本発明の実施の一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施の形態にかかる携帯型電子機器は、動画撮影において、撮像装置(撮像手段)のフォーカスの自動調整が完了した旨のフォーカス処理完了信号を送信した後で、動画の撮影を行うようになっている携帯型電子機器である。以下の説明では、携帯型電子機器として、クラムシェル型の撮像装置(カメラ部)を備えた携帯電話機、所謂、カメラ付携帯電話機(以下の説明では、単に携帯電話機として説明する)について説明する。なお、本発明における携帯型電子機器としては、上記カメラ付携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、携帯情報端末機等も含まれるものとする。
図2は、本実施の形態にかかるクラムシェル型の携帯電話機1の開いた状態における概略の構成を示す正面図である。図3は、上記携帯電話機1の閉じた状態における蓋体3側から見た概略の構成を示す正面図である。図4は、上記携帯電話機1の閉じた状態における本体2部側から見た概略の構成を示す正面図である。図5は、上記携帯電話機1を閉じた状態における概略の構成を示す側面図である。
図2に示すように、携帯電話機1(携帯型電子機器)は、本体2と、蓋体3とからなり、本体2と蓋体3とはヒンジを介して連結されている。そして、上記本体2と蓋体3とはヒンジを軸として回動が可能となっている。
そして、上記蓋体3には、図2および図3に示すように、メイン画面である第1表示部4とサブ画面である第2表示部5とスピーカ40と図示しないアンテナとが備えられている。
第1表示部4は、携帯電話機1が折り畳まれた場合に、内側に位置するように配置されている。第2表示部5は、携帯電話機1が折り畳まれた場合に、外側、つまり、閉じた状態における携帯電話機1の表面側に設けられている。そして、第1表示部4および第2表示部5は、例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ等の装置と、当該装置と携帯電話機1の内部システムとの間のインターフェイスである各種ドライバとから構成されている。この第1表示部4および第2表示部5には、携帯電話機1を操作する際、各種の操作を行うためのガイダンス情報や受信情報、画像やテキスト情報、アイコン等が表示される。
また、スピーカ40は、第1表示部4の上部に備えられており、通話時に使用される。また、アンテナは、無線通信を行うために使用される。
次に、本体2について説明する。本体2には、図2、図4および図5に示すように、マイクロフォン30とメイン操作ボタン群67とカメラ部80(撮像手段)とライト部70とサイドボタン62とを備えている。なお、カメラ部80の詳細な構成については後述する。
上記マイクロフォン30とメイン操作ボタン群67とは、携帯電話機1を折り畳んだ場合に、内側となる面に設けられており、カメラ部80とライト部70とは、閉じた状態における携帯電話機1の表面側に設けられている。また、サイドボタン62は、携帯電話機1の側面に設けられている。上記マイクロフォン30は、通話時に音声を入力するために使用される。
上記メイン操作ボタン群67は、携帯電話機1における各種設定や機能切替を行うための機能ボタン群66と、数字および/または文字等を入力するための入力ボタン群65とから構成されている。具体的には、上記機能ボタン群66には、携帯電話の電源のON/OFFを切替る電源ボタン、後述する撮影モードを起動させるカメラボタン、メールモードを起動させるメールボタン、選択対象を上下左右方向に移動させるための十字ボタン、上記十字ボタンの中央に配置されており種々の選択を決定する決定ボタン等が備えられている。また、入力ボタン群65は、テンキーである。
また、サイドボタン62は、撮影モード(動画撮影および静止画撮影)におけるシャッターボタン(撮影ボタン)である。つまり、サイドボタン62は、携帯電話機1を撮影モードで使用する際にはシャッターとして機能する。
なお、本実施の形態にかかる携帯電話機1では、上記サイドボタン62は、2段階の押下操作が可能な2段階ボタンスイッチ(2段階操作入力手段)(以下、単に2段ボタン62と称する)で構成されている。そして、上記携帯電話機1を撮影モードで使用する場合には2段ボタン62に対して「半押し」と呼ばれるストロークの浅い1段目の押下操作を行うとフォーカスの自動調整(以下、合焦処理と称する)が行われる。その後、この半押し状態から「全押し」と呼ばれるストロークの深い2段目の押下操作を行うと撮影処理が行われる。
そして、本実施の形態にかかる携帯電話機1には、上記2段ボタン62とは別に、撮影ボタン(撮影命令操作入力手段)61およびフォーカスボタン(フォーカス命令入力操作手段)63が備えられている。上記撮影ボタン61は、撮影モードにおいて、カメラ部80から出力されてくる画像信号を、撮影するためのシャッターとして機能する。また、フォーカスボタン63は、撮影モードにおいて、撮像素子81のフォーカスを自動調整するためのトリガとして機能する。すなわち、撮影モードにおいて、ユーザにより撮影ボタン61が押圧されると、撮影が行われ、ユーザによってフォーカスボタン63が押圧されると、フォーカスの自動調整が行われるようになっている。
そして、本実施の形態にかかる携帯電話機1では、撮影モードにおいては、上記決定ボタンが撮影ボタン61として機能し、テンキー(入力ボタン群65)の「0」ボタンがフォーカスボタン63として機能する。そして、ユーザは、このフォーカスボタン63と撮影ボタン61との2つのボタンを操作することにより、合焦処理と撮影とを行うことができる。なお、ここでは、フォーカスボタン63および撮影ボタン61として1段階の押下操作のみが可能な操作キーが使用されている。
つまり、上記携帯電話機1では、2段ボタン62のみを操作する場合でも、また、撮影ボタン61とフォーカスボタン63との2つのボタンを操作する場合でも合焦処理と撮影とを行うことができる。
また、上記携帯電話機1は、ユーザが任意でフォーカスの調整を行うためのフォーカス調整ボタン64を備えている。具体的には、上記十字ボタンがフォーカス調整ボタン64として機能する。そして、ユーザは、このフォーカス調整ボタン64を操作することにより、カメラ部80の焦点距離を、ユーザの所望の値に設定することができる。
ここで、上記携帯電話機1の詳細な構成について、図6のブロック部を参照して説明する。
図6に示すように、本実施の形態にかかる携帯電話機1は、カメラ部80、制御部10、表示部50、スピーカ40、マイクロフォン30、キー入力部60、記憶部20、ライト部70および無線部90により構成されている。
カメラ部80は、被写体を撮影して画像信号(動画情報および静止画情報を含む)を出力する撮像素子を備えた撮像手段(撮影装置)である。カメラ部80の詳細な構成については後述する。
表示部50は、第1表示部4および第2表示部5から構成されており、文字や画像を表示するための表示手段である。そして、上記表示部50は、通話モードの場合には、電話番号などの通話情報が表示される一方、撮影モードの場合には、カメラ部80からの画像信号がスルー画像なってモニター表示され、デジタルスチルカメラのファインダーとして使用される。
スピーカ40およびマイクロフォン30は、通話モードで使用される。キー入力部60は、多数の操作キー(メイン操作ボタン群67)およびサイドボタン62を含んで構成されている。具体的には、上記携帯電話機1のキー入力部60には、撮影ボタン(撮影命令操作入力手段)61、2段ボタン(2段階操作入力手段)62、フォーカスボタン(フォーカス命令操作入力手段)63、および、フォーカス調整ボタン(フォーカス操作手段)64が備えられている。なお、上記撮影ボタン61、2段ボタン62、フォーカスボタン63、および、フォーカス調整ボタン64は、動画を撮影する撮影モードにおいても。また、静止画を撮影する静止画モードにおいても使用される。なお、以下の説明では、各ボタンが、動画を撮影する撮影モードにおいて、押圧されたときの処理を示している。
また、上記マイクロフォン30は、動画撮影の際に、外部の音声等の音情報を取り込む。
記憶部(記憶装置)20は、カメラ部80から出力された動画情報を格納するためのものである。また、記憶部20には、上記画像情報の他にも種々の情報が記憶される。また、上記記憶部20には、例えば、制御部10が動作する際に必要なプログラム、通信制御データ等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROMや、バーコード認識や通信に関するデータ、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAM等が含まれる。
無線部90は、アンテナを介して、図示しない無線基地局との間で無線通信を行って、携帯電話機1による通話及び電子メール等の送受信を実現している。そして、例えば、記憶部20に記憶されている画像情報は電子メールに添付して無線送信することができる。
ライト部70は、撮影モードにおいて、露光装置として機能する。
制御部10は、ライト部70、カメラ部80、無線部90、記憶部20、キー入力部60、表示部50、スピーカ40、および、マイクロフォン30を制御している。なお、上記制御部10の詳細な構成については後述する。
ここで、カメラ部80の構成について説明する。
図7は、図6のカメラ部80の一構成例を示したブロック図である。カメラ部80は、レンズ83、受光素子を備えたCCD回路(撮像素子)81、CCD駆動部84、図示しない信号増幅部、A/D変換部85、およびレンズ駆動部(フォーカス調整手段)82により構成されている。
被写体からの光はレンズ83で集光され、画像信号を生成する撮像素子81に入射される。より具体的には、レンズ83で集光された光は、CCD回路81の受光素子が備えられている受光面に結像される。上記CCD回路81の受光面は多数の受光素子からなり、各受光素子には入射光量に応じた電荷が蓄積され、所定の露光時間内で蓄積された電荷を各受光素子から読み出すことにより画像信号(動画情報)が得られる。
CCD駆動部84は、CCD回路81に対しタイミングパルスを供給し、各受光素子に蓄積された電荷を消去するとともに、所定の露光時間が経過するまでに各受光素子に蓄積された電荷量を読み出すようにタイミング制御を行っている。
CCD回路81で生成された画像信号は、信号増幅部で増幅され、A/D変換部85においてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部20に格納される。そして、図示しない画像処理部によって様々な処理が行われる。
また、レンズ駆動部82は、後述するAF制御部13からのレンズ83駆動信号に基づいて、レンズ83を光軸方向に移動させる。つまり、レンズ駆動部82が、レンズ83を移動させることにより、カメラ部80の焦点距離が変動するようになっている。
ここで、本実施の形態にかかる携帯電話機1の制御部10の詳細な構成について図1を参照して説明する。図1は、上記携帯電話機1の制御部10における概略の構成を示す機能ブロック図である。
制御部10は、図1に示すように、撮影ボタン検出部(撮影操作検出手段)14と、フォーカスボタン検出部(フォーカス操作検出手段)15と2段ボタン検出部(2段階操作検出手段)16と信号切替部17(分配手段)とAF制御部(フォーカス制御手段)13と撮影部12を備えた撮影制御部(撮影制御手段)11、フォーカス調整部(フォーカス調整手段)18およびタイマ19とを備えている。
撮影ボタン検出部14は、本体2に設けられている撮影ボタン61が押圧(押下)されたか否かを検出する。また、上記撮影ボタン検出部14は、撮影ボタン61が押圧された場合には、操作者によって撮影ボタン61が押されたことを示す撮影命令信号を、後述する撮影制御部11に送信する。つまり、撮影ボタン検出部14によって、ユーザから撮影命令が出されたか否かを知ることができる。
フォーカスボタン検出部15は、本体2に設けられているフォーカスボタン63が押圧(押下)されたか否かを検出する。また、上記フォーカスボタン検出部15は、フォーカスボタン63が押圧された場合には、操作者によってフォーカスボタン63が押されたことを示すフォーカス命令信号を、後述する撮影制御部11に送信する。
2段ボタン検出部16は、本体2の側面部に設けられた2段ボタン62の押圧(押下)状態を検出する。そして、2段ボタン検出部16は、2段ボタン62の押圧状態に応じて、当該押圧状態に応じた信号を信号切替部17に送信する。具体的には、2段ボタン検出部16は、ユーザによって2段ボタン62が途中まで押されたこと、すなわち、半押し状態を検出した場合には、半押し信号を送信し、ユーザによって2段ボタン62が最後まで押されたこと、すなわち、全押し状態を検出した場合には、全押し信号を信号切替部17に送信する。つまり、2段ボタン検出部16は、当該2段ボタン62が半押しされたか、全押しされたかを検出することができる。なお、半押し信号とは、フォーカス命令信号に相当する。また、全押し信号とは、撮影命令信号に相当する。
信号切替部17は、2段ボタン検出部16から送信されてくる2つの信号を振り分ける。具体的には、2段ボタン検出部16から、上記半押し信号が送信されてきた場合には、信号切替部17は、フォーカス命令信号である半押し信号を、AF制御部13に送信する。また、2段ボタン検出部16から上記全押し信号が送信されてきた場合には、信号切替部17は、全押し信号である撮影命令信号を、撮影制御部11に送信する。
つまり、本実施の形態では、上記撮影ボタン検出部14、2段ボタン検出部16、フォーカスボタン検出部15によって、撮影制御部11に撮影命令信号を、また、AF制御部13にフォーカス命令信号を送信するようになっている。
撮影制御部11は、送信されてくる撮影命令信号に基づいて、カメラ部80から送信されてくる動画情報を撮影する撮影信号を撮影部12およびAF制御部13に出す。
撮影部12は、撮影制御部11から撮影信号を受信すると、カメラ部80の撮像素子81から送信されてくる画像信号を記憶部20に格納する(撮影する)。
また、撮影部12は、動画(動画情報)を記憶部20に格納する際には、マイクロフォン30から出力される音声信号と上記画像信号とを対応させた動画情報を格納するようになっている。つまり、撮影部12は、静止画を記憶部20に格納する際には画像信号のみを格納し、動画情報を記憶部20に格納する際には、画像信号と音声信号とを対応させて、動画情報を作成し、当該動画情報を格納するようになっている。
AF制御部13は、カメラ部80の撮像素子81から送信されてくる画像信号(動画情報)に基づいて、カメラ部80の合焦を行うための処理を行う。具体的には、上記AF制御部13は、焦点距離を変動させたときの画像信号の変動から最適な焦点距離を決定する。また、撮影モードにおいて、AF制御部13には、カメラ部80の撮像素子81から画像信号が常に送信されている。また、AF制御部13は、合焦処理が終了すると、撮影制御部11にフォーカス処理完了信号を送信する。
上記フォーカス調整部18は、フォーカス調整ボタン64が押圧(押下)されたことを検出する。そして、フォーカス調整ボタン64がユーザによって押下された場合には、フォーカス調整部18は、カメラ部80のレンズ駆動部82を動作させて、焦点距離を変化させる。より具体的には、フォーカス調整部18は、ユーザによって押下されたフォーカス調整ボタン64の押下状態に応じて、焦点距離を変化させる。これにより、ユーザは、上記フォーカス調整ボタン64を押下することにより、所望の焦点距離を実現させることができる。また、上記フォーカス調整部18は、フォーカス調整ボタン64が押圧(押下)されたことを検出すると、焦点距離を変動させるとともに、撮影制御部に対して、フォーカス処理完了信号を送信する。これにより、ユーザが所望した焦点距離にて、動画(静止画も含む)の撮影を行うことができる。
タイマは、動画撮影中に、AF制御部13に送信されてきたフォーカス命令信号(半押し信号)の送信時間を計測する。
以下に、フォーカスの自動調整を行う(最適な焦点距離を決定する)合焦処理における制御部10の動作について説明する。
ユーザによってフォーカスボタン63が押圧されると、フォーカスボタン検出部15は、AF制御部13に、フォーカス命令信号を送信する。また、ユーザによって2段ボタン62が半押しされると、2段ボタン検出部16は、信号切替部17にフォーカス命令信号(半押し信号)を送信する。信号切替え部は、2段ボタン検出部16から半押し信号を受信すると、当該半押し信号をAF制御部13に送信する。
フォーカス命令信号(半押し信号)を受信すると、AF制御部13は、カメラ部80のレンズ駆動部82を駆動させて、カメラ部80の焦点距離を変動させる。そして、AF制御部13は、上記カメラ部80の焦点距離が変動したときの画像信号を解析して、最適な焦点距離を決定する。そして、AF制御部13は、最適な焦点距離を決定した後、カメラ部80のレンズ駆動部82を駆動させて、カメラ部80を最適な焦点距離に設定(フォーカスロック)する。そして、AF制御部13は、フォーカスロックが完了すると、撮影制御部11に、合焦処理が完了した旨のフォーカス処理完了信号を送信する。
撮影制御部11は、当該フォーカス処理完了信号を受信して、フォーカスロックが行われているか否かを判断する。そして、フォーカスロックが行われている場合には、撮影制御部11は、撮影部12を動作させて撮影を行う。そして、撮影部12は、撮影した画像情報を記憶部20に送信する。また、フォーカスロックが出来なかった場合、すなわち、合焦処理は完了しているが、最適な焦点距離が決定されなかったためにフォーカスロックができていない場合には、AF制御部13は、表示部50を動作させて、フォーカスロックができていない旨をユーザに対して報知するとともに、撮影制御部11にフォーカス処理完了信号を送信する。なお、上記合焦処理は完了しているが最適な焦点距離が決定されない場合としては、具体的には、例えば、暗闇を撮影しようとすると、最適な焦点距離が決定できない場合等がある。つまり、フォーカス処理信号には、合焦処理が完了した旨を示す情報とフォーカスロックが行われたか否かを示す情報が含まれている。
なお、上記制御部10は、各ブロック(撮影部12、撮影制御部11、AF制御部13、撮影ボタン検出部14、2段ボタン検出部16、信号切替部17、フォーカスボタン検出部15、フォーカス調整部18、タイマ19)が、ハードウェアロジックによって実現されてもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現されてもよい。
すなわち、携帯電話機1の制御部10は、各ブロックの機能を実現する携帯電話機1の制御方法の命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、制御部10は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、制御部10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、実現可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
このように本明細書において、手段(部)とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、1つの手段の機能が、2つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、2つ以上の手段の機能が、1つの物理的手段により実現されてもよい。
次に、動画を撮影する撮影処理について説明する。
ユーザによって撮影ボタン61が押圧されると、撮影ボタン検出部14は、撮影制御部11に、撮影命令信号を送信する。また、ユーザによって2段ボタン62が全押しされると、2段ボタン検出部16は、信号切替部17に全押し信号(撮影命令信号)を送信する。信号切替部17は、2段ボタン検出部16から全押し信号を受信すると、その全押し信号を撮影制御部11に送信する。
撮影命令信号(全押し信号)を受信すると、撮影制御部11は、AF制御部13に合焦処理が終了しているか否かを問合せる。このとき、AF制御部13からは、(A)合焦処理は既に終了している、(B)合焦処理を行っている途中である、(C)合焦処理を未だ行っていない、のいずれかの情報を表す信号が撮影制御部11に送信される。なお、(C)の合焦処理を未だ行っていない旨の情報を表す信号は、例えば、ユーザによって撮影モードが選択されてから一度も合焦処理を行っていない場合や、一旦、撮影が終了した時点から今回の問合せまでにフォーカス命令信号が送信されてきていない場合等に送信される。
上記問合せに対して、AF制御部13から、(A)合焦処理は既に終了している旨の信号、すなわち、フォーカス処理完了信号を受信した場合、撮影制御部11は、撮影部12を動作させて撮影を行う。具体的には、撮影部12は、撮像素子から送信されてくる画像信号と、マイクロフォン30から送信されてくる音声信号とを併せた動画情報を記憶部20に格納する。
一方、上記問合せに対して、AF制御部13から、(B)合焦処理を行っている途中である旨の情報を示す信号を受信した場合、撮影部12は、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送信されてくるまで待機する。そして、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送信されてきた後で、撮影制御部11は、撮影部12を動作させて動画情報を記憶部20に格納する。
また、上記問合せに対して、AF制御部13から、(C)合焦処理を未だ行っていない旨の情報を示す信号を受信した場合、撮影制御部11は、撮影部12を動作させて動画の撮影を行う前に、AF制御部13に対して、合焦処理命令信号(フォーカス命令信号)を送信する。これについて、詳細に説明する。
本実施の形態では、合焦処理を未だ行っていない状態において、ユーザによって撮影ボタン61が押圧された場合、すなわち、合焦処理が行われていないまま、ユーザによって撮影ボタン61が押圧された場合、合焦処理行った後で動画の撮影を行うようになっている。つまり、動画撮影モードにおいて、ユーザが合焦処理を行うことなく撮影ボタン61を押圧した場合、すなわち、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送信されてきていない状態で撮影信号を受信した場合には、撮影制御部11は、AF制御部13に第2のフォーカス命令信号を送信する。この第2のフォーカス命令信号は、フォーカスボタン検出部15からAF制御部13に送信されるフォーカス命令信号と同じ信号である。そして、AF制御部からフォーカス処理完了信号を受信した時点で、動画の撮影を行うようになっている。
次に、ユーザによる撮影ボタン61、フォーカスボタン63、2段ボタン62の押圧によって動画を撮影する処理の流れについて図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、撮影ボタン検出部14、2段ボタン検出部16、フォーカスボタン検出部15は、動画を撮影する撮影モードであるか否かを判断する(S1)。本実施の形態にかかる携帯型電子機器が例えば、携帯電話機1である場合、撮影ボタン61やフォーカスボタン63等のボタンは、他の機能を実行する際には、他の機能を割り当てられている。そのため、他のモードにおいては、撮影ボタン検出部14、2段ボタン検出部16、フォーカスボタン検出部15は、撮影ボタン61、2段ボタン62、フォーカスボタン63を押圧された場合でも、検知しないようになっている。
次に、ステップS1において、動画を撮影する撮影モードであると判断した場合には、フォーカスボタン検出部15は、ユーザによってフォーカスボタン63が押圧されたか否か、または、2段ボタン検出部16は、ユーザによって2段ボタン62が半押しされたか否かを検出する(S2)。
そして、ステップS2において、フォーカスボタン検出部15は、フォーカスボタン63が押圧されたことを検出すると、AF制御部13に、フォーカス命令信号を送信する。一方、2段ボタン検出部16は、2段ボタン62が半押しされたことを検知すると、半押し信号(フォーカス命令信号)を、信号切替部17に送信する。そして、信号切替部17は、2段ボタン検出部16から半押し信号を受信すると、当該半押し信号をAF制御部13に送信する。
AF制御部13は、フォーカス命令信号(半押し信号)を受信すると、カメラ部80のレンズ駆動部82を動作させて合焦処理を行う(S3)。具体的には、AF制御部13は、カメラ部80のレンズ駆動部82を動作させて、カメラ部80の焦点距離を変動させたときの撮像素子81から送信されてくる画像信号を解析して、最適な焦点距離を決定する。また、このステップS3において、合焦処理を行う際には、AF制御部13は、撮影制御部11に対して合焦処理開始報告信号を送信する。
一方、AF制御部13が合焦処理を行っている間、撮影制御部11は、フォーカスボタン検出部15または信号切替部17から、フォーカス命令信号(半押し信号)が送信され続けているか否かを判断する(S4)。換言すると、AF制御部13は、フォーカスボタン63の押圧または2段ボタン62の半押しが解除(開放)されたか否かを判断する。
ステップS4にて、フォーカス命令信号(半押し信号)の送信が中止されたと判断すると、撮影制御部11は、AF制御部13に合焦処理を中止するように合焦処理中止命令信号を出す。そして、合焦処理中止命令信号を受信したAF制御部13は、この命令に基づいて合焦処理を中止する(S10)。そして、処理はステップS2に戻る。つまり、フォーカス命令信号(半押し信号)がこのフォーカスボタン63の押圧または2段ボタン62の半押しが開放されると、ユーザからの合焦処理命令が解除(中止)されたと判断する。
一方、上記ステップS4にて、フォーカス命令信号(半押し信号)の送信が出され続けていると判断すると、AF制御部13は、ステップS3の合焦処理を継続して行い、最適な焦点距離が決定できるか否かを判断する(S5)。つまり、AF制御部13は、フォーカスロックが行えるか否かを判断する。これは、例えば、暗闇等の画像を撮影する場合には、合焦処理を行った場合でも、最適な焦点距離を決定することができないためである。
ステップS5にて、最適な焦点距離が決定されると、AF制御部13は、決定された焦点距離に基づいて、レンズ駆動部82を動作させることにより、カメラ部80の焦点距離を合わせる(フォーカスロックする)。そして、AF制御部13は、フォーカスロックが完了すると、撮影制御部11に、フォーカス処理完了信号を送信する。
そして、撮影制御部11では、AF制御部13からのフォーカス処理完了信号が送信されてきたか否かを判断する(S6)。つまり、撮影制御部11は、合焦処理が終了したか否かを判断する。
次に、ステップS6にて、フォーカス処理完了信号が送信されてきたと判断すると、AF制御部13は、新たに、信号切替部17またはフォーカスボタン検出部15から、フォーカス命令信号(半押し信号)が送信されてきたか否かを判断する(S7)。上記ステップS6にて、既にフォーカスロックが完了しており、カメラ部80の焦点距離は決定されている。しかしながら、ユーザの所望する焦点距離に設定されていない場合等には、ユーザは再度、焦点距離を設定するために、2段ボタン62の半押しまたはフォーカスボタン63の押圧を行う。従って、このステップS7では、ユーザから再度、焦点距離の設定を行う旨の命令が出されたか否かを判断する。
上記ステップS7において、新たに、フォーカス命令信号(半押し信号)から送信されてきていない場合、つまり、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送信されてきた状態において、撮影制御部11は、信号切替部17または撮影ボタン検出部14から撮影命令信号が送信されてきたか否かを判断する(S8)。
そして、ステップS8において、撮影命令信号が送信されてきたと判断すると、撮影制御部11は、撮影部12およびマイクロフォン30を動作させて、画像信号と音声信号とが1つになった動画情報を記憶部20に格納する(撮影する)(S9)。一方、ステップS8において、撮影命令信号が送信されてきていないと判断すると撮影制御部11における処理はステップS7に戻る。
なお、上記ステップS5にて、最適な焦点距離が決定されない場合、すなわち、AF制御部13にて最適な焦点距離が決定できなかった場合には、AF制御部13は、表示部50を動作させて、フォーカスロックができなかった旨を表示する。そして、AF制御部13は、合焦処理は終了したとして、フォーカス処理完了信号を撮影制御部11に送信する。つまり、フォーカスロックができた場合でも、また、できなかった場合でも合焦処理が終了すれば、AF制御部13は撮影制御部11にフォーカス処理完了信号を送信する。その後、撮影制御部11における処理はS7に進む。
また、上記ステップS6において、AF制御部13からのフォーカス処理完了信号が送信されてきていないと判断すると、処理はS3に戻る。
また、上記ステップS2にて、フォーカスボタン検出部15または信号切替部17からフォーカス命令信号が送信されてきていない場合、撮影制御部11は、当該撮影制御部11に、撮影ボタン検出部14または信号切替部17から撮影命令信号が送信されてきたか否かを判断する(S12)。ステップS12において、撮影命令信号が送信されてきていない場合には処理はS2に戻る。
ステップS12において、撮影命令信号が送信されてきたと判断した場合には、撮影制御部11は、AF制御部13に第2のフォーカス命令信号を送信する。そして、AF制御部13は、撮影制御部11から送信されてきたフォーカス命令信号に基づいて合焦処理を行う(S13)。つまり、AF制御部13からのフォーカス処理完了信号が送信されてきていない状態において、撮影制御部11が撮影命令信号を受信すると、当該撮影制御部11は、AF制御部13に対して第2のフォーカス命令信号を送信する。
そして、撮影制御部11は、合焦処理が完了したか否かを判断する。換言すると、撮影制御部11は、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送されてきたか否かを判断する(S14)。
そして、AF制御部13からフォーカス処理完了信号が送信されてきたと判断した場合には、ステップS9に進み、送信されてきていないと判断した場合には、処理はS13に戻る。
このように、本実施の形態では、フォーカス処理完了信号を受信した後で、動画の撮影を行うようになっている。
また、上記ステップS3において、ユーザによってフォーカスボタン63が押圧または2段ボタン62が半押しされると、AF制御部13は、合焦処理を行うようになっている。しかしながら、例えば、AF制御部13が合焦処理を行う前に予め撮像素子81から出力されてくる画像信号の露出レベルを検出しておき、該露出レベルが所定の基準値以下であると判断すると、当該AF制御部13による合焦処理を行わせないように制御してもよい。この場合には、AF制御部13は、合焦処理を行うことなく、フォーカス処理完了信号を撮影制御部11に送信するようになっている。
次に、ユーザ自身がフォーカスを調整する際の制御部10の処理について図9を参照して説明する。なお、図9は、フォーカスの自動調整を行う場合と、ユーザ自身によってフォーカスを調整する場合とにおける制御部10の処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上記の説明と同じ工程には、同じ工程番号(ステップ番号)を付し、詳細な説明を省略する。
まず、撮影ボタン検出部14、2段ボタン検出部16、フォーカスボタン検出部15は、動画を撮影する撮影モードであるか否かを判断する(S1)。
そして、ステップS1において、動画を撮影する撮影モードであると判断した場合には、制御部10は、フォーカスの自動調整を行うか否かを判断する(S20)。具体的には、ユーザによってフォーカス調整ボタン64、または、フォーカスボタン63または2段ボタン62、撮影ボタン61が押圧されたか否かによって、フォーカスの自動調整を行うか否かを判断する。そして、ユーザによってフォーカスボタン63または2段ボタン62、撮影ボタン61が押圧されることにより、制御部10は、フォーカスの自動調整を行うことを判断することができる。また、ユーザによってフォーカス調整ボタン64が押圧されることにより、ユーザ自身がフォーカスの調整を行うことを判断することができる。
次に、S20において、ユーザによってフォーカスボタン63または2段ボタン62、撮影ボタン61が押圧されると、AF制御部13は、フォーカスの自動制御を行う(S21)。具体的には、ステップS2〜S8、ステップS12〜S14の処理を行うことにより、AF制御部13は、フォーカスの自動調整(合焦処理)を行う。
一方、S20において、ユーザによってフォーカス調整ボタン64が押圧されたことを検出した場合には、フォーカス調整部18は、カメラ部80のレンズ駆動部82を動作させて、当該カメラ部の焦点距離を変化させる(S23)。
その後、フォーカス調整部18は、上記レンズ駆動部82を動作させた後、撮影制御部11に第2のフォーカス処理完了信号を送信する(S24)。
その後、撮影制御部11は、撮影ボタン検出部14または信号切替部17から撮影命令信号が送信されてきたか否かを判断する(S25)。そして、ステップS25にて、撮影命令信号が送信されてきたと判断した場合、処理はステップS9に進む。
このようにして、ユーザ自身でフォーカスを調整するマニュアルフォーカスとAF制御部13がフォーカスを自動調整するオートフォーカス(合焦処理)とを行うことができる。
また、本実施の形態にかかる携帯電話機1には、2段ボタン62が備えられており、この2段ボタンを押圧することにより、合焦処理と動画撮影との両方を行うことができる。具体的には、ユーザによって2段ボタン62が半押しされることにより合焦処理を行い、2段ボタン62が全押しされることにより動画撮影の開始および終了を行うことができる。しかしながら、例えば、上記2段ボタン62を全押しすることにより動画撮影を中止する場合、誤って、2段ボタン62の半押しした場合には、合焦処理が行われることになる。この場合には、動画情報の最後の部分にピントがボケた状態の映像が残ることになる。また、動画の撮影中にフォーカスボタンを誤った押圧した場合でも上記と同様のことが起こる。本実施の形態にかかる携帯電話機1では、このような2段ボタン62またはフォーカスボタン63の誤操作によって、不要な映像を記録しないために、動画の撮影中では、2段ボタン62の半押しまたはフォーカスボタン63の押圧が所定の時間以上押圧されないと、当該押圧を検出しないようになっている。これについて、図10のフローチャートを参照して説明する。
図10は、動画の撮影中における、2段ボタン62の半押し状態またはフォーカスボタンの押圧状態を検出する処理についてのフローチャートである。
動画を撮影中(S30)、つまり、撮影制御部11が画像信号と音声信号とを併せた動画情報を記憶部20に格納している状態で、AF制御部13は、フォーカス命令信号が送信されてきたか否かを判断する(S31)。なお、上記動画の撮影中であるか否かは、AF制御部13が、撮影制御部11に現在の状態を問合せることにより判断することができる。また、例えば、撮影制御部11が、動画の撮影を開始した時点で、AF制御部13に対して、動画撮影を開始した旨の撮影開始信号を送信するようにしてもAF制御部13は、動画の撮影中であるか否かを判断することができる。
次に、ステップS31にて、フォーカス命令信号が送信されてきたと判断した場合、AF制御部13は、タイマを動作させて、フォーカス命令信号を受信した時間を測定する(S32)。
そして、AF制御部13は、受信したフォーカス命令信号の連続した受信時間が所定の時間以内であったか否かを判断する(S33)。ステップS33にて、連続して受信したフォーカス命令信号の受信時間が、所定の時間以内であったと判断すると、処理は終了する。一方、ステップS33にて、連続して受信したフォーカス命令信号の受信時間が、所定の時間以内でないと判断すると、AF制御部は、新たに合焦処理を行う(S34)。
このように、本実施の形態では、動画の撮影中にフォーカス命令信号が送信されてきた場合、当該フォーカス命令信号を連続して受信した受信時間が、所定の時間以上であった場合に、合焦処理を行うようになっている。これにより、ユーザの誤操作による合焦処理を防止することができる。なお、このように、フォーカス命令信号を連続して受信した受信時間が、所定の時間以上であった場合に合焦処理を行う処理は、撮影制御部11からAF制御部13に対して送信される、動画の撮影が終了した旨の撮影停止信号を受信するまで行われる。換言すると、動画情報を記憶部20に格納している間、AF制御部13は、。上記処理を行うようになっている。
以上のように、本実施の形態にかかる携帯電話機1は、動画情報を出力するカメラ部80と、上記動画情報に基づいて当該カメラ部80のフォーカスを自動調整するAF制御部13と、カメラ部80から出力される動画情報を記憶部20に格納する撮影制御部11と、ユーザによって操作される撮影ボタン61と、ユーザによって操作されるフォーカスボタン63と、上記フォーカスボタン63が操作されたことを検出して、上記AF制御部13にフォーカス命令信号を送信するフォーカスボタン検出部15と、上記撮影ボタン61が操作されたことを検出して、上記撮影制御部11に撮影命令信号を送信する撮影ボタン検出部14とを備え、上記AF制御部13は、上記フォーカス命令信号を受信すると、カメラ部80のフォーカスを自動調整し、当該自動調整が完了後にフォーカス処理完了信号を撮影制御部11に送信するものであり、上記撮影制御部11は、上記撮影命令信号を受信すると、上記フォーカス処理完了信号を受信したか否かを判断し、当該フォーカス処理完了信号を受信した場合に、上記動画情報を記憶部20に格納するものであることを特徴としている。
上記の構成によれば、動画撮影を開始する前に、フォーカスの自動調整を行い、当該フォーカスの自動調整が完了した後で、動画撮影(動画情報を記憶部20に格納すること)を行うようになっている。これにより、例えば、カメラ部80が小型化され、フォーカスの自動調整を行う必要があるカメラ付きの携帯電話機1であっても、確実にピントが合った状態で動画の撮影を行うことができる。また、ほとんど、焦点距離が変わらないものの動画を撮影する際には、始めにフォーカスの自動調整を行っただけで好適に撮影することができる。従って、上記の動画の撮影を開始する前にフォーカスを調整するだけで動画の撮影を行うことにより、例えば、動画の撮影中、常にフォーカスを行うようなデジタルビデオ等と比べて動画撮影時の消費電力を抑制することができる。
また、本発明にかかる携帯電話機1は、上記撮影制御部11は、上記フォーカス処理完了信号を受信していない状態で、上記撮影命令信号を受信したとき、カメラ部80のフォーカスを自動調整するように指示する第2のフォーカス命令信号をAF制御部13に対して送信し、その後、上記フォーカス処理完了信号を受信すると、上記動画情報を記憶部20に格納する構成であることがより好ましい。
上記の構成によれば、確実にフォーカスの自動調整が完了した後で動画の撮影を行うようになっているので、ピントの合っていない状態での動画撮影を防止することができる。
また、本発明にかかる携帯電話機1は、ユーザによって操作されるフォーカス調整ボタン64と、当該フォーカス調整ボタン64が操作されたことを検出するとともに、当該フォーカス調整ボタン64の操作状態に応じて、カメラ部80のフォーカスを変更するフォーカス調整部18とを備えており、上記フォーカス調整部18は、カメラ部80のフォーカスを変更するとき、上記撮影制御部11に第2のフォーカス処理完了信号を送信するものであり、上記撮影制御部11は、上記第2のフォーカス処理完了信号を受信すると、上記動画情報を記憶部20に格納する構成がより好ましい。
上記の構成によれば、ユーザ自身が手動でフォーカスを調整する(マニュアルフォーカスを行う)ことができるようになっている。そして、ユーザ自身が手動でフォーカスを調整する場合には、フォーカス調整部18は、撮影制御部11に対してフォーカス処理完了信号を送信するようになっている。つまり、ユーザ自身が調整した場合であっても、撮影制御部11にフォーカス完了信号を送信するようになっているので、ユーザが所望のフォーカス状態で動画撮影を行うことができる。
また、本発明にかかる携帯電話機1は、ユーザによって操作される2段階の押下操作が可能な2段ボタン62と、上記2段ボタン62の押下状態を検出して、当該押下状態が一方であるときにはフォーカス命令信号を送信し、他方であるときには撮影命令信号を送信する2段ボタン検出部16と、上記フォーカス命令信号を受信すると当該フォーカス命令信号を上記AF制御部13に送信し、上記撮影命令信号を受信すると当該撮影命令信号を撮影制御部11に送信する信号切替部17とを備えている構成がより好ましい。
上記の構成によれば、2段階の押下操作が可能な2段ボタン62が設けられており、この2段ボタン62の操作に基づいて、フォーカス命令信号または撮影命令信号をAF制御部13または撮影制御部11に振り分けるようになっている。これにより、ユーザは、この2段ボタン62のみでフォーカスの自動調整と動画撮影との両方を行うことができる。従って、携帯電話機1の操作性を、より一層向上させることができる。
また、本発明にかかる携帯電話機1は、上記撮影制御部11は、記憶部20に動画情報の格納を開始すると、AF制御部13に撮影開始信号を送信するものであり、上記AF制御部13は、撮影開始信号を受信してから、上記撮影制御部11から送信されてくる記憶部20に動画情報の格納を終了した旨の撮影停止信号を受信するまでの間に、上記フォーカス命令信号を連続して所定時間以上受信した場合、カメラ部80のフォーカスの自動調整を行うものである構成がより好ましい。
上記の構成によれば、動画の撮影中にユーザの誤操作によってフォーカス命令が出された場合であっても、フォーカスの自動調整を行わないようになっている。これにより、動画の撮影中にユーザが所望しないフォーカスの自動調整を防止することができる。
また、本発明にかかる携帯電話機1は、上記AF制御部13は、上記動画情報に基づいて、露出レベルを検出するものであるとともに、上記検出した露出レベルが、所定の基準値より大きい場合には、カメラ部80のフォーカスの自動調整を行い、自動調整が完了した時点でフォーカス処理完了信号を送信する一方、上記検出した露出レベルが、所定の基準値以下である場合には、カメラ部80のフォーカスの自動調整を行わずに、上記フォーカス処理完了信号を送信するものである構成がより好ましい。
上記の構成によれば、AF制御部13は、当該AF制御部13によって検出された露出レベルが所定の基準値以下である場合には、フォーカスの自動調整を行わないようになっている。つまり、例えば、暗闇等を撮影する場合には、フォーカスの自動調整を行った場合でも、適切な焦点距離に設定することができない場合が多い。従って、フォーカスの自動調整を行う前に予め露出レベルを検出しておき、露出レベルが一定の値以下である場合には、フォーカスの自動調整を行わないことにより、無駄な処理を行わないようにすることができる。これにより、電力消費の抑制と動画撮影を行うまでの時間を短縮することができる。
本実施の形態にかかる携帯電話機1の制御プログラムは、上記携帯電話機1を動作させる携帯電話機1の制御プログラムであって、コンピュータを上記の各部材として機能させる構成である。上記の構成により、コンピュータで上記携帯電話機1の各部材を実現することによって、上記携帯電話機1を実現することができる。
また、本発明の携帯電話機1の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の各部材をコンピュータに実現させて、上記携帯電話機1を動作させる携帯電話機1の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。上記の構成により、上記記録媒体から読み出された携帯電話機1の制御プログラムによって、上記携帯電話機1をコンピュータ上に実現することができる。
また、本発明の携帯電話機1の制御方法は、動画情報を取得するカメラ部80を備える携帯型電子機器の制御方法であって、ユーザによってフォーカスの自動調整が指示されると、上記カメラ部80のフォーカスを当該撮像手段から出力される動画情報に基づいて自動調整するフォーカス制御工程と、ユーザによって動画情報の記憶部20への格納が指示されると、上記フォーカス制御工程が完了しているか否かを判断し、完了している場合、上記動画情報を記憶部20に格納する撮影制御工程とを含むものである構成である。
なお、上記の説明では、撮影機能および合焦機能を割り当てるボタンスイッチを例示して説明している。しかしながら、これらの機能を割り当てるものとしては、ボタンスイッチに限定されることなく、例えば、タッチパネル等に上記機能を割り当ててもよい。
また、上記の説明では、動画情報を格納する記憶部20は、携帯電話機1に内臓されている構成について説明したが、例えば、撮影制御部11は、動画情報を外部の記憶装置に対して送信するようにしてもよい。