JP5932159B1 - 射出成形方法、射出成形機のスクリュ及び射出成形機 - Google Patents

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Abstract

繊維が潰れて繊維束が固く引き締まってしまったとしても、その開繊を進めることのできる射出成形方法を提供する。スクリュ10の第1ステージ21と第2ステージ22の境界部に絞り部35を設ける。溶融樹脂Mと強化繊維Fの混合物が絞り部35を通過する際に、絞り部35よりも上流側に比べて混合物に強い圧縮力を与える。絞り部35より下流側の供給部25は、軸径D3が絞り部35の外径D2よりも小さいので、供給部25の周囲は絞り部35を通過した混合物にとって減圧領域になり、混合物は膨張する。これにより、強化繊維Fにはスプリングパックが生じるとともに、溶融樹脂Mにはバラス効果が生じるので、繊維束を開繊させるのに有利な状況を作ることができる。

Description

本発明は、強化繊維を含む樹脂の射出成形に関する。
強化繊維を含有させることにより強度を高めた繊維強化樹脂の成形品が各種の用途に用いられている。この成形品は、可塑化装置をなすシリンダ内でスクリュの回転により溶融された熱可塑性樹脂と強化繊維の混合物を、射出成形機の金型に射出することにより作製される。
強化繊維による強度向上の効果を得るためには、強化繊維が樹脂の中に均一に分散していることが望まれる。
これに対して、特許文献1は、個別に用意された樹脂原料と強化繊維を、上流側のスクリュ基部に対応する位置で一緒に供給して可塑化溶融する射出成形のスクリュにおいて、供給部、圧縮部、計量部をそれぞれ1カ所有し、さらに先端にミキシングを備えたスクリュで、溶融樹脂と強化繊維の混練、分散を図っている。
また、特許文献2は、スクリュの計量部若しくはそれよりも下流側の位置に軸径を他の部分より大にして、溶融樹脂と強化繊維の混合物の通過断面積を小さくした原料圧縮部を設けることを提案している。この原料圧縮部において、上流側より送られてきた当該混合物を急激に圧縮することによりせん断力を負荷して、溶融樹脂内での強化繊維の混合、分散の促進を図ろうとしている。
特開平8−156055号公報 特開2002−248664号公報
供給される強化繊維は束をなしてシリンダの内部に達するが、この繊維束を開繊することが、強化繊維を均一に分散するために重要となる。
ところが、特許文献1において、スクリュの圧縮部における樹脂圧縮圧力により、束をなしている繊維が潰れて固く引き締まってしまう。したがって、スクリュの回転によるせん断力および先端ミキシングによる位置置換などを加えても、繊維束が開繊するのは難しく、最終的に得られる成形品中に繊維束が混入することにより、成形品の品質不良につながる。また、混合物中に開繊不足の繊維束が残っていると、混合物を金型のキャビティに向けて射出する際に、口径の小さい流路であるノズルの射出口の一部を繊維束が塞いでしまい流動抵抗となってしまう。この場合、キャビティに充填するのに過大な高圧が必要となるとともに、混合物の充填時の流動速度も低下してしまうので、混合物が十分にキャビティに充填できず成形品形状の一部が欠損した充填不足の成形不良につながる。
また、特許文献2においても同様であり、通過断面積の小さい原料圧縮部を通過する過程で、繊維が潰れて固く引き締まってしまい、原料圧縮部においてせん断力を受けても、開繊が十分に進まない。したがって、特許文献2においても、繊維束が成形品に混入して、成形品の品質不良につながる。また、特に特許文献2においては、スクリュの下流側に逆流防止弁が備えられているが、一般に逆流防止弁は内部の溶融樹脂流路が狭いため、混合物中に開繊不足の繊維束が残っていると、流路の一部を繊維束が塞いで目詰まりが発生してしまうおそれがある。この場合、可塑化能力の低下、あるいは可塑化不能(計量不能)な状態を発生してしまうおそれがある。さらには、射出時の逆流防止弁の流路閉鎖部に繊維束が挟まり流路閉鎖不良を発生させて、混合物のスクリュ側への逆流を防止できない場合がある。この場合、所定量に可塑化計量した溶融樹脂が減量してしまうため、成形品形状の一部が欠損した充填不足の成形不良が発生する。
そこで本発明は、繊維が潰れて固く引き締まってしまったとしても、その開繊を進めることのできる射出成形方法を提供することを目的とする。
また本発明は、そのような射出成形方法に好適な射出成形機のスクリュ及び射出成形機を提供することを目的とする。
本発明者らは、繊維束と溶融樹脂の混合物について、圧縮を与えた後に減圧することにより、繊維束についてスプリングバック現象を生じさせること、また、溶融樹脂についてはバラス効果を生じさせて混合物を膨張させた後、スクリュの回転によって混練することにより、繊維束の開繊を進めることを着想した。
すなわち本発明は、回転軸を中心にして回転が可能で、かつ、回転軸に沿って前進及び後退が可能なスクリュを備えるシリンダに、固体状の樹脂原料と強化繊維を供給し、スクリュを正転させることにより、強化繊維と溶融樹脂の混合物を生成する可塑化工程と、混合物を、金型のキャビティに向けて射出する射出工程と、を備え、スクリュは、上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、第1フライトのフライトリードL1は、第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍であり、
かつ、スクリュは、固体状の樹脂原料を可塑化溶融して溶融樹脂と強化繊維の混合物を生成し、第1ステージに属する溶融部と、生成された混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側のスクリュの軸径よりも外径が拡大された、第1ステージと第2ステージの間に設けられる絞り部と、下流側において絞り部に連なり、絞り部の外径よりも軸径が縮小され、第2ステージに属する減圧部と、減圧部の下流端に連なり、混合物を混練する、第2ステージに属する混練部と、を備え、可塑化工程において、混合物に対し、シリンダの内部であって、絞り部の周囲に設けられる絞り領域において、絞り領域よりも上流側に比べて強い圧縮力を与え、次いで、絞り領域を通過した下流側であって、かつ、シリンダの内部であって、減圧部の周囲に設けられる減圧領域において、減圧させ、減圧後にスクリュの回転により混合物に対し混練部において混練を加える、ことを特徴とする。
本発明の可塑化工程において、固体状の樹脂原料と強化繊維は、絞り領域よりも、上流側において供給され、絞り領域に達するまでの間に、強化繊維と溶融樹脂の混合物を生成することができる。
本発明の射出成形方法において、スクリュは、外径Dに対する軸径Dの比(軸径D/外径D)が、0.5〜0.95であることが好ましい。
またこのスクリュは、絞り部よりも上流側のスクリュの軸径Dよりも、減圧部における軸径Dを小さくすることができる。
また、本発明の射出成形機のスクリュは、溶融樹脂と強化繊維の混合物を射出成形して繊維強化樹脂を得るのに用いられるものであって、上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、
前記第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、
前記第1フライトのフライトリードL1は、前記第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍である。加えて本発明におけるスクリュは、固体状の樹脂原料を可塑化溶融して溶融樹脂と強化繊維の混合物を生成し、第1ステージに属する溶融部と、生成された混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側のスクリュの軸径よりも外径が拡大された、第1ステージと第2ステージの間に設けられる絞り部と、下流側において絞り部に連なり、絞り部の外径よりも軸径が縮小された、第2ステージに属する減圧部と、減圧部の下流端に連なり、スクリュの回転により混練する、第2ステージに属する混練部と、を備えることを特徴とする。
このスクリュにおいて、絞り部は、スクリュの軸径よりも外径が全周に亘って拡大されたリング状の形態をなすことが好ましい。また、この絞り部は、主フライトと、主フライトよりも外径が小さく設定されている副フライトと、を備え、副フライトは、主フライトよりリード角が大きく設定されて、その両端が主フライトに対して閉塞されていることが好ましい。
また、本発明の射出成形機は、吐出ノズルが設けられたシリンダと、シリンダの内部に、回転軸を中心にして回転が可能で、かつ、回転軸に沿って前進及び後退が可能に設けられたスクリュと、を備え、繊維強化樹脂を射出成形する射出成形機であって、スクリュは、上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、第1フライトのフライトリードL1は、第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍である。加えて本発明におけるスクリュは、固体状の樹脂原料を可塑化溶融して溶融樹脂と強化繊維の混合物を生成、第1ステージに属する溶融部と、生成された混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側のスクリュの軸径よりも外径が拡大された、第1ステージと第2ステージの間に設けられる絞り部と、下流側において絞り部に連なり、絞り部の外径よりも軸径が縮小された、第2ステージに属する減圧部と、絞り部の下流端に連なり、絞り部から吐出した混合物をスクリュの回転により混練する、第2ステージに属する混練部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧縮を与えた後に減圧することにより、繊維束についてスプリングバック現象を生じさせるとともに、溶融樹脂についてはバラス効果を生じさせることにより、混合物を膨張させて繊維束の結束を崩した後、スクリュの回転によって混練を加えることにより繊維束の開繊を進めることができる。
本実施形態に係る射出成形機の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る射出成形の各手順における樹脂の溶融状態を模式的に示す図であり、(a)は可塑化開始時、(b)は可塑化完了時、(c)は射出完了時を示している。 (a)は図1及び図2に示すスクリュの絞り部の近傍を拡大して示し、(b)はスプリングバック現象を示し、(c)は溶融樹脂のバラス現象を示している。 本実施形態に適用できるスクリュを示し、(a)はその一例を、(b)は他の例を、(c)は溶融樹脂の挙動を示している。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る射出成形機1は、図1に示すように、型締ユニット100と、可塑化ユニット200と、これらのユニットの動作を制御する制御部50と、を備えている。
以下、型締ユニット100の構成と動作、可塑化ユニット200の構成と動作の概略について説明し、次いで、射出成形機1による射出成形の手順について説明する。
[型締ユニットの構成]
型締ユニット100は、ベースフレーム101上に固設されるとともに固定金型103が取り付けられた固定ダイプレート105と、油圧シリンダ113を作動させることによってレールや摺動板などの摺動部材107上を図中左右方向に移動するとともに可動金型109が取り付けられた可動ダイプレート111と、固定ダイプレート105と可動ダイプレート111とを連結する複数のタイバー115とを備えている。固定ダイプレート105には、各タイバー115と同軸に型締め用の油圧シリンダ117が設けられており、各タイバー115の一端は油圧シリンダ117のラム119に接続されている。
これらの各要素は制御部50の指示にしたがって必要な動作を行なう。
[型締ユニットの動作]
型締ユニット100の概略の動作は以下の通りである。
まず、型開閉用の油圧シリンダ113の作動により可動ダイプレート111を図中の二点鎖線の位置まで移動させて可動金型109を固定金型103に当接させる。次いで、各タイバー115の雄ねじ部121と可動ダイプレート111に設けられた半割りのナット123を係合させて、可動ダイプレート111をタイバー115に固定する。そして、油圧シリンダ117内の可動ダイプレート111側の油室の作動油の圧力を高めて、固定金型103と可動金型109とを締め付ける。このようにして型締めを行った後に、可塑化ユニット200から金型のキャビティ内に溶融樹脂Mを射出して成形品を成形する。
本実施形態のスクリュ10は、個別に用意された熱可塑性の樹脂ペレットPと強化繊維Fをスクリュ10の上流端の近傍に設けられる供給ホッパ207に投入して混合する方式である。ただし、以下に具体的に説明する型締ユニット100の構成はあくまで一例に過ぎず、他の構成を適用し、あるいは置換することを妨げない。例えば、本実施形態では油圧シリンダ113を型開閉用のアクチュエータとして示したが、回転運動を直線運動に変換させる機構とサーボモータや誘導モータなどの電動モータとの組み合せに代えてもよい。この変換機構としては、ボールねじやラック・アンド・ピニオンを用いることができる。また、電動駆動あるいは油圧駆動によるトグルリンク式型締ユニットに代えてもよいことは言うまでもない。
なお、本実施形態及び本発明において、上流及び下流は、樹脂ペレットP(溶融樹脂M)及び強化繊維Fが、搬送される向きを基準にして定められるものである。樹脂ペレットP及び強化繊維Fは上流端に設けられる供給ホッパ207にて投入される、下流端に設けられる吐出ノズル203からりキャビティへ射出される。
[可塑化ユニットの構成]
可塑化ユニット200は、筒型の加熱シリンダ201と、加熱シリンダ201の下流端に設けた吐出ノズル203と、加熱シリンダ201の内部に設けられたスクリュ10と、樹脂ペレットPと強化繊維Fが供給される供給ホッパ207と、を備えている。また、可塑化ユニット200は、スクリュ10を前進又は後退させる第1電動機209と、スクリュ10を正転又は逆転をさせる第2電動機211と、を備えている。これらの各要素は制御部50の指示にしたがって必要な動作を行なう。
スクリュ10の下流側の端部(後端)と第1電動機209の間には、図示を省略するロードセルが介在しており、スクリュ10が軸方向に受ける荷重を検知することができる。電動機による可塑化ユニット200は、ロードセルで検知した荷重に基づいて、可塑化におけるスクリュ10の背圧を制御する。
スクリュ10は、いわゆるガスベント式スクリュと同様の2ステージ型のデザインとなっている。具体的にはスクリュ10は、上流側に設けられる第1ステージ21と第1ステージ21に連なり下流側に設けられる第2ステージ22とを有し、第1ステージ21は上流側から順に供給部23と圧縮部24と計量部27を備え、第2ステージ22は上流側から順に供給部25と圧縮部26と計量部28を備える。また、スクリュ10は、第1ステージ21と第2ステージ22の間に絞り部35を備えている。なお、図1における右側が上流側であり、左側が下流側である。
スクリュ10は、第1ステージ21に第1フライト31が設けられ、第2ステージ22に第2フライト33が設けられている。
第1ステージ21及び第2ステージ22ともに、相対的に、供給部23,25におけるフライト間のスクリュ溝が深く、圧縮部24,26のフライト間のスクリュ溝が上流側から下流側に向けて漸減していうように設定され、計量部27,28におけるスクリュ溝が最も浅く設定されている。
第1ステージ21は、樹脂原料を溶融して溶融樹脂Mを生成するのに加えて、生成された溶融樹脂Mを第2ステージ22に向けて搬送するので、溶融樹脂Mの搬送速度及び可塑化能力を確保する機能を備えていることが望まれる。
この機能を得るために、第1ステージ21の第1フライト31は、そのフライトリード(L1)が第2ステージ22の第2フライト33のフライトリード(L2)以下とすること、つまりL1≦L2が成り立つことが好ましい。なお、フライトリード(以下、単にリード)とは、前後に隣接するフライトの間隔をいう。一つの指標として、第1フライト31のリードL1は、リードL2の0.4〜1.0倍とするのが好ましく、0.5〜0.9倍とすることがより好ましい。
また、第2フライト33のフライトの幅は、リードL2の0.01〜0.3倍(0.01×L2〜0.3×L2)とするのが好ましい。フライトの幅がリードL2の0.01倍より小さいと第2フライト33の強度が不十分となり、フライトの幅がリードL2の0.3倍を超えると、スクリュ溝幅が小さくなり繊維がフライト頂部に引っかかって溝内に落ちにくくなるからである。
また、上述したL1≦L2が成り立つ好ましい形態の他、第2ステージ22の特に供給部25の一部または全部の第2フライト33は、1条フライトではなく、複数条数のフライトでもよい。この場合、第1ステージ21から吐出された溶融樹脂Mが、複数条数のフライトにより区画されたスクリュ溝にそれぞれ分割して分配されるため、各スクリュ溝内で繊維束と溶融樹脂Mがそれぞれ接触、混合されるので、繊維束への溶融樹脂Mの含浸に有効である。
スクリュ10において、第1ステージ21と第2ステージ22の間に設けられる絞り部35は、図3(a)に示すように、その外周の径Dが、第1ステージ21の計量部27の軸径D及び第2ステージ22の供給部25の外径Dよりも大きく設定されている。このように、絞り部35の近傍は、絞り部35において、スクリュ10の軸部の径が計量部27よりも半径方向に拡径し、かつ、絞り部35に連なる供給部25において軸部の径が縮小している。しかも、スクリュ10は、計量部27の外径Dよりも第2ステージ22の供給部25の外径Dが小さく設定されている。この絞り部35を境にした上流側と下流側のそれぞれにおける径の拡大及び縮小により、ここを通過する強化繊維と溶融樹脂の混合物に対して、計量部27で加えられていたのに比べて強い圧縮力を与えた後に減圧することができる。つまり、加熱シリンダ201の内部であって、絞り部35の周囲が本発明の絞り領域をなし、また、加熱シリンダ201の内部であって、絞り部35の近傍における供給部25の周囲が、本発明の減圧領域をなす。これにより、繊維束についてスプリングバック現象を生じさせるとともに、また、溶融樹脂についてバラス効果を生じさせることができる。この点について詳しくは後述する。また、図3は、第1フライト31及び第2フライト33の記載を省略している。
[可塑化ユニットの動作]
可塑化ユニット200の概略の動作は以下の通りである。なお、図1を参照願いたい。
加熱シリンダ201の内部に設けられたスクリュ10が回転すると、供給ホッパ207から供給された熱可塑性樹脂からなるペレット(樹脂ペレットP)と強化繊維Fは、加熱シリンダ201の下流端の吐出ノズル203に向けて搬送される。この過程で、樹脂ペレットPは溶融樹脂Mとなる。溶融樹脂Mは強化繊維Fと混合された後に、型締ユニット100の固定金型103と可動金型109の間に形成されるキャビティへ所定量だけ射出される。なお、樹脂ペレットPの溶融に伴いスクリュ10が背圧を受けながら後退した後に、前進することで射出を行なうというスクリュ10の基本動作を伴うことは言うまでもない。また、加熱シリンダ201の外側には、樹脂ペレットPの溶融のためにヒータを設けるなど、他の構成を適用し、あるいは置換することを妨げない。
[射出成形の手順]
以上の要素を備える射出成形機1は、以下の手順で射出成形を行なう。
射出成形は、よく知られているように、可動金型109と固定金型103を閉じて高圧で型締めする型締工程と、樹脂ペレットPを加熱シリンダ201内で加熱、溶融して可塑化させる可塑化工程と、可塑化された溶融樹脂Mを、可動金型109と固定金型103により形成されるキャビティに射出、充填する射出工程と、キャビティに充填された溶融樹脂Mが固化するまで冷却する保持工程と、金型を開放する型開き工程と、キャビティ内で冷却固化された成形品を取り出す取り出し工程と、を備え、上述した各工程をシーケンシャルに、あるいは一部を並行させて実施して1サイクルの射出成形が完了する。
次に、以上の工程の中で、本実施形態が関連する可塑化工程と射出工程の概略について、図2を参照して説明する。
[可塑化工程]
可塑化工程では、樹脂ペレットP及び強化繊維Fを加熱シリンダ201の上流側の供給ホッパ207に対応する供給口から供給する。可塑化開始当初のスクリュ10は、加熱シリンダ201の下流に位置しており、その初期位置からスクリュ10を回転させながら後退させる(図2(a)「可塑化開始」)。スクリュ10を回転させることで、スクリュ10と加熱シリンダ201の間に供給された樹脂ペレットPは、せん断力を受けて加熱されながら徐々に溶融して、下流に向けて搬送される。なお、本発明では可塑化工程におけるスクリュ10の回転(向き)を正転とする。スクリュ10の回転に伴い、強化繊維Fは溶融樹脂Mに混錬、分散して溶融樹脂Mとともに下流に搬送される。樹脂ペレットP、強化繊維Fの供給を継続するとともに、スクリュ10を回転し続けると、溶融樹脂Mが強化繊維Fとともに加熱シリンダ201の下流側に搬送され、かつ、スクリュ10よりも下流側に溜まる。スクリュ10の下流に溜まった溶融樹脂Mの樹脂圧力とスクリュ10の後退を抑制する背圧とのバランスによってスクリュ10を後退させる。この後、1ショットに必要な量の溶融樹脂Mが計量され溜まったところで、スクリュ10の回転及び後退を停止する(図2(b)「可塑化完了」)。
図2は、樹脂(樹脂ペレットP,溶融樹脂M)と強化繊維Fの状態を、「未溶融樹脂」、「樹脂溶融」、「繊維分散」及び「繊維分散完了」の4段階に区別して示している。「可塑化完了」の段階では、スクリュ10よりも下流の「繊維分散完了」は、溶融樹脂Mの中に強化繊維Fが分散され、射出に供される状態を示し、「繊維分散」は、スクリュ10の回転に伴い、供給された強化繊維Fが溶融樹脂Mに分散されていることを示す。また、「樹脂溶融」は、樹脂ペレットPがせん断力を受けることで徐々に溶融し、「未溶融樹脂」はせん断力を受けるが、溶融不足の樹脂が残存する状態であり全てが溶融するには到っていないことを示している。ただし、「繊維分散完了」の領域には、強化繊維Fが偏在することがある。
[絞り部35における挙動]
この可塑化工程で、溶融樹脂Mと強化繊維Fの混合物(以下、単に混合物ということがある)が絞り部35を通過する過程で、前述したスプリングバック現象とバラス効果が生じる。以下、図3(b),(c)を参照して説明する。
第1ステージ21において、可塑化溶融された溶融樹脂M中で強化繊維Fが混練され、繊維束をある程度は分散されるが、第1ステージ21に連なる絞り部35に溶融樹脂Mとともに強化繊維Fが流入し、絞り部35を通過すると、第2ステージ22の供給部25に流入する。つまり、混合物は、絞り領域で圧縮された後に減圧領域に達する。そして、この減圧領域は、混合物に対して、膨張環境になる。
これを混合物の中に含まれる強化繊維Fについて着目すると、絞り部35から溶融樹脂Mとともに膨張環境に吐出される繊維束には、絞り部35で急激に圧縮力を受けた後に減圧されるので、スプリングバック現象が発生する。この様子を、強化繊維Fを単純な線分にモデル化して図3(b)に示している。
絞り部35よりも上流側では、繊維束Bはこれを構成する強化繊維Fが屈曲するなどして相互に所定の隙間を有しているが、絞り部(絞り領域)35に達すると、圧縮力を受けることにより、それぞれの強化繊維Fが潰れて繊維束Bは引き締まる。しかし、絞り部35を通過して供給部25の周囲の減圧領域に達すると、それぞれの強化繊維Fにスプリングバック現象が生じることで、繊維束Bを構成する束ねられたそれぞれの強化繊維Fの隙間が広がり、繊維束を開繊しやすい状態を作り出すことができる。なお、図3(b)は径方向におけるスプリングバック現象をモデル化して示しているが、現実には、周方向においても同様にスプリングバック現象が生じることになる。
また、絞り部35を通過する溶融樹脂Mに着目すると、溶融樹脂Mは粘弾性を有しているために、バラス効果が生じる。この様子を、溶融樹脂Mを矢印にモデル化して図3(c)に示している。絞り部35よりも上流側を搬送されてきた溶融樹脂Mは、絞り部(絞り領域)35を通過する際に圧縮力を受けるので、上流側より収縮する。なお、矢印の間隔が収縮、膨張を表している。圧縮された後に、供給部25の周囲の減圧領域、つまり膨張環境に達すると、溶融樹脂Mは、バラス効果によって膨張する。
また、強化繊維Fは溶融樹脂Mの中に浮遊しており、溶融樹脂Mに付着しているので、バラス効果による溶融樹脂Mの膨張に伴って、溶融樹脂Mの中に含まれる繊維束を構成するそれぞれの強化繊維Fが、付着している溶融樹脂Mの膨張に引っ張られて、繊維束の間の隙間が広がるので、繊維束が開繊しやすくなるとともに、この隙間の中に溶融樹脂Mが浸入して、広がった繊維間の隙間が再び結着してしまうのを防ぐとともに、溶融樹脂Mによるせん断力が繊維束の内部に存在する強化繊維Fにも伝搬しやすくなる。
以上のように、スプリングバック現象及びバラス効果の相乗効果により、開繊がしやすい状態となった強化繊維Fと溶融樹脂Mの混合物は、第2ステージ22の供給部25、圧縮部26及び計量部28を通過する際にスクリュ回転によりスクリュ溝内で十分な旋回や位置置換しながら様々な方向の剪断力を受けて混練されることによって、繊維束の開繊が促進され、繊維の開繊不良や射出時の充填不良による成形不良や可塑化時の計量不良を防止できる。
混合物が絞り部35を通過することによる効果は、以下説明するように、直交する二つの方向にせん断力が負荷されることにより、顕著となる。
つまり、図3(a)に示すように、絞り部35を通過する際に、強化繊維束に負荷されるせん断力は、溶融樹脂Mの流れによるスクリュ10の回転軸Cの方向のせん断力Qと、回転軸Cと直交する方向のせん断力Qという、互いに独立な方向のせん断力が負荷される。したがって、溶融樹脂Mの中に含まれる強化繊維F及び繊維束の方向が如何なる方向に向いていても、絞り部35を通過する際に、せん断力Qとせん断力Qのいずれかが繊維束を解くように負荷することができるので、絞り部35を通過することによる開繊の効果を顕著なものにする。
ところで、絞り部35における混合物の流路は、内径側がスクリュ10の外径面であり、外径側が加熱シリンダ201の内径面である。よって、可塑化計量時のスクリュ10の後退の際に、スクリュ10の位置を基準とした場合、加熱シリンダ201の内径面は相対的に前方へ移動することになる。この相対動作により、絞り部35内で加熱シリンダ201の内径面付近に位置する混合物は、第1ステージ21の先端部の圧力だけでなく、加熱シリンダ201の内径面の相対移動による引きずり力も受けることになる。この引きずり力によって絞り部35内の混合物を供給部25に引きずり出すことも絞り部35で混合物が目詰まりするのを防止するのに有効に作用する。
以上説明したスプリングバック現象及びバラス効果に基づく開繊の容易化の効果の程度は、絞り部35の外径Dに対する供給部25の軸径Dの比により左右され、外径Dに対する軸径Dの比(軸径D/外径D)が小さいほど、圧縮から減圧への程度が大きくなり、スプリングバック現象及びバラス効果が顕著になる傾向にある。一つの指針として、軸径D/外径Dは0.95以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.9以下であり、さらには0.8以下であることが好ましい。一方で、軸径D/外径Dが小さすぎると、可塑化時のスクリュ回転による捩り応力または射出時の軸圧縮応力によって、軸径Dと外径Dの連結部に応力集中が発生し、過大な応力によって軸径Dと外径Dの連結部が破断するおそれがある。また、一般にスプリングバック現象及びバラス効果は2倍以上の膨張が期待できないので、軸径D/外径Dは0.5以上であることが好ましく、さらには0.6以上であることが好ましい。
また、供給部25の軸径Dは、第1ステージの終端部である計量部27の軸径D以下とすることが好ましい。これは第1ステージの終端部で強化繊維Fと溶融樹脂Mに加えられた圧力を低下させ、強化繊維Fの開繊を促進するために、供給部25の軸径Dを第1ステージの終端部である計量部27の軸径D以下とし、計量部27の溝容積より供給部25の溝容積を拡大することが有効なためである。また第1ステージの終端部で強化繊維Fと溶融樹脂Mに加えられた圧縮を十分開放して、圧力を無視して強化繊維Fが自由に旋回、位置置換できるような環境して開繊を促進するためには、軸径Dは軸径Dより小さいことが更に好ましい。
[射出工程]
射出工程に入ると、図2(c)に示すように、スクリュ10を前進させる。そうすると、スクリュ10の先端部に備えられている図示しない逆流防止弁が閉鎖することで、スクリュ10の下流に溜まった溶融樹脂Mの圧力(樹脂圧力)が上昇し、溶融樹脂Mは吐出ノズル203からキャビティに向けて吐出される。
以後は、保持工程と、型開き工程と、取り出し工程を経て、1サイクルの射出成形が完了し、次のサイクルの型締め工程、可塑化工程が行われる。
[効 果]
以上説明したように、本実施形態によるスクリュ10は、絞り部35を設けることにより、開繊しやすい状態となった強化繊維Fと溶融樹脂Mの混合物を、第2ステージ22において混練することによって、繊維束の開繊を促進できるので、繊維の開繊不良や射出時の充填不良による成形不良や可塑化時の計量不良を防止できる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、以上の本実施形態では、第1ステージ21と第2ステージ22を備える2ステージ型のスクリュ10の境界に絞り部35を設けたが、強化繊維Fと溶融樹脂Mが混合状態にあって、スプリングバック現象とバラス効果が得られる限り、本発明はこれに限定されない。2ステージ型のスクリュ10について、第1ステージ21の範囲内に設けることができるし、第2ステージ22の範囲内に設けることもできる。また、例えば、第1ステージ21と第2ステージ22の境界部分に加えて、第2ステージ22の範囲内にも設けるというように、絞り部35を2か所又は3か所以上の複数か所に設けることもできる。また、絞り部35が適用されるスクリュは、2ステージ型に限るものではなく、供給部と圧縮部を一つずつ備える1ステージ型であってもよい。
また、本実施形態では、絞り部35をリング状で全周ダム形状にする例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、リング状ではなく、図4(a),(b)に示すように、スクリュ10に、主フライト36と、主フライト36よりも外径が小さく設定されている副フライト37(37A,37B)を設け、副フライト37を絞り部35として機能させることができる。なお、図4(a)は副フライト37が一段の例を、図4(b)は副フライト37が間隔を空けて二段の例を示している。また、前述した通りであり、主フライト36は、第1フライト31又は第2フライト33が該当する。この副フライト37は、主フライト36よりリード角が大きく設定されて、その両端が主フライト36に対して閉塞されている形状のバリアフライト形状をなしており、本発明の効果を得ることができる。この副フライト37(37A,37B)からなる絞り部は、ねじ構造を備えるため、図4(c)に示すように、スクリュ回転時に絞り部である副フライト37が、図中の矢印で示すように樹脂の搬送力を持つことができ、強化繊維Fが高含有率のために絞り部で目詰まりしやすい状態であっても、ねじ構造によって成し得る搬送力によって、目詰まることなく強化繊維Fと溶融樹脂Mからなる混合物を絞り部を通過させることができる。特に副フライト37で目詰まりを防止するために、副フライト37の外径とシリンダ内径の間の隙間の大きさは、下限値は0.1mmとし、上限値は8mmまたは溝深さの60%のいずれか小さい方とすることが好ましい。0.1mmより小さいと強化繊維Fが隙間を閉塞してしまい、8mmまたは溝深さの60%のいずれか小さい方より大きいと、フライトのリードによる下流側への樹脂搬送能力が不足し目詰まり防止の効果が期待できないためである。なお、この隙間の大きさの範囲は、リング状で全周ダム形状の場合にも適用することができる。これによって、リング状の絞り部における目詰まりを更に有効に防止することができる。
また、絞り部35を、複数箇所に設ける場合は、更に、複数箇所に設けた絞り部の内、下流側に設けられた絞り部の外径を上流側に設けられた絞り部の外径に対し相対的に大きくしてもよい。この場合、上流側のシリンダ内径と絞り部外径の間の大きな隙間で、塊の残った繊維束を解し、ばらけた繊維を下流側の隙間の小さな絞り部において、開繊の進んだ強化繊維束に均等なせん断を加えて溶融樹脂中に均一に分散させるのに有効である。また、特に上流側の隙間を大きくしておくことで、開繊の進んでいない大きな繊維塊が絞り部の隙間に入り込む際に、急激な変形を受けて過大なせん断力が発生することによる強化繊維Fの折損を防止できる。
また、図4(b)に示すように、絞り部を複数個所に設けられる副フライト37A,37Bによって形成した場合は、副フライト37A,37Bにおける外径を上流側から下流側に向けて滑らかにあるいは段階的に拡大させてもよい。これにはいくつかの形態が含まれている。一つ目の形態は、副フライト37A,37Bのそれぞれの外径は一定であるが、上流側(図中の右側)の副フライト37Aに比べて下流側の副フライ37Bの外径が大きいというものである。二つ目の形態は、副フライト37Aの外径が上流端から下流端に向けて大きくなり、副フライト37Bの外径が上流端から下流端に向けて大きくなるというものである。一つ目の形態と二つ目の形態を組み合せることもできる。
また、本実施形態では、絞り部から吐出した混合物を減圧することによる混合物の膨張要素を、強化繊維Fのスプリングバック現象と溶融樹脂Mのバラス効果として示したが、揮発ガス成分の含有が多い原料の場合は、減圧によって溶融樹脂M中に溶解している揮発成分がガス化して顕在化することも、溶融樹脂Mの膨張要素として用いることができる。
また、以上の実施形態では、樹脂ペレットPと強化繊維Fをスクリュの長手方向の上流側で一緒に供給する方式の射出成形機に絞り部35を適用する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、樹脂ペレットPを上流側で供給する一方、強化繊維Fを下流側で供給する方式の射出成形機に適用することができる。この場合には、2ステージ型のスクリュを用いて、第1ステージ21の供給部あるいは圧縮部に樹脂ペレットPを供給し、第2ステージ22の供給部に強化繊維Fを供給することになるが、強化繊維Fと溶融樹脂Mが混合状態にある第2ステージ22の範囲内に絞り部35を設ければ、スプリングバック現象とバラス効果を得ることができる。
また、本発明に適用される樹脂、強化繊維は、特に限定されるものでなく、ポリプロピレンやポリエチレンなどの汎用樹脂や、ポリアミドやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックなどの公知の樹脂、およびガラス繊維、炭素繊維、竹繊維、麻繊維などの公知の強化繊維など、公知の材質を広く包含している。なお、本発明の効果を顕著に得るには、強化繊維の含有量が10%以上と高含有率な繊維強化樹脂を対象とするのが好ましい。しかし、強化繊維の含有率が70%を超えるとスクリュ溝内の強化繊維の搬送抵抗が大きくなるので、特に比較的樹脂の搬送能力の低い小径フライトを用いた場合に、強化繊維を搬送することが困難となり、強化繊維がスクリュ溝内を閉塞して絞り部で目詰まり、可塑化能力の低下、あるいは可塑化不能(樹脂の搬送不能)な状態を発生してしまうおそれがある。このため、本発明に適用される強化繊維は含有率が10〜70%であることが好ましく、さらには15〜50%であることが好ましい。また、供給する強化繊維と樹脂原料は、個別に用意された強化繊維と原料樹脂を混合して供給することが本発明の効果を顕著に得ることに好ましいが、強化繊維に樹脂を含浸して一体とした複合原料を用いても支障はない。
1 射出成形機
10 スクリュ
21 第1ステージ
22 第2ステージ
23,25 供給部
24,26 圧縮部
27,28 計量部
31 第1フライト
33 第2フライト
35 絞り部
36 主フライト
37,37A,37B 副フライト
50 制御部
100 型締ユニット
101 ベースフレーム
103 固定金型
105 固定ダイプレート
107 摺動部材
109 可動金型
111 可動ダイプレート
113 油圧シリンダ
115 タイバー
117 油圧シリンダ
119 ラム
121 雄ねじ部
123 ナット
200 可塑化ユニット
201 加熱シリンダ
203 吐出ノズル
207 供給ホッパ
209 第1電動機
211 第2電動機
C 回転軸
F 強化繊維
M 溶融樹脂
P 樹脂ペレット

Claims (7)

  1. 回転軸を中心にして回転が可能で、かつ、前記回転軸に沿って前進及び後退が可能なスクリュを備えるシリンダに、固体状の樹脂原料と強化繊維を供給し、前記スクリュを正転させることにより、前記強化繊維と溶融樹脂の混合物を生成する可塑化工程と、
    前記混合物を、金型のキャビティに向けて射出する射出工程と、を備え、
    前記スクリュは、
    上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、
    前記第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、
    前記第1フライトのフライトリードL1は、前記第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍であり、
    かつ、前記スクリュは、
    固体状の樹脂原料を可塑化溶融して前記溶融樹脂と前記強化繊維の混合物を生成し、前記第1ステージに属する溶融部と、
    生成された前記混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側の前記スクリュの軸径よりも外径が拡大された、前記第1ステージと前記第2ステージの間に設けられる絞り部と、
    下流側において前記絞り部に連なり、前記絞り部の外径よりも前記軸径が縮小され、前記第2ステージに属する減圧部と、
    前記減圧部の下流端に連なり、前記混合物を混練する、前記第2ステージに属する混練部と、を備え、
    前記可塑化工程において、
    前記混合物に対し、
    前記シリンダの内部であって、前記絞り部の周囲に設けられる絞り領域において、前記絞り領域よりも上流側に比べて強い圧縮力を与え、
    次いで、前記絞り領域を通過した下流側であって、かつ、前記シリンダの内部であって、前記減圧部の周囲に設けられる減圧領域において、減圧させ、
    減圧後に前記スクリュの前記回転により前記混合物に対し前記混練部において混練を加える、
    ことを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記可塑化工程において、
    前記樹脂原料と前記強化繊維は、前記絞り領域よりも、上流側において供給され、
    前記絞り領域に達するまでの間に、前記混合物が生成される、
    請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 前記外径Dに対する前記軸径Dの比(軸径D/外径D)が、0.5〜0.95である、
    請求項に記載の射出成形方法。
  4. 前記絞り部よりも上流側の前記スクリュの軸径Dよりも、前記減圧部における前記軸径Dが小さい、
    請求項3に記載の射出成形方法。
  5. 溶融樹脂と強化繊維の混合物を射出成形して繊維強化樹脂を得るのに用いられる射出成形機のスクリュであって、
    上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、
    前記第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、
    前記第1フライトのフライトリードL1は、前記第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍であり、
    かつ、前記スクリュは、
    固体状の樹脂原料を可塑化溶融して前記溶融樹脂と前記強化繊維の混合物を生成し、前記第1ステージに属する溶融部と、
    生成された前記混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側の前記スクリュの軸径よりも外径が拡大された、前記第1ステージと前記第2ステージの間に設けられる絞り部と、
    下流側において前記絞り部に連なり、前記絞り部の外径よりも前記軸径が縮小され、前記第2ステージに属する減圧部と、
    前記減圧部の下流端に連なり、前記混合物を混練する、前記第2ステージに属する混練部と、を備えることを特徴とするスクリュ。
  6. 前記絞り部は、
    前記スクリュの軸径よりも外径が全周に亘って拡大されたリング状の形態をなす、請求項に記載のスクリュ。
  7. 吐出ノズルが設けられたシリンダと、
    前記シリンダの内部に、回転軸を中心にして回転が可能で、かつ、前記回転軸に沿って前進及び後退が可能に設けられたスクリュと、を備え、繊維強化樹脂を射出成形する射出成形機であって、
    前記スクリュは、
    上流側に設けられ、第1フライトを有する第1ステージと、
    前記第1ステージに連なって下流側に設けられ、第2フライトを有する第2ステージとを有し、
    前記第1フライトのフライトリードL1は、前記第2フライトのフライトリードL2の0.4〜0.9倍であり、
    かつ、前記スクリュは、
    固体状の樹脂原料を可塑化溶融して溶融樹脂と強化繊維の混合物を生成し、前記第1ステージに属する溶融部と、
    生成された前記混合物が通過する少なくとも一部の領域に設けられ、当該一部の領域よりも上流側の前記スクリュの軸径よりも外径が拡大された、前記第1ステージと前記第2ステージの間に設けられる絞り部と、
    下流側において前記絞り部に連なり、前記絞り部の外径よりも軸径が縮小された、前記第2ステージに属する減圧部と、
    前記減圧部の下流端に連なり、前記混合物を混練する、前記第2ステージに属する混練部と、を備える、
    ことを特徴とする射出成形機。
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