JP7431008B2 - 遠心分離装置及び遠心分離装置の製造方法 - Google Patents

遠心分離装置及び遠心分離装置の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、固形成分を含む原液から固形成分を遠心分離する遠心分離装置及び遠心分離装置の製造方法に関する。
デカンタ式遠心分離装置は、固形成分を含む原液を、液体成分(清澄液)と固形成分(固体ケーキ)に連続的に分離する装置である。(特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。この種の遠心分離装置は、一般的には、原液を収容する外胴部と内部のスクリューとを回転させ、原液に遠心力を発生させることで、原液を液体成分と固形成分とに分離し、それぞれ別々の排出口から排出される構造となっている。ここで固形成分は、水分が含まれている割合(含水率)が重要なパラメータとなる。含水率は低いほどよい。例えば廃水汚泥では含水率が低いほど汚泥体積が減少し、廃棄量が削減できる等の利点がある。
特開2009-136790号公報 特開昭62-152556号公報 特開平7-155643号公報 特開平11-253705号公報
従来の技術において、固形成分の含水率を低下させようとすると、固形成分の回収率が低下してしまい、固形成分の含水率の低下と固形成分の回収率の向上とを両立させることは困難であった。
本開示は、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させることができる遠心分離装置及び遠心分離装置の製造方法を提供することを目的とする。
原液から固形成分を遠心分離する外胴部の内周面に沿った領域には、原液から固形成分が分離された液体層が形成される。発明者らは、固形成分の含水率及び固形成分の回収率と、液体層の深さ(液深)との間には相関関係があるとの知見を有していた。具体的には、固形成分の含水率は、液深が浅いほど低下するが、液深を浅くすると、今度は固形成分の回収率が低下してしまう。しかしながら、内胴部から放出される原液の放出位置と液体層との関係を調整することで、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させることができるとの新たな知見を得て、本開示に想到した。
本開示の一態様に係る遠心分離装置は、固形成分を含む原液を収容し、回転によって原液から固形成分を遠心分離する筒状の外胴部と、外胴部の内部で前記外胴部の回転軸線に沿って配置され、原液を移送すると共に、外胴部の回転方向と同一方向に回転する内胴部と、内胴部に設けられ、内部の原液が放出される原液放出口と、外胴部に設けられ、原液から分離された固形成分が排出される固形成分排出口と、内胴部の外周面に設けられ、固形成分排出口に向けて固形成分を移送するスクリュウ羽根と、を備え、外胴部は、スクリュウ羽根による固形成分の移送方向に沿って縮径して固形成分排出口に至る絞り部を備え、内胴部は、原液放出口から外胴部の内周面に向けて立設されたガイド部を備え、ガイド部の先端は、固形成分排出口の形成位置に対応する基準高さよりも、外胴部の内周面に近くなるように突き出ている。
この遠心分離装置の外胴部の内周面に沿った領域には、原液から固形成分が分離された液体層が形成される。また、内胴部から放出される原液は、少なくとも絞り部の最も縮径した位置に対応する基準高さよりも、外胴部の内周面に近くなる位置までガイド部により案内され、実質的に、この位置で、ガイド部による干渉を解かれて放出される。その結果、原液は、上記の基準高さよりも液体層に近い位置で放出されることになり、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させるのに有利となる。
いくつかの態様において、外胴部の内周面に沿った領域には、上述の通り、原液から固形成分が分離された液体層が形成され、外胴部の両方の端部のうち、固形成分の移送方向とは反対方向の端部には、液体層の深さを調整する深さ調整部が設けられていてもよい。この形態によれば、液体層の深さを調整することで、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させるための最適化を図り易くなる。
いくつかの態様において、深さ調整部は、外胴部の上記の端部を封止する内壁部と、内壁部に設けられ、固形成分から分離された液体が排出される液体通過口と、液体通過口の一部を閉塞して液体を堰き止めるオリフィス板と、を備えていてもよい。この態様によれば、オリフィス板を変更することで、液体層の深さを容易に調整できる。
いくつかの態様において、深さ調整部により、ガイド部の先端が、液体層と気体領域との境界面を超えることなく、境界面から離間するように調整されていてもよい。ガイド部の先端が境界面から離間することにより、固形成分の回収率の向上に有利になる。
いくつかの態様において、深さ調整部により、ガイド部の先端が、液体層と気体領域との境界面を超えて液体層内に配置されるように調整されていてもよい。ガイド部の先端が、液体層内に配置されることにより、ガイド部の先端の摩耗が軽減される。
本開示の一態様は、遠心分離装置の製造方法において、遠心分離装置は、原液から固形成分を遠心分離する外胴部と、外胴部の内部に配置され、原液を移送する内胴部と、内胴部に設けられ、内部の原液が放出される原液放出口と、内胴部に設けられ、原液放出口から外胴部の内周面に向けて立設されたガイド部と、外胴部に設けられ、原液から分離された固形成分が排出される固形成分排出口と、内胴部の外周面に設けられ、固形成分排出口に向けて固形成分を移送するスクリュウ羽根と、原液から固形成分が分離された液体層であり、外胴部の内周面に沿った領域に形成された液体層の深さを調整する深さ調整部と、を備え、深さ調整部によって調整される液体層の深さ及びガイド部の先端の高さを、固形成分排出口から排出された固形成分の含水率及び固形成分の回収率に基づいて決定する。
この製造方法によって製造された遠心分離装置によれば、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させることができる。
本開示のいくつかの態様によれば、固形成分の回収率の低下を抑えながら,固形成分の含水率を低下させることができる。
図1は、実施形態に係るスクリュウデカンタ型の遠心分離装置を示した斜視図である。 図2は、実施形態に係る外胴ボウル及び内胴スクリュウコンベアの内部構造を示した縦断面図である。 図3は、図2のIII-III線に沿った断面図であり、(a)の図は一例であり、(b)の図は他の例である。 図4は、内胴スクリュウコンベアの一部分を拡大して示す断面図である。 図5は、原液供給管の先端と液体層との関係を模式的に示す説明図であり、図5の(a)図は一例を示し、図5の(b)図は他の一例を示し、図5の(c)図は他の一例を示している。 図6は、実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1における固形成分の回収率(分離効率)を示すグラフである。 図7は、実施例4、実施例5、実施例6、及び実施例7における固形成分の含水率を示すグラフである。 図8は、実施例4、実施例5、実施例6、及び実施例7における固形成分の回収率(分離効率)を示すグラフである。
以下、遠心分離装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
重質分である固形成分と軽質分である液体との混合物(以下、「原液」と称する)に対し、両者を分離する固液分離処理として、遠心分離処理が用いられる。遠心分離処理では、例えば、回転体内で原液を高速で回転させ、回転体に加わる径方向の遠心力により固形成分の沈降速度を高めることで固液分離を促進する。本実施形態では、この遠心分離処理を実現する装置として、スクリュウデカンタ型遠心分離装置を例に挙げて説明する。
図1及び図2に示されるように、遠心分離装置1は、遠心分離処理を実現する主要部である回転体2と、回転体2を収容するケーシング5と、回転体2に所望の回転力を付与する駆動ユニット6と、回転体2内に原液Mを供給するフィードパイプ7と、を備えている。遠心分離装置1は、例えば、食品、飲料水、薬品、化学製品、鉄鋼製品等の製造プロセスや、屎尿処理、下水処理、スラリー処理、工場排水処理等の水処理といった様々な分野において、固液分離に利用される。また、菌体や微生物などのできるだけ固形成分に衝撃を与えたくない処理物を対象とした固液分離に利用することもできる。
回転体2は、外胴ボウル3(外胴部)と、外胴ボウル3内に配置された内胴スクリュウコンベア4とを備えている。外胴ボウル3の回転方向Raと内胴スクリュウコンベア4の回転方向Raとは同一である。外胴ボウル3は、略円筒形状の筒状体であり、両端の軸部が軸受3aによって回転自在に軸支されている。外胴ボウル3の主要部はケーシング5内に配置されている。外胴ボウル3の回転軸線Lは、両方の軸受3aを通るように、外胴ボウル3の長手方向に延在している。外胴ボウル3は、原液Mを内部に収容し、駆動ユニット6の作用で回動し、原液Mから液体Lqと固形成分Sd(図4参照)と遠心分離する。
図2及び図4に示されるように、外胴ボウル3の回転軸線方向(回転軸線Lに沿った方向)の一方の端部側は漸次縮径しており、この縮径によって絞り部31が形成されている。絞り部31には、内胴スクリュウコンベア4によって搬送された固形成分Sdを排出する固形成分排出口32が設けられている。外胴ボウル3の一方の端部には、外胴ボウル3を封止(閉鎖)する小径側外胴軸33が固定されている。小径側外胴軸33は、外部の軸受3a(図1参照)によって回転自在に軸支されている。小径側外胴軸33の中央には、小径側外胴軸33を貫通するようにフィードパイプ7が配置されている。フィードパイプ7は外胴ボウル3の回転軸線Lに沿って延在しており、フィードパイプホルダー7aによって支持されている。フィードパイプ7内には、外胴ボウル3内に供給される原液Mが通過する。フィードパイプ7の一部を取り囲むように内胴スクリュウコンベア4が配置されている。内胴スクリュウコンベア4、外胴ボウル3の小径側外胴軸33は、軸受34を介して回転自在に連結されている。
外胴ボウル3の回転軸線方向の他方の端部には大径側外胴軸35が設けられている。大径側外胴軸35は、外胴ボウル3と内胴スクリュウコンベア4との間の空間を封止する環状の内壁部35aと、内壁部35aの中央部分から外胴ボウル3の内方に突出する内軸部35bと、内壁部35aの中央部分から外胴ボウル3の外方に突出する外軸部35cとを備えている。内軸部35bには内胴スクリュウコンベア4を軸支する軸受35dが取り付けられている。外軸部35cは、外部の軸受3a(図1参照)によって回転自在に軸支されている。内壁部35aの遠心方向CDの外寄りの位置には、液体層内で固形成分Sdから分離された液体Lqが通過して排出される複数の液体通過口36が設けられている。複数の液体通過口36は、外胴ボウル3の内周面3bに沿うように設けられている。
内胴スクリュウコンベア4は、略円筒形状の筒状体である内胴部41と、内胴部41の外周面41aに設けられ、径方向外方に突出したスクリュウ羽根42とを備えている。内胴部41は外胴ボウル3の回転方向Raと同一方向に回転する。スクリュウ羽根42は、内胴部41の外周面41aに螺旋状に巻回して設けられている。スクリュウ羽根42は、内胴部41の回転に伴って回転し、液体Lqから遠心分離された固形成分Sdを内胴部41の一方の端部側に移送する。内胴部41の一方の端部側は、外胴ボウル3の縮径に対応するように縮径している。内胴部41の一方の端部は、軸受34を介して、フィードパイプ7及び外胴ボウル3に対して回転自在となるように連結されている。
内胴部41の周壁43には、原液Mが通過する放出口8(原液放出口)と、放出口8を通過した原液Mを遠心方向CDに案内する原液供給管9(ガイド部)とが設けられている。原液供給管9は、放出口8の周縁形状に沿った管内形状を有し、放出口8を囲むようにして内胴部41の周壁43から外胴ボウル3の内周面3bに向けて立設されている。遠心分離の対象となる原液Mは、フィードパイプ7を通過して内胴部41の内部に供給され、次に、内胴部41の放出口8から遠心方向CDに放出され、更に原液供給管9を通過し、原液供給管9の先端9aの開口から外胴ボウル3内に放出される。
原液供給管9は、内胴部41の外周面41aに溶接されてもよく、内胴部41に一体に形成されてもよい。また、原液供給管9は原液M中の固形粒子によって摩耗することも懸念されるため、原液供給管9を内胴部41に対して取り換え交換可能な構造(例えば、ブッシュ)にすることも可能である。また、内径の異なる複数の管を重ねて内装することで伸縮可能な原液供給管9にすることも可能である。
外胴ボウル3内に供給された原液Mは、外胴ボウル3の回転によって液体Lqと固形成分Sdとに遠心分離される。固形成分Sdが分離された液体Lqは、外胴ボウル3の内周面3bに追従して回転する液体層LLを形成する。より詳細に説明すると、原液Mのうち、重質分である固形成分Sdは外胴ボウル3の内周面3bに堆積されるように集積され、軽質分である液体Lqは固形成分Sdよりも内方(遠心方向CDに対して逆となる方向)に主体的に存在するようになって液体層LLを形成する。液体層LLの表層面、つまり、液体層LLの内方に形成される表面は、固形成分Sd及び液体Lqが疎となる気体領域Asと液体層LLとの境界面Bsである。
内胴スクリュウコンベア4は、液体層LL内で遠心方向CDに沈降し、外胴ボウル3の内周面3bに堆積された固形成分Sdをスクリュウ羽根42によって外胴ボウル3の一方の端部側に送る。つまり、固形成分Sdの移送方向TDとは、外胴ボウル3の他方の端部から、この一方の端部に向かう方向である。この一方の端部側には絞り部31が設けられている。絞り部31は、固形成分Sdの移送方向TDに沿って、つまり、この移送方向TDに進むに従って、内径が縮径するように形成されており、固形成分排出口32に至る。
絞り部31の内径が縮径する形態は、連続的に漸次縮径する形態であっても、段階的に縮径する形態であってもよい。更に、縮径するテーパ角が一定の形態であっても、段階的に変化する形態であってもよい。絞り部31に内装されているスクリュウ羽根42の外径(遠心方向CDの長さ)は、絞り部31の内径に沿うように縮径している。絞り部31とスクリュウ羽根42との相互作用によって固形成分Sdは脱水され、固形成分排出口32から排出される。
絞り部31は、最も内径が小さくなる小径部31aを備えている。小径部31aは、例えば、固形成分Sdの移送方向TDの終端部に配置されており、小径部31aには、固形成分排出口32が設けられている。本実施形態において、回転軸線Lから小径部31aまでの距離は、固形成分排出口32の形成位置に対応する基準高さBHに相当する。
外胴ボウル3の他方の端部、つまり、固形成分Sdの移送方向TDとは反対方向の端部には、液体層LLの深さを調節する深さ調整部60が設けられている。深さ調整部60については、様々な形態を適用可能であるが、以下、いくつかの形態を例示する。
外胴ボウル3の他方の端部には、内壁部35aが設けられており、内壁部35aには、液体通過口36が設けられている。液体層LLを形成する液体Lqは、内壁部35aの液体通過口36を通過して外部に排出される。液体通過口36の少なくとも一部はオリフィス板37によって閉塞されている。本実施形態に係る深さ調整部60は、内壁部35a、液体通過口36、及びオリフィス板37を備えて形成されている。オリフィス板37の形態には、様々な対応があり、例えば、複数のオリフィス板37によって、それぞれ液体通過口36の一部を閉塞する形態であってもよく(図3の(a)図参照)、また、環状に形成された単体のオリフィス板37によって複数の液体通過口36の一部を閉塞する形態であってもよい。
オリフィス板37は、液体通過口36の全領域のうち、外胴ボウル3の内周面3bに近い側の一部領域を堰き止めるように閉塞している。その結果、液体層LLの深さ、言い換えると外胴ボウル3の内周面3bから液体層LLの境界面Bsまでの高さは、オリフィス板37の高さによって規定されることになる。オリフィス板37の高さとは、実質的に、オリフィス板37によって堰き止められた液体通過口36の一部領域のうち、外胴ボウル3の内周面3bに最も近い位置から内周面3bまでの距離を意味する。
本実施形態に係る深さ調整部60において、オリフィス板37を設置していない状態に比べ、オリフィス板37を設置した方が液体層LLの深さは深くなる。また、サイズが異なる複数種類のオリフィス板37を用意しておき、所望の液体層LLの深さとなるように適宜にオリフィス板37を選択して設置するようにしてもよい。
駆動ユニット6は、外胴ボウル3を一方向に回転させ、外胴ボウル3に遠心分離機能を付与する駆動用モータ61を備える。外胴ボウル3は、駆動用モータ61により、例えば、10rpm~10000rpmの高速回転をする。また、駆動ユニット6は、内胴スクリュウコンベア4を回転させる差速制動機62及びギヤボックス63の遊星歯車機構等を備えている。内胴スクリュウコンベア4の内胴部41は、差速制動機62の動力とギヤボックス63の遊星歯車機構によって、外胴ボウル3と同方向に高速回転する。内胴部41と外胴ボウル3との回転速度差は50rpm以下である。この回転速度差は、20rpm以下とすることができ、また、10rpm以下とすることができ、5rpm以下とすることができる。
次に、図2及び図4を参照して原液供給管9と液体層LLの境界面Bsとの関係及び原液供給管9の先端9aと絞り部31との関係について説明する。固形成分Sdの含水率は、液深(液体層LLの深さ)が浅いほど低下するが、液深を浅くすると、今度は固形成分Sdの回収率が低下してしまう傾向が見られる。しかしながら、内胴部41から放出される原液Mの放出位置と液体層LLとの関係を調整することで、固形成分Sdの回収率低下を抑えながら,固形成分Sdの含水率を低下させることができる。
本実施形態では、内胴部41の周壁43に形成した原液Mの放出口8から立設した原液供給管9(ガイド部)を設けて、内胴部41から放出される原液Mの放出位置と液体層LLとの関係を調整している。また、本実施形態では、深さ調整部60によって液体層LLの深さを調整して内胴部41から放出される原液Mの放出位置と液体層LLとの関係を調整している。
原液供給管9は、外胴ボウル3の内周面3bに向けて立設され、先端9aは、外胴ボウル3の内周面3bに向けて開放されている。境界面Bsから外胴ボウル3の内周面3bまでの距離(液体層LLの深さ)及び原液供給管9の先端9aから境界面Bsまでの距離等との関係は適宜に調整可能であり、原液供給管9の先端9aから境界面Bsまでの距離は、境界面Bsの深さよりも短くなるようにしても良いし、逆に長くなるようにしても良い。
また、図5に示されるように、原液供給管9の先端9aは、固形成分排出口32の形成位置に対応する基準高さBHよりも、外胴ボウル3の内周面3bに近くなるように突き出ている。具体的には、回転軸線Lから原液供給管9の先端9aまでの距離d2は、回転軸線Lから基準高さBHまでの距離d1よりも大きくなっている(図5の(a)図、(b)図、(c)図参照)。ここで、例えば、第1の例(図5の(a)図参照)及び第2の例(図5の(b)図参照)では、深さ調整部60により、原液供給管9の先端9aが、液体層LLの境界面Bsを超えることなく、境界面Bsから離間するように液体層LLの深さd4が調整されている。また、第3の例(図5の(c)図参照)では、深さ調整部60により、原液供給管9の先端9aが、液体層LLの境界面Bsを超えて液体層LL内に配置されるように液体層LLの深さd4が調整されている。
また、上述の第1の例では、原液供給管9の高さd5は、液体層LLの深さd4よりも高くなるように調整され、第2の例では、原液供給管9の高さd5は、液体層LLの深さd4よりも低くなるように調整されている。また、第1の例及び第2の例において、原液供給管9の先端9aから境界面Bsまでの距離d3は、液体層LLの深さd4や原液供給管9の高さd5よりも短くなるように調整されている。
ここで、回転軸線Lから基準高さBHまでの距離d1は、外胴ボウル3や内胴スクリュウコンベア4の寸法に応じて適宜に決定することができるが、例えば、50mm~650mmに設定することができる。また、回転軸線Lから原液供給管9の先端9aまでの距離d2は、例えば、50mm~350mmに設定することができる。また、液体層LLの深さd4は、例えば、10mm~350mmに設定することができる。
次に、本実施形態に係る遠心分離装置1の製造方法について説明する。本実施形態に係る遠心分離装置1の製造方法では、深さ調整部60や原液供給管9の設計条件を固形成分排出口32から排出された固形成分Sdの含水率及び固形成分Sdの回収率に基づいて決定している。
より具体的に説明すると、液体層LLの深さd4(図5参照)を浅くすると固形成分Sdの含水率の低下には有利であるが、固形成分Sdの回収率は低下し易い。一方で、原液供給管9の先端9aをできるだけ液体層LLに近づけることで、固形成分Sdの回収率を向上し易くなる。そこで、本実施形態に係る遠心分離装置1の製造方法では、液体層LLの深さd4ができるだけ浅くなるように深さ調整部60の設計条件を決め、更に、深さ調整部60の設計条件によって決められた液体層LLの深さd4に基づいて、原液供給管9の先端9aの高さd5の設計条件を決めている。ここで、原液供給管9の先端9aの高さd5とは、内胴部41から原液供給管9の先端9aまでの長さを意味する。
本実施形態に係る遠心分離装置1によれば、内胴部41から放出される原液Mは、少なくとも固形成分排出口32の形成位置に対応する基準高さBHよりも、外胴ボウル3の内周面3bに近くなる位置まで案内される。そして、原液Mは、実質的に、この位置で、原液供給管9による干渉を解かれて放出される。その結果、原液Mは、基準高さBHよりも液体層LLに近い位置で放出されることになり、固形成分Sdの回収率低下を抑えながら,固形成分Sdの含水率を低下させるのに有利となる。
更に、遠心分離装置1は深さ調整部60を備えており、深さ調整部60によって液体層LLの深さd4ができるだけ浅くなるように調整することで、固形成分Sdの含水率の低下に更に有利になる。
更に、深さ調整部60は、内壁部35a、液体通過口36及びオリフィス板37を備えて形成されている。この態様によれば、オリフィス板37を変更することで、液体層LLの深さを容易に調整できる。
更に、深さ調整部60により、原液供給管9の先端9aが、液体層LLの境界面Bsを超えることなく、境界面Bsから離間するように調整することで、固形成分Sdの回収率の向上に有利になる。
また、深さ調整部60により、原液供給管9の先端9aが、液体層LLの境界面Bsを超えて液体層LL内に配置されるように調整することで、原液供給管9の先端9aの摩耗が軽減される。
以上、実施形態に基づいて本開示に係る遠心分離装置1の説明をした。しかしながら、本開示は、上記の実施形態のみに限定されない。例えば、上記の実施形態では、ガイド部として原液供給管9を例に説明したが、原液供給管9に代えて、放出口8から立設された板状の部材を適用することもできる。
また、上記の実施形態では、ガイド部として、所定長さの原液供給管9を例に説明したが、ガイド部の立設長さを調節可能(例えば、伸縮可能)な構造にすることもできる。例えば、液体層LLの境界面Bsは原液Mの処理量によって増減する可能性がある。そこで、外胴ボウル3内に、境界面Bsを検知するセンサーを設けておき、このセンサーで検知した境界面Bsの高さに基づき、ガイド部の立設高さを調節し、ガイド部の先端9aが液体層LL内に配置されないようにすることも可能である。
以下、実施例により本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。また、後述の実施例及び比較例について、上述の実施形態と同一の要素や対応する構造については、上述の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
(実施例1、実施例2、実施例3、比較例1)
実施例1(図4参照)は、上述の実施形態に対応する構造を備えており、内胴スクリュウコンベア4の内胴部41には、回転軸線方向から見た場合に、周方向で等間隔となるように複数(四個)の放出口8及び原液供給管9が設けられている。実施例2は、実施例1に比べて原液供給管9の先端9aが液体層LLの境界面Bsに近い位置となるように形成されている。また、実施例3は、原液供給管9の先端9aが液体層LL内に埋没されるように配置されている。比較例1は、原液供給管9を備えていない点を除き、実質的に実施例1と共通する。実施例1-3、及び比較例1において、液体層LLの深さは全て同じである。
図6に示されるように、比較例1の固形成分Sdの回収率は80%未満であるのに対し、実施例1-3の固形成分Sdの回収率は、80%以上であった。
(実施例4、実施例5、実施例6、実施例7)
実施例4(図4参照)は、上述の実施形態に対応する構造を備えており、内胴スクリュウコンベア4の内胴部41には、回転軸線方向から見た場合に、周方向で等間隔となるように複数(四個)の放出口8及び原液供給管9が設けられている。実施例5、実施例6、実施例7は、原液供給管9の先端9aの高さが異なる点を除いて、基本的に、実施例4(図4参照)と同一の構成を備えている。更に、実施例4-7において、原液供給管9の先端9aから液体層LLまでの距離は同じであり、従って、実施例4は液体層LLの深さが最も深く、実施例5は次に深く、実施例6は次に深く、実施例7は最も浅い。
図7に示されるように、液体層LLの深さが最も浅い実施例7における固形成分Sdの含水率が最も低く、固形成分Sdの含水率が最も高い実施例5と比較して、液体層LLの深さが浅い実施例6、実施例7の順に含水率は低下している。しかしながら、図8に示されるように、実施例1-7の全てにおいて固形成分Sdの回収率は80%を超えており、少なくとも、上述の比較例1に比べて、固形成分Sdの回収率低下を抑えながら,固形成分Sdの含水率を低下させるのに有利である。
1 遠心分離装置
3 外胴ボウル(外胴部)
3b 内周面
8 放出口(原液放出口)
9 原液供給管(ガイド部)
9a 先端
31 絞り部
32 固形成分排出口
35a 内壁部
36 液体通過口
37 オリフィス板
41 内胴部
41a 外周面
42 スクリュウ羽根
60 深さ調整部
Bs 境界面
BH 基準高さ
LL 液体層
Sd 固形成分
Lq 液体
M 原液
L 回転軸線
TD 移送方向

Claims (1)

  1. 遠心分離装置の製造方法において、
    前記遠心分離装置は、原液から固形成分を遠心分離する外胴部と、前記外胴部の内部に配置され、前記原液を移送する内胴部と、前記内胴部に設けられ、内部の前記原液が放出される原液放出口と、前記内胴部に設けられ、前記原液放出口から前記外胴部の内周面に向けて立設されたガイド部と、前記外胴部に設けられ、前記原液から分離された前記固形成分が排出される固形成分排出口と、前記内胴部の外周面に設けられ、前記固形成分排出口に向けて前記固形成分を移送するスクリュウ羽根と、前記原液から前記固形成分が分離された液体層であり、前記外胴部の内周面に沿った領域に形成された前記液体層の深さを調整する深さ調整部と、を備え、
    前記ガイド部の先端は、前記固形成分排出口の形成位置に対応する基準高さよりも、前記外胴部の内周面に近くなるように突き出ており、
    前記深さ調整部によって調整される前記液体層の深さ及び前記ガイド部の先端の高さを、前記固形成分排出口から排出された前記固形成分の含水率及び前記固形成分の回収率に基づいて決定すると共に、前記ガイド部の先端が、前記液体層と気体領域との境界面を超えることなく、前記境界面から離間するように調整している、遠心分離装置の製造方法。
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