JP4323892B2 - 現像方法及びトナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法及び静電記録法に用いられる現像方法及びトナーに関する。
従来から、電子写真方式或いは静電記録方式を用いた複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、印刷装置等の画像形成装置においては、一般的に光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成し、次いで前記潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得、その一方で感光体上に転写せず残ったトナーを種々のクリーニング手段により清掃し、上述の工程が繰り返されるシステムが知られている。
現像手段としては、現在までに諸方式の手段が提案されており、特に画像形成システムの高速化や高画質化を目指したものとして、現像ローラを複数具備した現像装置が提案されており、各現像ローラ上での現像剤の搬送性を制御することを目的として、現像ローラの磁力に関する構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらの提案を含め、従来技術のほとんどは現像剤としてキャリアを用いる二成分現像方式を用いた手法であり、画像形成システムの高速化や高画質化には対応できるものの、装置の大型化や、メンテナンスの煩雑さ等の問題を招き、このため更なる改良が求められている状況にある。
これら従来技術が包括する問題に対し有効と考えらえる手段として、磁性一成分トナーを用いた現像方式の応用が挙げられる。磁性一成分現像方式を用いた場合に得られるメンテナンスフリー化や、システムの小規模化等については既に周知の通りであり、従って、この技術を応用することで、先に述べた従来技術での諸問題については解決できると推測される。
しかし、キャリアを用いた二成分現像方式の場合と異なり、磁性一成分トナーを複数の現像ローラを有する現像方式に適用する場合において、複数の現像ローラ間に渡り過不足無くトナーを流動(各現像ローラへのトナーの供給/移動)させ、かつ、トナーに外添された諸添加剤のトナー表面への埋め込み現象、いわゆるトナー劣化を有効に抑制する事は、現時点では非常に困難な状況にある。
磁性一成分トナーを用いた従来技術として、磁性一成分トナーによる磁気ブラシ現像方式を複数の現像ローラを有する装置に適用させた提案が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この提案では、装置の小型化等には対応できるものの、複数の現像ローラ間に渡るトナーの流動に関連する問題や、特に複数の現像ローラ間でトナーがメカニカルなシェアを受けることにより発生するトナー劣化に対する対策は示されていない。
また、複数の現像ローラを有する装置に磁性一成分トナーを適用した従来技術としては、現像ローラが有する磁極の強度が規定されている装置や、現像ローラが有する磁極の種類と位置とが規定されている装置が知られている(例えば、特許文献5及び6参照)。しかしながら、これらの提案では、隣り合う二つの現像ローラのうち感光体の回転方向における下流側の現像ローラ上に磁性一成分トナーを均一に安定してコートしようとするものであり、現像ローラ間でのトナーの流動やトナーの滞留、及びトナー劣化については、検
討の余地が残されている。
上記の通り、複数の現像ローラを具備した磁性一成分現像方式を用い、高速でかつ高耐久、高画質な画像形成システムを完成させるには、未だ多くの問題を抱えている状況にある。
特許第3017514号公報 特開平05−346737号公報 特開平09−80919号公報 特公平03−5579号公報 特開2002−365916号公報 特開2002−372868号公報
本発明の目的は、上述のような問題点を解決した現像方法及びトナーを提供することにある。すなわち、本発明の目的は、複数の現像ローラを用いる磁性一成分現像方式において、各現像ローラ間においてトナーが円滑に流動し、第一現像ローラと第二現像ローラの間隙部付近での過剰なトナー滞留を抑制することが可能な現像方法及びトナーを提供することにある。
複数の現像ローラを有する二成分現像方式の場合は、各現像ローラ間に渡り現像剤の流動(キャリアを含む現像剤の供給/移動)がスムーズに行われるのに対し、複数の現像ローラを用いる磁性一成分現像方式の場合は、各現像ローラ間に渡るトナーのスムーズな流動(トナーの供給/移動)が非常に困難となる。この差が生じる主な理由の一つとして、現像剤として磁性キャリアを含む系であるか否かによることが挙げられる。
つまり、二成分現像方式では、複数の現像ローラを具備している場合においても、最も上流側の第一現像ローラに現像剤の供給を行えば、下流側への現像剤のスムーズな流れが形成される構成が完成されている。これは、現像ローラに設置された磁極構成と、現像剤に含まれるキャリアの磁気特性とのマッチングにより達成されている。
従って、現像ローラ上でのトナーの流動だけについて考えると、二成分現像方式で用いられるキャリアと同等の粉体特性及び磁気的特性を磁性一成分トナー自体に付与すれば、磁性一成分現像方式を用いた場合においても、複数の現像ローラ間に渡るトナーのスムーズな流動は可能と考えられる。
しかしながら、二成分現像方式で用いられるキャリアは、その粒子径が一成分現像方式のトナーの数倍〜数十倍あり、また、磁気的特性も現像方式の違いにより磁性一成分現像方式に適当な範囲を逸脱しているため、キャリアの諸特性を磁性一成分トナーの粉体特性及び磁気特性に適用することを前提に考えた場合、相容れ難い条件となる。従って、複数の現像ローラを用いる二成分現像方式で培われたノウハウは、磁性一成分現像方式に対しては、そのまま適用できないことが多い。
これらの違いから、二成分現像方式では各現像ローラが最も近接する間隙部を挟み、上流側現像ローラから下流側現像ローラへ対して、キャリアを含む現像剤の飛翔(移動)がスムーズに行われるのに対し、磁性一成分現像方式の場合は、その性質上、上流側現像ローラから下流側現像ローラへ対するトナーの飛翔(移動)が十分に行われず、現像ローラ上に残ったトナーが現像ローラ上から離れず、上流側現像ローラと下流側現像ローラの間隙部を通過した後も現像ローラに担持され続けるというトナーの連れ周り現象が発生しや
すい。このため第一現像ローラ及び第二現像ローラに対する適正なトナー供給制御が困難となることがある。
またその一方で、特に間隙部付近において、過剰となったトナーの滞留が起き易い。これにより第二現像ローラの正常なトナーコート形成が阻害され、トナーコートムラ起因の画像濃度ムラの発生や、滞留トナーの局部的な吐き出しによる画像欠陥を招き、更に、滞留トナーが存在することでトナー表面に対する外添剤のメカニカルな埋め込み現象が促進され、いわゆるトナー劣化現象を促進してしまい、現像性そのものの低下を招くことがある。この現象は、特に高温高湿環境下で著しく現れる傾向がある。
この様な状況の中で、本発明者らは検討の結果、特定の現像ローラ構成と特定のトナー物性(磁気特性及び粉体特性)を組み合わせることにより、複数の現像ローラを用いる磁性一成分現像方式においても、現像ローラに対するトナーの連れ周りを最小限に抑え、第一及び第二現像ローラ上に過不足無くトナーを供給できるようにした上で、更に、現像ローラ間隙部付近での過剰なトナーの滞留を抑制することを可能とし、この結果、第二現像ローラ上でのトナーコート不良に伴う画像トラブルの発生を防止すると共に、メカニカルなトナー劣化の発生を防ぐことで長期安定的に現像性低下を抑制することを達成した。
本発明は、以下の構成により達成される。
すなわち本発明は、回転自在な感光体に対向して回転自在に配置され、表面にトナーを担持可能な第一現像ローラ及び第二現像ローラが担持したトナーによって、前記感光体上
に形成された静電荷像を可視像化する現像方法であって、第一の現像ローラ及び第二現像ローラが、第一現像ローラが担持するトナーを第二現像ローラに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法において、第一現像ローラは磁極A及び磁極Cを有し、第二現像ローラは前記磁極Aとは異なる極の磁極Bを有し、第一現像ローラ及び第二現像ローラは、第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線を基準線とし、磁極Aは第一現像ローラにおける基準線に最も近い磁極であり、磁極Bは第二現像ローラにおける基準線に最も近い磁極であり、磁極Aの位置と第一現像ローラ中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をaとし、磁極Bの位置と第二現像ローラ中心軸を結ぶ線と基準線との交差角をbとし、前記可視像化時において基準線よりも感光体側を正とし、その反対側を負としたときに、a>0かつb<0である位置に配置され、磁極Cは、磁極Aと同極性であり、磁極Aよりも第一現像ローラの回転方向下流側に隣接して配置されており、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性一成分トナーであり、トナーの保磁力(kA/m)と残留磁化(Am2/kg)との積が5以上85以下であり、重量平均粒径が4〜10μmであり、前記重量平均粒径の2倍以上の粒径の粒子が4体積%以下であり、長さ平均粒径の半分以下の粒径の粒子が35個数%以下であることを特徴とする現像方法、及びこの現像方法に用いられるトナーに関する。
また本発明では、前記トナーが、体積平均粒径0.1〜4μmの非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物を少なくとも一種類以上含有することが好ましく、前記金属酸化物及び/又は金属炭化物は、Ti、Ce、Al、Si、Zn、Mg、W、Sn、Zrの元素を少なくとも一種類以上含む酸化物、炭化物、及び前記元素の酸素酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩から選ばれる一種類以上であることが好ましい。
また本発明では、前記金属酸化物及び/又は金属炭化物が、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、タングステンカーバイド、及びシリコンカーバイドから選ばれる一種以上であることが好ましく、前記トナーが前記金属酸化物及び/又は金属炭化物をトナー粒子100質量部に対して0.1〜8.0質量部含有することが好ましい。
また本発明では、前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの表面には金属メッキが施されていることが好ましく、かつ、前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの算術表面粗さRaが0.3〜0.9μmであることが好ましく、更に、前記金属メッキの最表面層が、Crメッキ、Ni−Pメッキ、及びNi−Bメッキから選ばれるいずれかであることが好ましい。
本発明によれば、前記第一現像ローラの磁極と前記第二現像ローラとの磁極の前記基準線に対する位置を定める特定の現像ローラの配置と、磁気特性及び粒度分布を定める特定の磁性一成分トナーとを用いることから、複数の現像ローラを用いる磁性一成分現像方式において、各現像ローラ間においてトナーを円滑に流動させることができ、かつ第一現像ローラと第二現像ローラの間隙部付近での過剰なトナー滞留を抑制することができる。これにより、第二現像ローラ上でのトナーコート不良が抑制され、またトナー滞留起因によるトナー劣化が抑制されるので、画像欠陥の発生を防止することができ、高速複写稼働時や高温多湿環境下での使用においても、長期安定的に優れた現像性を維持することができる。
また本発明では、前記トナーが前記金属酸化物及び/又は金属炭化物を含有すると、第一現像ローラと第二現像ローラとの間隙部付近でのトナー滞留を抑制する上でより一層効果的である。
また本発明では、前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの表面に金属メッキが施されているか、又は前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの算術表面粗さが適切な範囲に調整されていると、トナーの良好な搬送性が維持され、優れた現像性を維持する上でより効果的であり、金属メッキと表面粗さの調整の両方が行われているとより一層効果的である。
本発明の実施形態について以下に説明する。
本発明では、回転自在な感光体に対向して回転自在に配置される第一現像ローラ及び第二現像ローラが担持したトナーによって、感光体上に形成された静電潜像を可視像化する。前記第一現像ローラ及び第二現像ローラは、表面にトナーを担持することができる。
感光体に対する前記現像ローラの配置は、それぞれの現像ローラが、それぞれ担持するトナーによって前記静電潜像を可視像化(現像)することができる位置に配置されていれば特に限定されない。感光体に対する第一現像ローラや第二現像ローラの配置としては、例えば、担持するトナーが感光体に接触する位置への配置や、担持するトナーが感光体には接触せず、トナーが飛翔して現像ローラから感光体に移動する位置への配置等が挙げられる。感光体の回転方向に対する第一現像ローラ及び第二現像ローラの配置は特に限定されないが、第一現像ローラが感光体の回転方向における上流側に配置されることが好ましい。なお、第一現像ローラ及び第二現像ローラは、感光体に対して所定の位置に常時配置されていても良いし、前記静電潜像の可視像化時(現像時)のみ感光体に対して所定の位置に配置されても良い。
前記第一現像ローラ及び第二現像ローラは、第一現像ローラが担持したトナーを、第一現像ローラでの現像に用いた後に第一現像ローラから第二現像ローラへ渡し、第二現像ローラでの現像に用いるように回転すれば、その回転方向は特に限定されない。第一現像ローラ及び第二現像ローラの回転方向は、感光体の回転方向に対して順方向(感光体と現像ローラとの対向部において感光体及び現像ローラの表面が同じ方向に移動する方向)であっても良いし、逆方向であっても良い。
前記第一現像ローラは磁極Aを有し、前記第二現像ローラは前記磁極Aとは異なる極の磁極Bを有する。第一現像ローラ及び第二現像ローラは、前記の磁極以外の磁極をさらに有していても良い。このような磁極は、永久磁石のように常時磁界を発生する手段によって形成されていても良いし、電磁石のように任意の時期及び強度の磁界を発生する手段によって形成されても良い。
また、本発明に用いられる現像ローラは、その表層に金属メッキを施すことが好ましい。現像ローラ基材の材料としては、一般的にSUSやアルミニウム等が用いられているが、本発明の現像ローラ基材の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅合金が好ましい。これらは非磁性であるため、磁性トナーを用いた現像方式に適しており、ビッカース硬度Hvが40〜180程度と比較的軟らかい金属であるため、粗面化処理等の加工を施しやすく、また熱伝導係数が150W/m・K以上と高く、熱が蓄積しにくいため、例えば感光体ヒーターを具備したa−Si感光体を用いた場合においても、現像ローラの熱膨張に対する寸法精度を維持する上で好適である。
この場合、問題となる点として、これら材質の持つ「軟らかさ」に起因する現像ローラ表面層の摩耗、及び、それに伴うトナー搬送性能の劣化が挙げられ、この対策のためにも、本発明に用いられる現像ローラには、金属メッキの施工が有効である。特に本発明で用いられるトナーは、後述する通り特定の金属酸化物及び/又は金属炭化物を少なくとも一種以上含有することがあるため、場合によっては現像ローラ表面層に対して研磨効果を発現することがあり、この点で金属メッキを施す意義は大きい。
本発明で用いられる現像ローラの表面への金属メッキとしては、高耐久性の面から、ビッカース硬度Hvが200以上であることが好ましく、更には450以上であることが好ましい。現像ローラ表面のビッカース硬度Hvについては、前記現像ローラの一般的な材料であるSUS316がHv≒200程度であることから、これを下回ることは、実用上好ましくない。また、磁性トナーを用いた現像方式に適用されることから、金属メッキ層自体が非磁性であることが望ましい。この様な観点から、Hvが450以上であるNi−Pメッキ、Ni−Bメッキ等が好適に使用される。
上記ニッケル(Ni)は、単体では強磁性体であるが、例えばリン(P)やホウ素(B)と結合することにより非晶質となり非磁性化することが知られており、Ni−Pメッキの場合、リン含有量は5〜15質量%が好ましく、Ni−Bメッキ被覆中のホウ素含有量は2〜8質量%が好ましい。
更に、CrメッキはHvが600以上と高く、このため非常に耐摩耗性に優れ、メッキ層厚を薄く抑制できることから、強磁性体であるものの磁気遮蔽の弊害を無視できる範囲にメッキ層厚を抑制することで、特に好ましく用いられる。
尚、金属メッキ層は、無電界メッキ法及び電気メッキ法等の何れの方法で形成しても良いが、金属メッキ層を形成する方法は、高温加熱処理(300℃以上)を伴わない方法が好ましい。高温加熱処理を施す場合は、現像ローラ基体の熱変形が生じ易く、寸法精度の面で良品率が低下するため好ましくない。金属メッキ層厚については、実使用上での摩耗量との兼ね合いにより決定すれば良いが、0.5μm以上であることが好ましい。金属メッキ層厚が0.5μm未満の場合は、安定したメッキ層を形成することが困難となることがあるため好ましくない。
また、本発明に用いられる現像ローラの表面は、適度の表面粗さを有することが好ましく、ISO 4287:1997に準じて作成されたJIS B 0601:2001で
規定されている算術表面粗さRaが0.3〜0.9μmの範囲であることが好適である。前記算術表面粗さについては、主にトナーの搬送性に関わる問題であるが、特に本発明で用いられる特定のトナーとの組み合わせにおいて、現像ローラ上でのトナーの流動と間隙部付近でのトナー滞留のバランスを取る上で、上述のRaの範囲が好適に用いられる。この作用効果については、後に本発明のトナーの構成の説明の欄で説明する。
本発明では、現像ローラの金属メッキ層を形成した後に現像ローラの表面の粗面化処理を施すことも可能であるが、メッキ層自体の剥離やブラスト砥粒の付着の可能性の点から、予め現像ローラ基材表面に粗面化処理を施し、Raを0.2〜1.0μm程度の表面粗さにしておくことが好ましい。この粗面化処理としては、例えば球形粒子によるブラスト処理が好適に使用できる。
本発明において、Raの測定には、接触式表面粗さ計サーフコーダーSE3300(小坂研究所製)を用いることができる。この場合の測定条件は、カットオフ値が0.8mm、測定長さが2.5mm、送りスピードが0.1mm/秒、倍率が5000倍である。
前記第一現像ローラ及び前記第二現像ローラは、第一現像ローラが担持するトナーを第二現像ローラに渡すことができる位置であって、互いに非接触の位置に配置される。このときの第一及び第二現像ローラ間の距離、すなわちS−Sgapは、前記磁極の強さや用いるトナーの磁気特性等の諸条件によっても異なるが、200〜1000μm程度である。このような第一現像ローラ及び第二現像ローラは、適切なS−Sgapとなる所定の位置に常時配置されていても良いし、現像時のみ前記S−Sgapとなる位置に配置されても良い。
また、前記第一現像ローラ及び前記第二現像ローラは、第一現像ローラ及び第二現像ローラの中心軸を横断する断面図において、第一現像ローラ及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線を基準線とし、前記磁極Aの位置及び第一現像ローラの中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をaとし、前記磁極Bの位置及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をbとし、前記可視像化時において前記基準線よりも前記感光体側の領域を正(+)とし、前記基準線を挟んで反対側を負(−)としたときに、a>0かつb≦0であるか、又はa≧0かつb<0である位置に配置される。
このような第一現像ローラ及び第二現像ローラの配置は、現像ローラ間に、第一現像ローラ側は感光体により近く第二現像ローラ側は感光体からより離れる磁力線を形成する。この磁力線は、前記基準線上に端部を有するか、又は前記基準線を斜めに横切る。本発明では、このような磁力線が形成されれば良い。なお、ここで言う磁力線とは、磁極Aと磁極Bとを結ぶ直線である。
以下に、図面を用いて本発明における現像ローラの磁極の構成について説明する。
図1は、感光体の回転方向上流側の第一現像ローラ及び下流側の第二現像ローラの最近接部、すなわち間隙部D付近での磁極配置を示す模式図である。各現像ローラは、感光体の回転方向αに対し、順方向に回転するものとする。
図1に示すように、第一現像ローラ12及び第二現像ローラ13内には、固定配置されたマグネット14、15が設けられる。マグネット14、15は、それぞれ磁極A及び磁極Bを形成する。磁極Aは、感光体の回転方向上流側に配置される第一現像ローラ12の磁極を、磁極Bは感光体回転方向下流側の第二現像ローラ13の磁極を表す。
磁極Aと磁極Bは、それぞれ異極性であり、互いの位置関係としては、第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線を基準線(0°)とし、前記磁極Aの位置と前記第一現像ロー
ラ中心軸を結ぶ線と、前記基準線との交差角をaとし、また前記磁極Bの位置と前記第二現像ローラ中心軸を結ぶ線と、前記基準線との交差角をbとし、前記交差角が前記基準線より感光体側にある場合を+、その反対側にある場合を−と定義したときに、前記交差角a、bの関係が、a>0かつb≦0であるか或いは、a≧0かつb<0となるように配置される。この磁極配置を維持する範囲で、磁性一成分トナーを用いた場合においても、第一及び第二現像ローラ上でのトナーの適正な流動を維持しやすく、その一方で、間隙部付近でのトナー滞留を比較的有効に抑制できる。
この理由としては、本発明における現像ローラの磁極の構成では、磁極Aと磁極Bを結ぶ磁力線が、基準線に対し少なくとも斜め方向に形成され、この磁力線が、第二現像ローラに対し、あたかもトナーコート規制部材(ドクターブレード)のごとく作用すると共に、間隙部付近での不適切な磁気的拘束力によるトナー滞留を抑制し、この結果、間隙部におけるトナーの流動、特に第一現像ローラから第二現像ローラへの移動と、各現像ローラに連れ周り移動しているトナーとのバランスが取られるためと推測される。
この効果は、磁極Aと磁極Bの距離が離れているほど明確に現れる傾向がある。この効果は、S−Sgapが最小となる間隙部(つまり基準線(0°))を挟んで斜めに磁力線が形成される場合において最大限に発揮されるが、この理由としては、1.磁力線が基準線と交錯する磁極の構成の場合は、間隙部でのトナー規制に優れるため、2.磁力線が基準線に沿う形で形成された場合、つまり磁極Aと磁極Bが対向位置にある場合は、前記基準線に磁界が集中し、トナーを磁気的に拘束し易く、滞留させる傾向があるため、と推測される。
従って、各現像ローラ間の最小の間隙部に対し、磁極Aと磁極Bによってもたらされる磁界を斜め方向にずらした形で集中させる(つまり磁気的拘束力の適度な分散を有する)ことにより、磁気的拘束力の集中による弊害、つまりトナー滞留の発生を抑えつつ、適切なトナーコート性を維持させる効率が最も高められる為と考えられる。
本発明において、前記交差角a及び前記交差角bは、前記基準線までの磁極の距離(交差角の絶対値)や、S−Sgapや用いられるトナーの磁気特性等の諸条件に応じて異なるが、交差角aは25°未満であり、交差角bは−30°未満であることが、現像ローラ間のトナーの円滑な移動とトナー滞留の防止とを実現する上で好ましい。
また、本発明において、前記磁極Aと前記磁極Bとの距離は、前記基準線までの磁極の距離(交差角の絶対値)や、現像ローラの直径、或いはS−Sgapや用いられるトナーの磁気特性等の諸条件に応じて異なるが、25mm以下であることが、現像ローラ間のトナーの円滑な移動とトナー滞留の防止とを実現する上で好ましい。
一方、本発明では、第一現像ローラは、磁極Aよりも更に第一現像ローラの回転方向の下流側、すなわち現像容器内部側に固定配置される磁極Cを有することが好ましい。磁極Cは磁極Aと同極性であり、磁極の位置関係としては、磁極Cの位置と第一現像ローラ中心軸を結ぶ線と、基準線(0°)との交差角をcとし、前記交差角が前記基準線より感光体側にある場合を+、その反対側にある場合を−と定義したときに、b>cとなるように配置されること(例えば図3参照)が好ましい。この理由としては、磁極Aと磁極Cを同極性とし隣接させることで、互いに反発極として作用させることができ、この結果、第一現像ローラに連れ回るトナーを第一現像ローラ上から剥離しやすくなると同時に、第二現像ローラへのトナーの供給をスムーズにできるメリットが得られる。
磁極A、磁極B及び磁極Cを含む全ての磁極の磁力は、現像ローラ表面で20mT〜200mTであることが好ましく、更には20mT〜120mTであることが好ましい。各
磁極の磁力が20mTを下回る場合には、各々の磁極間での磁力線が十分に形成されないため、間隙部付近での適度な磁気的拘束力が発揮されないことがある。また、各磁極の磁力が200mTを超える場合は、間隙部付近での磁気的拘束力が強くなりすぎ、各現像ローラ上で必要以上にトナーを拘束してしまい、結果としてトナー滞留を招き、またトナー流動を妨げることがあるため好ましくない。更に、製造コストを考慮すると、各磁極の磁力は120mT以下であることが好ましい。
本発明において、現像ローラの各磁極の磁気特性は、ベル社のガウスメーターモデル640を用いて測定することができる。本発明では、現像ローラ表面から約100μm上空の位置にアクシャルプローブをセットして測定した値で現像ローラの各磁極の磁気特性を示している。
本発明では、上述した現像ローラ構成をとり、かつ、以下に示す特定の物性(磁気特性及び粉体特性)を持ったトナーを用いることにより、磁性一成分トナーを用いた現像方式の場合でも、第一及び第二現像ローラ間に渡りトナーの適正な流動を維持しやすく、またその一方で間隙部付近での過剰なトナー滞留を有効に抑制する効果が発現する。
すなわち本発明においては、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性一成分トナーである。前記トナーは、トナーの保磁力Hc(kA/m)と残留磁化σr(Am2/kg)の関係が5≦Hc×σr≦85であり、トナーの重量平均粒径D4が4〜10μmであり、前記重量平均粒径の2倍(2D4)以上の粒径の粒子が4体積%以下であり、長さ平均粒径D1の半分(D1/2)以下の粒径の粒子が35個数%以下である。本発明では、前述した現像方法にこのようなトナーを用いることにより、複数の現像ローラ間に渡りトナーの流動(各現像ローラに対するトナーの供給/移動)をスムーズにした上で、更に、間隙部付近でのトナー滞留を抑制し、画像品質の低下やトナー劣化を防ぐ効果が最大限に発現する。
本発明で用いられるトナーは磁性トナーであるため、現像ローラに設置された磁極から発せられる磁力線の影響を受けて、現像ローラ上でのトナー搬送や、現像ローラ磁極部でのトナー穂立ち、及び、現像ローラ間の間隙部でのトナー流動(各現像ローラに対するトナーの供給や移動)等の振る舞いを見せる。従って、現像ローラの磁極構成とトナーの磁気特性との間には密接な関係があり、本発明における現像ローラの磁極構成においては、上述のトナー磁気特性、すなわちトナーの保磁力Hc(kA/m)と残留磁化σr(Am2/kg)の関係が5≦Hc×σr≦85であることが重要となる。
本発明において、トナーの保磁力と残留磁化との積(Hc×σr)の値が85を超える場合は、本発明の現像ローラの磁極構成に適用させても、現像ローラの各磁極上でトナーが強い磁気的拘束力を受けトラップされる傾向が高まり、その結果、間隙部付近でトナー滞留を発生しやすくなる。逆にトナーの前記Hc×σr値が5未満の場合は、磁気的拘束力起因でのトナー滞留は発生しないものの、間隙部での磁界に対してトナーの磁気的追従が十分できず、この結果、トナーの連れ周り現象を増長しやすい。
本発明のトナーの前記Hc×σr値の範囲における間隙部付近でのトナー滞留の発生状況については、Hc×σr値が小さい程、わずかな差ではあるがトナー滞留は発生し難い傾向にあり、トナー滞留抑制の効果の幅は広がる傾向にある。但し、Hc×σr値が小さくなると、現像ローラ上でのトナー穂立ち性が不十分になり、特に高温高湿環境下での耐久現像性(画像濃度)で劣る傾向がみられることから、Hc×σr値はある程度大きい方が良く、好ましくは12〜85であり、更に好ましくは25〜85である。
このようなことから、本発明では、現像ローラの間隙部での磁気的拘束力とトナーの磁
気特性とを許容範囲内で適宜調整することが好ましい。このような調整例としては、例えばトナーのHc×σr値が比較的大きい場合には、現像ローラ上の磁極A、B間の距離を離す構成にする、或いは、磁極A又は/及びBの磁力を下げる等が好ましくは挙げられる。
本発明において、トナー及び磁性体の磁気特性(保磁力Hc、残留磁化σr、飽和磁化σs)は、振動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業株式会社製)を用い、外部磁場を7.96×102kA/m(10kOe)として測定することができる。
また、本発明においては、複数の現像ローラ間に渡るスムーズなトナーの流動(供給/移動)を維持し、更に、間隙部付近でのトナー滞留を抑制する必要性から、トナーの重量平均粒径D4が4〜10μmであり、2D4以上の粒子が4体積%以下であり、D1/2以下である粒子が35個数%以下である。D4が4μm未満の場合、或いはD1/2以下である粒子の含有が35個数%を超える場合は、トナーのHc×σr値が比較的小さい場合においても、現像ローラの各磁極にトナー微粉がトラップされ易くなり、間隙部付近でのトナー滞留を招くことがある。また、D4が10μmを超える場合、或いは2D4以上の粒子が4体積%を超えて含まれる場合は、間隙部で受ける磁気的拘束力に対してトナーの磁気的追従性が低下し、トナー滞留こそ発生しないものの、第二現像ローラのトナーコート不良を招きやすい。このようなトナーの粒度分布は、トナーの分級等によって調整することが可能である。
一方、本発明に用いられるトナーは、更に体積平均粒径が0.1〜4μmの非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物を少なくとも一種類以上含有することにより特に好ましい効果が得られる。
本発明においては、トナーが特定の非磁性粒子を含有することにより、現像ローラ間の間隙部付近において、トナー滞留の発生を更に抑制する効果が発現する。この理由は、磁性トナーが非磁性粒子を含む場合と、含まない場合を比較したときに、例えば現像ローラの磁極上でトナーが受ける磁気的拘束力に差異が生じるためと推測される。
具体的な例では、トナー滞留の発生傾向が、トナーのHc×σr値の大小に影響されにくくなることが挙げられる。より具体的には、非磁性粒子を含む場合には、トナーのHc×σr値がある程度大きな値となっても、現像ローラ上でトナー滞留は発生し難くなる。このメカニズムについては、磁気的拘束力以外にもトナーの帯電性や凝集性等が関連していると推測され、現在検討中であるが、トナー自体の凝集、特に磁気的凝集の効果を緩和することにより、トナー滞留発生の傾向を低下させる効果が得られているものと考えられる。とにかく、本発明に用いられるトナーが特定の非磁性粒子を含むことにより、間隙部付近でのトナー滞留を抑制する効果について、明らかにこの効果の幅が拡張される。
この様に、本発明に用いられるトナーは、特定の非磁性成分を含む場合に、現像ローラ上において磁気的拘束力に対する振る舞いが、やや鈍くなる傾向があり、この為に、トナーの搬送性をアシストする意味合いから、現像ローラの表面形状が重要となってくる。すなわち、既に述べたように、本発明に用いられる現像ローラは、その表面粗さが算術表面粗さRa(JIS B 0601:2001)で0.3〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.3μm未満の場合は、現像ローラ上でのトナーの搬送力が弱くなり、トナーが非磁性成分を多く含む場合において、現像ローラのトナーコート量が不足しがちとなり、濃度低下等の現像性の低下や濃度ムラを招きやすい。またRaが0.9μmを超える場合は、非磁性成分が現像ローラ上にトラップされ易くなり、現像ローラ表面を汚染し、トナーに対する帯電付与能力を低下させ現像性を低下させてしまうことがある。
本発明のトナーに用いられる非磁性粒子としては、トナーに添加した時の安定性や、コストの面等から、以下に示す金属酸化物及び/又は金属炭化物が挙げられる。前記金属酸化物及び/又は金属炭化物としては、Ti、Ce、Al、Si、Zn、Mg、W、Sn、Zrの元素を少なくとも一種類以上含む酸化物、炭化物、及び前記元素の酸素酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩から選ばれる一種類以上であることが好ましい。前記金属酸化物及び/又は金属炭化物の具体的な例としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、タングステンカーバイド、シリコンカーバイドが挙げられ、特にこれらの物質の中でも、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウムが、トナーの帯電阻害性が低いため好適に用いられる。
これら非磁性粒子として好ましく用いられる物質には、比較的硬度が高いものが多く、場合によっては現像ローラ表面に対して研磨効果が発現することがある。本発明では、このような場合においても、現像ローラ表面を硬質金属メッキで被覆することにより、耐久摩耗性に関する問題を回避することができる。
本発明において、金属酸化物及び/又は金属炭化物の体積平均粒径は0.1〜4μmが好ましい。前記金属酸化物及び/又は金属炭化物の体積平均粒径が0.1μm未満の場合には、トナー粒子に付着固定する割合が高くなり、一方で4μmを超える場合には、トナー粒子から遊離して存在する割合が高くなるため、何れの場合においてもトナーの帯電性を阻害する傾向がある。
また、前記トナーは、前記金属酸化物及び/又は金属炭化物をトナー粒子100質量部に対して0.1〜8.0質量部含有することが好ましい。本発明においては、トナーが非磁性成分である金属酸化物及び/又は金属炭化物を含有しなくても、ある程度の効果は発現するが、非磁性成分を含有することにより、更に明確な効果、すなわち現像ローラ間の間隙部付近でトナー滞留が発生する傾向を抑制することができる。このために必要な前記金属酸化物及び/又は金属炭化物の添加量としては、0.1質量以上が適当である。一方、非磁性成分の含有量が8.0質量部を超える場合には、磁性トナーとして、現像ローラ上での磁気的拘束力に基づくトナー搬送性自体に支障をきたし、トナーコート不良(コートムラ)やトナーコート量不足を招きやすくなる。
本発明で用いられる金属酸化物及び/又は金属炭化物は、例えば焼結法により生成し、機械粉砕した後、風力分級により分級して所望の粒度とし、必要な場合には適当な後処理を施したものを用いることができる。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する。本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等
が使用できる。
これらの中でも好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独で使用しても良く、または混合して使用しても良いが、混合して使用する場合は、少なくともその一部が反応していることが好ましい。
前記スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとして、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のように二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル等のようなグリシジルアルコールと不飽和カルボン酸のエステル類;例えばアリルグリシジルエーテル、アリルβ−メチルグリシジルエーテル等のような不飽和グリシジルエーテル類;等のビニル単量体が挙げられる。これらのコモノマーが単独もしくは二種以上で用いられる。
スチレン系重合体又はスチレン系共重合体は、架橋されていてもよく、また他の樹脂と混合して用いても良い。結着樹脂の架橋剤としては、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いても良い。このような架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等のような二重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で、もしくは混合物として用いられる。
本発明に用いられる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、及びその混合物が用いられる。前記磁性体は、その磁性体表面或いは内部にケイ素元素を含有するものが好ましい。これらの中でも工業的及びコストメリットの面から酸化鉄が好適に用いられ、特にマグネタイトは好ましく用いられる。この場合、マグネタイトの形状を変えて磁気異方性に特徴を持たせる、或いは、任意のドーパントを添加する等により、磁気的特性を制御することが可能である。
磁性体の平均粒子径としては、トナー粒子に対する分散等を考慮すると、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.6μm、更に好ましくは0.1〜0.4μmであることが良い。尚、ここでいう磁性体の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡により得られた、1万倍の磁性体の写真を4倍に拡大し、4万倍の写真とした後、ランダムに300個の磁性体を選び、その径をデジタイザーにより実測し、その径と個数から、個数平均として求められるものである。なお、径は水平方向のフェレ径である。
本発明においてトナーに含有させる磁性体の量は、所望のトナー磁気特性を得る目的から、結着樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好ましくは20〜170質量部、更に好ましくは30〜150質量部が好適である。また、本発明のトナーでは、着色剤を兼ねて磁性体を用いることもできる。
本発明に用いられるトナーは、荷電制御剤を含有させることによって、正帯電性又は負帯電性を保持させ、帯電特性を制御することができる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。これらは、単独であるいは二種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、このような錯体や化合物としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。トナーを負帯電性に制御する荷電制御剤として他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類等が挙げられる。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法として、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に決定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
前記トナー粒子は、着色剤を含有しても良い。このような着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは、定着画像の光学濃度を維持するために必要な量が用いられる。その量は顔料の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。
また、前記染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料が挙げられる。前記染料の使用量も染料の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
本発明においては、トナーに離型性を与える観点から、前記トナー粒子がワックス類を含有することが好ましい。このようなワックス類としては、融点が70〜165℃で、1
60℃における溶融粘度が1000mPa・s以下のワックスであり、その具体例としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスや、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1のような直鎖のα−オレフィン及び分枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィン、及びこれらの不飽和基の位置の異なるオレフィンの単独重合体、もしくはこれらの共重合体等が挙げられる。その他、アルコールワックス、脂肪酸ワックス、エステルワックス、天然ワックスも用いられる。更に、前記ワックス類は、ビニル系モノマーによりブロック共重合体、グラフト変性等を施した変性ワックスでも良く、また、酸化処理を施した酸化ワックスでも良い。
これらワックスは、トナーの製造に際し、あらかじめ重合体成分中に添加・混合しておくこともできる。その場合は、重合体成分の調製時に、ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子重合体溶液と混合する方法が好ましい。これによりミクロな領域での相分離が緩和され、高分子量成分の再凝集が制御され、低分子重合体との良好な分散状態が得られる。
また、ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。なお、二種類以上のワックスを併用して添加しても良い。
ワックスの融点は、ASTM D3418−8に準じて測定される吸熱曲線における主体極大ピーク(main peak)値の温度で表され、例えばパーキンエルマー社製DSC−7や、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、昇温速度10℃/minで測定することができる。またワックスの溶融粘度は、例えばHAAKE社製VT−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末をトナー粒子に外添することが好ましい。本発明に用いられるシリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上、特に40〜400m2/gの範囲内のものが良好な結果を与える。前記シリカ微粉末は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが良い。シリカ微粉末の前記比表面積は、例えば比表面積測定装置ジェミニ2375(島津製作所)等の通常の測定装置を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET比表面積多点法から求めることができる。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性のコントロール等の目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。このような外部添加剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子等が挙げられる。
例えば滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末等
が挙げられる。またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を、現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明において、トナーの重量平均粒径及び長さ平均粒径は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、又はコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。これらの装置による測定で使用される電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて調製された1%NaCl水溶液や、市販の電解液、例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、100μmアパーチャーをアパーチャーとして用いて、前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係る体積分布から求めた質量基準の重量平均粒径(D4;それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求め、累積%を求める。また、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)を求め、累積%を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満、2.52〜3.17μm未満、3.17〜4.00μm未満、4.00〜5.04μm未満、5.04〜6.35μm未満、6.35〜8.00μm未満、8.00〜10.08μm未満、10.08〜12.70μm未満、12.70〜16.00μm未満、16.00〜20.20μm未満、20.20〜25.40μm未満、25.40〜32.00μm未満、32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明において、金属酸化物及び/又は金属炭化物の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度測定(マイクロトラック法)によって測定することができ、この測定における体積粒径50%値として表される。
本発明のトナーは、結着樹脂、磁性体、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機等の混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後、粉砕機によって粉砕し、必要に応じて粗粒等をふるい分け、分級機によって分級することで所望の粒度分布を持つトナー粒子を得、更に必要に応して所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合することによって得ることができる。
前記混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製)、スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
前記混練機としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製)、ブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械社製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所社製)、PCM混練機(池貝鉄工所社製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製)、バンバリーミキサー(神戸製銅所社製)が挙げられる。
前記粉砕機としては、例えば、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチッ
ク工業社製)、クロスジェットミル(栗本鉄工所社製)、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。
前記分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボ工業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩い等が挙げられる。
本発明では、前述したトナーを前述した現像方法に用いるものであり、前述した現像方法を実現できる現像装置や画像形成装置が用いられる。このような現像装置や画像形成装置は、通常用いられる手段や部材等によって構成することができる。
本発明に用いられる現像装置は、開口部を有し前記トナーを収容する現像容器と、前記トナーを表面に担持でき、現像容器の開口部に回転自在に設けられる前記第一現像ローラ及び前記第二現像ローラと、前記第一現像ローラ上のトナーを規制してトナーの層厚を制御するトナー規制部材とを有する。前記現像装置は、これらの構成要素のほかにも、例えば現像容器中のトナーを攪拌する手段、現像容器中のトナーを第一現像ローラに向けて搬送する手段、トナーを補給するための手段等の他の構成要素をさらに有していても良い。
また本発明では、前記現像装置を有する通常の画像形成装置を用いることができる。本発明に用いられる画像形成装置は、感光体と、この感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した感光体に露光によって静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体に形成された静電潜像を前記トナーによって現像(可視像化)する前記現像装置と、前記感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写されたトナー像を転写材に定着させる定着手段とを有する。前記画像形成装置は、これらの構成要素のほかにも、例えば転写後の感光体に付着するトナーを感光体から取り除くクリーニング手段や、クリーニング後の感光体の静電履歴を消去するための前露光手段や、現像時に現像装置を現像位置に搬送するロータ等の手段等の他の構成要素をさらに有していても良い。
なお、前記現像装置は、前記現像装置及び前記感光体を少なくとも有するプロセスカートリッジとして前記画像形成装置に配置することも可能である。前記プロセスカートリッジは、前記現像装置と前記感光体とを一体的に有し、かつ前記画像形成装置の本体に着脱自在に構成される。前記プロセスカートリッジは、通常用いられる手段や部材等によって構成することができ、前述した構成要素のほかにも、例えば前記帯電手段や前記クリーニング手段等の他の構成要素をさらに有していても良い。
本発明の実施の形態に関わる画像形成の一例について、図面を用いて説明する。図2は電子写真プロセスを用いた複写機の、画像形成部(いわゆるエンジン)の構成を示す概略図である。
図2において1は感光体ドラムであり、矢印α方向に回転駆動され、その表面層は一次
帯電器2により任意の電位に一様に帯電された後、露光Lにより静電潜像が形成される。その後、複数の現像ローラ12、13を具備する現像装置3により現像を行い、転写材Pに対し転写帯電器5により感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写し、定着器8において加熱、加圧することにより転写材P上の未定着トナー画像を定着する。トナー転写後の感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーは、クリーニング装置7で除去され、これにより感光体ドラム1は繰り返し画像形成に供される。
尚、本発明では感光体をドラムに限定するものではなく、ベルト状或いはシート状感光体であっても良い。また同様に、本実施形態において前記転写手段は転写帯電器5と感光体ドラム1から転写材Pを分離するために転写材Pを帯電させる分離帯電器6とを有するが、本発明では転写方式として何ら限定するものではなく、ベルト転写方式或いは中間転写方式を用いても良い。
次に、本発明の複数の現像ローラを用いた磁性一成分現像方式について説明する。本発明は感光体を限定するものではないが、a−Si系感光体ドラムを用いる場合において特に好適に用いられ、この場合、感光体とトナーの極性に応じて、正規現像方式、或いは反転現像方式を好ましく適用することができる。
本発明の複数の現像ローラを用いた磁性一成分現像方式を適用した現像装置の概略を図3に示す。現像装置3は、トナーを収容する現像容器11(現像装置本体)と、感光体ドラム1に対向して上下に設置された第一現像ローラ12、及び第二現像ローラ13と、トナーホッパー19の下方に配され、トナーtを各現像ローラ12、13近傍まで搬送する攪拌部材17、18を備えている。
現像装置3は、感光体ドラム1の回転方向上流側に位置する第一現像ローラ12に対して磁性ドクターブレード16を備えており、これにより第一現像ローラ12のトナーコート規制を行う。これに対し第二現像ローラはドクターブレードを備えておらず、本発明の現像ローラの構成及びトナーにより発現する間隙部での磁気的拘束力等により、トナーコート規制が行われる。
第一現像ローラ12には、マグネット14によって、第一現像ローラ12上のトナーを規制するためのカット極ア、現像容器11に収容されているトナーを第一現像ローラ12に担持させるための搬送・取り込み極イ、第一現像ローラ12上のトナーで感光体ドラム1の静電潜像を現像するための現像極ウが形成されている。また、第二現像ローラ13には、現像容器11に収容されているトナーを第二現像ローラ13に担持させるための搬送・取り込み極エ、現像容器11の開口部における第二現像ローラ13側から現像容器11内のトナーの漏出を防止するためのシール極オ、第二現像ローラ13上のトナーで感光体ドラム1の静電潜像を現像するための現像極カが形成されている。
各現像ローラ12、13は、感光体ドラム1の回転方向αに対し順方向に回転するが、各現像ローラ内側に僅かなクリアランスをもって設置されるマグネット14、15は、任意の角度で現像容器11に固定される。なお、本実施形態では、前記トナー規制部材として、第一現像ローラ12に対して非接触に配置される磁性ドクターブレード16を用いているが、本発明では第一現像ローラ12に接触して配置される弾性ブレードを用いても良い。
現像ローラ12、13は、表面に金属メッキを施され、かつ特定の表面粗さを有する。尚、第一現像ローラ12と第二現像ローラ13はそれぞれ同じ処理、同じ表面粗さを有する必要性はなく、用途に応じて適当な組み合わせを選択できる。
なお、本発明では、実用性の観点から好ましい形態として二つの現像ローラを用いる形態を示しているが、現像ローラ間における磁性一成分トナーの円滑な流動、及び現像ローラ間の間隙部における磁性一成分トナーのトナー滞留の抑制は、前述した磁極Aと磁極Bとの関係を満たす二つ以上の現像ローラと前述したトナーを用いることによってもたらされることは明らかである。したがって、三以上の現像ローラを用いる場合であっても、これらの現像ローラが隣り合う現像ローラ間のそれぞれの基準線に対して前述したような磁極の相対的な位置関係を有していれば、前述した効果を得ることができ、このような三以上の現像ローラを用いる場合も本発明の範疇に含まれる。
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<現像ローラの製造例1>
現像ローラ基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。ブラスト粒子としては、#600球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2(2.45×105Pa)で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが0.7μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理し、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラをCuメッキ液に浸して電気メッキを行い、0.3μm厚のCuメッキ層を形成した。
引き続き、Cuメッキ処理が施されたアルミニウムローラをCrメッキ液(市販の触媒無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.0μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラ1を得た。現像ローラ1としては同等品を2本製造した。現像ローラ1の表面粗さRaは0.6μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが620であった。
<現像ローラの製造例2>
現像ローラ基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#300球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが1.0μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラをNiメッキ液(硫酸ニッケル液)に浸して電気メッキを行い、0.4μm厚のNiメッキ層を形成した。
引き続き、Niメッキ処理が施されたアルミニウムローラをCrメッキ液(市販の触媒
無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.5μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラ2を得た。現像ローラ2としては同等品を2本製造した。現像ローラ2の表面粗さRaは0.9μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが630であった。
<現像ローラの製造例3>
現像ローラ基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#600球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが0.6μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラをCrメッキ液(市販の触媒無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.4μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラ3を得た。現像ローラ3としては同等品を2本製造した。現像ローラ3の表面粗さRaは0.5μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが620であった。
<現像ローラの製造例4>
現像ローラ基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#300球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが0.8μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、15μm厚のNi−Pメッキ層を形成し、本発明の現像ローラ4を得た。尚、Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。現像ローラ4としては同等品を2本製造した。現像ローラ4の表面粗さRaは0.7μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが510であった。
<現像ローラの製造例5>
現像ローラ基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#800球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが0.5μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理した後に、Ni−Bメッキ液(硫酸ニッケル、ジメチルアミンボラン、マロン酸ナトリウムの弱酸性溶液)中に浸して無電界メッキを行い、15μm厚のNi−Bメッキ層を形成し、本発明の現像ローラ5を得た。尚、Ni−Bメッキ層中のB濃度は7質量%である。現像ローラ5としては同等品を2本製造した。現像ローラ5の表面粗さRaは0.4μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが580であった。
表1に現像ローラの製造例をまとめて示す。
Figure 0004323892
次に、前記現像ローラ内に設けられるマグネットを用意した。マグネットは、現像ローラ内壁から500μmのクリアランスを隔て設置されるように製造した。本実施例で用いられるマグネットを表2及び表3に示す。
Figure 0004323892
Figure 0004323892
なお、マグネットの磁力(測定値)に関して、本実施例では現像ローラ(1〜5)を通して上空100μmの位置で測定した場合と、現像ローラを通さずにマグネット上空1.2mmの位置で測定した値とは、ほぼ同じ値が得られ、その差が測定誤差内であることから、表2、表3中の各磁極の磁力については、マグネット上の各磁極から1.2mm上空での測定値を示している。
また、各磁極の角度については、第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線を基準線(0°)とした時に、各現像ローラの磁極から前記ローラ中心軸を結ぶ線と基準線との交差角を示し、この交差角が基準線より感光体側にある場合を+、その反対側にある場合を−でそれぞれ示している。
また、本発明において現像装置上で特に重要な点としては、現像ローラ間の間隙部付近の磁気的特性を左右する磁極Aと磁極Bの位置関係が挙げられるが、この他の磁極、具体的には図3に示される第一現像ローラのカット極ア、搬送・取り込み極イ、現像極ウ、並びに第二現像ローラの搬送・取り込み極エ、シール極オ、現像極カの位置関係は、第一及び第二現像ローラ間に渡るトナーの流動に対してはそれほど影響を及ぼさないので一定とした。
次にトナー粒子(分級品)の製造例について述べる。
<トナー粒子の製造例1>
スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸−グリシジルメタクリレート共重合体(70:20:4:6、ピーク分子量1.2万、Mw:12万、Mn:1万、Tg:57℃) 100質量部
マグネタイトA(八面体、平均粒子径=0.20μm、保磁力Hc=9.9kA/m、残留磁化σr=10.2Am2/kg、飽和磁化σs=82.9Am2/kg)
90質量部
トリフェニルメタンレーキ顔料(下記構造式) 2質量部
フィッシャートロプシュワックス(融点100℃) 2質量部
パラフィンワックス(融点75℃) 4質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで十分に予備混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、任意の条件に基づき、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、更に微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径D4=7.1μmのトナー粒子(分級微粉体)1を得た。
Figure 0004323892
<トナー粒子の製造例2>
トナー粒子の製造例1において、粉砕分級条件を調整する以外は同様にして、重量平均粒径D4=6.6μmのトナー粒子2を得た。
<トナー粒子の製造例3>
トナー粒子の製造例1において、マグネタイトAに代えてマグネタイトD(多角形(複核形状)、平均粒子径=0.19μm、保磁力Hc=7.3kA/m、残留磁化σr=9.2Am2/kg、飽和磁化σs=86.2Am2/kg)を用いること以外は同様にし、重量平均粒径D4=7.5μmのトナー粒子3を得た。
<トナー粒子の製造例4>
トナー粒子の製造例1において、マグネタイトAに代えてマグネタイトB(八面体、平均粒子径=0.18μm、保磁力Hc=14.9kA/m、残留磁化σr=19.0Am2/kg、飽和磁化σs=85.4Am2/kg)を用いること以外は同様にし、重量平均粒径D4=7.1μmのトナー粒子4を得た。
<トナー粒子の製造例5>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体(ピーク分子量1.7万、Mw:30万、Mn:1万、Tg:57℃) 100質量部
マグネタイトE(球形、平均粒子径=0.22μm、保磁力Hc=5.4kA/m、残留磁化σr=6.1Am2/kg、飽和磁化σs=84.0Am2/kg) 90質量部
トリフェニルメタンレーキ顔料(下記構造式) 2質量部
フィッシャートロプシュワックス(融点100℃) 4質量部
上記材料を用いること以外はトナー粒子の製造例1と同様にして、重量平均粒径D4=7.4μmのトナー粒子5を得た。
Figure 0004323892
<トナー粒子の製造例6>
トナー粒子の製造例5において、マグネタイトE(90質量部)に代えてマグネタイトF(球形、平均粒子径=0.23μm、保磁力Hc=3.6kA/m、残留磁化σr=4.3Am2/kg、飽和磁化σs=80.3Am2/kg)を100質量部添加すること以外は同様にし、重量平均粒径D4=7.1μmのトナー粒子6を得た。
<トナー粒子の製造例7>
トナー粒子の製造例5において、マグネタイトE(90質量部)に代えてマグネタイトB(八面体、平均粒子径=0.18μm、保磁力Hc=14.9kA/m、残留磁化σr=19.0Am2/kg、飽和磁化σs=85.4Am2/kg)を100質量部添加すること以外は同様にし、重量平均粒径D4=7.1μmのトナー粒子7を得た。
<トナー粒子の製造例8>
トナー粒子の製造例5において、マグネタイトE(90質量部)に代えてマグネタイトF(球形、平均粒子径=0.23μm、保磁力Hc=3.6kA/m、残留磁化σr=4.3Am2/kg、飽和磁化σs=80.3Am2/kg)を80質量部添加すること以外は同様にし、重量平均粒径D4=7.1μmのトナー粒子8を得た。
<トナー粒子の製造例9〜12>
トナー粒子の製造例5において、マグネタイトEに代えてマグネタイトC(六面体、平均粒子径=0.20μm、保磁力Hc=7.6kA/m、残留磁化σr=9.5Am2/kg、飽和磁化σs=86.4Am2/kg)を用い、フィッシャートロプシュワックスに代えてポリエチレンワックス(融点100℃)を用いること以外は同様にし、重量平均粒径D4=4.5μmのトナー粒子9、D4=9.8μmのトナー粒子10、D4=12.0μmのトナー粒子11、及びD4=7.1μmのトナー粒子12をそれぞれ得た。
次に、トナーの製造例について述べる。
<トナーの製造例1>
トナー粒子の製造例1で得られた100質量部のトナー粒子1に、非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物として体積平均粒径1.6μmのチタン酸ストロンチウム粉末3.0質量部と、乾式法で製造されたシリカ微粉体(BET比表面積200m2/g)100質量部当たりアミノ変性シリコーンオイル(アミン当量830、25℃における動粘度70×10-6mm2/s)20質量部で処理した疎水化シリカ0.8質量部を加え、ヘンシ
ェルミキサーを用いて任意の条件で混合外添し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
トナー1の磁気特性は、Hcが8.8kA/m、σrが3.2Am2/kg、Hc×σrが28.2であり、トナーの粒度分布は、D4が7.1μm、2D4以上の粒子の含有が0.9体積%、D1/2以下の粒子の含有が4.8個数%であった。
<トナーの製造例2〜21>
表6及び7に示したトナー粒子を用い、表6及び7に示した通りの非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物を特定量含む(或いは含まない)こと以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー2〜トナー21を得た。
トナー2〜トナー21の磁気特性及び粒度分布を表6及び7に示す。
<実施例1>
評価に用いたマシンとしては、市販のデジタル複写機iR105(105ppm、a−Si感光体ドラム搭載、キヤノン(株)社製)の現像装置周辺部を図3に示した本発明の現像ローラ2本を有する磁性一成分現像器対応型に改造し、マシン本体のプロセススピード(=感光体ドラムの周速度)を400mm/sec、500mm/sec、600mm/secと変速可能に改造したものを用いた。
現像装置の現像ローラ構成については、上流側の第一現像ローラとして、前述の製造例で試作した現像ローラNo.1の内部にマグネットNo.6を挿入したものを、第二現像ローラとしては現像ローラNo.1の内部にマグネットNo.10を挿入したものを用い、これらを組み合わせて使用した。この時の磁極A、磁極Bの位置関係は、aが+15°、bが−10°となる。尚、本実施例にかかる現像ローラ構成の詳細を表4及び5に示す。
第一現像ローラに対して設けられた磁性ドクターブレードと第一現像ローラとの間隔は230μmとし、S−Sgapは300μmに調整した。第一現像ローラ及び第二現像ローラからa−Si感光体ドラム表面までの距離は、200〜210μmに設定し、非接触現像条件とした。
実施例1では、マシン本体のプロセススピードを400mm/secとし、これに対して現像ローラは120%の周速差をもって回転する設定としたため、実質的には各現像ローラは480mm/secの周速度で回転する。この第一及び第二現像ローラには+300VのDCバイアスと、Vpp=1.0kV、周波数2.5kHz、Duty50%の矩形波ACバイアスを印加した。尚、感光体ドラムの表面電位は、VDを+400V、VLを+50Vに設定した。
この改造機を用い、トナー1について以下に示す評価を行った。
はじめに常温/低湿環境(23℃/5%RH)において、画像比率6%の文字画像をA4横送りで連続100,000枚複写耐久し、引き続き、高温/高湿環境(32.5℃/80%RH)において画像比率6%の文字画像をA4横送りで、連続50,000枚複写耐久した。耐久終了時の、現像ローラ間の間隙部付近でのトナー滞留の発生状況、第二現像ローラのトナーコート性、非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物のトナー表面への埋め込み(つまりトナー劣化)の程度、画像濃度、現像ローラ表面粗さ、について評価を実施し、現像性能の品質を確認した。各評評価項目について、基準、及び評価ランクは以下の通りである。
<間隙部でのトナー滞留>
耐久終了後(或いは耐久中適宜)に、現像装置を評価マシン本体から取り出し、現像ローラ間の間隙部を目視評価し、トナー滞留の状態を以下に示す4ランクに分類した。Bランク以上を可レベルとして評価した。
AA:トナー滞留無し
A :極僅かにトナー滞留は有るが、第二現像ローラのトナーコート性は正常
B :トナー滞留は有るが、第二現像ローラへの局部的な滞留トナー塊の吐き出しは無く、画像に影響しない
C :トナー滞留が有り、第二現像ローラへの滞留トナーの局部的な塊吐き出しが発生し、画像に影響する(不可レベル)
<第二現像ローラのトナーコート性>
耐久終了後(或いは耐久中適宜)に、現像装置を評価マシン本体から取り出し、第一及び第二現像ローラ(主に第二現像ローラ)のトナーコート状態を目視評価し、以下に示す3ランクに分類した。Bランク以上を可レベルとして評価した。
A:トナーコートムラ無し
B:トナーコートムラは有るが、画像に影響しない
C:トナーコートムラが有り、画像欠陥を生ずる(不可レベル)
<非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物のトナー表面への埋め込みの程度(トナー劣化)>
耐久終了後に、現像ローラ周辺部のトナーを採取し、耐久前後でのトナーのBET比表面積を測定し比較する事で、非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物を含む外添剤のトナー表面への埋め込み程度を評価した。耐久前トナーに対する耐久後トナーのBET値を百分率で表し、トナー劣化評価の指標とした。81%以上を可レベルとし、81%未満を不可レベルとして評価した。
BET比表面積の測定法としては、比表面積測定装置ジェミニ2375(島津製作所)を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET比表面積多点法を用いて比表面積を計算した。試料については6ccのセル中にトナーを約2g入れ、低真空域に減圧した状態で一晩脱気した後、トナー量を精秤し測定した。
<耐久現像性(画像濃度)>
常温/低湿環境及び高温/高湿環境での耐久終了時点の画像に対し、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いて前記画像の反射濃度を測定した。常温/低湿環境での画出し耐久試験しでは、1.35を超えるものを、また高温/高湿環境での画出し耐久試験では1.30を超えるものを可レベルとして評価した。
<現像ローラ表面粗さ>
耐久終了後に、第一及び第二現像ローラを現像装置から取り外し、清掃した後に、算術表面粗さRa(JIS B 0601:2001)をそれぞれ測定した。測定には接触式表面粗さ計サーフコーダーSE3300(小坂研究所製)を用い、カットオフ値が0.8mm、測定長さが2.5mm、送りスピードが0.1mm/秒、倍率が5000倍の条件で測定した。
以上についての評価条件を表4及び表6に、評価結果を表8にまとめて示す。
<実施例2、3、5〜9、12〜21及び参考例4、10、11
表4に示す現像ローラ構成(各々、現像ローラ製造例No.とマグネット製造例No.の組み合わせ、及びS−Sgap設定)、評価マシン本体のプロセススピード、及び表6に示すトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、耐久終了時(或いは耐久中)の現像ローラ間の間隙部付近でのトナー滞留の発生状況、第二現像ローラのトナーコート性、非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物のトナー表面への埋め込み(つまりトナー劣化)の程度、画像濃度、現像ローラ表面粗さ、について評価を実施し、現像性能の品質を確認した。
尚、表4〜7中に記載されない評価マシンの設定は、実施例1と同様であり、磁性ドクターブレードと現像ローラとの間隔は230μmであり、第一現像ローラ及び第二現像ローラからa−Si感光体ドラム表面までの距離は、200〜210μmに設定した。また、実施例2〜21での評価マシン本体のプロセススピードは、表4に示すように400、500、600mm/secの各設定としたが、現像ローラの周速差は全ての実施例で120%としており、その為、現像ローラの周速度は、480mm/sec、600mm/sec、720mm/secのいずれかとなる。現像ローラに印加する現像バイアスは、実施例1と同様とした。
結果を表8にまとめて示す。
<比較例1〜7>
表5に示す現像ローラ構成(現像ローラ各製造例No.とマグネット製造例No.の組み合わせ、及びS−Sgap設定)、評価マシン本体のプロセススピード、及び表7に示すトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、耐久終了時(或いは耐久中)の現像ローラ間の間隙部付近でのトナー滞留の発生状況、第二現像ローラのトナーコート性、非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物のトナー表面への埋め込み(つまりトナー劣化)の程度、画像濃度、現像ローラ表面粗さ、について評価を実施し、現像性能の品質を確認した。
尚、表4中に記載されない評価マシンの設定は、実施例1と同様であり、磁性ドクターブレードと現像ローラとの間隔は230μmであり、第一現像ローラ及び第二現像ローラからa−Si感光体ドラム表面までの距離は、200〜210μmに設定した。また、比較例1〜7での評価マシン本体のプロセススピードは、表5に示すように600mm/secの設定であり、現像ローラの周速差が120%である為、実際の現像ローラ周速度は、720mm/secとなる。現像ローラに印加する現像バイアスは、実施例1と同様とした。
結果を表8にまとめて示す。
Figure 0004323892
Figure 0004323892
Figure 0004323892
Figure 0004323892
Figure 0004323892
本発明の感光体回転方向上流側の第一現像ローラ及び下流側の第二現像ローラの最近接部での磁極配置を示す模式図である。 本発明の現像方法を含む電子写真プロセスを用いた複写機の画像形成部の概略図である。 本発明に用いられる現像装置の模式的概略図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 一次帯電器
3 現像装置
4 ポスト帯電器
5 転写帯電器
6 分離帯電器
7 クリーニング装置
8 定着器
11 現像容器
12 第一現像ローラ
13 第二現像ローラ
14、15 マグネット
16 磁性ドクターブレード
17、18 攪拌部材
19 トナーホッパー
a 第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Aの位置と前記第一現像ローラ中心軸を結ぶ線との交差角
b 第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Bの位置と前記第二現像ローラ中心軸を結ぶ線との交差角
c 第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Cの位置と前記第一現像ローラ中心軸を結ぶ線との交差角
t トナー
α 感光体ドラム1の回転方向
A〜C 磁極
D 間隙部
L 露光
P 転写材

Claims (8)

  1. 回転自在な感光体に対向して回転自在に配置され、表面にトナーを担持可能な第一現像ローラ及び第二現像ローラが担持したトナーによって、前記感光体上に形成された静電荷像を可視像化する現像方法であって、前記第一の現像ローラ及び前記第二現像ローラが、第一現像ローラが担持するトナーを第二現像ローラに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法において、
    前記第一現像ローラは磁極A及び磁極Cを有し、前記第二現像ローラは前記磁極Aとは異なる極の磁極Bを有し、
    前記第一現像ローラ及び前記第二現像ローラは、前記第一及び第二現像ローラの中心軸を結ぶ線を基準線とし、前記磁極Aは前記第一現像ローラにおける該基準線に最も近い磁極であり、前記磁極Bは前記第二現像ローラにおける該基準線に最も近い磁極であり、前記磁極Aの位置と前記第一現像ローラ中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をaとし、前記磁極Bの位置と前記第二現像ローラ中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をbとし、前記可視像化時において前記基準線よりも前記感光体側を正とし、その反対側を負としたときに、a>0かつb<0である位置に配置され、
    前記磁極Cは、前記磁極Aと同極性であり、前記磁極Aよりも前記第一現像ローラの回転方向下流側に隣接して配置されており、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性一成分トナーであり、前記トナーの保磁力(kA/m)と残留磁化(Am2/kg)との積が5以上85以下であり、重量平均粒径が4〜10μmであり、前記重量平均粒径の2倍以上の粒径の粒子が4体積%以下であり、長さ平均粒径の半分以下の粒径の粒子が35個数%以下であることを特徴とする現像方法。
  2. 前記第一現像ローラは、前記第二現像ローラよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置されることを特徴とする請求項1記載の現像方法。
  3. 前記トナーは、体積平均粒径が0.1〜4μmの非磁性の金属酸化物及び/又は金属炭化物を少なくとも一種類以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像方法。
  4. 前記金属酸化物及び/又は金属炭化物は、Ti、Ce、Al、Si、Zn、Mg、W、Sn、Zrの元素を少なくとも一種類以上含む酸化物、炭化物、及び前記元素の酸素酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩から選ばれる一種類以上であることを特徴とする請求項3に記載の現像方法。
  5. 前記金属酸化物及び/又は金属炭化物は、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、タングステンカーバイド、及びシリコンカーバイド、から選ばれる一種類以上であり、前記トナーは、前記金属酸化物及び/又は金属炭化物を前記トナー粒子100質量部に対して0.1〜8.0質量部含有することを特徴とする請求項3又は4に記載の現像方法。
  6. 前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの表面には金属メッキが施されており、かつ、前記第一現像ローラ及び第二現像ローラの算術表面粗さRaが0.3〜0.9μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像方法。
  7. 前記金属メッキの最表面層は、Crメッキ、Ni−Pメッキ、及びNi−Bメッキから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の現像方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像方法に用いられるトナーであって、
    このトナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する磁性一成分トナーであり、前記トナーの保磁力(kA/m)と残留磁化(Am2/kg)との積が5
    以上85以下であり、重量平均粒径が4〜10μmであり、前記重量平均粒径の2倍以上の粒径の粒子が4体積%以下であり、長さ平均粒径の半分以下の粒径の粒子が35個数%以下であることを特徴とするトナー。
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