JP4320889B2 - 赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出システム及び位置検出方法、並びに、赤外線リモコン受信機 - Google Patents

赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出システム及び位置検出方法、並びに、赤外線リモコン受信機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離隔した2点間の相対的な位置関係を検出・把握するための位置検出技術に係り、特に、赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出・把握するための位置検出技術に関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、赤外線コマンド送受信用の機構を活用してリモコン送信機及び受信機間の相対的な位置関係を検出・把握するための位置検出技術に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的又は光学的なケーブルその他の配線が不要な無線データ通信として、電波や赤外線などの伝送媒体を利用可能であることは、電気・電子技術の分野において旧くから知られている。特に、赤外線を利用した通信方式は、コストが安い、消費電力が少ない、各国における法的規制がほとんどないなどの利点がある。また、配線が不要ということは、ケーブル間を接続するコネクタが不要であることをも意味し、コスト削減にもなる。接続や切断の都度コネクタを着脱することにより機械的に消耗するという心配もない。
【0004】
例えば家電製品などの民生用の電気・電子機器の分野においては、ユーザ操作コマンドを遠隔的に機器に入力する手段として、AM変調方式を採用した「赤外線リモコン」が開発され、既に定着している。また、情報処理機器の分野においても、各情報端末間でのワイヤレス・コミュニケーションの手段の1つとして、IrDA(Infrared Data Association)などの赤外線データ通信が広く採用されている。
【0005】
前者の赤外線リモコンは、テレビ受信機に対する選局、オーディオ・ビジュアル機器に対する再生・記録・音量調節、エアコンに対する運転開始・停止、温度/風量調節など、各種のユーザ・コマンドを赤外線によって機器側に伝播するものである(周知)。
【0006】
従来における赤外線リモコンの使用形態のほとんどは、上記のようなリモコン側からのコマンド送信のみに限られていた。もし、赤外線コマンドを受信する機器側において、赤外線コマンド送信側に関する距離や方向などの位置情報を特定することができたならば、機器がユーザに提供するサービス品質をさらに向上することができるであろう。例えば、エアコンであれば、赤外線コマンドの発信元すなわちユーザの居場所に応じて風向を設定することができる。また、テレビジョンであれば、画面からユーザまでの距離に応じてブラウン管の発光光量や音量を自動的に調節することができる。また、ステレオ・スピーカ方式のオーディオ機器であれば、ユーザの位置に応じて左右スピーカの音量バランスを動的に変更することも可能であろう。
【0007】
リモコンの送信機と受信機間の相対位置関係を検出・把握するための技術として既に幾つかの提案がなされている。
【0008】
例えば、特開平7−190717号公報には、正確な距離測定を行うことができるリモコンシステムについて開示されている。該リモコンシステムは、投光器及び受光器をリモコン及び機器本体に搭載するとともに、受光器に距離計測可能な2つの光点が得られるようにこれらを配置して構成され、投光器の2つの光源からの光を交互に点灯させるようにすることで、正確な距離測定を実現することができる。
【0009】
しかしながら、同公報に記載のリモコンシステムを製作するためには、リモコン送信機側に測距用の信号発信器を内蔵するとともに、さらに受信機側にもその発信信号を受信処理するための特殊な装置を組み込む必要があり、設計・製作上の負担が過大である。しかも、該リモコンシステムは、受信機から送信機までの距離を測定することはできても、送信機の方向を検出することはできない。
【0010】
また、特開平1−244232号公報には、リモコン位置検出機能を備えた空気調和機について開示されている。同公報に記載のリモコン位置検出装置は、リモコンから発信された赤外光を受光する受光手段と、前記受光手段の前方に受光手段へ入射する赤外光信号を反射する回転可能な反射手段と、前記反射手段を一定角度回転させる駆動手段を備えた受光部と、前記受光手段より出力された信号を規定のサンプリングタイムで入力するサンプリング部と、前記サンプリング部のサンプリングタイムを発生するサンプリングタイマ部と、前記サンプリング部でサンプリングしたデータを格納する格納部と、前記格納部に格納された各データを比較してリモコン位置を判別する比較部と、前記受光部の駆動手段及びサンプリングタイマ部に動作開始信号を与えるとともに前記比較部からのリモコン位置信号を入力して各種処理を行う処理部とで構成され、反射手段の回転とサンプリングタイマ部に入力するデータを同期させることで、格納部に格納したデータに基づきリモコン位置を精度よく判別することができる。また、リモコン位置の検出を行うために必要な受光部、増幅部、サンプリング部は少なくて済み回路構成が簡単になり、回路を増やすことなく位置検出区間を細かくすることが可能である。
【0011】
しかしながら、同公報に記載のリモコン位置検出装置の場合、リモコン送信機の方向を検出することはできても、送信機と受信機間の距離を測定することができない。
【0012】
また、本出願人に既に譲渡されている特開平9−238390号公報には、スピーカの設置位置にかかわらず、常にリスナに最適な音場を提供することができるスピーカ装置について開示されている。該スピーカ装置は、リスナの位置情報を検出するセンサと、このセンサの検出した上記位置情報にしたがって、その位置情報の示す方向に、スピーカの指向性の主軸の方向を向ける手段とで構成される。上記センサは、上記リスナからの超音波を検出することにより、上記リスナの位置情報を検出することができる。
【0013】
しかしながら、超音波を利用してリモコン送信機の位置を検出することは、言い換えれば、超音波位置検出機能をリモコン送信側及び受信側の双方に装備する必要があり、設計・製作上の負担が過大となる。
【0014】
また、上述したいずれの従来技術も、送信機の位置を検出するための仕組みは、リモコン本来のパルス変調された送信信号を受信し復調する受信部とは、全く別の構成部品となる。送信側又は受信側のいずれか一方又は双方にかかる構成部品を搭載しなければならず、部品点数やコストの増大を免れ得ない。また、赤外線信号の復調のために一般的なリモコン受信機を用いるとともに、位置検出のためには送信機側に専用の光源又は音源を複数配置して、受信機側にはそれらを受光する撮像素子又はトランスデューサを設置しなければならず、装置の小型化にも不利である。
【0015】
他方、リモコン送信信号と位置検出信号を単一の装置によって受信する場合には、例えば、送信側は単一の送信部を持ち、受信側では一般的なリモコン用受光部並びに復調部を2次元的に複数配設した受光ユニットを2つ以上設置することによって、いわゆる「三角測量」の原理に従い送信部までの距離を計測すると同時に、水平及び垂直方向に位置を検出することが可能となる。
【0016】
しかしながら、この方法では、位置検出分解能を向上させるためには、多数のリモコン用受光部を2次元的に配置する必要があり、受信部の大きさが肥大してしまうという問題を招来する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出・把握することができる、優れた位置検出技術を提供することにある。
【0018】
本発明の更なる目的は、赤外線コマンド送受信用の機構を活用してリモコン送信機及び受信機間の相対的な位置関係を検出・把握することができる、優れた位置検出技術を提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、リモコン送信信号と位置検出信号とを単一の機構によって受信することかできる、リモコン向けの優れた位置検出技術を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出システムであって、
所定面積の受光面を有し、赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号の受光位置及び受光強度に応じた検出信号を出力する、2以上の受光手段と、
前記2以上の受光手段のうち少なくとも1つから検出信号を受け取って変調パルス信号を復調する復調手段と、
前記受光手段の各々の受光面における変調パルス信号の受光位置に基づいて前記赤外線リモコン送信機の位置を検出する位置検出手段と、
を具備することを特徴とする位置検出システムである。
【0021】
前記受光手段の受光面は、例えば、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成することができる(但し、M及びNは正の整数とする)。
【0022】
また、前記位置検出手段は、三角測量の原理に従って、各受光手段の受光面上における受光位置を基に前記赤外線リモコン送信機の相対位置を算出することができる。
【0023】
また、本発明の第1の側面に係る位置検出システムは、所定の制御対象の駆動を制御するための制御手段をさらに備えていてもよい。この制御手段は、前記復調手段からの復調情報と前記位置検出手段からの位置情報とを受け取って、所定の制御対象に対して復調情報が指示する動作を位置情報に応じた形態で実行せしめることができる。
【0024】
また、位置検出システムは、さらに、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現する間引き動作手段を備えていてもよい。間引き動作手段は、例えば、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記制御手段におけるアクティビティの変化に応答して、間引き動作を実行することができる。この結果、スタンバイ・モード期間における赤外線リモコン受信機の消費電力を節約することができる。
【0025】
また、本発明の第2の側面は、赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出方法であって、
(a)、所定面積を有する2以上に受光面にて赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号を受光して、各受光面における受光位置及び受光強度に応じた検出信号を出力するステップと、
(b)前記ステップ(a)における少なくとも1つの受光面から得られた検出信号に基づいて変調パルス信号を復調するステップと、
(c)前記2以上の受光面の各々における変調パルス信号の受光位置に基づいて前記赤外線リモコン送信機の位置を検出するステップと、
を具備することを特徴とする位置検出方法である。
【0026】
前記受光面の各々は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成することができる。
【0027】
また、前記ステップ(c)では、三角測量の原理に従って、各受光手段の受光面上における受光位置を基に前記赤外線リモコン送信機の相対位置を算出することができる。
【0028】
また、本発明の第2の側面に係る位置検出方法は、
(d)前記ステップ(b)において出力される復調情報と前記ステップ(c)において出力される位置情報に基づいて、所定の制御対象に対して復調情報が指示する動作を位置情報に応じた形態で実行せしめるステップ、
をさらに備えていてもよい。
【0029】
また、前記受光面の各々は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成されるとともに(但し、M及びNは正の整数とする)、
位置検出方法は、さらに、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現するステップを備えていてもよい。
【0030】
例えば、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記ステップ(d)におけるアクティビティの変化に応答して、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実行することによって、赤外線リモコン受信機における余分な消費電力を低減することができる。
【0031】
また、本発明の第3の側面は、赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号を受信処理するための赤外線リモコン受信機であって、
M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成される受光面を有して受光強度に応じた検出信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から検出信号を受け取って変調パルス信号を復調する復調手段と、
前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現する間引き動作手段と、
を具備することを特徴とする赤外線リモコン受信機である。
【0032】
前記間引き動作手段は、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記制御手段におけるアクティビティの変化に応答して前記間引き動作を実行することにより、赤外線リモコン受信機の消費電力を低減することができる。
【0033】
【作用】
本発明は、赤外線コマンド送受信用の機構を活用してリモコン送信機及び受信機間の相対的な位置関係を検出・把握するための位置検出システムである。
【0034】
本発明を実現する上で、リモコン送信機自体は、赤外線変調パルス信号を送出する通常のタイプの送信機であれば足り、格別の設計変更や改良などを加える必要はない。
【0035】
他方、リモコン受信機側は、赤外線変調パルス信号を受光する2以上の受光手段を備えている。各受光手段は、所定面積の受光面を有し、受光強度に応じた検出信号を出力するとともに、該受光面上における変調パルス信号の受光位置を特定することができることが好ましい。例えば、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して受光面を構成することによって、かかる機能を実現することができる。
【0036】
リモコン受信機は、変調パルス信号を復調する復調手段を備えている。復調手段は、2以上備えられた受光手段のうち少なくとも1つから検出信号を受け取ることによって、復調処理が可能である。復調結果は、例えば、リモコンによる制御対象を駆動制御する制御回路に出力され、対応する制御対象の操作に利用される。ここで言う制御対象には、テレビジョンやビデオ・デッキその他のAV機器や、エアコンを始めとする空調装置など、遠隔操作を許容する各種の機器である。
【0037】
また、リモコン受信機は、位置検出手段を備えている。位置検出手段は、各受光手段から、それぞれの受光面上における変調パルス信号の受光位置を受け取ることができる。そして、各受光位置に基づいて、三角測量の原理などに従って幾何学的演算を行うことにより、リモコン送信機の相対位置を算出することができる。
【0038】
リモコン送信機の相対位置は、リモコンを操作するユーザの居場所に相当する。制御回路は、位置検出手段から位置情報を入力することで、ユーザに居場所に応じて、より品質の高いサービスを提供することができる。
【0039】
ところで、本発明に係るリモコン受信機は、各受光手段において受光面が所定面積を持つという要請から、受光面は多数の受光セルが2次元マトリックス状に配列した構成となる。このため、全ての受光セルがフル稼動した場合には、従来のリモコン受信機よりもはるかに大きくなってしまう。
【0040】
そこで、本発明では、リモコン受信機は、M×N個の2次元マトリックス状に配列された受光セルを、例えば1列おき又は2列おきなど、セル数を間引いて動作せしめる間引き動作手段をさらに装備した。
【0041】
例えば、リモコン受信機(あるいはリモコン受信機の復調情報などを受け取る機器)がアクティビティの低いスタンバイ・モードに陥った期間中は、受信機能がフル稼動する必要はない。そこで、間引き動作手段は、受光面中の受光セルを間引いて動作することにした。この結果、リモコン受信機における消費電力を大幅に低下させることができる。
【0042】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0044】
図1には、本発明を実現するのに適した赤外線リモコン受信システム50のハードウェア構成を模式的に示している。該リモコン受信システム50は、赤外線リモコン送信機51から送信される赤外線変調パルス信号を受信・復調して送信コマンドを解釈する以外に、該リモコン送信機1の相対的な位置や方向を検出することができる。以下、該リモコン受信システム50の各部について説明する。
【0045】
赤外線リモコン送信機51は、例えばテレビジョンやビデオ・デッキなどのAV(Audio Visual)機器、あるいはエアコンなどの空調装置などを遠隔操作するための、一般的なリモート・コントローラである。赤外線リモコン送信機51が出力する各赤外線変調パルス信号2a及び2bは、制御対象となる機器の操作に適合した変調処理が施された赤外線信号である。本発明を実現する上で、赤外線リモコン送信機51自体の構成や動作特性を変更する必要は特にない。
【0046】
10a及び10bの各々は撮像素子であり、赤外線リモコン送信機51から送信される赤外線変調パルス信号2a及び2bを、それぞれ光学レンズ11a及び11b経由で受光する。各撮像素子10a及び10bは、略同一構成を有するが、詳細については後述に譲る。
【0047】
各撮像素子10a及び10bが出力するセンサ信号1a及び1bは、それぞれ復調回路13及び位置検出回路14に同時入力される。
【0048】
復調回路13は、パルス変調された各センサ信号1a及び1bを入力すると、これらを復調処理して、操作対象となる機器の動作制御に必要な復調情報3として出力するようになっている。
【0049】
また、位置検出回路14は、各センサ信号1a及び1bを入力して、これら入力信号を基に、赤外線リモコン送信機1との相対的な位置関係を三角原理に従って幾何学的な演算処理を行い、位置情報4として制御回路15に出力するようになっている。2つのセンサ信号1a及び1bに基づいて赤外線リモコン送信機51を位置検出する原理については後に詳解する。
【0050】
制御回路15は、復調情報3と位置情報4とを入力して、これらの情報に応じて、様々な制御対象#1,#2…の制御に必要な制御信号5−1,5−2…を生成して送出するようになっている。ここで言う制御対象#1,#2…とは、例えばテレビジョンやビデオ・デッキなどのAV(Audio Visual)機器、あるいはエアコンなどの空調装置など、遠隔操作機能を備えた各種機器類のことである。本実施例では、各制御対象#1,#2…は、赤外線リモコン送信機51の相対位置(すなわち、リモコンを操るユーザの居場所)に応じたサービスを提供できることが好ましい。
【0051】
なお、図1に示した例では、リモコン受信システム50のうち、光学レンズ11a及び11b、撮像素子10a及び10b、位置検出回路14、並びに復調回路13を赤外線リモコン受信機20として構成するとともに、制御回路15及び各制御対象#1,#2…を制御装置21として構成した。但し、本発明の要旨は係る構成には必ずしも限定されない。
【0052】
図2には、撮像素子10周辺の回路構成を示している。
【0053】
撮像素子10は、後述するように、M×N個のマトリックス状に配列された多数の受光セルで構成される。タイミング信号発生部17は、撮像素子10内の各受光セルを所定の形式に従って同期駆動させるためのタイミング信号を生成する機能モジュールである。
【0054】
また、センサ出力処理部18は、各受光セルの検出信号に基づくセンサ出力信号8を、後続の処理に適した信号(図示の例では「センサ信号1」と呼ぶ)に変換する機能モジュールである。
【0055】
また、受信制御回路19は、後述するスタンバイ(standby:待機)モード期間中における撮像素子10の動作を規定するためのライン制御信号9を供給するための機能モジュールである。
【0056】
図3には、撮像素子10内の回路構成を詳細に示している。同図に示すように、1つの撮像素子10は、受光エリア130と、演算エリア131と、タイミング信号スキャナ120と、センサ出力回路121と、ライン動作制御回路122とで構成される。
【0057】
受光エリア130は、M×N個の受光セル100が2次元マトリックス状に配列して構成される。受光セル100は、赤外線リモコン送信機1が送信する変調パルス信号2を受光する最小単位であり、後述するように、受光素子101と増幅部102の組み合わせで構成される。
【0058】
受光エリア130内では、転送パルス110及び画素読出しパルス114を伝送する制御信号が各行毎に敷設されており、同一行の各受光セルには、動作タイミングを規定する共通の転送パルス110及び画素読出しパルス114が供給される。
【0059】
また、演算エリア131内には、受光セルと同数の演算セル109が同一の2次元マトリックス状に配列して構成される。各演算セル109は、後述するように記憶部103と、比較部104と、出力部105とで構成される。各演算セル109は、マトリックス上の位置関係が対応する受光セル100による受光信号を受け取って、演算処理するようになっている。
【0060】
演算エリア131内では、演算モード識別信号111、演算駆動パルス112、及び演算読出しパルス113を伝送する制御信号が各行毎に敷設されており、同一行の各演算セルには、動作タイミングを規定する共通の演算モード識別信号111、演算駆動パルス112、及び演算読出しパルス113が供給される。
【0061】
また、受光セルによる受光信号を対応する演算セルに転送するための画素共通信号線106が、受光エリア130及び演算エリア131の各列毎に敷設されている。すなわち、同一列の各受光セルは、単一の画素共通信号線106を共有しており、画素読出しパルス114によって付勢された行に該当する受光セル100のみが画素共通信号線106上に受光信号を送出するようになっている。
【0062】
また、演算セル109による演算結果を出力するための演算部共通信号線が、演算エリア131内の各列毎に敷設されている。すなわち、同一列の各演算セル109は、単一の演算部共通信号線107を共有しており、演算読出しパルス113によって付勢された行に該当する演算セル109のみが演算部共通信号線107上に演算結果を送出するようになっている。
【0063】
各列毎の演算部共通信号線107は全て、センサ出力回路121に供給される。センサ出力回路121は、センサ出力信号8をセンサ出力処理部18に外部出力する機能モジュールである。図3に示す例では、センサ出力回路121は、各列毎に専用のセンサ出力信号8を備えているが、各列のセンサ出力をパラレル―シリアル変換して単一の出力信号線で外部出力しても構わない。
【0064】
タイミング信号スキャナ120は、タイミング信号発生部17から複数種類のタイミング信号7の供給を受けて、転送パルス110、画素読出しパルス114、演算モード識別信号111、演算駆動パルス112、及び、演算読出しパルス113を生成する。これらの信号パルスは、所定のシーケンスに従って、受光エリア130及び演算エリア131の各行毎に順次供給される。この帰結として、各々の受光セル100及び演算セル109の動作を行単位で順次規定するようになっている。
【0065】
ライン動作制御回路122は、受光エリア130及び演算エリア131の各列毎にライン動作制御信号123を出力しており、撮像素子10外部の受信制御回路19から供給されるライン制御信号9に応じて、各列毎に受信セル及び演算セルを動作するか否かを規定することができる。
【0066】
上述したように、センサ出力回路121は、M×N個の2次元マトリックス状に配列されたセルによる検出信号を、列単位で出力するようになっている。また、タイミング信号スキャナ120は、各セルに対して演算読出しパルス113を行単位で順次供給する。したがって、センサ出力信号8が読み出されたタイミングに基づいて、受光エリア130内のどの受光セル100において変調パルス信号が受光されたか、すなわち撮像素子10の受光面における受光位置を特定することができる。位置検出回路14では、各撮像素子11a及び11bにおける受光位置に基づいて、三角測量の原理により、リモコン送信機51の相対位置を算出することができる(後述)。
【0067】
図4には、撮像素子10の単位セルの構成を詳細に示している。既に述べたように、単位セルは、マトリックス上の位置関係が対応する受光セル100及び演算セル109の組み合わせで構成される。
【0068】
受光セル100は、受光素子101と、増幅部102とで構成される。
【0069】
受光素子101は、フォト・ダイオードに代表される、光電変換機能を持つ素子で構成され、光学レンズ11を介して入射される赤外光の強度に応じた電子を発生するようになっている。
【0070】
増幅部102は、受光素子101において発生した電子を、後続の処理に適した信号レベルまで増幅し、画素共通信号線106を介して演算セル109に向けて出力するようになっている。
【0071】
また、増幅部102は、動作を規定するための転送パルス110及び画素読出しパルス114の各々を入力している。
【0072】
転送パルス110は、受光素子101で発生した電子を増幅部102へ転送するためのタイミングを規定するパルスである。タイミング信号スキャナ120が、受光エリア130内の全ての受光セル109に対して同時に転送パルス110を与えることによって、全ての受光セルが全く同一のタイミングで受光強度を蓄積した後、各々の増幅部102に転送することができる。
【0073】
また、画素読出しパルス114は、増幅部102における増幅信号を画素共通信号線106上に送出するためのタイミングを規定するパルスである。前述及び図3に示すように、画素読出しパルス114を供給するための制御信号は、受光エリア130内の各行毎に敷設されている。したがって、タイミング信号スキャナ120が各行毎に画素読出しパルス114を順次出力することによって、各一行毎の受信セル100による検出出力が、演算エリア131内の対応行の各演算セル109に画素共通信号線106経由で一斉に供給される。
【0074】
他方の演算セル109は、記憶部103と、比較部104と、出力部105とで構成される。
【0075】
記憶部103は、画素共通信号線106経由で対応する受光セル100から転送されてくる信号を一旦蓄積する。また、比較部104は、記憶部に保持された最新の信号を、別の記憶された信号と比較する。
【0076】
本実施例に係る記憶部103は、複数の信号を同時に記憶することが可能である。より具体的には、記憶部103は、画素共通信号線106を介して転送されてきた信号を、演算モード識別信号111によって指定された記憶領域に保存するようになっている。また、比較部104において比較される信号の組み合わせも、演算モード識別信号111によって指定される。
【0077】
比較部104は、演算駆動パルス112の入力に応答して、記憶部から最新の信号と、指定された記憶領域に保存された過去の信号とを取り出して、両信号を大小比較する。比較結果は出力部105に送出される。
【0078】
出力部105は、演算読出しパルス113の入力に応答して、比較部104から受け取った比較結果を、演算部共通信号線107経由でセンサ出力回路121に出力する。演算読出しパルス113を供給するための制御信号は、演算エリア131内の各行毎に敷設されている。したがって、タイミング信号スキャナ120が各行毎に演算読出しパルス113を順次出力することによって、演算セル109による演算出力が、一行単位で一斉に読み出されることになる。
【0079】
図5には、撮像素子10内における動作特性を規定するタイミング・チャートを示している。
【0080】
上述したように、転送パルスは、全受光セル109に対して同一のタイミングで供給される。この結果、全ての受光セル109は、全く同一のタイミングで受光強度を蓄積し、各々の増幅部102に転送する。
【0081】
また、全ての演算セル109に対して、演算モードを指定する演算モード識別信号を一斉に転送する。
【0082】
次いで、タイミング信号スキャナ120は、まず、第1行目の受光セル100に対して画素読出しパルスを供給する。この結果、当該行上の各受光セル100の増幅部102は、増幅した受光信号を画素共通信号線106経由で対応する演算セル109に対して出力する。
【0083】
次いで、タイミング信号スキャナ120は、第1行目の演算セル109に対して演算駆動パルス112を供給する。この結果、当該行上の各演算セル109では、比較部104が記憶部103から信号を取り出して、比較演算処理する。
【0084】
さらに、タイミング信号スキャナ120が、第1行目の演算セル109に対して演算読出しパルス113を供給することによって、当該行上の各演算セル109の出力部105は、比較部104における比較結果を、演算部共通信号線107上に送出する。この結果、センサ出力回路121は、第1行目の各受光セル100における検出結果を受信することができる。
【0085】
次いで、タイミング信号スキャナ120は、第2行目、第3行目、…、第M行目という具合に、上述と同様に、行単位で画素読出しパルス114、演算駆動パルス112、及び演算読出しパルス113を順次供給する。この結果、センサ出力回路121は、各行毎の受光セル100における検出結果を、演算部共通信号線107を介して順次受信することができる。
【0086】
図6には、赤外線パルス信号の復調例を図解している。
【0087】
変調信号は、その先頭に開始コードを、最後尾に終了コードをそれぞれ持つ。また、これらのパルス幅は、通常の信号に比し、充分に長いものとする。
【0088】
そして、開始コードと終了コードの間に挟まれた期間で、ON(ハイ・レベル)とOFF(ロー・レベル)の組み合わせによって、所望の信号を表現するようになっている。図6に示す例では、開始コードと終了コードの間には、”1”,”0”,”1”の順で信号が挿入されている。
【0089】
このような受信変調信号を、撮像素子10では以下のような手順に従って復調処理する。
【0090】
まず、撮像素子10の動作速度を、あらかじめ定められたリモコンの変調速度よりも2倍以上の速度に設定する。そして、この設定速度に対応した周波数をサンプリング周波数として設定する。このサンプリング周波数は、図5で示した転送パルスの周波数となり、この周波数を以って、撮像素子10内の全てのセル100,109が同期的に動作し、センサ信号1が得られる。
【0091】
リモコン受信機20では、リモコン送信機51が動作していないときの受光セル100の出力を、基準信号として演算セル109内の記憶部103の所定領域に記憶しておく。演算セル109内では、この基準信号と、サンプリングによって受光セル100から逐次転送されてくる信号とを比較するように、演算モードを設定することができる。
【0092】
赤外光が照射されている期間中は、受光セル100でサンプリングされた信号は、当然にして、あらかじめ記憶されている基準信号よりも強度が大きい。したがって、比較部104における比較演算の結果、ハイ・レベルの信号を出力することになる。
【0093】
他方、赤外光パルスが途切れた期間中は、受光セル100によるサンプリング信号は基準信号と略同一の強度となる。したがって、比較部104における比較演算の結果、ロー・レベルの信号を出力することになる。
【0094】
このような演算処理の繰り返しによって、赤外光パルス信号のON/OFFに応じたセンサ出力信号8が撮像素子10から出力されることになり、変調パルスを復調処理することが可能である。
【0095】
上述したような復調処理動作は、リモコン送信機51の動作中は常に同一の受光セル100が赤外光信号を受光するような構成であれば、その仕組みは理解容易であろう。しかしながら、一般には、リモコン送信機51はユーザが掌上で操作するので、言い換えればリモコン送信機51は絶えず動いており、撮像素子10上の複数の受光セル100にまたがって赤外光を受信することになるので、注意を要する。
【0096】
すなわち、センサ信号1を、各受光セル100及び演算セル109の組み合わせ毎に独立した検出出力として観察してしまうと、開始コードから信号コード、そして終了コードが一貫して得られなくなるので、復調処理も不可能になってしまう。
【0097】
そこで、本実施例では、センサ信号1を、全ての受光セル100及び演算セル109の組み合わせから出力されるセンサ出力信号8の論理和として観察することにしている。この結果、受光エリア130内のいずれかの受光セル100において赤外光パルスを受光している限り、開始コードから終了コードに至るまで、漏れなく検出することができるので、復調処理が可能となる。より具体的には、図1に示した復調回路13において、このような処理が行われ、正しい復調結果が得られるようになっている。
【0098】
ところで、リモコン受信機20並びに制御装置21が電源オフのスタンバイ(待機)モードの期間中は、撮像素子10内の全ての受光セル100及び演算セル109を動作させ続ける必要はない。むしろ、消費電力節減のためには、動作セル数を極力少なくすることが好ましい。
【0099】
特に、本実施例に係るリモコン受信機20の場合、各々の撮像素子10a,10bは、多数の受光セル100及び演算セル109で構成されるので(図3を参照のこと)、全セルをフル稼動させたときの消費電力は、従来のリモコン受信機よりもはるかに大きくなってしまう。
【0100】
そこで、本実施例では、スタンバイ・モードのようにリモコン受信機20及び/又は制御装置21のアクティビティが低下している期間中は、マトリックス状に配列された受光セル100及び/又は演算セル109を、1列おき又は2列おきといった具合に、駆動するセルを間欠的に間引いた「間引き動作」を行うことによって、低消費電力化を図るようにした。動作する一部の受光セル100において受光しさえすれば、信号の復調処理は可能である。逆に、スタンバイ・モードから通常モードに復帰したときには、全てのセルを駆動させるようにすればよい。
【0101】
このような間引き動作は、図3に示すライン動作制御回路122によって実現される。すなわち、ライン動作制御回路122は、図2に示す受信制御回路19から入力するライン制御信号9がアサートされたことに応じて、適切なライン動作制御信号123を受光セル100及び演算セル109の各列に対して供給し、動作する受光・演算セルのラインすなわち列を間引いた「間引き動作」を行わしめるようになっている。
【0102】
なお、スタンバイ・モードへの状態遷移は、例えば、最後に変調パルス信号を受光してから所定期間を経過したことや、制御装置21や制御対象16−1…の電源がオフされたこと(又はこれらの機器自体がスタンバイ・モードに移行したこと)などに応答して行うことができる。逆にスタンバイ・モードから通常モードへの復帰は、新たに変調パルス信号が入射されたことや、制御装置21や制御対象に電源が再投入されたこと(又は、これらの機器自体がスタンバイ・モードから動作を再開したこと)などに応答して行うことができる。
【0103】
次いで、赤外光を受光中の受光セル100の位置情報を利用して、リモコン送信機51とリモコン受信機20との相対位置を検出するための原理について説明する。
【0104】
図7及び図8には、光学レンズ11a及び11bから距離Dだけ離れた場所から赤外線変調パルス信号を送信しているリモコン送信機51の相対位置を検出する仕組みを図解している。
【0105】
各図において、まず以下のような座標系を定義する。
【0106】
2つの光学レンズ11a及び11bの中心を結ぶ線分の中点上で、その線分と直交する直線をZ軸とする。さらに、Z軸上で、受光機20から遠ざかる方向にある地点を仮想的な原点(0,0,0)として設定する。Z軸は、各光学レンズ11a及び11bの光軸とは平行に走ることになる。
【0107】
また、原点(0,0,0)においてZ軸と交わり、各光学レンズ11a及び11bの中心を結ぶ線分に平行する直線をX軸として設定する。この場合、Y軸は、原点(0,0,0)において紙面に直行する方向に伸びる直線となる。
【0108】
図7及び図8の紙面右側には、撮像素子10a及び光学レンズ11a、並びに、撮像素子10b及び光学レンズ11bの拡大図が示されている。
【0109】
撮像素子10a及び10bは、それぞれ、受光方向後方に、光学レンズ11a及び11bの焦点距離fだけ離れた位置に配設されている。
【0110】
各図に示す例では、撮像素子10aは、光学レンズ11aの光軸からX軸方向にh1だけ離れた位置の受光セル100にて変調パルス信号を受光し、また、撮像素子10bは、光学レンズ11bの光軸からX軸方向に−h2だけ離れた位置の受光セル100にて変調パルス信号を受光しているものとする。これら、変調パルス信号を受光する受光セルの位置を、「変調パルス・スポット位置」と呼ぶことにする。
【0111】
但し、変調パルス信号のスポットは、通常、点ではなく、所定の半径を持つ略円形である。撮像素子10a,10bの撮像面における受光スポットが2以上の受光セルにまたがるような場合には、それらの受光セルの重心位置を変調パルス・スポット位置として用いることにする。
【0112】
2つの光学レンズ11a及び11bの中心間距離をBとおくと、光学レンズ11a及び11bから赤外線リモコン送信機51までの間隔Dは、幾何学的な計算に基づき、以下の式で与えられる。
【0113】
【数1】
D=f・B/(h1−h2)
【0114】
一方、赤外線リモコン送信機51のX座標位置X1は、以下の式で与えられる。
【0115】
【数2】
X1=B(h2+h1)/(h2−h1)
【0116】
また、赤外線リモコン送信機51のY座標位置Y1は、図9に示すようなYZ平面上に位置関係により、幾何学計算に基づいて、以下の式で与えられる。
【0117】
【数3】
Y1=B・v1/(h1−h2)
【0118】
但し、v1は、撮像素子10a上で変調パルス信号を受光する受光セルの、Y軸方向における光学レンズ11aの光軸からのずれ量、すなわちY軸方向オフセットである。撮像素子10aの撮像面における受光スポットが2以上の受光セルにまたがるような場合には、それら受光セルの重心位置のY軸方向オフセットがv1となる(同上)。
【0119】
また、原点(0,0,0)を通り、XY平面から光学レンズ11a及び11bまでの距離をD0とおくと、赤外線リモコン送信機51のZ座標位置Z1は、以下の式で与えられる。
【0120】
【数4】
Z1=D0−D
【0121】
以上のような処理手順に従い、設定座標系における赤外線リモコン送信機51の座標位置(X1,Y1,Z1)を決定することができる。さらに、この結果に基づいて赤外線リモコン受信機20及び制御装置21に対する赤外線リモコン送信機51の相対位置、すなわちユーザの居場所を特定することができる。リモコンによる各制御対象16−1,16−2…においては、ユーザの居場所に応じて、より品質の高いサービスを提供することができる。
【0122】
次いで、本発明に係る位置検出技術をテレビ・システムに応用した例について説明する。図10には、該テレビ・システムの外観構成を図解している。
【0123】
200は、映像を視覚化するテレビジョン本体であり、地上波、衛星放送(BS)、衛星通信(CS)、ケーブル・テレビ、ビデオ・テープ、ビデオ・ディスクなど、様々な映像媒体から供給される映像を表示することができる。
【0124】
201は、コントロール・アンプ内蔵ラックである。コントロール・アンプ201によって、テレビジョン200並びにスピーカ201の駆動を制御することができる。また、映像媒体の受信、再生、選択などのユーザ操作も行えるようになっている。
【0125】
202a及び202bは、スピーカであり、コントロール・アンプ201から出力される音声電気信号を人間の耳で聞こえる、すなわち聴覚可能な形態に変換する働きをする。本テレビ・システムの場合、このコントロール・アンプ201が、図1に示した制御回路15及び制御対象16に相当する。
【0126】
203は、赤外線リモコンの受信機であり、その実体は図1に示した受信機20に相当する。すなわち、赤外線リモコン受信機203は、撮像素子10、光学レンズ11、復調回路13、位置検出回路14の各々に相当する機能モジュールを備えている。
【0127】
さて、ここで、テレビ200を視聴するユーザ210が、テレビ200の正面位置のソファ204に座ったとする。この場合、テレビ200、スピーカ202a及び202bと、ユーザ210との相対的な位置関係は、理想的な2等辺3角形に近くなり、左右のスピーカ202a及び202bの音量バランスがほぼ均一になるように調整すればよい。
【0128】
これに対し、ユーザが、椅子206に座ってテーブル205に向かって何かの作業をしながらテレビ200を視聴するような場合には、上述のような正面位置のソファー204に座っているときとは、相対位置が明らかに異なる。したがって、左右スピーカ202a及び202bの音量、バランス、あるいは、テレビ200の明るさやコントラストなどを、椅子206に座っているユーザに応じて最適な状態に再調整する必要がある。
【0129】
このとき、全ての調整項目に対して再調整作業を個別に行っていたのでは、非常に面倒であり、再調整することを忘れたり省いたりしてしまうことがある。調整を行わないと、必然的に、最適な状態でテレビ映像を楽しむことができなくなってしまう。
【0130】
そこで、本実施例では、位置検出可能なリモコン・システム50を導入する。すなわち、ユーザは、手許に持った赤外線リモコン送信機51(図10では図示しない)を操作する、すなわちリモコン操作用の変調パルス信号を送信するだけで、赤外線リモコン受信機203では、受信信号をコントロール・アンプ201が処理して、ユーザの位置を自動的に検出し、音量、バランス、明るさ、コントラストといった必要な各項目を同時に最適値に調整することができる。
【0131】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0132】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出・把握することができる、優れた位置検出技術を提供することができる。
【0133】
また、本発明によれば、赤外線コマンド送受信用の機構を活用してリモコン送信機及び受信機間の相対的な位置関係を検出・把握することができる、優れた位置検出技術を提供することができる。
【0134】
本発明によれば、赤外線リモコンにより機器に対する遠隔操作を行う場合に、機器操作するための機構を活用することによって操作対象の相対的な位置関係を把握することができる。言い換えれば、位置の入力や指定をユーザが行うことなしに、位置関係に依存した操作を自動的に行うことができる。
【0135】
また、本発明によれば、リモコン送信信号と位置検出信号とを単一の機構によって受信することかできる、リモコン向けの優れた位置検出技術を提供することができる。
【0136】
また、位置に依存した機器操作が複数回にわたるような場合、位置検出を自動的に行うので操作忘れや漏れをなくすことができる。
【0137】
遠隔操作手段としての赤外線リモコンを用いる場合、赤外線受信機側においてのみ位置検出と変調コード復調のための撮像素子を加えるだけで、リモコンの位置検出機構を構成することができる。赤外線送信機側には特段の設計変更を必要としない。一般に、送信機側はユーザの掌で操作する性格を有するので、位置検出の伴なう部品点数の増加や重量の増大を要しないことが好ましい。
【0138】
また、本発明を実装したリモコン受信機においては、いわゆる「スタンバイ(待機)」モード期間中は、受信用の撮像素子を間引き動作によって間欠的に駆動させることにより、無駄な電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現するのに適した赤外線リモコン受信システム50のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図2】撮像素子10周辺の回路構成を示したブロック図である。
【図3】撮像素子10内の回路構成を詳細に示したブロック図である。
【図4】撮像素子10の単位セルの構成を詳細に示したブロック図である。
【図5】撮像素子10内における動作特性を規定するタイミング・チャートを示した図である。
【図6】赤外線パルス信号の復調例を示した図である。
【図7】光学レンズ11a及び11bから距離Dだけ離れた場所から赤外線変調パルス信号を送信しているリモコン送信機51の相対位置を検出する仕組みを説明するための図である。
【図8】光学レンズ11a及び11bから距離Dだけ離れた場所から赤外線変調パルス信号を送信しているリモコン送信機51の相対位置を検出する仕組みを説明するための図である。
【図9】設定座標系のYZ平面上における赤外線リモコン送信機51、並びに、光学レンズ11a及び撮像素子10aの位置関係を説明するための図である。
【図10】本発明に係るリモコン位置検出技術を応用したテレビ・システムの外観構成を描写した図である。
【符号の説明】
1…センサ信号
7…タイミング信号
8…センサ出力信号
9…ライン制御信号
10…撮像素子
11…光学レンズ
13…復調回路
14…位置検出回路
15…制御回路
16…制御対象
17…タイミング信号発生部
18…センサ出力処理部
19…受信制御回路
20…赤外線リモコン受信機
21…制御装置
50…赤外線リモコン受信システム
51…赤外線リモコン送信機
100…受光セル
101…受光素子
102…増幅部
103…記憶部
104…比較部
105…出力部
106…画素共通信号線
107…演算部共通信号線
109…演算セル
110…転送パルス
111…演算モード識別信号
112…演算駆動パルス
113…演算読出しパルス
114…画素読出しパルス
120…タイミング信号スキャナ
121…センサ出力回路
122…ライン動作制御回路
123…ライン動作制御信号
130…受光エリア
131…演算エリア

Claims (14)

  1. 赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出システムであって、
    所定面積の受光面を有し、赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号の受光位置及び受光強度に応じた検出信号を出力する、2以上の受光手段と、
    前記2以上の受光手段のうち少なくとも1つから検出信号を受け取って変調パルス信号を復調する復調手段と、
    前記受光手段の各々の受光面における変調パルス信号の受光位置に基づいて前記赤外線リモコン送信機の位置を検出する位置検出手段と、
    を具備することを特徴とする位置検出システム。
  2. 前記受光手段の受光面は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成されることを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム(但し、M及びNは正の整数とする)。
  3. 前記位置検出手段は、三角測量の原理に従って、各受光手段の受光面上における受光位置を基に前記赤外線リモコン送信機の相対位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
  4. さらに、前記復調手段からの復調情報と前記位置検出手段からの位置情報とを受け取って、所定の制御対象に対して復調情報が指示する動作を位置情報に応じた形態で実行せしめる制御手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
  5. 前記受光手段の受光面は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成され(但し、M及びNは正の整数とする)、
    さらに、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現する間引き動作手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の位置検出システム。
  6. 前記受光手段の受光面は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成され(但し、M及びNは正の整数とする)、
    さらに、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記制御手段におけるアクティビティの変化に応答して、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現する間引き動作手段を具備することを特徴とする請求項4に記載の位置検出システム。
  7. 赤外線リモコンの送信機と受信機間の相対的な位置関係を検出するための位置検出方法であって、
    (a)、所定面積を有する2以上に受光面にて赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号を受光して、各受光面における受光位置及び受光強度に応じた検出信号を出力するステップと、
    (b)前記ステップ(a)における少なくとも1つの受光面から得られた検出信号に基づいて変調パルス信号を復調するステップと、
    (c)前記2以上の受光面の各々における変調パルス信号の受光位置に基づいて前記赤外線リモコン送信機の位置を検出するステップと、
    を具備することを特徴とする位置検出方法。
  8. 前記受光面の各々は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成されることを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法(但し、M及びNは正の整数とする)。
  9. 前記ステップ(c)では、三角測量の原理に従って、各受光手段の受光面上における受光位置を基に前記赤外線リモコン送信機の相対位置を算出することを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
  10. さらに、
    (d)前記ステップ(b)において出力される復調情報と前記ステップ(c)において出力される位置情報に基づいて、所定の制御対象に対して復調情報が指示する動作を位置情報に応じた形態で実行せしめるステップ、
    を具備することを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
  11. 前記受光面の各々は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成され(但し、M及びNは正の整数とする)、
    さらに、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現するステップを具備することを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
  12. 前記受光面の各々は、M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成され(但し、M及びNは正の整数とする)、
    さらに、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記ステップ(d)におけるアクティビティの変化に応答して、前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現するステップを具備することを特徴とする請求項10に記載の位置検出方法。
  13. 赤外線リモコン送信機から送られてくる変調パルス信号を受信処理するための赤外線リモコン受信機であって、
    M×N個の受光セルを2次元マトリックス状に配列して構成される受光面を有して受光強度に応じた検出信号を出力する受光手段と、
    前記受光手段から検出信号を受け取って変調パルス信号を復調する復調手段と、
    前記受光面上の一部の受光セルが駆動を停止した間引き動作を実現する間引き動作手段と、
    を具備することを特徴とする赤外線リモコン受信機。
  14. 前記間引き動作手段は、前記赤外線リモコン受信機及び/又は前記制御手段におけるアクティビティの変化に応答して前記間引き動作を実行することを特徴とする請求項13に記載の赤外線受信機。
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