JP4327975B2 - 導体インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷により電極パターンを高い精度で形成するための導体インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子回路や画像表示装置等における電極の微細なパターン形成は、より高い精度で、かつ、低い製造コストで実施可能なことが要求されている。
【0003】
従来、微細な電極パターンの形成方法として、導電性粉体を含有するパターン形成用ペーストを用いてスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法によりパターンを形成した後、焼成して電極パターンとする方法がある。しかし、スクリーン印刷法による電極パターン形成では、スクリーン印刷版を構成するメッシュ材料の伸びによる印刷精度の限界があり、また、形成したパターンにメッシュ目が生じたりパターンのにじみが発生し、電極パターンのエッジ精度が低いという問題がある。また、フォトリソグラフィ法は、高精度の電極パターンの形成が可能であるものの、製造工程が複雑であり、かつ、材料ロスが多く、製造コストの低減に限界があった。
【0004】
このため、工程が簡単で量産性を有するオフセット印刷法を用いることによって、微細電極パターン形成の低コスト化が試みられている。このオフセット印刷法では、導電性粉体を含有した導体インキを凹版あるいは平版の印刷版に供給し、印刷版上のインキパターンをブランケットを介して電極被形成物に転移させ、その後、焼成して有機成分を分解、揮発することにより電極パターンが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のオフセット印刷法は、スクリーン印刷法に比べて精度の高い電極パターンの形成が可能であり、また、フォトリソグラフィ法に比べてインキ使用量が少ないという利点がある。さらに、フォトリソグラフィ法では、焼成して形成された電極パターンの幅方向の断面形状は、エッジがシャープなものとなり、例えば、プラズマディスプレイパネルの電極パターンのように、その上から誘電体層を形成する場合、電極のエッジが誘電体層を突き破って露出してしまうという問題もあるが、オフセット印刷法で得られた電極は、エッジが滑らか(尖っていない)なので、この問題を解決できる利点もある。
【0006】
しかし、金属製の凹版やガラス製の凹版を用いた凹版オフセット印刷法では、凹版への導体インキ充填に一般的にドクターブレードが用いられるが、このドクターブレードには耐久性等の問題があった。
【0007】
一方、従来の導体インキを用いた平版オフセット印刷法では、水無し平版の画線部へのインキ供給が不足したり、地汚れが発生するという問題があった。また、形成された印刷パターンの幅精度が悪い、十分な印刷後膜厚が得られない、ピンホールが生じる等の問題があった。
【0008】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、平版オフセット印刷法により高精細な電極パターンの形成を可能とする導体インキを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、平版オフセット印刷用の導体インキにおいて、少なくとも導電性粉体を60〜90重量%の範囲、有機成分を10〜40重量%の範囲でそれぞれ含有し、タック値が17〜30の範囲内であり、回転速度100s -1 における粘度V 100 が1000〜5000Pの範囲内であり、回転速度1s -1 における粘度V 1 と前記粘度V 100 の比V 1 /V 100 が2〜10の範囲内であり、前記導電性粉体はタップ密度が2.5〜6g/cm3の範囲内であり、かつ、平均粒径が0.02〜1μmの範囲であるような構成とした。
【0010】
また、本発明の導体インキは、ガラスフリットを10重量%以下の範囲で含有するような構成とした。
また、本発明の導体インキは、導電性粉体は導電性酸化物を30重量%以下の範囲で含有するような構成、導電性酸化物の平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲内であるような構成とした。
【0011】
また、本発明の導体インキは、有機成分が無水マレイン酸樹脂またはアルキッド樹脂を含有するような構成、あるいは、有機成分が(メタ)アリルエーテルと無水マレイン酸の共重合体を含有するような構成とした。
さらに、本発明の導体インキは、プラズマディスプレイパネルの電極形成用であるような構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の感光性導体ペーストは、少なくとも導電性粉体を60〜90重量%の範囲、有機成分を10〜40重量%の範囲でそれぞれ含有するものであり、上記の導電性粉体はタップ密度が2.5〜6g/cm3、好ましくは3.5〜5.5g/cm3の範囲内であり、かつ、平均粒径が0.02〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内となるものである。
【0013】
導電性粉体の含有量が60重量%未満であると、焼成により除去される有機成分が多くなり、電極の緻密性が悪くなり抵抗値が高くなったり、場合によっては断線を生じることがある。また、導電性粉体の含有量が90重量%を超えると、導体インキの塗膜の形状保持性が低く、良好なパターン形成が困難となる。有機成分の含有量が10重量%未満であると、導体インキの塗膜の形状保持性が低く、良好なパターン形成が困難となりやすく、40重量%を超えると、焼成により除去される有機成分が多くなり、電極の緻密性が悪くなり抵抗値が高くなったり、場合によっては断線を生じ好ましくない。
【0014】
このような本発明の導体インキは、タック値が15以上、好ましくは17〜30の範囲であり、回転速度100s-1における粘度が1000〜5000P、好ましくは1500〜3000Pの範囲であり、回転速度1s-1における粘度V1と、回転速度100s-1における粘度V100の比V1/V100が2〜10、好ましくは2.5〜8範囲内であることが望ましい。上記のような範囲とすることにより、オフセット印刷における地汚れ防止、インキングロールでの練り適性向上、印刷パターンの形状安定(線幅の変動がない、線幅の端部が極端に薄くなったり逆に厚くなることがない)が可能となる。尚、タック値は400rpmで測定した値とする。
【0015】
本発明の導体インキは、電極パターン被形成体がガラス基板の場合、焼成後の電極とガラス基板との密着性を向上させる目的で、ガラスフリットを10重量%以下の範囲で含有してもよい。ガラスフリットの含有量が10重量%を超えると、導体インキの保存安定性が悪くなったり、また、電極の抵抗値が高くなったりエッジ形状が悪くなり好ましくない。
【0016】
次に、本発明の導体インキを構成する各成分について説明する。
導電性粉体
本発明の導体インキに用いる導電性粉体としては、Au粉体、Ag粉体、Cu粉体、Al粉体、Pt粉体、Pd粉体、Ni粉体等を挙げることができ、これらの導電性粉体の1種または2種以上、さらには、上記金属の合金粉体を使用することができる。この導電性粉体の形状は、不定形、塊状、鱗片状、微結晶状、球状、フレーク状等の種々の形状であってよい。このような導電性粉体は、上記のようにタップ密度が2.5〜6g/cm3、好ましくは3.5〜5.5g/cm3の範囲内であり、かつ、平均粒径が0.02〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内である。また、導電性粉体の比表面積は0.5〜3m2/g、好ましくは1.5〜3m2/gの範囲とすることができる。
【0017】
導電性粉体のタップ密度が2.5g/cm3未満であると、導電性粉体が嵩高くなり、分散性が悪くなる。一方、タップ密度が6g/cm3を超えると、導電性粉体の価格が高くなり、電極形成の製造コスト増大を来すことになる。
【0018】
導電性粉体の平均粒径が0.02μm未満であると、導体インキ内で導電性粉体が凝集し易く、また、導電性粉体の価格が高いものとなる。一方、平均粒径が1μmを超えると、オフセット印刷機のインキングロールでインキを練る際に、分離を生じたり、ロール間でインキの転移が悪くなったり、版にダメージを与えるおそれがあり好ましくない。
【0019】
本発明では、導体インキにチキソ性を付与する目的で、導電性粉体のなかに導電性酸化物を30重量%以下の範囲で含有させることができる。使用する導電性酸化物としては、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズに酸化チタンやスズをドープしたもの等を挙げることができる。導電性粉体に占める導電性酸化物の含有量が30重量%を超えると比抵抗が増大し、電極として十分低い抵抗値が得られなくなり好ましくない。これらの導電性酸化物は、平均粒径が0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.3μmの範囲内であることが望ましい。平均粒径が0.01μm未満であると、導体インキ内で導電性酸化物が凝集し易く、0.5μmを超えると、チキソ性付与の効果を得にくくなる。
【0020】
有機成分
本発明の導体インキを構成する有機成分としては、焼成によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないものであり、以下のようなものから適宜選択することができる。すなわち、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン化油、ウレタン樹脂、ロジン樹脂、ロジン化油、マレイン酸樹脂、無水マレイン酸樹脂、マレイン化油、ポリブテン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルオリゴマー、鉱物油、植物油、ウレタンオリゴマー、(メタ)アリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体(この共重合体は他のモノマー(例えば、スチレン等)を共重合成分として加えてもよい)等を1種、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0021】
また、導電性インキには、添加剤として、分散剤、湿潤剤、増粘剤、レベリング剤、地汚れ防止剤、ゲル化剤、シリコンオイル、シリコン樹脂、消泡剤、可塑剤等を適宜選択して添加してもよい。
【0022】
本発明の導体インキを酸化重合タイプとする場合、酸化重合触媒、酸化重合抑制剤、重合禁止剤等を適宜添加することができる。
また、本発明の導体インキを紫外線硬化タイプとする場合、重合開始剤、重合禁止剤、反応性モノマー等を適宜添加することができる。
【0023】
上記の紫外線硬化タイプの導体インキに添加する重合開始剤としては、焼成によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないものである。具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらを1種で、または、2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0024】
また、上記の紫外線硬化タイプの導体インキに添加する反応性モノマーとしては、焼成によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないものであり、多官能および単官能の反応性モノマーを挙げることができる。具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。本発明では、上記のモノマーを1種または2種以上の混合物として使用することができる。
【0025】
また、導電性インキには、ゲル弾性を付与することを目的として、金属キレート化合物、カルボン酸金属化合物、金属アセテート、金属アルコキシド化合物等を適宜選択して添加してもよい。代表的なものとして、金属キレート化合物としては、下記の一般式に示されるようなアルミニウムキレート(ALCH)等を挙げることができ、カルボン酸金属化合物としては、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等を挙げることができる。
【0026】
【化1】
Figure 0004327975
尚、上記の一般式で示されるようなアルミニウムキレート(ALCH)の一例として、下記の構造式に示されるようなアルミニウムキレートを挙げることができる。
【0027】
【化2】
Figure 0004327975
【0028】
ガラスフリット
本発明の導体インキに必要に応じて用いるガラスフリットとしては、例えば、軟化温度が450〜600℃であり、熱膨張係数α300 が70×10-7〜95×10-7/℃、ガラス転移温度が400〜500℃であるガラスフリットを使用することができ、PbO/SiO2/B23系ガラス、Bi23系ガラス、ZnO系ガラス、B23−アルカリ土類金属酸化物系ガラス等の酸化アルカリを含まないガラスフリットを使用することが好ましい。ガラスフリットの軟化温度が600℃を超えると焼成温度を高くする必要があり、例えば、電極パターン被形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変形を生じることになり好ましくない。また、ガラスフリットの軟化温度が450℃未満では、焼成により有機成分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融着するため、空隙が生じやすくなり好ましくない。さらに、ガラスフリットの熱膨張係数α300 が70×10-7/℃未満、あるいは、95×10-7/℃を超えると、電極パターン被形成体の熱膨張係数との差が大きくなりすぎる場合があり、歪み等を生じることになり好ましくない。このようなガラスフリットの平均粒径(D50)は0.1〜2μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲である。
【0029】
溶剤
本発明の導体インキに溶剤を使用する場合、沸点が390℃以下の溶剤を用いる。ブランケットに吸収されやすい溶剤は、導体インキの特性を変化させ、また、ブランケットが膨潤して印刷寸法精度が低下するので好ましくない。使用する溶剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン、アルキルベンゼン類の石油系溶剤、または、これらを組み合わせた混合溶剤が好ましい。混合溶剤を使用する場合、地汚れ耐性等の印刷適性を考慮して選択することが好ましい。
【0030】
上述のような本発明の導体インキは、導電性粉体の含有率が高いにもかかわらず、分散性が極めて良好で、インキングロール上での練り適性、平版への塗布性に優れるものである。また、平版オフセット印刷にしては印刷パターンの厚膜化が可能であり、電極パターン被形成体上に本発明の導体インキを用いてオフセット印刷法で形成した印刷パターンを焼成することにより、電極パターンを高い精度で形成することができる。
【0031】
本発明の導体インキは、使用する平版オフセット印刷機の制限は特にない。図1は平版オフセット印刷機の一例を示す平面図であり、図2は図1に示される平版オフセット印刷機の側面図である。図1および図2において、平版オフセット印刷機1は、印刷定盤3と印刷版盤4が所定の間隔で配置され、2本のガイドレール5,5が平行に敷設された基台2と、図示しない移動機構によりガイドレール5,5上を自在に移動可能な印刷ヘッド6とを備えている。
【0032】
印刷ヘッド6には、昇降可能なブランケットロール7と、第1のインキングロール群8が配設されている。第1のインキングロール群8は、ロールの回転軸方向に揺動する練りローラや、印刷版にインキを塗布するインキ付けロールにより構成される。また、基台2には第2のインキングロール群9と、導体インキを蓄えるインキブレード10が設けられている。第2のインキングロール群9は、インキブレード10からインキを出すインキ出しロール、ロールの回転軸方向に揺動する練りローラにより構成される。
【0033】
この平版オフセット印刷機1では、電極パターン被形成体11(図1に1点鎖線で示す)が印刷定盤3上に載置され、印刷版12(図1に1点鎖線で示す)が印刷版盤4に装着される。そして、印刷ヘッド6は、まず、ガイドレール5,5上を第2のインキングロール群9上に移動する。ここで、第2のインキングロール群9にて練られて均一になった導体インキが、印刷ヘッド6の第1のインキングロール群8に転移される。次に、印刷ヘッド6はガイドレール5,5上を印刷版盤4に向かって移動し、第1のインキングロール群8のインキ付けロールによって印刷版12に導体インキを塗布する。その後、印刷ヘッド6はガイドレール5,5上を第2のインキングロール群9側に戻り、再び、第2のインキングロール群9にて練られて均一になった導体インキが、印刷ヘッド6の第1のインキングロール群8に転移される。この間、ブランケットロール7は印刷版12に接触しない位置に上昇している。このインキ塗布動作は複数回行ってもよい。
【0034】
次に、ブランケットロール7を印刷位置に降下させた状態で印刷ヘッド6が印刷定盤3に向かって移動する。そして、印刷ヘッド6が印刷版盤4を通過するときに、印刷版12の画線部上の導体インキがブランケットロール7に転移し、同時に、第1のインキングロール群8のインキ付けロールによって印刷版12に新たに導体インキが塗布される。印刷ヘッド6は更に印刷定盤3に向かって移動し、印刷定盤3に載置された電極パターン被形成体11にブランケットロール7から導体インキが印刷される。その後、印刷ヘッド6は第2のインキングロール群9側に戻る。
【0035】
尚、印刷ヘッド6が第2のインキングロール群9側に戻るときに、ブランケットロール7によって電極パターン被形成体11上に重ねて印刷してもよい。また、印刷ヘッドが第2のインキングロール群9側に戻るときに、印刷版12からブランケットロール7に導体インキを転移させながら戻り、再び印刷ヘッドが印刷定盤3に向かって移動するときに、ブランケットロール7に導体インキを重ねて転移させてもよい。このようにすることで、電極パターンを厚く印刷することができ、また、孔の発生を防止することができる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0037】
[実施例1]
まず、導電性粉体として、下記5種(A〜E)の銀粉を準備した。
導電性粉体
A : タップ密度3.1g/cm3、平均粒径0.28μm、不定形
B : タップ密度3.6g/cm3、平均粒径0.8μm、不定形
C : タップ密度4.5g/cm3、平均粒径0.28μm、不定形
D : タップ密度4.5g/cm3、平均粒径1.5μm、不定形
E : タップ密度1.3g/cm3、平均粒径0.28μm、不定形
【0038】
次に、上記の導電性粉体(A〜E)のいずれかを使用し、下記成分からなる9種の導体インキ(試料1〜試料9)を調製した。導体インキ中に占める導電性粉体の量(重量%)、有機成分の合計量(重量%)、ガラスフリットの量(重量%)を下記の表1に示した。また、各導体インキのタック値、回転速度100s-1における粘度V100、および、回転速度1s-1における粘度V1と回転速度100s-1における粘度V100の比V1/V100を測定して、下記の表1に示した。
Figure 0004327975
【0039】
次に、調製した各導体インキ(試料1〜試料9)を使用し、図1に示されるようなオフセット印刷機((株)紅羊社製作所製 エクターLCD印刷機)を用いてガラス基板(ソーダガラス、350mm×450mm、厚さ2.1mm)に下記の印刷条件でパターン印刷を行い、その後、焼成(580℃に10分間保持)を行って電極パターンを形成した。
Figure 0004327975
【0040】
上述の電極パターン形成における導体インキの分散性、印刷適性、印刷物形状、電極パターンの品質を評価して、結果を下記の表1に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0004327975
表1に示されるように、導電性粉体A、B、Cを用いて調製した導体インキ(試料1〜3、試料6,7)は、いずれも分散性、印刷適性、印刷物形状が良好であり、焼成して得られた電極パターンはクラック、孔等の欠陥がなく、線幅のうねりが±1μm程度、比抵抗3.0μΩ・cmの良好なものであった。
【0042】
これに対して、平均粒径が1μmを超える導電性粉体Dを用いた導体インキ(試料4)、オフセット印刷機のインキングロールにおけるインキ練り中に分離を生じた。
【0043】
また、タップ密度が2.5g/cm3未満である導電性粉体Eを用いた導体インキ(試料5)は、導電性粉体の分散性が悪く、印刷適性の経時変化が大きく、印刷物形状は印刷膜厚が薄く、線幅うねりが±5μmと大きいものとなり、焼成して得られた電極パターンは、欠けや孔等の欠陥を有していた。
【0044】
さらに、導電性粉体Aを用いたものの導電性粉体の含有量が60〜90重量%の範囲から外れる導体インキ(試料8,9)は、焼成して得られた電極パターンが形状の悪く、一部断線のある電極パターンであったり、分散性が悪く導体インキの調製が困難なものであった。
【0045】
[実施例2]
実施例1の導体インキの試料3において、含有する導電性粉体Cの5重量%を酸化スズ(平均粒径0.1μm)に置き換えた他は、実施例1と同様にして、導体インキを調製した。
【0046】
この導体インキのタック値、回転速度100s-1における粘度V100、および、回転速度1s-1における粘度V1と回転速度100s-1における粘度V100の比V1/V100を実施例1と同様に測定した結果を下記に示す。
導体インキの物性
タック値: 25
粘度V100: 2500P
1/V100: 8
【0047】
また、上記の導体インキを用いて、実施例1と同様の条件でオフセット印刷により電極パターンを形成した。使用した導体インキは、分散性、印刷適性、印刷物形状が良好であり、焼成して得られた電極パターンはクラック、孔等の欠陥がなく、線幅のうねりが±1μm程度、比抵抗4.0μΩ・cmの良好なものであった。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば導体インキを、少なくとも導電性粉体を60〜90重量%の範囲で含有し、有機成分を10〜40重量%の範囲で含有し、導電性粉体はタップ密度が2.5〜6g/cm3の範囲内であり、かつ、平均粒径が0.02〜1μmの範囲内にあるものとするので、この導体インキは導電性粉体の含有率が高いにもかかわらず、分散性が極めて良好で、インキングロール上での練り適性、平版への充填性に優れ、また、平版オフセット印刷にしては印刷パターンの厚膜化が可能であり、基板上に本発明の導体インキを用いてオフセット印刷法で形成した印刷パターンを焼成することにより、電極パターンを高い精度で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導体インキを使用して電極パターンを形成する平版オフセット印刷機の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示される平版オフセット印刷機の側面図である。
【符号の説明】
1…平版オフセット印刷機
3…印刷定盤
4…印刷版盤
5…ガイドレール
6…印刷ヘッド
7…ブランケットロール
8…第1のインキングロール
9…第2のインキングロール

Claims (7)

  1. 平版オフセット印刷用の導体インキにおいて、
    少なくとも導電性粉体を60〜90重量%の範囲、有機成分を10〜40重量%の範囲でそれぞれ含有し、タック値が17〜30の範囲内であり、回転速度100s -1 における粘度V 100 が1000〜5000Pの範囲内であり、回転速度1s -1 における粘度V 1 と前記粘度V 100 の比V 1 /V 100 が2〜10の範囲内であり、前記導電性粉体はタップ密度が2.5〜6g/cm3の範囲内であり、かつ、平均粒径が0.02〜1μmの範囲であることを特徴とした導体インキ。
  2. ガラスフリットを10重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の導体インキ。
  3. 導電性粉体は導電性酸化物を30重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導体インキ。
  4. 導電性酸化物の平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の導体インキ。
  5. 有機成分が無水マレイン酸樹脂またはアルキッド樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導体インキ。
  6. 有機成分が(メタ)アリルエーテルと無水マレイン酸の共重合体を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導体インキ。
  7. プラズマディスプレイパネルの電極形成用であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導体インキ。
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