JP4319727B2 - 組立箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身箱または蓋箱などを折曲げ等の簡単な作業で組み立てることができる組立箱に関し、さらに詳しくは、厚さと剛性のある紙基材からなる組立箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高級な贈答箱としては、美粧性に優れ、強度的にも堅牢であることなどから、貼箱、金属缶、プラスチックケースなどが一般的に用いられている。しかし、貼箱は、製造時に手加工が多く、作業が煩雑であり、生産性が低く製造コストの高いものとなると共に、製函納入のために物流費用や保管費用についても高いものとなっていた。また、金属缶は、製造時は機械加工であり生産性は高い反面、高価な金型が必要であると共に、貼箱同様に製函納入のために物流費用や保管費用が高いものとなっていた。また、プラスチックケースは、金属缶と同じ問題がある上に、衝撃等による割れ防止のための外装が必要であり、これについてもコストの高いものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、美粧性に優れ、強度的にも堅牢であり、製造コストや物流費用、保管費用が安価であると共に、容易に箱状に組み立てることができる組立箱を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の組立箱は、厚さと剛性を有する紙基材からなり、四角形の底面(10)と、前記底面(10)の相対する第1対の各辺に第1溝(50a,50b)を介して連接する前記底面(10)に対して対称な一対の第1側面(20a,20b)と、前記底面(10)の相対する第2対の各辺に第2溝(60a,60b)を介して連接する前記底面(10)に対して対称な一対の第2側面(30a,30b)とを有し、前記第1側面(20a,20b)は、前記底面(10)の相対する第1対の各辺に前記第1溝(50a,50b)を介して連接する第1外側壁(21,21)と該第1外側壁(21,21)に凹字状溝(51a,51b)を介して連接する第1内側壁(22,22)とで構成され、また、前記第2側面(30a,30b)は、前記底面(10)の相対する第2対の各辺に前記第2溝(60a,60b)を介して連接する第2外側壁(31,31)と該第2外側壁(31,31)に凹字状溝(61a,61b)を介して連接する第2内側壁(32,32)とからなると共に、前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)のそれぞれの両端部は、前記第1溝(50a,50b)に平行に延在する第3溝(53a,53a;53b,53b)で区設され、前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)は前記凹字状溝(61a,61b)を用いて折り重ねられると共に前記第2溝(60a,60b)を用いて底面(10)に対して直角に折り曲げられ、同時に折り重ねられる前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)のそれぞれの両端部が前記第3溝(53a,53a;53b,53b)を用いて内向き略直角に折り曲げられると共に、前記凹字状溝(51a,51b)を用いて内側に180度折り曲げられる前記第1外側壁(21,21)と前記第1内側壁(22,22)との間に挟み込まれ、さらに前記第1側面(20a,20b)の各第1内側壁(22,22)と前記第2側面(30a,30b)の各第2内側壁(32,32)とに互に係合する係止手段(70)を備えて組み立てることができる平面状形態を有することを特徴とするものである。このように構成することにより、折り曲げて組み立てる共に係止手段で係止するだけで容易に箱状に組み立てることができる。また、凹字状溝を設けた部分で外側壁上に内側壁を180度折り曲げて重ねることができるために、組立箱としたときに4つの側壁を2重壁からなる堅牢な側壁とすることができる。
【0005】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の組立箱において、前記第2側面30a,30bが前記外側壁31,31上に前記内側壁32,32を前記凹字状溝61a,61bで折り重ねると共に、折り重ねられた前記第2外側壁31,31と前記第2内側壁32,32との対向する面が接着されてなる平面状組立形態を有することを特徴とするものである。このように構成することにより、一層箱状に組み立てることが容易にできるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、具体的な実施形態を図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明の組立箱に用いる厚さと剛性を有する紙基材としては、チップボード、黄板紙、コートボール等の単体、あるいは、これらの積層体を用いることができ、厚さとしては1〜3mmが適当である。また、必要に応じてプラスチックシート、織布、不織布等を貼合したものであってもよいし、また、必要に応じて印刷等の装飾手段を施してもよい。
【0007】
図1は本発明にかかる組立箱の第1の実施形態を示す平面状形態図、図2は図1の平面状組立形態図、図3は本発明にかかる第1の実施形態の組立箱の斜視図、図4は本発明にかかる組立箱の第2の実施形態を示す平面状形態図、図5は本発明にかかる第2の実施形態の組立箱の要部斜視図であり、図中の10は底面、20a,20bは第1側面、21,31はそれぞれ第1外側壁、第2外側壁、22,32はそれぞれ第1内側壁、第2内側壁、23,33はそれぞれ第1台形状係止フラップ、第2台形状係止フラップ、25は切欠部、30a,30bは第2側面、35は突出片、50a,50bは第1溝、51a,51b,61a,61bは凹字状溝、52a,52b,62a,62bはV字状溝、53a,53bは第3溝、60a,60bは第2溝、65は第4溝、70は係止手段、80は側辺をそれぞれ示す。
【0008】
まず、図1は本発明にかかる組立箱の第1の実施形態を示す平面状形態図であって、この組立箱は、厚さと剛性を有する紙基材からなり、長方形状の底面10とその周囲に4つの側面20a,20b;30a,30bとを有しており、図1に示されるように長手軸(縦軸)および短軸(横軸)のいずれに関しても対称形となっている。ここで、相対的に長寸の相対する一対の側面を第1側面20a,20bと称し、一方、相対的に短寸の相対する一対の側面を第2側面30a,30bと称することにする。
【0009】
第1および第2の各側面20a,20b;30a,30bは共に、底面10の相対する一対の各辺に第1溝50a,50bおよび第2溝60a,60bを介して連接する第1外側壁21,21;第2外側壁31,31に凹字状溝51a,51b;61a,61bを介してそれぞれ連接する第1内側壁22,22;第2内側壁32,32とで構成される。
【0010】
まず、第1側面20a,20bについて説明すれば、その各第1内側壁22,22、つまり組立状態において箱の内側に位置せしめられる第1内側壁22,22は第1外側壁21,21と高さが略同じかあるいは小さく構成されている。また、各第1内側壁22,22の両側辺80の所定位置に係止手段70としての第4溝65を介して突出片35を有している。また、第2側面30a,30bの各第2内側壁32,32についても第1側面20a,20bの第1内側壁22,22と同様であって、第2外側壁31,31と高さが略同じかあるいは小さく構成されると共に、各第2内側壁32,32の所定位置に係止手段として、上記突出片35と係合する切欠部25を有している。
【0011】
第1の実施形態の組立箱の平面状形態構成は上記の通りであるが、これを使用時に箱状に組み立てる場合について説明する。まず図1に示した厚さと剛性を有する紙基材からなる平面状形態のものは、溝加工と抜き加工を施すことにより得ることができる。このものを、第2側面30a,30bを構成する各第2内側壁32,32をそれぞれと凹字状溝61a,61bを介して連接する各第2外側壁31,31上に凹字状溝61a,61bで折り重ねる。折り重ねられた各第2内側壁32,32と各第2外側壁31,31の対向する面間は接着手段により接着されて、第2側面30a,30bは図2に示すようにそれぞれ2重側壁に形成される。顧客先に納入する形態としては、図1に示す平面状形態でもよいが、顧客先での使用時の箱状への組み立てを一層容易にする意味から、図2に示す平面状組立形態で納入するのがより好ましい。図1、図2のいずれの形態で納入するにしても貼箱、金属缶、プラスチックケースのように嵩張ることがないために、物流費用や保管費用が安価である。
【0012】
次に、この2重側壁は、それぞれ第2溝60a,60bで底面10に対して内側に直角に折り曲げられると共に、この2重側壁はその両端部を第3溝53a,53a;53b,53bで内側に直角に折り曲げる。その後に、第1側面20a,20bを第1溝50a,50bで底面10に対して内側に直角に折り曲げると共に、第1側面20a,20bを構成する第1内側壁22,22を凹字状溝51a,51bで前記第3溝53a,53a;53b,53bで内側に直角に折り曲げた前記2重側壁の両端部を第1内側壁22,22と第1外側壁21,21間に挟み込むように内側に180度折り曲げ、最終的に第1内側壁22,22の両側辺80に設けられた突出片35を第2内側壁32,32に設けられた切欠部25に係合せしめることにより、図3に示す本発明の組立箱となる。このように、第1内側壁22,22の両側辺80に設けられた突出片35を第2内側壁32,32に設けられた切欠部25に係合せしめた状態(図3に示す状態)においては、第1内側壁22,22は容易に外側へは開かない。また、本発明の組立箱は、4つの側壁がすべて2重壁からなるために、極めて堅牢な側壁を有する組立箱とすることができる。
【0013】
このように本発明の組立箱は、内側壁と外側壁との境界に凹字状溝を設けることにより、内側壁と外側壁を折り重ねる(180度折り曲げる)ことを可能にして2重壁からなる堅牢な側壁を形成した点に特徴を有する組立箱であり、このように構成することにより、厚さと剛性を有する紙基材についても組立箱に適用することができるようになり、貼箱、金属缶、プラスチックケースなどの従来の高級贈答箱と比べても製造コストや物流費用、保管費用が安価であると共に、美粧性や強度面においては遜色のない組立箱とすることができる。また、本発明の組立箱は、側壁が2重壁からなることにより、表出する面は全て同一面となり、組立箱に用いる紙基材の表側と裏側の材料に格差をつけることができ、たとえば、表側には絵柄印刷を施したプラスチックシートを用い、また、裏側には黄板紙を用い、これらを貼合した紙基材を用いて組立箱を形成することにより、美粧性に優れると共に、強度面においても堅牢な組立箱とすることができる。
【0014】
なお、第1の実施形態の組立箱においては、第1溝50a,50bおよび第3溝53a,53a;53b,53bは凹字状溝、第2溝60a,60bおよび第4溝65はV字状溝としたが、これらの溝は90度折り曲げのための溝であり、凹字状溝あるいはV字状溝のいずれの形状の溝であっても構わない。
【0015】
図4は本発明にかかる組立箱の第2の実施形態を示す平面状形態図、図5は本発明にかかる第2の実施形態の組立箱の要部斜視図であって、本発明の第1の実施形態の組立箱とは係止手段70が異なる以外は同じであり、実質的に本発明の第1の実施形態のものと同一の部分については同一符号を付して、係止手段70のみ説明する。
【0016】
図1に示す第1の実施形態のものは、係止手段70が第1側面20a,20bを形成する第1内側壁22,22の両側辺80の所定位置に第4溝65を介して突出片35を設けると共に、第2側面30a,30bを形成する第2内側壁32,32の所定位置に上記突出片35と係合する切欠部25を設けて、箱状に組み立てたときに、前記突出片35を前記切欠部25に係合せしめるようにしたものであるが、図4に示す第2の実施形態のものは、第1側面20a,20bを形成する第1内側壁22,22の第1溝50a,50bと平行な自由な各辺に第5溝、たとえば、V字状溝62a,62bを介して前記第1台形状係止フラップ23,23の斜辺と係合するように構成された斜辺を有する第2台形状係止フラップ33,33が連接し、図5に示すように箱状に組み立てたときに、前記第1台形状係止フラップ23,23と第2台形状係止フラップ33,33とが互いの斜辺で係合せしめるようにしたものである。
【0017】
なお、第1側面20a,20bを形成する第1内側壁22,22と第2側面30a,30bを形成する第2内側壁32,32とに互に係合するように構成された係止手段は、すべて本発明の係止手段に含まれるものである。
【0018】
【発明の効果】
本発明の組立箱は、今まで縷々説明したように、内側壁と外側壁との境界に凹字状溝を設けることにより、厚さと剛性を有する紙基材についても組立箱に適用することができるようになり、貼箱、金属缶、プラスチックケースなどの従来の高級贈答箱と比べても製造コストや物流費用、保管費用が安価であると共に、美粧性や強度面においては遜色のない組立箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる組立箱の第1の実施形態を示す平面状形態図である。
【図2】図1の平面状組立形態図である。
【図3】本発明にかかる第1の実施形態の組立箱の斜視図である。
【図4】本発明にかかる組立箱の第2の実施形態を示す平面状形態図である。
【図5】本発明にかかる第2の実施形態の組立箱の要部斜視図である。
【符号の説明】
10 底面
20a,20b 第1側面
21,31 外側壁
22,32 内側壁
23,33 台形状係止フラップ
25 切欠部
30a,30b 第2側面
35 突出片
50a,50b 第1溝
51a,51b,61a,61b 凹字状溝
52a,52b,62a,62b V字状溝
53a,53b 第3溝
60a,60b 第2溝
65 第4溝
70 係止手段
80 側辺

Claims (2)

  1. 厚さと剛性を有する紙基材からなり、四角形の底面(10)と、前記底面(10)の相対する第1対の各辺に第1溝(50a,50b)を介して連接する前記底面(10)に対して対称な一対の第1側面(20a,20b)と、前記底面(10)の相対する第2対の各辺に第2溝(60a,60b)を介して連接する前記底面(10)に対して対称な一対の第2側面(30a,30b)とを有し、前記第1側面(20a,20b)は、前記底面(10)の相対する第1対の各辺に前記第1溝(50a,50b)を介して連接する第1外側壁(21,21)と該第1外側壁(21,21)に凹字状溝(51a,51b)を介して連接する第1内側壁(22,22)とで構成され、また、前記第2側面(30a,30b)は、前記底面(10)の相対する第2対の各辺に前記第2溝(60a,60b)を介して連接する第2外側壁(31,31)と該第2外側壁(31,31)に凹字状溝(61a,61b)を介して連接する第2内側壁(32,32)とからなると共に、前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)のそれぞれの両端部は、前記第1溝(50a,50b)に平行に延在する第3溝(53a,53a53b,53b)で区設され、前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)は前記凹字状溝(61a,61b)を用いて折り重ねられると共に前記第2溝(60a,60b)を用いて底面(10)に対して直角に折り曲げられ、同時に折り重ねられる前記第2外側壁(31,31)及び前記第2内側壁(32,32)のそれぞれの両端部が前記第3溝(53a,53a;53b,53b)を用いて内向き略直角に折り曲げられると共に、前記凹字状溝(51a,51b)を用いて内側に180度折り曲げられる前記第1外側壁(21,21)と前記第1内側壁(22,22)との間に挟み込まれ、さらに前記第1側面(20a,20b)の各第1内側壁(22,22)と前記第2側面(30a,30b)の各第2内側壁(32,32)とに互に係合する係止手段(70)を備えて組み立てることができる平面状形態を有することを特徴とする組立箱。
  2. 前記第2側面(30a,30b)が前記外側壁(31,31)上に前記内側壁(32,32)を前記凹字状溝(61a,61b)で折り重ねると共に、折り重ねられた前記第2外側壁(31,31)と前記第2内側壁(32,32)との対向する面が接着されてなる平面状組立形態を有することを特徴とする請求項1記載の組立箱。
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