JP2014043582A - 硬化剤 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

【課題】硬化時間が瞬結型に調整された場合でも、地盤に対する浸透性が高い珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤の提供。
【解決手段】珪酸ナトリウムを5質量%以上含有する主剤液に混合して珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤であって、当該硬化剤は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩とからなり、前記硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とからなり、かつ、前記硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、当該硬化剤液200リットルあたり、3〜15モルである、硬化剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、地盤改良のための珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤に関する。
従来、軟弱地盤を強化したり漏水地盤を止水したりするために、種々の薬液を地盤内に注入し地盤内でゲル化させる地盤安定化工法が知られている。薬液としては、安価であることから、珪酸ナトリウム水溶液を主剤とし、これに硬化剤成分の水溶液ないし水懸濁液とを組合せた薬液である珪酸塩系土質安定用薬液が広く使用されている。
珪酸塩系土質安定用薬液には、以下に示す性質や性能が要求される。
(i)硬化時間(ゲルタイム)の調節が容易で、しかも調節範囲が広いこと。
(ii)高い硬化体強度が得られること。
(iii)土質安定薬液の地盤への浸透性が高いこと。
現在、珪酸塩系土質安定用薬液の硬化剤としては様々なものが知られているが、中でも、その使用量を変えることで珪酸塩系土質安定用薬液の硬化時間を数秒から1〜2時間程度まで幅広く調整することができ、取扱いが容易なこと等から、硫酸水素ナトリウムを主成分とする、いわゆる硫酸水素塩系硬化剤が広く用いられている。
本出願人は「高い硬化体強度が得られること」を目的として、特許文献1および特許文献2にて、硫酸水素ナトリウムと、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物とからなる硫酸水素塩系硬化剤を用いた珪酸塩系土質安定用薬液を提案した。
具体的に、特許文献1では、硫酸水素ナトリウムと、水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと、硫酸水素ナトリウムに対して3〜30質量%の硫酸アルミニウムとからなる硬化剤を用いた珪酸塩系土質安定用薬液が提案されている。すなわち、この珪酸塩系土質安定用薬液にはアルミニウム化合物とマグネシウム化合物が含まれている。そして、この珪酸塩系土質安定用薬液によれば、珪酸塩系土質安定用薬液の硬化時間が数秒ないし十数秒の、いわゆる瞬結工法での施工を行った場合でも高い硬化体強度が得られる、とされている。
特許文献2では、硫酸水素ナトリウムと、硫酸水素ナトリウムに対して1〜5質量%の水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと、硫酸水素ナトリウム成分に対して8〜20質量%の硫酸アルミニウムとからなる硬化剤を用い、SiO/NaOモル比が3.3〜4.2の珪酸ソーダ水溶液中の珪酸ソーダのSiOに対して、硫酸水素ナトリウムと水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと硫酸アルミニウムの合計が27〜35質量%の割合とする珪酸塩系土質安定用薬液が提案されている。すなわち、この珪酸塩系土質安定用薬液においてもアルミニウム化合物とマグネシウム化合物が含まれている。そして、この珪酸塩系土質安定用薬液によれば、珪酸塩系土質安定用薬液の硬化時間をダブルパッカー注入方式に適した1時間から1時間40分程度とした場合でも高い硬化体強度が得られる、とされている。
特公昭62−47915号公報 特開2004−323690号公報
ところで、硬化剤の現場への搬入作業や、施工現場での硬化剤液の調製作業等での作業効率性を考慮すると、所望の硬化時間や強度を得るための硬化剤の使用量は少ない程よい。
硬化剤の使用量を少なくして硬化時間を数分から数時間程度、いわゆる緩結型から長結型に調整した珪酸塩系土質安定用薬液は、地盤に対する浸透性に優れる。しかし、その一方で、地下水流の大きい地盤や空隙の大きい地盤等、地盤条件によっては、土質安定用薬液が硬化(ゲル化)しないうちに施工箇所以外の地盤に流出し、施工を不確実なものにする場合があった。
対して、硬化剤の使用量を多くして硬化時間を数秒から十数秒程度、いわゆる瞬結型に調整した珪酸塩系土質安定用薬液は、施工箇所以外の地盤に流出しにくいものの、地盤に対する浸透性に乏しく、均質な地盤改良が行われにくい場合があった。
従って、施工をより確実なものにするためには、瞬結型に調整された珪酸塩系土質安定用薬液と、緩結型から長結型に調整された珪酸塩系土質安定用薬液を適宜使い分けて施工を行う場合もあった。この場合、一つの施工現場において、硬化時間の異なる2種以上の珪酸塩系土質安定用薬液を使い分けるため、施工を煩雑なものにしていた。
しかしながら、特許文献1、2に記載の珪酸塩系土質安定用薬液は、硬化時間の調節が容易でしかも調節範囲が広く、かつ高い硬化体強度が得られるものの、特許文献1、2のいずれにも、地盤への浸透性を向上させるための技術的知見は一切言及されていない。
なお、特許文献1、2に記載の珪酸塩系土質安定用薬液には、硫酸水素ナトリウムに対して特定量の硫酸アルミニウムが含まれるが、硫酸アルミニウムには化学式:Al(SOで表される無水塩の他、化学式:Al(SO・nHO(n=6、10、16、18、27)で表される多種の含水塩が存在する。そして、各々の含水塩では、例えば融点や溶解度などの物理化学的性質が異なることは周知である。従って、硫酸アルミニウム無水塩と硫酸アルミニウム含水塩とは異なる物質であると言える。
しかしながら、特許文献1、2には、単に「硫酸アルミニウム」としか記載されていないため、それが無水塩であるのか、含水塩であるのかが不明である。ただし、単に「硫酸アルミニウム」と言えば、それは無水塩を示すのが一般的である。また、特許文献1、2には、硫酸アルミニウム無水塩を用いた場合と硫酸アルミニウム含水塩を用いた場合とで効果に違いが生じることは記載されていない。
本発明の目的は、硬化時間が瞬結型に調整された場合でも、地盤に対する浸透性が高い珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、珪酸ナトリウム水溶液を主剤とし、硫酸水素ナトリウムを硬化剤とする珪酸塩系土質安定用薬液において、単位容積の硬化剤中に、特定のアルミニウム化合物のみを特定のモル数で配合することで、土質安定用薬液の硬化時間が浸透性に乏しい瞬結型として調整された場合でも、従来よりも高い浸透性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 珪酸ナトリウムを5質量%以上含有する主剤液に混合して珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤であって、当該硬化剤は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩とからなり、前記硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とからなり、かつ、前記硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、当該硬化剤液200リットルあたり、3〜15モルである、硬化剤。
[2] 前記硬化剤液は、前記硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、当該硬化剤液200リットルあたり、3〜13モルである、[1]に記載の硬化剤。
[3] 前記珪酸ナトリウムは、SiO/NaOモル比が3.3〜4.2である、[1]または[2]に記載の硬化剤。
[4] 前記硫酸アルミニウム含水塩が、硫酸アルミニウム18水塩および/または硫酸アルミニウム16水塩である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬化剤。
本発明における珪酸塩系土質安定用薬液は、硬化時間が瞬結型に調整された場合でも、地盤に対する浸透性が高い。
また、本発明における地盤安定化工法によれば、均質な地盤改良を行うことができ、確実で効率的に地盤を安定化できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[珪酸塩系土質安定用薬液]
本発明における珪酸塩系土質安定用薬液(以下、単に「薬液」という場合がある。)は、主剤液と硬化剤液とを含む。
主剤液は、珪酸ナトリウムを主成分とする。
珪酸ナトリウムとしては、従来、珪酸塩系土質安定用薬液に用いられているものが使用できる。例えば、日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている1〜3号珪酸ナトリウムが好ましいが、これらに限定されず、日本工業規格以外のものであってもよい。また、SiO/NaOモル比が、4〜6の範囲にあるシリカゾルを用いることもできる。
これらの中でも、より高い浸透性が得られることから、SiO/NaOモル比が、3.3〜4.2の範囲である珪酸ナトリウムを用いるのが好ましい。このような珪酸ナトリウムとしては、一般に市販されている5号珪酸ナトリウム(例えば、東洋珪酸曹達株式会社製)等が挙げられる。
これら珪酸ナトリウムは一般に水溶液状になっているが、施工時に更に水で希釈して土質安定化に適した適宜の濃度にすることができる。例えば、主剤液と硬化剤液とを等容量ずつ混合しながら地盤中に注入する通常の施工方法において、珪酸ナトリウム源として日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ナトリウムを用いる場合、当該3号珪酸ナトリウム50〜150容量部を水で希釈して200容量部にしたものを主剤液として使用するのが好ましい。より好ましくは60〜140容量部、さらに好ましくは70〜120容量部の3号珪酸ナトリウムを、水で希釈して200容量部にして主剤液として使用する。
当該3号珪酸ナトリウムを50容量部以上使用すると、地盤安定化の効果(硬化体の強度)が十分に得られるようになる。一方、3号珪酸ナトリウムを150容量部以下使用すると、薬液の粘度が高くなることにより薬液の粘度が増大し、ポンプによる圧送の際のポンプ負荷が増大したり、薬液の地盤内での浸透性が低下したりするのを防ぐことができる。
本発明において、主剤液は5質量%以上の珪酸ナトリウムを含有する。主剤液100質量%中、珪酸ナトリウムを5質量%以上含有することで、硬化剤と混合したときに十分な硬化効果が得られる。
主剤液中の珪酸ナトリウムの割合(濃度)は、高くなるほど処理地盤の初期強度を大きくすることができる。ただし、主剤液中の珪酸ナトリウムの濃度が高くなりすぎると、薬液の粘度が過度に上昇し、ポンプによる圧送の際に機器負荷が増大したり、薬液の地盤中での浸透性が低下したりする場合がある。従って、主剤液100質量%中の珪酸ナトリウムの濃度は、10〜35質量%が好ましい。
硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とからなる。
硫酸水素ナトリウムとしては、例えば工業用薬品、試薬等、一般に市販されているものを使用することができる。
硫酸水素ナトリウムの含有量は、所望する薬液の硬化時間に応じて調節すればよく、例えば硬化剤液200リットルあたり、5〜30kg程度であることが好ましく、より好ましくは8〜25kg程度である。硫酸水素ナトリウムの含有量が5kg以上であれば、珪酸ナトリウムと十分に反応することができるので、正常な硬化体を得ることができる。また、硫酸水素ナトリウムの含有量が30kg以下であれば、硬化剤液の調製(すなわち、硫酸水素ナトリウムの溶解)に長時間を費やすことがないので、効率が悪くなるのを防ぐことができる。
硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩としては、例えば工業用薬品、試薬等、一般に市販されているものを使用することができる。
ここで、「硫酸アルミニウム無水塩」とは、その結晶中に水分子を含まないもので、化学式:Al(SOで表されるものを指す。
また、「硫酸アルミニウム含水塩」とは、その結晶中に水分子を含むもので、化学式:Al(SO・nHO(n=6、10、16、18、27)で表されるものを指す。
硫酸アルミニウム含水塩における水の分子数(n)に特に制限はない。また、硫酸アルミニウム含水塩は、単一の水の分子数(n)のものであってもよいし、異なる水の分子数(n)の混合品であってもよい。
入手の容易さや安定性、さらには硬化剤液を調製する際の溶解性(溶解時間)などの点を考慮すると、硫酸アルミニウム含水塩を用いるのが好ましく、その中でも、n=18の硫酸アルミニウム18水塩および/またはn=16の硫酸アルミニウム16水塩が特に好ましい。
硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量は、硬化剤液200リットルあたり、3〜15モルであり、5〜13モルが好ましく、7〜10モルがより好ましい。なお、硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の両方を用いる場合には、その合計モル数が上記範囲内にあればよい。
硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、上記範囲内であれば、その理由は定かではないが、地盤に対する浸透性に優れた薬液が得られる。
硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩を水に溶解させて調製すればよく、溶解させる成分の順序は限定されない。硫酸水素ナトリウムを最初に溶解させてもよいし、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩を最初に溶解させてもよいし、全成分を同時に溶解させてもよい。
また、硬化剤液に溶解させる成分の溶解方法は限定されず、攪拌してもよいし、加熱溶解させてもよい。
なお、硬化剤液に、硫酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウム無水塩、および硫酸アルミニウム含水塩以外の成分、例えば酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物がさらに配合された場合には、理由は定かではないが、浸透性の向上の効果は得られない。
従って、本発明に用いる硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、特定量の硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とのみから実質的に構成される。
上述した主剤液と硬化剤液とを混合することで、珪酸塩系土質安定用薬液が得られる。主剤液と硬化剤液の比率(質量比)は特に制限はなく、目的に応じて比率が適宜設定される。
例えば珪酸塩系土質安定用薬液をアルカリ性のpH領域で硬化させる通常の施工方法において、珪酸塩系土質安定用薬液の硬化時間を短くする場合には、硬化剤液の割合を多くし、硬化時間を長くする場合には硬化剤液の割合を少なくすればよい。
また、硬化剤液の含有量を更に適宜調整することで、珪酸塩系土質安定用薬液を中性ないし酸性のpH領域で硬化させることもできる。
本発明における珪酸塩系土質安定用薬液は、主剤液と硬化剤液とから構成されていてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて添加剤等を含有してもよい。
添加剤としては、例えば塩化カリウム、硫酸ナトリウムなど、アルカリ金属中性塩が挙げられる。
以上説明した本発明における珪酸塩系土質安定用薬液は、硫酸水素ナトリウムと、特定量の硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とからなる硬化剤液を含有するので、硬化時間が瞬結型に調整された場合でも、地盤に対して優れた浸透性を発揮できる。
[地盤安定化工法]
本発明における珪酸塩系土質安定用薬液を用いた地盤安定化工法としては、上述したように調製した主剤液と硬化剤液とを適宜の比率で混合して珪酸塩系土質安定用薬液を製造し、これを地盤内に注入して硬化させ、地盤を安定化させる方法を例示できる。
珪酸塩系土質安定用薬液の地盤への注入に際しては、単管式、二重管式、多重管式などの各種注入管を用いることができる。
また、珪酸塩系土質安定用薬液の注入方法としては、(i)主剤液と硬化剤液とを予め混合して注入管に導く方法、(ii)主剤液と硬化剤液とを注入管の基部に設けた混合部、例えばY字管において混合して注入管に導く方法、(iii)主剤液と硬化剤液とをそれぞれ独立に注入管に導いて注入管内で混合する方法、(iv)主剤液と硬化剤液とをそれぞれ独立に注入管に導いて注入管から地盤内に注入しながら地盤内において合流・混合させる方法など、薬液の硬化時間や施工性に応じて適宜の方法を採用することができる。
本発明における地盤安定化工法によれば、上述した珪酸塩系土質安定用薬液を用いるので、硬化時間が瞬結型に調整されても、地盤に対する薬液の浸透性が高いので、均質な地盤改良を行うことができる。また、硬化時間を瞬結型に調整できるので、地下水流の大きい地盤や空隙の大きい地盤等、地盤条件によっては薬液が硬化(ゲル化)しないうちに施工箇所以外の地盤に流出して施工を不確実なものにする恐れがなく、確実・効率的に地盤を安定化できる。
以下に本発明を実施例や比較例を用いて更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例および比較例(試験番号1〜14)]
<主剤液の調製>
日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ナトリウム(SiO/NaOモル比:3.2)、あるいは、表1に示す組成(SiO/NaOモル比:3.81)の珪酸ナトリウム(5号珪酸ナトリウム;東洋珪酸曹達株式会社製)80リットルと、水120リットルを混合し、主剤液(硫酸ナトリウムの含有量は、JIS3号の場合は14質量%、5号珪酸ナトリウムの場合は12質量%)を調製した。
Figure 2014043582
<硬化剤液の調製>
表2に示す量(kg)の硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩または硫酸アルミニウム含水塩(いずれも試薬1級)に、全量が200リットルとなるように水を加えて溶解させ、硬化剤液を調製した。
なお、その他成分として酸化マグネシウム(試薬1級)を更に配合した硬化剤液も比較として調製した(試験番号9)。
<珪酸塩系土質安定用薬液の調製>
主剤液(200リットル)および硬化剤液(200リットル)を、比率が1:1となるように混合し、400リットルの珪酸塩系土質安定用薬液(薬液)を得た。得られた薬液について、性能を評価した。
主剤液における珪酸ナトリウムの種類、および硬化剤液における硫酸水素ナトリウムの量、硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の種類と量、その他配合成分としての酸化マグネシウムの量、ならびに薬液の性能としての試験項目と試験結果を表2にまとめて示した。
なお、薬液性能の試験項目と試験方法は下記の通りである。
<浸透性の評価>
5号硅砂を細密充填したアクリル製モールド(内径10cm×長さ250cm)に、薬液を注入速度14リットル/分で圧入(安全弁設定圧力:2MPa)し、薬液が硬化(ゲル化)した後、固結部分の長さを薬液の浸透距離として測定した。
<硬化時間の測定>
液温20℃において、薬液を容器内に静置し、薬液の流動性が消失するまでの所要時間を測定した。
Figure 2014043582
表2中、「珪酸Na」は珪酸ナトリウムを表し、「3号」は日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ナトリウムを表し、「5号」は表1に示す組成の珪酸ナトリウムを示す。
また、「硫酸水素Na」は硫酸水素ナトリウムを表し、「酸化Mg」は酸化マグネシウムを表す。
また、「硫酸Al」は硫酸アルミニウムを表し、「無水塩」は硫酸アルミニウム無水塩を表し、「16水塩」は硫酸アルミニウム16水塩を表し、「18水塩」は硫酸アルミニウム18水塩を表す。
なお、硫酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化マグネシウムの量は、硬化剤液200リットル中の量(kg)を表す。
表2から明らかなように、硬化剤液200リットルあたり、3〜15モルの硫酸アルミニウム無水塩または硫酸アルミニウム含水塩と、硫酸水素ナトリウムと、水とからなる硬化剤を用いた場合には、薬液の硬化時間が瞬結型であっても、薬液の浸透性に優れていた(試験番号3〜8、10〜13(実施例))。特に、SiO/NaOモル比が3.81の珪酸ナトリウム(5号珪酸ナトリウム)を用いた場合には、日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ナトリウム(SiO/NaOモル比:3.2)を用いた場合に比べ、浸透性が飛躍的に向上した(試験番号5と6の比較、試験番号7と8の比較、試験番号10と11の比較)。
これに対し、硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩を含有しない場合や、硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、硬化剤液200リットルあたり、2モルまたは16モルの場合は、実施例に比べて薬液の浸透性が劣っていた(試験番号1〜2、14(比較例))。
また、硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、硬化剤液200リットルあたり、8モルである場合でも、硬化剤液に酸化マグネシウムが更に配合されている場合には、実施例に比べて薬液の浸透性が劣っていた(試験番号9(比較例))。

Claims (4)

  1. 珪酸ナトリウムを5質量%以上含有する主剤液に混合して珪酸塩系土質安定用薬液を製造するために用いる硬化剤液の調製に用いる硬化剤であって、
    当該硬化剤は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩とからなり、
    前記硬化剤液は、硫酸水素ナトリウムと、硫酸アルミニウム無水塩および/または硫酸アルミニウム含水塩と、水とからなり、かつ、前記硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、当該硬化剤液200リットルあたり、3〜15モルである、硬化剤。
  2. 前記硬化剤液は、前記硫酸アルミニウム無水塩および硫酸アルミニウム含水塩の含有量が、当該硬化剤液200リットルあたり、3〜13モルである、請求項1に記載の硬化剤。
  3. 前記珪酸ナトリウムは、SiO/NaOモル比が3.3〜4.2である、請求項1または2に記載の硬化剤。
  4. 前記硫酸アルミニウム含水塩が、硫酸アルミニウム18水塩および/または硫酸アルミニウム16水塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化剤。
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