JP5450969B2 - 土質安定化薬液用硬化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤改良のためのアルカリ珪酸塩水溶液を主剤とした土質安定化薬液およびその土質安定化薬液に用いる硬化剤に関する。
従来、軟弱地盤を強化したり、漏水地盤を止水したりするために、種々の薬液を地盤内に注入して地盤内でゲル化させる地盤安定化工法が知られている。薬液としては、安価であることから、アルカリ珪酸塩水溶液を主剤とし、これに硬化剤成分の水溶液ないし水懸濁液とを組合せた薬液である水ガラス系土質安定化薬液が広く使用されている。
水ガラス系土質安定化薬液の硬化剤としては様々なものが知られているが、中でも、取扱いが容易なこと、その使用量を変えることで土質安定化薬液の硬化時間(ゲルタイム)を数秒から1〜2時間程度まで幅広く調整できることなどから、硫酸水素ナトリウムを主成分とする、いわゆる硫酸水素塩系硬化剤が広く用いられている。
本出願人は、特許文献1および特許文献2にて、硫酸水素ナトリウムと硫酸アルミニウムと水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムからなる硫酸水素塩系の硬化剤を提案した。
具体的に、特許文献1では、硫酸水素ナトリウムと、水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと、硫酸水素ナトリウムに対して3〜30質量%の硫酸アルミニウムとからなる硬化剤が提案されている。そして、このような硬化剤によれば、土質安定化薬液の硬化時間が十数秒の、いわゆる瞬結工法での施工を行った場合でも高い硬化体強度が得られる、とされている。
また、特許文献1には、下記の事項が記載されている。
・水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムの量比は、通常、硫酸水素ナトリウムに対し10質量%以内であること。
・硬化剤の使用量は、薬液の硬化時間を短くする場合には多くし、硬化時間を長くする場合には少なくする。例えば、JIS3号珪酸ソーダを80容量部含有する土質安定化薬液400容量部を、地盤中にて5℃の温度下、数秒間で硬化(ゲル化)させる場合には、硬化剤中に硫酸水素ナトリウムを31質量部程度使用すること。
特許文献2では、硫酸水素ナトリウムと、硫酸水素ナトリウムに対して1〜5質量%の水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと、硫酸水素ナトリウム成分に対して8〜20質量%の硫酸アルミニウムとからなる硬化剤が提案されている。この硬化剤では、SiO/NaOモル比が3.3〜4.2の珪酸ソーダ水溶液中の珪酸ソーダのSiOに対して、硫酸水素ナトリウムと水酸化マグネシウムおよび/または酸化マグネシウムと硫酸アルミニウムの合計が27〜35質量%の割合とする。そして、このような硬化剤によれば、土質安定化薬液の硬化時間(ゲルタイム)をダブルパッカー注入方式に適した1時間から1時間40分程度とした場合でも硬化体の圧縮強度の発現が良好である、とされている。
特公昭62−47915号公報 特開2004−323690号公報
ところで、硬化剤の現場への搬入作業や、施工現場での硬化剤液の調製作業等での作業効率性を考慮すると、所望の硬化時間や強度を得るための硬化剤使用量は少ない程よい。そのため、特許文献1,2に記載の硬化剤より少ない使用量で所望の硬化時間や強度が得られる土質安定化薬液用硬化剤が求められていた。
また、下記の事項も、硫酸水素塩系硬化剤を用いた土質安定化薬液の施工現場での作業効率を低下させる原因になっている。
・硬化剤の固結:硫酸水素塩系硬化剤は、長期間貯蔵すると、貯蔵中の温度や湿度等の不測の条件によっては固結することがあった。固結してしまった硬化剤をそのまま水に溶解させて硬化剤液を調製すると、溶解槽の攪拌翼を損傷させることがある。そのため、施工現場にて、固結した硬化剤を粉砕しなければならず、作業が煩雑になる上に、粉砕作業の時間が必要になる。
・硬化剤の低溶解性:硬化剤液調製において、土質安定化薬液の硬化時間(ゲルタイム)を短くして施工を行うために硬化剤量を多くすると、硬化剤液中での水に対する硬化剤の割合が多くなる。そのため、硬化剤の溶解性が低いと、硬化剤を水に溶解させて硬化剤液を調製する際に長時間を要する。
しかし、特許文献1や特許文献2には、これらを解決するための手段が記載されていない。
なお、特許文献1,2に記載の硬化剤には硫酸アルミニウムが含まれるが、硫酸アルミニウムには化学式:Al(SOで表される無水塩の他、化学式:Al(SO・nHO(n=6, 10, 16, 18, 27)で表される多種の含水塩が存在する。そして、各々の含水塩では、例えば融点や溶解度等の物理化学的性質が異なることは周知である。したがって、硫酸アルミニウム無水塩と硫酸アルミニウム含水塩とは異なる物質であると言える。
特許文献1や特許文献2には、単に「硫酸アルミニウム」としか記載されていないため、それが無水塩であるのか、含水塩であるのかが不明であるが、一般的に「硫酸アルミニウム」は無水塩である。そして、特許文献1,2には、硬化剤の構成成分として硫酸アルミニウム無水塩を用いた場合と硫酸アルミニウム含水塩を用いた場合とで効果に違いが生じることは記載されていない。
本発明の目的は、少ない使用量で所望の硬化時間や強度が得られ、長期間貯蔵されても固結を起こし難く、しかも水に対する溶解性が高い土質安定化薬液用硬化剤を提供することにある。また、少ない硬化剤使用量で所望の硬化時間や強度が得られる土質安定化薬液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決したとするには、硬化剤の固結性、硬化剤の溶解性、硬化時間(ゲルタイム)、硬化体(ホモゲル体)の強度が下記基準の全てを同時に満たすこととした。
(1)硬化剤の固結性:孔径0.5mmで6つのピンホールを設けた15cm×18cmのポリエチレン袋に硬化剤450gを密封したものを供試体とし、0.02N/mm荷重のもと、35℃湿度70%の環境下で一年間貯蔵する。その後、ポリエチレン袋内の硬化剤を目開き1.4mmの篩にあけ、篩上に残った硬化剤の質量Agと篩を通過した硬化剤の質量Bgを測定し、下式より求めた固結率が10%未満であること。
固結率(%)=A/(A+B) ×100
(2)硬化剤の溶解性:5℃の環境下、硬化剤液が200リットルとなるように、ドラム缶内に硬化剤22kgと水を入れ、ミキサーを用いて攪拌した際に硬化剤が3分以内に完全に溶解すること。
(3)薬液の硬化時間および硬化体強度
アルカリ珪酸塩として日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ソーダを用い、3号珪酸ソーダ80リットルおよび水120リットルを混合して調製した主剤液(A液)200リットルと、硬化剤26kgを水に懸濁して調製した硬化剤液(B液)200リットルとを等容量ずつ混合して得た薬液が温度5℃において;
・硬化時間:8秒以内で硬化(ゲル化)すること。
・硬化体強度:薬液が硬化して60分経過した後、形成された硬化体の一軸圧縮強度値が、0.03N/mm以上であること。
本発明者らが、上記の基準の全てを満たす硬化剤について検討した結果、硬化剤が硫酸水素ナトリウムと硫酸アルミニウム含水塩と酸化マグネシウムとを特定量含有することで、上記基準の全てを同時に満たすことを見出した。そして、その知見により、以下の土質安定化薬液用硬化剤を発明した。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] アルカリ珪酸塩水溶液を主剤とした土質安定化薬液に用いる硬化剤であって、
(a)成分:硫酸水素ナトリウムと、
(b)成分:(a)成分100質量部に対して20〜30質量部の硫酸アルミニウム含水塩と、
(c)成分:(a)成分100質量部に対して2〜4質量部の酸化マグネシウムと、を含有することを特徴とする土質安定化薬液用硬化剤。
[2] (b)成分が、硫酸アルミニウム18水塩および/または硫酸アルミニウム16水塩である、[1]記載の土質安定化薬液用硬化剤。
[3] (b)成分が、最大粒子径が0.5mm以下の硫酸アルミニウム含水塩である、[1]または[2]に記載の土質安定化薬液用硬化剤。
本発明の土質安定化薬液用硬化剤は、少ない使用量で所望の硬化時間や強度が得られ、長期間貯蔵されても固結を起こし難く、しかも水に対する溶解性が高い。
本発明の土質安定化薬液では、少ない硬化剤使用量で所望の硬化時間や強度が得られる。
(土質安定化薬液用硬化剤)
本発明の土質安定化薬液用硬化剤(以下、硬化剤と略す。)は、(a)成分:硫酸水素ナトリウムと、(b)成分:硫酸アルミニウム含水塩と、(c)成分:酸化マグネシウムを含有する。
[硫酸水素ナトリウム]
硫酸水素ナトリウムとしては、例えば、工業用薬品、試薬等、一般に市販されているものを使用できる。
硫酸水素ナトリウムの粒度には特に制限はないが、水に対する溶解性の点から、最大粒子径が3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。このような最大粒子径の硫酸水素ナトリウムを得るためには、例えば、一般に市販されている硫酸水素ナトリウムを篩等により分級すればよい。
[硫酸アルミニウム含水塩]
硫酸アルミニウム含水塩としては、化学式:Al(SO・nHO(n=6,10,16,18,27)で表される硫酸アルミニウム含水塩を用い、例えば工業用薬品、試薬等、一般に市販されているものが使用できる。
硫酸アルミニウム含水塩における水の分子数(n)に特に制限はない。また、硫酸アルミニウム含水塩は、単一の水の分子数(n)のものであってもよいし、異なる水の分子数(n)の混合品であってもよい。
入手の容易さや安定性の点を考慮すると、硫酸アルミニウム含水塩の中でも、n=18の硫酸アルミニウム18水塩および/またはn=16の硫酸アルミニウム16水塩が好ましい。
硫酸アルミニウム含水塩の粒度には特に制限はないが、水に対する溶解性の点から、最大粒子径が0.5mm以下であることが好ましい。このような最大粒子径の硫酸アルミニウム含水塩を得るためには、例えば、一般に市販されている硫酸アルミニウム含水塩を篩等により分級すればよい。
なお、本発明の硬化剤における(b)成分として、化学式:Al(SOで表される硫酸アルミニウム無水塩を用いた場合には、硬化剤の溶解性の性能が不充分になり、本発明の目的を達成できない。
硬化剤における硫酸アルミニウム含水塩の含有量は、硫酸水素ナトリウム100質量部に対して20質量部以上、好ましくは21質量部以上であり、30質量部以下、好ましくは29質量部以下である。
硫酸アルミニウム含水塩の含有量が前記下限値よりも少ないと、硬化時間と硬化体の強度の両性能が不充分になる。一方、硫酸アルミニウム含水塩の含有量が前記上限値よりも多いと、硬化剤の溶解性が不充分になる。
[酸化マグネシウム]
酸化マグネシウムとしては、例えば、工業用薬品、試薬等、一般に市販されているものを使用できる。
酸化マグネシウムの粒度には特に制限はないが、硬化剤の固結性や硬化剤の溶解性の面から、最大粒子径が0.5mm以下であることが好ましい。このような最大粒子径の酸化マグネシウムを得るためには、例えば、一般に市販されている酸化マグネシウムを篩等により分級すればよい。
なお、本発明の硬化剤における(c)成分として、水酸化マグネシウムを用いた場合には、硬化剤の固結性の性能が不充分になり、本発明の目的を達成できない。
硬化剤における酸化マグネシウムの含有量は、硫酸水素ナトリウム100質量部に対して2質量部以上であり、4質量部以下である。
酸化マグネシウムの含有量が前記下限値よりも少ないと、硬化時間と硬化体強度の両性能が不充分になる。一方、酸化マグネシウムの含有量が前記上限値よりも多いと、硬化剤の固結性の性能が不充分になる。
[硬化剤の作用効果]
本発明者らが調べた結果、上記の土質安定化薬液用硬化剤は、固結率が10%未満、溶解時間が3分以内、硬化時間が8秒以内、硬化体の一軸圧縮強度値が0.03N/mm以上になることが判明した。よって、本発明の土質安定化薬液用硬化剤は、少ない使用量で所望の硬化時間や強度が得られ、長期間貯蔵されても固結を起こし難く、しかも水に対する溶解性が高いものである。
(土質安定化薬液)
本発明の土質安定化薬液は、上述した硬化剤と、主剤液(A液)であるアルカリ珪酸塩水溶液とを含有する。
アルカリ珪酸塩としては、例えば、SiO/NaOモル比が2〜4の珪酸ソーダ、SiO/NaOモル比が4〜6の範囲であるシリカゾル等を用いることができる。中でも、日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている1〜3号珪酸ソーダが好ましく、3号珪酸ソーダがより好ましい。
上記珪酸ソーダは通常の形態で水溶液状になっているが、施工時に水でさらに希釈して土質安定化に適した適宜の濃度にすることができる。例えば、珪酸ソーダとして日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ソーダを用いて調製した主剤液(A液)と硬化剤を含む水懸濁液からなる硬化剤液(B液)を等容量ずつ混合しながら地盤中に注入する通常の施工方法においては、3号珪酸ソーダ60〜120容量部を水で希釈して200容量部とすることができる。
なお、主剤液(A液)中の珪酸ソーダ濃度が高くなる程、処理地盤の強度を大きくすることができる。
土質安定化薬液における硬化剤の含有量には特に制限はなく、目的に応じて含有量が適宜選択される。
土質安定化薬液をアルカリ性のpH領域で硬化させる通常の施工方法において、土質安定化薬液の硬化時間を短くする場合には、硬化剤の含有量を多くし、硬化時間を長くする場合には硬化剤の含有量を少なくする。
例えば、日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ソーダ80リットルおよび水120リットルからなる主剤液(A液)200リットルと、これと等容量の本発明の硬化剤を含む水懸濁液からなる硬化剤液(B液)200リットルとを含む土質安定化薬液400リットルにより地盤を安定化させる場合には、硬化剤液(B液)中に本発明の硬化剤を10kg〜30kg含有させることが好ましい。
また、硬化剤の含有量を更に適宜調整することで、土質安定化薬液を中性ないし酸性のpH領域で硬化させることもできる。
本発明の土質安定化薬液を用いた土質安定化の施工方法としては、例えば、アルカリ珪酸塩および水を混合して得た主剤液(A液)と、本発明の硬化剤の水懸濁液からなる硬化剤液(B液)をそれぞれ調製し、調製された主剤液(A液)と硬化剤液(B液)とを適宜の比率で混合して土質安定化薬液を得て、これを地盤内に注入し硬化させて、地盤を安定化させる方法などが挙げられる。
土質安定化薬液の地盤内への注入に際しては、単管式、二重管式、多重管式などの各種注入管を用いることができる。
また、土質安定化薬液の注入方法としては、A液とB液を予め混合して注入管に導く方法、A液とB液とを注入管の基部に設けた混合部、例えば、Y字管において混合して注入管に導く方法、A液とB液とをそれぞれ独立に注入管に導いて注入管内で混合する方法、A液とB液とをそれぞれ独立に注入管に導いて、注入管から地盤内に注入しながら地盤内にて合流・混合させる方法等が挙げられる。これらの方法は、薬液の硬化時間や施工性に応じて適宜採用することができる。
以下に、実施例および比較例を示して本発明を更に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例(試験番号1〜13)>
合計の質量が1トンになるように、(a)成分:3mmの篩を通過させた硫酸水素ナトリウムと、(b)成分:0.5mmの篩を通過させた硫酸アルミニウム18水塩または硫酸アルミニウム無水物と、(c)成分:酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムとを、表1に示す割合で、ナウターミキサーに投入し、30分間混合して硬化剤を得た。(a)〜(c)の各成分はいずれも市販の工業薬品を用いた。
なお、試験番号1〜3は(b)成分または(c)成分の種類の影響、試験番号4〜9は(b)成分の含有量の影響、試験含有量10〜13は(c)成分の含有量の影響について示している。
Figure 0005450969
得られた硬化剤について、固結性、溶解性、硬化時間および硬化体強度を以下のように評価した。評価結果を表1に示す。
(1)硬化剤の固結性:孔径0.5mmで6つのピンホールを設けた15cm×18cmのポリエチレン袋に硬化剤450gを密封したものを供試体とし、0.02N/mm荷重のもと、35℃湿度70%の環境下で一年間貯蔵した。その後、ポリエチレン袋内の硬化剤を目開き1.4mmの篩にあけ、篩上に残った硬化剤の質量Agと篩を通過した硬化剤の質量Bgを測定した。そして、下式より固結率を求めた。
固結率(%)=A/(A+B) ×100
評価○:固結率の値が10%未満であった。
評価×:固結率の値が10%以上であった。
(2)硬化剤の溶解性:5℃の環境下、硬化剤液が200リットルとなるように、ドラム缶内に硬化剤22kgと水を入れ、ミキサー(パワーミックスPM220B:(株)東芝製)を用いて攪拌した。そして、硬化剤が完全に溶解するまでの時間を測定した。
評価○:硬化剤が3分以内に完全に溶解した。
評価×:硬化剤が完全に溶解するのに3分を超えた。
(3−a)硬化時間:液温5℃において、下記のように調製した主剤液と硬化剤液の当容量を混合した後に静置し、混合液の流動性が消失するまでの所要時間を測定した。
主剤液(A液):アルカリ珪酸塩として日本工業規格(JIS K−1408)に規定されている3号珪酸ソーダ80リットルに水を加え混合し、200リットルとなるように調整して得た。
硬化剤液(B液):硬化剤26kgに水を加え溶解し、200リットルとなるように調整して得た。
評価○:硬化時間が、8秒以内であった。
評価×:硬化時間が、8秒を超えて長かった。
(3−b)硬化体強度:液温5℃において、上記(3)に記載の主剤液と硬化剤液の当容量混合液を円柱型の型枠(径5cm×高さ10cm)内に流し込み、形成された硬化体の材令60分の一軸圧縮強度を測定した。
評価○:硬化体の一軸圧縮強度値が、0.03N/mm以上であった。
評価×:硬化体の一軸圧縮強度値が、0.03N/mm未満であった。
(4)総合評価:
総合評価○:硬化剤の固結性、硬化剤の溶解性、硬化時間、硬化体強度の評価がいずれも○であった。
総合評価×:評価項目の少なくとも一つが×であった。
表1から明らかなように、硫酸水素ナトリウムと、硫酸水素ナトリウム100質量部に対して20〜30質量部の硫酸アルミニウム含水塩と、硫酸水素ナトリウム100質量部に対して2〜4質量部の酸化マグネシウムとを含有する試験番号1,5〜8,11,12の実施例では、硬化剤の固結性、硬化剤の溶解性、硬化時間、硬化体強度の性能基準を全て同時に満たしていた。
なお、(b)成分として硫酸アルミニウム18水塩の代わりに硫酸アルミニウム16水塩を用いても硫酸アルミニウム18水塩と同様の結果が得られることは別途確認している。
これに対し、(b)成分として硫酸アルミニウム18水塩の代わりに硫酸アルミニウム無水塩を用いた試験番号2の例では、硬化剤の溶解性が低かった。
(c)成分として酸化マグネシウムの代わりに水酸化マグネシウムを用いた試験番号3の例では、固結性が低かった。
硫酸アルミニウム18水塩の含有量が20質量部未満であった試験番号4の例では、硬化時間が長く、硬化体の強度が低かった。
硫酸アルミニウム18水塩の含有量が30質量部を超えていた試験番号9の例では、硬化剤の溶解性が低かった。
酸化マグネシウムの含有量が2質量部未満であった試験番号10の例では、硬化剤の固結性が低く、硬化時間が長く、硬化体の強度が低かった。
酸化マグネシウムの含有量が4質量部を超えていた試験番号13の例では、硬化剤の溶解性が低かった。

Claims (3)

  1. アルカリ珪酸塩水溶液を主剤とした土質安定化薬液に用いる硬化剤であって、
    (a)成分:硫酸水素ナトリウムと、
    (b)成分:(a)成分100質量部に対して20〜30質量部の硫酸アルミニウム含水塩と、
    (c)成分:(a)成分100質量部に対して2〜4質量部の酸化マグネシウムと、を含有することを特徴とする土質安定化薬液用硬化剤。
  2. (b)成分が、硫酸アルミニウム18水塩および/または硫酸アルミニウム16水塩である、請求項1記載の土質安定化薬液用硬化剤。
  3. (b)成分が、最大粒子径が0.5mm以下の硫酸アルミニウム含水塩である、請求項1または2に記載の土質安定化薬液用硬化剤。
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