JP4322742B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、像担持体に形成された静電潜像を可視像に現像する現像装置に関する。
像担持体の表面に現像剤を供給する現像装置は、現像剤を収容するための現像剤収容部を備えている。現像剤収容部内の現像剤は、適当に攪拌された後に、現像ローラを介して像担持体の表面に現像剤を供給する。
ところが、現像剤収容部内の現像剤が凝固して塊が形成されると、像担持体への現像剤の供給に支障を来すことがあった。現像剤の凝固の原因の一つとして、現像剤収容部内に多量の現像剤が滞在することが挙げられる。
そこで、従来技術の中には、現像剤収容部内に現像剤を搬送する攪拌搬送部材の回転軸にトルクリミッタを接続し、この回転軸にかかる負荷が大きいときには自動的に攪拌搬送部材の回転が停止する構成を有する現像剤補給装置がある。このような構成によれば、現像剤収容部内に多量の現像剤が滞在することを防止し、現像剤の凝固の発生を防止できる、とされていた。
特開平3−67283号公報
しかしながら、上述の特許文献1にかかる現像剤補給装置では、実際に現像剤収容部内に現像剤の凝固が生じた場合の対策が講じられていない。このため、現像剤収容部内の現像剤が凝固した場合には、攪拌部材が過負荷によりロックされ、装置が適正に動作しないという不都合が生じることがあった。
一般的に、現像剤収容部内の現像剤が凝固を防止するために、ユーザが現像剤収容部をよく振ってから使用することが推奨されているが、この手法だとユーザの手を煩わせることになる。
また、強力なモータを用いて攪拌部材を回転させることで現像剤をほぐすことは可能であるが、モータの出力トルクが大きくなるにつれてコストが大きくなるという不都合があった。
この発明の目的は、モータの出力トルクを効果的に使用することにより、現像剤収容部内においてロック状態の回転体を回転させ易くする現像装置を提供することである。
この発明は以下の構成を備えている。
(1)現像剤が収容される現像剤収容部と、
回転駆動力を供給する駆動モータと、
前記現像剤収容部の内部で回転自在に支持された複数の回転体と、
前記駆動モータの前記回転駆動力を複数の前記回転体に伝達するために複数の前記回転体にそれぞれ対応して設けられた複数の回転伝達手段であり、前記回転体の回転軸を中心とする円弧状に形成された溝を有する第1の部材と前記溝内で周方向に移動自在にされた突起部を有する第2の部材とを有し、前記第1の部材および前記第2の部材が互いに当接することにより前記回転駆動力を複数の前記回転体にそれぞれ伝達させる複数の前記回転伝達手段と、
を備え、
複数の前記第1の部材にそれぞれ形成された前記溝の周方向の長さは互いに異なるように設けられていることを特徴とする
本発明に係る現像装置は、現像剤収容部、回転体、駆動モータ、および回転伝達手段を備えている。回転体は、駆動モータから供給される回転駆動力によって現像剤収容部の内部で回転する。回転体の例として、現像剤を攪拌する攪拌部材や、攪拌された現像剤を像担持体に供給する現像ローラが挙げられる。
駆動モータと回転体とは回転伝達手段を介して接続される。回転伝達手段は、駆動モータが所定量回転した後に駆動モータの回転駆動力を回転体に伝達する。これは、現像剤収容部内の現像剤の収容状態によって回転体を回転させるのに大きなトルクが必要になることを考慮したものである。回転伝達手段が駆動モータを所定量空転させることにより、駆動モータがある程度加速したときに、回転体を回転させるための負荷が駆動モータに加えられる。この結果、駆動モータの出力トルクを大きくしなくても、この回転体を回転させ易くなる。
この構成においては、回転伝達手段が互いに当接する第1の部材および第2の部材を含んでいる。第1の部材は、回転体の回転軸の同心円上に円弧状に形成される溝を有している。第2の部材は、第1の部材に形成された溝内で移動自在な突起部を有している。
溝は周方向の長さが所定長さになるように形成される。溝の周方向の長さは、駆動モータが回転体からの負荷を受けずに回転する距離に相当する。このため、溝の周方向の長さが大きくなるにつれて駆動モータを加速させ易くなり、負荷に抗して回転体を回転させ易くなる。
この構成においては、複数の回転体における各回転体に対応する第1の部材の溝の周方向が互いに異なるように形成されている。このように溝の周方向の長さを異ならせるのは、各回転体の負荷が同時に駆動モータに加わらないようにするためである。
)前記駆動モータが、選択的に正回転および逆回転することを特徴とする。
この構成においては、駆動モータの回転方向が正回転方向または逆回転方向のいずれかに切換自在になっている。
)前記溝の周方向の端部に、弾性部材を配設したことを特徴とする。
この構成においては、回転伝達手段の第1の部材に形成された溝の周方向の端部に弾性部材が配設される。
)前記複数の回転体には、前記現像剤を攪拌する攪拌部材と、前記攪拌部材により攪拌された現像剤を像担持体に供給する現像ローラと、が含まれており、
前記現像ローラの回転軸と前記駆動モータとの間に配置される回転伝達手段における第1の部材に形成される溝の周方向の長さが最も長いことを特徴とする。
この構成においては、複数の回転体における各回転体に対応する第1の部材の溝の周方向が互いに異なるように形成されており、現像ローラに接続される第1の部材の溝の周方向の長さが最大に設定される。これは、駆動モータからの回転駆動力が現像ローラに最も遅れて伝達するようにするためである。
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)駆動モータの出力トルクを効果的に使用することにより、現像剤収容部内においてロック状態の回転体を回転させ易くすることができる。駆動モータと回転体との間に簡易な構成の部材を介在させるだけで、駆動モータの出力トルクをより効果的に使用することができる。同時に大きな負荷が駆動モータに伝わることを防止できる。
)駆動モータを逆回転させることにより、駆動モータの空転距離を稼ぐことができる。
)回転体の負荷が駆動モータに伝わる際の衝撃を吸収し易くなる。
)同時に現像ローラや攪拌部材からの負荷が駆動モータに伝わることを防止できる。また、現像ローラが逆回転しにくくなるため、現像剤収容部から現像剤が漏れにくくなる。
以下、図を用いて本発明の現像装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明の現像装置が適用される画像形成装置100を概略構成を示す図である。
画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成プロセスを経て用紙に画像を形成する。画像形成装置100は、底部に給紙カセット102,103を備え、上部に排紙トレイ104を備える。給紙カセット102,103と排紙トレイ104との間に用紙搬送路F1が設けられる。用紙搬送路F1の近傍に感光体ドラム105が配置される。
感光体ドラム105の周囲に、帯電装置106、光走査ユニット107、現像ユニット108、転写装置109、クリーニングユニット110、および図示しない除電装置が配設される。帯電装置106は、感光体ドラム105の外周面を所定の電位に帯電させる。光走査ユニット107は、外部から入力された画像データに基づいて感光体ドラム105の外周面に静電潜像を形成する。現像ユニット108は、感光体ドラム105の外周面上にトナーを供給して静電潜像を可視化し、トナー像を形成する。
感光体ドラム105より用紙の搬送方向の上流側にレジストローラ111が配置される。レジストローラ111は、感光体ドラム105と転写装置109との間の転写位置に用紙を供給するタイミングを調整する。感光体ドラム105より下流側に定着装置112が配置される。定着装置112は、用紙に転写されたトナー像を、熱と圧力により用紙に定着させる。
画像形成装置100は、一方の面に画像を形成された用紙の裏面にも画像を形成するため、用紙の表裏を反転させて転写位置に搬送する反転搬送路F2を備える。さらに、画像形成装置100は、給紙カセット102,103と転写位置との間で用紙搬送路F1に合流する用紙搬送路F3を備える。用紙搬送路F3は、略水平に設けられる。用紙搬送路F3は、画像形成装置100の側面に設けられる手差しトレイ113、および、外部装置から供給される用紙を受け入れる用紙受入部114、に通じており、手差しトレイ113または用紙受入部114から供給された用紙を転写位置に搬送する。
図2は、画像形成装置100の主要部の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU150、RAM151、ROM152、画像処理部153、画像形成部154、シート搬送部155を備えている。RAM151は、不揮発性メモリであり、一時的なデータ格納に使用される。ROM152は、画像形成装置100の動作に必要なプログラムを格納している。画像処理部153は、入力される画像データに対して所定の手順による画像処理を実行する。画像形成部154は、画像処理部153から受け取った画像データに基づいて用紙に対する画像形成処理を実行する。画像形成部154には、駆動モータ8およびクラッチ9が含まれている。シート搬送部155は、画像形成部154に対して用紙の搬送を行う。
図3は、現像ユニット108の概略構成を示す図である。現像ユニット108は、現像剤を収容する現像剤収容部13を備えている。現像剤収容部13における感光体ドラム105側に開口部が形成されている。この開口部には、現像剤収容部13内の現像剤を感光体ドラム105に供給するための現像ローラ11が配設される。現像剤収容部13内には、収容される現像剤を攪拌するための攪拌ローラ10,12が配設される。本実施形態では、現像ローラ11および攪拌ローラ10,12によって本発明の回転体が構成される。
図4は、現像ユニット108の概略構成を示す平面図である。攪拌ローラ12の回転軸3Aの一端に回転伝達部材1Aが取り付けられる。同様に、攪拌ローラ10の回転軸3Bの一端に回転伝達部材1Bが取り付けられ、現像ローラ11の回転軸3Cの一端に回転伝達部材1Cが取り付けられる。
駆動モータ8は、回転方向が正逆切換自在のモータである。駆動モータ8にはクラッチ9が接続されており、駆動モータ8の回転駆動力はクラッチ9を介してギア2Aに伝達する。ギア2Aはギア2Bと噛み合っており、ギア2Bはさらにギア2Cと噛み合っている。このため、駆動モータ8の回転駆動力はクラッチ9を介してギア2A、ギア2B、およびギア2Cのそれぞれに伝達する。
本実施形態では、ギア2Aと回転軸3Aとの間に回転伝達部材1Aが介在しており、ギア2Bと回転軸3Bとの間に回転伝達部材1Bが介在しており、ギア2Cと回転軸3Cとの間に回転伝達部材1Cが介在している。
図5は、ギア2(2A〜2C)と回転伝達部材1(1A〜1C)との接続状態を示す図である。ギア2と回転伝達部材1とは、図5(C)に示すように互いに当接している。回転伝達部材1におけるギア2との当接面には溝4(4A〜4C)および溝5(5A〜5C)が形成される。溝4,5は、回転軸3(3A〜3C)の回転中心を中心とする円弧状を呈している。溝4A,4B,4Cの周方向の長さは互いに異なっており、溝4Cが最も長く、溝4Bがその次に長く、溝4Aが最も短くなっている。同様に、溝5A,5B,5Cの周方向の長さは互いに異なっており、溝5Cが最も長く、溝5Bがその次に長く、溝5Aが最も短くなっている。溝4,5の周方向の両端部には図示しない弾性部材が配設されている。溝4,5の深さについては後述する突起6,7が十分に嵌まり込む深さがあれば良く、回転伝達部材1を貫通するように溝4,5が形成されていても良い。
一方で、ギア2には、突起6(6A〜6B)および突起7(7A〜7C)が形成される。突起6(6A〜6B)は溝4に緩やかに嵌まり込む形状を呈しており、突起7(7A〜7C)は溝5に緩やかに嵌まり込む形状を呈している。
ギア2に形成された突起6(6A〜6B)、突起7(7A〜7C)が、回転伝達部材1の溝4、溝5の周方向におけるギア2の進行方向側の端部に対して周方向の力を加えることにより、ギア2から回転軸3に回転駆動力が伝達する。
現像ユニット108では、動作が停止するときに、駆動モータ8を反転させて、突起6,7と溝4,5におけるギア2の進行方向側の端部とが離される。このとき、溝4,5の周方向の両端部には図示しない弾性部材からの力によって、突起6,7が溝4,5におけるギア2の進行方向側の端部から離れ易くなる。このように、駆動モータ8を空転させる準備を行うことにより、駆動モータ8に回転軸3からの負荷が加えられる前に駆動モータ8を空転させることが可能になる。この空転の準備作業は、新品のトナーカートリッジが装着されたとき、画像形成装置100の電源投入時、または処理中断後の運転再開時に行うと良い。
従来、駆動モータ8を起動する際の出力トルクが、駆動モータ8自身の加速と、回転軸3の回転駆動を両方に使用されていたが、本実施形態では、溝4,5を利用して駆動モータ8が負荷が係る前に駆動モータ8を加速することにより、駆動モータ8の出力トルクをより効率的に利用して回転軸3を駆動することができる。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の現像装置が適用される画像形成装置を概略構成を示す図である。 画像形成装置の主要部の概略構成を示すブロック図である。 現像ユニットの概略構成を示す図である。 現像ユニットの概略構成を示す平面図である。 ギアと回転伝達部材との接続状態を示す図である。
符号の説明
1(1A〜1C)−回転伝達部材
2(2A〜2C)−ギア
3(3A〜3C)−回転軸
4,5−溝
6,7−突起
8−駆動モータ
9−クラッチ
10−攪拌部材
11−現像ローラ
12−攪拌部材

Claims (4)

  1. 現像剤が収容される現像剤収容部と、
    回転駆動力を供給する駆動モータと、
    前記現像剤収容部の内部で回転自在に支持された複数の回転体と、
    前記駆動モータの前記回転駆動力を複数の前記回転体に伝達するために複数の前記回転体にそれぞれ対応して設けられた複数の回転伝達手段であり、前記回転体の回転軸を中心とする円弧状に形成された溝を有する第1の部材と前記溝内で周方向に移動自在にされた突起部を有する第2の部材とを有し、前記第1の部材および前記第2の部材が互いに当接することにより前記回転駆動力を複数の前記回転体にそれぞれ伝達させる複数の前記回転伝達手段と、
    を備え、
    複数の前記第1の部材にそれぞれ形成された前記溝の周方向の長さは互いに異なるように設けられていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記駆動モータが、選択的に正回転および逆回転することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記溝の周方向の端部に、弾性部材を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記複数の回転体には、前記現像剤を攪拌する攪拌部材と、前記攪拌部材により攪拌された現像剤を像担持体に供給する現像ローラと、が含まれており、
    前記現像ローラの回転軸と前記駆動モータとの間に配置される回転伝達手段における第1の部材に形成される溝の周方向の長さが最も長いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
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