JP2014117811A - スクリュ、可塑化装置、射出成形装置及び可塑化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のスクリュは、各々個別に供給された強化繊維Fと樹脂ペレットPを搬送する搬送部11と、搬送された樹脂ペレットPを溶融させるとともに、溶融された樹脂ペレットPと強化繊維Fの混錬物を生成する溶融・混錬部15とを備える。搬送部11は、強化繊維Fが搬送される第1溝19と、第1溝19と並設される第2溝21とが外周に形成され、また、溶融・混錬部15は、第1溝19に連なり、前方に向けて溝断面積が拡大する第3溝23と、第2溝21に連なり前方に向けて溝断面積が縮小する第4溝24とが外周に形成されている。このような構成のスクリュを用いることにより、強化繊維Fは樹脂からせん断応力を受けず、破断するおそれを回避することができる。
【選択図】図3
Description
そこで、本発明は、樹脂から繊維に加わるせん断応力を極限まで低減できるスクリュを提供することを目的とする。また、本発明は、このスクリュを用いた可塑化装置、射出成形装置を提供することを目的とする。
つまり、繊維と樹脂が混錬されるまでの領域では、繊維を搬送する溝と樹脂を搬送する溝を独立して形成することで、各々を別々に搬送する。そして、樹脂が溶融することで繊維を破断させるおそれが小さくなってから、樹脂と繊維を合流させて混錬する、という従来にはない可塑化プロセスを完成させた。
この搬送部は、供給された強化繊維が搬送される第1溝と、供給された樹脂原料が搬送され、第1溝と並設される第2溝と、が外周にスパイラル状に形成されている。また、溶融・混錬部は、第1溝に連なり、前方側に向けて溝断面積が拡大する第3溝と、第3溝と並設され且つ第2溝に連なり、前方側に向けて溝断面積が縮小する第4溝と、が外周にスパイラル状に形成されていることを特徴とする。
溶融・混錬部においては、樹脂原料は、第2溝の第4溝側の領域ではシリンダ側からの伝熱により一部が溶融し、溝断面積が縮小する第4溝を搬送される過程で、溝断面積の縮小によりそれまでよりも大きなせん断応力を受けることで溶融する。なお、溝断面積の縮小は、溝幅の縮小及び溝深さの縮小の一方又は双方によりなし得る。第2溝内および第4溝内で溶融した樹脂は、スクリュの回転による昇圧により第3溝側に流入する。スクリュ先端側に向かうに従い溶融した樹脂の量は増加するが、第3溝は、スクリュ先端側に向かうに従い溝断面積が拡大するので、第4溝側から流入する溶融樹脂を許容することができる。なお、溝断面積の拡大は、溝幅の拡大及び溝深さの拡大の一方又は双方によりなし得る。第1溝に連なる第3溝には強化繊維が搬送されているので、第3溝内では第4溝から流入した溶融樹脂と強化繊維が合流した後に混錬される。
スクリュ溝内に投入した原料はスクリュ基部側から先端側に送られるので、基部側でスクリュ溝に投入した原料が先にスクリュ溝を充満することとなる。つまり強化繊維を投入する第1溝の始点を固体状の樹脂原料を投入する第2溝の始点よりも基部側に置くことで、第2溝の始点である樹脂原料の投入部においては、第1溝は基部側から搬送されてきた強化繊維で充満状態とすることができる。スクリュは長手方向の軸を中心に回転する為、樹脂原料投入口においては第1溝と第2溝が交互に露出することとなるが、通常、固体状の樹脂原料よりも強化繊維の寸法が小さいため、樹脂原料投入口部では、第1溝が露出しても強化繊維で充満しており原料樹脂が入るスペースがない。よって、強化繊維を先行して第1溝に充満させた後に固体状の樹脂原料を供給すると、充填された強化繊維同士の隙間に固体状の樹脂原料が侵入するおそれは低い。したがって、強化繊維と固体状の樹脂原料の分離搬送の完全性を期する上で、第2溝は、第1溝よりも前方側に始点があることが好ましい。
これにより、溶融樹脂に強化繊維が混錬される初期の第3溝において溶融樹脂に付与される圧力を低くできるため、溶融樹脂が第3溝から第1溝に逆流するのを防止する効果が期待できる。
第3溝は、その前方側(第1溝に近い側)において、第2溝あるいは第4溝から流入する溶融樹脂の量が少なくなるが、当該領域に対応するフライトの高さを高くすることで、第4溝側から溶融樹脂の流動抵抗を高め、流入時の圧力損失により第3溝の前方側における溶融樹脂圧力を低くできるので、溶融樹脂が第3溝から第2溝に逆流するのを防止する効果が期待できる。
本実施形態に係る射出成形機1は、図1に示すように、型締ユニット100と可塑化ユニット200を備えている。射出成形機1は、繊維強化プラスチックの成形品を製造するのに好適なスクリュ10が可塑化ユニット200に設けられている。
まず、型開閉用の油圧シリンダ113の作動により可動ダイプレート111を図中の二点鎖線の位置まで移動させて可動金型109を固定金型103に当接させる。次いで、各タイバー115の雄ねじ部121と可動ダイプレート111に設けられた半割りナット123を係合させて、可動ダイプレート111をタイバー115に固定する。そして、油圧シリンダ117内の作動油の圧力を高めて、固定金型103と可動金型109とを締め付ける。このようにして型締めを行った後に、可塑化ユニット200から金型のキャビティ内に溶融樹脂Mを射出して成形品を成形する。
なお、ここで示した型締ユニット100の構成はあくまで一例に過ぎず、他の構成を適用し、あるいは置換することを妨げない。
加熱シリンダ201の内部に設けられたスクリュ10が回転されると、第1ホッパ205から供給された熱可塑性樹脂からなるペレット(樹脂ペレットP)、及び、第2ホッパ207から供給された強化繊維Fは、加熱シリンダ201の前方側の吐出ノズル203側へ送り出される。この過程において、搬送部13から加熱され、徐々に溶融し始めた樹脂ペレット(溶融樹脂M)は強化繊維Fと混錬された後に、型締ユニット100の固定金型103と可動金型109の間に形成されるキャビティへ所定量だけ射出される。なお、樹脂ペレットPの溶融に伴いスクリュ10が背圧を受けながら後退した後に、前進することで射出を行なうというスクリュ10の基本動作を伴うことはいうまでもない。また、加熱シリンダ201の外側には、樹脂ペレットPの溶融のために有効な熱量を供給するヒータを設けるなど、他の構成を適用し、あるいは置換することを妨げない。
搬送部11は、後方側から、強化繊維Fを搬送する第1搬送部12と、強化繊維F及び樹脂ペレットPを搬送する第2搬送部13とを備えている。
一方、スクリュ10には、その外周に、各々が螺旋状の第1溝19、第2溝21、第3溝23及び第4溝24が形成されている。搬送部13において、第1溝19は第1ホッパ205から供給される強化繊維Fを溶融・混錬部15に向けて搬送し、第2溝21は第2ホッパ207から供給される樹脂ペレットPを溶融・混錬部15に向けて搬送する機能を有している。第2溝21は、溶融・混錬部15において、搬送された樹脂ペレットPを溶融する機能を有している。また、第3溝23は、溶融・混錬部15に設けられ、搬送された強化繊維Fと溶融された樹脂とを混錬する機能を有している。
第2溝21は、搬送部11の第2搬送部13に形成されている。つまり、第2溝21は、第1溝19よりも前方側に始点がある。したがって、第2搬送部13には、第1溝19と第2溝21が軸方向に交互に並設されている。また、第1溝19は、第1搬送部12及び第2搬送部13の各々において幅が等しいが、第2溝21が介在するために、第1搬送部12よりも第2搬送部13の方が溝のリードが大きい。第2溝21は、搬送部11において、幅が等しく設定されている。本実施例では第1溝19と第2溝21の幅が等しい例を示したが、第1溝19と第2溝21を仕切る副フライト幅を変化させるなどによって、第1溝19または第2溝21の幅はそれぞれ独立に暫減あるいは暫増する領域をそれぞれ有するようにしてもよい。また、第1溝19または第2溝21のいずれか片方の溝幅のみ暫減あるいは暫増する領域をそれぞれ有するようにしてもよい。さらには、第1溝19あるいは第2溝21の幅はそれぞれ等しい領域と溝幅が変化する領域を連結した形状としてもよい。
また、第1搬送部12における第1溝19のリードが第2搬送部13における第1溝19のリードよりも小さい例を示したが、第1搬送部12における第1溝19のリードを第2搬送部13における第1溝19のリードと等しい領域を有するようにしてもよいし、または第1搬送部12における第1溝のリードを第2搬送部13における第1溝19のリードよりも大きい領域を有するようにしてもよい。ポリプロピレンやポリエチレンなどの汎用樹脂から、ポリアミドやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックなどの、多種多様の樹脂で良好な成形を行なう場合や、ガラス繊維、炭素繊維、竹繊維、麻繊維などの多種多様の繊維を使用するために、リードの大きさや形状は使用する樹脂や繊維の物性などに合わせて設計することが好ましい。
搬送部11と溶融・混錬部15の境界部分において、第3副フライト31は、第3溝23と第1溝19との連結部に設けられている。本実施形態では第3副フライト31は第1溝19と第3溝23の連結部に設けた例を示したが、フライトリードの大きさ同様に多種多様の樹脂や繊維に対応できるように、第3副フライト31は第1溝19内の第3溝23側に設けてもよいし、第3溝23内の第1溝19側に設けてもよい。
第3溝23は、第1溝19との接続部近傍は幅が第1溝19と同等に設定されているが、前方側に向けて連続的に幅が拡がる。
第4溝24は、溶融・混錬部15において、第2溝21に連なって形成され、第2溝21よりも幅が徐々に狭くなっている部分である。第4溝24は、第3溝23の幅が拡がるのに伴って幅が狭くなり、溶融・混錬部15の終端で閉じられる。このとき第4溝24の幅が狭くなる度合いは、幅広い種類の樹脂や繊維に対応できるように、第3溝23の幅が拡がる度合いと同じでも、異なってもよい。
第3溝23は、第4溝24が閉じられた位置で最大の幅を有し、その幅を維持したままで計量部17に延長される。
すなわち、第1溝19は、スクリュ10の外周にスパイラル状に形成された第1主フライト25により仕切られる。第1搬送部12の終端部で第1主フライト25のフライト幅が広がり、第1主フライト25が第2主フライト26と第1副フライト27に分岐し、第2主フライト26と第1副フライト27の間に第2溝21を形成する。つまり、第2溝21は、第1副フライト27と、スクリュ10の外周にスパイラル状に形成された第2主フライト26とにより仕切られる。第4溝24は、前述したように、第2溝21に連なっているものであり、第1副フライト27と第2主フライト26により仕切られる。さらに、第3溝23は、スクリュ10の外周にスパイラル状に形成される第2副フライト29により仕切られる。第2副フライト29は、第1副フライト27に繋がっている。また、第1溝19と第3溝23を区切る第3副フライト31が、搬送部11と溶融・混錬部15の境界部に設けられている。第3副フライト31は、一端が第1副フライト27に繋がり、また、他端が第2副フライト29に繋がり、スクリュ10の軸線方向に傾斜して設けられている。また、第3副フライト31は、第1副フライト27及び第2副フライト29よりも、高さが低く設定されている。
スクリュ10が回転している状態で、第1ホッパ205から強化繊維Fを投入するとともに、第2ホッパ207から樹脂ペレットPを投入する。投入された強化繊維Fは第1溝19の内部を、また、投入された樹脂ペレットPは第2溝21の内部を、前方側の溶融・混錬部15に向けて搬送される。この搬送過程において、強化繊維Fと樹脂ペレットPは、各々異なる第1溝19と第2溝21の内部を分離、独立して搬送される。つまり、第2ホッパ207よりも後方側に設けられた第1ホッパ205から強化繊維Fが投入され、かつ、第1搬送部12には第1溝19しか設けられていない。第2ホッパ207が設けられた第2搬送部13に到達する時点で第1溝19が強化繊維Fで充満されているタイミングで、第2ホッパ207から樹脂ペレットPを投入すると、樹脂ペレットPは第2溝21にしか入らないか、第1溝19に入ったとしても微量ですむ。
溝が浅くなり始める位置が、第4溝24の開始位置と異なる場合は、溝が浅くなり始める位置を第2溝21内の第4溝24側でもよいし、第4溝24内の第2溝21側でもよい。ここで、第3溝23と第4溝24を仕切る第2副フライト29が、スクリュ最外径を有する第2主フライト26よりも高さが低く設定されているので、第2主フライト26が加熱シリンダ201内径面と接触しても、第2副フライト29は加熱シリンダ201内径面との間に隙間が残るので、溶融樹脂Mは第2副フライト29を乗り越えて、第3溝23に容易に進入できる。この溶融樹脂Mの進入は連続的に行われるので、第3溝23は次第に溶融樹脂Mで満たされる。
一方、溶融・混錬部15まで搬送されてきた強化繊維Fは、第3副フライト31を乗り越えて第3溝23に流入する。スクリュ10の回転に伴って、第3溝23に流入した溶融樹脂Mに強化繊維Fが混錬されながら計量部17に向けて搬送される。計量部17に所定量の成形原料が搬送されるまで以上の一連の動作が継続され、次いで、上述した要領で型締ユニット100の金型キャビティに成形原料が射出される。
図5(a),(b)及び(c)に示されるように、第1溝19の深さが後方側よりも前方側の方が浅く形成されている。そうすることにより、第3溝23に近い側の第1溝19に充填される強化繊維Fに付与される圧縮力を大きくすることで、第1溝19内の繊維間の隙間を縮小させて溶融樹脂Mが第3溝23から第1溝19に逆流(又は漏洩)するのを効果的に防止することができる。なお、第1溝19の深さは、典型的には、後方側から前方側に向けて連続的に浅くすればよいが、後方側に一定の溝深さを有する領域を配し、先端側に後方側から先端側に溝深さが暫減する領域を配して連結したり、溝深さの一定領域と暫減領域を交互に配置するなどの段階的に浅くすることもできる。以下のフライトの高・低、溝の浅・深についても同様である。
次に、図5(d)に示されるように、第2副フライト29は、前方側よりも後方側の高さが高く形成されている。そうすることにより、第3溝23は、その前方側(第1溝19に近い側)における溶融樹脂Mの量が少なくなるが、当該領域に対応する第2副フライト29の高さを高くすることで溶融樹脂Mの流動抵抗を高め、溶融樹脂Mが第3溝23から第2溝21または第3溝23から第1溝19に逆流するのを効果的に防止することができる。
また、図5(e),(f)に示されるように、第3溝23は、前方側の深さよりも後方側の方が深く形成されている。そうすることにより、溶融樹脂Mに強化繊維Fが混錬される初期の第3溝23における溶融樹脂Mに付与される圧力を低くできるので、溶融樹脂Mが第3溝23から第1溝19に逆流するのを効果的に防止することができる。
スクリュ10は、第1溝19を第1搬送部12から形成し、第2溝21を第1搬送部12よりも前方側に位置する第2搬送部13から形成している。しかし、本発明は第1溝19と第2溝21の関係を逆転させることができる。つまり、図6に示すように、樹脂ペレットPを搬送する第2溝21を後方側の第1搬送部12から形成し、強化繊維Fを搬送する第1溝19を第2搬送部13から形成することができる。樹脂ペレットPの充填を先行させるこの形態であっても、溶融・混錬部15まで強化繊維Fと樹脂ペレットPを分離して搬送させることができる。
通常、樹脂ペレットPよりも強化繊維Fの寸法が小さい。したがって、樹脂ペレットPを先行して第2溝21に充填させた後に強化繊維Fを供給すると、強化繊維Fは第2溝21の上にも落下されてしまうので、充填された樹脂ペレットP同士の隙間に強化繊維Fが侵入するおそれがある。これに対して、強化繊維Fを先行して第2溝21に充填させた後に樹脂ペレットPを供給すると、充填された強化繊維F同士の隙間に樹脂ペレットPが侵入するおそれは低い。したがって、強化繊維Fと樹脂ペレットPの分離搬送の完全性を期する場合には、強化繊維Fの投入口を後方側に設けたスクリュ10の形態を採用することが好ましい。
しかし、上記実施形態においては、第1溝19の長さが長いため、繊維を単独で搬送する距離が長くなる。繊維の種類によっては搬送距離が長いと第1溝19の途中で詰まってしまうおそれがある。また、樹脂の溶融のために加熱シリンダ201からの伝熱およびスクリュ回転によるせん断熱を十分に供給する必要があるが、溶融に大きな熱量を必要とするエンジニアリングプラスチックなどにおいては、樹脂の投入部から溶融・混錬部15までの距離が短いと、溶融・混錬部15において樹脂が十分に溶融できないおそれがある。このような場合に対しては、樹脂ペレットPを搬送する第2溝21を後方側の第1搬送部12から形成し、強化繊維Fを搬送する第1溝19を第2搬送部13から形成することは有効である。
また、本発明に適用される樹脂、強化繊維は、特に限定されるものでなく、公知の材質を広く包含している。
10 スクリュ
11 搬送部
12 第1搬送部
13 第2搬送部
15 溶融・混錬部
17 計量部
19 第1溝
21 第2溝
23 第3溝
24 第4溝
25 第1主フライト
26 第2主フライト
27 第1副フライト
29 第2副フライト
31 第3副フライト
100 型締ユニット
101 ベースフレーム
103 固定金型
105 固定ダイプレート
109 可動金型
111 可動ダイプレート
113 油圧シリンダ
115 タイバー
117 油圧シリンダ
119 ラム
200 可塑化ユニット
201 加熱シリンダ
203 吐出ノズル
205 第1ホッパ
207 第2ホッパ
F 強化繊維
P 樹脂ペレット
M 溶融樹脂
Claims (10)
- 樹脂を可塑化して吐出する可塑化装置に用いられるスクリュであって、
後方側から各々個別に供給された強化繊維と固体状の樹脂原料を前方側に搬送する搬送部と、
前記搬送部から搬送された前記樹脂原料を溶融させるとともに、溶融された前記樹脂原料と前記強化繊維の混錬物を生成する溶融・混錬部と、を少なくとも備え、
前記搬送部は、
供給された前記強化繊維が搬送される第1溝と、
供給された前記樹脂原料が搬送され、前記第1溝と並設される第2溝と、が外周にスパイラル状に形成され、
前記溶融・混錬部は、
前記第1溝に連なり、前方側に向けて溝断面積が拡大する第3溝と、
前記第3溝と併設され、かつ、前記第2溝に連なり、前方側に向けて溝断面積が縮小する第4溝と、が外周にスパイラル状に形成されている、
ことを特徴とするスクリュ。 - 前記搬送部において、
前記第2溝は、前記第1溝よりも前方側に始点がある、
請求項1に記載のスクリュ。 - 前記第3溝と前記第4溝を仕切る副フライトは、
スクリュ最外径である主フライトよりも、
高さが低くされている、
請求項1又は請求項2に記載のスクリュ。 - 前記搬送部において、前記第1溝の深さが、後方側よりも前方側が浅い、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリュ。 - 前記溶融・混錬部において、前記第3溝の深さが、後方側よりも前方側が浅い、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリュ。 - 前記第3溝と前記第4溝を仕切る副フライトは、
前方側よりも後方側の高さが高く形成されている、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリュ。 - 前方側に吐出ノズルが形成されたシリンダと、前記シリンダの内部に回転可能に設けられたスクリュと、を備え、
前記スクリュが請求項1〜6のいずれか一項に記載のスクリュである、
ことを特徴とする可塑化装置。 - 前方側に吐出ノズルが形成されたシリンダと、前記シリンダの内部に回転可能に設けられたスクリュと、を有する可塑化装置と、
前記吐出ノズルから吐出される溶融樹脂が供給される金型を取り付け可能な型締め装置と、を備える射出成形装置であって、
前記スクリュが請求項1〜6のいずれか一項に記載のスクリュである、
ことを特徴とする射出成形装置。 - 前記型締め装置はベースフレームと、
前記ベースフレームに固設され、固定金型を保持する固定ダイプレートと、
前記固定ダイプレートに対して進退可能に前記ベースフレームに配設され、可動金型を保持する移動ダイプレートと、
前記移動ダイプレートを前記固定ダイプレートに対して進退移動させるダイプレート移動手段と、
前記固定ダイプレート又は移動ダイプレートのいずれか一方に設けられる型締シリンダと、
一端に形成されたラムが前記型締シリンダに配置され、他端が前記固定ダイプレート又は移動ダイプレートのいずれか一方に対して固定される複数のタイバーと、を備え、
前記型締シリンダへの作動流体の供給を調整することにより、前記タイバーを介して前記固定金型と前記可動金型とを所定の力で型締めをする型締装置である、
ことを特徴とする請求項8に記載の射出成形装置。 - 前方側に吐出ノズルが形成されたシリンダと、前記シリンダの内部に回転可能に設けられたスクリュと、を備える可塑化装置において、溶融された樹脂と強化繊維とからなる混錬物を得る可塑化方法であって、
前記強化繊維と固体状の樹脂原料とを、各々独立した第1スクリュ溝と第2スクリュ溝に収容して、前方側に搬送する搬送ステップと、
前記第2スクリュ溝に連なる第4スクリュ溝において、前記搬送ステップよりも大きなせん断応力を付与することで前記樹脂原料を溶融させるとともに、前記第1スクリュ溝に連なり、前記強化繊維が搬送される第3スクリュ溝に、溶融された前記樹脂原料を供給して前記混錬物を生成する溶融・混錬ステップと、
を備えることを特徴とする可塑化方法。
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