JP4321912B2 - 気体処理用エレメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
前面A側から後面B側に抜ける透孔を有するハニカム片からなる気体処理効率の良い気体処理用エレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
〈光触媒酸化チタン担持シートの段ボール〉
光触媒酸化チタン(光触媒機能を有する超微細酸化チタン)は、光エネルギーを受けて励起され、多くの有機有害物質や悪臭物質を酸化分解する働きがあるので、空調機や空気清浄機に装着する脱臭・抗菌性エレメントへの応用が期待できる。
【0003】
本出願人の出願にかかる特開平9−59892号公報には、機能性酸化チタンと、それを担持するための無機質系填料と、抄紙能を有する有機繊維質材とを必須の構成成分とする抄紙物からなる酸化チタン含有紙が示されており、その酸化チタン含有紙を中芯またはライナーの少なくとも一方として用いた段ボール、さらにはその段ボールを多段に重ねた脱臭エレメントについても開示がある。各層の積層が階段状にずれるようにして、光照射に際し光線がより内部にまで入るようにすることもできるとの記載もある。この脱臭エレメントを空調機や空気清浄機に組み込むときは、紫外線ランプを設けることが必要である。
【0004】
〈バイアスカットしたハニカム〉
ハニカムをバイアスカットすること自体については、いくつかの出願がなされている。
【0005】
実開昭57−95220号公報には、ロールコアまたはハニカムコアよりなる第1部材と、同様に形成された第2部材とを、両部材が筒孔がそれぞれ連通するように角度をなして接合したミスト用フィルターが示されている。接合後の形状は、たとえばΛ字形である。図面には、切り口が斜めになった状態のものが示されている。
【0006】
特開昭64−7923号公報には、ハニカム体をその目の中心線方向に対し傾斜する面で裁断したバイアスカット−ハニカム層体を主要素とするフィルターが示されている。前後に隣接するバイアスカット−ハニカム層体の目の中心線方向が互いに別の方向を向くように積層した態様についても示されている。バイアスカット−ハニカム層体の目の中には、充填材を充填することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平9−59892号公報の脱臭エレメント、つまり、光触媒酸化チタン含有紙を中芯またはライナーの少なくとも一方として用いた段ボールを多段に重ねた脱臭エレメントは、これを空調機や空気清浄機に装着したときに好ましい脱臭性を発揮するので、すでに市販に供され、良い結果を得ている。
【0008】
しかしながら、市場の要求は年々厳しくなっており、空調機や空気清浄機に装着する関係上、脱臭エレメントの大きさおよび厚みを最小に保ちながらも、脱臭効率をさらに高めることが強く要求されている。上記の脱臭エレメントにおいて、多段に重ねた段ボールの各層を階段状にずらすようにすれば、光照射に際し光線がより内部にまで入るようになるが、その場合にはエレメントの厚みが厚くなるため、エレメントが占める単位スペース当りの脱臭効率は向上しない。
【0009】
実開昭57−95220号公報のミスト用フィルターは、第1部材と第2部材とを、それぞれの筒孔が連通するようにたとえばΛ字形に接合してミストを除くものであり、光触媒酸化チタンの脱臭性を利用する技術とは無関係である。
【0010】
特開昭64−7923号公報のバイアスカット−ハニカム層体を主要素とするフィルターは、空気流が目の内部の壁面にぶつかることによる塵埃の除去効率や、層体に担持させた消臭剤との接触効率を向上させるものであって、光触媒酸化チタン担持エレメント−紫外線ランプによる脱臭性を利用する視点は全く見られない。
【0011】
本発明は、このような背景下において、光触媒酸化チタン担持シートを用いたエレメントにおいて、エレメントの大きさおよび厚みを最小に保ちながら、気体処理能力(脱臭能力、抗菌能力)を格段に高めるようにした気体処理用エレメントを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の気体処理用エレメントは、
前面A側から後面B側に抜ける透孔(h) を有する厚みdのハニカム片(1) を含む気体処理用エレメントであって、
そのハニカム片(1) が、光触媒酸化チタン担持シートで形成されていること、
そのハニカム片(1) が、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S # )またはシート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S * )を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断したものであること、および、
(イ)上記多段ハニカム体(S # )を構成する単位ハニカムシート(S) のシート横方向をx方向、シート積層方向をy方向、シート縦方向(つまり透孔(h) の中心軸方向)をz方向とするとき、その多段ハニカム体(S # )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、または、(ロ)上記巻回ハニカム体(S * )の輪切り直交2方向をそれぞれx方向、y方向とし、長さ方向をz方向とするとき、その巻回ハニカム体(S * )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。なお、この明細書においては図1および図2に付記の丸付き数字1、2、3、4を、この順に[1], [2], [3], [4]と言い替えてある。
【0014】
《気体処理用エレメント》
〈必須条件〉 本発明の気体処理用エレメントは、前面A側から後面B側に抜ける透孔(h) を有する厚みdのハニカム片(1) を含み、
(I)そのハニカム片(1) が、光触媒酸化チタン担持シートで形成されていること、および、
(II)そのハニカム片(1) が、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S # )またはシート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S * )を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断したものであること、
を必須の構成要件とする。なお、この(II)の条件は、さらに後述の(イ)または(ロ)の条件をも満足することが必要である。
【0015】
〈(I)の条件〉
上記(I)の条件の光触媒酸化チタン担持シートにおける光触媒酸化チタンとしては、X線粒径が100nm以下、好ましくは2〜50nm、特に好ましくは3〜30nmの超微細酸化チタン、またはその超微細酸化チタンの表面を金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、ケイ素、鉄、ランタン、セリウムなどの金属またはこれらの金属の酸化物や水酸化物(特に酸化亜鉛またはこれと酸化ケイ素)などで修飾した修飾超微細酸化チタンが用いられる。修飾法については、たとえば特開平6−199524号公報に記載がある。
【0016】
光触媒酸化チタンを担持させるときのベースとなるシートとしては、好ましくは、紙、不織布、樹脂層、金属箔、金属薄板、セラミックスの少なくとも一つでできた単層または複層のシートが用いられ、特に紙が重要である。ベースシートに対する光触媒酸化チタンの担持は、内添(シート製造時の内部添加)やコーティング(塗布、スプレー、ディッピング等)により行われ、光触媒酸化チタンと共に、他の薬剤、吸着剤、調湿剤などを担持させることもできる。
【0017】
上記のうち光触媒酸化チタンを担持した紙としては、光触媒酸化チタンと、その光触媒酸化チタンを担持するための無機質系填料(セピオライト、シリカゲル、ベントナイト、ゼオライト、硫酸マグネシウム、アスベスト、活性炭等)と、抄紙能を有する有機繊維質材料(通常のパルプ)とを必須の構成成分とし、さらには必要に応じ、他の補強繊維(ガラス繊維、セラミックス繊維、合成繊維等)、有機質または無機質のバインダーなどを含むものが有利である。抄紙は、水に分散させた状態で常法に従って湿式抄紙することにより達成される。抄紙後の抄紙物全体に占める光触媒酸化チタンと無機質系填料との合計量は5〜90重量%とすることが好ましい。無機質系填料に対する光触媒酸化チタンの重量比は、0.02〜20とすることが好ましい。抄紙物全体に占める有機繊維質材料の割合は5〜90重量%とすることが好ましい。
【0018】
〈(II)の条件〉
上記(II)の条件を満足するハニカム片(1) は、
(II-1)シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S#)を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断すること、あるいは、
(II-2)シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S*)を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断すること、によって得ることができる。
なお、(II-1)の多段ハニカム体(S#)とは、単位ハニカムシート(S) をびょうぶ状に折り畳んで積層する場合を包含するものとする。
【0019】
上記(II-1)における多段ハニカム体(S#)としては、上述の光触媒酸化チタン担持シートでできた段ボールを多段に積層接着したものが好適に用いられる。
【0020】
段ボールを用いた多段ハニカム体(S#)は、波板/平板、平板/波板/平板のように波板を1層含む単位ハニカムシート(S) としての段ボールや、波板/平板/波板/平板、平板/波板/平板/波板/平板のように波板を2層またはそれ以上含む単位ハニカムシート(S) としての段ボールを、多段に積層接着することによって得ることができる。
【0021】
またこのような段ボールの積層体に限らず、光触媒酸化チタン担持シートでできた六角形、Ω形、□形、三角形などの目の透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) を多段に積層接着したものを用いることもできる。
【0022】
上記(II-2)の巻回ハニカム体(S*)は、上述の光触媒酸化チタン担持シートでできた段ボール、その他の単位ハニカムシート(S) を、巻回することにより得ることができる。
【0023】
上記(II-1)に従って、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S#)を、透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断する態様には、次の3つがある。図1は、このときの態様を示した説明図である。
【0024】
最も普通のスライスの仕方は、図1の[4] の線に沿ってスライスするものであるが、これではスライス片の裁断端面にはシートのコグチが露われるのみであり、また透孔(h) の壁には光が当らないので、光照射に際しての効率が劣る。
【0025】
しかるに、図1の[1] の線に沿ってスライスすれば、スライス片の裁断端面は傾斜して、光照射に際して透孔(h) の入口側のかなりの面積部分に光が当るようになり、光照射効率は[4] 線裁断品に比し大幅に向上する。
【0026】
また図1の[2] の線に沿ってスライスすれば、スライス片の裁断端面は傾斜はしないものの、スライス片の前面から見たときに透孔(h) の方向が斜め横を向くので、光照射に際して透孔(h) 内の壁にも光が当るようになり、光照射効率は[4] 線裁断品に比し向上する。
【0027】
特に図1の[3] の線に沿ってスライスしたときは、スライス片の裁断端面が傾斜して、光照射に際して透孔(h) の入口側のかなりの面積部分に光が当るようになる上、スライス片の前面から見たときに透孔(h) の方向が斜め横を向くので、光照射に際して透孔(h) 内の壁にも光が当るようになり、光照射効率は、[1] 線裁断品や[2] 線裁断品に比しさらに一段と向上する。従って、この[3] 線裁断品が、最も好ましい態様である。
【0028】
加えて、圧損については、スライス片の厚みが同じであれば、[1] 線裁断品、[2] 線裁断品、[3] 線裁断品のいずれも概ね同程度となり、また[4] 線裁断品と比較しても、厚み方向裁断視で透孔(h) が平行四辺形のようになっているので、圧損は見掛けから思うほどには大きくならない。そして[1] 線裁断品、[2] 線裁断品、[3] 線裁断品は、[4] 線裁断品に比し光照射効率が良いので、もし光照射効率を[4] 線裁断品と同程度に設定したときは、スライス片の厚みを薄くすることができ、圧損の増大を抑制できる。また、[1] 線裁断品、[2] 線裁断品に比し、[3] 線裁断品の方が光照射効率が良いので、もし光照射効率を[1] 線裁断品や[2] 線裁断品と同程度に設定したときは、[3] 線裁断品はスライス片の厚みを薄くすることができ、圧損の増大を抑制できる。
【0029】
今、上記(II-1)の多段ハニカム体(S#)を構成する単位ハニカムシート(S) のシート横方向をx方向、シート積層方向をy方向、シート縦方向(つまり透孔(h) の中心軸方向)をz方向とするとき、上述の[1] 線裁断品、[2] 線裁断品、[3] 線裁断品であるスライス片(ハニカム片(1) )の厚み方向とそのスライス片(ハニカム片(1) )の透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)との関係は次のようになる。
【0030】
[1] 線裁断品にあっては、多段ハニカム体(S#)がx方向とは平行でかつy方向とは斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対してたとえば15〜80゜の角度θをなしている。
【0031】
[2] 線裁断品にあっては、多段ハニカム体(S#)がx方向とは斜めでかつy方向とは平行にスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつその板状のハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対してたとえば15〜80゜の角度θをなしている。
【0032】
[3] 線裁断品にあっては、多段ハニカム体(S#)がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対してたとえば15〜80゜の角度θをなしている。
【0033】
ちなみに[4] 線裁断品にあっては、多段ハニカム体(S#)がx方向とは平行でかつy方向とも平行にスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して同方向(角度θ=0゜)となっている。
【0034】
次に、(II-2)に従って、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S*)を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断するときには、図2に示した態様がある。
【0035】
最も普通のスライスの仕方は、図2の[4] の面に沿ってスライスするものであるが、これではスライス片の裁断端面にはシートのコグチが露われるのみであり、また透孔(h) の壁には光が当らないので、光照射に際しての効率が劣る。
【0036】
図2の[1] 面裁断品、[2] 面裁断品、[3] 面裁断品は、それぞれ、上述の図1の[1] 線裁断品、[2] 線裁断品、[3] 線裁断品に対応し、同様の効果を奏する。詳しい説明は省略する。なお図2のθ1 =θ2 であるときは、[1] 面裁断品と[2] 面裁断品とは裁断端面の面積が同一になり、[3] 面裁断品は[1] ,[2] 面裁断品よりも裁断端面の面積がもっと大きくなる。
【0037】
上に詳述したような背景下において、本願発明は、先に述べた(II)の条件((II-1)または(II-2)の条件)を満足するだけでなく、さらに、
(イ)上記多段ハニカム体(S # )を構成する単位ハニカムシート(S) のシート横方向をx方向、シート積層方向をy方向、シート縦方向(つまり透孔(h) の中心軸方向)をz方向とするとき、その多段ハニカム体(S # )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、または、
(ロ)上記巻回ハニカム体(S * )の輪切り直交2方向をそれぞれx方向、y方向とし、長さ方向をz方向とするとき、その巻回ハニカム体(S * )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、
の条件を満足することが必須の条件となる。
【0038】
角度θが15゜未満のときは、圧損は小さいものの、光照射効率の向上の程度が小さい。一方、角度θが80゜を越えるときは、光照射効率は良くなるものの、圧損が大きくなってエレメントとしての実用性を欠くようになる。角度θの好ましい範囲は、20〜75゜である。
【0039】
〈希望条件〉
上記(II-1)および(II-2)のいずれの態様の場合も、ハニカム片(1) の厚みは、余りに薄いときは強度不足となり、一方余りに厚いときは、それを空調機や空気清浄機に組み込んだときのスペースが過大となるのみならず、透孔(h) の奥深くの方には光が照射されないので厚みの割には気体処理効果が上がらずコスト的にも不利となり、さらには圧損の上でも不利となるので、通常は4〜20mm程度、好ましくは5〜15mm、殊に7〜13mmとすることが多い。
【0040】
なお、ハニカム片(1) の各透孔(h) の中心軸方向は、これを複数方向に向けるようにすることもできる。たとえばハニカム片(1) を上記(II-1)の多段ハニカム体(S#)をスライス状に裁断することにより得る場合、各段ごとまたは複数段ごとに透孔(h) の向きの異なる単位ハニカムシート(S) を積層することにより多段ハニカム体(S#)を構成し、その多段ハニカム体(S#)を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断すればよい。このときには、ハニカム片(1) にしたときの厚み方向が、透孔(h) の中心軸方向に対して15〜80゜の角度θをなすようにするが、角度θがこの範囲から外れている単位ハニカムシート(S) が小割合混在していても特に支障とはならない。
【0041】
このようにハニカム片(1) の各透孔(h) の中心軸方向が複数方向に向くようにすると、後述のランプ(2) の配置関係において、より光の照射を受けやすくする設計を行うことができ、またハニカム片(1) の透孔(h) を通る気体の流れ方向を2方向以上とすることができるので、整流の点でも自在性が得られるようになる。
【0042】
あるいはまた、少なくとも2枚のハニカム片(1) をそれらの前面Aが一つの平面を形成するように配置して気体処理用エレメントとなし、ハニカム片(1) の前面A側に照射される光の量が多くなるように1ないし複数個のランプ(2) の向きを設定することも好ましい。
【0043】
この場合、透孔(h) 方向の異なるハニカム片(1) の複数枚を面方向にレーン状またはブロック状に配置して気体処理用エレメントとなすことができる。「面方向にレーン状に配置」とは、道路に例えれば2車線とか4車線というような形の配置にするということである。「面方向にブロック状に配置」とは、たとえば平面視で「田」の字形のような配置である。「透孔(h) 方向が異なる」とは、片方の面から他方の面に向かう透孔(h) の向きが隣接するハニカム片(1) ごとに異なることを言い、たとえば、斜め上に向かうものと斜め下に向かうもの、斜め右に向かうものと斜め左に向かうものというようなハニカム片(1) の組み合わせにするということである。
【0044】
〈ハニカム片の積層〉
上記においては単層のハニカム片(1) について述べたが、光が多く照射される側の面を前面A、光の照射量の少ない方の側の面を後面Bとするとき、少なくとも2枚のハニカム片を厚み方向に積層し、気体処理用エレメントとして使用するときに少なくとも前面A側となるハニカム片が上記のハニカム片(1) からなるようにすることもできる。
【0045】
このときには、上述のハニカム片(1) 同士の積層だけでなく、上述のハニカム片(1) に、図1の[3] 線裁断品や図2の[3] 面裁断品以外の裁断品、あるいは光触媒酸化チタン担持シートで形成されていない任意の裁断線または裁断面のハニカム片を厚み方向に積層して用いることもできる。ただし、気体処理用エレメントとして使用するときに少なくとも前面側となるハニカム片は、上述の(I)および(II)の条件を満足するハニカム片(1) を用いなければならない。
【0046】
ハニカム片を厚み方向に積層するときの組み合わせの態様は多種あるので、後述の実施例において、その組み合わせの態様の例を図示することにする。
【0047】
〈コート層の設置〉
光が多く照射される側の面を前面A、光の照射量の少ない方の側の面を後面Bとするとき、ハニカム片(1) の少なくとも前面A側の面には、さらに光触媒酸化チタンコート層を設けることが好ましい。というのは、ハニカム片(1) 自体が光触媒酸化チタン担持シートで形成されているものの、シートに占める光触媒酸化チタンの割合には限度があるので、コグチやその周辺の光の当る前面A側の面にさらに光触媒酸化チタンコート層を設けると、一段と気体処理効率が上がるからである。
【0048】
このときのコートは、光触媒酸化チタンを、粉体の状態、媒体に分散したスラリーの状態、あるいはそれらに適当なバインダー(特に無機系のバインダー)を加えた状態とし、それらの状態の組成物を用いてロールコーティングやスプレーコーティングするなどの方法により設けることができる。無機系の物質として常態では液状であるが硬化するものを用いると、バインダーと媒体とを兼ねることができ、あるいは媒体の量を低減することができるので、特に有利である。
【0049】
ハニカム片(1) は、吸着剤が担持された光触媒酸化チタン担持シートで形成されていることが好ましい。また、ハニカム片(1) の少なくとも後面B側の面には、さらに吸着剤コート層を設けることが好ましい。吸着剤としては、ベントナイト、酸性白土等の粘土鉱物、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土などが例示できる。このときのコートは、必要に応じバインダーを含む吸着剤のコート液を、ローラーコート、スプレーなどにより塗布することにより達成できる。
【0050】
特に好ましい態様は、光が照射されやすいハニカム片(1) の前面A側の面に光触媒酸化チタンコート層を設け、光が照射されにくいハニカム片(1) の少なくとも後面B側の面には、さらに吸着剤コート層を設けることである。この場合、エレメントがハニカム片の積層体(少なくとも前面A側となるハニカム片は、上述の(I)および(II)の条件を満足するハニカム片(1) )であるときは、前面側のハニカム片(1) の前面A側の面に光触媒酸化チタンコート層を設け、後面側のハニカム片の全体やその片の後面側の面に吸着剤コート層を設けることが望ましい。
【0051】
《気体処理用装置》
本発明の気体処理用エレメントと、光触媒酸化チタン励起のためのランプ(2) とを備えることにより、気体処理用装置を構成することができる。なお、ハニカム片(1) を気体処理用エレメントとして用いるときは、適当な枠体でこれを支持し、もし必要なら静電フィルターなどの他の材料と併用することもできる。
【0052】
この場合、光が多く照射される側の面を前面A、光の照射量の少ない方の側の面を後面Bとするとき、ランプ(2) をハニカム片(1) の前面A側に所定の間隔をあけて配置すると共に、そのときのランプ(2) の向きを、ハニカム片(1) の前面A側に照射される光の量が多くなるように設定することが望ましい。所定の間隔とは、離れて配置する場合でも10cm程度までとするのが一般的であり、近くに配置する場合はランプ(2) の保護チューブがハニカム片(1) に接触するまでである。
【0053】
上記ランプ(2) としては、冷陰極蛍光ランプ、ブラックライト、捕虫器用蛍光ランプ(ケミカルランプ)、殺菌ランプ、健康用蛍光ランプをはじめ、紫外線を発する各種の紫外線ランプがあげられる。実用化の段階における紫外線ランプの好適な一例は、冷陰極蛍光ランプ、特にフッ素樹脂製の保護チューブ付きの冷陰極蛍光ランプである。同様にブラックライトも、実用上好適に用いられる。
【0054】
そして、最近は可視光領域の光で活性化される光触媒酸化チタンもあるので、そのような光触媒酸化チタンを用いるときは、ランプ(2) として可視光の光を発するランプを用いることもできる。
【0055】
ランプ(2) は、上述のハニカム片(1) からなる気体処理用エレメントの1ユニットに付き、1ないし複数本を配置することができる。このとき、ランプ(2) は、ハニカム片(1) の前面A側に照射される光の量が多くなる向きに設置することが好ましい。ハニカム片(1) からなる気体処理用エレメントの大きさや形に合わせて、ランプ(2) の向きや本数を最適に設定するのである。
【0056】
気体処理用装置により処理する気体の流れは、A面側→B面側であってもよく、B面側→A面側であってもよい。
【0057】
〈作用〉
本発明の気体処理用エレメントを装備した気体処理用装置を用い、ハニカム片(1) からなる気体処理用エレメントに向けてランプ(2) から光を照射することにより、ハニカム片(1) に担持(場合によりさらにコート)されている光触媒酸化チタンの強い酸化力を発揮させることができる。脱臭しうる悪臭成分は、硫化水素、メルカプタン類、アンモニア、アルデヒド類、アミン類、脂肪酸類、モノマー類をはじめ多種のものがあげられ、複合臭も効果的に除去できる。エレメントに付着した微生物も死滅し、ヤニなどの有機物も分解する。従って、長期間交換なしに使用できる。
【0058】
本発明によれば、光触媒酸化チタン担持シートを用いたエレメントにおいて、エレメントの大きさおよび厚みを最小に保ちながら、気体処理能力(脱臭能力、抗菌能力)を格段に高めることができる。
【0059】
【実施例】
次に実験例をあげて本発明をさらに説明する。実験例1〜6のうち、実験例5と、実験例6の[3] 線裁断品とが実施例で、他は参考例である。実験例7〜11は、実験例1〜5のハニカム片(1) を用いたときの応用例である。以下「部」とあるのは重量部である。
【0060】
〈単位ハニカムシート(S) 、多段ハニカム体(S#)の製造〉
修飾超微細酸化チタンとして石原産業株式会社製の光触媒用酸化チタン「ST−31」(結晶形:アナタース、110℃乾燥品のTiO2 含量:81重量%、ZnO含量:14重量%、X線粒径:7nm、BET比表面積:260m2/g)30部、無機質系填料としてセピオライト7部と粒径10数μm の活性炭20部、有機繊維質材料としてパルプ20部を用い、さらに補強繊維としてセラミックス繊維8部、バインダーとしてアルミナゾル5部、ラテックスエマルジョン6部および有機繊維状バインダー4部を用い、常法に従って湿式抄紙を行った。これにより、光触媒酸化チタン担持シートが得られた。坪量は171g/m2、厚みは0.29mm、密度は0.59g/cm3 、引張強度は 2.7kg/15mm であった。
【0061】
この光触媒酸化チタン担持シートをコルゲータに供給して、波形に段成形した中芯とフラットなライナーとからなる片面段ボール(単位シート(S) の一例)を製造した。この実験で製造した片面段ボールは、A Flute (段の高さ 4.5〜4.8mm 、30cm当りの標準山数34±2)と、B Flute (段の高さ 2.5〜2.8mm 、30cm当りの標準山数50±2)との2種とした。ついでこの片面段ボールを多段に積層接着して、多段ハニカム体(S#)を作製した。
【0062】
〈ハニカム片(1) の作製〉
先に述べたように、図1は、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S#)を、透孔(h) を横断するようにスライス状に裁断する態様を示した説明図である。図3は図1の[1] 線裁断品を得るときの詳細図であり、実験例1の態様を示している。
【0063】
実験例1
図1の[1] 線に沿って、上記で作製した多段ハニカム体(S#)を、θ1 が90゜でθ2 が30゜、θ1 が90゜でθ2 が45゜、θ1 が90゜でθ2 が60゜となるようにスライスして、板状のハニカム片(1) を作製した(図3参照)。比較のため、図1の[4] 線に沿って、θ1 が90゜でθ2 が90゜となるようにスライスしたものも得た。ハニカム片(1) の厚みdは、いずれも10mmに設定した。
【0064】
〈試験のための気体処理用装置、脱臭試験〉
図4は、試験に用いた気体処理用装置の説明図である。得られた厚みd=10mmのハニカム片(1) を、39mm×194mmの大きさに裁断して、評価サンプルとした。
【0065】
それぞれの評価サンプルを、図4に示す装置のアクリル製容器(40mm×200mm×50mm)の中に水平に入れ、パイレックスガラス板で蓋をして密閉した。サンプル上方6cmには、ランプ(2) の一例としての紫外線ランプ(ブラックライト)1本を図4に示した方向に平行に配置した。ついで、上記のアクリル製容器に、アセトアルデヒドを入れた50リットルのフレキシブルバッグをつなぎ、配管の途中に設置の循環ポンプで8リットル/minの速度で反応系内の空気を循環させた。なお、反応系内のアセトアルデヒド濃度は10ppm となるように調整した。この状態で、暗所に置いて1時間循環させた後、上記のランプ(2) を点灯して光照射を2時間行い、経時的にアセトアルデヒドの濃度を測定した。なお、評価サンプルの表面での光量は 1.5mW/cm2とした。
【0066】
結果を図5〜8に示す。図5〜8は、この順に、多段ハニカム体(S#)をスライスしてハニカム片(1) を作製したときの角度θ2 =30゜、45゜、60゜、90゜に対応している(θ1 はいずれも90゜)。ハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向に対してなす角度θは、上述の角度θ2 =30゜、45゜、60゜、90゜に対応して、θ=60゜、45゜、30゜、0゜となる。なお、θ2 とθとの関係は、後述の図14の(イ)の直線の通りとなる。
【0067】
図5〜8中、
○は、目の細かいBフルート(B Flute) の評価サンプル、
△は、目の粗いAフルート(A Flute) の評価サンプル
である。図5〜8から、1次反応速度定数を求めると、次の表1のようになる。
【0068】
【表1】

番号 θ 2 θ 段ボールの Flute 1次反応速度定数 図中の印
1 30゜ 60゜ B Flute 1.74/hr ○
2 30゜ 60゜ A Flute 1.41/hr △
3 45゜ 45゜ B Flute 1.31/hr ○
4 45゜ 45゜ A Flute 1.18/hr △
5 60゜ 30゜ B Flute 1.02/hr ○
6 60゜ 30゜ A Flute 1.21/hr △
7 90゜ 0゜ B Flute 0.95/hr ○
8 90゜ 0゜ A Flute 0.99/hr △
【0069】
図5〜8および表1から、多段ハニカム体(S#)を、透孔(h) を横断するようにスライス状に斜めに裁断したハニカム片(1) からなるエレメントを用いた場合は、θ2 =90゜にスライスした場合に比しすぐれた脱臭効果が得られることがわかった。
【0070】
また、ランプ(2) をハニカム片(1) の傾斜方向(多段ハニカム体(S#)のスライス時の傾斜面の傾斜方向)に対して平行に配置した場合と、その傾斜方向と直角方向に対して平行に配置した場合とを比較したところ、傾斜方向に平行に配置した場合の方がより好ましい脱臭効果が得られることがわかった。この結果では、ランプ(2) を傾斜方向に平行に配置した場合の方が、それと直角方向に平行に配置した場合に比べ、ハニカム片(1) の透孔(h) の面に照射される光の量が多くなるためである。
【0071】
実験例2
実験例1において、ハニカム片(1) の前面A側の面に、石原産業株式会社製の光触媒用酸化チタンスラリー「STS−21」をロールコーティング法によりコーティングした後、加熱処理することにより、光触媒用酸化チタンのコート層を設け、以下実験例1と同様にして脱臭試験を行った。結果を表2および図9に示す。
【0072】
【表2】

番号 θ 2 θ 段ボールの Flute 1次反応速度定数 図中の印
9 30゜ 60゜ B Flute 3.15/hr ○
【0073】
表2および図9から、ハニカム片(1) の少なくとも前面A側の面に光触媒酸化チタンの塗布層(c) を設けると、さらに一段と好ましい脱臭効率が得られることがわかる。
【0074】
実験例3
実験例2において、ハニカム片(1) の前面A側の面に光触媒用酸化チタンのコート層を設けると共に、ハニカム片(1) の前面B側の面にゼオライトスラリーをロールコーティング法によりコーティングした後、加熱処理することにより、吸着剤のコート層を設けた。この場合には、光の当らない後面B面においても臭気成分が吸着されるので、より好ましい脱臭効果が得られる。
【0075】
実験例4
図10は図1の[2] 線裁断品を得るときの詳細図である。図1の[2] 線に沿って、上記で作製した多段ハニカム体(S#)を、θ1 が15〜80゜でθ2 が90゜となるようにスライスした。ハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向に対してなす角度θは、(90−θ1 )゜となる。
【0076】
実験例5(実施例)
図11は図1の[3] 線裁断品を得るときの詳細図である。図1の[3] 線に沿って、上記で作製した多段ハニカム体(S#)を、θ1 が45゜でθ2 が45゜となるようにスライスして、板状のハニカム片(1) を作製し(図11参照)、以下実験例1と同様にして脱臭試験を行った。ただし、ランプの向きは図13のように2方向とした。結果を表3および図12に示す。なお、θ1 =θ2 でスライス裁断したときには、ハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向に対してなす角度θは、計算過程は省略するが、図14の(ロ)の曲線のようになる。θ1 =θ2 =45゜のときのθは約55゜である。
【0077】
【表3】

角 度 ランプ 段ボール 1次反応 図中の
番号 θ 1 θ 2 θ の向き の Flute 速度定数 印
10 45゜ 45゜ 55゜ 図13M B Flute 1.02/hr ■
11 45゜ 45゜ 55゜ 図13M A Flute 1.22/hr ●
12 45゜ 45゜ 55゜ 図13N B Flute 1.58/hr □
13 45゜ 45゜ 55゜ 図13N A Flute 1.63/hr ○
[ 3 90゜ 45゜ 45゜ 図13N B Flute 1.31/hr ]
[ 4 90゜ 45゜ 45゜ 図13N A Flute 1.18/hr ]
【0078】
上記表3には、[1] 線裁断品にかかる表1の番号3,4(ランプ(2) の向きは図13のN方向に相当)の結果も付記してある。これを[3] 線裁断品にかかる番号12,13と対比すると、[3] 線裁断品の方が一段と性能が向上していることがわかる。もし、[3] 線裁断品にかかる番号12,13において、実験例2のように前面A側の面に光触媒用酸化チタンのコート層を設ければ、1次反応速度定数はさらに格段に向上する。
【0079】
実験例6([3] 面裁断品が実施例)
シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S*)を、透孔(h) を横断するようにスライス状に裁断する場合については、図2に示した[1] 面裁断品、[2] 面裁断品、[3] 面裁断品があるが、実験例1、4、5の場合のような形なるので、具体的図示については省略する。
【0080】
実験例7〜10(実験例5のハニカム片(1) で構成した場合が実施例)
図15〜18は、2枚のハニカム片が厚み方向に積層された気体処理用エレメントの例を示した説明図である。少なくとも前面側となるハニカム片は、実験例1〜5のハニカム片(1) で構成されるが、この例では実験例1のハニカム片(1) を用いた場合を例示してある。
【0081】
図15は、角度θ2 の2枚のハニカム片(1) を前後に配置した場合である。
図16は、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、同じ角度θ2 のハニカム片(1) を左右反転して配置した場合である。
図17は、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、角度θ2'のハニカム片(1) を配置した場合である。
図18は、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、同じ角度θ2 のハニカム片(1) を横倒しにして配置した場合である。
なお、後側に位置するハニカム片(1) は、図1の[4] 線裁断品、あるいは光触媒酸化チタン担持シートで形成されていない任意の裁断線のハニカム片であってもよい。
【0082】
実験例11
図19は本発明の気体処理用エレメントの他の一例を示した側面図であり、(イ)にはハニカム片(1) を面方向にレーン状に配置した気体処理用エレメントの1面に近接してランプ(2) を2本配置した場合、(ロ)にはハニカム片(1) を面方向にレーン状に配置した気体処理用エレメントの2面を所定の間隔をあけて対向配置すると共に、それらの間にランプ(2) を2本配置した場合を示してある。
【0083】
この実験例においては、実験例1で得たθ=30°(つまりθ1 =90°、θ2 =60°)の厚みdが10mmのハニカム片(1) の4枚を用い、図19のように、各ハニカム片(1) の向きを図19のように交互に180°変えて面方向にレーン状に配置して気体処理用エレメントとなすと共に、各ハニカム片(1) の前面A側に照射される光の量が多くなるように2本のランプ(2) を配置してある。
【0084】
【発明の効果】
本発明にあっては、図1の[3] 線裁断品または図2の[3] 面裁断品からなるハニカム片(1) が光触媒酸化チタン担持シートで形成されており、かつ前面A側から後面B側に抜ける透孔(h) の中心軸方向がハニカム片(1) の厚み方向に対して15〜80゜の角度θをなしているようにしているため、ランプ(2) から照射される光が最も効率良く前面A側に当り、エレメントの大きさおよび厚みを最小に保ちながら、エレメントが占める単位スペース当りの脱臭効率を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多段ハニカム体(S#)を得るときの態様を示した説明図である。
【図2】 巻回ハニカム体(S*)を得るときの態様を示した説明図である。
【図3】 図1の[1] 線裁断品を得るときの詳細図であり、実施例1の態様を示している。
【図4】 試験に用いた気体処理用装置の説明図である。
【図5】 実験例1における脱臭試験の結果を示したグラフである。
【図6】 実験例1における脱臭試験の結果を示したグラフである。
【図7】 実験例1における脱臭試験の結果を示したグラフである。
【図8】 実験例1における脱臭試験の結果を示したグラフである。
【図9】 実験例2における脱臭試験の結果を示したグラフである。
【図10】 図1の[2] 線裁断品を得るときの詳細図であり、実験例4の態様を示している。
【図11】 図1の[3] 線裁断品を得るときの詳細図であり、実験例5(実施例)の態様を示している。
【図12】 実験例5(実施例)の結果を示したグラフである。
【図13】 実験例5(実施例)におけるランプ(2) の配置方向を示した説明図である。
【図14】 (イ)は図1において[1] 線裁断品を得るときのスライス角度θ2 と、厚み方向−透孔(h) 中心軸方向間の角度θとの関係を示したグラフである。(ロ)は図1の[3] 線裁断品を得るときのスライス角度θ1 ,θ2 と、厚み方向−透孔(h) 中心軸方向間の角度θとの関係を示したグラフである。
【図15】 2枚のハニカム片が厚み方向に積層された気体処理用エレメントの例を示した説明図であり、角度θ2 の2枚のハニカム片(1) を前後に配置した場合を示してある。
【図16】 2枚のハニカム片が厚み方向に積層された気体処理用エレメントの例を示した説明図であり、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、同じ角度θ2 のハニカム片(1) を左右反転して配置した場合を示してある。
【図17】 2枚のハニカム片が厚み方向に積層された気体処理用エレメントの例を示した説明図であり、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、角度θ2'のハニカム片(1) を配置した場合を示してある。
【図18】 2枚のハニカム片が厚み方向に積層された気体処理用エレメントの例を示した説明図であり、角度θ2 のハニカム片(1) の後側に、同じ角度θ2 のハニカム片(1) を横倒しにして配置した場合を示してある。
【図19】 本発明の気体処理用エレメントの他の一例を示した側面図であり、(イ)にはハニカム片(1) を面方向にレーン状に配置した気体処理用エレメントの1面に近接してランプ(2) を2本配置した場合、(ロ)にはハニカム片(1) を面方向にレーン状に配置した気体処理用エレメントの2面を所定の間隔をあけて対向配置すると共に、それらの間にランプ(2) を2本配置した場合を示してある。
【符号の説明】
(1) …ハニカム片、
(2) …ランプ、
(h) …透孔

Claims (1)

  1. 前面A側から後面B側に抜ける透孔(h) を有する厚みdのハニカム片(1) を含む気体処理用エレメントであって、
    そのハニカム片(1) が、光触媒酸化チタン担持シートで形成されていること、
    そのハニカム片(1) が、シート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の多段積層体である多段ハニカム体(S # )またはシート縦方向に透孔(h) を有する単位ハニカムシート(S) の巻回体である巻回ハニカム体(S * )を、その透孔(h) を斜めに横断するようにスライス状に裁断したものであること、および、
    (イ)上記多段ハニカム体(S # )を構成する単位ハニカムシート(S) のシート横方向をx方向、シート積層方向をy方向、シート縦方向(つまり透孔(h) の中心軸方向)をz方向とするとき、その多段ハニカム体(S # )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、または、(ロ)上記巻回ハニカム体(S * )の輪切り直交2方向をそれぞれx方向、y方向とし、長さ方向をz方向とするとき、その巻回ハニカム体(S * )がx方向とは斜めでかつy方向とも斜めにスライス状に裁断されてハニカム片(1) が形成されており、かつそのハニカム片(1) の厚み方向が透孔(h) の中心軸方向(つまりz方向)に対して15〜80゜の角度θをなしていること、
    を特徴とする気体処理用エレメント。
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