JP4322513B2 - デカンタ型遠心脱水装置および該装置を用いた遠心脱水方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥等の被処理物を脱水するためのデカンタ型遠心脱水装置および該装置を用いた遠心脱水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デカンタ型遠心脱水装置は、円筒状をなして中心軸線回りに回転可能に支持される回転ボウルと、この回転ボウル内に同軸的に配置されて該回転ボウルと差速をもって同方向に回転可能に支持されるスクリュウコンベアとを備え、これらスクリュウコンベアと回転ボウルとの間の環状空間に供給された被処理物を上記回転ボウルの遠心力によって固液分離して、そのうち固形分を上記スクリュウコンベアによって上記軸線方向に搬送して排出し、またこの固形分から分離された分離液は別に分離液の排出路を通して排出するものである。そして、このようなデカンタ型遠心脱水装置としては、例えば特許第2720373号公報や特許第3032283号公報、あるいは実公平5−20445号公報や特開平1−127063号公報に記載されたものが従来提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このうち特許第3032283号公報や特開平1−127063号公報記載の装置にあっては、分離液の排出路が上記軸線から径方向に離れた回転ボウルの外周側に開口させられていて、回転ボウルの回転による遠心力によって該分離液に与えられた運動エネルギーがこの分離液の排出とともに失われてしまうため、エネルギー損失が大きく、当該装置を駆動するための消費動力が大きくなってしまう。一方、特許第2720373号公報記載の装置は、被処理物を濃縮して濃縮液と分離液とに分離する装置であって、濃縮液の排出口がスクリュウコンベアのシャフトを通して上記軸線上に設けられるとともに、回転ボウルの内周からこの排出口への濃縮液の排出路が上記軸線に垂直な方向に延びており、液分の多い濃縮液は搬送可能であるものの、このような装置で比重の大きな下水汚泥を脱水して水分の少ない固形分を分離したとすると、これを遠心力に抗しながら上記排出路を通して軸線に垂直に内周側に搬送するのは困難となる上、排出口の内径を大きくしなければ詰まりを生じてしまうため、スクリュウコンベアのシャフトの径なども大きくしなければならず、これに伴いシャフトを回転可能に支持するためのベアリング等も大きくなるなど、装置の大型化を招いたり設計上無理が生じたりするおそれがある。また、実公平5−20445号公報に記載のものも同様に濃縮装置であって、上記軸線方向の一端側から環状空間に被処理物を供給して他端側へ搬送するうちに固液分離を行い、こうして分離された濃縮液と分離液とを、他端側に軸線に沿って設けられた二重管構造の排出路を通してそれぞれ排出するものであるため、これを被処理物の脱水に適用しようとすると、固形分を排出するにはこの二重管の径が大きくなることが避けられないとともに、固形分と分離液とがそれぞれの排出路に至るまではこれらが混濁した状態であるため、十分な脱水を行うことができなくなってしまう。
【0004】
本発明は、このような背景の下になされたもので、被処理物を脱水して固形分と分離液とに固液分離するデカンタ型遠心脱水装置において、消費動力の抑制を図ることは勿論、装置の大型化や無理な設計を強いることなく、しかも高い脱水効率を得ることを可能とし、またこのような装置を用いて、効率の良い被処理物の脱水を行うことが可能な脱水方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のデカンタ型遠心脱水装置は、一端側内周部が先細り状に傾斜させられた外形略円筒状をなして中心軸線回りに回転可能に支持される回転ボウルと、この回転ボウル内に同軸的に配置されて該回転ボウルと差速をもって同方向に回転可能に支持されるスクリュウコンベアとを備え、上記回転ボウルがなす円筒の両端は上記軸線を中心とした円環板状の端壁部によって閉塞されており、これらスクリュウコンベアと回転ボウルとの間の環状空間に上記軸線方向中央部から供給した被処理物を上記回転ボウルの遠心力によって固液分離しつつ、分離された固形分を上記スクリュウコンベアによって上記一端側に搬送して上記環状空間の一端側を閉塞する上記軸線を中心とした円環板状の端壁部に開口した固形分排出口から排出可能とするとともに、この固形分排出口には上記軸線方向一端側と他端側とに進退可能とされて上記端壁部との間の間隔を調整することにより上記固形分排出口からの上記固形分の排出量を調整可能な弁体を、上記回転ボウルの一端側の軸端部の外周に取り付けられて該回転ボウルの外部に配設されるように設ける一方、上記被処理物から分離された分離液は上記軸線方向他端側において上記環状空間の内周側に開口した分離液流路から排出するように構成し、さらに上記環状空間内のスクリュウシャフトの上記一端側の部分に、この一端側に向かうに従い外径が漸次縮径する上記軸線を中心とした円錐台状のコーン状部を形成したことを特徴とする。従って、このような構成のデカンタ型遠心脱水装置においては、まず被処理物が上記軸線方向中央部から環状空間に供給されて、分離された固形分は一端側へ搬送されて排出される一方、分離液は他端側から排出されるため、被処理物を効率よく固液分離することができるとともに、この一端側では回転ボウルの内周部が先細り状に傾斜させられているため、固形分を円滑に内周側に搬送して固形分排出口から排出することができ、しかもこの固形分排出口は上記環状空間の一端側に開口していて、すなわちスクリュウコンベアの外周側であるため、そのシャフトの径を大きくしたりする必要もない。そして、さらに上記環状空間内のスクリュウシャフトの上記一端側の部分に、この一端側に向かうに従い外径が漸次縮径する上記軸線を中心とした円錐台状のコーン状部が形成されることにより、固形分が排出される上記一端側において環状空間の断面積をより小さくすることができるので、被処理物から固液分離された固形分を一層確実に圧縮してさらに効率的な脱水を図ることができる。一方、分離液が排出される流路は環状空間内周側に開口しているので、遠心力による大きな運動エネルギーをもったまま分離液が排出されるのも防ぐことができる。
【0006】
さらに、上記固形分排出口には、固形分の排出量を調整可能な弁体が設けられているので、この弁体によって固形分排出量を調整することにより、例えば上記環状空間の一端側に固形分を滞留せしめて圧縮し、一層の脱水効率の向上を図ったりすることができる。また、本発明の遠心脱水方法は、このような構成のデカンタ型遠心脱水装置を用いたものであって、上記環状空間に上記被処理物を供給してから分離された固形分が上記一端側に蓄積されるまで上記弁体によって上記固形分排出口を閉塞し、しかる後にこの弁体によって排出量を調整しつつ上記固形分排出口を開口して固形分を排出するものであり、こうして環状空間の一端側に固形分を蓄積して上述のように圧縮することにより、当該装置の運転中は常に環状空間の一端側に固形物の滞留層が形成されるようにしておいて効率的な脱水を図ることができる。なお、メインテナンス時の分解整備などを考慮すると、上記弁体は回転ボウルの外部に設けられるのが望ましい。また、上記分離液流路にも、該流路から排出される分離液の排出量を調整可能な調整手段を付設して、脱水効率を制御するようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を説明する上での参考例を示すものである。この参考例において回転ボウル1は水平に配置される軸線Oを中心とした概略円筒状をなしており、ただしその一端側(図1において左側)の部分は、この一端側に向かうに従い漸次縮径するコニカル状(円錐状)をなしていて、これにより該回転ボウル1の一端側内周部は先細り状に傾斜させられた縮径部1aとされている。なお、本参考例では、この回転ボウル1一端側の縮径部1aの軸線O方向の長さは、この回転ボウル1が円筒状をなす他端側の直胴部1bの長さに比べて短くされている。また、この回転ボウル1がなす円筒の両端は、軸線Oを中心とした円環板状の端壁部1c,1dによって閉塞されているとともに、これらの端壁部1c,1dの内周部からは、軸線Oを中心とした略円筒状の軸端部2,3がそれぞれ軸線O方向外側に向けて延びるように設けられており、このうち一端側の端壁部1cにおいて軸端部2の外周側に固形分排出口4が形成されている。そして、これらの軸端部2,3はベアリング等の軸受5,5に取り付けられるとともに、そのうち他端側(図1において右側)の軸端部3にはプーリ3aが設けられていて、このプーリ3aがモータ等の回転手段6にベルト6a等で連結されることにより、回転ボウル1はその上記軸線O回りに回転可能に支持されている。
【0008】
また、この回転ボウル1内には、上記軸線Oと中心軸を同軸にしてスクリュウコンベア7が配置されている。このスクリュウコンベア7は、回転ボウル1の円筒状とされた上記軸端部2,3の内周にベアリング等の軸受8,8を介して液密かつ回転ボウル1に対して相対的に回転自在に貫挿されたスクリュウシャフト7aと、このスクリュウシャフト7aの外周部に上記軸線O回りに捩れる螺旋状に設けられたスクリュウ羽根7bとから構成されており、スクリュウシャフト7aの両端部は上記軸端部2,3から軸線O方向外側に突出して、このうち他端側の端部がモータ等の回転手段9に連結されることにより、当該スクリュウコンベア7は、やはり軸線O回りに回転ボウル1と同じ回転方向へ、しかしながら僅かの差速をもって回転可能に支持されている。さらに、上記スクリュウ羽根7bの外径は、回転ボウル1の内周部との間に僅かな隙間が形成される程度とされていて、この回転ボウル1の内周部とスクリュウコンベア7との間に、上記スクリュウ羽根7bの部分を除いて概略肉厚の円筒状をなし、ただし上記一端側では縮径部1aによって外径が縮径するようにされた環状空間Cが、軸線Oを中心として該軸線O方向に延びるように画成されることとなる。なお、上記スクリュウ羽根7bの捩れの方向は、スクリュウコンベア7を回転させた際に、この環状空間に供給された被処理物Pから固液分離された固形分Sが上記一端側に向かう方向とされている。そして、この参考例では、上記環状空間Cの内周部を画成する上記スクリュウシャフト7aの回転ボウル1に配された部分の外径は、軸線O方向に沿って一定とされている。
【0009】
さらにまた、このスクリュウコンベア7の上記スクリュウシャフト7aはその他端側が中空状とされていて、この中空部が下水汚泥等の上記被処理物Pの供給路10とされており、この供給路10は上記環状空間Cの軸線O方向略中央部において外周側に曲折してスクリュウシャフト7a外周に開口させられている。また、このスクリュウシャフト7aの他端側には、被処理物から分離された分離液Lを排出する分離液流路11が設けられており、この流路11は、スクリュウシャフト7aの外周、すなわち当該環状空間Cの内周側に開口させられて内周側に延びた後、上記供給路10に達しないところでL字状に曲折させられて軸線Oに平行に他端側に延び、該軸線O方向において回転ボウル1の上記軸端部3と回転手段9との間に形成されたスクリュウシャフト7の段部において他端側に向けて開口されている。なお、この流路11の他端側の開口端の周りはカバー12によって覆われているとともに、上記段部よりも他端側のスクリュウシャフト7a外周には、軸線Oに沿った断面が一端側に向けて先細りとなる三角形とされたリング状の弁体13が、流路11の開口端に対向して図示されない駆動手段により軸線O方向に進退可能に外装されており、この参考例における分離液Lの排出量の調整手段とされている。
【0010】
一方、上記回転ボウル1の一端側の軸端部2の外周には、この一端側の上記端壁部1cとの間に間隔をあけてフランジ部2aが環状に突設されるとともに、このフランジ部2aの周りには、軸線Oに沿った断面がフランジ部2aを取り囲むように内周側に開口する「コ」字型をなすリング状の弁体14が、その内周部を軸端部2の外周に液密に密着させ、かつ上記「コ」字型断面によってこの内周部に画成された凹部の内周面をフランジ部2aの外周部にやはり液密に密着させて取り付けられている。従って、この弁体14は回転ボウル1の外部に配設されることとなる。ここで、この弁体14の上記凹部の軸線O方向の幅はフランジ部2aの厚さよりも大きくされていて、これにより当該弁体14は、軸端部2に液密に密着した状態を維持したまま軸線O方向に進退可能とされ、かつこのとき上記凹部内のフランジ部2aを挟んで一端側と他端側とに液密な圧力室14a,14aが画成される。
【0011】
そして、上記フランジ部2aには、これらの圧力室14a,14aに臨んでその両端面に圧力流体路15,15が開口させられており、これらの圧力流体路15,15は、フランジ部2aから軸端部2の内周側に延びてスクリュウシャフト7a内に達した後、該スクリュウシャフト7aの一端側に延びて図示されない圧力流体供給源に接続されている。従って、この供給源から流体路15,15を通して一方の圧力室14aに作動油等の圧力流体を供給するとともに、他方の圧力室14aからは圧力流体を抜き出すことにより、上記弁体14は軸線O方向一端側と他端側とに進退可能とされ、このうち他端側に前進させられた状態では当該弁体14が回転ボウル1の上記端壁部1cに密着することにより、この端壁部1cに形成された上記固形分排出口4が閉塞可能とされる一方、これよりも弁体14を他端側に後退させることによって上記排出口4が解放されて固形分Sが排出可能とされ、しかもその排出量は、上記供給源による圧力室14a,14aへの圧力流体の供給量を調節することにより、調整可能とされる。なお、こうして進退可能とされた弁体14のさらに一端側から他端側の上記端壁部1dの他端側までの間には、上記軸受5,5間に位置するようにカバー16が設けられて、回転ボウル1の回転に干渉しないように該回転ボウル1を被覆している。
【0012】
このように構成されたデカンタ型遠心脱水装置においては、まず上記供給路10を通して供給された被処理物Pが、上記環状空間Cの軸線O方向略中央部から該環状空間Cに供給され、回転ボウル1の回転による遠心力によって固液分離されて、固形分Sはスクリュウコンベア7によって一端側へ搬送される一方、この固形分Sから分離された分離液Lは他端側へ追いやられることとなる。このため、環状空間Cにおいてこれら固形分Sと分離液Lとが混濁する部分が少なく、効率的な固液分離を図ることができる。また、こうして他端側へ追いやられた分離液Lは、スクリュウシャフト7aの外周に設けられて環状空間Cの内周側に開口する分離液流路11から排出されるため、この排出される分離液Lが有する遠心力による運動エネルギーは少なく、回転ボウル1の回転によってこの分離液Lに与えられた運動エネルギーはこの回転ボウル1やスクリュウコンベア7の回転エネルギーに還元されることとなるので、これらを回転駆動するための消費動力の軽減を図ることができる。
【0013】
一方、スクリュウコンベア7によって一端側に搬送された固形分Sは、この一端側において先細り状に傾斜させられた縮径部1aの内周部に沿って一端側に向かうに従い内周側へと送り込まれ、端壁部1cに形成された固形分排出口4から排出される。このため、この一端側においては、上記環状空間Cの軸線Oに直交する断面積が一端側に向かうに従い漸次小さくなり、これによって固形分Sを一端側に搬送するに従い圧縮して高い脱水効率を得ることができるとともに、この一端側で固形分Sを遠心力に抗して軸線Oに垂直に内周側に搬送して排出したりするのに比べてその排出が容易であり、しかも固形分排出口4は、スクリュウコンベア7のスクリュウシャフト7a外周に位置することとなる回転ボウル1の端壁部1cに形成されているので、スクリュウシャフト7a内を通して固形分Sを排出するのに比べても、このスクリュウシャフト7aの径を大きくしたりする必要がなく、従ってこのスクリュウシャフト7aを支持する軸受5が大きくなるのも防ぐことができ、装置の大型化を招いたり設計に無理を強いたりするすることもない。
【0014】
さらに、この固形分排出口4の一端側には弁体14が設けられており、本参考例ではこの弁体14が上述のように圧力流体の供給によって進退することにより、弁体14と回転ボウル1の一方の端壁部1cとの間の間隔が調節され、これによってこの端壁部1cに形成された上記固形分排出口4からの固形分Sの排出量が調整可能とされている。従って、排出口4から排出される固形分Sの脱水率が低く、すなわち所望の含水率よりも高い含水率の固形分Sが排出されるような場合は、弁体14を排出口4に向けて前進させて上記間隔を狭めることにより固形分Sの排出を抑え、回転ボウル1内の一端側で固形分Sを滞留させて圧縮することでより固液分離を促して固形分Sの含水率を低減することができる一方、逆に排出される固形分Sの含水率が所望の含水率よりも低い場合には、弁体14を後退させて上記間隔を拡げることにより固形分Sの圧縮を緩めて含水率を高めることができ、所望の含水率の固形分Sを得ることができる。しかも、この弁体14は、上述のように回転ボウル1の一端側の端壁部1cのさらに一端側に設けられていて、すなわち回転ボウル1の外部に配設されており、このためメインテナンスの際などに弁体14を分解整備しようとするときでも、回転ボウル1をスクリュウコンベア7から取り外すなどして分解したりせずに容易に整備を行うことが可能となる。
【0015】
また、この参考例では、被処理物Pから分離された分離液Lを排出するための流路11にも弁体13が軸線O方向に進退可能に設けられていて、この弁体13を進退させて流路11の開口端との間隔を調節することにより流路11からの分離液Lの排出量を調整する調整手段が備えられており、弁体13を流路11の開口端側に前進させて分離液Lの排出量を抑えることにより、回転ボウル1の一端側から排出される固形分Sの含水率は高められる一方、逆に弁体13を開口端から後退させて分離液Lの排出量を増大させれば、固形分Sの含水率は低減させられることとなるので、上記弁体14による調整とも相俟って一層所望の含水率にまで固形分Sを脱水することが可能となる。なお、この分離液Lの排出量の調整手段においては、このように軸線O方向に進退可能な弁体13を設ける代わりに、例えば上記流路11の開口端に臨んで該開口端に対向するように邪魔板等を固定的に設けるなどして、分離液Lの排出量を調整するようにしてもよい。
【0016】
さらに、こうして固形分Sの排出量を調整する弁体14が設けられた遠心脱水装置によれば、例えば当該脱水装置の運転当初において、上記環状空間Cに被処理物Pを供給してから固液分離された固形分Sが回転ボウル1内の一端側に蓄積されるまでは、この弁体14によって固形分排出口4を閉塞しておいて、こうして蓄積された固形分Sを十分に圧縮して所望の含水率にまで脱水させ、しかる後に弁体14を後退させることによって排出量を調整しつつ固形分排出口4を開口して固形分Sを排出するようにすることができる。従って、このような遠心脱水方法によれば、このように脱水装置の運転当初において十分に脱水されない固形分Sが排出されるのを防ぐことができるとともに、それ以降の運転中でも上記環状空間Cの一端側に常に適当に脱水された固形分Sの滞留層を形成しておくことができ、一層確実かつ効率的な被処理物Pの脱水を図ることが可能となる。
【0017】
そして、図2は、本発明の遠心脱水装置の実施形態を示すものであり、図1に示した参考例と共通する部分には同一の符号を配してある。しかして、上記参考例では上記環状空間C内に配設された部分のスクリュウシャフト7aの外径が軸線Oに沿って一定であったのに対し、この実施形態は、この環状空間C内のスクリュウシャフト7aの上記一端側の部分に、一端側に向かうに従い外径が漸次縮径する軸線Oを中心とした円錐台状のコーン状部7cが形成されていることを特徴とする。従って、このような構成の本実施形態の遠心脱水装置によれば、固形分Sが排出される上記一端側において環状空間Cの断面積をより小さくすることができるので、被処理物Pから固液分離された固形分Sを一層確実に圧縮してさらに効率的な脱水を図ることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理物が環状空間の軸線方向略中央から供給されて、固形分はこの環状空間の一端側に、分離液は他端側にそれぞれ搬送されて排出されるので、効率的な固液分離を図ることができるとともに、分離液を排出するための流路がこの環状空間の内周側に開口させられているので、遠心力による運動エネルギーを失うことなく分離液を排出することができ、回転ボウルやスクリュウコンベアの回転駆動力の軽減を図ることもできる。さらに、固形分が搬送される回転ボウルの一端側内周部は先細り状に傾斜させられているので、搬送された固形分を円滑に内周側に導くことができ、しかも固形分排出口が環状空間の一端側に形成されていて、スクリュウコンベア内に固形分の排出路を設けたりする必要がなく、従って装置が大型化したり無理な設計を強いたりすることがなく、そしてこの固形分排出口には排出量を調整する弁体が設けられているため、環状空間内の一端側に固形分を滞留させて圧縮することにより効率的な脱水を図ることができる。そして、上記環状空間内のスクリュウシャフトの上記一端側の部分に、一端側に向かうに従い外径が漸次縮径する上記軸線を中心とした円錐台状のコーン状部が形成されていて、固形分が排出される上記一端側において環状空間の断面積をより小さくすることができるので、被処理物から固液分離された固形分を一層確実に圧縮してさらに効率的な脱水を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のデカンタ型遠心脱水装置の実施形態を説明する上での参考例を示す断面図である。
【図2】 本発明のデカンタ型遠心脱水装置の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転ボウル
4 固形分排出口
7 スクリュウコンベア
10 被処理物Pの供給路
11 分離液Lの流路
13 弁体(分離液Lの排出量の調整手段)
14 弁体
O 回転ボウル1の中心軸線
C 環状空間
P 被処理物
S 固形分
L 分離液
Claims (3)
- 一端側内周部が先細り状に傾斜させられた外形略円筒状をなして中心軸線回りに回転可能に支持される回転ボウルと、この回転ボウル内に同軸的に配置されて該回転ボウルと差速をもって同方向に回転可能に支持されるスクリュウコンベアとを備え、上記回転ボウルがなす円筒の両端は上記軸線を中心とした円環板状の端壁部によって閉塞されており、これらスクリュウコンベアと回転ボウルとの間の環状空間に上記軸線方向中央部から供給された被処理物を上記回転ボウルの遠心力によって固液分離しつつ、分離された固形分は上記スクリュウコンベアによって上記一端側に搬送されて上記環状空間の一端側を閉塞する上記軸線を中心とした円環板状の上記端壁部に開口した固形分排出口から排出可能とされるとともに、この固形分排出口には上記軸線方向一端側と他端側とに進退可能とされて上記端壁部との間の間隔を調整することにより上記固形分排出口からの上記固形分の排出量を調整可能な弁体が、上記回転ボウルの一端側の軸端部の外周に取り付けられて該回転ボウルの外部に配設されるように設けられる一方、上記被処理物から分離された分離液は上記軸線方向他端側において上記環状空間の内周側に開口した分離液流路から排出されるように構成され、さらに上記環状空間内のスクリュウシャフトの上記一端側の部分には、この一端側に向かうに従い外径が漸次縮径する上記軸線を中心とした円錐台状のコーン状部が形成されていることを特徴とするデカンタ型遠心脱水装置。
- 上記分離液流路には、該流路から排出される分離液の排出量を調整可能な調整手段が付設されていることを特徴とする請求項1に記載のデカンタ型遠心脱水装置。
- 請求項1または請求項2に記載のデカンタ型遠心脱水装置を用いた遠心脱水方法であって、上記環状空間に上記被処理物を供給してから分離された固形分が上記一端側に蓄積されるまで上記弁体によって上記固形分排出口を閉塞し、しかる後にこの弁体によって排出量を調整しつつ上記固形分排出口を開口して固形分を排出することを特徴とする遠心脱水方法。
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