JP4323936B2 - 現像方法及びトナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法、及び静電記録法に用いられる現像方法、及びそれに用いられるトナーに関する。
従来から、電子写真方式または静電記録方式を用いた複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ、ファクシミリ、印刷装置等の画像形成装置においては、一般的に光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材に該トナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより該転写されたトナー画像を定着し、複写物を得て、その一方、転写されずに感光体上に残ったトナーを種々のクリーニング手段により清掃し、上述の工程が繰り返されるシステムが知られている。
現像手段としては、現在までに諸方式の手段が提案されており、特に、近年では画像形成システムの高速化や高画質化を目指したものとして、トナーを担持する現像ローラーを複数具備した現像装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらの提案を含め、従来技術のほとんどは、現像剤としてトナーとキャリアを用いる二成分現像方式を用いた手法であり、画像形成システムの高速化や高画質化には対応できる反面、装置の大型化や、メンテナンスの煩雑さ等の問題を招き、このため更なる改良が求められている状況にある。
これら従来技術が有する問題の解決のために有効と考えらえる手段として、磁性一成分トナーを用いた現像方式の応用が挙げられる。現像剤としてキャリアを用いない磁性一成分現像方式を用いた場合に、メンテナンスフリー化や、システムの小規模化等が達成されうることは既に周知の通りであり、従って、この技術を応用することで、先に述べた従来技術における諸問題については解決できると推測される。
しかし、磁性キャリアを介在させて非磁性のトナーを搬送する二成分現像方式の場合と異なり、トナーそのものが磁気的特性を持つ磁性一成分トナーを、マグネットを内蔵した複数の現像ローラーを具備する現像方法に応用した場合には、トナー自身が現像ローラーに対して強い磁気的拘束力を受けるため、現像ローラー表面へのトナー成分の付着、いわゆる現像ローラー汚染が発生しやすく、長期耐久性を考慮した場合に現像性の低下を招く場合がある。
上記した、いわゆる現像ローラー汚染の発生、および長期耐久性を考慮した場合の現像性の低下という現象は、トナーに対するメカニカルシェアが高い程顕著に現れる傾向がある。従って、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置する場合は、各現像ローラーの最近接部(間隙部)において、トナーに対するメカニカルなシェアが高くなることから、上記現象が特に顕著に現れる。さらに、プリントスピードが増加した場合や、或いは現像スリーブの周速度(プロセススピード)が増加した場合に、トナーに対するメカニカルなシェアは高くなるため現像ローラー汚染の発生が顕著となる。また、環境特性の面から見ると、トナーの現像性が低下傾向となる高温高湿環境下において、現像ローラー汚染は特に深刻な問題となる。尚、この現像ローラー汚染による弊害は、通常の使用状態においては短期的には問題化しにくい面を持つが、現像ローラーの汚染現象は蓄積性を有するため、長期的に見ると深刻な問題となることが予想される。
磁性一成分トナーを用いる複数の現像ローラーを有する現像装置に関する従来技術として、磁性一成分トナーによる磁気ブラシ現像方式を複数の現像ローラーを有する装置に適用させた提案(例えば特許文献4参照)や、複数の現像ローラーを有する装置に磁性一成分非接触現像方式を応用した提案(例えば特許文献5参照)があるが、これらの提案では、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置した場合に発生する現像ローラー汚染への対策は何ら示されておらず、長期安定的に優れた現像性を維持することが困難となる場合があることが推測される。
上記の通り、現状況においては、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置した現像方法に磁性一成分トナーを適用し、高速で且つ高耐久(すなわち長期安定的に)、高画質な画像形成システムを完成させるためには、未だ多くの解決すべき問題を抱えていると言える。
特許第3017514号公報 特開平05−346737号公報 特開平09−80919号公報 特公平03−5579号公報 特開2000−347502号公報
本発明は、上述のような問題点を解決した現像方法及びトナーを提供することを課題とする。すなわち本発明は、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置した現像方法に磁性一成分トナーを適用した場合に、現像ローラー表面へのトナー成分の付着、いわゆる現像ローラー汚染の発生を防ぐことができ、高速プリント稼働時に於いても長期安定的に優れた現像性を維持することが可能な現像方法及びその方法において用いられるトナーを提供することを課題とする。また、本発明は、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置した現像方法に磁性一成分トナーを適用した場合に、高温多湿の劣悪な環境下での使用においても、長期安定的に優れた現像性を維持することをさらなる課題とする。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)本発明は、回転自在な感光体に対向してそれぞれ回転自在に配置された、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを有する現像装置を用い、それぞれの現像ローラーの表面に担持したトナーによって、該感光体上に形成された静電潜像を可視像化する現像方法であって、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーが、該第1現像ローラーが担持しているトナーを該第2現像ローラーに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法において、該第1現像ローラー及び該第2現像ローラー内には、それぞれマグネットが固定配置されており、該第1現像ローラー内のマグネットは、該第2現像ローラーに面する位置に磁極Aを有し、該第1現像ローラーの回転方向下流側に磁極Aに隣接して磁極Aと同極の磁極Cを有しており、該第2現像ローラー内のマグネットは、該第1現像ローラーに面する位置に磁極Aとは異なる極の磁極Bを有しており、該トナーは、少なくとも結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、ならびに一次粒子の個数平均径が19nm未満のシリカ(I)、および19nm以上100nm未満の無機微粉体(II)を含有し、該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の総含有量がトナー粒子100質量部に対して0.4質量部以上であり、かつ該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の重量比が(II)/(I)≦0.6であるトナーであることを特徴とする現像方法に関する。
(2)更に本発明は、上記(1)の現像方法において、前記第1現像ローラーは、前記第2現像ローラーよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置されることを特徴とする現像方法に関する。
(3)更に本発明は、上記(1)または(2)の現像方法において、前記第1現像ローラーと第2現像ローラーとの最近接距離が200μm〜1000μmであることを特徴とする現像方法に関する。
(4)更に本発明は、上記(1)〜(3)のいずれかの現像方法において、記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、前記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線とし、前記磁極Aは前記第1現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、前記磁極Bは前記第2現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Aの位置と前記第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をaとし、該磁極Bの位置と前記第2現像ローラー中心軸を結ぶ線と前記基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正とし、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、a>0且つb≦0であるか、あるいはa≧0且つb<0となる位置に配置されることを特徴とする現像方法に関する。
(5)更に本発明は、(1)〜(4)のいずれかの現像方法において、前記無機微粉体(II)は、シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化チタンからなる群から選ばれる1または複数種であることを特徴とする現像方法に関する。
(6)更に本発明は、(1)〜(5)のいずれかの現像方法において、前記シリカ(I)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする現像方法に関する。
(7)更に本発明は、(1)〜(5)のいずれかの現像方法において、前記シリカ(I)は、シリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)はシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする現像方法に関する。
(8)更に本発明は、(1)〜(5)のいずれかの現像方法において、前記シリカ(I)及び前記無機微粉体(II)は、シリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする現像方法に関する。
(9)また、本発明は、回転自在な感光体に対向してそれぞれ回転自在に配置された、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを有する現像装置を用い、それぞれの現像ローラーの表面に担持したトナーによって、該感光体上に形成された静電潜像を可視像化する現像方法であって、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーが、該第1現像ローラーが担持しているトナーを該第2現像ローラーに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法に用いられるトナーであって、該第1現像ローラー及び該第2現像ローラー内には、それぞれマグネットが固定配置されており、該第1現像ローラー内のマグネットは、該第2現像ローラーに面する位置に磁極Aを有し、該第1現像ローラーの回転方向下流側に磁極Aに隣接して磁極Aと同極の磁極Cを有しており、該第2現像ローラー内のマグネットは、該第1現像ローラーに面する位置に磁極Aとは異なる極の磁極Bを有しており、少なくとも結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、ならびに一次粒子の個数平均径が19nm未満のシリカ(I)、および19nm以上100nm未満の無機微粉体(II)を含有し、該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の総含有量がトナー粒子100質量部に対して0.4質量部以上であり、かつ該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の重量比が(II)/(I)≦0.6であることを特徴とするトナーに関する。
(10)更に本発明は、上記(9)のトナーにおいて、前記第1現像ローラーは、前記第2現像ローラーよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置されることを特徴とするトナーに関する。
(11)更に本発明は、上記(9)または(10)のトナーにおいて、前記第1現像ローラーと前記2現像ローラーとの最近接距離が200μm〜1000μmであることを特徴とするトナーに関する。
(12)更に本発明は、上記(9)〜(11)のいずれかのトナーにおいて、前記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、前記第1現像ローラー及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線とし、前記磁極Aは前記第1現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、前記磁極Bは前記第2現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Aの位置と前記第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をaとし、該磁極Bの位置と前記第2現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正とし、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、a>0且つb≦0であるか、あるいはa≧0且つb<0となる位置に配置されることを特徴とするトナーに関する。
(13)更に本発明は、上記(9)〜(12)のいずれかのトナーにおいて、前記無機微粉体(II)は、シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化チタンからなる群から選ばれる1または複数種であることを特徴とするトナーに関する。
(14)更に本発明は、上記(9)〜(13)のいずれかのトナーにおいて、前記シリカ(I)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とするトナーに関する。
(15)更に本発明は、上記(9)〜(13)のいずれかのトナーにおいて、前記シリカ(I)は、シリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカ
ップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とするトナーに関する。
(16)更に本発明は、上記(9)〜(13)のいずれかのトナーにおいて、前記シリカ
(I)及び前記無機微粉体(II)は、シリコーンオイルで表面処理されていることを特徴
とするトナーに関する。
本発明では、非接触な位置であって、トナーの受け渡しが可能な位置に配置された、個々に現像を行う複数の現像ローラーを用いる現像方法に、前述のような磁性一成分トナーを用いることにより、各現像ローラー表面にトナー成分が付着する、いわゆる現像ローラー汚染の発生を防ぎ、高速プリント稼働時あるいは現像ローラー周速度が速い場合に於いても、長期安定的に優れた現像性を維持することができる。また、本発明では、シリカ(I)及び無機微粉体(II)を、前述のようなシランカップリング剤および/またはシリコ
ーンオイルで表面処理することで、帯電安定化が促進されることにより、現像ローラー汚染の発生を更に効果的に防ぐことができ、且つ、高温多湿の劣悪な環境下での使用に於いても、長期安定的に優れた現像性を維持する上でより一層効果的である。
本発明の実施形態について以下に説明する。
前述したように、複数の現像ローラーを用いる現像方法において、二成分現像方式を適用した場合は、現像ローラー表面にトナーが付着(トラップ)する現象、すなわち現像ローラーの汚染現象は問題化しない。その理由としては、二成分現像方式で用いられる現像剤は、トナーと磁性キャリアからなる系であることがあげられる。すなわち、二成分現像方式においては、現像ローラー上で磁気的に拘束されるのは磁性キャリアであり、非磁性であるトナーは、このキャリアに静電的に付着しているに過ぎない。従って、少なくともトナー自体は、現像ローラー表面上に磁気的拘束力によってはトラップされない。また、磁性キャリアの粒径は、トナーよりもはるかに大きい(トナーの数倍〜数十倍)ため、磁性キャリア自体が現像ローラー表面にトラップされることはあまり無い。
これに対し、複数の現像ローラーを用いる現像方法に磁性一成分トナーを適用する場合には、トナーが現像ローラー上に付着(トラップ)されやすい傾向が見られ、いわゆる現像ローラー汚染を招きやすい。これは、トナー自体が磁性を示すため、現像ローラーに内蔵されたマグネットから発せられる磁力に拘束されやすく、更にトナーの粒子径が小さい(重量平均径が数μm〜十数μm)ため、結果として現像ローラー表面の凹凸にトラップされやすくなるためと考えられる。この現像ローラーの汚染は、複数の現像ローラーが独立して配置される(つまり近接していない)現像方法においては発生程度が軽い傾向があるが、複数の現像ローラーが一体的に近接して配置される場合において、特に顕著な問題として現れる。この理由としては、複数の現像ローラーが回転可能な状態で一体的に近接して配置される場合には、各現像ローラーが最も近接する間隙部(以降S−Sgapと表記する)においてトナーは各現像ローラー表面との間でメカニカルなシェアを受けやすく、極論をすれば、トナーが各現像ローラー表面に擦り付けられるような状況となる為、現像ローラー汚染を深刻にすると考えられる。このS−Sgap部でのメカニカルシェアによる影響は、プリントスピード、すなわち現像ローラーのプロセススピード(周速度)に依存する傾向があり、プロセススピードが高くなるに伴い現像ローラー汚染の程度は深刻
化する。特に現像ローラーのプロセススピードが300mm/secを超えた領域で現像ローラー汚染は深刻化する傾向がある。
この様な状況の中で、本発明者らは検討の結果、トナーの外添剤の構成の最適化や、特定の現像ローラーの磁極構成との組み合わせにより、磁性一成分トナーを複数の現像ローラーを一体的に近接して配置(すなわち、個々に現像を行うことができる位置であって、少なくとも一の現像ローラーから他の一の現像ローラーへトナーを渡すことができ、かつ非接触な位置に配置)する現像方法に適用した場合においても、現像ローラー汚染の発生を抑制できることを見出し、環境特性に左右されること無く、長期安定的に現像性低下を抑制することを達成した。
本発明の現像方法では、回転自在な感光体に対向して回転自在に配置された、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを含む複数の現像ローラーが担持したトナーによって、感光体上に形成された静電潜像を可視化(現像)する。第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを含む複数の現像ローラーは、表面にトナーを担持することができる。また、好ましくは、第1現像ローラーは第2現像ローラーよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置される。
前記第1および第2現像ローラーの感光体に対する配置は、それぞれが担持するトナーが前記感光体上に形成された静電潜像を可視像化することができる位置に配置されていれば特に限定されない。前記各現像ローラーは、例えば、担持するトナーが感光体に接触する位置へ配置されてもよく、または担持するトナーが感光体に接触せず、トナーが飛翔して現像ローラーから感光体に移動する位置へ配置されてもよい。なお、各現像ローラーは、感光体に対する所定の位置に固定して配置されていてもよく、静電潜像の可視化時にのみ感光体に対する所定の位置に配置されてもよい。
前記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、互いに非接触であるが、第1現像ローラーが担持するトナーを第2現像ローラーに渡すことができる位置に配置される。好ましくは、第1現像ローラーと第2現像ローラーとの最近接距離(以下、「S−Sgap部の間隔」とも称する)が200μm〜1000μmであることが望ましい。S−Sgap部の間隔が200μm未満の場合には、構造的にS−Sgapの間隔が狭すぎるため、現像ローラーの汚染発生に対する抑制効果が緩慢となり、十分な作用が得られない場合がある。また、S−Sgap部の間隔が1000μmを超える場合には、現像ローラー汚染の発生程度は軽減されるが、本発明の趣旨である、複数の現像ローラーを一体的に近接して配置する条件から外れ、複数の現像ローラーを用いる現像方法に磁性一成分トナーを用いても現像ローラーの汚染が抑制できるという、本発明の特徴が十分に発揮されなくなる。
前記各現像ローラーの回転方向は、第1現像ローラーが担持したトナーを、第1現像ローラーでの現像に用いた後に、第1現像ローラーに残留したトナーを第1現像ローラーから第2の現像ローラーへ渡し、該感光体の第2現像ローラーでの現像に用いるように回転すれば、その回転方向は特に限定されない。各現像ローラーの回転方向は、感光体の回転方向に対し、順方向(感光体と現像ローラーの対向部において感光体および現像ローラーの表面が同じ方向に移動する方向)であってもよいし、逆方向であってもよい。
本発明に用いられる現像ローラー基材の材質としては、一般的にはSUSやアルミニウム等が用いられているが、本発明の現像ローラー基材の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金が好ましい。これらは非磁性であるため、磁性トナーを用いた現像方式に適している。また、ビッカース硬度Hvが40〜180程度と比較的軟らかい金属であるため、粗面化処理等の加工を施しやすく、また熱伝導係数が150W/m・K以上と高く、熱が蓄積しにくいため、例えば感光体ヒーターを具備したa−Si感光
体を用いた場合に於いても、現像ローラーの熱膨張による寸法精度を維持する上で好適である。
本発明の現像ローラー基材の材質として、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅合金を用いる上で問題となる点として、これら材質の持つ「軟らかさ」に起因する現像ローラー表面層の摩耗、及び、それに伴うトナー搬送性能の劣化があげられる。また、後述するように、本発明のトナーには現像ローラー表面に対して研磨効果を有する外添剤(例えば無機微粉体(II))が含まれていることがあるため、場合によっては該トナーが現像ローラー表面層に対して強い研磨効果を発現することがあり、本発明に用いられる現像ローラーは、その表層に硬質金属メッキが施されていることが好ましい。本発明で用いられる現像ローラー表層の金属メッキとしては、高耐久性の面からビッカース硬度Hvが200以上であることが好ましく、更には450以上であることが好ましい。現像ローラー表面のビッカース硬度Hvについては、一般的な材質であるSUS316がHv≒200程度であることから、これを下回ることは実用上好ましくない。また、磁性トナーを用いた現像方式に適用させる点から、金属メッキ層自体が非磁性であることが望ましい。この様な観点から、Hvが450以上であるNi−Pメッキ、Ni−Bメッキなどが好適に使用される。上記ニッケル(Ni)は、単体では強磁性体であるが、例えばリン(P)やホウ素(B)と結合することにより非晶質となり非磁性化することが知られており、Ni−Pメッキの場合、リン含有量は5〜15wt%であることが好ましく、Ni−Bメッキ被覆中のホウ素含有量は2〜8wt%であることが好ましい。
更に、CrメッキはHvが600以上と高く、非常に耐摩耗性に優れており、メッキ層厚を薄く抑制できることから、強磁性体であるものの磁気遮蔽の弊害を無視できる範囲にメッキ層厚を抑制することで、特に好ましく用いられる。
尚、金属メッキ層は、無電界メッキ法及び電気メッキ法などの何れの方法で形成しても良いが、高温加熱処理(300℃以上)を伴わない方法が好ましい。高温加熱処理を施す場合は現像ローラー基体の熱変形が生じ易く、寸法精度の面で良品率が低下することがあるため好ましくない。金属メッキ層厚については、実使用上での摩耗量との兼ね合いにより決定すればよいが、0.5μm以上であることが好ましい。金属メッキ層厚が0.5μm未満の場合は、安定したメッキ層を形成することが困難となることがあるため好ましくない。
また、本発明に用いられる現像ローラーの表面は、適度の表面粗さを有することが好ましく、算術表面粗さRa(JIS B 0601:2001)が0.3〜0.9μmの範囲であることが
好適である。該Raが0.9μmを超える場合には、現像ローラー表面の形状因子に起因してトナーがトラップされやすくなり、現像ローラー汚染の発生程度を深刻化させることがある。またRaが0.3μm未満の場合には、トナーの搬送性に支障をきたす場合がある。現像ローラー表面粗さの調整は、現像ローラー表面に金属メッキ層を形成した後に現像ローラーの表面に粗面化処理を施すことによっても可能であるが、メッキ層自体の剥離やブラスト砥粒の付着の可能性の点から、予め現像ローラー基材表面に粗面化処理を施し、Raを0.2〜1.0μm程度の表面粗さにしておき、この現像ローラー表面に金属メッキ層を形成することが好ましい。この粗面化処理としては、例えば球形粒子によるブラスト処理が好適に使用できる。
本発明における現像ローラーの表面のRaの測定には、接触式表面粗さ計サーフコーダーSE3300(小坂研究所製)を用いることができる。この場合の測定条件は、カットオフ値が0.8mm、測定長さが2.5mm、送りスピードが0.1mm/秒、倍率が5000倍である。
なお、本発明の現像方法は、現像ローラーを複数用いるが、各現像ローラーのローラー基材の種類、メッキ処理、および表面粗さは、同一のものにしてもよく、異なるものとしてもよい。
前記第1現像ローラーは磁極Aを有し、前記第2現像ローラーは前記磁極Aとは異なる極の磁極Bを有していてもよい。前記第1現像ローラーまたは第2現像ローラーは、前記の磁極AまたはB以外の磁極をさらに有していてもよい。例えば、前記第1現像ローラーは磁極Aと同じ極の磁極Cを有するのが好ましい。このような磁極は、永久磁石のように常時磁界を発生する手段によって形成されていてもよく、電磁石のように任意の時期および任意の強度の磁気を発生する手段によって形成されてもよい。
前記第1現像ローラーが磁極Aを有し、前記第2現像ローラーが前記磁極Aとは異なる極の磁極Bを有する場合、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、前記第1現像ローラーの中心軸及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線(0°)とし、該磁極Aの位置と該第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と、該基準線との交差角をaとし、また該磁極Bの位置と該第2現像ローラー中心軸を結ぶ線と、該基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、該交差角a,bの関係が、a>0且つb≦0であるか或いは、a≧0且つb<0となるように配置されるのが好ましい。
前記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーをこのように配置することにより、現像ローラー間に、第1現像ローラー側は感光体により近い磁力線であって、第2現像ローラー側は感光体からより離れる磁力線を形成する。この磁力線は、前記基準線上に端部を有するか、または前記基準線を斜めに横切る。すなわち、本発明では、このような磁力線が形成されていることが好ましい。なお、ここでいう磁力線とは、磁極Aと磁極Bを結ぶ直線をいう。
以下に、図面を参照して本発明における磁極の構成をさらに説明する。
図1は、感光体1の回転方向上流側の第1現像ローラー12および下流側の第2現像ローラー13の最近接部、すなわちS−Sgap部D付近の磁極配置を示す模式図である。各現像ローラーは感光体1の回転方向αに対し、順方向に回転するものとする。
第1現像ローラー12及び第2現像ローラー13内には、それぞれマグネット14,15が固定配置される。マグネット14,15はそれぞれ磁極Aおよび磁極Bを形成する。磁極Aは感光体回転方向上流側に配置される第1現像ローラー12の磁極を表し、感光体回転方向下流側に配置される第2現像ローラー13に面している。磁極Bは感光体回転方向下流側の第2現像ローラー13の磁極を表し、感光体回転方向上流側第1現像ローラー12に面している。
磁極Aと磁極Bはそれぞれ異極性であり、第1現像ローラー12の中心軸及び第2現像ローラー13の中心軸を結ぶ線を基準線(0°)とし、該磁極Aの位置と第1現像ローラー12の中心軸を結ぶ線と、該基準線との交差角をaとし、また該磁極Bの位置と第2現像ローラー13の中心軸を結ぶ線と、該基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、該交差角a,bの関係が、a>0且つb≦0であるか或いは、a≧0且つb<0となるように配置される。
このような磁極配置を維持する範囲で、磁性一成分トナー用いることにより、第1現像ローラー及び第2現像ローラー上でのトナーのスムーズな移動(搬送性)を維持しやすく
、その一方で、S−Sgap部付近での過剰なトナー滞留を抑制できることから、トナーに対するメカニカルなシェア、すなわち各現像ローラー表面に対するトナーの擦り付けを比較的有効に低減できる。特に、該磁性一成分トナーとして、後述する本発明のトナーを用いる場合に、現像ローラー汚染の抑制に効果的である。
上記した現像ローラーの磁極構成により、S−Sgap部でのトナーに対するメカニカルシェアが低減されるメカニズムについて説明する。本発明の現像ローラーの磁極構成では、磁極Aと磁極Bを結ぶ磁力線が、基準線に対し少なくとも斜め方向に形成され、この磁力線が、第2現像ローラーに対し、あたかもトナーコート規制部材(ドクターブレード)のごとく作用すると共に、S−Sgap部付近での不適切な磁気的拘束力による過剰なトナー滞留を抑制し、S−Sgap部におけるトナーの流動、特に第1現像ローラーから第2現像ローラーへのトナーの移動と、各現像ローラーに連れ周り移動しているトナーとのバランスが取られやすくなるためであると推測されるが、いずれにしても、このような効果は後述する実施例において証明されている。
この効果は、磁極Aと磁極Bの距離が離れているほど明確に現れる傾向がある。この効果は、基準線(0°;S−Sgap部最小間隙部)を挟んで斜めに磁力線が形成される場合に於いて最大限に発揮されるが、この理由としては、1.磁力線が基準線と交錯しない
磁極構成の場合は、そもそもS−Sgap部でのトナー規制ができないため、2.磁力線
が基準線に沿う形で形成された場合、つまり磁極Aと磁極Bが対向位置にある場合は、S−Sgapの最小間隙部に磁界が集中し、トナーを磁気的に拘束し易く、滞留させる傾向があるためと推測される。
従って、各現像ローラー間のS−Sgap最小間隙部に対し、磁極Aと磁極Bによってもたらされる磁界を斜め方向にオフセットした形で集中させる(つまり磁気的拘束力を適度に分散させる)ことにより、磁気的拘束力の集中による弊害、つまり過剰なトナー滞留の発生を抑え、S−Sgap部でのトナーに対するメカニカルシェア(つまり現像ローラー表面に対するトナーの擦り付け)を低減することで、現像ローラー汚染抑制効果を高めることができると考えられる。
本発明において、前記交差角aおよび交差角bの角度は、前記基準線と磁極との距離(交差角の絶対値)、S−Sgap部の間隔、および用いられるトナーの磁気特性などの諸条件に応じて異なるが、交差角aは+25°未満、交差角bは−30°未満であることが、第1および第2現像ローラー間のトナーの円滑な移動、およびトナー滞留の防止を実現する上で好ましい。
本発明において、前記磁極Aと磁極Bとの距離は、前記基準線までの磁極の距離(交差角の絶対値)、現像ローラーの直径、またはS−Sgap部の間隔、用いられるトナーの磁気特性などの諸条件に応じて異なるが、25mm以下であることが、第1および第2現像ローラー間のトナーの円滑な移動、およびトナー滞留の防止を実現する上で好ましい。
また、本発明では、前記第一現像ローラーは、磁極Aに加えて、磁極Aよりも更に回転方向下流側、すなわち現像容器内部側に固定配置される磁極Cを有することが好ましい。磁極Cは磁極Aと同極性であり、各磁極の位置関係としては、磁極Cの位置と第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と、基準線(0°)との交差角をcとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正、感光体から離れる側にある場合を負と定義したときに、b>cとなるように配置されることが好ましい。この理由としては、磁極Aと磁極Cを同極性として隣接させることで、互いに反発極として作用させることができ、この結果、第1現像ローラーに連れ回るトナーを現像ローラー上から剥離しやすくなると同時に、第2現像ローラーへのトナーの供給をスムーズにできるというメリットが得られ、トナー搬送性が更
に安定化し、現像ローラー汚染抑制に寄与できるからであると考えられる。
磁極A、磁極B及び磁極Cを含む全ての磁極の磁力は現像ローラー表面で20mT〜200mTであることが好ましく、更には20mT〜120mTであることが好ましい。各磁極の磁力が20mTを下回る場合には、各々の磁極間での磁力線が十分に形成されないため、S−Sgap部付近での適度な磁気的拘束力が発揮されないことがある。また、各磁極の磁力が200mTを超える場合は、S−Sgap部付近での磁気的拘束力が強くなりすぎ、各現像ローラー上で必要以上にトナーを拘束してしまい、結果としてトナーの滞留を招き、またトナーの流動を妨げ、現像ローラー汚染の発生程度を深刻化させることがあるため好ましくない。更に、製造コストを考慮すると、各磁極の磁力は120mT以下であることが好ましい。
本発明において、現像ローラーの各磁極の磁気特性測定は、ベル社のガウスメーターモデル640を用いて測定することができる。本発明では、現像ローラー表面から約100μm上空の位置にアクシャルプローブをセットして測定した値を現像ローラー表面での各磁極の磁力とする。
上述した本発明の現像方法に用いられるトナー(以下、「本発明のトナー」とも称する)は、少なくとも結着樹脂および磁性体(これらに限定されない)を含有するトナー粒子、ならびに一次粒子の個数平均粒径が19nm未満のシリカ(I)、および19nm以上1
00nm未満の無機微粉体(II)を含む磁性一成分トナーである。該トナーには、その他の成分が含まれていてもよい。
上記した本発明の磁性一成分トナーは、複数の現像ローラーを用いる現像方式に用いられた場合にも、現像ローラー汚染の発生を抑制する効果を発現する。考えられる現像ローラー汚染の抑制のメカニズムを以下に説明する。一次粒子の個数平均径が19nm以上100nm未満の無機微粉体(II)は、サイズの影響から、トナー粒子に付着するものとトナー粒子から遊離して存在するものとがあり、トナー粒子に対し付着と遊離を繰り返す場合もあることから、現像ローラー表面とトナー粒子の間でスペーサーとして有効に作用し、この結果、現像ローラー汚染を軽減させる効果を発現するものと考えられる。また、トナー粒子から遊離した無機微粉体(II)が現像ローラー表面上をランダムに移動する(転がる)ことにより、現像ローラー表面に対し、クリーニング作用を発現することが推測される。しかしながら、トナーの外添剤として、前記無機微粉体(II)のみを用いた場合には、トナーとして十分な流動性と帯電制御性を有することが出来ないため、実用的でない。一方、一次粒子の個数平均径が19nm未満のシリカ(I)は、主にトナーに流動性を付与すると共に、帯電制御の役目を果たしていると考えられる。トナーの外添剤として前記シリカ(I)のみを用いた場合には、現像ローラー汚染の発生抑制効果は発現しないが、前記シリカ(I)と前記無機微粉体(II)を組み合わせて使用する場合には、トナーとして十分な流動性及び帯電制御性を発揮しつつ、かつ、複数の現像ローラーが一体的に近接して配置される現像方法において、現像ローラー汚染の発生抑制効果が発現すると考えることができるが、いずれにしてもその効果は後述する実施例において証明されている。
尚、本発明のシリカ(I)、及び無機微粉体(II)の一次粒子の個数平均径は、以下の方法
で求めることができる。各サンプルをエポキシ樹脂中で分散させ、包埋処理を施した後、薄くスライスし、透過型電子顕微鏡を用いて粒子の写真像(倍率10,000〜100,000倍)を
得る。この写真から無作為に300〜500個の粒子像を抽出した後、その径をデジタイザーを用いて測定し、水平方向のフェレ径の個数平均径を算出する。
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および無機微粉体(II)の総含有量は、トナー
粒子100質量部に対して0.4質量部以上であることが好ましく、(I)と(II)の重
量比は(II)/(I)≦0.6であることが好ましい。(I)と(II)の重量比が(II)/(I)>0.6となる場合には、トナーの帯電制御性及び流動性を損ねる傾向があり、現
像性の低下を招く場合がある。また、シリカ(I)および無機微粉体(II)の総含有量に
ついては、トナーに対する流動性付与や帯電制御に関する効果は0.1質量部程度の総含有量で見られるが、現像ローラー汚染抑制効果の面からは、0.4質量部以上の総含有量とするのが好ましい。なお、総含有量の上限については、トナーに対する帯電阻害の弊害を避けるため、8質量部以下、好ましくは5質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)としては、任意の方法、例えば乾式法または湿式
法で製造したシリカ微粉体が使用される。ここで乾式法で製造したシリカ微粉体とは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
Figure 0004323936
また、この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタン等、他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、前記乾式法で製造したシリカ微粉体はそれらも包含する。
一方、本発明のトナーに含まれるシリカ(I)を湿式法で製造する場合は、従来公知であ
る種々の方法を適用することができる。例えば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解があり、一般反応式で示せば、次のようなものである。
Figure 0004323936
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)を製造するための湿式法としては、その他、ケイ
酸ナトリウムのアンモニア塩類、またはアルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用する方法などが挙げられる。
本発明のトナーに含まれる無機微粉体(II)としては、Ti、Ce、Al、Si、Zn、Mg、W、Sn、Zrの元素を少なくとも1種類以上含む酸化物および/もしくは炭化物、またはこれらの元素の酸素酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等があげられる。該無機微粉体(II)は一次粒子の個数平均径が19nm以上100nm未満であることから、トナー粒子への付着割合が比較的高くなり、トナーに対する帯電制御性が非常に強く発現されること、またその一方で、現像ローラー表面に対するクリーニング効果を発現させる必要があることなどから、該無機微粉体(II)としては、好ましくはシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタンの少なくとも1つが用いられ、特に好ましくはシリカが用いられる。
本発明のトナーに含まれる無機微粉体(II)がシリカである場合は、本発明のトナー含まれるシリカ(I)を製造する方法と同様の製造方法で製造し、それを所望の粒度としたもの
を用いることができる。また、無機微粉体(II)がその他の金属酸化物である場合も、公
知の製法で製造することができ、例えば焼結法により生成し、機械粉砕した後、風力分級により分級し所望の粒度としたものを用いることができる。
更に本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および/または無機微粉体(II)は、表面処
理されていることが好ましい。表面処理剤としては、任意の処理剤を用いることができるが、シリカ(I)の表面処理剤としてシランカップリング剤および/またはシリコーンオイ
ルを、かつ、無機微粉体(II)の表面処理剤としてシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルを用いることが好ましい。その理由を以下に記載する。なお、シリコーンオイル、シランカップリング剤以外の処理剤は、トナーに対する帯電制御性や流動性付与の面で弊害を招くことがあるため好ましくない。
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)は、一次粒子の個数平均径が19nm未満である
ため、ほとんどのものがトナー粒子に付着する傾向があり、トナーに対する帯電制御性を強く発現する。従って、シリカ(I)をシランカップリング剤および/またはシリコーンオ
イルを用いて表面処理することによって疎水性機能を付加し、帯電安定化を図ると共にトナーの環境特性(環境依存性)を改善することができる。また、シランカップリング剤を用いて表面処理を行った場合には、トナーの流動性も改善され、この点においても好ましい。
前記シリカ(I)の表面処理をするとともに、前記無機微粉体(II)をシランカップリング
剤および/またはシリコーンオイルで表面処理することにより、現像ローラー汚染の発生程度を更に軽減化できる。現像ローラー汚染の軽減化の理由は、無機微粉体(II)の表面をシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理することにより疎水度が上がり、無機微粉体(II)自体の帯電安定性が向上することにより、トナー粒子に付着するものと遊離するものとの割合が安定化し、トナーと現像ローラー表面との間で発現するスペーサー効果が安定且つ効果的に作用するためと推測される。つまり、無機微粉体(II)を表面処理することで、主に、帯電的にトナー粒子に対する無機微粉体(II)の挙動を安定化することができ、一次粒子径の個数平均径が19nm以上100nm未満の粉体を用いることによる現像ローラー汚染の抑制という効果(現像ローラー表面に対するクリーニング効果)が、より効果的に発揮されるようになると考えられる。
一般的には、シリカ(I)および/または無機微粉体(II)の表面処理剤として、シリコーンオイルを用いた場合よりもシランカップリング剤を用いた方が、トナーに対する流動性付与効果が発現するため、総合的なトナー特性としては有利となる場合が多い。しかし、特にポジトナーをシランカップリング剤のみで表面処理した場合は、シリコーンオイルで表面処理した場合と比較して現像ローラー汚染の抑制効果がやや劣る傾向が見られる。これは、各々の表面処理で得られる疎水度の違いが影響するためであり、シリコーンオイルで表面処理した場合と比較して、シランカップリング剤、例えばアミノシランカップリング剤で表面処理した場合は、得られる疎水度がやや低く、このため環境特性がやや劣り、特に高温高湿環境下においてトナーの現像性を低下させる。このため、シランカップリング剤のみで表面処理したシリカ(I)および/または無機微粉体(II)を含有するトナーは、シリコーンオイルで表面処理した場合と比較して、現像ローラー表面に留まり易くなり、この結果、現像ローラー汚染を誘発しやすいと考えられる。この問題は、疎水化度の高い処理剤を併用することである程度の改善が可能であるが、疎水化度の高い処理剤、例えばヘキサメチルジシラザンはトナーの帯電特性を負側にシフトさせるため、このような処理剤をポジトナーに適用させる場合には改善の余地が残る。従って、このような背景から、特にポジトナーの場合は、シリカ(I)及び/または無機微粉体(II)をシリコーンオイルで表面処理することが好ましい。
本発明のシリカ(I)および/または無機微粉体(II)のシリコーンオイルによる表面処理
については公知の方法による処理が用いられ、シリコーンオイルとしては、一般に下記構造式(1)により示されるものがあげられる。
Figure 0004323936
好ましいシリコーンオイルとしては、一般的なストレートシリコーンオイルとしてジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、及び変性シリコーンオイルであるメタクリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等があげられ、また側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いても良く、特にポジトナーの場合は側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いることが好ましい。
側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルとしては、少なくとも下記式(2)、(3)で表される部分構造を有するシリコーンオイルがあげられる。
Figure 0004323936
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および/または無機微粉体(II)の、シリコーンオ
イルによる表面処理方法としては、任意の公知の方法を用いることができるが、例えば次の方法が挙げられる。必要に応じて加熱しながらシリカ(I)および/または無機微粉体(II)を激しく撹乱しながら、これにシリコーンオイル或いはその溶液をスプレーもしくは気
化して吹き付ける乾式処理、あるいはシリカ(I)および/または無機微粉体(II)をスラリ
ー状にし、これを撹拌しつつシリコーンオイルまたはその溶液を滴下する湿式処理が挙げられる。
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および/または無機微粉体(II)を表面処理するた
めのシリコーンオイルは、上記のシリコーンオイルを単独もしくは2種以上の混合物で、または併用や多重処理して用いられる。
本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および/または無機微粉体(II)のシランカップリ
ング剤による表面処理については従来の公知の方法が用いられ、該シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の、Siに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等があげられる。
また、本発明のトナーに含まれるシリカ(I)および/または無機微粉体(II)を、窒素含
有のシランカップリング剤で処理してもよく、特にポジトナーの場合には好ましい。窒素含有のシランカップリング剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等が挙げられる。これらの処理剤を単独もしくは2種以上の混合物で、または併用や多重処理して用いることができる。
上記シランカップリング剤により本発明のシリカ(I)および/または無機微粉体(II)を
処理する方法としては、任意の方法を用いることができるが、例えば、乾式処理であるスプレー法、湿式処理である有機溶媒法、水溶液法などが挙げられる。一般に、スプレー法とは、ピグメントを撹拌し、カップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーし、この後水あるいは溶媒を120〜200℃程度で除去乾燥する方法である。有機溶媒法とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸漬した後、濾過或いは圧搾により固液分離を行い、120〜200℃程度で乾燥させる方法である。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水或は水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸漬し後、同様に固液分離を行い乾燥する方法である。
尚、本発明のシリカ(I)または無機微粉体(II)の表面処理を、シランカップリング剤及びシリコーンオイルを用いて行う場合には、両処理を任意の順序で行うことができるが、シランカップリング剤による表面処理をした後にシリコーンオイルによる表面処理をすることが好ましく、またはシランカップリング剤およびシリコーンオイルによる処理を同時にすることも可能である。
また、本発明のシリカ(I)及び無機微粉体(II)は、それぞれが別々にシランカップ
リング剤及び/またはシリコーンオイルにより表面処理されてもよいが、シリカ(I)及
び無機微粉体(II)をあらかじめ混合した混合物をシランカップリング剤及び/またはシリコーンオイルで表面処理することも可能である。
本発明のトナーは、更に、体積平均径が0.1〜4μmのチタン系金属酸化物を少なくとも1種類以上含有していてもよく、それにより現像ローラー汚染に対して更に好ましい抑制効果を発現する。この理由を以下に説明する。該チタン系金属酸化物は体積平均径が0.1〜4μmのサイズを持つことから、トナー粒子に対してほとんどが遊離した状態で存在する。そのため、現像ローラー表面に対する研磨剤として有効に作用することができ、現像ローラー表面を比較的清浄に維持させることができる。更に、該チタン系金属酸化物はトナーに対してマイクロキャリア効果をも発現することから、特に高温高湿環境下での現像性低下を有効に防ぐ作用を発揮し、この結果、トナーが高温高湿環境下においても比較的良好な現像性を維持することができ、トナーが現像ローラー表面に留まり難い状態を維持することができ、現像ローラー汚染の発生を軽減化できると考えられる。
該チタン系金属酸化物の体積平均径が0.1μm未満の場合にはトナー粒子に付着する割合が高くなり、一方で4μmを超える場合にはマイクロキャリアとして作用するには大きすぎるため、いずれの場合においてもトナーの帯電性を阻害する傾向がある。該チタン系金属酸化物の体積平均径は、レーザー回折式粒度測定(マイクロトラック法)の体積粒径50%値を表す。
本発明のトナーに含まれるチタン系金属酸化物は、トナーに添加したときの帯電安定性や、現像スリーブ表面の研磨性、コストの面などからチタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、酸化チタンから選ばれる。
また、本発明のトナーに含まれるチタン系金属酸化物の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜8.0質量部であることが好ましい。該チタン系金属酸化物の含有量が0.1質量部未満の場合には、現像ローラー表面に対して研磨効果が発現せず、またマイクロキャリア効果も不十分であることがある。また、8.0質量部を超える場合には、現像ローラー表面を過剰に研磨する場合があること、およびトナーの帯電を阻害する傾向があるため好ましくない。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子に含有される結着樹脂としては、下記の結着樹脂を使用することが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンまたはその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。これらのなかでも好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体、もしくはポリエステル樹脂がある。これらは単独で使用しても良く、または混合して使用しても良いが、混合して使用する場合は、混合される樹脂の少なくとも一部が互いに反応している(化学的に結合している)ことが好ましい。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子の結着樹脂がスチレン系共重合体である場合に、スチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその誘導体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどのように二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジルなどのようなグリシジルアルコールと不飽和カルボン酸とのエステル類;例えばアリルグリシジルエーテル、アリルβ−メチルグリシジルエーテルなどのような不飽和グリシジルエーテル類;等のビニル単量体が挙げられる。これらのコモノマーが単独もしくは2つ以上で用いられる。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子の結着樹脂として用いられるスチレン系重合体またはスチレン系共重合体は、架橋されていてもよく、また他の樹脂と混合して用いられてもよい。
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げられる。これらの架橋剤は、単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子に含有される磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属もしくはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金、またはそれらの混合物が用いられ、これらの磁性体の表面或いは内部にケイ素元素を含有するものが、トナーに対する帯電制御及び流動性付与の面から好ましい。これら磁性体の中でも工業的及びコストメリットの面から酸化鉄が好適に用いられ、特にマグネタイトは好ましく用いられる。マグネタイトを用いる場合には、マグネタイトの形状を変える、または任意のドーパントを添加すること等により、磁気的特性の制御、帯電性能の制御、または樹脂中への分散性の制御が可能となる。
該磁性体の平均径は、トナー粒子に対する分散等を考慮すると、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.6μm、更に好ましくは0.1〜0.4μmである。ここでいう磁性体の平均径とは、透過型電子顕微鏡により得られた4万倍の磁性体の写真からランダムに300個の磁性体を選び、その径をデジタイザーにより実測し、その径と個数から、個数平均として求められるものである。なお、径は水平方向フエレ径である。
本発明においてトナーに含有させる磁性体の量は、結着樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好ましくは20〜170質量部、更に好ましくは30〜150質量部である。また、磁性体は着色剤を兼ねて用いることもできる。
本発明のトナーには荷電制御剤を含有させることができ、それにより正帯電性または負帯電性を保持させ、帯電性を制御することができる。
トナーを正帯電性に制御するものとして下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物がある。これらを単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、トナーを負帯電性に制御するものとして下記の物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体がある。トナーを負帯電性に制御するものとして他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法として、トナー粒子の内部に添加する方法、および外添する方法があり、いずれの方法を用いてもよい。これらの荷電制御剤の使用量は結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に決定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーは着色剤を含有することができ、着色剤としては任意の適当な顔料または染料が挙げられる。例えば顔料として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するために必要な量が用いられ、その量は顔料の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が用いられる。
また、同様の目的で、更に染料が用いられる。例えば、アゾ系染料、アントラキノン系
染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり、その使用量も染料の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
本発明のトナーは、トナーに離型性を与える為にワックス類を含有することが好ましい。好ましいワックスとしては、融点が70〜165℃で、160℃における溶融粘度が1000mPa・s以下のワックスであり、その具体例としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスやエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1のような直鎖のα−オレフィンおよび分枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィンおよびこれらの不飽和基の位置の異なるオレフィンの単独重合体もしくはこれらの共重合体等があげられる。その他、アルコールワックス、脂肪酸ワックス、エステルワックス、天然ワックスをも用いることができる。更に、ビニル系モノマーによりブロック共重合体としたワックス、グラフト変性などを施した変性ワックス、また酸化処理を施した酸化ワックスを用いてもよい。
ワックスの融点は、ASTM D3418−82に準じて測定される吸熱曲線における主体極大ピーク(main peak)値の温度で表され、例えばパーキンエルマー社製DSC−7や、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、昇温速度10℃/minで測定することができる。またワックスの溶融粘度は、例えばHAAKE社製VT−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
これらのワックスは、トナー製造に際し、どのように添加・混合してもよいが、予め重合体成分中に添加・混合しておくこともできる。予め重合体成分中に添加・混合しておく場合は、重合体成分を調整する際に、ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子重合体溶液と混合する方法が好ましい。これによりミクロな領域での相分離が緩和され、高分子量成分の再凝集が制御され、低分子重合体との良好な分散状態が得られる。
また、ワックスの添加量は、樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。なお、2種類以上のワックスを併用して添加してもよい。
本発明のトナーには、必要に応じて、更に他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などが添加されうる。
例えば滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末等が挙げられる。またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明のトナーの重量平均径としては、3〜12μmが好ましく、さらには4〜10μmであることが好ましい。トナーの重量平均径の測定は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、またはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。これらの装置による測定で使用される電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて調整された1%NaCl水溶液や、市販の電解液、たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定
法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係る体積分布から求めた質量基準の重量平均径(D4;それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求め、累積%を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明のトナーは、任意の公知のトナーの製造方法に従って製造することができるが、例えば、結着樹脂、磁性体、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕し、分級することで所望の粒度分布を持つトナー粒子を得、シリカ(I)や無機微粉体(II)等、更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェル
ミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることができる。
混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサ一(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
混練機としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製銅所社製)が挙げられる。
粉砕機としては、例えば、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
本発明では、前述したトナーを前述した現像方法に用いるものであり、前述した現像方法を実現できる現像装置や画像形成装置が用いられる。このような現像装置や画像形成装置は通常用いられる手段や部材などによって構成することができる。
本発明に用いられる現像装置は、開口部を有し前記トナーを収容する現像容器、前記トナーを表面に担持することができ、現像容器の開口部に回転自在に設けられる前記第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを有する。前記現像装置は、これらの構成要素に加えて、前記第1現像ローラー上のトナーを規制してトナーの層厚を制御するトナー規制部材、現像容器中のトナーを撹拌する部材、現像容器中のトナーを第1現像ローラーに搬送する手段、トナーを補給する手段などを有していてもよい。
本発明では、前記現像装置を有する通常の画像形成装置を用いることができる。本発明に用いられる画像形成装置は、感光体、該感光体を帯電させる帯電手段、該帯電した感光体に露光によって静電潜像を形成する露光手段、該感光体に形成された静電潜像を前記トナーによって現像(可視像化)する前記現像装置、該感光体に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段、転写材に転写されたトナー像を転写材に定着させる定着手段を有する。該画像形成装置は、これらの構成要素のほかにも、例えば転写後の感光体に付着するトナーを感光体から除去するクリーニング手段、クリーニング後の感光体の静電履歴を消去するための前露光手段などを更に有していてもよい。
前記第1および第2現像ローラー12,13は、前述したような現像ローラーを用いることができるが、好ましく用いられる現像ローラーは、表面に金属メッキを施され、且つ特定の表面粗さを有する。また、第1現像ローラーと第2現像ローラーはそれぞれ同じ処理、同じ表面粗さを有する必要性はなく、用途に応じて適当な組み合わせを選択できる。
前記感光体は、ドラム感光体、ベルト状感光体、またはシート状感光体のいずれでもよい。好ましくは、a−Si系感光体ドラムが用いられ、この場合、感光体とトナーの極性に応じて正規現像方式または反転現像方式を好ましく適用することができる。
また、前記転写手段の方式は、何ら限定されるものではなく、任意の転写方式、例えばコロナ転写方式、ローラ転写方式、ベルト転写方式或いは中間転写方式などのいずれの方式を用いても良い。
以下、本発明の実施の形態に関わる画像形成の一例について、図面を用いて説明する。図2は電子写真プロセスを用いた複写機の、画像形成部(いわゆるエンジン)の構成を示す概略図である。図2において1は感光体ドラムであり、矢印α方向に回転駆動され、その表面層は一次帯電器2により任意の電位に一様に帯電された後、露光Lにより静電潜像が形成される。その後、複数の現像ローラー12,13を具備する現像装置3により現像を行い、転写材Pに対し転写帯電器5により感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写し、定着器8に於いて加熱、加圧することにより転写材P上の未定着トナー画像を定着する。尚、トナー転写後の感光体ドラム1の表面に残留する転写残トナーは、クリーニング装置7で除去され、これにより感光体ドラム1は繰り返し画像形成に供される。
本発明の複数の現像ローラーを用いた磁性一成分現像方式を適用した現像装置の概略を図3に示す。図3において現像装置3は、本発明のトナーtを収容する現像容器11(現像装置本体)、感光体ドラム1に対向して上下に設置された第1現像ローラー12および第2現像ローラー13、ならびにトナーホッパー19の下方に配され、トナーtを各現像ローラー12,13近傍まで搬送する攪拌部材17,18を備えている。
第1現像ローラー12にはマグネット14が内蔵されており、第1現像ローラー12上
のトナーを規制するためのカット極ア、現像容器11に収容されているトナーを第1現像ローラー12に担持させるための搬送・取り込み極イ、第1現像ローラー12上のトナーで感光体ドラム1の静電潜像を現像するための現像極ウが形成されている。また、第2現像ローラー13にはマグネット15が内蔵されており、現像容器11に収容されているトナーを第2現像ローラー13に担持させるための搬送・取り込み極エ、現像容器11の開口部における第2現像ローラー13側から現像容器内のトナーの漏出を防止するためのシール極オ、第2現像ローラー13上のトナーで感光ドラム1の静電潜像を現像するための現像極カが形成されている。
第1現像ローラー12または第2現像ローラー13は、感光体ドラム11の回転方向αに対して順方向に回転するが、ローラー12または13に内蔵されるマグネット14または15は、任意の角度で、ローラー12または13の内側に僅かなクリアランスをもって、固定されて配置される。
感光体ドラム1の回転方向上流側に位置する第1現像ローラー12は、磁性ドクターブレード16を備えており、これによりトナーコート規制を行う。これに対し第2現像ローラーはドクターブレードを備えておらず、本発明の現像ローラー構成及びトナーにより発現するS−Sgap部での磁気的拘束力等によりトナーコート規制を行う構成をとる。
次に本発明で用いられる現像ローラー12,13について述べる。本発明で好ましく用いられる現像ローラー12,13は、表面に金属メッキを施され、且つ特定の表面粗さを有する。尚、第1現像ローラー12と第2現像ローラー13はそれぞれ同じ処理、同じ表面粗さを有する必要性はなく、用途に応じて適当な組み合わせを選択できる。
現像容器11に収容されるトナーtを、第1現像ローラー12および第2現像ローラーが担持する。第1現像ローラー12が担持したトナーは、磁性ドクターブレード16によりトナー規制を受けた後、少なくともその一部が現像に用いられる。その後、第1現像ローラー12に残留したトナーの少なくともその一部は第2現像ローラー13に渡される。その後、第2現像ローラー13に渡されたトナーは、少なくともその一部が現像に用いられ、第2現像ローラーに残留したトナーは、現像容器11に回収される。
本実施の形態では、シリカ(I)および無機微粉体(II)を含むトナーtは、トナーの流
動性と帯電特性とが適切に制御され、且つ、現像ローラー表面に対するスペーサー効果やクリーニング効果の発現により、トナーによる現像ローラー汚染が防止される。従って、トナーに対するメカニカルシェアが高まりやすい、一体的に近接して配置された第1現像ローラー12および第2現像ローラー13を有する現像装置を用いても、長期にわたって安定して優れた現像を行うことができる。
また、本実施の形態では、磁極AおよびBが設けられていることから、第1現像ローラー12から第2現像ローラー13へトナーtの移動が円滑に行われ、過剰に滞留することがない。また、磁極AおよびBとの間に形成される磁界が第2現像ローラー13上のトナーtのトナーコート規制部材として作用し、第2現像ローラー上にトナーtの層が良好に形成されうる。
また、本実施の形態では、さらに磁極Cが設けられていることから、第1現像ローラー12におけるトナーtの連れ周りが防止され、第1現像ローラー12から第2現像ローラー13へのトナーtの移動がより一層円滑に行われる。
また、本実施の形態では、トナーtに含まれるシリカ(I)および無機微粉体(II)が
シランカップリング剤および/またはシリコーンオイルで表面処理されている場合は、ト
ナーの帯電特性の制御性が更に改善されることにより、現像ローラー汚染が効果的に防止できると共に、トナーtに疎水性機能が付加されるので、トナーの環境特性(環境依存性)も改善され、優れた現像をより一層長期にわたって安定して行うことができる。
以下に具体例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
<現像ローラーの製造例1>
現像ローラー基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラー表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#600球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2(2.45×105Pa)で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが0.7μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラー表面をジンケート処理し、Ni−Pメッキ液(S−754;日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3wt%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラーをCuメッキ液に浸して電気メッキを行い、0.3μm厚のCuメッキ層を形成した。
引き続き、Cuメッキ処理が施されたアルミニウムローラーをCrメッキ液(市販の触媒無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.0μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラー1を得た。現像ローラー1として同等品を2本製造した。現像ローラー1の表面粗さRaは0.6μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが620であった。このようにして製造した現像ローラーを、以下、「No.1の現像ローラー」とも称する。
<現像ローラーの製造例2>
現像ローラー基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラー表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#300球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2(2.45×105Pa)で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗
さRaが1.0μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラー表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754;日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3wt%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラーをNiメッキ液(硫酸ニッケル液)に浸して電気メッキを行い、0.4μm厚のNiメッキ層を形成した。
引き続き、Niメッキ処理が施されたアルミニウムローラーをCrメッキ液(市販の触媒無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.5μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラー2を得た。現像ローラー2として同等品を2本製造した。現像ローラー2の表面粗さRaは0.9μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが630であった。このようにして製造した現像ローラーを、以下、「No.2の現像ローラー」と
も称する。
<現像ローラーの製造例3>
現像ローラー基材として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラー表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#600球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2(2.45×105Pa)で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗
さRaが0.6μmになるように処理した。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラー表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754;日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3wt%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラーをCrメッキ液(市販の触媒無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.4μm厚のCrメッキ層を形成し、本発明の現像ローラー3を得た。現像ローラー3として同等品を2本製造した。現像ローラー3の表面粗さRaは0.5μmであり、表面硬さはビッカース硬度Hvが620であった。このようにして製造した現像ローラーを、以下、「No.3の現像ローラー」とも称する。
表1に、No.1〜3の現像ローラーの構成をまとめて示す。
Figure 0004323936
次に、前記現像ローラー内に設置される、No.1〜10のマグネットを用意した。マグネットは、現像ローラーの内壁から500μmのクリアランスを隔てて設置されるように用意した。本実施例で用いられたマグネットを表2および表3にまとめて示した。表2に示されたNo.1〜6のマグネットは、後述する実施例または比較例において、第1現像ローラー内に設置される。表3に示されたNo.7〜10のマグネットは、後述する実施例または比較例において、第2現像ローラー内に設置される。
Figure 0004323936
Figure 0004323936
上記マグネットの磁力の測定に関して、上記現像ローラー(1〜3)を通してローラー表面の上空100μmの位置で測定した磁力と、現像ローラーを通さずにマグネットの上空1.2mmの位置で測定した磁力は、ほぼ同じ値の磁力として測定され、その差が測定誤差内であった。そこで、表2および表3中の各マグネットの磁力の値は、マグネットの上空1.2mmの位置で測定した磁力の測定値を示している。
また、表2および表3に示された各磁極の角度は、第1及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線(0°)とした場合の、各現像ローラーの磁極と該ローラー中心軸を結ぶ線と、該基準線との交差角の角度であり、この交差角が基準線より感光体側にある場合を正、感光体から離れる側にある場合を負として示されている。
尚、本発明の現像方法において重要な要素となる磁極Aと磁極Bの位置関係以外の磁極、つまり、具体的には図3に示される第1現像ローラーのカット極ア、搬送・取り込み極イ、現像極ウ、並びに第2現像ローラーの搬送・取り込み極エ、シール極オ、現像極カについては、現像ローラー汚染に対する影響が少ないと考えられるため、現像ローラーに設置した場合に、これらの磁極の位置関係がそれぞれ同じになるように各磁極を設定した。
<シリカ(I)および無機微粉体(II)の製造例>
本発明におけるシリカ(I)は、乾式法で合成された市販のシリカ微粉体を表面処理する
ことによって、また無機微粉体(II)は、乾式法で合成された市販のシリカ微粉体、市販の酸化アルミニウム微粉体、または市販の酸化チタン微粉体を表面処理することによって製造した。シリカ(I)及び無機微粉体(II)の表面処理は、乾式処理により行った。
製造したNo.1−1〜7のシリカ(I)、およびNo.2−1〜9の無機微粉体(II)を、表4および表5にまとめて示した。
Figure 0004323936
Figure 0004323936
例えば、表4に示されるNo.1−1のシリカ(I)は、アミノ変性シリコーンオイル
で表面処理して製造した。すなわち、乾式法で合成されたシリカ微粉体(一次粒子の個数平均径12nm、アエロジル#200(日本アエロジル社製))100質量部を攪拌しながら温度を約60℃に保持し、側鎖にアミノ基を有するアミノ変性シリコーンオイル(アミノ基当量830g/mol、25℃における動粘度70×10-6mm2/s、KF85
7(信越化学社製))20質量部−石油エーテル(主な留分60℃前後)20質量部溶液を噴霧し、攪拌・処理しながら溶剤を乾燥させた。次いで攪拌しながら加熱し、250℃で溶剤を完全に取り除き、処理し、No.1−1のシリカ(I)を得た。
例えば、表4に示されるNo.1−7のシリカ(I)は、ジメチルシリコーンオイルとヘ
キサメチルジシラザンで表面処理して製造した。すなわち、乾式法で合成されたシリカ微粉体(一次粒子の個数平均径7nm、アエロジル#300(日本アエロジル社製))100質量部に、ヘキサメチルジシラザン30部を、スプレー法を用いて処理した後、攪拌しながら温度を約60℃に保持し、ジメチルシリコーンオイル(25℃における動粘度100×10-6mm2/s、KF96(信越化学社製))20質量部−石油エーテル(主な留
分60℃前後)20質量部溶液を噴霧し、攪拌・処理しながら溶剤を乾燥させた。次いで攪拌しながら加熱し、温度を250℃で溶剤を完全に取り除き、処理し、No.1−7のシリカ(I)を得た。
また、例えば、No.1−2とNo.2−4については、乾式法で合成されたシリカ微粉体(一次粒子の個数平均径16nm、アエロジル#130(日本アエロジル社製))と、乾式法で合成されたシリカ微粉体(一次粒子の個数平均径30nm、アエロジル#50(日本アエロジル社製))を、重量比で、アエロジル#130/アエロジル#50=0.25で混合した後に、アミノ変性シリコーンオイルで、No.1−1のシリカ(I)の表
面処理と同様にして処理して得たものである。
表4または表5に示されたシリカ(I)および無機微粉体(II)の各サンプルの表面処理の程度は、疎水度を測定することで判定した。表4および表5に示すシリカ(I)および
無機微粉体(II)の疎水度は、以下に示すメタノール滴定法により評価した。サンプル微粉体0.2gを容量250mlの三角フラスコ中の純水50mlに添加する。メタノールをビューレットからサンプル微粉体の全量が湿潤されるまで滴定する。このとき、三角フラスコ内の溶液は、マグネティックスターラーで常時攪拌する。その終点はサンプル微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は終点に達した際のメタノールおよび水の液状混合物中のメタノールの百分率として表される。
未処理の状態のシリカ、酸化アルミニウム、及び酸化チタンを上記メタノール滴定法に従って測定した疎水度は、いずれも30%未満の値を示す。表4または表5に示されたシリカ(I)および無機微粉体(II)の各サンプルを上記メタノール滴定法により測定した疎水度は、50〜80%の範囲であり、必要十分な表面処理が成されたと判断した。
<トナー粒子(分級品)の製造例>
<トナー粒子の製造例1>
スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸−グリシジルメタクリレート共重合体
(71:20:3:6、ピーク分子量1.1万、Mw:12万、Mn:1万、Tg:56℃) 80質量部
スチレン−ブタジエン共重合体(ピーク分子量2.5万、Mw:27万、Mn:2万)
20質量部
マグネタイト(八面体、平均径=0.18μm) 90質量部
トリフェニルメタンレーキ顔料(構造を下記する) 2質量部
フィッシャートロプシュワックス(融点100℃) 2質量部
パラフィンワックス(融点75℃) 4質量部
Figure 0004323936
上記材料をヘンシェルミキサーで十分に予備混合した後、130℃に設定した2軸混練押し出し機によって溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、任意の条件に基づき、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、更に微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径D4=7.3μmのトナー粒子(分級微粉体)を得た。このようにして得たトナー粒子を、以下、「No.1のトナー粒子」とも称する。
<トナー粒子の製造例2>
スチレン−ブチルアクリレート共重合体
(ピーク分子量1.9万、Mw:29万、Mn:1万、Tg:57℃) 100質量部
マグネタイト(複核形状、平均径=0.19μm) 90質量部
サリチル酸アルミ化合物(構造を下記する) 2質量部
フィッシャートロプシュワックス(融点100℃) 4質量部
Figure 0004323936
上記材料を用いること以外は、トナー粒子の製造例1と同様の方法で、重量平均径D4=7.5μmのトナー粒子を得た。このようにして得たトナー粒子を、以下、「No.2のトナー粒子」とも称する。
<トナーの製造例>
表6に示すように、上記No.1またはNo.2のトナー粒子100質量部に対して、
上記シリカ(I)、無機微粉体(II)、及び必要に応じてチタン系金属酸化物を、所定の
量添加し、ヘンシェルミキサーを用いて任意の条件で混合外添し、目開き150μmのメッシュで篩い、No.1〜19のトナーを得た。No.1〜14のトナーはそれぞれ実施
例1〜14で、No.15〜19のトナーはそれぞれ比較例1〜5で用いた。
Figure 0004323936
評価に用いるマシンは、市販のデジタル複写機iR105(105cpm、a−Si感光体ドラム搭載、キヤノン株式会社製)の現像装置周辺部を図3に示した2つの現像ローラーを有する磁性一成分現像器対応型に改造し、マシン本体のプロセススピード(=感光体ドラムの周速度)を300mm/sec、400mm/sec、500mm/sec、600mm/secと変速可能に改造したマシンとした。
<実施例1>
実施例1における現像装置の現像ローラー構成を、表7の実施例1に示すような構成とした。すなわち実施例1においては、感光体の回転方向上流側の第1現像ローラーを前述のNo.1の現像ローラーとして、内部にNo.6のマグネットを設置し、かつ下流側の第2現像ローラーをNo.1の現像ローラーとして、内部にマグネットNo.9を設置した。このときの磁極A、磁極Bの位置関係は、aが+15°、bが−10°、cが−45°となる。
また、実施例1においては第1現像ローラーに設けられた磁性ドクターブレードと現像ローラーとの間隔を、230μmとし、S−Sgapを300μmに調整した。第1現像ローラー及び第2現像ローラーからa−Si感光体ドラム表面までの距離は、200〜210μmに設定し、非接触現像条件とした。
マシン本体のプロセススピードは、500mm/secとし、これに対して現像ローラーは120%の周速差をもって回転する設定とした。すなわち、第1および第2現像ローラーは600mm/secの周速度で回転させた。
第1及び第2現像ローラーには、+300VのDCバイアス、およびVpp=1.0kV、周波数2.5kHz、Duty50%の矩形波ACバイアスを印加した。尚、感光体ドラムの表面電位は、VDを+400V、VLを+50Vに設定した。
実施例1では、このような改造機を用いてNo.1のトナーについて評価を行った。評価の内容、および結果については後述する。
実施例2〜7、及び9〜11、並びに参考例8
実施例2〜7、及び9〜11、並びに参考例8では、表7に示したように、現像ローラー構成(現像ローラーとマグネットの組み合わせ、及びS−Sgap設定)、評価マシン本体のプロセススピードを変更した以外は、実施例1と同様のマシンを用いて、それぞれNo.2〜11のトナーについて、実施例1と同様の評価を実施した。
<実施例12〜14>
実施例12〜14では、実施例1で示した評価マシンの、露光系をイメージスキャン方式からバックスキャン方式に変更するとともに、外部バイアス装置を用いて転写高圧系の極性を反転させ、現像ローラーに印加するDCバイアスを+300vから+200vに変更し、さらに、表7に示したような現像ローラー構成(現像ローラー製造例No.とマグネ
ット製造例No.の組み合わせ、及びS−Sgap設定)および評価マシン本体のプロセス
スピードに変更したマシンを用いた。それぞれNo.12〜14のトナーについて、実施例1と同様の評価を実施した。
<比較例1〜5>
比較例1〜5では、表7に示したように、現像ローラー構成(現像ローラー製造例No.
とマグネット製造例No.の組み合わせ、及びS−Sgap設定)、評価マシン本体のプロ
セススピード、及び現像ローラーのプロセススピードを変更した以外は実施例1と同様のマシンを用いて、No.15〜19のトナーについて、実施例1と同様の評価を実施した。
Figure 0004323936
実施例1〜7、9〜14、及び参考例8、並びに、比較例1〜5におけるNo.1〜19のトナーの評価>
現像ローラー汚染の弊害を確認するには、長期に渡る耐久試験(通常環境で500,000枚以上)が必要であるが、この手法は評価上現実的でない。そこで代替評価法として、極端に機内温度を上げることで加速試験的に評価する手法が利用できる。そこで、本実施例および比較例では、高温/高湿環境下において、雰囲気温度を32.5℃〜35.0℃、雰囲気湿度を80%RH〜90%RHまで可変制御することで、評価マシン内の現像ローラー周辺部温度を47℃〜47.5℃となるように制御して検討を行った。
上記の改造機を用いたトナーの評価は以下のようにして行った。画像比率15%の文字画像をA4横送りで両面連続で50,000枚複写の耐久試験を行った。加速耐久試験終了時の、1.現像ローラーS−Sgap部付近でのトナー滞留の発生状況、2.現像ローラー汚染度、および3.加速耐久初期と終了時の現像性(反射濃度/かぶり)について評価し、現像ローラー汚染に関わる現像性能品質を確認した。
尚、本発明の趣旨である現像ローラー汚染の評価に際しては、加速耐久前後の現像性(反射濃度/かぶり)を指標にすることもできるが、この場合にはトナーの耐久性能(耐久帯電性能)が加味される為、「現像ローラー汚染度」を指標にすることが好ましい。各評
評価項目について、基準、及び評価ランクは以下に示す通りである。
<S−Sgap部付近でのトナー滞留>
加速耐久終了後に、現像装置を評価マシン本体から取り出し、現像ローラーS−Sgap部を目視評価し、トナー滞留の状態を以下に示す3ランクに分類した。
A :トナー滞留無し、もしくは極僅かにトナー滞留が発生
B :軽度のトナー滞留が発生
C :重度のトナー滞留が発生
<現像ローラー汚染度>
加速耐久終了後に、現像ローラー表面のトナーをエアーパージ等で取り除き、第2現像ローラー表面にマイラーテープを貼り付け、はぎ取ることでスリーブ汚染物質を捕獲した。次に、そのマイラーテープを紙上に貼り、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いて、SPIフィルターを使用して反射濃度を計測し、評価した。反射濃度値が高いほど、現像ローラー汚染の程度は深刻であることを意味する。
<加速試験;耐久現像性(画像濃度)>
加速耐久初期及び終了時点の画像に対し、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用いてSPIフィルターを使用し反射濃度を測定し評価した。
<加速試験;耐久現像性(かぶり)>
加速耐久初期及び終了時点の画像に対し、反射濃度計(リフレクトメーターモデル TC−6DS(東京電色社製))を用い、画像形成後の白地部反射濃度平均値をDsとし、画像転写前の転写紙の反射濃度平均値をDrとした時に、Ds−Drをかぶり値として評価した。
以上についての評価条件、及び評価結果を表8にまとめて示す。
Figure 0004323936
本発明の感光体回転方向上流側の第1現像ローラー及び下流側の第2現像ローラーの最近接部での磁極配置を示す模式図である。 本発明の電子写真プロセスを用いた複写機の画像形成部の概略図である。 本発明に用いられる現像装置の模式的概略図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 一次帯電器
3 現像装置
4 ポスト帯電器
5 転写帯電器
6 分離帯電器
7 クリーニング装置
8 定着器
11 現像器容器
12 感光体ドラムに対して上流側の現像ローラー(第1現像ローラー)
13 感光体ドラムに対して下流側の現像ローラー(第2現像ローラー)
14 (上流側現像ローラーの)マグネット
15 (下流側現像ローラーの)マグネット
16 磁性ドクターブレード
17 トナー攪拌部材
18 トナー攪拌部材
19 トナーホッパー

a 第1及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Aの位置と該第1現像ローラー中心軸を結ぶ線との交差角
b 第1及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Bの位置と該第2現像ローラー中心軸を結ぶ線との交差角
c 第1及び第2現像ローラーの中心軸を結ぶ基準線(0°)と、磁極Cの位置と該第1現像ローラー中心軸を結ぶ線との交差角
t トナー
α 感光体ドラム1の回転方向

A 第1現像ローラーの第2現像ローラーに面した磁極
B 第2現像ローラーの第1現像ローラーに面した磁極
C 第1現像ローラーの磁極Aよりも下流側に位置するAと同極の磁極
D S−Sgap部
L 露光
P 転写材

Claims (14)

  1. 回転自在な感光体に対向してそれぞれ回転自在に配置された、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを有する現像装置を用い、それぞれの現像ローラーの表面に担持したトナーによって、該感光体上に形成された静電潜像を可視像化する現像方法であって、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーが、該第1現像ローラーが担持しているトナーを該第2現像ローラーに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法において、
    該第1現像ローラー及び該第2現像ローラー内には、それぞれマグネットが固定配置されており、
    該第1現像ローラー内のマグネットは、該第2現像ローラーに面する位置に磁極Aを有し、該第1現像ローラーの回転方向下流側に磁極Aに隣接して磁極Aと同極の磁極Cを有しており、該第2現像ローラー内のマグネットは、該第1現像ローラーに面する位置に磁極Aとは異なる極の磁極Bを有しており、
    該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線とし、該磁極Aは該第1現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Bは該第2現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Aの位置と該第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をaとし、該磁極Bの位置と該第2現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正とし、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、a≧0且つb<0となる位置に配置され、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子に、一次粒子の個数平均径が19nm未満のシリカ(I)、および19nm以上100nm未満の無機微粉体(II)を外添し、該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の総含有量がトナー粒子100質量部に対して0.4質量部以上であり、かつ該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の重量比が(II)/(I)≦0.6である磁性一成分トナーであることを特徴とする現像方法。
  2. 前記第1現像ローラーは、前記第2現像ローラーよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  3. 前記第1現像ローラーと第2現像ローラーとの最近接距離が200μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の現像方法。
  4. 前記無機微粉体(II)は、シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化チタンからなる群から選ばれる1または複数種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像方法。
  5. 前記シリカ(I)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像方法。
  6. 前記シリカ(I)は、シリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)はシランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像方法。
  7. 前記シリカ(I)及び前記無機微粉体(II)は、シリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに一項に記載の現像方法。
  8. 回転自在な感光体に対向してそれぞれ回転自在に配置された、第1現像ローラーおよび第2現像ローラーを有する現像装置を用い、それぞれの現像ローラーの表面に担持したトナーによって、該感光体上に形成された静電潜像を可視像化する現像方法であって、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーが、該第1現像ローラーが担持しているトナーを該第2現像ローラーに渡すことができ、かつ互いに非接触な位置に配置される現像方法に用いられるトナーであって、
    該第1現像ローラー及び該第2現像ローラー内には、それぞれマグネットが固定配置されており、
    該第1現像ローラー内のマグネットは、該第2現像ローラーに面する位置に磁極Aを有し、該第1現像ローラーの回転方向下流側に磁極Aに隣接して磁極Aと同極の磁極Cを有しており、該第2現像ローラー内のマグネットは、該第1現像ローラーに面する位置に磁極Aとは異なる極の磁極Bを有しており、
    該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーは、該第1現像ローラーおよび第2現像ローラーの中心軸を結ぶ線を基準線とし、該磁極Aは該第1現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Bは該第2現像ローラーにおける該基準線に最も近い磁極であり、該磁極Aの位置と該第1現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をaとし、該磁極Bの位置と該第2現像ローラー中心軸を結ぶ線と該基準線との交差角をbとし、該交差角が該基準線より感光体側にある場合を正とし、感光体から離れる側にある場合を負としたときに、a≧0且つb<0となる位置に配置され、
    少なくとも結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子に、一次粒子の個数平均径が19nm未満のシリカ(I)、および19nm以上100nm未満の無機微粉体(II)を外添し、該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の総含有量がトナー粒子100質量部に対して0.4質量部以上であり、かつ該シリカ(I)および該無機微粉体(II)の重量比が(II)/(I)≦0.6であることを特徴とする磁性一成分トナー。
  9. 前記第1現像ローラーは、前記第2現像ローラーよりも前記感光体の回転方向における上流側に配置されることを特徴とする請求項に記載のトナー。
  10. 前記第1現像ローラーと前記2現像ローラーとの最近接距離が200μm〜1000μmであることを特徴とする請求項またはに記載のトナー。
  11. 前記無機微粉体(II)は、シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化チタンからなる群から選ばれる1または複数種であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記シリカ(I)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記シリカ(I)は、シリコーンオイルで表面処理されており、前記無機微粉体(II)は、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のトナー。
  14. 前記シリカ(I)及び前記無機微粉体(II)は、シリコーンオイルで表面処理されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のトナー。
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