JP4323491B2 - マンホール蓋用施錠装置 - Google Patents
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Description
本発明では、上下方向に貫通し、上下方向中間部に内径を拡大された係合部11dを形成された空洞部11a、及び前記空洞部11aに並行して下端から穿設され、上端側で前記空洞部11aとの間に切欠き部11gを形成された縦孔11fを有し、マンホールの蓋30の縦孔に嵌挿されて当該蓋30に固着される筒状本体部11と、上面に工具により回転操作するための操作凹溝13aを有し、前記筒状本体部11の空洞部11aの下端側に回転可能に挿着される出力シャフト部材13と、前記出力シャフト部材13の下端部に当該出力シャフト部材13と一体に回動可能に固着され、マンホールの固定受枠31側の受部32に係脱されるロック部材14と、前記筒状本体部11の縦孔11fに上下動可能に挿通される軸部材12、及び前記ロック部材14の上面に前記軸部材12の下端が摺動可能に円周状に、かつ、前記ロック部材14が前記受部32に係合する位置で前記軸部材12を下げる方向に作用する最深部14eと前記ロック部材14が前記受部32から外れた位置で前記軸部材12を上げる方向に作用する先端14fとを有し、前記最深部14eから前記先端14fに向けて上昇する傾斜面状に形成され、前記出力シャフト部材13の回転操作による前記ロック部材14の回動により、前記軸部材12を上下動する摺動溝14dと、前記筒状本体部11の空洞部11aに所定の深さに挿着され、上端側に前記筒状本体部11の切欠き部11gに嵌合可能な凸部15bを有し、下端側に鍵の操作により前記空洞部11aの係合部11dに係脱可能なロックプレート15cを有するシリンダー錠ユニット15と、を備え、前記出力シャフト部材13を工具により回転させて前記ロック部材14を前記受部32から外したときに、前記ロック部材14の摺動溝14dが前記軸部材12を上方に押し上げ、前記軸部材12の上端が前記シリンダー錠ユニット15の凸部15bに当接して、前記シリンダー錠ユニット15が前記筒状本体部11の空洞部11aに所定の深さまで挿着されることが妨げられることにより、鍵の操作による施錠を不可能にする、ことを特徴とするマンホール蓋用施錠装置10が提供される。
図3(a)〜(d)は、それぞれ筒状本体部11の上面図、A−A線に沿った断面図、B−B線に沿った断面図、C−C線に沿った断面図である。
筒状本体部11には、出力シャフト部材13及びシリンダー錠ユニット15を挿着するための貫通孔(空洞部)11aが中央に形成されている。貫通孔11aは、それぞれ内径が異なるキャップ受部11b、上部区間11c、拡径部(係合部)11d及び下端区間11eを有する。キャップ受部11bは、キャップ16を嵌め込むために上端開口が段状に切り欠かれ、上部区間11cはシリンダー錠ユニット15が挿着され、拡径部11dは上部区間11cよりも内径が大きく形成され、下端区間11eは上部区間11cよりも内径が若干小さく形成されている。
筒状本体部11の下端からは、縦孔11fが貫通孔11aに並行するように穿設される。縦孔11fの上端は、内周側の半分程度がキャップ受部11bに貫通し、外周側の半分程度が筒状本体部11の上端肉厚部分で覆われ、内周側に切欠き部11gが形成されている。縦孔11dの中間部は拡径部11eを貫通し、縦孔11dの下端11hは上端付近よりも内径が若干大きく形成されている。
この縦孔11fには、図3(e)のインジケーターピン12が上下動可能なように挿着されている。インジケーターピン12は、図3(e)のように上昇したときにも、縦孔11fの上端開口の半分程度が筒状本体部11の上端肉厚部分で覆われているため、縦孔11fから上方に抜け出ることが抑止される。インジケーターピン12は、図4(e)に示したように、その下端12aがロック部材14上を摺動し易いように球面状に形成されている。
また筒状本体部11の外周面には段差部11iが形成され、この段差部11iには、図
1に示したように、Oリング17と固定リングワッシャー18が設けられる。
出力シャフト部材13は、図4に示したように、上端に平面形状が六角形の操作凹溝13aが形成されたフランジ部13bを有し、中間部13cは円柱状に形成され、下端部13dには螺子山が刻設されて両側に縦溝13eが形成され、中央には材軸方向に延びる貫通孔13fが設けられている。この出力シャフト部材13は、図1に示したように筒状本体部11の貫通孔11aに挿着され、フランジ部13bが拡径部11dに係合し、中間部13cが筒状本体部11の下端区間11eに挿通され、下端部13dにはロック部材14が挿通され、皿バネ座金19を介してナット20で固定されている。
操作凹溝13aは、ここに工具を嵌めて、出力シャフト部材13を回転操作するためのものである。また中間部13cは円柱状に形成され、螺子山が刻設されていないものであるため、筒状本体部11の貫通孔11aの下端区間11eにおいて、回動可能となっている。
ロック部材14には貫通孔14aが形成され、この貫通孔14aには係合凸部14bが突設されている。この貫通孔14aは、前述の出力シャフト部材13の下端部13dを貫挿させるための部位であり、係合凸部14bが出力シャフト部材13の縦溝13eに嵌合し、これにより出力シャフト部材13とロック部材14とは一体になって回動し、両部材13,14の空回りを防止することが可能になる。ロック部材14の上面14cは平らに形成され、この上面14aに摺動溝14dが形成される。この摺動溝14dは、最も深く刻設された最深部14eから、先端14fに向けて上昇する傾斜面14gが円周状に延びており、先端14fは上面14aとほぼ同じレベルとなっている。摺動溝14dには、図1(a)に示したように、インジケーターピン12の下端12aが当接しており、ロック部材14を正逆方向に回動させるときには、傾斜面14gがインジケーターピン12の下端12aに摺動するものであるため、インジケーターピン12は押し上げたり、下げられたりする。最も押し上げられた状態が図1(b)に図示されている。
またロック部材14の裏側には、貫通孔14aの周りに薄肉凹部14gが形成され、この薄肉凹部14gが、皿バネ座金19やナット20の収容空間になる。ロック部材14において、薄肉凹部14gが形成されていない部位14hは、マンホールの固定受枠31側の受部32に係合するロック係合部14hとして機能するものである。
シリンダー錠ユニット15は、円筒状のケーシング15aの上端近傍に凸部15bが突設され、ケーシング15aの下端近傍にロックプレート15cが突出可能に設けられ、鍵穴15dに鍵(図示せず)を挿入して回すことにより、図6(b)のようにロックプレート15cがケーシング15aから突出したり、図6(c)のようにロックプレート15cが引込むように構成されたものである。
かようなシリンダー錠ユニット15は、図1(a)に示したように、筒状本体部11の貫通孔11aに挿着されたとき、ケーシング15aと貫通孔11aの上部区間11cとの間にクリアランスがほとんど無く、シリンダー錠ユニット15の凸部15bは縦孔11dの切欠き部11gに嵌り込み、ロックプレート15cは拡径部11dに係合し、シリンダー錠ユニット15が上方に抜き取り不可能になる。一方、図1(b)のように、シリンダー錠ユニット15のロックプレート15cが拡径部11dに位置していないときには、ロックプレート15cは突出させることができず、つまり、鍵穴15dに挿入した鍵を回すことはできない。
図2に示したように、ロック部材14がマンホールの固定受枠31側の受部32に係合して施錠されているときには、マンホール蓋用施錠装置10は、図1(a)の状態になっている。
すなわち、インジケーターピン12の下端12aがロック部材14の摺動溝14dの最深部14eに接触し、インジケーターピン12は最も下方に位置しており、筒状本体部11の縦孔11fの上端には若干隙間ができている。この隙間により、シリンダー錠ユニット15の凸部15bは、縦孔11fの切欠き部11gに嵌合し、シリンダー錠ユニット15は図1(a)の高さまで筒状本体部11の貫通孔11aに挿着される。
このとき、シリンダー錠ユニット15は、下端が出力シャフト部材13の上端に接触するか、あるいは、シリンダー錠ユニット15の凸部15bがインジケーターピン12の上端に接触することにより、図1(a)の高さに保持されており、ケーシング15aから突出したロックプレート15cは拡径部11dに係合し、シリンダー錠ユニット15は上方に抜き取り不可能になる。したがって、正当な権限者以外の者がキャップ16を外したとしても、シリンダー錠ユニット15は外すことができず、出力シャフト部材13を回転操作することも不可能であり、マンホールの蓋30を開くことはできない。
すなわち、インジケーターピン12の下端12aは、ロック部材14の摺動溝14dの先端14fに接触し、インジケーターピン12は最も上方に位置しており、インジケーターピン12の上端は筒状本体部11の縦孔11fの上端まで達し、ここには、図1(a)と比較してほとんど隙間がない。このとき、シリンダー錠ユニット15を筒状本体部11内に挿入すると、その凸部15bがインジケーターピン12の上端に接触し、図1(b)の状態よりも下方に入れることはできない。このように、シリンダー錠ユニット15を筒状本体部11へ完全に挿着できないことから、作業をしている者は、ロック部材14がマンホールの固定受枠31側の受部32から外れていることが判る。
たとえ、作業者がこの状態を見逃したとしても、シリンダー錠ユニット15が、図1(b)の高さで止まっているときには、ロックプレート15cは、筒状本体部11の上部区間11cにあるため、ケーシング15aの外側に突出させることができず、シリンダー錠ユニット15の鍵穴15dに挿入した鍵は回すことができない。このことから、作業をしている者は、ロック部材14がマンホールの固定受枠31側の受部32から外れているか否かについて容易に判別することが可能になる。
したがって、たとえ、交通振動等が激しい場所においても、ロック部材14が誤って回動してしまい、マンホール蓋を開放可能にしてしまうことは防止することができる。
11 筒状本体部
11a 貫通孔(空洞部)
11d 拡径部(係合部)
11f 縦孔
12 インジケーターピン(軸部材)
13 出力シャフト部材
13a 操作凹溝
13d 下端部
14 ロック部材
14d 摺動溝
15 シリンダー錠ユニット
16 キャップ
30 マンホールの蓋
31 固定受枠
32 受部
Claims (2)
- 上下方向に貫通し、上下方向中間部に内径を拡大された係合部を形成された空洞部、及び前記空洞部に並行して下端から穿設され、上端側で前記空洞部との間に切欠き部を形成された縦孔を有し、マンホールの蓋の縦孔に嵌挿されて当該蓋に固着される筒状本体部と、
上面に工具により回転操作するための操作凹溝を有し、前記筒状本体部の空洞部の下端側に回転可能に挿着される出力シャフト部材と、
前記出力シャフト部材の下端部に当該出力シャフト部材と一体に回動可能に固着され、マンホールの固定受枠側の受部に係脱されるロック部材と、
前記筒状本体部の縦孔に上下動可能に挿通される軸部材、及び前記ロック部材の上面に前記軸部材の下端が摺動可能に円周状に、かつ、前記ロック部材が前記受部に係合する位置で前記軸部材を下げる方向に作用する最深部と前記ロック部材が前記受部から外れた位置で前記軸部材を上げる方向に作用する先端とを有し、前記最深部から前記先端に向けて上昇する傾斜面状に形成され、前記出力シャフト部材の回転操作による前記ロック部材の回動により、前記軸部材を上下動する摺動溝と、
前記筒状本体部の空洞部に所定の深さに挿着され、上端側に前記筒状本体部の切欠き部に嵌合可能な凸部を有し、下端側に鍵の操作により前記空洞部の係合部に係脱可能なロックプレートを有するシリンダー錠ユニットと、
を備え、
前記出力シャフト部材を工具により回転させて前記ロック部材を前記受部から外したときに、前記ロック部材の摺動溝が前記軸部材を上方に押し上げ、前記軸部材の上端が前記シリンダー錠ユニットの凸部に当接して、前記シリンダー錠ユニットが前記筒状本体部の空洞部に所定の深さまで挿着されることが妨げられることにより、鍵の操作による施錠を不可能にする、
ことを特徴とするマンホール蓋用施錠装置。 - 前記ロック部材が前記受部に係合し、前記シリンダー錠ユニットが前記筒状本体部の空洞部に所定の深さまで挿着されて、前記ロックプレートが前記筒状本体部の係合部に係合しているときに、前記軸部材は下端が前記ロック部材上面の摺動溝の最深部に当接し、上端が前記シリンダー錠ユニットの凸部に接触して、前記軸部材の上下動及び前記ロック部材の回動を規制する請求項1に記載のマンホール蓋用施錠装置。
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