JP4321183B2 - 車椅子の搬出入装置 - Google Patents
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Description
リフトアップ機構1は車椅子型のシートを下支えする傾斜ベースを備えてなるとともに、この傾斜ベースにはシートに対する専用のロック機構(ストッパ)が設けられている。
リフトアップ機構を駆動させると、回動・スライド・下降動作を経てドア開口部より傾斜ベースを車外に突出させることが出来る。その状態で車椅子型のシートを傾斜ベースに連結・ロックし、再び、リフトアップ機構を駆動させてやれば、上記動作を逆に辿ることにより傾斜ベース、ひいては車椅子型のシートが車内に格納されることとなる。
この格納状態においても車椅子型のシートは専用のロック機構(ストッパ)によって傾斜ベースにロックされているから、車椅子を座席として使用することが可能となる。
また、車椅子型のシートとリフトアップ機構とを連結させるロック機構は、傾斜ベースに設けられているため、車椅子に乗った身障者等が自らロック機構の解除を行うことが出来なく、これを実現しようとすると遠隔操作が必要となり部品点数が増加していまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、操作・使用性に優れる車椅子の搬出入装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明によれば、ロック機構は水平ロック機構と上下ロック機構とから構成されており、車椅子支持部の出入り動作を行うと、その出入り動作に伴って第2のロック部と第2のロック受け部とが離間し車椅子の上下方向のロックを解除し、更に、車椅子支持部の昇降動作を行うと、その昇降動作に伴って第1のロック部と第1のロック受け部とが離間して車椅子の水平方向のロックを解除し、これによって車椅子全体のロックが解かれる。
このように、車椅子のロックは車椅子の搬出動作によって自動的に解かれるから、ロック解除のための専用操作を必要とせず操作性に優れる。また、ロック解除のための専用部品(例えば、遠隔操作のためのワイヤー等)を必要としないため装置の部品点数も少なくなる。
車両が前方への衝突事故を起こした場合に車椅子には後部が浮き上がるような力が作用し、後方より追突された場合に車椅子には前部が持ちあがるような力が作用するが、請求項2の発明によれば、前突事故の場合には後部側のロックが車椅子の浮き上がりを規制し、後突事故の場合には前側のロックが車椅子の浮き上がりを規制するからロックの信頼性に優れる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、第1のロック部材と第1のロック受け部との係止は案内面によって案内されるからロックの信頼性に優れる。
図1は本実施形態に適用された普通自動車の助手席側半分を示すものであって、車室内には助手席、及び後席シート12がフロアパネル11上に配置されている。助手席の側方にはドア開口部13が設けられており、そこにはヒンジを介してドア14が開閉可能に取付けられている。また、ドア開口部13の下縁にはスカッフ16が形成されている(図11参照)。
また、支持ピン41の外面側の軸端には解除部42が設けられており、そこを押圧操作すると前記ロック凸部の突出部分が支持ピン41の内部側に退避して軸孔21に対する係合を解いて後輪40を座席フレーム20より取り外すことが出来る。
図9に示すように、回動機構70はフロアパネル11に固定された取付け板71と、この取り付け板71に対して車両の前後方向にスライド可能に取り付けられた可動板72と、水平な板上をなす回動台座74とを設けており、可動板72の上面側にはインナリング72Aが、回動台座74の下面側にはアウタリング74Aがそれぞれ取付けられている。このインナリング72Aには、ボールベアリングを介してアウタリング74Aが回動可能に取付けられており、これにて、前記した車椅子Sがこの回動台座74と一体となって旋回する。
本実施形態の昇降機構80は昇降スライド機構80Aとリンク機構80Bとから構成され、車外方向へのスライド動作と連動して昇降動作、すなわち車椅子Sを室内のフロアパネル11の高さから地面の高さまで下降或いは上昇させることが出来る。
まず、昇降スライド機構80Aについて説明する。図8に示すように、回動台座74の上面には、平板状をなすベースパネル81が取付けられている。このベースパネル81の左右両縁には車両の前後方向に沿って案内壁82が設けられている。この案内壁82はその前・後端同士を断面がコの字状をなす連結ブラケット83、84により架設されるとともに、その外面側には車外方向に開放する溝部82Aがその全長に亘って形成されている。
スライダ88の前方には昇降フレーム95が配されている。昇降フレーム95はコの字状に形成されるとともに、昇降フレーム95の左右両側壁95Aには装着板97が架設されている。この装着板97には、後述するスライド機構110の駆動源が装着されている。また、側壁95Aの外面における上部の前後には一対の摺動ローラ99が回動可能に軸支されている。
なお、これら作動機構Mはリモートコントローラにより駆動させることが出来る。
図8に示すように、車椅子支持台111の側壁外面の後端寄りの位置には係止ピン141(本発明の第1のロック部材に相当する)が横向きに突出して取り付けられている。
一方、図19に示すように、車椅子Sの座席フレーム20外面の幅寸法は前端から後部寄りにかけてはほぼ同一幅(同幅部20A)で形成される一方、後端部分は幅が狭くなっており、丁度その境界部分には係止ピン141に対する係止溝(本発明の第1のロック受け部に相当する)25が形成されている。係止溝25は下方に開口しており、車椅子Sを上昇させる過程で係止ピン141をその開口部分より溝内に受け入れるようになっている。この構成が、本発明の昇降動作方向への相対移動により嵌合する構成に相当するものである。
このように係止溝25内に係止ピン141を収容した状態においては、係止溝25と係止ピン141の嵌め合いにより車椅子Sの水平方向の移動を規制するようになっている(水平ロック機構)。
尚、車椅子Sの水平方向の移動規制は、上述したように車椅子Sの前側及び後側の双方に設けられているが、そのロックタイミングは次のようになっている。図14に示すように、車椅子Sを車椅子支持台111に向けて後退させてゆくと、やがて、係止ピン141が案内面26に当接する。この状態においては、車椅子Sの前側ではロック溝135の斜め上方にロックバー23が位置するとともに、車椅子Sの後側では係止ピン141の斜め上方に係止溝25が位置しており、いずれもロックがかかっていない。この状態から車椅子支持台111を上昇(斜め上方に移動)させると、係止ピン141は案内面26による案内作用を受けて案内面26上を摺接しながら係止溝25へと移動してゆき、やがて係止溝25に係合する。また、この係合とほぼ同じタイミングで、ロック溝135とロックバー23も係合するようになっている。
このように係合溝27内に係合バー143を収容した状態においては、係合溝27と係合バー143の嵌め合いにより車椅子Sの上下方向の移動を規制するようになっている(上下ロック機構)。
前側・後側のロック機構130はいずれも、溝とピンの嵌め合いを利用して車椅子Sの移動規制を行うものであって、後述する乗込み手順の際に詳しく述べるが、そのロック動作及びロックの解除動作は、車椅子支持台111の昇降動作及び引き込み・引き出し動作と連動してなされるようになっている。
図20に示すように、前記した車輪ホルダ51は前側から中央部寄りにかけてはほぼ同幅で形成されるが、後部の下部側は下方に張り出しており取付座51Bが形成されている。この取付座51Bの外面側には、揺動リンク59が横向きに配されている。この揺動リンク59の後端は内向きに屈曲形成されており、そこは後に述べるカムフォロア142に対する押込み片部59Dとされている。また、揺動リンク59の基板部分に対する押込み片部59Dの屈曲角度は鈍角となっている。この揺動リンク59は取付座51Bと、この取付座51Bにねじ留めされるホルダプレートとの間に若干の遊びを設けた状態で挟持されており、揺動リンク59はその屈曲角度を維持したままの状態で頂点部分59Fを中心として揺動可能とされている(図23参照)。
フットレスト60は第1・第2の連動リンク67、69を備えている。両連動リンク67、69はいずれも平板状をなす板材により形成され、その形状は第2の連動リンク69は全長が長く、への字状に屈曲して形成されるとともに、第1の連動リンク67は全長が短く、直線的な形状をなす。このうち、第1の連動リンク67の一端側はロッド63の上端部分に取り付けられるとともに、第2の連動リンク69の一端側は車輪ホルダ51の軸ピン53に取り付けられ、更に第1・第2の連動リンク67、69の他端同士が接続されている。
尚、以上述べた車椅子S、車椅子支持台111、ロック機構130及び作動機構Mによって、本発明の搬出入装置が構成されている。
このように車椅子Sの前部側においてはロック溝135とロックバー23とが係合し、車椅子Sの後部側においては係止ピン141と係止溝25とが係合することにより車椅子Sは車椅子支持台111によって下支えされ、かつ水平方向の移動が規制される。そのため、これ以降は、車椅子Sは車椅子支持台111と一体的に昇降動作を行う。
昇降スライドモータ92の停止と同時に進退用モータ120が駆動し、今度はスライド機構110によって車内への引き込み動作が開始される。すなわち、進退用モータ120が駆動することにより進退ピニオン120Aが回動するから、ラック119と進退ピニオン120Aの噛み合いにより車椅子支持台111、ひいては車椅子Sが上部リンクアーム101に沿ってスライドしつつ車内に引き込まれてゆく(図17参照)。
かくして、前輪50及びフットレスト60はいずれもスカッフ16を通過する前段階でスカッフ16より上方に退避する。これにより、車椅子Sは車体と干渉することなく、車内に引き込まれる。
一方、昇降機構80はその後も駆動し続けるが、その際に、当然のことではあるが車椅子Sは既に接地しているため下降動作を行わず、車椅子支持台111のみが下降動作を続けることとなる。そのため、車椅子Sの前側においてはロックバー23がロック溝135から退避し、車椅子Sの後側においては係止ピン141が係止溝25より退避する。これにより車椅子Sの前側・後側の双方において、水平方向の規制が解かれることとなる(ロック解除)。その後、車椅子支持台111を停止させれば、搬出動作は完了する。
更に、座席フレーム20には、係止ピン141をロック溝135に案内する案内面26が設けられているからロック不良の虞もない。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
M…作動機構
23…ロックバー(第1・2のロック部材)
25…係止溝(第1のロック受け部)
27…係合溝(第2のロック受け部)
101…上部リンクアーム(リンク)
103…下部リンクアーム(リンク)
111…車椅子支持台(車椅子支持部)
130…ロック機構
135…ロック溝(第1のロック受け部)
139…ロック爪(第2のロック受け部)
141…係止ピン(第1のロック部材)
143…係合バー(第2のロック部材)
Claims (3)
- 車椅子と、
この車椅子を乗り降り可能に支持する車椅子支持部と、
車室内に設置され前記車椅子支持部とはリンクを介して接続され、前記車椅子支持部に昇降動作を行わせる昇降機構と、
前記車室内に設置され前記車椅子支持部を水平方向に移動させることにより、前記車椅子の前記車室内外への引き出し、引き込みを行わせるスライド機構と、
前記車椅子を前記車椅子支持部に対して上下方向及び左右方向にロックするためのロック機構とを備えた車椅子の搬出入装置であって、
前記ロック機構は、
前記車椅子或いは前記車椅子支持部のうちいずれか一方側に設けられた第1のロック部材と、他方側に設けられるとともに前記昇降動作の過程で前記第1のロック部材に対し当該昇降動作方向への相対移動により嵌合或いは、嵌合を解いて前記車椅子の水平方向の移動を規制・解除可能な第1のロック受け部とを備えた水平ロック機構と、
前記車椅子或いは前記スライド機構の固定側のうちいずれか一方側に設けられた第2のロック部材と、他方側に設けられる第2のロック受け部とを備えた上下ロック機構とからなり、
かつ、前記第2のロック部材と前記第2のロック受け部とは、前記スライド機構による前記引き込みのための水平方向の移動により互いに嵌合して前記車椅子の上下方向の移動を規制し、前記引き出しのための水平方向の移動により嵌合を解除することを特徴とする車椅子の搬出入装置。 - 前記車椅子が前記車両内に格納された際に、前記車椅子が車両の進行方向を向くものにおいて、
前記ロック機構は当該車椅子の前部と後部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の車椅子の搬出入装置。 - 前記車椅子側或いは前記車椅子支持部のいずれか一方には、前記昇降動作の過程で他方側の一部に突き当たり、その後の昇降動作中、突き当たった当接部分と摺接することで前記第1のロック部材と前記第1のロック受け部材の係止を案内する案内面が設けられた構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車椅子の搬出入装置。
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