JP4321329B2 - 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4321329B2
JP4321329B2 JP2004104610A JP2004104610A JP4321329B2 JP 4321329 B2 JP4321329 B2 JP 4321329B2 JP 2004104610 A JP2004104610 A JP 2004104610A JP 2004104610 A JP2004104610 A JP 2004104610A JP 4321329 B2 JP4321329 B2 JP 4321329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
resin
die
outlet
enlarged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004104610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005288781A (ja
Inventor
益一 平田
賢一 成田
芳明 嘉屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP2004104610A priority Critical patent/JP4321329B2/ja
Publication of JP2005288781A publication Critical patent/JP2005288781A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4321329B2 publication Critical patent/JP4321329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法に関するものであり、詳しくは、押出機の先端に装着されるダイであって、溶融樹脂を押し出してペレット等の樹脂成形品を製造する樹脂成形用ダイ、および、当該ダイを使用した樹脂成形品の製造方法に関するものである。
多くの分野に使用されているエンジニアリングプラスチックス等の各種樹脂は、強度などの各種性質を向上させ、また、各種性質のバランスをよくするために、溶融段階で強化成分などの多種の他成分を添加して複合体にすることが多く、斯かる複合体は、主に、ストランドと呼ばれる細長い形態で押し出された後、冷却、切断されて固体のペレットに成形される。
一般的な溶融樹脂および上記の複合体のペレット化、シート化またはフィルム化などにおいては、生産性を低下させる要因として、目ヤニの発生が挙げられる。目ヤニは、押出機のストランドダイ、Tダイ等の各種ダイの出口に、樹脂や添加成分などの一部が付着成長したものであり、成長する過程で分子量低下、架橋、酸化、変色などの劣化を来し、適度に成長した段階でダイの出口から離れる。劣化した目ヤニがダイから離れてストランドに付着し、更にペレットなどの成形品中に混入すると、製品の品質低下を惹起する。従って、樹脂成形品の製造においては、目ヤニの混入による品質低下を防ぐため、目ヤニを除去する所謂「目ヤニ切り」と呼ばれる除去作業を定期的に実施する必要がある。また、除去作業に伴い、廃棄物の発生も問題になっている。
目ヤニの低減や除去方法については多くの提案がなされているが、樹脂の種類などに拘わらず比較的広い範囲に適用可能な方法としては、ダイの出口穴の改良による目ヤニの付着防止方法が挙げられる。ダイにおける目ヤニの付着防止構造としては、例えば、出口穴の先端部をテーパー状に拡径し、出口穴先端において鋭角なエッジ部を無くすことにより、押し出される樹脂の出口端での滞留を低減した構造が提案されている。
特開平05−253997号公報
また、他の構造としては、連続する異径の3つの流路(大径部、絞り部および出口拡径部)によって出口穴を構成することにより、通過する樹脂全体の流速を均一化すると共に、押し出される樹脂を出口穴の先端部である出口拡径部において膨張させ、出口穴付近に付着する目ヤニを低減した状態でストランドに成形する構造が提案されている。更に、斯かる構造においては、上記の効果を発揮させるため、出口穴の絞り部の直径(D1)に対する出口拡径部の直径(D2)の比率(D2/D1)を1.1〜2.0に設定し、出口拡径部における直径(D2)に対する長さ(深さ:L2)の比率(L2/D2)を0.6〜1.6に設定している。
特許第3174840号公報
他方、複雑な形状、構造を備えた各種の機械類においては、その組立のみならず、分解清掃や部分的な修理などの保守管理が容易になる様に、簡単な形状の部品を複数組み合わせて装置構成するのが一般的である。押出機においても、バレル部分やスクリュー部分の他、樹脂の出口であるダイを複数の部品で構成することが提案されており、前記のダイとしては、例えば、着脱可能なノズルピースを備えたダイプレート(ダイ構成部品)から構成されたものが挙げられる
特許第3295379号公報
ところで、上記の異径の3つの流路が連続する構造の出口穴を備えたダイは、出口穴を通過する樹脂の中心部と外周部との流速が均一化され、特に樹脂の外周部の流動性が良くなる点において、樹脂の劣化を低減でき、目ヤニの発生も抑制し得ると考えられる。しかしながら、実際に樹脂中の強化成分の比率が高い樹脂に適用した場合などは、目ヤニの低減効果も十分ではない。また、上記のダイにおいては、出口穴の出口拡径部が絞り部に対して階段状に不連続的に拡径されているため、ダイ自体の製造は容易であるが、使用後に出口拡径部の奥端の凹部に付着した樹脂を除去するための清掃が困難であり、保守管理上からもより取扱い易い構成が望まれる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶融樹脂押出し用の出口穴を有する樹脂成形用ダイであって、出口穴に発生する目ヤニをより一層低減できる樹脂成形用ダイを提供することにある。更に、保守管理の容易な樹脂成形用ダイを提供することにある。また、本発明の目的は、より高品質の樹脂成形品を製造できる樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前述の様な異径の3つの流路が連続する構造の出口穴を備えたダイの改良を前提として、上記の課題を解決すべく種々検討の結果、出口穴の内部の寸法関係を変更するならば、意外にも、従来以上に目ヤニの低減効果を高め得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は2つの要旨から成り、その第1の要旨は、溶融樹脂押出し用の出口穴を有する樹脂成形用ダイであって、前記出口穴は、樹脂押出し方向に順次に連続する大径部、絞り部および出口拡径部から成り、前記絞り部の直径に対する前記出口拡径部の直径の比率(D3/D2)が1.3〜2.0に設定され、前記出口拡径部の直径に対する当該出口拡径部の長さの比率(L3/D3)が1.7〜5.0に設定されていることを特徴とする樹脂成形用ダイに存する。
また、本発明の第2の要旨は、上記のダイを使用し、出口穴から溶融樹脂を押し出して冷却固化することを特徴とする樹脂成形品の製造方法に存する。
本発明の樹脂成形用ダイによれば、出口穴に発生する目ヤニをより一層低減でき、しかも、保守管理が一層容易である。また、本発明の樹脂成形品の製造方法によれば、目ヤニの混入の無い一層高品質の樹脂成形品を製造できる。
本発明に係る樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る樹脂成形用ダイの主要部である出口穴の構造の一例を示す縦断面図である。なお、以下の実施形態の説明においては、樹脂成形用ダイを「ダイ」と略記する。
先ず、本発明のダイについて説明する。本発明のダイは、溶融樹脂を押し出して樹脂成形品を製造する押出機の先端に装着されるダイであり、図1に示す様な溶融樹脂押出し用の出口穴を有する。周知の通り、押出機は、供給された原料樹脂をバレル内で加熱溶融すると共に、スクリューによって溶融樹脂を連続的に混練して押し出すことにより、ストランド等の成形品を製造する装置である。図1は、ストランド製造用のストランドダイの1つの出口穴を例示しているが、通常、この様なダイにおいては、複数の出口穴が設けられる。
本発明のダイにおいては、ダイ表面側の出口穴端部(図面において穴の右側の端部)の周囲に溶融樹脂が付着するのを低減するため、出口穴は、樹脂押出し方向に順次に連続する大径部(10)、絞り部(20)及び出口拡径部(30)から構成される。具体的には、出口穴は、例えば、押出機のバレル側(図面の左側)から溶融樹脂が供給され且つ樹脂押出し方向下流側がテーパー状に直径(D1)の大きさまで縮径された大径部(10)と、後述する様に両端部がそれぞれテーパー状に縮径および拡径され且つ途中が大径部(10)の下流端の直径(D1)よりも小さな直径(D2)の直管状に形成された絞り部(20)と、絞り部(20)の直径(D2)よりも大きな直径(D3)の直管状に形成され且つ溶融樹脂を外部に排出する出口拡径部(30)とから構成される。
上記の3つの部位により出口穴を構成する理由は次の通りである。すなわち、ダイの出口穴から押し出される溶融樹脂は、一般に、流路中で蓄えられた内部応力により、膨らんで、太くなる傾向がある。そのため、出口穴の端部においては、膨らんだ溶融樹脂がダイの表面側に回り込んだ状態に付着し易く、これが目ヤニの発生源となる。そこで、本発明においては、出口穴の中間を絞った形状に構成し、出口穴の下流側を相対的に拡径することにより、押し出される前の段階で溶融樹脂を予め膨張させ、最終的に押出し直後の膨らみを少なくして、出口穴端部への付着を低減する様にしている。
また、上記の様に、3つの異なる直径の部位によって構成される出口穴は、その途中に直径が急激に変化する部位、換言すれば、段差を有する部位のない構造に形成されるのが好ましい。すなわち、出口穴において、大径部(10)と絞り部(20)の切替り部分には、大径部(10)の直径(下流端の直径)(D1)から絞り部(20)の直径(D2)まで樹脂押出し方向に従って漸次縮径された上流側テーパー部(21)が設けられる。具体的には、中間の絞り部(20)は、大径部(10)の下流端と同等の直径(D1)から樹脂押出し方向に従って漸次縮径された上流側テーパー部(21)を備えている。
更に、出口穴において、絞り部(20)と出口拡径部(30)の切替り部分には、絞り部(20)の直径(最小直径)(D2)から出口拡径部(30)の直径(D3)まで樹脂押出し方向に従って漸次拡径された下流側テーパー部(23)が設けられる。具体的には、中間の絞り部(20)は、出口拡径部(30)の上流端と同等の直径(D3)まで樹脂押出し方向に従って漸次拡径された下流側テーパー部(23)を備えている。
上記の様に、出口穴の途中の流路を段差のない構造とすることにより、溶融樹脂の滞留を一層低減でき、滞留によって劣化した成分の混入を防止することが出来る。なお、溶融樹脂の滞留を出来る限り少なくする観点から、上流側テーパー部(21)及び下流側テーパー部(23)の傾斜角度(流路の中心線とのなす角度)は略45度以下が好ましい。
ところで、本発明のダイにおいては、出口穴端部への樹脂の付着を低減するため、前述の様に、出口拡径部(30)を設けることにより、押し出される前の段階で溶融樹脂を膨張させ、押し出された直後の膨らみを少なくすることを企図している。その場合、出口拡径部(30)から押し出される樹脂の膨らみをより一層少なくするため、出口拡径部(30)は、その上流側の絞り部(20)に対して適度な直径の違いが必要であり、また、絞り部(20)から流入した溶融樹脂が膨張してから出口に到達するまでに整った流れとなる適度な長さが必要である。
本発明においては、上記の観点から出口穴の内部の寸法関係について次の様な関係を見いだした。すなわち、上記の出口穴においては、上流側テーパー部(21)及び下流側テーパー部(23)を除く絞り部(20)の直径(D2)に対する出口拡径部(30)の直径(D3)の比率(D3/D2)が1.3〜2.0に設定され、かつ、出口拡径部(30)の直径(D3)に対する当該出口拡径部の長さ(L3)の比率(L3/D3)が1.7〜5.0に設定される。出口穴の内部の寸法関係を上記の様に設定することにより、特に強化成分の比率が高い溶融樹脂について、出口拡径部(30)から押し出す際の膨らみを効果的に低減できる。
なお、出口拡径部(30)の直径(D3)は、最終的に希望する賦形物の大きさから決定される。例えば、賦形物が図示する様な円柱状のストランド(4)やそれを切断して得られるペレットの場合、引き伸ばされたストランド(4)の直径(D4)と出口拡径部の直径(D3)との比率(D4/D3)が0.3〜1.0の範囲となるように出口拡径部の直径(D3)を定めるのが望ましい。
また、出口穴の出口拡径部(30)で溶融樹脂を均一に膨張させるため、絞り部(20)においては、円筒対称の流速分布(樹脂の押出方向に直交する断面においてその中心周りに対称な流速分布)を持つ様に、溶融樹脂の流れを整えることが重要である。特に、複数の出口穴を有するダイは、上流部に共通の1つの入口穴を有し且つその下流側が複数の図示する様な出口穴に分岐し、入口穴から流れ込んだ溶融樹脂が複数の出口穴から排出される様に設計されているが、入口穴から各出口穴に分岐した直後の溶融樹脂は、円筒対称性のない流れになっている。従って、出口穴においては、直径の絞られた絞り部(20)を通過させると共に、絞り部(20)を通過させる間に溶融樹脂の流れを整える必要がある。
そこで、本発明の好ましい態様においては、樹脂の押出方向に直交する断面における流速の均一化を図るため、上流側テーパー部(21)及び下流側テーパー部(23)を除く絞り部(20)の直径(D2)に対する当該絞り部の長さ(L2)の比率(L2/D2)が2.0〜10.0に設定される。また、上記の絞り部(20)は、上流側の押出機のバレル内(スクリュー部)において樹脂や強化材を均一に混合する際のその圧力を高める機能も備えており、絞り部(20)の直径(D2)は、必要とされる十分な圧力をバレル内に与え得る様に、上記の比率(D3/D2)の範囲内において設定され、通常は、出来る限り小さく設定される。
なお、本発明のダイにおいて、樹脂の押出し方向に直交する出口穴の断面形状は、円形に限られるものではなく、楕円形や長円形などの他の形状であってもよい。そして、出口穴の断面形状が円形以外の場合は、その断面積に等しい面積の円形断面を想定し、その直径をもって上記の各条件に基づいて設計することが出来る。
また、本発明のダイは、その組立加工を容易にし、かつ、樹脂成形後の清掃などの保守管理を簡単にするため、分割可能な複数のダイ構成部品で構成される。例えば、本発明のダイは、図示する様に、押出機に取り付けられて出口穴の大径部(10)を構成する装置側ダイヘッド(1)、当該装置側ダイヘッドに取り付けられて出口穴の絞り部(20)を構成する中間ダイプレート(2)、および、当該中間ダイプレートに取り付けられて出口拡径部(30)を構成する出口側ダイプレート(3)の3つのダイ構成部品を組み合せて作製される。図示しないが、上記の各ダイ構成部品は、通常、ねじの締付けによって一体化される。
なお、図に例示した構造では、絞り部(20)を構成する中間ダイプレート(2)に上流側テーパー部(21)及び下流側テーパー部(23)が設けられているが、上流側テーパー部(21)は、装置側ダイヘッド(1)において大径部(10)の下流部として設けられてもよく、また、下流側テーパー部(23)は、出口側ダイプレート(3)において出口拡径部(30)の上流部として設けられてもよい。
本発明のダイは、上記の様に、出口穴が大径部(10)、絞り部(20)及び出口拡径部(30)の3つの部位から成り、かつ、上流側テーパー部(21)と下流側テーパー部(23)を備えているため、出口穴の内部において樹脂の滞留を低減でき、出口穴内部における樹脂やその含有成分の劣化を防止できる。しかも、上記の出口穴においては、絞り部(20)の直径(D2)に対する出口拡径部(30)の直径(D3)の比率(D3/D2)が特定の範囲の値に設定され、かつ、出口拡径部(30)の直径(D3)に対する当該出口拡径部の長さ(L3)の比率(L3/D3)が特定の範囲の値に設定されており、絞り部(20)を通過した溶融樹脂が出口拡径部(30)で十分に膨張し、かつ、出口拡径部(30)にて溶融樹脂が出口に到達するまでに整った流れとなるため、出口拡径部(30)から押し出される樹脂の膨らみが一層低減される。従って、本発明のダイにおいては、ダイ表面側の出口穴端部への樹脂の付着を減少させることが出来、目ヤニの発生を一層低減できる。
また、本発明のダイは、上記の様に、分割可能な複数のダイ構成部品によって構成されているため、組立や保守管理が一層容易である。例えば、図示する様に、出口側ダイプレート(3)が一部品として分割可能になされている場合には、これを取り外すことにより、出口拡径部(30)及び小径の絞り部(20)の下流部を簡単に清掃でき、出口部分を損傷した場合でも安価に交換できる。更に、中間ダイプレート(2)が装置側ダイヘッド(1)とは別個に一部品として分割可能になされている場合には、これを取り外すことにより、絞り部(20)及び大径部(10)を簡単に清掃でき、しかも、絞り部(20)が摩耗した場合でも安価に交換できる。複数のダイ構成部品によって構成された本発明のダイは、特に、強化成分の比率が高く、ダイの磨耗が著しい樹脂の押出し成形に好適である。
また、上記のダイを使用した本発明に係る樹脂成形品の製造方法においては、上記のダイを使用し、出口穴から溶融樹脂を押し出し、冷却固化することにより、ペレット等の賦形された樹脂成形品を製造する。例えば、樹脂成形品として、断面積が0.1〜0.2cm程度のペレットを製造する場合には、図1に示す構造のダイの出口穴から溶融樹脂を押し出すことにより、丸棒状のストランド(4)を成形する。そして、連続成形されるストランド(4)を冷却固化すると共に、一定の長さで逐次切断することにより、ペレットを得ることが出来る。
本発明において、樹脂成形品の原料である樹脂としては、特に制限はなく、各種熱可塑性樹脂などの公知の樹脂(例えば「14303の化学商品」;化学工業日報社,2003年版に記載の樹脂)が挙げられる。そして、斯かる樹脂には、等方性または異方性の形状の溶融しない無機物粒子などから成る強化材や各種の添加物(例えば「14303の化学商品」;化学工業日報社,2003年版に記載の添加物)が含まれていてもよい。特に、本発明は、概ね10wt%以上の高い比率で強化材を含有する複合体樹脂に好適である。
上記の様に、特定のダイを使用した本発明の製造方法によれば、ダイの出口穴に発生する目ヤニを一層低減できるため、各種の樹脂や樹脂複合体のペレット等の樹脂成形品を製造するに当り、目ヤニの混入の無い一層高品質の樹脂成形品を製造できる。しかも、従来の様な目ヤニの除去作業を軽減できるため、生産性を一層向上でき、また、廃棄物の低減にも大きく寄与することが出来る。
[実施例1]
図1に示す分割可能なダイを使用し、樹脂成形品としてペレットを製造した。ダイには、図1に示す構造の出口穴が41個設けられており、各出口穴は、絞り部(20)の直径(D2)に対する出口拡径部(30)の直径(D3)の比率(D3/D2)が1.6、出口拡径部(30)の直径(D3)に対する当該出口拡径部の長さ(L3)の比率(L3/D3)が3、絞り部(20)の直径(D2)に対する当該絞り部の長さ(L2)の比率(L2/D2)が4であった。原料として、ガラス繊維25wt%、マイカ30wt%を加えたポリアミドMXD6を使用した。押出し成形では、280℃の溶融状態で原料樹脂を押し出し、ストランド(4)として取り出した後、これを冷却、切断し、複合体ペレットを成形した。その結果、全ての出口穴から押し出されたストランド(4)に捩れはなく、得られたペレットは目ヤニ等の劣化成分の混入の殆どない高品質なものであった。
[実施例2]
原料として、ガラス繊維30wt%を加えたポリブチレンテレフタレートを使用した点を除き、実施例1と同様の条件で複合体ペレットを製造した。その結果、実施例1と同様に、全ての出口穴から押し出されたストランド(4)に捩れはなく、得られたペレットは目ヤニ等の劣化成分の混入の殆どない高品質なものであった。
[比較例1]
ダイの出口穴において、出口拡径部(30)の直径(D3)に対する当該出口拡径部の長さ(L3)の比率(L3/D3)を1.5に設定した点を除き、実施例1と同様の条件で複合体ペレットを製造した。その結果、実施例1と比較して目ヤニの発生が多く、ペレットには劣化成分の混入が認められた。
[比較例2]
ダイの出口穴において、出口拡径部(30)の直径(D3)に対する当該出口拡径部の長さ(L3)の比率(L3/D3)を1.5、絞り部(20)の直径(D2)に対する当該絞り部の長さ(L2)の比率(L2/D2)を2に設定した点を除き、実施例1と同様の条件で複合体ペレットを製造した。その結果、実施例1と比較してストランドに捩れが発生し、しかも、目ヤニの発生が多く、ペレットには劣化成分の混入が認められた。
[比較例3]
ダイとして、出口穴において絞り部(20)の直径(D2)に対する当該絞り部の長さ(L2)の比率(L2/D2)が2に設定され、かつ、ダイ表面側に出口拡径部(30)を備えていないダイ(出口側ダイプレート(3)を備えていないダイ)を使用した点を除き、実施例1と同様の条件で複合体ペレットを製造した。その結果、実施例1と比較してストランドに捩れが発生し、しかも、目ヤニの発生が多く、ペレットには劣化成分の混入が認められた。
本発明に係る樹脂成形用ダイの主要部である出口穴の構造の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 :装置側ダイヘッド(ダイ構成部品)
10:大径部
2 :中間ダイプレート(ダイ構成部品)
20:絞り部
21:上流側テーパー部
23:下流側テーパー部
3 :出口側ダイプレート(ダイ構成部品)
30:出口拡径部
4 :樹脂(ストランド)
D1:大径部の下流端の直径
D2:絞り部の直径
D3:出口拡径部の直径
D4:ストランドの直径
L2:絞り部の長さ
L3:出口拡径部の長さ

Claims (10)

  1. 溶融樹脂押出し用の出口穴を有する樹脂成形用ダイであって、前記出口穴は、樹脂押出し方向に順次に連続する大径部、絞り部および出口拡径部から成り、前記絞り部の直径に対する前記出口拡径部の直径の比率(D3/D2)が1.3〜2.0に設定され、前記出口拡径部の直径に対する当該出口拡径部の長さの比率(L3/D3)が1.7〜5.0に設定されていることを特徴とする樹脂成形用ダイ。
  2. 絞り部の直径に対する当該絞り部の長さの比率(L2/D2)が2.0〜10.0に設定されている請求項1に記載の樹脂成形用ダイ。
  3. 大径部と絞り部の切替り部分には、前記大径部の直径から前記絞り部の直径まで樹脂押出し方向に従って漸次縮径された上流側テーパー部が設けられている請求項1又は2に記載の樹脂成形用ダイ。
  4. 絞り部と出口拡径部の切替り部分には、前記絞り部の直径から前記出口拡径部の直径まで樹脂押出し方向に従って漸次拡径された下流側テーパー部が設けられている請求項1〜3の何れかに記載の樹脂成形用ダイ。
  5. 分割可能な複数のダイ構成部品で構成されている請求項1〜4の何れかに記載の樹脂成形用ダイ。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のダイを使用し、出口穴から溶融樹脂を押し出して冷却固化することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  7. 樹脂成形品がペレットである請求項6に記載の製造方法。
  8. 溶融樹脂が添加物を含む樹脂である請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 溶融樹脂が等方性または異方性の形状の溶融しない無機物粒子から成る強化材を含む樹脂である請求項6又は7に記載の製造方法。
  10. 溶融樹脂が強化材を10wt%以上含有する複合体樹脂である請求項9に記載の製造方法。
JP2004104610A 2004-03-31 2004-03-31 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP4321329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004104610A JP4321329B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004104610A JP4321329B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005288781A JP2005288781A (ja) 2005-10-20
JP4321329B2 true JP4321329B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=35322285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004104610A Expired - Fee Related JP4321329B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4321329B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5774901B2 (ja) * 2011-04-28 2015-09-09 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂押出用ダイ
JP2013022808A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Asahi Fiber Glass Co Ltd ダイプレートおよびそれを用いた熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
TW201505808A (zh) * 2013-05-01 2015-02-16 Invista Tech Sarl 用於聚醯胺束合成之高產出量模具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005288781A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4968828B2 (ja) 樹脂押出機用スクリュー、樹脂押出機、およびペレット製造方法
JP2007320056A (ja) 押出成形用ダイ
JP4321329B2 (ja) 樹脂成形用ダイ及び樹脂成形品の製造方法
JP2019069527A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂の混練方法および可塑化装置
JP6634216B2 (ja) プラスチック材料溶融物の均質化装置及び方法
JP2012213997A (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法
JP6494689B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂押出物の製造方法および製造装置
JP2010264629A (ja) ダイ支持装置およびこれを備えた押出成形用ダイ
JP2001293770A (ja) 押出成形体及びその製造方法並びに製造装置
JP5536704B2 (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法
JP2001269411A (ja) カテーテル用チューブ
JP7470882B1 (ja) ダイスセットおよび押出機
CN1077841C (zh) 管子成形用模具
JP2003305761A (ja) 樹脂組成物の押出方法及び装置
JP2019089250A (ja) ブレーカプレート、ストランド製造装置、ペレット製造装置及びペレット製造方法
JP2012040789A (ja) 押出機用ストランドダイスおよび樹脂ペレットの製造方法
KR100476692B1 (ko) 재활용 원료를 이용한 타포린 제조용 압출방법
JP2019059081A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂用の押出機
CN214266448U (zh) 一种注塑机精密过滤射嘴
JPH08323743A (ja) ペレット用熱可塑性樹脂の押出用金型
JP2009045745A (ja) ポリエステルの溶融押出機
CN207388262U (zh) 一种挤塑螺杆
JP4332020B2 (ja) 長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造用ダイ及び該構造体の製造方法
JP2013082222A (ja) フォーミング金型
KR200324423Y1 (ko) 폐합성수지 재생용 압출 성형기의 혼련스크류 구조

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees