JP4328573B2 - 振れ補正装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ、ビデオカメラ等に搭載されている振れ補正装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カメラやビデオカメラ等の撮像装置に搭載される振れ補正装置として、光学式の振れ補正装置が知られている。この光学式振れ補正装置は、撮像レンズ内の一部のレンズを光軸と垂直方向に駆動して光軸を変化させることにより振れ補正を行うが、その一構成例を図9に示す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
同図において、101は、振動ジャイロ等で構成される角速度センサであって、撮像装置の振れを検出する。102はハイパスフィルタであって、角速度センサ101の出力のドリフト等を除去する。103はアンプであって、検出した角速度信号を増幅する。120は、マイコンであって、自動焦点制御(AF)、ズーム制御、自動露出(AE)、メカ制御、及び電源制御等、撮像装置全体を制御する。
【0004】
104はマイコン120に内蔵されているA/Dコンバータであって、角速度信号はこのA/Dコンバータ104によりデジタル信号に変換されて角速度データとなる。この角速度データに対し、HPF105及び位相補償フィルタ106が所定の信号処理を施し、次段の積分器108が振れ補正信号を生成する。そして、積分器108の出力は、シフトレンズ119の駆動目標値となり、PWM変調部117によってPWM信号に変換され、PWM出力としてマイコン120から出力される。
【0005】
901は、PWM出力を補正量に応じた直流信号に変換するローパスフィルタ(LPF)であり、114は、シフトレンズ119の現在の位置を検出する位置センサ、905は位置センサ114のアンプである。そして、加算器902において、LPF901の出力である目標値と現在位置の差分を算出する。加算器902の出力は、オペアンプで構成されたドライバ904に供給され、ドライバ904は、シフトレンズ119を駆動するコイル(不図示)に電流を流し、目標となる光軸補正角が得られるようシフトレンズ119を移動する。以上の動作により、振れ補正がなされることになる。
【0006】
一方、図9において、Vpは、シフトレンズ119をドライブするためのパワー電源であって、ドライバ904に供給されている。またVcは、コントロール電源であって、ドライバ以外の電源に使用される。804、805は各電源Vp,Vcを供給するためのスイッチであって、例えばビデオカメラで防振機能を必要としない再生モード中では、マイコン120からの命令に従い動作する電源制御部803によりスイッチ804及び805をオフとすることで、ドライブ電流を遮断して省エネを行う。
【0007】
ここで、電源のオン/オフを行った場合であるが、オンの時にドライブ電流が急激に流れると、シフトレンズ119がメカ端まで突き当たり、大きな音が発生する。また、オフにした時も、シフトレンズ119が落下してメカ端に突き当たることにより、やはり音が発生し、品位が悪い。
【0008】
そこで、オン時に関しては、マイコン120から出力されたPWM出力を平滑したDC電位が、各ブロックの基準電圧と一致する出力とした上で、スイッチ804,805をオンにするタイミングを揃えることにより、シフトレンズ119のメカ端突き当たりによる音の発生を軽減している。また、オフ時に関しては、例えば特許文献1で示されているように、オフに切り替えるときにシフトレンズ119をメカ端近傍まで徐々に移動させ、その後実際にオフとすることにより、極力音の発生を抑えるようにしている。
【0009】
しかし、以上のような光学式の振れ補正装置においては、シフトレンズ119を駆動するための駆動コイルをオペアンプによりドライブするため、回路内の内部損失が大きく、消費電力が大きくなるという欠点がある。
【0010】
そこで、Hブリッジ回路を用いてPWM出力により直接、前記駆動コイルを駆動する制御方法が提案されている(例えば特許文献2、特許文献3参照)。
【0011】
図10は、Hブリッジ回路を用いたPWM駆動制御方式による従来の光学式振れ補正装置の一構成例を示すブロック図であり、図9と同じ機能のものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0012】
図10中の116は、マイコン120内に内蔵されているA/Dコンバータであって、位置センサ114のアンプ出力をデジタル信号に変換している。111は、シフトレンズ119の現在位置と駆動目標値との差分を計算する加算器であって、この加算器111の出力が実際の補正量となる。112は、Hブリッジドライバ113による駆動騒音を低減するための低域通過フィルタ(LPF)であり、LPF112の出力が、PWM変調部117でPWM変調されてマイコン120からPWM出力として送出される。そして、このPWM出力により、Hブリッジドライバ113を介してシフトレンズ119が駆動される。
【0013】
このようなPWM駆動制御方式を採用することにより、図9で示した振れ補正装置の構成に比して、内部損失が回避されてエネルギー変換効率が向上するため、消費電力が低減される。
【0014】
さらに、PWM駆動制御方式を採用することにより、図9で示した電源スイッチ804,805を用いなくてもドライブ電流をオフすることが可能となり、電源周りの構成も簡単にすることができる。この点について図11(a),(b)を用いて説明する。なお、図11(a)はHブリッジドライバ113の入出力周辺の構成を示し、図11(b)は、入出力端子の論理を示している。
【0015】
ここで、PWM駆動制御方式において、例えば、振れ補正が必要ない、再生モード中の電源状態において、Hブリッジドライバ113の出力1,2は、入力端子113aに入力されるPWM波形により図11(b)で示された値を出力し、駆動コイル113cに電流を流しシフトレンズ119を駆動する。
【0016】
図11(a)に示されているイネーブル端子113bは、図11(b)に示すように、論理をLレベルにすることにより、Hブリッジドライバ113の出力1,2を禁止(Hi−Z:ハイインピーダンス)状態にすることができ、これによって消費電力を電源オフ状態と同等にすることが可能である。そのため、PWM駆動を行うことで、図9で示した電源スイッチ804,805を用いなくてもドライブ電流をオフすることができる。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−66260号公報
【特許文献2】
特開平8−136962号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の、Hブリッジ回路を用いたPWM駆動制御方式による光学式振れ補正装置では、上述したように、消費電力の低減効果や構成の簡素化が図られるといった利点があるものの、電源をONすることで振れ補正を開始する際や、再生モード中など振れ補正が必要ない状態から振れ補正を開始する際に、発生するシフトレンズ119のメカ端突き当たりによる衝突音の発生については未だ解決されていなかった。
【0019】
具体的に説明すると、上記したPWM駆動制御方式を採用すると、図10に示したように、その制御部がマイコン120内に配置され、さらにHブリッジドライバ113の出力許可をマイコン120から制御するような構成になる。電源系統は、Hブリッジドライバ113のみにパワー系電源(5V以上の電圧)が供給され、その他はコントロール系電源(3V等の電圧)となる。電源オン時の振れ補正開始時や、再生モード中など振れ補正が必要ない状態から振れ補正を開始するときは、上述のように、Hブリッジドライバ113の出力を禁止から許可に切り替えることにより駆動コイル113cにドライブ電流が供給されることになる。
【0020】
しかし、電源をONすることで振れ補正を開始する際や、再生モード中など振れ補正が必要ない状態から振れ補正を開始する際のように、振れ検出手段のフィルタリング出力が安定しない間にHブリッジドライバ113の出力を許可する時は、シフトレンズ119の位置はほぼメカ端近傍であり、その結果、位置センサ114の出力はメカ端付近に相当する値であるのに対し、駆動目標値は中心位置近傍の出力となっている。そのため、その差分で、Hブリッジドライバ113へ与えられる補正量のPWM出力は、シフトレンズ119を急激に動かすものになっている。この状態でHブリッジドライバ113の出力を許可すると、その瞬間に、シフトレンズ119の駆動コイル113cに大きな電流が流れ、その結果、シフトレンズ119がメカ端に突き当たり、大きな音が発生してしまうという問題がある。
【0021】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたもので、電源をONすることで振れ補正を開始する際や、再生モード中など振れ補正が必要ない状態から振れ補正を開始する際のように、振れ検出手段のフィルタリング出力が安定しない間に補正光学系を駆動するHブリッジドライバの出力を許可した瞬間、補正光学系がメカ的に端に突き当たり、音が発生するのを防止することが可能な振れ補正装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の振れ補正装置は、機器に加わる振れを補正する振れ補正装置であって、前記振れ補正装置に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出手段と、前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出手段と、前記振れ検出手段の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成手段と、前記補正目標データと前記位置検出手段の出力データとに基づいて駆動信号を算出する駆動信号算出手段と、前記駆動信号に従って前記補正光学手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御手段とを有し、前記出力制御手段は、前記振れ検出手段の出力が安定するまでの時間は、前記位置検出手段の出力データを前記補正目標データとして設定することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出手段の出力が安定した後は、前記振れ検出手段の出力に基づいて前記補正目標データを設定することで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の振れ補正装置及びその制御方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の振れ補正装置は、例えばビデオカメラに適用される。
【0033】
[第1実施形態]
<第1実施形態の装置構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振れ補正装置の構成を示したブロック図であり、図9と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、本来、振れ補正は、横方向と縦方向の2軸において行うのが通例であるが、本実施形態では説明を簡略化するため、1軸のみを記載している。また、マイコンは振れ補正に関連した制御部分のみを示している。
【0034】
本実施形態の光学式振れ補正装置の構成が図9に示す従来装置と異なる点は、加算器111の一方の入力端子に供給する信号を切り替える出力選択スイッチ110と、Hブリッジドライバ113の出力の許可/禁止を制御すると共に、この制御に対応して出力選択スイッチ110の切り替え動作を行うドライバ制御部118とを設けたことにある。すなわち、出力選択スイッチ110は、ドライバ制御部118からの制御信号により、シフトレンズ119の補正量を、積分器108の出力である駆動目標値から算出するか、あるいは位置センサ114の出力から算出するかを切り替えるようになっている。
【0035】
<第1実施形態の振れ補正制御>
以下、図2及び図3のフローチャートを参照して、例えばビデオカメラの電源オン時における動作について詳細に説明する。
【0036】
なお、図2(a),(b)は、第1実施形態に係るマイコン120内の光学式振れ補正制御を示すフローチャートであり、同図(a)は、メイン処理を示し、同図(b)は、割込み処理を示している。ここでのメイン処理は、本発明に関係した部分のみを示し、テレビジョン信号の垂直同期期間に1回行われる。また、図3は、図2(a)のステップS502に示した初期動作の詳細を示すフローチャートである。この図2(a),(b)、及び図3のフローチャートに従ったプログラムをマイコン120内の記憶装置に格納し実行することにより、以下の制御方法を実現させることが可能となる。
【0037】
ビデオカメラの電源がオンすると、まずステップS500において初期設定を行う。すなわち、マイコン120内のレジスタ等の初期値や割込み周期等の設定を行う。続くステップS501では、初期動作のタイミングを決定するイニシャルカウンタの値が最大値かどうかの判定を行う。イニシャルカウンタは、ステップS500において、0に初期化されている。イニシャルカウンタが最大値でなければ、ステップS502へ進んで、図3に示すような初期動作を行う。
【0038】
図3に示す初期動作においては、まずステップS201で、イニシャルカウンタが0かどうかの判定を行い、最初は0であるためステップS202に進む。ステップS202では、出力選択スイッチ110を位置センサ114の出力に設定し、次のステップS203では、各データの初期化処理を行う。ここでは、マイコン120内のフィルタ定数の設定がなされ、さらに割込み処理が開始される。
【0039】
続くステップS208では、イニシャルカウンタをカウントアップし、その後のステップS209及びステップS210においては、イニシャルカウンタが最大値を超えないように処理を行っている。
【0040】
ここで図2の説明に戻り、上記ステップS502の初期動作後は、ステップS503において、割込みカウンタが設定値になったかどうかの判定を行う。所定回数の割込み処理がなされるまで、ここでウエイトがかかるようになっている。割込み処理は、マイコン120の能力にも左右されるが、例えば1200Hz、900Hz等のタイマにより行われる。この周波数は、垂直同期期間に1回行われるメイン処理に同期するように設定されている。
【0041】
図2(b)のステップS521では、A/Dコンバータ104によって角速度センサ101側の出力信号を取り込み、その後、ステップS522において、HPF105によるHPF演算が行われ、さらにステップS523において、位相補償フィルタ106による位相補償演算、ステップS524において積分器108による積分演算が順次行われる。
【0042】
続くステップS525では、A/Dコンバータ116によって位置センサ114の信号を取り込み、次のステップS526において、出力選択スイッチ110により、位置センサ114側の出力(シフトレンズ119の現在位置)、あるいは積分器108の出力(補正目標値)のいずれか一方を選択する。その後のステップS527では、加算器111による加算演算を行い、さらにステップS528では、LPF112を用いて、ドライバ113による駆動騒音を低減するためのLPF演算を行う。
【0043】
次のステップS529では、PWM変調部117によりHブリッジドライバ113に対してPWM出力の出力を行う。今、ステップS202において出力選択スイッチ110が位置センサ114側の出力を選択するように設定されているため、加算器111からは、駆動目標値として位置センサ114側の出力信号を出力する。つまり、ステップS527での加算演算の結果、マイコン120から出力されるPWM出力は、シフトレンズ119の現在の位置を保持するための出力となる。
【0044】
そして、次のステップS530では、割込み回数をカウントし、割込み処理を終了する。以上の割込み処理があらかじめ設定している回数実行されると、図2(a)に示したメイン処理は、ステップS503からステップS504へと進むことになる。
【0045】
図2(a)のステップS504においては、割込みカウンタをクリアする。その後、プログラムはステップS501へと戻り、再度メイン処理が開始される。
【0046】
そして、図3に示した初期動作(ステップS502)になると、今度はステップS201においてイニシャルカウンタが0ではないため、ステップS204へと進む。ステップS204では、イニシャルカウンタが所定値Aとなったかどうかを判定している。所定値Aでなければ、ステップS206において、A+1かどうかの判定を行い、A+1でなければステップS208においてイニシャルカウンタがアップカウントされ、図2のステップS503へと進む。そして、イニシャルカウンタが所定値Aとなるまでこの一連の処理が繰り返される。ここでの所定値Aは、角速度センサ101の出力(ジャイロ信号)のフィルタリング(ステップS521〜ステップS524)出力が安定するまでの時間である。
【0047】
イニシャルカウンタが所定値Aとなると、ステップS205において、Hブリッジドライバ113の出力が許可される。この時、シフトレンズ119の補正目標位置(駆動目標値)は、現在の位置に設定されているため、シフトレンズ119は動き出さない。そして、次の垂直同期期間にはイニシャルカウンタの値がA+1となるため、図3においてステップS206からステップS207へと進み、出力選択スイッチ110が、積分器108の出力である実際の補正目標値に切り替えられる。これにより、図2(b)に示した割込み処理のステップS526で補正目標値が選択され、シフトレンズ119による振れ補正動作が開始される。
【0048】
ステップS526で駆動目標値が選択されると、ステップS529でのPWM出力は大きく変化するが、ステップS528において、Hブリッジドライバ113における騒音対策用のLPF演算が行われることにより、急激な変化が緩和されることになる。
【0049】
このように本実施形態では、Hブリッジドライバを用いた光学式の振れ補正装置において、Hブリッジドライバ113の出力を許可する前に、シフトレンズ119の駆動目標値を現在の位置に設定するようにしたので、Hブリッジドライバ113の出力を許可した瞬間(つまりシフトレンズ119の駆動を開始した瞬間)は、シフトレンズ119を現在位置に停止させることができ、その後、駆動信号が実際の補正目標信号に切り替わったときは、高域周波数成分を除去するフィルタの作用により、切り替え時の目標値の急激な変化が緩和される。これにより、シフトレンズ119の駆動開始時にシフトレンズ119が大きく動いてメカ端に突き当たることを回避でき、この突き当りによる音を防止することが可能となる。
【0050】
[第2実施形態]
<第2実施形態の装置構成>
図4は、本発明の第2実施形態に係る振れ補正装置の構成を示したブロック図であり、図1と共通の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
本実施形態の構成は、図1の構成において、積分器108に代えて本実施形態に特徴的な構成である積分器401を設け、さらに出力選択スイッチ110を削除して、ドライバ制御部118のスイッチ切り替え信号と、位置センサ114側のデータであるA/Dコンバータ116の出力信号とを、前記積分器401に供給するように構成したものである。また、図中の410は、ビデオカメラの記録モードと再生モードを切り替えるスイッチである。
【0052】
図5は、図4に示した積分器401の構成を示すブロック図である。
【0053】
同図に示すように、この積分器401は、中間変数(Z−1)701、積分定数(K)702、加算器703、及び切り替えスイッチ704で構成されている。また、図示しないが、中間変数(Z−1)701を格納するRAMと、積分器401の出力データを格納するRAMが配置されている。
【0054】
切り替えスイッチ704のコモン端子が、切り替え端子T2に接続している場合には全体で積分器を構成し、切り替え端子T1に接続している場合には、中間変数(Z−1)701が位置センサ114側のデータになると同時に、積分器401の出力も位置センサ114側のデータとなる様に構成されている。すなわち、切り替え端子T1に接続している場合には、中間変数(Z−1)701を格納するRAMと、積分器401の出力データを格納するRAMのそれぞれに、取り込んだ位置センサ114側のデータを書き込むようになる。
【0055】
この構成により、切り替えスイッチ704を切り替え端子T1からT2に切り替えたときには、当該積分器401の出力は、位置センサ114側のデータから、角速度センサ101側より入力される通常の補正目標値データに、積分器401の時定数に従って切り替わることになる。
【0056】
<第2実施形態の振れ補正制御>
図6、図7及び図8は、第2実施形態に係るマイコン120内の光学式振れ補正制御を示すフローチャートであり、図6及び図7はメイン処理を示し、図8は割込み処理を示している。なお、第2実施形態では、Hブリッジドライバ113の出力許可の一例として、振れ補正動作が必要ない再生モードから、振れ補正動作が必要となる記録モードに切り替えた場合について述べるものとする。なお、図6、図7及び図8のフローチャートに従ったプログラムをマイコン120内の記憶装置に格納し実行することにより、以下の制御方法を実現させることが可能となる。
【0057】
再生モードで電源が入ると、初めに図6のステップS601において、マイコン120の初期設定を行う。次にステップS602において、モード切り替えスイッチ410の設定状態から、記録モード/再生モードのいずれであるかの判定を行う。今は再生モードであるのでステップS615へと進み、ステップS615では垂直同期信号を待つ。これは、ビデオカメラの制御が垂直同期信号に同期して行われるためである。垂直同期信号の到来と共に次のステップS616に進み、再生モード時の処理がなされ、さらにステップS617でイニシャルカウンタをクリアする。
【0058】
次のステップS618〜ステップS621では、記録モードから再生モードに切り替えられた場合に、Hブリッジドライバ113の出力を禁止するための処理である。まずステップS618では、ドライバ113の出力が禁止になっているかどうかの判定を行い、許可されている場合は、ステップS619へ進んで、ドライバ113の出力を禁止状態に移行させるための処理、すなわち上記従来例(図9)で説明した、シフトレンズ119をメカ端近傍まで移動させる処理、が終了しているかどうかの判定を行う。終了していなければ、ステップS620にて移行処理を続行し、終了すると、ステップS621において、Hブリッジドライバ113の出力を禁止する。
【0059】
再生モード時のHブリッジドライバ113の出力は、電源オン時には許可されておらず、また、記録モードから再生モードに切り替えられた場合も、上記ステップS618〜ステップS621の処理により、ドライバ113の出力が禁止され、これによって省エネが実行されている。
【0060】
一方、再生モードから記録モードへの切り替えが行われると、プログラムステップはステップS602からステップS603へと進む。ステップS603からステップS613までは、第1実施形態の初期動作(図3参照)とほぼ同じ処理を行うことになる。
【0061】
すなわち、ステップS603において、イニシャルカウンタが最大値かどうかの判定を行い、最大値でなければ、ステップS604で、0かどうかの判定を行う。記録モードに切り替えた時のイニシャルカウンタは0のため、ステップS605において積分器401の切り替えスイッチ704を位置センサ114側の出力(切り替え端子T1)に設定する。そしてステップS606において、振れ補正関連の初期設定及び割込み処理を開始する。
【0062】
次のステップS611では、イニシャルカウンタをアップカウントし、そしてステップS612において、割込みが所定回数実行されるまで待つ。割込み処理は、第1実施形態と同様に、垂直同期信号に同期するように、例えば1200Hz、900Hz等のタイマにより行われる。ステップS612での所定回数は、割込みの周波数が1200Hzであれば20回、周波数が600Hzであれば15回と、垂直同期信号である60Hzと同じになるように設定される。
【0063】
この割込み処理は、図8に示すように、初めのステップS651において、A/Dコンバータ104によって角速度センサ101側の出力信号を取り込み、さらにステップS652において、A/Dコンバータ116によって位置センサ114側の出力を取り込む。その後、ステップS653において、HPF105によるHPF演算が行われ、さらにステップS654において、位相補償フィルタ106による位相補償演算が行われる。
【0064】
続くステップS655では、積分器401内の切り替えスイッチ704が、位置センサ114側(切り替え端子T1)に接続されているか、通常の積分動作側(切り替え端子T2)に接続されているかを判定しており、位置センサ114側であれば、ステップS656へと進む。
【0065】
ステップS656では、積分器401の出力と中間変数(Z−1)を位置センサ114側のデータとしており、補正目標値が、現在のシフトレンズ119の位置に設定される。実際のプログラム上では、中間変数(Z−1)701を格納するRAMと、積分器401の出力データを格納するRAMのそれぞれに、ステップS652にて取り込んだ位置センサ114側のデータを書き込む。そして、次のステップS657において、加算器111による加算演算を行うことにより補正量が算出される。
【0066】
さらに、ステップS658では、算出された補正量を入力したLPF112が、ドライバ113による駆動騒音を低減するためのLPF演算を行い、次のステップS659で、PWM変調部117によりHブリッジドライバ113に対してPWM出力を行い、そして、ステップS660において、割込みカウンタがアップカウントされ、割込み処理が終了する。
【0067】
上記割込み処理が所定回数実行されると、図6のメイン処理はステップS613へと進み、割込みカウンタをクリアする。その後、ステップS614にて、記録モード時の実際の処理がなされ、ステップS602へと戻る。
【0068】
また、ステップS604でイニシャルカウンタが0以外の場合は、ステップS607へ進んで、イニシャルカウンタが所定値Aかどうかの判定を行う。ここでの所定値Aは、割込み処理内の位相補償演算(ステップS654)の結果が安定するまでの時間に設定されている。
【0069】
イニシャルカウンタが所定値Aであれば、ステップS608に進んでHブリッジドライバ113の出力を許可する。このとき、シフトレンズ119の駆動目標値は現在の位置となっているため、シフトレンズ119は現在の位置に留まることになる。そして、次の垂直同期期間にはイニシャルカウンタがA+1となるため、ステップS609からステップS610へと進んで、積分器401内のスイッチ704を切り替え端子T2に切り替えて積分器を構成する。
【0070】
このステップS610の後、割込み処理が行われると、割込み処理内でステップS655からステップS661へと進むことになり、通常の角速度センサ101の出力のフィルタリング動作に切り替わる。この動作により、駆動目標値(積分器401の出力)は、シフトレンズ119の現在の位置から本来の補正目標位置に、積分器401の時定数に従って移行することになる。よって、シフトレンズ119がメカ端に突き当たり、衝突音が発生したりすることを防ぐことが可能になる。
【0071】
メイン処理では、その後もイニシャルカウンタがアップカウントされ、最大値になった時点で、イニシャルカウンタが最大値かどうかを判定するステップS603からステップS612へと進むことになり、モード切り替え時の初期動作を完了する。
【0072】
このように本実施形態では、Hブリッジドライバ113の出力を許可した瞬間は、積分器401の出力が位置センサ114側のデータであるが、許可した直後は、積分器401の時定数に従って、積分器401の出力が角速度センサ101側より入力される補正目標値データに切り替わる。これによって、PWM駆動によって振れ補正動作を行うに際し、Hブリッジドライバ113の出力を許可した瞬間にシフトレンズ119がメカ端に突き当たり、衝突音が発生することを防止することができる。
【0073】
なお、第2実施形態においては、積分器401が通常動作を行う場合の時定数は固定としているが、時定数を変更しても構わない。例えば、図5での切り替えスイッチ704が切り替え端子T1の位置では積分定数(K)を変更して時定数を短く設定しておき、切り替え端子T1から端子T2へ切り替えた時に、積分器401の出力が安定するまでの時間がより短くなるようにする。そして、積分器401の出力が安定したら積分定数(K)を通常状態に戻るようにしても構わない。
【0074】
第1及び第2実施形態共に、ビデオカメラにおけるシフトレンズ119での光学式振れ補正について説明しているが、VAP方式等のメカ機構による光学式振れ補正に適用しても構わないし、Hブリッジドライバを使用したPWM駆動方式の光学式振れ補正装置を搭載したカメラ、デジタルカメラ等の光学機器にも適用することができる。
【0075】
本発明は、上述した実施形態の装置に限定されず、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用してもよい。前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、完成されることは言うまでもない。
【0076】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0077】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPUなどが処理を行って実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0078】
【発明の効果】
本願発明によれば、電源をONすることで振れ補正を開始する際や、再生モード中など振れ補正が必要ない状態から振れ補正を開始する際のように、振れ検出手段のフィルタリング出力が安定しない間に補正光学系を駆動する駆動手段の出力を許可した瞬間に、補正光学手段が大きく動いて機器のメカ端に突き当たることを回避することができ、この突き当たりによる音の発生を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振れ補正装置の構成を示したブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るマイコン120内の光学式振れ補正制御を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS502に示した初期動作の詳細を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る振れ補正装置の構成を示したブロック図である。
【図5】図4に示した積分器401の構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態に係るマイコン120内の光学式振れ補正制御のメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】図6の続きのフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るマイコン120内の光学式振れ補正制御の割込み処理を示すフローチャートである。
【図9】従来の光学式振れ補正装置の一構成例を示すブロック図である。
【図10】Hブリッジ回路を用いたPWM駆動制御方式による従来の光学式振れ補正装置の一構成例を示すブロック図である。
【図11】Hブリッジドライバ113の構成及び動作を示す図である。
【符号の説明】
101 角速度センサ
110 出力選択スイッチ
112 LPF
113 Hブリッジドライバ
114 位置センサ
117 PWM変調部
118 ドライバ制御部
119 シフトレンズ
120 マイコン
401 積分器

Claims (8)

  1. 機器に加わる振れを補正する振れ補正装置であって、
    前記振れ補正装置に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出手段と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出手段と、
    前記振れ検出手段の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成手段と、
    前記補正目標データと前記位置検出手段の出力データとに基づいて駆動信号を算出する駆動信号算出手段と、
    前記駆動信号に従って前記補正光学手段を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御手段とを有し、
    前記出力制御手段は、前記振れ検出手段の出力が安定するまでの時間は、前記位置検出手段の出力データを前記補正目標データとして設定することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出手段の出力が安定した後は、前記振れ検出手段の出力に基づいて前記補正目標データを設定することで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置。
  2. 機器に加わる振れを補正する振れ補正装置であって、
    前記振れ補正装置に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出手段と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出手段と、
    前記振れ検出手段の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成手段と、
    高域周波数成分を除去するフィルタを有し、前記補正目標データと前記位置検出手段の出力データとに基づいてPWM駆動信号を算出し、前記PWM駆動信号を前記フィルタを介して出力する駆動信号算出手段と、
    前記補正光学手段を前記PWM駆動信号に従って駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御手段と、
    前記目標データ生成手段の出力と前記位置検出手段の出力のいずれか一方を選択し、その選択した出力を、前記駆動信号算出手段が前記PWM駆動信号を算出するために用いる補正目標データとして供給する出力信号選択手段とを備え、
    前記出力信号選択手段は、前記振れ検出手段の出力が安定するまでの時間は、前記出力信号選択手段により前記位置検出手段の出力を選択することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出手段の出力が安定した後は、前記出力信号選択手段により前記目標データ生成手段の出力を選択することで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置。
  3. 機器に加わる振れを補正する振れ補正装置であって、
    前記振れ補正装置に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出手段と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出手段と、
    時定数を有し、前記振れ検出手段の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成手段と、
    前記補正目標データと前記位置検出手段の出力データとに基づいて駆動信号を算出する駆動信号算出手段と、
    前記駆動信号に従って前記補正光学手段を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御手段とを有し、
    前記目標データ生成手段は、前記振れ検出手段の出力が安定するまでの時間は、前記補正目標データの生成を中止し前記目標データ生成手段の出力として前記位置検出手段の出力を設定することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出手段の出力が安定した後は、前記補正目標データの生成を再開し前記目標データ生成手段の出力を、前記位置検出手段の出力から、前記生成した補正目標データに前記時定数に従って切り替えることで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置。
  4. 機器に加わる振れを補正する振れ補正装置であって、
    前記振れ補正装置に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出手段と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出手段と、
    時定数を有し、前記振れ検出手段の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成手段と、
    前記補正目標データと前記位置検出手段の出力データとに基づいてPWM駆動信号を算出し、前記PWM駆動信号を出力する駆動信号算出手段と、
    前記補正光学手段を前記PWM駆動信号に従って駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御手段と、
    前記目標データ生成手段の出力に関するデータを記憶する記憶と有し、
    前記目標データ生成手段は、前記振れ検出手段の出力が安定するまでの時間は、前記記憶の内容を前記位置検出手段の出力データに変更する変更処理を行うことで前記位置検出手段の出力データを出力することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出手段の出力が安定した後は、前記変更処理を中止して、前記目標データ生成手段の出力を前記位置検出手段の出力データから前記補正目標データに前記時定数に従って切り替えることで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置。
  5. に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、前記補正光学手段を駆動する駆動手段とを有する振れ補正装置の制御方法であって、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出工程と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出工程と、
    前記振れ検出工程の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成工程と
    前記補正目標データと前記位置検出工程の出力データとに基づいて駆動信号を算出する駆動信号算出工程と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御工程とを有し、
    前記駆動手段は、駆動信号に従って前記補正光学手段を駆動し、
    前記出力制御工程は、前記振れ検出工程の出力が安定するまでの時間は、前記位置検出工程の出力データを前記補正目標データとして設定することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出工程の出力が安定した後は、前記振れ検出工程の出力に基づいて前記補正目標データを設定することで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置の制御方法。
  6. に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、前記補正光学手段を駆動する駆動手段とを有する振れ補正装置の制御方法であって、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出工程と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出工程と、
    前記振れ検出工程の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成工程と
    高域周波数成分を除去するフィルタ工程を有し、前記補正目標データと前記位置検出工程の出力データとに基づいてPWM駆動信号を算出し、前記PWM駆動信号を前記フィルタ工程を介して出力する駆動信号算出工程と
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御工程と、
    前記目標データ生成工程の出力と前記位置検出工程の出力のいずれか一方を選択し、その選択した出力を、前記駆動信号算出工程が前記PWM駆動信号を算出するために用いる補正目標データとして供給する出力信号選択工程とを備え、
    前記駆動手段は、前記補正光学手段を前記PWM駆動信号に従って駆動し、前記出力信号選択工程は、前記振れ検出工程の出力が安定するまでの時間は、前記出力信号選択工程により前記位置検出工程の出力を選択することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出工程の出力が安定した後は、前記出力信号選択工程により前記目標データ生成工程の出力を選択することで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置の制御方法。
  7. に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、前記補正光学手段を駆動する駆動手段とを有する振れ補正装置の制御方法であって、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出工程と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出工程と、
    時定数を有し、前記振れ検出工程の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成工程と、
    前記補正目標データと前記位置検出工程の出力データとに基づいて駆動信号を算出する駆動信号算出工程と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御工程とを有し、
    前記駆動手段は、前記駆動信号に従って前記補正光学手段を駆動し、
    前記目標データ生成工程は、前記振れ検出工程の出力が安定するまでの時間は、前記補正目標データの生成を中止し前記目標データ生成工程の出力として前記位置検出工程の出力を設定することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出工程の出力が安定した後は、前記補正目標データの生成を再開し前記目標データ生成工程の出力を、前記位置検出工程の出力から、前記生成した補正目標データに前記時定数に従って切り替えることで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置の制御方法。
  8. 機器に加わる振れを光学的に補正するために移動可能に設置された補正光学手段と、前記補正光学手段を駆動する駆動手段とを有する振れ補正装置の制御方法であって、
    前記補正光学手段の現在位置を検出して出力する位置検出工程と、
    前記振れ補正装置に加わる機器の振れを検出して出力する振れ検出工程と、
    時定数を有し、前記振れ検出工程の出力に基づいて補正目標データを生成する目標データ生成工程と、
    前記補正目標データと前記位置検出工程の出力データとに基づいてPWM駆動信号を算出し、前記PWM駆動信号を出力する駆動信号算出工程と、
    前記駆動手段の出力の許可/禁止を制御する出力制御工程と、
    前記目標データ生成工程の出力に関するデータを記憶する記憶部にアクセスするアクセス工程と有し、
    前記駆動手段は、前記補正光学手段を前記PWM駆動信号に従って駆動し、
    前記目標データ生成工程は、前記振れ検出工程の出力が安定するまでの時間は、前記アクセス工程によって前記記憶部の内容を前記位置検出工程の出力データに変更する変更処理を行い、前記位置検出工程の出力データを出力することで前記駆動手段の駆動を禁止するとともに、前記振れ検出工程の出力が安定した後は、前記変更処理を中止して、前記目標データ生成工程の出力を前記位置検出工程の出力データから前記補正目標データに前記時定数に従って切り替えることで前記駆動手段の駆動を許可することを特徴とする振れ補正装置の制御方法。
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