JP4325793B2 - 圧粉磁心の製造方法 - Google Patents

圧粉磁心の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4325793B2
JP4325793B2 JP2003323824A JP2003323824A JP4325793B2 JP 4325793 B2 JP4325793 B2 JP 4325793B2 JP 2003323824 A JP2003323824 A JP 2003323824A JP 2003323824 A JP2003323824 A JP 2003323824A JP 4325793 B2 JP4325793 B2 JP 4325793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
resin
volume
median diameter
dust core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003323824A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004146804A (ja
Inventor
千生 石原
一夫 浅香
啓 石井
民夫 高田
剛 赤尾
功 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Powdered Metals Co Ltd, Denso Corp filed Critical Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Priority to JP2003323824A priority Critical patent/JP4325793B2/ja
Priority to US10/529,733 priority patent/US7211158B2/en
Priority to AU2003268698A priority patent/AU2003268698A1/en
Priority to PCT/JP2003/012515 priority patent/WO2004030002A1/ja
Priority to EP03748622A priority patent/EP1551040B1/en
Publication of JP2004146804A publication Critical patent/JP2004146804A/ja
Priority to US11/591,635 priority patent/US7273527B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4325793B2 publication Critical patent/JP4325793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0246Manufacturing of magnetic circuits by moulding or by pressing powder
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/20Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder
    • H01F1/22Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together
    • H01F1/24Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of particles, e.g. powder pressed, sintered, or bound together the particles being insulated

Description

本発明は、変圧器、リアクトル、サイリスタバルブ、ノイズフィルタ、チョークコイル等に好適なほか、より高い磁束密度が必要なモーター用鉄心やディーゼルエンジンおよびガソリンエンジンの電子制御式燃料噴射装置に組み込まれる電磁弁用のソレノイドコア(固定鉄心)などに用いて好適な圧粉磁心の製造技術を提供するものである。
変圧器等に用いられる磁心において極めて重要である鉄損は、磁心の固有抵抗値と関係の深い渦電流損と、軟磁性粉末の製造工程およびその後のプロセス履歴から生じる軟磁性粉末内の歪みに影響されるヒステリシス損とにより規定される。この鉄損Wは、具体的には次式(1)のように渦電流損Weとヒステリシス損Whとの和で表すことができる。式(1)中、加号の前部が渦電流損Weであり、後部がヒステリシス損Whである。なお、fは周波数、Bmは励磁磁束密度、ρは固有抵抗値、tは材料の厚み、k,kは係数である。
(数1)
W=We+Wh=(kBm /ρ)f+kBm1.6f…(1)
式(1)から明らかなように、ヒステリシス損Whが周波数fに比例するのに対し、渦電流損Weは周波数fの二乗に比例する。このため、特に高周波領域で鉄損Wを低減するためには、渦電流損Weを低減することが有効である。かかる渦電流損Weを低減させるには、渦電流を小領域に閉じこめて固有抵抗値ρを高める必要がある。この点、粉末を使用した圧粉磁心には、例えば、鉄粉等の粉末粒子の間に非磁性の樹脂を介在させることができるため、固有抵抗値ρが高く渦電流損Weが小さいという本質的特徴がある。そこで、従来から、軟磁性粉末と樹脂粉末とを混合した混合粉末を用い、圧粉成形および加熱を施した圧粉磁心の製造技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1に記載された圧粉磁心は、樹脂が軟磁性粉末間に介在するため、特に軟磁性粉末間の絶縁性が確保されて渦電流損Weが低減されるとともに、軟磁性粉末を強固にバインドして圧粉磁心の強度を向上したものである。
このような圧粉磁心は、製法が簡易であるため、従来から広く使用されている。しかしながら、上記圧粉磁心を高周波領域で使用する場合には絶縁性が不十分となり、固有抵抗値ρが低下して渦電流損Weが増大する。この渦電流損Weの増大は発熱をもたらし、軟磁性粉末をバインドしている樹脂が劣化することから、圧粉磁心の十分な寿命を確保できないという欠点があった。これに対し、絶縁性を向上すべく例えば樹脂の量を多くした場合には、磁心中に占める軟磁性粉末の量(占積率)が下がるため、磁束密度が低下する。このため、圧粉磁心の密度を上げて磁束密度を向上させることが肝要となる。しかしながら、この場合には高圧下での圧縮成形が必要となり、成形時に軟磁性粉末の歪みが避けられない。このため、ヒステリシス損Whの増大に伴い、結果的に鉄損Wの増大を招く。特に低周波領域においては、渦電流損Weが小さいため、鉄損Wに対するヒステリシス損Whの影響が大きく、鉄損Wを低減するためにはヒステリシス損Whの低減も重要である。
また、ソレノイドやモータといった電磁アクチュエータにも圧粉磁心が使用されている。ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に使用される電磁弁では、高い吸引力と高い応答性が要求され、圧粉磁心を用いたステータコア材料には、高磁束密度であることに加え、高周波領域における渦電流損Weが小さいことが望まれている。このようなソレノイドコアは、鉄粉と樹脂粉末との混合物を成形した圧粉磁心であり、磁束密度を高くし鉄損を小さくするために、高密度で鉄粉どうしの間の絶縁が良好なことが要求される。
一方、各種モータにおいては小型化、高効率化が要求され、圧粉磁心を用いたロータおよびステータ材料にも高磁束密度かつ高周波領域における渦電流損Weが小さいことが望まれている。即ち、各種の電磁アクチュエータに使用される圧粉磁心への要求特性は変圧器用磁心に要求される特性と本質的に同じである。
高い磁束密度の圧粉磁心を得るには高い密度であることが必要であり、一般の焼結合金を製造する場合の2倍以上の成形圧力が必要となる。形状が複雑だったり薄肉形状の圧粉磁心では、成形金型の耐久性の問題が生じる。このため、ソレノイドコアのような形状をしたものでは、単純な円筒状または円柱状に圧粉成形した圧粉磁心を切削加工して所定の形状および寸法にするとか、製品形状に近似した素材に成形しておいて、特に寸法精度が要求される部分を切削加工して仕上げる。したがって、圧粉磁心は、切削性が良く、切削工具の摩耗が少なく、切削時に割れや欠けが生じない材料であることも要求される。
圧粉磁心の磁束密度は材料の密度に依存するので、鉄粉には、より高い密度が得られるアトマイズ鉄粉が用いられ、この鉄粉の表面には、圧粉磁心の鉄損を小さくするためにリン酸化合物の被膜が施される。また、鉄粉と混合される樹脂粉末としては、フェノール、ポリアミド、エポキシ、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂を用いることが提案されている。たとえば、特許文献2には、リン酸被膜処理アトマイズ鉄粉にポリフェニレンサルファイド、熱硬化性ポリイミドなどの樹脂を0.15〜1質量%添加した圧粉磁心が開示され、特許文献3には、リン酸被膜処理アトマイズ鉄粉に熱硬化性ポリイミド樹脂を2質量%添加した圧粉磁心が開示されている。
特開昭60−235412号公報(第1,2頁) 特開2002−246219号公報(要約) 特許第3421944号公報(段落36) 特開平9−102409号公報(第6,7頁)
このような事情に鑑み、渦電流損Weの低減とヒステリシス損Whの低減とを共に実現することを目的として、軟磁性粉末表面に絶縁性の被膜を予め形成することで軟磁性粉末間の絶縁性を確保して渦電流損Weを低減する手法が種々提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、上記特許文献4に記載された技術は、軟磁性粉末表面への絶縁性被膜形成のための工程が必須となるため、圧粉磁心のコストが割高となるという欠点があった。したがって、近年では、優れた製造コストを実現するとともに、渦電流損Weとヒステリシス損Whとを共に低減して圧粉磁心の長寿命化を同時に実現し得る圧粉磁心の製造方法の開発が要請されていた。
また、上記のような圧粉磁心からなるソレノイドコアにおいても、さらに高い磁束密度と小さな鉄損を具備することが要求され、さらには、ソレノイドコアの造形及び寸法精度を確保する手段としての切削加工(ドリル穴開け加工等を含む)を行う際のチャッキングに耐える強度、切削加工による割れ、むしれ、欠損等が生じない材料であることが求められている。
本発明は上記要請に鑑みてなされたものであり、絶縁被膜形成等の特殊な処理を施さないことで優れた製造コストを実現することを前提として、樹脂の軟磁性粉末間への均一な介在による絶縁性の向上に基づき、高周波領域での渦電流損Weおよびそれに起因する発熱を低減して磁心の長寿命化および圧粉磁心を用いた製品の高性能化を実現するとともに、樹脂を軟磁性粉末間へ薄く介在させることによる十分な磁束密度の確保に基づき、ヒステリシス損Whを低減すること、およびそれに起因する発熱を低減して磁心のさらなる長寿命化および圧粉磁心を用いた製品の高性能化を実現した圧粉磁心の製造方法を提供することを目的とするものである。なお、軟磁性粉末表面に絶縁被膜形成等を行う場合においては、より高いレベルでの絶縁性の確保と、使用する樹脂量の減少による一層の磁束密度の上昇とにより、さらに一層の長寿命化を実現した圧粉磁心を提供することも目的とするものである。
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、従来の圧粉磁心において十分な寿命を確保するだけの絶縁性が得られないのは、得られる圧粉磁心中に樹脂が偏在していること、すなわち軟磁性粉末間に均一に樹脂が介在していないことが原因であるとの知見を得た。さらに発明者らは、上記原因について、特に絶縁性を確保する樹脂粉末の粒度に着目して調査した結果、従来使用されているメジアン径(積算分布の50%に対する粒子径)が100μm程度の樹脂粉末を使用した場合には、樹脂粉末が圧粉成形された状態で既に磁心中に偏在するため、例え熱可塑性樹脂粉末であっても十分に軟磁性粉末間に侵入せず、偏在したまま残留するという知見を得た。このことから、発明者らは、圧粉成形の時点で樹脂粉末を軟磁性粉末中に均一に分散させれば、加熱後、樹脂が軟磁性粉末間に均一に介在することとなり、絶縁性が確保されることを見いだした。発明者らは、以上の知見に基づきさらに研究を重ねた結果、メジアン径の小さい樹脂粉末を使用すれば、樹脂粉末の軟磁性粉末間での存在確率が高まり、加熱後、樹脂が軟磁性粉末間に均一に介在した圧粉磁心が得られるとの知見を得た。
すなわち、本発明の圧粉磁心の製造方法は、軟磁性粉末と樹脂粉末とを混合した混合粉末を用い、混合粉末を所望の形状に圧粉成形および加熱する圧粉磁心の製造方法において、前記軟磁性粉末は、表面にリン酸化合物を被覆した鉄粉であり、前記樹脂粉末は、メジアン径で50μm以下の粉末であって、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂のいずれかであり、熱硬化性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜2.4体積%、熱可塑性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜0.6体積%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の添加量は0.01〜1.4体積%であることを特徴としている。
本発明では、特許文献4に記載された圧粉磁心のように、軟磁性粉末表面への絶縁性被膜形成のための特別な処理を必要としない。このため、優れた製造コストを実現することができる。また本発明では、上記のとおり、用いる樹脂粉末をメジアン径で50μm以下の粉末としていることから、樹脂の軟磁性粉末間への均一な介在による絶縁性の向上に基づき、高周波領域での渦電流損Weおよびそれに起因する発熱を低減して磁心の長寿命化および磁心を用いた製品の高性能化を図ることができる。また本発明では、熱硬化性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜2.4体積%、熱可塑性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜0.6体積%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の添加量は0.01〜1.4体積%としている。添加量を上記下限値以上としたことにより、十分な絶縁性を確保して高周波領域での渦電流損Weおよびそれに起因する発熱を低減して磁心の長寿命化および磁心を用いた製品の高性能化をさらに図ることができる。
一方、添加量を上記上限値以下としたことにより、樹脂を軟磁性粉末間へ薄く介在させることによる十分な磁束密度の確保に基づき、ヒステリシス損Whを低減すること、およびそれに起因する発熱の低減により磁心の長寿命化をさらに一層図ることができる。したがって、本発明の圧粉磁心の製造方法では、軟磁性粉末に対して特殊な処理を行わないことによる優れた製造コストの実現と、用いる樹脂粉末のメジアン径および添加量の適正化による長寿命化の実現とを同時に図ることができる。
本発明の製造方法に用いる軟磁性粉末は、特に絶縁被覆処理がなされたものである必要はなく、従来より使用されているもので足りる。ただし、軟磁性粉末表面に絶縁被膜形成等を行った場合においては、より高いレベルでの絶縁性の確保と、使用する樹脂量の減少による一層の磁束密度の上昇とにより、さらなる長寿命化を実現した圧粉磁心を提供することができる。しかしながら、メジアン径が過度に小さい軟磁性粉末を使用した場合には、軟磁性粉末の比表面積が増大し、絶縁性が低下するため、軟磁性粉末はメジアン径が50μm以上のものを使用することが望ましい。
上記の樹脂粉末と軟磁性粉末との混合は、従来より行われている手法を採用することができる。すなわち、両粉末を単純混合した場合であっても軟磁性粉末間に均一に樹脂粉末が介在して十分な絶縁性が確保される。また、樹脂を分散剤により均一に溶媒中に分散させた溶液を軟磁性粉末に噴霧し乾燥した場合には、軟磁性粉末間にさらに均一に樹脂が介在することから、さらに高い絶縁性が実現される。
このような圧粉磁心の製造方法において、樹脂粉末を熱可塑性樹脂とした場合には、加熱により溶融した樹脂が軟磁性粉末間に侵入し易くなるので好ましい。また、樹脂粉末を熱硬化性樹脂とした場合には、樹脂は軟磁性粉末間に侵入し難く、圧粉成形時に存在する領域で硬化する。このため、さらに高い絶縁性を実現するには、メジアン径が30μm以下である粒度のより小さい樹脂粉末を使用することが望ましい。
ソレノイドコアのように磁束密度が高い圧粉磁心を対象とした場合では以下の態様が好適である。
樹脂粉末に熱硬化性ポリイミド樹脂粉末を用いる場合には、その添加量は、低い鉄損の圧粉磁心を得るために0.18体積%以上であることが望ましい。また、樹脂含有量の増加に伴い成形圧力を増加しても密度が低いものとなって磁束密度が低くなることから2.4体積%以下とする。軟磁性粉末として一般的な鉄粉の比重は7.87、熱硬化性ポリイミド樹脂粉末の比重は1.30であることから、上記添加量を質量%に換算すると0.03〜0.4質量%となる。この場合の熱硬化性ポリイミド樹脂粉末のメジアン径は、50μm以下であれば鉄損が同等なものが得られる。なお、熱硬化性ポリイミド樹脂粉末のメジアン径は、上述の熱硬化性樹脂の硬化特性から30μm以下であれば好適である。
樹脂粉末に熱可塑性ポリイミド樹脂粉末を用いる場合には、その添加量は、低い鉄損の圧粉磁心を得るためにメジアン径が13μm以下の場合は0.18体積%以上であることが望ましい。また、また、高い成形密度を確保するために0.6体積%以下とする。熱可塑性ポリイミド樹脂粉末の比重は1.33であることから、上記添加量を質量%に換算すると0.03〜0.4質量%となる。
樹脂粉末にポリテトラフルオロエチレンを用いる場合には、その添加量は、低い鉄損の圧粉磁心を得るために、メジアン径が10μm以下の場合は、0.36体積%以上、メジアン径が5μm以下の場合は0.11体積%以上とし、より高い磁束密度を確保する成形密度が得られるように1.4体積%以下であることが望ましい。ポリテトラフルオロエチレンの比重は2.2であることから、上記添加量を質量%に換算するとメジアン径が10μm以下の場合は0.1〜0.4質量%、メジアン径が5μm以下の場合は0.03〜0.4質量%となる。メジアン径で3μm以下の粉末は、市場で多く流通しており、入手しやすい利点もある。
軟磁性粉末としては、アトマイズ鉄粉等の鉄粉を用いることが望ましく、鉄粉の表面にリン酸化合物を被覆するとさらに好適である。そのような鉄粉と上記の樹脂粉末とを混合し、混合粉末を700〜2000MPaの圧縮応力で成形した後、加熱処理を施す。その後、必要に応じて所定形状に切削加工される。
この場合、圧粉成形に際しては、混合粉末に成形潤滑剤を添加しないで金型に成形潤滑剤を塗布することが望ましい。混合粉末に成形潤滑剤を添加すると、成形密度が低くなるとともに、熱処理の加熱によって圧粉磁心に欠陥を生じる恐れがある。したがって、金型壁面に、例えばステアリン酸亜鉛粉を静電塗布することにより、圧縮および圧粉磁心の金型からの抜き出しを容易にすることができる。
また、樹脂粉末が熱硬化性樹脂の場合には加熱処理の温度は150〜400℃が望ましく、樹脂粉末が熱可塑性樹脂の場合には加熱処理の温度は320〜450℃が望ましい。
また、切削加工としては、旋盤加工、ドリル穴開け加工、フライス加工、エンドミル加工等がある。薄肉や複雑な形状をした圧粉磁心の製造には、切削加工を行うことが好適であり、これによって、たとえばエンジン燃料噴射装置用ソレノイドコアを製造することができる。
本発明の製造方法により得られる圧粉磁心は、絶縁樹脂被膜形成等の特殊な処理を必要としないことで優れた製造コストを実現することができる。また均一なる樹脂の軟磁性粉末間への介在による絶縁性の向上に基づき、高周波領域での渦電流損Weおよびそれに起因する発熱を低減して磁心の長寿命化および磁心を用いた製品の高性能化を実現するとともに、樹脂を軟磁性粉末間へ薄く介在させることによる十分な磁束密度の確保に基づき、ヒステリシス損Whを低減することおよびそれに起因する発熱の低減により磁心のさらなる長寿命化および磁心を用いた製品の高性能化を実現することができる。なお、軟磁性粉末表面に絶縁被膜形成等を行う場合においては、より高いレベルでの絶縁性の確保と、使用する樹脂量の減少による一層の磁束密度の上昇とにより、さらに一層の長寿命化および高性能化を実現することができる。よって本発明は、各種の磁性部品に好適な圧粉磁心を製造することができる点で有望である。
図1に示す4種類の粒度分布およびメジアン径の熱硬化性ポリイミド樹脂A〜Dを用意した。このうち、樹脂A〜Cはそれぞれ本発明の製造方法に合致した樹脂であり、樹脂Dは合致しない従来から使用されている樹脂である。これらの各樹脂A〜Dをリン酸塩被覆処理を施した絶縁鉄粉に1.75体積%添加・混合して混合粉末をそれぞれ製造した。その後、これらの混合粉末を用い、成形圧力:980MPaで、内径:20mm、外径:30mm、高さ:5mmのリング形状の成形体を得、これらの成形体を200℃で5時間加熱保持して各圧粉磁心を作製した。
上記のとおり作製したリング形状の各圧粉磁心を用い、励磁磁束密度0.05〜1T、周波数50〜2000Hzの範囲で渦電流損We、ヒステリシス損Whをそれぞれ測定した。これらの結果を表1、ならびに図2および図3に示す。また、WeとWhとを加算して鉄損Wを求めた結果を表1に併記するとともに図4に示す。さらに、樹脂Aを用いた圧粉磁心(発明例)および樹脂Dを用いた圧粉磁心(従来例)について、それぞれのSEM観察像およびEPMA観察像を撮影して、撮影視野における炭素(樹脂)の分布状況を調査した。ここで、図5(a)は発明例のSEM観察写真、図5(b)は発明例のEPMA観察写真、図5(c)は従来例のSEM観察写真、図5(d)は従来例のEPMA観察写真をそれぞれ示す。なお、SEM観察写真において黒い部分が粒界および樹脂であり、EPMA観察写真では、白い部分が樹脂に含まれる炭素である。
Figure 0004325793
表1および図2〜4から明らかなように、メジアン径の小さい樹脂ほど、高周波領域においても渦電流損Weの低減効果が大きく、このため鉄損Wがより低減されていることが判る。また、図5の炭素(樹脂)の分布状況から明らかなように、メジアン径が大きい従来例では、炭素が成形体の気孔中に偏在していることが確認できる(同図(c),(d)参照。)。一方、メジアン径が小さい発明例では、炭素は上記気孔のみでなく、粉末粒界に沿っても分布していることが確認できる(同図(a),(b)参照。)。したがって、発明例では、鉄粉間の絶縁性が十分に確保されることから、高周波領域でも渦電流損Weが低減され、ひいては鉄損Wも低いことが確認された。以上より、メジアン径が50μm以下の樹脂を用いることで、樹脂を鉄粉末粒子間に十分に介在させて絶縁性を向上させることができ、これにより高周波領域においても渦電流損Weを十分に低減し、結果的に鉄損Wも十分に低減できることが実証された。
図1に示す4種類の樹脂A〜Dをリン酸塩被覆処理を施した絶縁鉄粉および絶縁処理を施していない純鉄粉に添加量を変えて添加・混合して混合粉末をそれぞれ製造した。その後、これらの混合粉末を用い、成形圧力:980MPaで、内径:20mm、外径:30mm、高さ:5mmのリング形状の成形体と、縦:12.7mm、横:31.75mm、厚さ:5mmの板形状の成形体とを得、これらの成形体を200℃で5時間加熱保持して各圧粉磁心を作製した。
上記のとおり作製した圧粉磁心のうち、リング形状のものについて、4探針法により固有抵抗値を測定するとともに、磁化力10000A/mの範囲で磁束密度を測定した。また、板形状のものについて、3点曲げ試験を行い曲げ強さを測定した。固有抵抗値の測定結果を表2に、磁束密度の測定結果を表3に、曲げ強さの測定結果を表4にそれぞれ示す。
Figure 0004325793
Figure 0004325793
Figure 0004325793
表2より、各圧粉磁心とも、樹脂の添加量が0.01体積%で固有抵抗値の増加が認められ、添加量が増加するにつれ、固有抵抗値も増加している。しかしながら、メジアン径の大きい樹脂D(従来例)を用いたものは、樹脂を5.75体積%添加しても、固有抵抗値が110μΩmと極端に低く、メジアン径の小さい樹脂を用いると遙かに少ない添加量で同等の効果を得ることができる。また、高価なリン酸被膜絶縁処理を施した鉄粉末を用いず、通常の純鉄粉末を使用した場合であっても、メジアン径の小さい樹脂を少量添加することで、被膜絶縁処理を施した鉄粉末と従来の樹脂(メジアン径の大きな樹脂)とを混合したものより高い固有抵抗値が得られることが判る。
また、表4より、各圧粉磁心とも、樹脂の添加量が増加するにつれ、曲げ強さが向上しているが、樹脂のメジアン径が小さいものほど上記向上効果が顕著であることが判る。ただし、表3より、樹脂の添加量が増加するにつれ磁束密度が低下することが判る。また、樹脂の添加量が5体積%を超えると、磁束密度は1.5Tを下回るようになる。圧粉磁心を電装品、各種モータ用コアとして用いる場合、特性として1.5T以上の磁束密度が要求されるため、5体積%以上の樹脂の添加は好ましくない。以上より、樹脂の添加量は、0.01体積%以上の添加で固有抵抗値の増加が認められるが、5体積%を超えると磁束密度が低下するため、0.01〜5体積%が適切である。
リン酸塩被覆処理を施した絶縁鉄粉(粒度:100メッシュ)に、メジアン径が1,4,14,25,50μmの熱硬化性ポリイミド樹脂を0.03〜0.4質量%(0.18〜2.4体積%)の割合で添加・混合して混合粉末をそれぞれ製造した。その後、これらの混合粉末を用い、成形圧力:1470MPaで、内径:10mm、外径:23mm、高さ:5mmのリング形状の成形体を得、これらの成形体を空気中において200℃で2時間加熱保持して各圧粉磁心を作製した。なお、成形に際しては成形金型を150℃に加熱して内面に成形潤滑剤粉末を静電塗布し、加熱した混合粉末を成形金型内に充填した。また、樹脂粉末のメジアン径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した。
上記のとおり作製したリング形状の各圧粉磁心を用い、磁場:8000A/mにおける磁束密度を測定するとともに、印加磁束密度:0.25T、周波数:5kHにおける鉄損、および4探針法により固有抵抗を測定した。
図6にメジアン径および樹脂量(質量%)と鉄損との関係、図7にメジアン径および樹脂量(質量%)と固有抵抗との関係、図8に圧粉磁心の密度と磁束密度との関係を示す。図中の樹脂量は質量%で示してある。
図6および図7から判るように、熱硬化性ポリイミド樹脂粉末のメジアン径が50μm以下のいずれの圧粉磁心でも、樹脂量が0.03〜0.4質量%のいずれも鉄損および固有抵抗がほぼ同等な値を示している。樹脂量が0.03質量%(0.18体積%)以上であれば低い鉄損が得られることが判る。
また、図8から判るように、磁束密度は圧粉磁心の密度に依存している。樹脂量が少ないと密度が高くなり、樹脂量が多いものは低い磁束密度になっている。
ソレノイドコア等のように磁気吸引力が高いことが必要なものでは、磁束密度は1.75T以上が望ましく、図8から、それに対応する樹脂量は0.3質量%(1.8体積%)以上であるが、成形圧力を更に高めれば、樹脂量が0.4質量%(2.4体積%)であっても磁束密度は1.75T以上を得ることができる。
これらのことから、樹脂粉末が熱硬化性ポリイミド樹脂の場合では、メジアン径が50μm以下で、樹脂量が0.03〜0.4質量%(0.18〜2.4体積%)であれば好適であり、より好ましくは0.03〜0.3質量%(0.18〜1.8体積%)であることが確認された。
リン酸塩被覆処理を施した絶縁鉄粉(粒度:100メッシュ)に、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定したメジアン径が1,3,13,20,50μmの熱可塑性ポリイミド樹脂を0.03〜0.4質量%(0.18〜2.4体積%)の割合で添加・混合して混合粉末をそれぞれ製造した。その後、これらの混合粉末を用い、成形圧力:1470MPaで、内径:10mm、外径:23mm、高さ:5mmのリング形状の成形体を得、これらの成形体を窒素ガス中において400℃で1時間加熱保持して各圧粉磁心を作製した。なお、成形に際しては成形金型を150℃に加熱して内面に成形潤滑剤粉末を静電塗布し、加熱した混合粉末を成形金型内に充填した。
上記のとおり作製したリング形状の各圧粉磁心を用い、実施例3と同じ条件で磁束密度および鉄損を測定した。
図9にメジアン径および樹脂量(質量%)と鉄損との関係、図10に圧粉磁心の密度と磁束密度との関係を示す。図中の樹脂量は質量%で示してある。
図9から判るように、メジアン径が小さいほど鉄損が低く、したがって固有抵抗が高くなる。また、樹脂量が0.3質量%および0.4質量%(1.8体積%および2.4体積%)のものは他のものと比較して鉄損が低くなっている。図9から、好ましい鉄損値を350w/kg以下とした場合、樹脂量が0.1質量%(0.体積%)以上ではメジアン径が50μm以下のとき、樹脂量が0.03〜0.05質量%(0.18〜0.3体積%)ではメジアン径が13μmより小さいものが好ましいことが判る。
また、図10から判るように、磁束密度は圧粉磁心の密度に依存しており、樹脂量が少ないと磁束密度が高くなり、樹脂量が多いものは低い磁束密度になる。メジアン径および樹脂量ともに、いずれの圧粉磁心もメジアン径が50μm以下の場合で、樹脂量が0.4質量%(2.4体積%)以下であれば、磁束密度が1.75T以上が得られる。
これらのことから、樹脂粉末が熱可塑性ポリイミド樹脂の場合では、メジアン径が50μm以下の場合は、樹脂量が0.1〜0.4質量%(0.〜2.4体積%)が好適であるが、メジアン径が13μm以下の場合には、樹脂量が0.03〜0.4質量%(0.18〜2.4体積%)が好適であることが確認された。また、磁束密度が高く鉄損が少ない圧粉磁心を得るために、より好ましくはメジアン径が13μm以下のものを用い、樹脂量を0.1質量%以下(0.体積%以下)にすると良いことが判る。
リン酸塩被覆処理を施した絶縁鉄粉(粒度:100メッシュ)に、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定したメジアン径が0.12,3,10μmのポリテトラフルオロエチレンを0.03〜0.4質量%(0.11〜1.4体積%)の割合で添加・混合して混合粉末をそれぞれ製造した。その後、これらの混合粉末を用い、成形圧力:1470MPaで、内径:10mm、外径:23mm、高さ:5mmのリング形状の成形体を得、これらの成形体を窒素ガス中において340℃で1時間加熱保持して各圧粉磁心を作製した。なお、成形に際しては成形金型を150℃に加熱して内面に成形潤滑剤粉末を静電塗布し、加熱した混合粉末を成形金型内に充填した。
上記のとおり作製したリング形状の各圧粉磁心を用い、実施例3と同じ条件で磁束密度および鉄損を測定した。
図11にメジアン径および樹脂量(質量%)と鉄損との関係、図12に圧粉磁心の密度と磁束密度との関係を示す。図中の樹脂量は質量%で示してある。
図11から判るように、ポリテトラフルオロエチレン粉末のメジアン径が3μm以下のときに鉄損を約300W/kg以下と低く抑えることができ、メジアン径が5μm以下のときに鉄損が約350W/kg以下になる。また、樹脂量が0.03質量%および0.05質量%(0.11体積%および0.18体積%)の場合では、メジアン径が大きいと、鉄損が他に比較して高くなる。
また、図12から判るように、磁束密度は圧粉磁心の密度に依存しており、樹脂量が少ないと磁束密度が高くなり、樹脂量が多いものは低い磁束密度になる。磁束密度はメジアン径が10μm以下の樹脂粉末を用い、樹脂量が0.4質量%(1.4体積%)以下であれば磁束密度1.75T以上が得られる。
以上により、樹脂粉末がポリテトラフルオロエチレン樹脂の場合では、メジアン径が10μm以下の場合は添加量が0.1〜0.4質量%(0.36〜1.4体積%)、メジアン径が5μm以下の場合は添加量が0.03〜0.4質量%(0.11〜1.4体積%)が好適であることが確認された。また、より好ましくは、メジアン径が0.1〜3μm程度の微粒粉を用い、樹脂量が0.1質量%以下(0.36体積%以下)にすると良いことが判る。
成形圧力を1470MPaとした以外は実施例3〜5と同じ条件で圧粉磁心を作製し、各圧粉磁心に対して旋盤で切削加工を行った。いずれの圧粉磁心も旋盤によるチャッキングおよび切削加工の際に破損することはなかった。樹脂を含まず鉄粉のみで作製した圧粉磁心では、切削面に光沢を有していたが、長い切粉が発生し、バイトの刃先に材料の鉄が凝着し易くバイト摩耗が早かった。これに対して、ポリイミド樹脂を含む圧粉磁心では、切粉が短くバイト摩耗が減少し、ポリイミド樹脂の含有量が多い程バイト寿命が長かった。ポリテトラフルオロエチレンを含む圧粉磁心では、切粉がより細かなものとなり、バイトの耐久性が向上した。以上により、ポリイミド樹脂やポリテトラフルオロエチレンを含む圧粉磁心は外形の切削加工、溝加工、孔開け加工を行うことが可能である。
4種類の樹脂A〜Dの粒度分布およびメジアン径を示すグラフである。 絶縁鉄粉に図1に示した4種類の樹脂A〜Dを添加して作製した圧粉磁心についての、渦電流損Weと周波数fとの関係を示すグラフである。 絶縁鉄粉に図1に示した4種類の樹脂A〜Dを添加して作製した圧粉磁心についての、ヒステリシス損Whと周波数fとの関係を示すグラフである。 絶縁鉄粉に図1に示した4種類の樹脂A〜Dを添加して作製した圧粉磁心についての、鉄損Wと周波数fとの関係を示すグラフである。 (a)は発明例のSEM観察写真、(b)は発明例のEPMA観察写真、(c)は従来例のSEM観察写真、(d)は従来例のEPMA観察写真である。 本発明の実施例3におけるメジアン径および樹脂量と鉄損との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3におけるメジアン径および樹脂量と固有抵抗との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3における圧粉磁心の密度と磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明の実施例4におけるメジアン径および樹脂量と鉄損との関係を示すグラフである。 本発明の実施例4における圧粉磁心の密度と磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明の実施例5におけるメジアン径および樹脂量と鉄損との関係を示すグラフである。 本発明の実施例5における圧粉磁心の密度と磁束密度の関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 軟磁性粉末と樹脂粉末とを混合した混合粉末を用い、混合粉末を所望の形状に圧粉成形および加熱する圧粉磁心の製造方法において、前記軟磁性粉末は、表面にリン酸化合物を被覆した鉄粉であり、前記樹脂粉末は、メジアン径で50μm以下の粉末であって、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂のいずれかであり、熱硬化性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜2.4体積%、熱可塑性ポリイミド樹脂の添加量は0.01〜0.6体積%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の添加量は0.01〜1.4体積%であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  2. 前記熱可塑性ポリイミド樹脂粉末は、メジアン径で30μm以下粉末であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  3. 前記熱硬化性ポリイミド樹脂粉末の添加量は、0.18〜2.4体積%であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  4. 前記熱可塑性ポリイミド樹脂粉末の添加量は、メジアン径が13μm以下の場合は0.18〜0.6体積%であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  5. 前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末の添加量は、メジアン径が10μm以下の場合は0.36〜1.4体積%であり、メジアン径が5μm以下の場合は0.11〜1.4体積%であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  6. 記混合粉末を700〜2000MPaの圧縮応力で成形した後、加熱処理を施して所定形状に切削加工することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  7. 前記混合粉末に成形潤滑剤を添加せずに成形金型の内面に成形潤滑剤を塗布して前記成形を行うことを特徴とする請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の混合粉末を1000〜2000MPaの圧縮応力で略円筒状の成形体を成形した後、加熱処理を施して所定形状に切削加工することを特徴とするエンジン燃料噴射装置用ソレノイドコアの製造方法。
JP2003323824A 2002-09-30 2003-09-17 圧粉磁心の製造方法 Expired - Fee Related JP4325793B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003323824A JP4325793B2 (ja) 2002-09-30 2003-09-17 圧粉磁心の製造方法
US10/529,733 US7211158B2 (en) 2002-09-30 2003-09-30 Production method for powdered core
AU2003268698A AU2003268698A1 (en) 2002-09-30 2003-09-30 Method for producing dust core
PCT/JP2003/012515 WO2004030002A1 (ja) 2002-09-30 2003-09-30 圧粉磁心の製造方法
EP03748622A EP1551040B1 (en) 2002-09-30 2003-09-30 Method for producing a dust core
US11/591,635 US7273527B2 (en) 2002-09-30 2006-11-02 Production method for powdered core

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285141 2002-09-30
JP2003323824A JP4325793B2 (ja) 2002-09-30 2003-09-17 圧粉磁心の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004146804A JP2004146804A (ja) 2004-05-20
JP4325793B2 true JP4325793B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=32044653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003323824A Expired - Fee Related JP4325793B2 (ja) 2002-09-30 2003-09-17 圧粉磁心の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US7211158B2 (ja)
EP (1) EP1551040B1 (ja)
JP (1) JP4325793B2 (ja)
AU (1) AU2003268698A1 (ja)
WO (1) WO2004030002A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005139943A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Mitsubishi Materials Corp 電磁石用コア及びその製造方法
JP2007074870A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Toyota Motor Corp 永久磁石埋込型ロータおよび永久磁石埋込型モータ
JP4808506B2 (ja) * 2006-02-14 2011-11-02 スミダコーポレーション株式会社 複合磁性シート、コイル用複合磁性シートおよびそれらの製造方法
JP4721456B2 (ja) * 2007-03-19 2011-07-13 日立粉末冶金株式会社 圧粉磁心の製造方法
JP4850764B2 (ja) * 2007-03-19 2012-01-11 日立粉末冶金株式会社 圧粉磁心の製造方法
JP2008270285A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 圧粉磁心の製造方法
JP5417074B2 (ja) 2009-07-23 2014-02-12 日立粉末冶金株式会社 圧粉磁心及びその製造方法
CN102319895A (zh) * 2011-10-12 2012-01-18 长沙市杰冠电子科技有限公司 压粉铁芯用包覆粉末及其制备工艺
US20150076729A1 (en) * 2012-04-12 2015-03-19 Aida Engineering, Ltd High-density molding device and high-density molding method for mixed powder
CN109698067B (zh) * 2019-01-14 2022-02-08 太原开元智能装备有限公司 各向异性粘结磁体的制造方法
CN110444382A (zh) * 2019-07-16 2019-11-12 Neo新材料技术(新加坡)私人有限公司 粘结磁体及其制备方法
CN113628825A (zh) * 2021-07-09 2021-11-09 中山大学 一种铁基非晶复合磁粉芯及其制备方法和应用

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60235412A (ja) 1984-05-08 1985-11-22 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 高強度の粉末磁心の製造法
JPH09102409A (ja) 1995-10-02 1997-04-15 Hitachi Ltd 圧粉磁心用樹脂組成物、圧粉磁心、リアクトル及びそれを用いた電気機器
JP3421944B2 (ja) 1998-06-10 2003-06-30 株式会社日立製作所 圧粉磁心の製造方法及び製造装置
JP2000278951A (ja) * 1999-03-19 2000-10-06 Alps Electric Co Ltd インバータ回路
JP3629390B2 (ja) 1999-11-25 2005-03-16 日立粉末冶金株式会社 高周波用圧粉磁心およびその製造方法
JP4684461B2 (ja) * 2000-04-28 2011-05-18 パナソニック株式会社 磁性素子の製造方法
JP3986043B2 (ja) * 2001-02-20 2007-10-03 日立粉末冶金株式会社 圧粉磁心及びその製造方法
JP4284004B2 (ja) 2001-03-21 2009-06-24 株式会社神戸製鋼所 高強度圧粉磁心用粉末、高強度圧粉磁心の製造方法
JP2003183702A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Aisin Seiki Co Ltd 軟磁性粉末材料、軟磁性成形体及び軟磁性成形体の製造方法
JP2004197212A (ja) * 2002-10-21 2004-07-15 Aisin Seiki Co Ltd 軟磁性成形体、軟磁性成形体の製造方法、軟磁性粉末材料
JP4062221B2 (ja) * 2003-09-17 2008-03-19 株式会社デンソー 電磁アクチュエータ、電磁アクチュエータの製造方法、および燃料噴射弁

Also Published As

Publication number Publication date
EP1551040A1 (en) 2005-07-06
AU2003268698A8 (en) 2004-04-19
JP2004146804A (ja) 2004-05-20
US20070051430A1 (en) 2007-03-08
AU2003268698A1 (en) 2004-04-19
US7273527B2 (en) 2007-09-25
WO2004030002A1 (ja) 2004-04-08
EP1551040A4 (en) 2007-11-07
US7211158B2 (en) 2007-05-01
US20050242460A1 (en) 2005-11-03
EP1551040B1 (en) 2012-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7273527B2 (en) Production method for powdered core
US6661328B2 (en) Composite magnetic body, and magnetic element and method of manufacturing the same
JP4924811B2 (ja) 軟磁性複合材料の製造方法
JP4692768B2 (ja) 軟磁性複合材料
JP4430607B2 (ja) 表面高Si層被覆鉄粉末の製造方法
US20040046626A1 (en) Coil component and method of manufacturing the same
EP2434502A1 (en) Composite magnetic body and method for producing the same
JPS60107807A (ja) 鉄心
JP2003217919A (ja) 圧粉磁芯及びこれを用いた高周波リアクトル
JP5660164B2 (ja) 軟磁性複合材料の製造方法
US8062583B2 (en) Method for producing soft magnetic powdered core
JP5945994B2 (ja) 軟磁性複合材料、及びリアクトル
JP2006100292A (ja) 粉末磁性体コアの製造方法及びそれを用いてなる粉末磁性体コア
JP2012199580A (ja) 軟磁性複合材料の製造方法
JPH06204021A (ja) 複合磁性材料およびその製造方法
CN111383810A (zh) 一种非晶合金磁粉芯的制备方法
JP4527225B2 (ja) 圧粉磁心の製造方法
JP5874769B2 (ja) 軟磁性複合材料、及びリアクトル
CN112420309B (zh) 压粉磁芯
JP2018098261A (ja) リアクトルの製造方法
KR20220015830A (ko) 연자성 철계 분말 및 그 제조방법과 연자성 소재의 제조방법
JP5294095B2 (ja) 軟磁性複合材料の製造方法
JP2002043154A (ja) 複合圧粉焼結磁芯の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060518

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090603

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4325793

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140619

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees