JP4324137B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関の振動の強度に関する強度値を複数検出し、強度値と各強度値の個数(頻度)との頻度分布に基づいて、内燃機関を制御する技術に関する。
従来より、ノックセンサ強度値の略対数値の標準偏差に基づいてノック判定レベルVKDを作成し、ノック判定レベルVKDより大きい強度値をノッキングが発生したサイクルにおける強度値とする技術が公知である。ノック判定レベルVKDの作成は、ノック強度値Vから標準偏差に対応した値S及び中央値VM を計算し、ノック判定レベルVKDをS3 ・VMとして求める。ここで、標準偏差に対応した値Sは、ノック強度値VがVM/SとVMとの間か否かを判断してVM/SとVMとの間の頻度確率が約33%になるように標準偏差に対応した値Sが更新される。つまり、標準偏差に対応した値Sは、ほぼ1σ(σ;正規分布の標準偏差)となるものである。又、中央値VMは、ノック強度値Vが中央値以上か以下を判断して中央値を更新すると、中央値VM以下、以上がそれぞれ50%になるように収束して、分布の中央値になる。このようにすると、ノックセンサ信号のバラツキの要因であるエンジン機種、回転、負荷、経時変化を吸収することができ正確なノック検出が可能となる。ところが、ノック音が極端に大きくなったり多気筒エンジンにおける特定気筒にノックが集中したりするとノック強度値の分布がノック成分により大きく崩れ標準偏差に対応した値Sが大きくなってしまう。その結果、ノック判定レベルVKDが大きくなりノックがより大きくなり、さらに標準偏差に対応した値Sが大きくなり、ノック判定レベルVKDがさらに大きくなるという発散状態になってしまう。
特開平5−256183号公報(特許文献1)は、このようなノック判定レベルの発散を防止することができる内燃機関用ノック制御装置を開示する。特許文献1に記載の内燃機関用ノック制御装置は、内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、ノックセンサの信号からノック検出のために有効なノック強度を検出するノック強度値検出部と、ノック強度値検出部によるノック強度値とノック判定レベルとの比較によりノックの有無を判定するノック判定部と、ノック判定部の判定結果に応じて点火時期あるいは空燃比等のノック制御要因を制御するノック制御部と、ノック強度値の略対数変換値の分布の標準偏差に対応した値を検出する標準偏差検出部と、ノック強度値の略対数変換値の分布の累積相対度数を検出する累積相対度数検出部と、標準偏差検出部による標準偏差に対応した値が所定値より小さければ、標準偏差検出部による標準偏差に対応した値と累積相対度数検出部による累積相対度数とに基づいてノック判定レベルを作成する第1のノック判定レベル作成部と、標準偏差検出部による標準偏差に対応した値が所定値より大きければ、超えた分だけ所定値から差し引いた値と、累積相対度数検出部による累積相対度数とに基づいてノック判定レベルを作成する第2のノック判定レベル作成部とを含む。標準偏差に対応した値が所定値より大きい場合、ノック判定レベルは、ノック判定レベル=(所定値−(標準偏差に対応した値−所定値))u×累積相対度数として作成される。なお、uは定数で、たとえばu=3である。
この公報に記載の内燃機関用ノック制御装置によれば、標準偏差に対応した値が許容範囲内にあれば、標準偏差に対応した値と累積相対度数とに基づいてノック判定レベルを作成するとともに、標準偏差に対応した値が許容範囲から外れると、外れた分だけ許容値から差し引いた値と、累積相対度数とに基づいてノック判定レベルが作成される。これにより、標準偏差に対応した値が発散しようとすると、ノック判定レベルが小さくなるように補正することができる。そのため、ノック判定レベルの発散を防止することができる。
特開平5−256183号公報
しかしながら、特開平5−256183号公報に記載の内燃機関用ノック制御装置は、標準偏差に対応した値の大きさにのみに着目したものに過ぎない。標準偏差に対応した値は、ノッキングに起因しない振動の強度の影響を受ける。したがって、標準偏差に対応した値の大きさにのみでは、高い精度で発散が発生したか否かを判定することができない。そのため、ノッキングを抑制するための点火時期の遅角などを適切に行なうことができない場合が発生し得るという問題点があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、適切に点火時期を遅角することができる、内燃機関の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関の制御装置は、点火時期を遅角する遅角手段を含む内燃機関を制御する。この制御装置は、内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値を複数検出するための検出手段と、複数の強度値における第1の中央値および第1の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出するための第1の算出手段と、複数の強度値のうちの一部の強度値における第2の中央値および第2の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出するための第2の算出手段と、第1の中央値と第2の中央値との偏差および第1の標準偏差と第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差に基づいて、点火時期を遅角するように遅角手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、検出手段が、内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値を複数検出する。これらの複数の強度値における第1の中央値および第1の標準偏差の少なくともいずれか一方が算出される。また、たとえば、検出された複数の強度値のうち、最大値よりも小さい強度値以下の強度値における第2の中央値および第2の標準偏差の少なくともいずれか一方が算出される。ノッキングが発生した場合、ノッキングによる強度値は検出された複数の強度値において上位X(Xは定数)パーセントに含まれる。したがって、第2の中央値および第2の標準偏差は、検出された強度値からノッキングに起因し得る強度値を抜き出した強度値における中央値および標準偏差であるといえる。そのため、ノッキングが頻繁に発生していた場合、抜き出される強度値の範囲が広く、ノッキングによる強度値を抜き出す前後で中央値および標準偏差が大きく異なる。よって、第1の中央値と第2の中央値との偏差および第1の標準偏差と第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差が予め定められた偏差よりも大きい場合は、ノッキングが頻繁に発生した状態であるといえる。ノッキングが頻繁に発生すると、中央値と標準偏差とにより算出されるノック判定レベルが発散し得る(増大し続ける)。ノック判定レベルの発散を抑制するため、第1の中央値と第2の中央値との偏差および第1の標準偏差と第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差が予め定められた偏差よりも大きい場合、制御手段は、点火時期を遅角するように、遅角手段を制御する。これにより、ノッキングが頻繁に発生し、ノック判定レベルが発散している場合は、点火時期の遅角によりノッキングの発生を速やかに抑制することができる。このとき、ノッキングによる強度値を含み得る強度値を、検出された強度値から抜き出す前後において算出された中央値または標準偏差に基づいて、点火時期を遅角するか否かを判定している。そのため、単に標準偏差の大きさを予め定められた値と比較する場合に比べて、ノッキングに起因する強度値による影響をより考慮して、点火時期を遅角することができる。その結果、ノッキングによるノック判定レベルの発散を的確に判定し、適切に点火時期を遅角することができる、内燃機関の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、一部の強度値は、複数の強度値の最大値よりも小さい強度値以下の強度値である。
第2の発明によると、第2の中央値および第2の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出する際は、検出された複数の強度値のうち、最大値よりも小さい強度値以下の強度値が用いられる。これにより、ノッキングが発生した場合においては、上位Xパーセントに含まれるノッキングによる強度値を抜き出した強度値に基づいて、第2の中央値および第2の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出することができる。このような第2の中央値または第2の標準偏差を、第1の中央値または第1の標準偏差と比較することにより、ノッキングの発生度合を高い精度で判定することができる。
第3の発明に係る内燃機関の制御装置は、第1または第2の発明の構成に加え、予め定められたクランク角の間における内燃機関の振動の波形を予め記憶するための手段と、予め定められたクランク角の間における内燃機関の振動の波形を検出するための手段と、記憶された波形と検出された波形とを比較した結果に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するための手段とをさらに含む。遅角手段は、ノック強度が予め定められた判定値よりも大きい場合、内燃機関の点火時期を遅角するための手段を含む。制御手段は、第1の中央値と第2の中央値との偏差および第1の標準偏差と第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差が、予め定められた偏差よりも大きい場合、判定値を小さくすることにより、点火時期を遅角するように遅角手段を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、振動の波形、すなわち振動の挙動を考慮してノック強度が算出され、遅角手段は、ノック強度が判定値よりも大きい場合、点火時期を遅角する。これにより、ノッキングによる振動の特性を考慮してノッキングが発生したか否かを精度よく判定し、適切に点火時期の遅角を行なうことができる。第1の中央値と第2の中央値との偏差および第1の標準偏差と第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差が、予め定められた偏差よりも大きい場合、制御手段は、判定値を小さくする。これにより、遅角手段が点火時期を遅角する頻度を高め、速やかにノッキングを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の制御装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。本実施の形態に係る内燃機関の制御装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312とが接続されている。
ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表す信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表す信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランプポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表す信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表す信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表す信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。
エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信され
た信号、メモリ202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
図2に示すように、振動波形は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表す値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(以下、積算値と記載する)により表わされる。なお、振動の強度を、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値により表わしてもよい。
検出された振動波形は、図3に示すようにエンジンECU200のメモリ202に記憶されたノック波形モデルと比較される。ノック波形モデルは、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルとして予め作成される。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表わされ、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の振動に対応している。なお、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。
なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シミュレーションにより作成してもよい。エンジンECU200は、検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。
検出された波形とノック波形モデルとの比較においては、図4に示すように、正規化された波形とノック波形モデルとが比較される。ここで、正規化とは、たとえば、検出された振動波形における積算値の最大値で各積算値で除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表すことである。なお、正規化の方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとの偏差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kが算出される。
正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とし、ノック波形モデルにおける振動の強度をクランク角で積分した値(ノック波形モデルの面積)をSとおくと、相関係数Kは、K=(S−ΣΔS(I))/Sという方程式により算出される。ここで、ΣΔS(I)は、上死点から90度までのΔS(I)の総和である。なお、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
さらに、エンジンECU200は、相関係数Kおよび積算値の最大値(ピーク値)に基づいて、ノック強度Nを算出する。積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表す値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P×K/BGLという方程式で算出される。BGLはメモリ202に記憶されている。なお、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、算出されたノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合、エンジン100にノッキングが発生したと判定し、点火時期を遅角する。ノック強度Nが判定値V(KX)よりも小さい場合、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生していないと判定し、点火時期を進角する。
判定値V(KX)の初期値には、予め実験などにより定められる値が用いられる。ところが、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値V(VK)を補正し、実際に検出される強度に応じた判定値V(KX)を用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そのため、本実施の形態においては、図5に示すように、予め定められた回数の点火サイクル(たとえば200サイクル)分の強度Vを対数変換した値である強度値LOG(V)と、各強度値LOG(V)が検出された頻度(回数、確率ともいう)との関係を示す頻度分布を用いて、判定値V(KX)を修正する。強度値LOG(V)を算出するために用いられる強度Vは、予め定められたクランク角の間における強度のピーク値である。
頻度分布においては、強度値LOG(V)の頻度を最小値から累積して50%になる中央値V(50)が算出される。また、頻度分布における標準偏差σが算出される。中央値V(50)に係数U(Uは定数で、たとえばU=3)と標準偏差σとの積を加算した値が、ノック判定レベルV(KD)となる。ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)の頻度が、ノッキングが発生した頻度として判定される。
頻度分布を作成するために用いられる強度値LOG(V)には、図6において、破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)が用いられる。図6は、算出された強度値LOG(V)を、その強度値LOG(V)が得られたサイクルにおける相関係数K毎にプロットした図である。
また、本実施の形態においては、通常行なわれる判定値V(KX)の修正の他に、ノッキングが頻繁に発生した場合に中央値V(50)および標準偏差σが増大し、ノック判定レベルV(KD)が増大し続けるという発散現象が発生した場合、判定値V(KX)を小さくする。
図7を参照して、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置のエンジンECU200が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S100にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて検出される強度Vから、強度値LOG(V)を算出する。ここで、強度Vは、予め定められたクランク角の間におけるピーク値である。強度値LOG(V)は、N(Nは自然数で、たとえばN=200)サイクル分(前述した図6において破線で囲まれる領域内の強度値LOG(V)をN個)算出される。
S102にて、エンジンECU200は、強度値LOG(V)の頻度分布を作成する。S104にて、エンジンECU200は、作成された頻度分布における中央値V(50)、標準偏差σ(1)およびノック判定レベルV(KD)を算出する。
S106にて、エンジンECU200は、作成された頻度分布において、上位X(Xは定数)パーセント分のデータ(頻度の総合計がXパーセントとなる強度値LOG(V)以上のデータ)を抜き出す。なお、ノッキングによる異音が乗員の聴覚に知覚されるか否かは、全強度値LOG(V)において、ノッキングによる強度値LOG(V)が占める割合に依存する。したがって、抜き出すデータの割合(Xパーセント)は、ノッキングによる異音が乗員の聴覚に知覚され始める場合において、ノッキングによる強度値LOG(V)が占める割合程度であることが望ましい。S108にて、エンジンECUは、上位Xパーセント分のデータが抜き出された頻度分布における中央値V(50)および標準偏差σ(2)を算出する。
S110にて、エンジンECU200は、標準偏差σ(1)と標準偏差σ(2)との偏差(|σ(1)−σ(2)|)がしきい値以下であるか否かを判別する。標準偏差σ(1)と標準偏差σ(2)との偏差(|σ(1)−σ(2)|)がしきい値以下である場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。そうでない場合(S110にてNO)、処理はS114に移される。
S112にて、エンジンECU200は、発散現象が未発生であると判定する。S114にて、エンジンECU200は、発散現象が発生していると判定する。S116にて、エンジンECU200は、判定値V(KX)を小さくする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置のエンジンECU200の動作について説明する。
運転者がイグニッションスイッチ312をオン操作し、エンジン100が始動すると、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて検出される強度Vから、Nサイクル分の強度値LOG(V)が算出される(S100)。
算出された強度値LOG(V)の頻度分布が作成され(S102)、作成された頻度分布における中央値V(50)、標準偏差σ(1)およびノック判定レベルV(KD)が算出される(S104)。
ノック判定レベルV(KD)よりも大きい強度値LOG(V)が、ノッキングが発生したサイクルにおける強度値LOG(V)とみなされる。このとき、ノッキングが発生する頻度が少ない場合、図8に示すように、頻度分布は正規分布に近い形状になる。
この場合、ノック判定レベルV(KD)は適切な値に算出され、ノッキングの有無を適切に判定することができる。一方、ノッキングが発生する頻度が極度に高くなり、大きい強度値LOG(V)が頻繁に算出されると、図9に示すように、頻度分布の形状が崩れる。この場合、ノック判定レベルV(KD)が過度に大きくなり、強度値LOG(V)の最大値よりも大きなノック判定レベルV(KD)が算出される場合もある。
そのため、ノッキングが発生しているにも関わらず、ノッキングが発生していると判定できなくなり、点火時期の遅角などによりノッキングが抑制できなくなる。これにより、さらにノック判定レベルV(KD)が大きくなるという発散現象が発生する。
発散現象が発生したか否かを判定するため、作成された頻度分布において、上位Xパーセント分のデータが抜き出され(S106)、上位Xパーセント分のデータが抜き出された頻度分布における中央値V(50)および標準偏差σ(2)が算出される(S108)。
図10に示すように、ノッキングの発生頻度が少ない場合は、頻度分布が正規分布に近いため、データを抜き出す前の標準偏差σ(1)とデータを抜き出した後の標準偏差σ(2)との偏差は、しきい値以下となる(S110にてYES)。したがって、発散現象が未発生であると判定される(S112)。
一方、図11に示すように、ノッキングが頻繁に発生している場合は、頻度分布の形状が崩れ、広い範囲で強度値LOG(V)が分布しているため、データを抜き出す前の標準偏差σ(1)とデータを抜き出した後の標準偏差σ(2)との偏差は、しきい値より大きくなる(S110にてNO)。したがって、発散現象が発生していると判定され(S114)、判定値V(KX)が小さくされる(S116)。これにより、振動波形に基づいてノッキングが発生したか否かを判定する際に、ノッキングが発生したと判定される頻度を高めることができる。そのため、発散現象が発生した場合に、速やかに点火時期を遅角し、ノッキングの発生を抑制することができる。その結果、発散現象を抑制することができる。
また、上位Xパーセント分のデータに含まれるノッキングによる強度値LOG(V)を、算出された強度値LOG(V)から抜き出す前後において算出された標準偏差σ(1)および標準偏差σ(2)に基づいて、判定値V(KX)を小さくするか否かを判定している。そのため、単に標準偏差の大きさを予め定められた値と比較する場合に比べて、ノッキングに起因する強度値LOG(V)による影響をより考慮することができる。その結果、判定値V(KX)を小さくするか否かを適切に判定して、点火時期の遅角を適切に行なうことができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置のエンジンECUは、算出された強度値LOG(V)から上位Xパーセント分のデータを抜き出す前において算出された標準偏差σ(1)と抜き出した後において算出された標準偏差σ(2)との偏差が、しきい値よりも大きい場合、判定値V(KX)を小さくする。これにより、振動波形に基づいてノッキングが発生したか否かを判定する際に、ノッキングが発生したと判定される頻度を高めることができる。そのため、発散現象が発生した場合に、速やかに点火時期を遅角することができる。
また、上位Xパーセント分のデータに含まれるノッキングによる強度値LOG(V)を、算出された強度値LOG(V)から抜き出す前後において算出された標準偏差σ(1)および標準偏差σ(2)に基づいて、判定値V(KX)を小さくするか否かを判定している。そのため、単に標準偏差の大きさを予め定められた値と比較する場合に比べて、ノッキングに起因する強度値LOG(V)による影響をより考慮することができる。その結果、判定値V(KX)を小さくするか否かを適切に判定して、点火時期の遅角を適切に行なうことができる。
なお、本実施の形態においては、標準偏差σに基づいて発散現象が発生したか否かを判定していたが、標準偏差σの代わりに、または加えて中央値V(50)に基づいて発散現象が発生したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、データを抜き出す前後の中央値V(50)の偏差がしきい値より大きい場合に発散現象が発生したと判定するようにしてもよい。また、データを抜き出す前後の標準偏差σの偏差および中央値V(50)の偏差の少なくともいずれか一方がしきい値より大きい場合に発散現象が発生したと判定するようにしてもよい。
さらに、発散現象が発生したと判定した場合に判定値V(KX)を小さくしないで、点火時期を遅角するようにしてもよい。さらに、判定値V(KX)を小さくするとともに点火時期を遅角するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECUにより制御されるエンジンを示す概略構成図である。 エンジンの振動波形を示す図である。 エンジンECUのメモリに記憶されたノック波形モデルを示す図である。 正規化された振動波形とノック波形モデルとを比較した状態を示す図である。 強度値LOG(V)の頻度分布を示す図である。 頻度分布を作成するために用いられる強度値LOG(V)を示す図である。 図1のエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 ノッキングの発生頻度が少ない場合における強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その1)である。 ノッキングの発生頻度が多い場合における強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その1)である。 ノッキングの発生頻度が少ない場合における強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その2)である。 ノッキングの発生頻度が多い場合における強度値LOG(V)の頻度分布を示す図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、200 エンジンECU、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304
タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ。

Claims (2)

  1. 点火時期を遅角する遅角手段を含む内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関で発生する振動の強度に関する強度値を複数検出するための検出手段と、
    前記複数の強度値における第1の中央値および第1の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出するための第1の算出手段と、
    前記複数の強度値の最大値よりも小さい強度値以下の強度値における第2の中央値および第2の標準偏差の少なくともいずれか一方を算出するための第2の算出手段と、
    前記第1の中央値と前記第2の中央値との偏差および前記第1の標準偏差と前記第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差に基づいて、前記点火時期を遅角するように前記遅角手段を制御するための制御手段とを含む、内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御装置は、
    予め定められたクランク角の間における前記内燃機関の振動の波形を予め記憶するための手段と、
    予め定められたクランク角の間における前記内燃機関の振動の波形を検出するための手段と、
    前記記憶された波形と前記検出された波形とを比較した結果に基づいて、ノッキングに起因する振動の強度に関するノック強度を算出するための手段とをさらに含み、
    前記遅角手段は、前記ノック強度が予め定められた判定値よりも大きい場合、前記内燃機関の点火時期を遅角するための手段を含み、
    前記制御手段は、前記第1の中央値と前記第2の中央値との偏差および前記第1の標準偏差と前記第2の標準偏差との偏差の少なくともいずれか一方の偏差が、前記予め定められた偏差よりも大きい場合、前記判定値を小さくすることにより、前記点火時期を遅角するように前記遅角手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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