JP3614130B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば身体障害者や高齢者等(以下、乗員という)が車両に楽に乗降できるようにするための車両用シート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平11−268564号公報には、シート本体を、車両フロア上においてスライドベースを介して車両前後方向にスライドすることができ、またスライドベース上においてシート回転装置を介して車両正面向きとドア開口部向きとの間で水平回転することができ、更にシート回転装置によって回転されるスイングベース上において四節リンク機構を介して進退動作(縦方向のスイングによる振り出し動作)することができるように構成し、シート本体をドア開口部向きの位置で進退動作させることにより、車室内と車室外との間で移動できるようにした車両用シート装置が記載されている。この種の車両用シート装置では、車両走行時には、車両フロアに対するスライドベースのスライド動作、スライドベースに対するスイングベースの回転動作、スイングベースに対するシート本体の進退動作は、それぞれロック機構によって固定されるようになっている。
【0003】
ところで、上記のような車両用シート装置において、乗員保護用のシートベルトを装着するためのバックルは、シート本体(シートを支持するシートホルダ)に設けられるのが一般的である。したがって、走行時において、例えば車両が急減速したような場合には、シートベルトからバックルを経てシート本体を前方へ移動させようとする荷重が入力される。このため、従来は上記の入力荷重によってシート本体がスイングベースに対して前方へ移動することがないように、スイングベースとシート本体との間にシートロック機構を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシートロック機構は、シート本体が車両正面向きの位置(走行位置)に回転されたときには、スイングベース側のロック部材にシート本体側のロック部材が係合してシート本体の移動をロックし、これにより、シート本体がシートベルトからの入力荷重で移動することを防止する構成となっている。そして、シート本体がドア開口部向き(車両側面向き)の位置(乗降位置)に回転されたときには、前記係合を解除(アンロック)することで、シート本体の進退動作を許容するように構成されている。
ところが、従来のシートロック装置は、上述したように、シート本体がドア開口部向きの位置に回転されたときに、ロックを解除する方式であり、ロック解除のための部品が必要になる。このため、シートロック機構の構成部品が多く、構造が複雑でコストが高くつくとともに、組付け時の調整が面倒であるといった問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用シート装置において、シート本体の移動を規制するために備えられるシートロック機構の構造の簡素化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る車両用シート装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの構成を備えた。なお、これら各請求項に係る発明は、シート本体と、車両フロア側に設けられてシート本体を車両正面向きと、ドア開口部向きとの間で水平回転させるためのシート回転装置と、該シート回転装置によって水平回転されるスイングベース上に設けられて、シート本体をスイングベースに対して後退位置と進出位置との間で移動させるためのシート移動装置とを備えており、シート本体がドア開口部向きのとき、シート本体を後退位置と進出位置との間で移動させることにより、シート本体を車室内と車室外との間で移動させることができる車両用シート装置において、車両走行時にシート本体が移動しないようにロックすることができるようにした技術である。請求項1に記載の発明では、シート本体とスイングベースとの間に、シート本体が後退位置から移動するとき、該シート本体のスイングベースに対する移動軌跡が、進出位置へ移動させるときのスイングベースに対する移動軌跡と一致する正規移動であればその移動を許容するが、異なる不正移動であればその移動を規制する第1のシートロック機構を備えており、フロア側に前記シート回転装置を支持するスライドベースが車両前後方向にスライド可能に設けられ、該スライドベースと前記シート本体との間に、該シート本体が車両正面向きのとき、該シート本体のドア開口部向きへの回転を許容しつつ前記スライドベースに対する前方への移動を規制し、前記シート本体がドア開口部向きへ回転されたとき、前記シート本体の前記スライドベースに対する前方への移動規制を解除する第2のシートロック機構を備えていることを特徴としている。
【0007】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、例えば車両の急減速等に起因して、シート本体が前方へ移動するとき、その移動がシート移動装置によって後退位置から進出位置へ移動するときのスイングベースに対する移動軌跡と異なる不正移動であれば、シート本体のベースに対する移動を規制することができる。そして、上記のように構成される第1のシートロック機構は、シート本体を車室内と車室外との間で移動させる際にロックを解除していた従来形式とは異なり、ロック解除用の部材が不要となる。このため、従来に比べてシートロック機構を構成する部品数が削減されて構造が簡素化される。また、それに伴い軽量化およびコストの低減が可能になり、更には組付け調整が不要となる。さらに、上述した第1のシートロック機構と、第2のシートロック機構との併用によって、例えば車両の急減速等に起因するシート本体の前方への移動をより効果的に防止することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、第1のシートロック機構を、スイングベース側に設けられた第1のロック部材と、シート本体側に設けられた第2のロック部材とから構成している。このため、第1のシートロック機構の構成部材がわずか二部材となり、構造の簡素化を図る上で有効な第1のシートロック機構が達成される。
【0009】
この場合において、請求項3に記載したように、第1のロック部材は、シート本体が後退位置から正規移動で移動するときの、第2のロック部材のスイングベースに対する移動軌跡上から外れた位置で、かつシート本体が後退位置から不正移動で移動するときの、第2のロック部材のスイングベースに対する移動軌跡上に設けられていることが好ましい。これにより、シート本体の正規移動を害することなく不正移動を防止することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、シート本体にはシートベルト構成部品が設けられており、車両急減速時のシートベルト構成部品からの入力荷重によりシート本体が後退位置から移動するときは、不正移動になることを特徴としている。このため、車両の急減速によってシート本体にシートベルト構成部品を通して荷重が入力された場合において、その入力荷重でシート本体が不正移動することを防止できる。
【0011】
この場合において、請求項5に記載したように、シートベルト構成部品は、シート本体の左右両サイド部のうちの一方に設けられており、第1のシートロック機構は、シート本体の左右両サイド部のうちのシートベルト構成部品が設けられた側に設けられている構成とすることが好ましい。このような構成を採用することで、シートベルト構成部品からの入力荷重によるシート本体の移動を効果的に規制することができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明では、スイングベースとフロア側との間には、該スイングベースが水平回転することを許容した上で上方へ移動することを規制するベースロック機構を備えたことを特徴としている。これにより、例えば車両の急減速等に起因してスイングベースが上方へ移動することを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施の形態に係る車両用シート装置は、シート本体に対して、車両前後方向のスライド動作と、水平回転動作と、四節リンク機構を介しての進退動作との3種の動作を行わせることによって、シート本体を車室内と車室外との間で移動(乗降)できるようにした形式のシート装置であり、以下の説明では、この形式の車両用シート装置を振り出し式シート装置という。ここで、図1は振り出し式シート装置を備えた車両の概略平面図、図2および図3は本実施の形態に係る振り出し式シート装置の側面図である。図4はロック機構を備えた振り出し式シート装置の斜視図であり、図5は図4のA部拡大図、図6は図5の側面図である。なお、図中において、矢印FRは車両前方を示し、矢印UPRは車両上方を示し、矢印LHは車両左方を示す。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態では、車両左側に設定したシート装置1を例示している。したがって、当該シート装置1の左側にドア開口部Dが設けられており、シート本体11は図中実線で示した車両正面向きの位置(以下、この位置を走行位置ともいう)からほぼ90°左回りに水平回転させると、図中二点鎖線で示すように、上記ドア開口部Dに対向したドア開口部向きの位置(以下、この位置を乗降位置ともいう)となり、この乗降位置でドア開口部Dを通してシート本体11を車室内と車室外との間で移動させることが可能となる。
【0016】
このシート装置1の詳細が図2および図3に示されている。本実施の形態において、当該シート装置1の基本的な構成は、特に変更を要しないが、以下簡単に説明する。車両フロアF上には、車両前後方向に沿って相互に平行に延びる前後方向スライド用のレール2が敷設され、このレール2を介してスライドベース3が車両前後方向にスライド可能に設けられている。スライドベース3上には、外輪4aと内輪4bとからなる回転盤4が取り付けられている。回転盤4は、スライドベース3の中央からずれた位置(図2において紙面手前側にずれた位置)に取り付けられている(図4参照)。これは、シート本体11がドア開口部Dに向かって回転されたとき、シート本体11がドア開口部D側へ接近するようにすることを目的として設定されている。
回転盤4の外輪4aはスライドベース3上に固定され、内輪4b上にはスイングベース7が取り付けられている。そして、図示はしないが、内輪4bは減速機付き電動モータを駆動源とする駆動装置によって回転されるように構成される。上記の回転盤4およびその駆動装置によって本発明でいうシート回転装置が構成されている。
【0017】
スイングベース7の上方には、左右一対(図2および図3では紙面に直交する方向に一対)の四節リンク機構8を介してシートホルダ9が取り付けられている。この四節リンク機構8において、2本のリンクアーム8a,8bは、それぞれ支軸8c,8d,8e,8fを介してスイングベース7およびシートホルダ9に回転可能に連結されている。シートホルダ9にはシート10が取り付けられている。このシートホルダ9とそれに支持されるシート10とを含めたものが、本発明でいうシート本体11に対応している。
【0018】
図示はしないが、上記四節リンク機構8は、スイングベース7上に設置した電動シリンダを駆動源として、後側の支軸8dに固定した駆動アームを揺動させることにより揺動(スイング)し、この揺動によって、シート本体11が、スイングベース7に接近した後退位置(図2に示す位置)と、スイングベース7から離間した進出位置(図3に実線で示す位置)との間で進退移動する。なお、駆動源としての電動シリンダは、電動モーターとボールネジおよびそのボールネジに螺合されるナットを主体にして構成されており、ボールネジとナットとによって減速機構が構成されている。上記の四節リンク機構8およびその駆動装置としての電動シリンダによって本発明でいうシート移動装置が構成されている。
【0019】
なお、シート本体11の車両前後方向のスライド動作は、使用者の手動操作によってあるいは電動モータを駆動源とする電動によって行うように構成される。この前後方向スライド動作は、図示省略のスライドロック機構によってスライド方向前端位置および後端位置あるいはその途中の任意の位置においてロックできるようになっている。また、上記回転盤4による水平回転動作も、シート本体11を車両正面に向けた位置と、ドア開口部Dに向けた位置とでそれぞれロックできるようになっている。
【0020】
このような構成によれば、スライドベース3を車両前方へスライドさせてシート本体11をドア開口部Dに対応する位置へ移動させてから、スイングベース7を約90°水平回転操作してシート本体11をドア開口部Dに向け、その状態で上記電動モータを作動させて四節リンク機構8を室外側に向かって傾倒すれば、図3に実線で示すように、シート本体11をドア開口部Dを通して室外に振り出す(下降)ことができる。これにより、乗員はシート10に着座したまま、室外に降りることができる。
逆に、電動シリンダを逆方向に作動させ、図3に二点差線で示すように、四節リンク機構8を起立側に作動(上昇)させたのち、スイングベース7を約90°水平回転させてシート本体11を車両正面向きにしてから、スライドベース3を車両後方へスライドすれば、図2に示すように、シート本体11が室内の元の走行位置へ戻される。これにより、乗員はシート10に着座したまま室内に乗り込むことができる。
【0021】
上記のように構成され、かつ動作するシート装置1において、シート本体11には、乗員保護用のシートベルト31を装着するバックル32が取り付けられている。したがって、車両急減速時にはシート本体11に対してシートベルト31からバックル32を経て衝撃的な荷重(斜め上方に向かう外力)が入力される可能性がある。本実施の形態においては、シートベルト31からの入力荷重でシート本体11が移動することを防止するために、スイングベース7と、シート本体11、具体的にはシート10が載置されるシートホルダ9との間に第1のシートロック機構20を備えている。また、バックル32が本発明でいうシートベルト構成部品に対応している。
【0022】
上記のシートベルト31からの入力荷重によるシート本体11の移動とは、四節リンク機構8の変形や伸び等に起因してシート本体11が前方へ移動する場合を指し、四節リンク機構8それ自体の揺動をいうものではない。すなわち、四節リンク機構8の駆動装置は、減速装置(ボールネジとナット)を有しており、その減速装置で上記の入力荷重に対抗し、四節リンク機構8の揺動を阻止する。以下の説明では、四節リンク機構8の揺動によるシート本体11の移動を正規移動といい、シートベルト31からの入力荷重等によるシート本体11の移動を不正移動という。本実施の形態に係るシート装置1は、この第1のシートロック機構20に特徴を有するものであり、以下、その詳細を図4〜図6に基づいて説明する。
【0023】
第1のシートロック機構20は、スイングベース7のサイドプレート部7aに設けられるフック状の係合部21と、シートホルダ9のサイド部9aに設けられるロックピン22との2部材によって構成され、シートベルト装着用のバックル32の取付部側に配置されている。本実施の形態では、車両左側にシート装置1が配置される場合を例示しており、したがって、バックル32はシート本体11の左右両サイド部のうちの一方、すなわちシートホルダ9の右サイド部に取り付けられている。スイングベース7のサイドプレート部7aの前端部には、係合部21が設けられており、係合部21の下方には前方を開放した切欠7bが形成されている。これに対応して、スイングベース7のサイドプレート部7aの外面側と対向するシートホルダ9のサイド部9aにロックピン22が設けられている。ロックピン22は、サイド部9aに取り付けられたバックル32の取付部から突設されるとともに、スイングベース7のサイドプレート部7aを横切るように延出されており、四節リンク機構8が起立状態のときに、サイドプレート部7aの切欠7b内に入り込むように配置されている。
【0024】
係合部21は、シート本体11が四節リンク機構8を介して振り出し動作されるときの、スイングベース7に対するロックピン22の移動軌跡L(図6参照)から外れた位置で、かつシート本体11がシートベルト31からの入力荷重等により不正移動するときの、スイングベース7に対するロックピン22の移動軌跡上に設けられている。そして、係合部21の基端部211の下縁に車両前方の斜め上方に向かって延びるガイド面7cが形成され、係合部21の先端部212の末端が下向きに折り返されて係合部21は全体としてフック状に形成されている。特に係合部21の先端部212は、シート本体11がシートベルト31からの入力荷重により不正移動するときの、スイングベース7に対するロックピン22の移動軌跡L’上に設けられている。上記のガイド面7cの傾斜方向がシートベルト31からバックル32を経てシート本体11に入力される荷重の入力方向(図6に示すP矢印方向)に対応している。
【0025】
すなわち、本実施の形態に係る第1のシートロック機構20は、シートベルト31からバックル32を経てシート本体11に衝撃的な荷重が入力され、その荷重でシート本体11が荷重入力方向に移動した場合に、係合部21に対してロックピン22が係合することでシート本体11が不正移動することを防止するように構成したものである。上記の係合部21が本発明でいう第1のロック部材に対応し、ロックピン22が本発明でいう第2のロック部材に対応している。なお、本実施の形態では、ロックピン22は、その基部側(取付側)において、シートホルダ9のサイド部9aに対し、軸方向の2箇所で固定されることで取付強度が補強され、また軸方向に沿って前面側に添着された補強プレート23によって曲げ強度が補強されている。つまり、第1のシートロック機構20は、シートベルト31からシート本体11に入力される衝撃的な荷重に耐える強度を保有するように構成されている。
【0026】
本実施の形態に係る第1のシートロック機構20は、上記のように構成したものである。したがって、シート装置1がドア開口部Dに対応したドア開口部向きの乗降位置で行うシート本体11の四節リンク機構8による振り出し動作時においては、シートホルダ9側に設けられたロックピン22は、スイングベース7側に設けられた係合部21に対して干渉することなく切欠7bに出入する。すなわち、第1のシートロック機構20の一方のロック部材を構成するフック状の係合部21は、ロックピン22の移動軌跡Lから外れた位置に設けられているため、通常のシート本体11の振り出し動作時におけるロックピン22の正規移動を許容する。
【0027】
一方、車両の走行時において、例えば車両の急減速等に起因してシート本体11に対しシートベルト31からバックル32を経て衝撃的な荷重が入力され、その荷重で四節リンク機構8の変形等に起因してシート本体11が荷重入力方向に向かって移動したときは、ロックピン22がガイド面7cに当接して上方向への移動が規制されるとともに、係合部21の先端部212に係合して前方への移動が規制される。これにより、シート本体11が前方の斜め上方に向かう大きな不正移動を防止することができる(図6二点鎖線参照)。
なお、シートベルト31を経て入力される荷重は、シート本体11を支持する四節リンク機構8を前方へ傾倒させる力として作用するが、前述したように、四節リンク機構8の減速装置が上記荷重に対抗し、四節リンク機構8の揺動が阻止される。
【0028】
また、本実施の形態では、第1のシートロック機構20をバックル32の取付部側に設けてあるため、入力される荷重に対して間近で第1のシートロック機構20が働くことになり、効果的なロック機能を得ることができる。なお、本実施の形態において、シート本体11に対して衝撃的な荷重が車両後方から入力されたような場合には、ロックピン22が切欠7bの後縁部7dに係合することで、該シート本体11が後方へ不正移動することを防止することができる。
【0029】
上記のように、本実施の形態における第1のシートロック機構20は、シート本体11が振り出し動作するときのスイングベース7に対するロックピン22の移動方向と、シートベルト31を経てシート本体11に入力される荷重で移動されるときのスイングベース7に対するロックピン22の移動方向とが異なることを利用し、ロックピン22は、シート本体11が正規移動する振り出し動作時には係合せず、衝撃的な荷重による不正移動時には係合するようにフック状の係合部21を形成したものである。したがって、本実施の形態によれば、第1のシートロック機構20を係合部21とロックピン22との2部材で構成することが可能となり、シート本体11の振り出し動作に際してロック解除を必要としていた従来のロック装置に比べて、部品点数が削減されることになり、構造の簡素化が図られるとともに、コストの低減あるいは軽量化が可能となる。また、シート本体11が正規移動する振り出し動作については、ロックピン22の移動を許容する構成であり、切欠7bの形状を十分に大きく設定することが可能なため、いわゆる組付け時に位置調整を考慮する必要もなく、組付け性を向上できる。
【0030】
また、本実施の形態に係るシート装置1は、図4に示すように、上述した第1のシートロック機構20とは別に、スイングベース7の浮き上がりを防止するためのベースロック機構40と、シート本体11が不正移動するときのシートホルダ9の移動を防止するための第2のシートロック機構50とを備えている。
【0031】
ベースロック機構40は、スライドベース3の後端上面に設けたフック部材41と、スイングベース7に形成されたロック孔42とによって構成されている。フック部材41は、スイングベース7の水平回転動作に干渉しないように立設されるとともに、その先端部に走行位置のスイングベース7の後端上面に回り込んでロック孔42と対向するフック部41aを備えている。なお、フック部41aは、スイングベース7の水平回転動作を阻害しない範囲内で極力接近して配置されることが好ましい。
したがって、ベースロック機構40によれば、例えば車両の急減速時において、シートベルト31からバックル32を経てシート本体11に衝撃的な荷重が入力され、更にその荷重が四節リンク機構8を経てスイングベース7に入力されたような場合において、上記荷重でスイングベース7が上方へ移動すると、フック部材41のフック部41aにスイングベース7のロック孔42が嵌まり込む。これにより、スイングベース7の上方への移動を防止することができる。
【0032】
次に、第2のシートロック機構50は、スライドベース3の前端部に形成されたロック孔51aを有するロックプレート51と、これに対応してシートホルダ9の前端部に形成されたフック52とから構成されている。ロックプレート51のロック孔51aは、車幅方向に貫通しており、そのロック孔51aに対してフック52がシート本体11の水平回転動作に関連して横方向から係脱可能とされている。
したがって、シートホルダ9に設けたフック52は、シート本体11がドア開口部向きの位置へ水平回転操作されたときは、ロック孔51aから脱出する。これにより、スライドベース3に対するシート本体11の移動規制が解除され、四節リンク機構8の揺動によるシート本体11の振り出し動作が許容される。一方、シート本体11が車両正面向きの位置へ水平回転操作された状態、すなわち通常の走行位置にある状態では、フック52はロック孔51a内に差し込まれる。これにより、フック52のロック孔51aに対する差し込み方向以外の方向については、スライドベース3に対するシート本体11の移動が規制される。したがって、車両急減速等によってシート本体11に衝撃的な荷重が加えられたとき、スライドベース3に対してシートホルダ9が前方へ移動することを防止することができる。
【0033】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。本実施の形態では、シート本体11をスイングベース7に対して後退位置と進出位置との間で移動させるためのシート移動装置として、四節リンク機構8を採用したが、これに代え、例えば伸縮レールを用いたスライド機構によってシート移動装置を構成してもよい。また、本実施の形態では、第1のシートロック機構20を、シートベルト装着用のバックル32が装着される側、すなわち、シートベルト31の荷重入力側に設けた場合で説明したが、両側に設けてもよい。また、第1のシートロック機構20を構成するロック部材として、スイングベース7側に係合部21を設け、シート本体11側にロックピン22設けたが、スイングベース7側にロックピン22を、シート本体11側にフック状の係合部21を設けてもよい。また、ロック部材の形状についても、図示のフックとピンに限定するものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、車両用シート装置において、シート本体の移動を規制するために備えられるシートロック機構の構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振り出し式シート装置を備えた車両の概略平面図である。
【図2】本実施の形態に係る振り出し式シート装置の側面図である。
【図3】振り出し式シート装置の側面図であり、振り出し動作を示す。
【図4】ロック機構を備えた振り出し式シート装置の斜視図である。
【図5】図4のA部拡大図である。
【図6】図5の側面図である。
【符号の説明】
1・・・シート装置
3・・・スライドベース
4・・・回転盤(シート回転装置)
7・・・スイングベース
7a・・・サイドプレート部
8・・・四節リンク機構(シート移動装置)
11・・・シート本体
20・・・第1のシートロック機構
21・・・フック状の係合部(第1のロック部材)
22・・・ロックピン(第2のロック部材)
32・・・バックル(シートベルト構成部品)
40・・・ベースロック機構
50・・・第2のシートロック機構
D・・・ドア開口部
F・・・車両フロア
L・・移動軌跡

Claims (6)

  1. シート本体と、車両フロア側に設けられて前記シート本体を車両正面向きと、ドア開口部向きとの間で水平回転させるためのシート回転装置と、該シート回転装置によって水平回転されるスイングベース上に設けられて、前記シート本体を前記スイングベースに対して後退位置と進出位置との間で移動させるためのシート移動装置とを備えており、前記シート本体がドア開口部向きのとき、前記シート本体を前記後退位置と進出位置との間で移動させることにより、前記シート本体を車室内と車室外との間で移動させることができる車両用シート装置であって、
    前記シート本体と前記スイングベースとの間に、前記シート本体が前記後退位置から移動するとき、該シート本体の前記スイングベースに対する移動軌跡が、前記進出位置へ移動させるときの前記スイングベースに対する移動軌跡と一致する正規移動であればその移動を許容するが、異なる不正移動であればその移動を規制する第1のシートロック機構を備えており、
    フロア側に前記シート回転装置を支持するスライドベースが車両前後方向にスライド可能に設けられ、該スライドベースと前記シート本体との間に、該シート本体が車両正面向きのとき、該シート本体のドア開口部向きへの回転を許容しつつ前記スライドベースに対する前方への移動を規制し、前記シート本体がドア開口部向きへ回転されたとき、前記シート本体の前記スライドベースに対する前方への移動規制を解除する第2のシートロック機構を備えていることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シート装置であって、前記第1のシートロック機構は、前記スイングベース側に設けられた第1のロック部材と、前記シート本体側に設けられた第2のロック部材とからなり、前記シート本体が前記後退位置から移動するとき、前記正規移動であれば第2のロック部材が第1のロック部材に係合することはなくその移動が許容され、前記不正移動であれば第2のロック部材が第1のロック部材に係合してその移動が規制される構成であることを特徴とする車両用シート装置。
  3. 請求項2に記載の車両用シート装置であって、前記第1のロック部材は、前記シート本体が前記後退位置から前記正規移動で移動するときの、前記第2のロック部材の前記スイングベースに対する移動軌跡上から外れた位置で、かつ前記シート本体が前記後退位置から前記不正移動で移動するときの、前記第2のロック部材の前記スイングベースに対する移動軌跡上に設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シート装置であって、前記シート本体にはシートベルト構成部品が設けられており、車両急減速時の前記シートベルト構成部品からの入力荷重により前記シート本体が前記後退位置から移動するときは、前記不正移動になることを特徴とする車両用シート装置。
  5. 請求項4に記載の車両用シート装置であって、前記シートベルト構成部品は、前記シート本体の左右両サイド部のうちの一方に設けられており、前記第1のシートロック機構は、前記シート本体の左右両サイド部のうちの前記シートベルト構成部品が設けられた側に設けられていることを特徴とする車両用シート装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車両用シート装置であって、前記スイングベースとフロア側との間には、該スイングベースが水平回転することを許容した上で上方へ移動することを規制するベースロック機構を備えたことを特徴とする車両用シート装置。
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