JP4327343B2 - 引戸錠の鎌片受機構を有する受金具及び該受金具を戸枠に取付ける方法 - Google Patents

引戸錠の鎌片受機構を有する受金具及び該受金具を戸枠に取付ける方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、引戸錠の鎌片受機構を有する受金具及び該受金具を戸枠に取付ける方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、引戸錠の閉戸時に、引戸の「上下ないし傾斜方向のガタツキ防止を防止するためのガタ無調整手段」と「戸の開口方向におけるチリ無調整手段」の両方を備えた鎌片用受金具の出現が要望されている。
【0003】
その理由は、受金具を構成するトコヨケを戸枠の凹所内に固定した後に、ストライクを取り外してトコヨケ内の摺動ボックス等の位置を調整しなければならないとしたら、労力を要するのは当然の事ながら、このようにガタ調整をするには、熟練者が必要である。特に、引戸錠の受金具の鎌片受機構に対して、その技術的目的を、「ガタツキ防止」に設定した場合に於いて、例えばストライクの受板と鎌錠本体のフロントとの間に3mm,5mmなど所定のチリを設定した時においては、引張り方向のガタツキ防止を可能な限り防止することが望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のように、鎌片用受金具に於いて、「ガタ調整」や「チリ調整」をするためには熟練者の労力を必要とするので、この不便さを解消することを目的とする。そこで、第1の目的は、閉戸時に鎌片が施錠状態に成った場合に、鎌片に対する受金具側の「ガタ調整」や「チリ調整」の両方を調整しなくても良い、いわゆる無調整式の鎌片受機構を有する受金具及び該受金具を戸枠に取付ける方法を提供することである。第2の目的は、所定寸法のチリを設定してもガタ付き防止を確実に図ることができることである。この場合、望ましくは精密なガタツキ防止を図ることを目的とする。そして、可動ストライクの受板と錠本体のフロントとの間に所定のチリ(例えば3mm以内の隙間)を設定した範囲内においても、引戸錠の本施錠時にチリ設定に対応して上下の係合摺動体が選択的に係合し、これにより前記調整をしなくても常にガタツキ防止を図ることができることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の引戸錠の鎌片受機構を有する受金具は、表面開放状態のケース本体50に、上端部に噛合い歯(99,99A)を有する下方係合摺動体(92,92A)を上下動自在に組込み、一方、受板71に鎌片用窓72を有するケース状可動ストライク70の上端部に、前記噛合い歯に選択的に係合可能な被噛合い歯(109,109A)を有する上方係合摺動体(105,105A)を上下動可能に装着し、また可動ストライク70のボックス部を形成する左右の側板77を取り囲む鎌片受け入れ用嵌合口88を有する長板状取付け板85に前記ケース本体50を一体的に組合わせ、この組合わせ状態に於いて、前記可動ストライク70は、ケース本体50内に装備したチリ設定用付勢バネ90により、前記受板71が取付け板85の外壁面85aから突出するように付勢されていることを特徴とする。
【0006】
上記構成に於いて、下方係合摺動体の噛合い歯は、階段状或いは水平状態に連続的に形成されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明の受金具を戸枠に取付ける方法は、表面開放状態のケース本体50内に、上端部に噛合い歯(99,99A)を有する下方係合摺動体(92,92A)を上下動自在に内装する工程と、一方、チリ設定用付勢バネ90の一端部を可動ストライク70のバネ支持部78に嵌め込んだ状態で、受板71に鎌片用窓72を有するケース状可動ストライク70の上端部前記噛合い歯に選択的に係合可能な被噛合い歯(109,109A)を有する上方係合摺動体(105,105A)を上下動可能に装着する工程と次いで、前記可動ストライク70をケース本体50に嵌め合わせる工程と次いで、前記嵌合状態に於いて、第1固着具61を介して、前記ケース本体50を、鎌片受け入れ用嵌合口88を有する取付け板85に一体的に固着して受金具4を構成する工程と、しかる後に、前記取付け板85の上下端部に形成した挿入孔86に第2固着具87を通して前記受金具を戸枠に取付けることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9により本発明の第1実施例を説明する。まず本発明の主要部を説明する前に、図7乃至図9を参照に発明の実施の環境を説明する。
【0009】
Xは引戸錠で、この引戸錠Xは、引戸1側に取付けられる鎌錠本体2と、戸枠3側に取付けられ、かつ、鎌片受機構を構成する複数個の部材を組合わせた受金具4とから構成されている。
【0010】
ここで本発明の特定要件ではないが、鎌錠本体2の構成についても説明する。5は引戸1の縦框に内装された錠ケースである。6は錠ケース5の開口部側に固定されたフロントで、フロント6は、普通一般に錠ケース5の蓋板7に固定されている。8はフロント6並びに蓋板7に形成された進退動部材用窓、9は鎌片用出入口である。
【0011】
11は錠ケース5内に摺動自在に装着された進退動部材である。この進退動部材11は、閉戸時、後述する受金具を構成する可動ストライクの表面に当接する当接面を有する先端部12と、この先端部12に水平方向に連設する後端部13とを有し、前記後端部13にはトリガーバネ14用支持穴15が形成されている。17は水平突出杆11の下部側壁に形成されたラックである。
【0012】
20は鎌片である。鎌片20は、基部にピニオン21を備えると共に、錠ケース5内に支軸22を介して軸支され、かつ、進退動部材11の後退動に連動して可動ストライクと掛合する方何へ回転する。鎌片20は、ピニオン21を有する基部23、可動ストライクと係合する鉤状先端部24、該先端部に連設する幅広後端部25を有し、前記幅広後端部25の尻部には、ラチェット状の複数個の係合歯27が形成されている。
【0013】
30は錠ケース5内に上下方向に摺動自在に設けられたスライド操作板である。このスライド操作板30は、閉戸時、本施錠をする時に図示しない操作摘みを操作すると下降する。31はスライド操作板用のバネで、該バネ31はクリック機能を有する。
【0014】
40は鎌片20の下方に軸支され、かつ、前記スライド操作板30の下端部に形成された窓状の被係合部32と係合する係止ピン41を有する係止爪片である。この係止爪片40は、スライド操作片30の下端部を案内する機能を有する固定軸42に軸支され、スライド操作片30が下降すると、固定軸42を支点に鎌片の係合歯27に係合する方向へと回転する。
【0015】
したがって、上記鎌錠本体2に於いては、いわゆる本施錠時(閉戸時)、進退動部材11が可動ストライクの受板(表面)に当たって後退し、これにより鎌片20の先端部24が回転進出して受金具4に入り込み、可動ストライク70の裏面と掛合状態になる(図8参照)。次いでスライド操作片30が下降すると、係合爪片40が鎌片の係合歯27に係合して鎌片20の後退を阻止する(図9参照)。
【0016】
以上のように鎌片20を備える鎌錠本体2との関係に於いて、本発明の主要部(受金具における鎌片受機構)が使用される。そこで、次に図1乃至図6を参照に本発明の第1実施例を説明する。
【0017】
まず、戸枠3に取付けられる受金具4は、図1及び図2で示すように表面開放状態のケース本体50と、このケース本体に表面側が突出するように組込まれるケース状可動ストライク70と、この可動ストライク70のボックス部(左右の側板と端板部)77,73を囲むようにケース本体に嵌め合わせられ、かつ、前記ケース本体50と一体化される長板状取付け板85と、ケース本体50と可動ストライク70に内装され、かつ、可動ストライク70と共に鎌錠本体2の鎌片受機構を構成する各部材とから成る。そこで、これらの構成部材について順番に説明する。
【0018】
さて、ケース本体50は、当業者間では、一般に「トロヨケ」と称されている。普通一般に称されているトロヨケと、本実施例のケース本体50とは、次に列挙する点が異なっている。
(a)戸枠3に形成した凹所内に入り込むチャンネル形状ボックス部の垂直底壁51の内壁面に、ケース本体50の開口52方向に突出した小支板53が設けられている点、
(b)前記垂直底壁51の上下端部側をそれぞれ対向状態に折り曲げ形成して出来た上下壁54,55の左右端縁と、これらの上下壁54,55に対する左右の側壁56,57の上下端縁との間に、後述の可動ストライクの端板部73が入りこむことが可能な若干のガイド隙間58,58がそれぞれ設けられている点、
(c)前記上下壁54,55の端部を垂直方向にそれぞれ折り曲げて形成した上下の取付用突壁59,60の適宜部位に、ケース本体50と取付け板85とを一体化する第1固着具61用の小孔62,62がそれぞれ形成されている点、
(d)そして、もっぱら後述する下方案内棒を取付ける際に利用するために、前記下壁55に貫通孔63を形成した点である。なお、突壁59,60の符号64は、後述する取付け板85の上下部にそれぞれ形成した挿入孔86に符合する符合孔であり、これらの符合孔・挿入孔64,86には、受金具4を戸枠3に固定するための第2固着具87が入り込む。
【0019】
しかして、前述した小支板53は、垂直底壁51の適宜部位の一部を内側に折り曲げて形成したものであり、しかも、下方案内棒用貫通小孔65を有している。
【0020】
次に可動ストライク70について説明する。普通一般にストライクはトロヨケに固定されるが、本実施例では可動部材である。この可動ストライク70は、図2で示すように裏側開放状態のボツクス形状をしており、ケース本体50の開口52に向き合うように該ケース本体50内に水平移動可能に嵌め合わせられる。図1はケース本体50に可動ストライク70をスライド可能に組合わせた状態の一例を示している。
【0021】
しかして、71は表側の受板で、この受板71の下端部には鎌片の先端部が入り込む矩形状の鎌片用窓72が形成されている。受板71の外壁面には、前述した進退動部材11やフロント6が当接可能である。一方、受板71の内壁面には、鎌片20の先端部24が掛合可能である。73は受板71の上下端部をそれぞれ開口方向へ折り曲げて形成したスライド端板部で、これら上下のスライド端板部73は、ケース本体50のガイド間隙58,58にそれぞれ摺動自在に差込まれる。
【0022】
スライド端板部73は、本実施例では折り曲げ付近の寸法の短い部分74と、この短い部分74に連設する寸法の長い耳状部分75に区分することができる。そして、耳状部分75は短い部分74に対して左右に突出しているので、その突出している表側の垂直端面76が取付け板85の内壁面に当る。それ故に、取付け板85は可動ストライク70に対してストッパー的機能を有している。
【0023】
77は左右に対向する側板である。側板77の上下端部には、切欠によって形成された小突起状のバネ支持部78が形成されている。また、側板77の上部の適宜部位には、縦方向に左右一対の垂直案内部(縦溝、垂直長孔等)79が形成されている。
【0024】
さらに、上下のスライド端板部73について説明すると、上スライド端板部73は、後述する上方案内棒用の貫通孔80を有し、一方、下スライド端板部73には、下方案内棒の下部に当接しないように平面U字型状の切欠部81が形成されている。
【0025】
次に取付け板85について説明する。取付け板85は端面チャンネル形状に形成され、前述したように上下部に第2固着具87用の挿入孔86,86を有している。この取付け板85は、ケース本体50との関係で座板的機能、受金具4を戸枠3に取付け固定する意味合いでの取付機能の他に、前述した可動ストライク70の短い部分74或いは耳状部分75の長さとの関係で、該可動ストライク70の飛び出し量を決めるチリ設定機能を有している。
【0026】
すなわち、長板状の取付け板85には、可動ストライク70の受板71の幅寸法並びに高さ(縦)寸法を考慮して設定された縦長状の嵌合口88が設けられ、この嵌合口88から「チリ(図5の符合a)」を設定した分だけ、可動ストライク70の前方(表側)部が突出する。
【0027】
ここで、「チリ」とは、図5で示すように取付け板85の外壁面85aを基準にして可動ストライク70の受板71の突出した寸法(例えば1mm,3mm,5mm等飛び出た量。)を言う。
【0028】
それ故に、受金具4には、可動ストライク70が取付け板85の嵌合口88から突出するように付勢する複数個、本実施例では合計4本のチリ設定用付勢バネ90が内装され、それらの付勢バネ90の一端部は、前述した可動ストライク70のバネ支持部78にそれぞれ支持されている。
【0029】
なお、符号89は、取付け板85の上下端部に形成され、かつ、ケース体50の小孔62,62に符合する第1固着具用のネジ孔である。
【0030】
次にケース本体50と可動ストライク70に内装されかつ可動ストライク70と共に鎌錠本体2の鎌片受機構を構成する各部材について説明する。
【0031】
まず、図2と図3を見て頂きたい。92はケース本体50内の下部側に上下動自在に組込まれた下方(一方)の係合摺動体である。この下方係合摺動体92の形態をケース本体5の形状との関係で説明する。93は垂直底壁51内に沿って昇降動する摺動背板で、この摺動背板93には、小支板53の位置を考慮して矩形状の案内窓94が形成されている。ケース本体5の小支板53は案内窓94を貫通している。案内窓94の大きさは、望ましくは摺動背板93が上昇しても案内窓94を形成する開口下辺に小支板53が当接しないように設定してある。
【0032】
95は摺動背板93の上端部の中央部に設けられた鎌片の先端用受部で、この先端用受部95は摺動背板93の上端部を開口52方向へ略水平状態に折曲形成することにより出来ている。一方、96は摺動背板93の下端部の中央部に設けられた係合小支板で、この係合小支板96の中央部には、貫通状態の案内小孔97が形成されている。係合小支板96も前記先端用受部95と同様に摺動背板93の下端部を開口52方向へ略水平状態に折曲形成することにより出来ている。
【0033】
98は左右の側壁56,57に沿って昇降動する左右一対の摺動側板である。これらの摺動側板98,98の傾斜状上端部には、やや急な階段状の連続的な噛合い歯99が形成されている。
【0034】
しかして、100は上端部がケース本体50の小支板53の貫通小孔65に嵌め込まれ、一方、下端部は下方係合摺動体92の前記係合小支板96の案内小孔97を貫通する下方案内棒である。この下方案内棒100の上端部にはフランジ部101が設けられている。この下方案内棒100は下方係合摺動体92を上下方向に案内する機能を有している。
【0035】
102は前記下方案内棒に巻装された復帰バネで、この復帰バネ102の下端部は常時下方係合摺動体92の係合小支板96に圧接している。それ故に、下方係合摺動体92は、下方案内棒100に案内されて上昇する時は、復帰バネ102のバネ力に抗して上昇する。
【0036】
次に図2と図4を見て頂きたい。105はケース本体50内の上部側に上下動自在に組込まれた上方(他方)の係合摺動体である。この上方係合摺動体105の形態を可動ストライク70の形状との関係で説明する。
【0037】
まず図2と図3を見て頂きたい。92はケース本体50内の下部側に上下動自在に組込まれた下方(一方)の係合摺動体である。この上方係合摺動体105は前記下方係合摺動体92との係合関係を考慮して形成したものであるから、その形態、組合等の考え方は下方係合摺動体92と共通的なものがある。
【0038】
すなわち、106は左右両端部の壁面が可動ストライク70の左右側板77,77の開放側端面と当接可能な垂直壁で、この垂直壁106の左右両端部には、可動ストライク70の左右側板77,77の外壁面を摺動する左右一対の摺動側壁107が連設している。
【0039】
しかして、前記背板に相当する垂直壁106の下端部には、下方係合摺動体92の受部95を受け入れることが可能な下向き切欠部108が形成されている。また、前記左右一対の摺動側壁107の傾斜状下端部には、下方係合摺動体92の連続的な噛合い歯99と係合可能な連続的な被噛合い歯109が形成されている。
【0040】
また左右一対の摺動側壁107には、可動ストライク70の垂直案内部79を貫通する横方向の細長ガイド板110横設用の取付け孔111が形成されている。
【0041】
さらに、垂直壁106の上端部には、上方案内棒112の下端部が貫通する案内小孔113を有する突片114が設けられている。
【0042】
ところで、図4で示すように前記上方案内棒112は、上端部が可動ストライク70の上スライド端板73の貫通孔80に嵌め込まれ、一方、下端部は上方係合摺動体105の前述した突片114の案内小孔113を貫通する訳であるが、この上方案内棒112の上端部にも下方案内棒100と同様にフランジ部115が設けられている。この上方案内棒112は上方係合摺動体105を上下方向に案内する機能を有している。
【0043】
116は前記上方案内棒に巻装されたバネで、このバネ116の下端部は常時上方係合摺動体105の突片114に圧接している。それ故に、上方係合摺動体105は、上方案内棒112に案内されて上降する時は、バネ116のバネ力に抗して上昇する。
【0044】
上記構成に於いて、図5及び図6を参照に、本発明の主要部について説明する。なお、本発明は、各構成部材の組合わせとの関係に着目すると、新規な創作部分が多々あるが、本発明の特定要件との関係では、これらの新規事項を独立項に限定請求しないので、各部材の組合わせについての詳細な説明を割愛する。
【0045】
図5及び図6は、上下の係合摺動体、上下の案内棒、付勢バネ等各部材がケース本体50と可動ストライク70に組込まれた状態に於いて、前記ケース本体50が2個の第1固着具61を介して取付け板85に一体的に固定され、かつ、2個の第2固着具87を介して受金具4が戸枠3の凹所に装着された状態を示している。
【0046】
この取付け状態に於いて、受金具4の可動ストライク70の受板71外壁面71aは、取付け板85の外壁面85aよにも「チリa」を予め設定(例えば5mm)した分だけ、付勢バネ90のバネ力により飛び出ている。
この時、取付け板85の内壁面にスライド端板部73の耳状部分75の端面76が当たっているので、可動ストライク70は設定した「チリa」を越えて嵌合口88から食み出ない。可動ストライク70は、その受板71の外壁面71aを押すと、前記チリを設定した分だけ付勢バネ90のバネ力に抗してケース本体50内へと後退可能である。
【0047】
そこで、今ここで、図7で示す開戸状態から引戸1を閉めた仮定する。引戸1を閉めると、前述したように図8のように動力変換機構(例えばラックとピニオンとの関係)により、鎌片20は錠本体2の出入口9から出て、受金具4の鎌片用窓72へと入り込む。受金具4に入り込んだ鎌片20の先端部24は、まず下方係合摺動体92の受部95に当たる。この時下方係合摺動体92は、鎌片20回転量に従って持ち上げられることになるから、下方係合摺動体92は、下方案内棒100に案内されかつ復帰バネ102のバネ力に抗して上昇する。下方係合摺動体92が上昇すると、その連続的噛合い歯99は、可動ストライク70の突出位置如何に拘泥せずに、必ず上方係合摺動体105の連続的な被噛合い歯109に係合する(鎌片ないし引戸のガタ防止機能:ガタ無調整の意味合い)。
【0048】
次に閉戸時、可動ストライク70が錠本体2のフロント6に押圧されてケース体50内へと後退すると、上方係合摺動体105は、細長ガイド板110を介して可動ストライク70に移動可能に装着されているから、可動ストライク70と共に、「チリ調整が必要な分だけ」ケース体50内へと後退する。その時、上方係合摺動体105はバネ116に付勢されているから、上方案内棒112に案内されて下方へ滑動する。その結果、下方係合摺動体92の噛合い歯99と上方係合摺動体105の被噛合い歯の位置が若干変わる(自動的なチリ調整機能:チリ無調整の意味合い)。
【0049】
次に特に図示しないが、上記第1実施例の受金具4を戸枠3の取付ける方法の発明について説明する。
【0050】
(A工程)まずケース本体50の下方案内棒100を垂直底壁51の小支板53に取付ける。この場合復帰バネ102を装着した状態で下方案内棒100の下端部を貫通孔63に一旦差込み、次いで、その上端部を小支板53の貫通小孔65に嵌め入れるが、予め下方案内棒100の下端部を下方係合摺動体92の係合支板96の案内小孔97に通した状態で下方係合摺動体と共に下方案内棒100をケース本体50に取付けた方が簡単にセットできる。特にかく、このA工程ではケース本体50内に下方係合摺動体を上下動可能に内装する。
【0051】
(B工程)次に、上方係合摺動体105を可動ストライク70の上端部に上下動可能に取付ける。この場合上方係合摺動体105を可動ストライク70の上端部に外嵌合するように嵌め合わせ、取付け孔111と垂直案内部79とが一致した所で、細長ガイド板110を取付け孔111と垂直案内部79に貫通状態に嵌め込む。これにより上方係合摺動体105は可動ストライク70の上端部に一体的に取付けられる。そこで、この装備状態で可動ストライク70をケース本体50に嵌め合わせる。嵌め合わせる際には、可動ストライク70の上下のスライド端板部73をケース本体50のガイド間隙58に差込むようにする。なお、この工程Bの際には、付勢バネ90の一端部を可動ストライク70のバネ支持部78に嵌め込んだ状態で可動ストライク70をケース本体50に嵌め合わせる。
【0052】
(C工程)次に、上記嵌合状態に於いて、第1固着具61を介してケース本体50を取付け板85に一体的に固着する。第1固着具61は、ケース本体50の小孔62から取付け板85のネジ孔89へと差込み、これによりケース本体50は取付け板85に螺着される。
【0053】
(D工程)しかる後に取付け板85の上下端部に形成した挿入孔86とケース本体50の符合孔64に第2固着具87を通して受金具を戸枠の取付ける。
【0054】
【実施例】
この欄では、本発明の主要部の変形例(第2実施例)を示す。なお、この変形例の説明に当って、第1実施例と同一の部分には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を省略する。
【0055】
図10及び図14に示す第2実施例に於いて、前記第1実施例と主に異なる点は、下方係合摺動体92Aの摺動側板98Aの上端部に形成した連続的な噛合い歯99Aが、水平状態に形成されていることである。
【0056】
したがって、前記噛合い歯99Aに係合する上方係合摺動体105Aの摺動側壁107Aの被噛合い歯109Aも水平状態の形成されている。なお、前記噛合い歯99Aは、望ましくはラチェット歯を採用している。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。
(1)鎌片に対する「ガタ調整」や「チリ調整」の両方を調整しなくても良い、いわゆる無調整式の鎌片受機構を有する受金具及び該受金具を戸枠に取付ける方法を提供することができる。
(2)所定寸法のチリを設定してもガタ付き防止を確実に図ることができることである。この場合、上下の係合摺動体の噛合い歯が連続的なので、精密なガタツキ防止を図ることができる。そして、可動ストライクの受板と錠本体のフロントとの間に所定のチリ(例えば3mm以内の隙間)を設定した範囲内においても、引戸錠の本施錠時にチリ設定に対応して上下の係合摺動体が選択的に係合かるので、これによりチリ調整をしなくても常にガタツキ防止を図ることができることができる。
(3)請求項10に記載の発明は、受金具を容易に戸枠に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図9は本発明の第1実施例を示す各説明図。図10乃至図14は本発明の第2実施例(主要部の変形例)を示す各説明図。
【図1】斜視からの説明図(取付け板を分離して示す)。
【図2】分解斜視図。
【図3】ケース本体に下方係合摺動体を組合わせた場合の斜視図。
【図4】可動ストライクと関係する主な部材の説明図。
【図5】戸枠に受金具を取り付けた場合の説明図。
【図6】図5に於いて、受金具の内部構造を示す説明図。
【図7】第1実施例の実施の形態を示す説明図(開戸時状態)。
【図8】第1実施例の実施の形態を示す説明図(閉戸時の状態)。
【図9】図8に於いて、スライド操作片を下降した場合に説明図。
【図10】第2実施例の図2と同様の図。
【図11】第2実施例の図3と同様の図。
【図12】第2実施例の図4と同様の図。
【図13】第2実施例の実施の形態を示す説明図(開戸時の状態)。
【図14】第2実施例の実施の形態を示す説明図(閉戸時戸の状態)。
【符号の説明】
X…引戸錠、1…引戸、2…(鎌)錠本体、3…戸枠、4…受金具、11…進退動部材、12…先端部、17…ラック、20…鎌片、21…ピニオン、24…鉤状先端部、30…スライド操作板、40…係止爪片、50…ケース本体、51…垂直底壁、52…開口、53…小支板、54,55…上下壁、56,57…側壁、58…ガイド間隙、59,60…取付け用突壁、61…第1固着具、62…小孔、63,80…貫通孔、70…可動ストライク、71…受板、72…鎌片用窓、73…端板部、76…耳状部分の端面、77…側板、78…バネ支持部、79…垂直案内部、81…切欠部、92,92A…下方係合摺動体、93…摺動背板、94…案内窓、95…先端用受部、96…係合小支板、97,113…案内小孔、98,98A…摺動側板、99,99A…噛合い歯、100,112…案内棒、102…復帰バネ、105…上方係合摺動体、106…垂直壁、107,107A…摺動側壁、109,109A…被噛合い歯、114…突片、116…バネ、a…チリ。

Claims (10)

  1. 表面開放状態のケース本体50に、上端部に噛合い歯(99,99A)を有する下方係合摺動体(92,92A)を上下動自在に組込み、一方、受板71に鎌片用窓72を有するケース状可動ストライク70の上端部に、前記噛合い歯に選択的に係合可能な被噛合い歯(109,109A)を有する上方係合摺動体(105,105A)を上下動可能に装着し、また可動ストライク70のボックス部を形成する左右の側板77を取り囲む鎌片受け入れ用嵌合口88を有する長板状取付け板85に前記ケース本体50を一体的に組合わせ、この組合わせ状態に於いて、前記可動ストライク70は、ケース本体50内に装備したチリ設定用付勢バネ90により、前記受板71が取付け板85の外壁面85aから突出するように付勢されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  2. 請求項1に於いて、下方係合摺動体92の噛合い歯99は、階段状に形成されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  3. 請求項1に於いて、下方係合摺動体92Aの噛合い歯99Aは、水平状態に連続形成されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  4. 請求項1に於いて、可動ストライク70は、ケース本体50の上下のガイド間隙58に嵌り合うスライド端板部73を有し、長板状取付け板85に前記ケース本体50を一体的に組合わせ場合には、前記スライド端板部73に形成した耳状部分75の端面76が取付け板85の内壁面に当接することを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  5. 請求項1に於いて、下方係合摺動体92の上端部に、鎌片20の先端部24が当接する先端用受部95を設け、引戸1の閉戸時、下方係合摺動体92は、前記先端用受部95を介して鎌片に持ち上げられかつ上方係合摺動体105に係合することを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  6. 請求項1に於いて、上方係合摺動体105は、可動ストライク70内に装備したバネ116のバネ力により下方係合摺動体92に係合する方向に常時付勢されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  7. 請求項1に於いて、下方係合摺動体92は、ケース本体50に設けられた小支板53に取付けられた下方案内棒100を介して案内されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  8. 請求項1に於いて、上方係合摺動体105は、上スライド端板部73に設けられた上方案内棒112を介して案内されていることを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  9. 請求項1に於いて、可動ストライク70は、左右の対向側板77の上下端部に、切欠によって形成された小突起状のバネ支持部78をそれぞれ有しこれらのバネ支持部78は、複数個のチリ設定用付勢バネ90の各一端部をそれぞれ支持することを特徴とする引戸錠の鎌片受機構を有する受金具。
  10. 表面開放状態のケース本体50内に、上端部に噛合い歯(99,99A)を有する下方係合摺動体(92,92A)を上下動自在に内装する工程と、一方、チリ設定用付勢バネ90の一端部を可動ストライク70のバネ支持部78に嵌め込んだ状態で、受板71に鎌片用窓72を有するケース状可動ストライク70の上端部前記噛合い歯に選択的に係合可能な被噛合い歯(109,109A)を有する上方係合摺動体(105,105A)を上下動可能に装着する工程と次いで、前記可動ストライク70をケース本体50に嵌め合わせる工程と次いで、前記嵌合状態に於いて、第1固着具61を介して、前記ケース本体50を、鎌片受け入れ用嵌合口88を有する取付け板85に一体的に固着して受金具4を構成する工程と、しかる後に、前記取付け板85の上下端部に形成した挿入孔86に第2固着具87を通して前記受金具を戸枠に取付ける方法。
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