルファミン酸
と水溶性無機塩とを質量比2:1〜1:1程度とした混
合物を主体としており、スルファミン酸と混合させられ
る水溶性無機塩としては、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、ピ
ロ燐酸、硼酸、炭酸、アルミン酸、塩素酸、過塩素酸、
珪フッ酸、重クロム酸、過マンガン酸、スルファミン酸
などの無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、
遷移金属塩などの金属塩または酸性金属塩もしくはアン
モニウム塩のうち水溶性のものが挙げられている。特に
有用な水溶性無機塩として、塩化アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩
化カルシウムなどが挙げられ、これにより生成する珪酸
ゲルの硬度が大きくなること、即ちスルファミン酸を硬
化剤とした場合に比べ強度の発現が改良されることが記
載されている。
【0006】さらにこの公報に開示された珪酸塩系土質
安定用薬液に用いる硬化剤は、通常5〜15質量%の水
溶液とした硬化剤100質量部程度と、通常30〜70
%の水溶液とした珪酸塩系土壌安定剤100質量部とを
混合し硬化剤として使用している。
【0007】ここで、アルカリ珪酸塩として珪酸塩系土
質安定用薬液用に通常使用されるJIS3号水ガラスを
用い、水溶性無機塩として塩化カルシウムを用いた場
合、薬液中のSiO成分に対する硬化剤中の水溶性無
機塩のモル比(SiO/水溶性無機塩)は2.1〜2
2.5となるが、このような範囲では薬液中のSiO
成分の析出を生じる場合があり、均一な硬化体が得難い
ものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】スルファミン酸を硬化
剤とした珪酸塩系土質安定用薬液では以下のような問題
点があった。
【0009】強度の発現が充分なものとは言えず、例
えばアルカリ珪酸塩に対する硬化剤の量比を少なく用
い、薬液のゲルタイムを十〜十数分程度に調整し、地盤
中への浸透注入により施工を行なった場合、処理された
地盤を切削したときにこの地盤が崩壊してしまう。ま
た、漏水地盤を止水するためにアルカリ珪酸塩に対する
硬化剤の量比を多くして薬液のゲルタイムを十数秒以内
とする瞬結工法で施工した場合でも漏水地盤を充分に止
水できない。
【0010】実施工現場では、硬化剤液を調製する際
の硬化剤の溶解時間は短いほど作業効率が向上して好ま
しいものである。しかし、硬化剤であるスルファミン酸
は水に対する溶解速度が遅いため、特に冬場の施工など
水温が低い時期での施工では硬化剤を溶解して硬化材液
を調製するのに長時間を要する。そのため、薬液の地盤
への注入速度によっては硬化剤液調製が間に合わず、硬
化剤液調製のために施工を一時中断せねばならないなど
施工効率が悪い。
【0011】所定のゲルタイムを得るために必要なア
ルカリ珪酸塩に対する硬化剤の量比が多いため、実施工
の場面では多量の硬化剤を施工現場へ搬入し貯蔵してお
くためのスペースが必要となり、現場での作業性が悪い
うえ不経済である。
【0012】一方、上記特開昭56−155287号公
報で開示された珪酸塩系土質安定用薬液に用いる硬化剤
では、スルファミン酸を硬化剤とした場合の溶解速度が
遅いこと、所定のゲルタイムを得るために必要なアルカ
リ珪酸塩に対する硬化剤の量比が多いことに関する問題
点は未だ解決されていない。さらに上述のように、薬液
を調製した際、ゲル体の主体をなす薬液中のSiO
分が析出し沈降して、均一な硬化体を形成されず、実質
上地盤安定用薬液として使用できないという問題もあっ
た。
【0013】本発明の目的は、従来の珪酸塩系土質安定
用薬液に用いる硬化剤における上記問題点を改善し、低
温時の施工においても硬化剤の水に対する溶解速度が速
く、かつ、アルカリ珪酸塩に対する硬化剤の量比が従来
よりも少量であっても所定のゲルタイムが得られ、さら
に、調製された薬液がゲル体の主体をなす薬液中のSi
成分の析出・沈降により均一な硬化体が得られなく
なるということがなく、アルカリ珪酸塩に対する硬化剤
の量比の少ないゲルタイム十分〜十数分のいわゆる中結
〜長結型とした場合においても、又、アルカリ珪酸塩に
対する硬化剤の量比を多くしたゲルタイム十秒以内のい
わゆる瞬結型の場合においても形成された硬化体の強度
発現が良好であり、確実・効率よく地盤を安定化処理で
きる珪酸塩系土質安定用薬液に用いる硬化剤を提供する
ことにある。
【0014】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤は下記(1)〜(4)のような性能を満たすこと
が目安となる。
【0015】(1)スルファミン酸としては、32メッ
シュ篩残分が50質量%程度の一般に市販されている工
業用のスルファミン酸を用いて調製された硬化剤20k
gを5℃の水に溶解して200リットルの硬化剤液とす
る際の硬化剤の溶解時間が8分以内であること。
【0016】アルカリ珪酸塩としてJIS3号珪酸ソー
ダを用い、JIS3号珪酸ソーダ80リットルと水12
0リットルの割合で混合して調製した水溶液を主剤液と
し、硬化剤を含む水溶液を硬化剤液として、主剤液と硬
化剤液とを等容量ずつ混合して得られた薬液が温度20
℃において、 (2)ゲル体の主体をなす薬液中のSiO成分が析出
し沈降して、均一な硬化体が得られること。
【0017】(3)15秒未満のゲルタイムの薬液を得
るのに必要な硬化材液200リットル中の硬化剤の使用
量が20kg未満であること。
【0018】(4)硬化剤液の硬化剤量を調整して薬液
のゲルタイムを十〜十数分程度に調製したときに形成さ
れた硬化体(ホモゲル体)の材令1日の一軸圧縮強度が
0.01N/mm以上であり、かつ、硬化剤液中の硬
化剤量を調整して薬液のゲルタイムを15秒未満に調製
したときに形成された硬化体(ホモゲル体)の材令1日
の一軸圧縮強度が0.03N/mm以上であること。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、酸性アンモニウム塩及び
水溶性多価金属塩をスルファミン酸に対して特定の質量
比の範囲内で組み合わせ硬化剤とすることで、意外に
も、アルカリ珪酸塩に対する硬化剤の量比が少なくゲル
タイム十分程度とした場合も、硬化剤の量比を多くして
ゲルタイム十数秒以内とした場合でも形成された硬化体
の強度の発現が良好であること。また、低温時において
も硬化剤の水に対する溶解速度が速く、アルカリ珪酸塩
に対する硬化剤の量比が少量であっても所定のゲルタイ
ムが得られること、さらに薬液中のSiO成分に対す
る硬化剤中の多価金属塩のモル比を特定の範囲内とする
ことで、薬液中のSiO成分が析出し沈降することを
回避できることを見出し、本発明に到達した。
【0020】すなわち、本発明の第一の発明は、アルカ
リ珪酸塩水溶液を含む主剤液と硬化剤の水溶液を組み合
わせてなる珪酸塩系土質安定用薬液であって、硬化剤が
スルファミン酸100質量部に対して鉱酸のアンモニウ
ム塩0.013〜1質量部、水溶性多価金属塩5〜30
質量部を含んでなり、主剤液のSiO成分に対する硬
化剤中の水溶性多価金属塩のモル比(SiO/水溶性
多価金属塩)が10〜135となるように配合されてな
ることを特徴とする珪酸塩系土質安定用薬液を要旨とす
る。
【0021】本発明の第二の発明は、珪酸塩系土質安定
用薬液を地盤内に注入し、地盤内で硬化させて地盤を安
定化させるにあたり、前記第一の発明の珪酸塩系土質安
定用薬液を用いることを特徴とする地盤安定化工法を要
旨とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液
の主剤として使用されるアルカリ珪酸塩は、従来から珪
酸塩系土質安定用薬液に用いられているもの、例えば日
本工業規格(JIS K−1408)に規定される1〜
3号珪酸ソーダ、SiO/NaO(モル比)が4〜
100の範囲にあるシリカゾルなどを用いることができ
る。又「ニトロック」(商品名、三菱レイヨン社製)を用
いることもできる。これらの珪酸ソーダは一般に水溶液
になっているが施工時に土質安定化に適した濃度とする
ために適宜水で希釈することもできる。例えば、珪酸ソ
ーダ水溶液(以下、A液ともいう。)と硬化剤液(以
下、B液ともいう。)とを等容量ずつ混合しながら地盤
内に注入する通常の施工方法において、珪酸ソーダとし
てJIS3号を用いる場合は、通常、JIS3号水ガラ
ス70〜120容量部を水で希釈して200容量部にし
たものをA液として使用する。A液中の珪酸ソーダの濃
度は高くするほど処理地盤の強度を大きくすることがで
きる。
【0023】一方、珪酸ソーダ濃度が高くなりすぎると
薬液の粘度が高くなり、ポンプによる圧送の際機器負荷
が増大したり、薬液の地盤内での浸透性が低下する傾向
にある。
【0024】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液の硬化剤
は、スルファミン酸に後述する鉱酸のアンモニウム塩と
水溶性多価金属塩を後述の量比で配合することで得られ
る。スルファミン酸は上記A液を地盤内でゲル化させる
ために用いられるものであって、一般に市販されている
ものを用いることができる。
【0025】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤の配合成分の鉱酸のアンモニウム塩とは、スルフ
ァミン酸、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、ピロ燐酸、硼酸、
炭酸、アルミン酸、塩素酸、過塩素酸、珪フッ酸、重ク
ロム酸、過マンガン酸などの鉱酸のアンモニウム塩であ
り、安全性・取り扱い性から、スルファミン酸アンモニ
ウムが好ましい。
【0026】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤の配合成分である鉱酸のアンモニウム塩の配合量
はスルファミン酸100質量部当たりの下限値として
0.013質量部、好ましくは0.2質量部以上であ
る。上限値としては1質量部、好ましくは0.5質量部
以下である。
【0027】酸性アンモニウム塩の配合量が本発明で規
定する量比よりも少ない場合は硬化剤の溶解時間が長く
なり、一方、多い場合は硬化剤の使用量が多くなり、本
発明が目的とする性能が得られない。
【0028】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤の配合成分の水溶性多価金属塩とは、スルファミ
ン酸、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、ピロ燐酸、硼酸、炭
酸、アルミン酸、塩素酸、過塩素酸、珪フッ酸、重クロ
ム酸、過マンガン酸などの鉱酸の2価または3価金属の
塩のうち水溶性のものである。この中で、水溶性のカル
シウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩が好まし
い。なかんずく有用な水溶性多価金属塩としては、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウムを例
示することができる。なお、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、アルミニウム塩であっても、例えば硫酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシ
ウムなど水に対し難溶性の塩もあるが、これら難溶性の
塩は土質安定用薬液としてのB液を調製できず、実質上
使用できない。また、金属塩として、塩化ナトリウム、
塩化カリウムなどの1価の金属塩などの本発明で規定す
る配合成分以外のもののみを配合しても、本発明が目的
とする硬化体(ホモゲル体)の一軸圧縮強度が得られな
い。
【0029】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤の配合成分である水溶性多価金属塩の配合量は、
スルファミン酸100質量部当たりの下限値としては5
質量部、好ましくは20質量部であり、上限値としては
30質量部である。水溶性多価金属塩の配合量が本発明
で規定する量比の範囲を外れた場合は、本発明が目的と
する硬化体(ホモゲル体)の一軸圧縮強度が得られな
い。
【0030】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤の配合成分である酸性アンモニウム塩及び水溶性
多価金属塩は一般に市販されているものを用いることが
できる。本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる硬化
剤は水に溶解してB液として用いる。
【0031】水溶性多価金属塩の使用量は、A液とB液
とを混合した薬液において、薬液中のSiO成分に対
する硬化剤中の水溶性多価金属塩のモル比SiO/多
価金属塩が、下限値10、上限値135の範囲内におい
て、所望のゲルタイムに応じて薬液のゲルタイムを短く
する場合は多く、薬液のゲルタイムを長くする場合は少
なく調節して用いる。
【0032】薬液中のSiO成分に対する硬化剤中の
水溶性多価金属塩のモル比(SiO /水溶性多価金属
塩)が10より小さい場合は、ゲル体の主体をなす薬液
中のSiO成分が析出し沈降して均一な硬化体が得ら
れなくなる。
【0033】一方、薬液中のSiO成分に対する硬化
剤中の多価金属塩のモル比(SiO /水溶性多価金属
塩)が135よりも大きい場合は、本発明が目的とする
硬化体(ホモゲル体)の一軸圧縮強度が得られない。
【0034】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤を地盤安定化工法に用いる場合、主剤としてアル
カリ珪酸塩を主成分とするものと必要に応じて水とを混
合したA液を調製する。また、本発明で規定した硬化剤
と水とを混合したB液を調製する。さらに、A液とB液
の混合液中におけるSiO/水溶性多価金属塩のモル
比が本発明で規定したモル比となるように混合して得ら
れた薬液を地盤内に注入して硬化させて、地盤を安定化
させる。
【0035】薬液の注入に際しては、短管式、二重管
式、多重管式等の各種注入管を用いることができ、又、
A液とB液とを予め混合して注入管に導く方法、A液と
B液とを注入管の基部に設けた混合部、例えばY字管形
状の混合部で混合、注入する方法、A液とB液とをそれ
ぞれ独立に注入管に導いて注入管から地盤内に注入しな
がら地盤内において合流、混合させるなど、適宜の方法
を薬液のゲルタイムや施工性に応じて採用することがで
きる。
【0036】以上述べたように、本発明の珪酸塩系土質
安定用薬液を用いると、低温時の施工においても硬化剤
の水に対する溶解速度が速く、硬化剤の量比が従来より
も少量であっても所定のゲルタイムが得られ、薬液のゲ
ルタイム十数秒以内であっても十分程度であっても得ら
れる硬化体に高い強度を付与でき、薬液中のSiO2
分の析出し沈降して均一な硬化体が得られなくなって、
地盤の安定化処理ができなくなるといった不測の事態も
回避できる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】実施例及び比較例 A液:JIS3号珪酸ソーダ80リットルに水120リ
ットルを加えて調製した。
【0039】B液:スルファミン酸と各種配合成分を表
1に記載の量を容量が200リットルとなるように水に
溶解して調製した。
【0040】スルファミン酸は工業用品を、各種配合成
分は試薬1級を用いた。
【0041】各試験におけるスルファミン酸の量、配合
成分の種類、量、B液200リットルにおける硬化剤組
成物の配合量、A液とB液との混合液(A+B液)中にお
けるSiO/水溶性多価金属塩ないし、比較例として
1価の金属塩のモル比、及び硬化剤及び薬液の性能評価
項目として、硬化剤組成物20kgを含むB液200リ
ットルを調製時での5℃における硬化剤組成物の溶解時
間、A液とB液混合時の状況(表中では混合状況と表
示)、A液とB液との混合液のゲルタイム、形成された
硬化体(ホモゲル体)の材令1日の一軸圧縮強度のそれ
ぞれについての測定結果と総合評価を表1に示した。
【0042】表の配合成分としての鉱酸のアンモニウム
塩や水溶性多価金属塩の種類の欄において、C:スルフ
ァミン酸アンモニウム、D:硫酸アンモニウム、E:塩
化カルシウム、F:塩化マグネシウム、G:硫酸アルミ
ニウム、H:塩化カリウムを示す。
【0043】また、硬化剤及び薬液性能の各評価項目の
試験法と評価の基準は以下の通りである。
【0044】硬化剤溶解時間:5℃の環境下、ドラム缶
内に硬化剤組成物20kgと硬化剤溶解後のB液が20
0リットルとなるように5℃の水を加え、ミキサー(パ
ワーミックスPM220B東芝(株)製)を用いて攪拌
し、硬化剤が完全に溶解し均一な水溶液となるまでに要
した時間を測定した。なお、同欄では硬化剤組成物20
kgの場合の測定結果を示し、表記:*は測定しなかっ
たことを示す。
【0045】A液とB液混合時の状況:液温20℃にお
いて、等容量のA液とB液をよく混合して容器内に静置
し、混合液の状況を目視観察した。同欄における表記:
○は珪酸成分の析出し沈降することが無く、均一なゲル
体が形成されたことを示し、表記:×は珪酸成分が析出
し沈降して、均一なゲル体が形成されなかったことを示
す。
【0046】薬液のゲルタイム:液温20℃において、
当容量のA液とB液をよく混合して容器内に静置し、混
合液の流動性がなくなるまでの所要時間をゲルタイムと
した。
【0047】硬化体の一軸圧縮強度:液温20℃におい
て、A液とB液の当容量混合液を円柱型の型枠(径5c
m×高さ10cm)内に流し込み、形成された硬化体
(ホモゲル体)の材令1日の一軸圧縮強度を測定した。
【0048】なお、表1中、表記:−は、硬化剤溶解時
間、A液とB液混合時の状況、15秒未満のゲルタイム
の薬液を得るに必要な硬化剤の使用量、の何れかの性能
が本発明の目的に達していなかったため、測定しなかっ
たことを示す。
【0049】総合評価:硬化剤20kgの5℃での溶解
時間が8分以内、混合状況が○、10秒未満のゲルタイ
ムの薬液を得るに必要な硬化材液200リットル中の硬
化剤の使用量が20kg未満、ゲルタイムが十〜十数分
程度の場合は、測定した一軸圧縮強度が0.01N/m
以上であり、ゲルタイムが15秒未満の場合は一軸
圧縮強度が0.03N/mm以上であるものを○と
し、何れかの性能が上記基準に達しないものを×とし
た。
【0050】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の要件を満たした場合
には、硬化剤20kgの5℃での溶解時間が8分以内で
あり、A液とB液の混合時にも珪酸成分の析出・沈降が
無く均一なゲル体が形成され、硬化剤液200リットル
中の硬化剤の使用量が20kg未満で15秒未満のゲル
タイムの薬液が得られ、ゲルタイムが十〜十数分程度と
した場合に形成された硬化体(ホモゲル体)の材令1日
の一軸圧縮強度が0.01N/mm以上であり、ゲル
タイムが15秒未満とした場合は硬化体の材令1日の一
軸圧縮強度が0.03N/mm以上となり、本発明の
目的を達成することができたのに対し、本発明で規定す
る配合成分を用いても、スルファミン酸に対する鉱酸の
アンモニウム塩や水溶性多価金属塩の量比が本発明の規
定から外れた場合や、水溶性多価金属塩の珪酸成分に対
するモル比が本発明の規定から外れた場合は、硬化剤2
0kgの5℃での溶解時間が長かったり、珪酸成分が析
出し沈降したり、硬化剤の使用量が20kg未満で15
秒未満のゲルタイムの薬液が得られなかったり、得られ
た硬化体の強度が低くなるなど、本発明の目的を達成で
きなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の珪酸塩系土質安定用薬液に用い
る硬化剤は、従来のスルファミン酸に水溶性無機塩を配
合成分として併用する珪酸塩系土質安定用薬液に用いる
硬化剤に比較し、下記の特徴を有する。 低温時の施工においても硬化剤の水に対する溶解速度
が速い。 アルカリ珪酸塩に対する硬化剤の量比が従来よりも少
量であっても所定のゲルタイムが得られる。 本発明の硬化剤を用いて調製される珪酸塩系土質安定
用薬液は、薬液中の珪酸成分が析出し沈降することがな
いため、得られる硬化体が不均一となるようなことがな
い。 薬液のゲルタイムを十分〜十数分とした場合であって
も十数秒以内とした場合であっても得られる硬化体の強
度発現が良好である。 従って、より安全・確実・効率的に地盤を安定化でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 103:00 C09K 103:00 Fターム(参考) 2D040 AA04 AB01 CA10 CB03 CC01 CD01 CD06 CD09 4H026 CA03 CB01 CB03 CB05 CC04 CC06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ珪酸塩水溶液を含む主剤液と硬
    化剤の水溶液を組み合わせてなる珪酸塩系土質安定用薬
    液であって、硬化剤がスルファミン酸100質量部に対
    して鉱酸のアンモニウム塩0.013〜1質量部、水溶
    性多価金属塩5〜30質量部を含んでなり、主剤液のS
    iO成分に対する硬化剤中の水溶性多価金属塩のモル
    比(SiO/水溶性多価金属塩)が10〜135とな
    るように配合されてなることを特徴とする珪酸塩系土質
    安定用薬液。
  2. 【請求項2】 鉱酸のアンモニウム塩がスルファミン酸
    アンモニウムである請求項1記載の珪酸塩系土質安定用
    薬液。
  3. 【請求項3】 水溶性多価金属塩が、カルシウム塩、マ
    グネシウム塩、アルミニウム塩よりなる群から選ばれた
    少なくも1種である請求項1または2記載の珪酸塩系土
    質安定用薬液。
  4. 【請求項4】 珪酸塩系土質安定用薬液を地盤内に注入
    し、地盤内で硬化させて地盤を安定化させるにあたり、
    請求項1乃至3いずれか一項に記載の珪酸塩系土質安定
    用薬液を用いることを特徴とする地盤安定化工法。
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