JP2009045745A - ポリエステルの溶融押出機 - Google Patents

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    • B29B7/429Screws

Abstract

【課題】高粘度のポリエステルを溶融して押出すに際して、熱劣化を抑制でき、しかも、気泡の混入が無く、更に、押出後の溶融物に粘度斑のない溶融押出機を提供する。
【解決手段】溶融押出機のスクリューに形成する熱化成樹脂の圧縮部が、圧縮部開始端で前記メインフライトの側面から分岐するサブフライトが隣接するメインフライトの間に形成され、更に前記サブフライトは圧縮部終了端で前記メインフライトと一体となって解消され、かつ、上流側メインフライトと前記サブフライトとの間に形成された溶融ポリマーの回収溝の溝容積と、前記サブフライトと下流側メインフライトとの間に形成された未溶融ポリマーの滞留溝の溝容積とに関して、回収溝の溝容積に対する滞留溝の溝容積の比率で定義される溝部容積比率が1.5から3.5の範囲で下流側へ行くに従って増加するように形成された溶融押出機である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高粘度を有するポリエステル樹脂を溶融して押し出すための溶融押出機に関する。
一般に、ポリエステルなどの熱可塑性重合体(以下、“ポリマー”あるいは“原料”とも言う)からなるペレットを溶融して押し出すための溶融押出機が使用されている。この溶融押出機は、図2に示したような構成を有しており、加熱手段4’が周囲に付設されたシリンダー2’内にスクリュー1’が同軸的かつ回転自在に挿入されている。そして、このスクリュー1’として、スクリュー軸の周りに螺旋状に巻くように1条のフライト(山部)11’が連続的に周設されたフルフライト型スクリューが広く用いられてきた。
以上に説明したスクリュー1’を備えた溶融押出機では、前記スクリュー1’に螺旋状に周設された上流側フライト11’と下流側フライト11’の隣接フライト間に形成された溝部(谷部)の溝深さあるいは溝幅を所定の規則に従って変化させることによって、原料の供給部、圧縮部および計量部が形成されている。そして、ホッパー3’から固体状態で投入されたペレットからなるポリマー原料を、これらの供給部、圧縮部および計量部へ供給することによって、原料を溶融押出することを可能としている。
この図2に示したような1条フルフライト型スクリュー1’では、図3(a)に示すように、比較的初期の溶融段階において上流側及び下流側フライト11’,11’間に形成された溝内で、その上流側に原料の溶融物Aが存在し、下流側に未溶融の原料B(一般に“ソリッドベッド”と呼ばれている)が多数詰まって存在する状態を採る。このとき、スクリュー1’の回転に伴って原料が下流側へ送られるにしたがって、ソリッドベッドBの溶融が進行して溶融物Aの占める容積割合が次第に増加する。
そうすると、前述のスクリュー1’では、溶融物A中にソリッドベッドBが混在し始めて、このソリッドベッドBによって溶融物Aが押し退けられてしまい、スクリュー溝全体がソリッドベッドBで占拠されてしまうと言う事態が生じる。もし、このような事態が生じると、溶融物A中にソリッドベッドBが混在したままで溶融押出機から押出されたり、押出圧力の変動が生じたりするので、得られる成形品の品質に好ましくない影響を与える。しかも、この好ましくない現象は、特に高速押出しを行なう場合に顕著となる。
そこで、特許文献1(特開昭57−84830号公報)において、図3(a)に例示した1条フルフライト型スクリューに代えて、図3(b)に例示したように、メインフライト11a’とサブフライト11b’からなる2条フライトを形成したスクリューを用いて、前述の問題を解決しようとする試みがなされてきた。
この図3(b)に例示した2条フライト11a’と11b’を用いる利点としては、メインフライト11a’とサブフライト11b’によって、溶融物Aを回収するための回収溝を別途その上流側(上流側メインフライト11a’とサブフライト11b’の間)に形成させたことである。このようにすることによって、サブフライト11b’と下流側メインフライト11a’との間に形成された溝部でソリッドベッドBが次第に溶融して行き溶融物A1となって行っても、この溶融物A1はサブフライト11b’を越えて上流側に形成された回収溝へ流入し、ソリッドベッドBと分離して溶融物A2となって回収することができる。
したがって、ソリッドベッドBの溶融が進行して行く過程で、溶融物Aの分離が行なわれて、ソリッドベッドBと混合することがなくなり、前述のような1条フルフライト型スクリューが持つ問題が解消される。また、このような2条フライト11a’と11b’を有するスクリューを用いたものは、従来の1条フルフライト型スクリューより混練性も増すとされている。
しかしながら、特に、溶融粘度が200 Pa・sec以上となるような高粘度ポリマーを溶融押出しようとする場合には、熱劣化が激しくなり、原料の熱劣化が発生したりする。しかも、2条フライト11a’と11b’によって溶融物AとソリッドベッドBを早期に分離しているため、原料に含まれる気体を抜くための脱気性が悪く、気泡が溶融ポリマー中に残存するという問題が生じたりすることも多い。
なお、溶融押出機中で発熱の要因となるスクリューの圧縮部におけるメインフライト11a’とサブフライト11b’の形状を適正化し、発熱による熱劣化のトラブルを回避する試みも、例えば特許文献2(特開昭52−3654号公報)に提案されている。確かに、この従来技術によれは、スクリューに周設する2条のフライト11a’と11b’の構成と形状を適性化することにより、発熱を抑制し熱劣化によるトラブルをある程度回避することができるが、それでも、気泡が抜け難いという問題を解消するには至っていない。
また、この問題を回避するために、スクリュー1’の長さ(L)とスクリュー1’の外径(D)との比であるL/Dを長くしたり、早く溶融を完了させるためにシリンダー2’を加熱する加熱手段4’の設定加熱温度を上げる等の対策が講じられている。しかしながら、これらの方策も、ポリマー原料の熱劣化を助長することになるという問題が生じる。
更に、気泡の発生を抑制しようとするあまり高混練性を発揮するサブフライト11b’とシリンダー2’との間のクリアランスを大きくすることも考えられるが、このクリアランスを大きくすると、今度は混練性が低下し、押出後に粘度斑を有する溶融物を生成してしまうために、これに続く溶融紡糸工程などの成形工程において工程調子を下げてしまうことがあった。
特開昭57−84830号公報 特開昭52−3654号公報
以上に述べた従来技術が有する諸問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、「高粘度のポリエステルを溶融して押出すに際して、熱劣化を抑制でき、しかも、気泡の混入が無く、更に、押出後の溶融物に粘度斑のない溶融押出機を提供する」ことにある。
ここに、上記課題を解決する本発明として、請求項1に記載の「ポリエステルの熱可塑性高分子を溶融して押出す溶融押出機であって、該溶融押出機のスクリュウーの径をDとし、前記スクリューの有効長さをLとした時にそのL/Dの値が18から30であって、かつ、前記スクリューの全有効長さにわたって、原料の供給部、圧縮部、そして、計量部が少なくとも形成され、その際、
前記供給部は、溝深さと溝幅が一定のメインフライトだけが形成された1条フライトを有し、前記圧縮部は、圧縮部開始端で前記メインフライトの側面から分岐するサブフライトが隣接するメインフライトの間に形成され、更に前記サブフライトは圧縮部終了端で前記メインフライトと一体となって解消され、かつ、上流側メインフライトと前記サブフライトとの間に形成された溶融ポリマーの回収溝の溝容積と、前記サブフライトと下流側メインフライトとの間に形成された未溶融ポリマーの滞留溝の溝容積とに関して、回収溝の溝容積に対する滞留溝の溝容積の比率で定義される溝部容積比率が下流側へ行くに従って増加するように形成され、前記計量部の圧縮比が1.5から3.5である溝深さと溝幅とが一定の1条フライトが形成されたことを特徴とするポリエステルの溶融押出機」が提供される。
また、本発明は、請求項2に記載のように、「前記計量部以降又はその途中に混練部が形成された請求項1記載のポリエステルの溶融押出機」とすることが望ましい。
以上に説明したように、本発明の溶融押出機によれば、高粘度のポリエステル樹脂の溶融押出機において、熱劣化を抑制しかつ気泡の発生が無く、押出後の溶融物に粘度斑のない装置を提供できるという極めて顕著な効果を奏する。
本発明がその対象とするのは、高強度、高弾性を示すポリエステル繊維を製造するために好適な高い溶融粘度を有するポリエステルを溶融押出するための溶融押出機である。なお、本発明で言う「高い溶融粘度」とは、所定の温度で溶融したポリマーに1000−1 secのせん断力を付与して、例えば島津製作所製フローテスタCFT500を用いて測定した時の値であって、この溶融粘度値が200 Pa・sec以上であって、かつ、5000 Pa・sec以下のものであることを指す。
以下、前記本発明者等が着想するに至った本発明について、図面を参照しながらその実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る溶融押出スクリューの一実施形態を模式的に例示した概略構成図である。この図1では、1はスクリュー本体である。なお、スクリュー1は周知のように同軸回転自在に、図示省略したシリンダー(「背景技術」欄で使用した図2における2’に相当)内に収まっており、図には、そのスクリュー径がDで、スクリュー長さがLであるスクリュー1を例示してある。
ここで、本発明に係るスクリュー1は、メインフライト11とサブフライト12からなる2条フライトを形成しており、図1に例示したスクリュー1では、その長手方向(スクリュー軸方向)に沿って、供給部2、圧縮部3、計量部4、混練部5といった機能部位からなる構成を採っている。
その際、図1(a)及び(b)に記載したように、スクリュー1の供給部2は、1条フライト11で構成されており、その溝深さ(d)と溝幅(w)は、この例では一定とされている。また、この供給部2へは、図2に例示したようなホッパー3’を介して熱可塑性ポリマーのペレットあるいは粉体からなる原料を下流側スクリューへ定量的に供給される。
次に、スクリュー1の圧縮部3では、供給部2から圧縮部3が始まる部分において、上流側メインフライト11の側部から早々にサブフライト12が形成される。そして、これによって、上流側メインフライト11と下流側メインフライト11との間にサブフライト12が形成されることとなる。したがって、上流側メインフライト11とサブフライト12の間には溶融した原料(溶融ポリマー)を回収する溝(以下、“回収溝”と言う)が形成され、サブフライト12と下流側メインフライト11の間には未溶融のソリッドベッドを溜める溝(以下、“滞留溝”と言う)が形成された構成を有している。
なお、本発明では、「フライトの溝容積」について言及するが、この「フライトの溝容積」とは、スクリュー軸に周設されるフライトが、あるスタート位置からスクリュー軸の周りを一回転(360°回転)して元の位相位置にまで戻るまでの間(これを“1ピッチ”という)に形成された溝部の容積をさすものとする。即ち、1ピッチ分のフライトが形成する溝部の容積を「フライトの溝容積」とする。また、後述する「計量部の圧縮比」とは、「供給部2に形成された1条フライトの溝容積」に対する「計量部4に形成された1条フライトの溝容積」の比を指すものとする。
このようにして、圧縮部3では、前記滞留溝の溝深さ(d)及び溝幅(w)、そして、前記回収溝の溝深さ(d)及び溝幅(w)により、前記滞留溝の容積と前記回収溝の容積との間の溝部の容積比率の調整を行なう。このように、溝部の容積比率を調整することにより、未溶融状態で供給部2へ供給された原料が、滞留溝において次第に溶融されて行き、溶融した原料は前記回収溝へと回収され、最終的に全ての未溶融の原料が溶融状態とされることとなる。
すなわち、前述の未溶融の原料が段々に溶融されて行く過程において、前記圧縮部3では、「背景技術」欄で既に説明したように、未溶融のソリッドベッドがスクリュー1の下流側に生じ、その上流側には溶融物が生じている。そこで、圧縮部3に設けられたサブフライト12の作用効果によって、一方で、既に溶融が完了した原料は、上流側メインフライ11とサブフライ12との間に形成された回収溝部へ受け渡され、他方では、サブフライト12と下流側メインフライト11とが形成する滞留溝部にはソリッドベッドが分離されて取り残され滞留する。このようにして、溶融物とソリッドベッドとが図示省略したシリンダーとスクリュー1との間でせん断を付与されながら良好に分離される。
なお、この過程において、溶融状態であるが故に、溶融物は、図示省略したシリンダーの内壁とサブフライト12との間に形成された一定のクリアランス(間隙)を容易に通過することができて回収溝へ受け渡されるが、未溶融物であるソリッドベッドは、このクリアランスを通過できないために、滞留溝部に残留するようにされていることは言うまでもない。このようにして、圧縮部3での原料の圧縮が進むにつれて溶融物が増加し、増加した溶融物は、図示省略したシリンダー内壁とサブフライト12との間のクリアランスを通過して、サブフライト12側への溶融ポリマーは移送される。
以上に説明したように、本発明に係るスクリュー1の圧縮部3を、メインフライト11とサブフライト12からなる2条フライトとすることによって、サブフライト12をソリッドベッドに対して堰として作用させることによって、この堰を容易に越えることができる溶融したポリマーには大きなせん断が付与され、これによって更にソリッドベッドの溶融性を高めることができる。
このようにして、圧縮部3の後半部では、全ての原料の溶融が完了して、回収溝部へと移動すると、下流側のメインフライト11とサブフライト12との間に形成されたソリッドベッドを受け容れる滞留溝の役割は終了する。したがって、この役割の終了と共に、圧縮部3に形成したサブフライト12の役割も終了する。そこで、圧縮部3から計量部4に入ると、前記圧縮部3のサブフライト12は、その役割を完了して、計量部4に入って下流側メインフライト11と一体化することによって消滅することになる。つまり、計量部4では、サブフライト12が消滅して2条フライト構成が解消され、2条フライト構成に代わって、メインフライト11に一体化され、かつ、溝深さdを有する1条フライト11が形成される。
ところで、以上に説明した圧縮部3では、溶融粘性が高いポリマーにおいて、図示省略したシリンダーとサブフライト12との間のクリアランス部を通過する際に、このクリアランスが小さいが故に、回収溝側へ気泡が移動し難い状態となって気泡の抜けが悪くなる。しかも、その後、回収溝部の容積が次第に増加するため、気泡はそのまま押出機出側に排出され易い。
したがって、圧縮部3における回収溝部の容積と滞留溝部の容積との比である溝部容積比の変化は重要であって、滞留溝部の容積と回収溝部の容積との間の容積比率から算出した、溝部の容積比率は連続的に増加していることが肝要である。
このようにすることにより、溶融粘性が高いポリマーであっても、滞留溝部と回収溝部との間の溝部容積比率が直前(直上流側)の溝部容積比を下回らないように定めた形状を有する圧縮部3を通過させることにより、常時溶融ポリマー内に存在する気泡にバックフローを起こさせることができる。そうすると、このバックフローによって気泡は上流側へ上流側へと移送され、下流側へは移動しなくなって、溶融ポリマー中に含まれる気泡を良好に抜くことができる。
以上に説明したように、圧縮部3において溶融が完了した原料(ポリマー)は、計量部4のメインフライト11が有する連続計量作用によって、計量されながら、計量部4の途中又はその後段に設けられた混練部5を通過して押出機から押出される。ただし、計量部4では、その圧縮比が1.5から3.5の範囲であることが必要である。
その際、本発明においては、混練部5がマドックタイプの混練エレメントで構成されていることが好ましいが、これに限定されることなく、マドックタイプ以外でも混練性の高いものであれば、ダルメージタイプ、ピンタイプなどの他の混練エレメントを使用してもよい。
本発明においては、先に説明したスクリュー長さLとスクリュー径Dで規定されるスクリュー1のL/D値は、溶融能力と熱劣化の両面を満足する必要があり、このような理由から、L/Dが18から30であることが好ましい。何故ならば、L/Dが30を越えると、ポリマーの滞留時間が増加したり、低クリアランス部でのせん断が増加したりすることにより、ポリマーの熱劣化が生じるからである。また、L/Dが18未満の場合には、圧縮部3における未溶融ポリマーの十分な溶融とポリマー中に含まれた気泡を十分に除去できるスクリューを設計することが難しい。
以下、本例の溶融押出機を用いて、溶融温度が280℃において溶融粘度が1000 Pa・secであるポリエステルを定法に従って溶融押出した実験例について以下に説明する。
前述のポリエステルを4mm×4mm×3mmの直方体形状を有するペレットとして、スクリュー径(D)が55mm(スクリュー1の全有効長に渡って一定)であって、スクリュー長さ(L)が1375mmであって、それ故に、これらLとDから規定される“L/D=25”の溶融押出機前部に設けたホッパーよりその温度を100℃に予熱して供給した。ただし、溶融押出機のスクリュー1は、図1に示したものと同じタイプのものを使用した。
このとき、スクリュー1の供給部2は、その長さがL/D=9から規定される値に設定し、この供給部2ではメインフライト11だけの1条フライトとし、このメインフライト11と11との間には、溝幅が64 mm、溝深さが8 mmのポリマー供給溝を設けた。
次に、この供給部2から引き続く圧縮部3は、その長さをL/D=10で規定される値に設定した。また、上流側メインフライト11と下流側メインフライト11との間には、図1に例示したようなサブフライト12を形成し、このサブフライト12とシリンダー(図示せず)との間には、0.8 mmのクリアランスを設けた。
このように、圧縮部3にメインフライト11とサブフライト12からなる2条フライトを形成することによって、上流側メインフライト11とサブフライト12との間に溶融ポリマーを回収する「回収溝」を形成した。また、サブフライト12と下流側メインフライト11との間に未溶融ポリマーからなるソリッドベッドが滞留する「滞留溝」を形成した。
したがって、前記「回収溝」は溝深さdと溝幅wとを有し、また、前記「滞留溝」は溝深さdと溝幅wとを有することになる。そこで、圧縮部3の形状について羽これらパラメータから計算される「回収溝」の容積(V)と「滞留溝」の容積(V)との間の溝部容積比率(V/V)に関して、その溝部容積比率が直前(直上流側)の溝部容積比を下回らないように定めることが肝要となる。当然のことながら、本例においても、圧縮部3において、これらの溝部容積比率が徐々に増加するように設定した。
このようにすることによって、溶融したポリマーに対してバックフローをおこさせることができ、このバックフローの生成によって溶融ポリマーに含まれる気泡は上流側へ上流側へと移動して排出され、逆に、下流側へは移動しなくなる。このように、本例に係るスクリューを内蔵する溶融押出機を使用したことによって、気泡を含んだ溶融ポリマーに常時バックフローを生じさせて、溶融ポリマー内に存在する気泡をこのバックフローによって上流側へと逆流させ、溶融ポリマーから気泡を抜くことができた。
次いで、このようにして、気泡の無い溶融ポリマーを生成した後、この溶融ポリマーをL/D=4、溝深さが4.5 mmの1条フライトからなる計量部4へ送液して、溶融押出機からの定量吐出性を確保した後、前記計量部4の下流にあるマドック型の混練エレメントが形成された混練部5で混練した後に、溶融押出機から押出した。この時、押出された溶融ポリマーをサイド・ストリームとして取り出したところ、従来型のスクリューを持った溶融押出機と比較すると、このポリマーには、熱劣化および気泡の発生がなく、溶融粘度斑もないことが確認できた。
本発明に係る溶融押出機に使用するスクリューの一実施形態を模式的に例示した概略構成図であって、図1(b)は図1(a)の要部(X部)拡大図である。 1条フルフライト型スクリューを有する従来の溶融押出機を模式的に例示した装置構成図である。 1条フライト(図3(a))と2条フライト(図3(b))とがそれぞれ形成されたスクリューにおける溶融ポリマーと未溶融ポリマー(ソリッドベッド)の生成状態を例示した模式説明図である。
符号の説明
1 スクリュー
2 供給部
3 圧縮部
4 計量部
5 混練部
11 メインフライト
12 サブフライト
供給部に形成した1条フライト部の溝深さ
供給部に形成した1条フライト部の溝幅
圧縮部に形成した滞留溝の溝深さ
圧縮部に形成した滞留溝の溝幅
圧縮部に形成した回収溝の溝深さ
圧縮部に形成した回収溝の溝幅
計量部に形成した1条フライト部の溝深さ
D スクリュー径(直径)
L スクリュー長さ(この長さがスクリューの有効長さである)

Claims (2)

  1. ポリエステルの熱可塑性高分子を溶融して押出す溶融押出機であって、該溶融押出機のスクリュウーの径をDとし、前記スクリューの有効長さをLとした時にそのL/Dの値が18から30であって、かつ、前記スクリューの全有効長さにわたって、原料の供給部、圧縮部、そして、計量部が少なくとも形成され、その際、
    前記供給部は、溝深さと溝幅が一定のメインフライトだけが形成された1条フライトを有し、
    前記圧縮部は、圧縮部開始端で前記メインフライトの側面から分岐するサブフライトが隣接するメインフライトの間に形成され、更に前記サブフライトは圧縮部終了端で前記メインフライトと一体となって解消され、かつ、上流側メインフライトと前記サブフライトとの間に形成された溶融ポリマーの回収溝の溝容積と、前記サブフライトと下流側メインフライトとの間に形成された未溶融ポリマーの滞留溝の溝容積とに関して、回収溝の溝容積に対する滞留溝の溝容積の比率で定義される溝部容積比率が下流側へ行くに従って増加するように形成され、前記計量部の圧縮比が1.5から3.5である溝深さと溝幅とが一定の1条フライトが形成されたことを特徴とするポリエステルの溶融押出機。
  2. 前記計量部以降又はその途中に混練部が形成された請求項1記載のポリエステルの溶融押出機。
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